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【発明の名称】 ボス構造を備えたカメラ
【発明者】 【氏名】川路 浩平

【要約】 【課題】圧接に用いる長さを確保すると共に、圧接面の反対側に生ずる突起を避け、コンパクトなカメラを提供する。

【解決手段】外部から操作される操作部と、電気回路の配置された薄板状部材を固定することにより電気回路の形成を行う固定部を有するカメラにおいて、板状部材に形成され、板状部材の一方の側で操作部を支持する支持ボスと、板状部材の他方の側に支持ボスと同軸状に形成され、薄板状部材を固定する固定用ボスとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】外部から操作される操作部と、電気回路の配置された薄板状部材を固定することにより該電気回路の形成を行う固定部を有するカメラにおいて、板状部材に形成され、該板状部材の一方の側で該操作部を支持する支持ボスと、前記板状部材の他方の側に前記支持ボスと同軸状に形成され、前記薄板状部材を固定する固定用ボスとを有することを特徴とするカメラ。
【請求項2】前記操作部は前記カメラから外部に突出していることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
【請求項3】前記操作部が撮影用レンズのロックを解除するレンズ着脱ボタンであることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボス構造を備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の携帯型機器は、従来以上に小型化かつ高機能化を要求されている。小型化によって機構や実装に使用可能な内部空間は狭くなる一方、高機能化の要求に応えるために、従来以上に部品の配置に高密度化および高効率化が要求されている。
【0003】機器本体の小型化および部品点数の削減の見地から、使用される基板の数は極力抑え、接続部分を減少させる必要がある。基板同士の接続方法には、リード線やコネクタを用いる場合がある。高機能製品においては、リード線接続では接続線数が過大でかつ空間を無駄に消費してしまうので非現実的である。また、コネクタ接続では、比較的高価な部品であるコネクタを搭載する必要がある。
【0004】更に、基板上に設けられた電極パターン同士をゴムワッシャとビスで圧接する接続方法が知られている。中程度の接続本数の接続においては作業性も良く、部品代は少額で済む方法である。ただし、圧接行いうる必要条件として、圧接箇所の周囲に、ある程度の平面部分が必要である。また、圧接に用いるビスの噛み合い長さを、圧接力に耐えるように充分に長くする必要がある。更に、ビス長さを長くすると、圧接箇所が板状部の場合には圧接面の反対側に突き出てしまうが、殊に外観に影響のある突出は避ける必要がある。
【0005】図4は、従来のカメラにおける撮影レンズの着脱ボタン102の近傍を示す縦断面図である。着脱ボタン基板101の被写体側(図4の左側)で、前カバー115が着脱ボタン102を覆っている。前カバー115の下側(図4)において、3枚のフレキシブル基板110にゴムワッシャ111と硬質ワッシャ112とが被せられ、ビス113を締め込ませることで圧接が行われている。
【0006】ビス113と噛み合い部101aとが、着脱ボタン基板101の被写体側面101bから被写体側に突出するために、前カバー115の外観面に無用の突起部115aが出来てしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、圧接に用いる長さを確保すると共に、圧接面の反対側に生ずる突起を避け、コンパクトなカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1の発明は、外部から操作される操作部と、電気回路の配置された薄板状部材を固定することにより電気回路の形成を行う固定部を有するカメラにおいて、板状部材に形成され、板状部材の一方の側で操作部を支持する支持ボスと、板状部材の他方の側に支持ボスと同軸状に形成され、薄板状部材を固定する固定用ボスとを有することを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において、操作部はカメラから外部に突出していることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項2において、操作部が撮影用レンズのロックを解除するレンズ着脱ボタンであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、カメラのレンズ着脱ボタン機構に本発明を適用した場合を例にして説明する。説明の前提として、圧接されるフレキシブルプリント基板は、カメラの前ボディ部組の中で圧接が完成されなくてはならない場合がある。理由は、カメラの組立工程において、後ボディ部組と前ボディ部組を製造して、各々検査をパスした後で合体させるために、前ボディ部組単体での作動および通信の検査が可能であることが必要だからである。
【0012】図1は、本発明によるボス構造を備えたカメラの一実施形態を示す分解斜視図である。
【0013】図1において、レンズ着脱ボタン基板1の被写体側(図1の左上側)には、着脱ボタン2の位置決め用のガイドボス1aが設けられている。ガイドボス1aの中心は、着脱ボタンバネ4が入るように、バネ穴1bがくり抜かれている。着脱ボタン2には、バネ穴1bの外周と填め合うガイド穴2bがくり抜かれ、位置決めピン2cが形成されている。着脱ボタンバネ4は、バネ穴1bと位置決めピン2cとで位置決めされながら組み込まれ、着脱ボタン2を被写体側へ付勢する。着脱ボタン基板1は、カメラ前ボディ3にビス14によって固定される。
【0014】着脱ボタン2の着脱ピン穴2dには、着脱ピン5が着脱ピンバネ6を伴って組み立てられ、止めリング7によって固定される。着脱ピン5の被写体側の止めリング8は、着脱ピン5が必要以上にフィルム側に移動しないように、カメラ前ボディ3に当接することでストッパーの役目を果たす。ピンバネ6は、着脱ピン5をフィルム側に押し込む力が過大な場合には、着脱ボタン2に伝達されないように働く。
【0015】着脱ボタン基板1のフィルム側には、ガイドボス1aと同軸に圧接ボス1cが設けられ、圧接ボス1cの中心部には圧接ビス穴1dが設けられている。この圧接ボス1cの下側(図1)には、回転止めボス1eが設けられている。圧接ボス1cは、フレキシブル基板10a、10b、および10cに形成された填め合い穴10ax、10bx、および10cxを貫通する。また、回転止めボス1eは、フレキシブル基板10a、10b、および10cに形成された貫通孔10ay、10by、および10cyを貫通する。フレキシブル基板10cの上側(図1の右下側)において、ゴムワッシャ11と硬質ワッシャ12とが被せられ、更にビス13を圧接ビス穴1dに締め込ませることで圧接作業が完成する。填め合い穴10ax、10bx、および10cxの周囲には、互いに対向する面に圧接パターンが設けられているので、上述した圧接作業により圧接パターンが電気的に接続されることになる。
【0016】図2は、組み立て後の状態を示す断面図である。図中、図2と同じ構成部分には同じ参照番号を付して重複した説明を省略する。
【0017】図2から解るように、ガイドボス1a、バネ穴1b、圧接ボス1c、および圧接ビス穴1dが、共に同軸に設けられている。また、ビス13の頭部近傍(フィルム側)には、別部材20が設けられているので、ビス13の位置をよりフィルム側に寄せることはできない。更に、ビス13のねじ部先端は、着脱ボタン基板1の側面1fよりも被写体側(図2の下側)に飛び出して、充分な噛み合い長さを確保している。
【0018】図3は、着脱ボタン基板1の状況を拡大して示す縦断面図である。図中、図2または図3と同じ構成部分には同じ参照番号を付して重複した説明を省略する。前カバー15が、着脱ボタン2の上下において着脱ボタン基板1の全面を覆っているが、従来例における突起部115a(図4)は存在しない。そのため前カバー15を成型する金型の形状が簡単になり、また成型時の離形性が向上することからコストダウンがなされる。さらに突起部115aとレンズ着脱ボタン2aとを間違える恐れが無くなり操作性が向上する。
【0019】以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の技術的思想によれば、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態においては、レンズ着脱ボタン2aのガイドボス1aの反対側に圧接ボス1cを同軸状に形成するものとして説明したが、レンズ着脱ボタン2aのガイドボス以外の目的で設けられているボスの反対側に圧接ボス1cを同軸状に形成する場合にも本発明を適用できる。
【0020】また、上述した実施形態においては、着脱ボタン基板1に対して略垂直に形成されているものとして説明したが、傾斜していても本発明を適用できる。また、上述した実施形態においては、着脱ボタン基板1が平板であるものとして説明したが、曲板であっても本発明を適用できる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明のボス構造を備えたカメラによれば、板状部材に形成され、板状部材の一方の側で部材を支持するボス(1a)と、板状部材の他方の側にボス(1a)と同軸状に形成される圧接用ボス(1c)とを設けたので、圧接用ボス(1c)において充分な噛み合い長さを確保することができる。また、部品配置空間を有効に利用すると共に、外観に生ずる突起を避けることが可能となる。
【0022】また、請求項2の発明によれば、ボディを成型するときの金型の離形性が良くなることからコストダウンを図ることができる。
【0023】更に、請求項3の発明によれば、カメラの操作性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】 【識別番号】100088649
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武樹
【公開番号】 特開2001−305630(P2001−305630A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−126440(P2000−126440)