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【発明の名称】 電子ダイヤル、およびカメラ
【発明者】 【氏名】加藤 丈晴

【氏名】桧垣 利一

【氏名】今藤 和晴

【要約】 【課題】回動開始に伴って省電力状態から起動する電子ダイヤルにおいて、起動時の回動操作量の取りこぼしを低減する。

【解決手段】回動開始に伴う起動シーケンス中に、回動操作量の検出動作を開始する。その結果、省電力状態から継続する低速クロックの影響があっても、回動操作量の取りこぼしを顕著に低減することが可能となる。また、この場合、回動操作量の検出に係わる設定動作を起動シーケンスの開始前に完了しておく。その結果、起動シーケンス中における回動操作量の検出動作を簡略化し、回動操作量の取りこぼしを低減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作者による回動操作を受け付ける操作部材と、前記操作部材の回動開始により省電力状態から起動する制御部とを備えた電子ダイヤルにおいて、前記制御部は、起動シーケンス期間中に、前記操作部材の回動操作量の検出動作を開始することを特徴とする電子ダイヤル。
【請求項2】 請求項1に記載の電子ダイヤルにおいて、前記制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間中に、前記操作部材の回動開始および/または回動操作量の検出に必要な設定動作を実行することを特徴とする電子ダイヤル。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子ダイヤルにおいて、前記制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間中に、前記操作部材の回動開始を検出するためのポート設定、前記操作部材の回動開始を検出するための割り込み設定、回動操作量検出に関する割り込み設定、回動操作量の検出間隔を短縮する設定の少なくとも1つを実行することを特徴とする電子ダイヤル。
【請求項4】 操作者による回動操作を受け付ける操作部材と、前記操作部材の回動開始により省電力状態から起動する制御部とを備えた電子ダイヤルにおいて、前記操作部材は、回動操作に伴ってオンオフを繰り返す複数のスイッチを有し、前記制御部の第1入出力ポートには、前記複数のスイッチの一端側が共通接続され、前記制御部のその他の入出力ポートには、前記複数のスイッチの他端側が個別に接続され、前記制御部は、通常状態において、前記第1入出力ポートから所定電位を出力し、前記その他の入出力ポートをプルアップ状態またはプルダウン状態にして、前記その他の入出力ポートの入力電圧により前記操作部材の回動操作量を検出し、かつ前記制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間に、前記その他の入出力ポートから所定電位を出力するように設定変更し、前記第1入出力ポートをプルアップ状態またはプルダウン状態に設定変更して、前記第1入出力ポートの入力電圧の変化により前記操作部材の回動開始を検出することを特徴とする電子ダイヤル。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子ダイヤルを設定用または操作用として備えたことを特徴とするカメラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動開始により省電力状態から起動する電子ダイヤルに関する。また、本発明は、上記の電子ダイヤルを備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカメラには、回動自在な電子ダイヤルが1つまたは複数設けられている。操作者は、このような電子ダイヤルを指などで回動することにより、絞り値、シャッタスピード、カスタムセッティング、フィルム感度などの迅速かつ自在な設定変更を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなカメラは、一定時間にわたって操作がなされないと、省電力状態に移行する。この省電力状態では、カメラ内の電力供給先が制限され、かつカメラ内CPUのクロック周波数が低く設定される。その結果、カメラの消費電力が極力低く抑えられる。
【0004】本発明者は、この省電力状態から、電子ダイヤルの回動開始に呼応して起動するカメラ構成を考えた。この場合、操作者による電子ダイヤルの回動操作は、カメラの起動動作中にもかまわずなされるため、電子ダイヤルの回動操作量を取りこぼしなく検出することが困難となる。このような回動操作量の取りこぼしが一旦生じると、操作者側が想定する回動操作量と、カメラ側の検出操作量とにズレが生じてしまい、電子ダイヤル本来の良好な操作追従性が損なわれてしまう。
【0005】そこで、本発明では、電子ダイヤルの回動開始に伴って起動するカメラにおいて、回動開始直後の回動操作量をより確実に検出することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】《請求項1》請求項1に記載の発明は、操作者による回動操作を受け付ける操作部材と、操作部材の回動開始により省電力状態から起動する制御部とを備えた電子ダイヤルにおいて、制御部は、起動シーケンス期間中に、操作部材の回動操作量の検出動作を開始することを特徴とする。
【0007】上記構成のように、起動シーケンス期間中に、操作部材の回動操作量の検出動作が開始(挿入)されることにより、起動シーケンス期間中の回動操作量の取りこぼしを確実に低減することが可能となる。なお、上記の検出動作は、起動シーケンス中に回動操作量の検出が可能となった時点で、直ちに開始することが好ましい。この場合には、回動操作量の取りこぼしをできる限り低減することが可能となる。
【0008】《請求項2》請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子ダイヤルにおいて、制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間中に、操作部材の回動開始および/または回動操作量の検出に必要な設定動作を実行することを特徴とする。上記動作により、起動シーケンスの開始前に、回動検出(回動開始および/または回動操作量の検出)に必要な設定動作がある程度完了する。したがって、検出動作に先だってこれらの設定動作を改めて行う必要がなく、その分だけ検出動作を迅速に開始することが可能となる。したがって、回動操作量の取りこぼしをより確実に低減することが可能となる。
【0009】なお、これらの設定動作を実行する期間としては、省電力状態に入る準備期間が好ましい。この場合は、通常状態と同様に高速のクロック周波数に基づいて設定動作を実行することが可能であり、これらの設定動作を高速に完了することが可能となる。また、これらの設定動作を省電力状態の期間に行うことも好ましい。この場合は、これらの設定動作を省電力状態に入る準備期間に行う必要がなくなるので、省電力状態への移行を迅速に完了することが可能となる。
【0010】《請求項3》請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の電子ダイヤルにおいて、制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間中に、操作部材の回動開始を検出するためのポート設定、操作部材の回動開始を検出するための割り込み設定、回動操作量検出に関する割り込み設定、回動操作量の検出間隔を短縮する設定の少なくとも1つを実行することを特徴とする。
【0011】以下、場合に分けて説明する。
■『操作部材の回動開始を検出するためのポート設定』の場合このような専用のポート設定を行うことにより、省電力状態における操作部材の監視を簡略化または効率化することが可能となる。その結果、操作部材の監視に所要する演算処理量などが低減し、省電力状態における一層の省電力化を達成することが可能となる。また、回動開始の監視に所要する演算処理量が低減するので、回動開始から起動シーケンスを開始するまでの所要時間が短縮され、回動操作量の取りこぼしをより確実に低減することも可能となる。
■『操作部材の回動開始を検出するための割り込み設定』の場合このように回動開始を検出するめの割り込み設定を行うことにより、省電力状態における操作部材の監視を簡略化または効率化することが可能となる。その結果、操作部材の監視に所要する演算処理量などが低減し、省電力状態における一層の省電力化を達成することが可能となる。また、回動開始の監視に所要する演算処理量が低減するので、回動開始から起動シーケンスを開始するまでの所要時間が短縮され、回動操作量の取りこぼしをより確実に低減することも可能となる。
■『回動操作量検出に関する割り込み設定』の場合このように回動操作量検出に関する割り込み設定を起動シーケンス前に完了するので、起動シーケンス中には、割り込み設定を改めて行う必要がなく、その分だけ検出動作を迅速に開始することが可能となる。したがって、回動操作量の取りこぼしをより確実に低減することが可能となる。
■『回動操作量の検出間隔を短縮する設定』の場合このような設定により、回動操作量の検出回数を増やすことが可能となり、回動操作量の取りこぼしをより確実に低減することが可能となる。
【0012】《請求項4》請求項4に記載の発明は、操作者による回動操作を受け付ける操作部材と、操作部材の回動開始により省電力状態から起動する制御部とを備えた電子ダイヤルにおいて、操作部材は、回動操作に伴ってオンオフを繰り返す複数のスイッチを有し、制御部の第1入出力ポートには、複数のスイッチの一端側が共通接続され、制御部のその他の入出力ポートには、複数のスイッチの他端側が個別に接続され、制御部は、通常状態において、第1入出力ポートから所定電位を出力し、その他の入出力ポートをプルアップ状態またはプルダウン状態にして、その他の入出力ポートの入力電圧により操作部材の回動操作量を検出し、かつ制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間に、その他の入出力ポートから所定電位を出力するように設定変更し、第1入出力ポートをプルアップ状態またはプルダウン状態に設定変更して、第1入出力ポートの入力電圧の変化により操作部材の回動開始を検出することを特徴とする。
【0013】上記動作により、省電力状態では、第1入出力ポートの電圧変化のみを監視すればよく、監視に所要する演算量が低減する。したがって、回動開始から起動シーケンスを開始するまでの期間が短縮され、回動操作量の取りこぼしをより確実に低減することが可能となる。また、通常状態では、閉じているスイッチの数に応じてスイッチを流れる総電流量が増加する(図4参照)。しかしながら、省電力状態では、複数のスイッチが、第1入出力ポートを介してプルアップ抵抗(またはプルダウン抵抗)に共通接続される。したがって、複数のスイッチが閉じたまま放置されても、スイッチを流れる総電流量はスイッチ1つ分が閉じている場合と変わらない(図7参照)。その結果、省電力状態における電流消費量を回路面から一段と低減することが可能となる。
【0014】《請求項5》請求項5に記載のカメラは、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子ダイヤルを設定用または操作用として備えたことを特徴とする。上記構成のカメラは、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子ダイヤルを備えるので、電子ダイヤルが急に高速回転されても、起動シーケンス中に回動操作量を取りこぼすことが少なく、省電力状態からでも電子ダイヤルの回動操作により快適かつ迅速な設定や操作を行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施形態を説明する。本実施形態は、請求項1〜5に対応する実施形態である。
【0016】《カメラ操作部の説明》図1は、電子ダイヤルを備えたカメラ100を上面から見た図である。図1において、カメラ100の上面には、メインスイッチ1、レリーズ釦2、モード選択ダイヤル5、露出補正釦6、調光補正釦7、シンクロモード釦8、オートブラケティング釦9および液晶表示部10などが配置される。また、カメラ100の把持部後方の親指が届く位置には、電子ダイヤルの操作部材3が配置される。また、カメラ100の把持部前方の人差し指が届く位置には、サブ電子ダイヤルの操作部材4が配置される。なお、本実施形態の電子ダイヤルは、モード選択ダイヤル5のように回転時の選択位置に応じて情報入力がなされるものとは異なり、回動操作量や回動方向に応じて相対的に情報入力がなされるものを指す。
【0017】《電子ダイヤルの構造》図2は、この操作部材3の構造とその等価回路を示した図である。電子ダイヤルの操作部材3は、一体に回転するダイヤル基板11と、基板上の銅箔パターン12と、3本のブラシ13〜15とから構成される。この銅箔パターン12とブラシ13〜15とにより、等価回路中に示すスイッチ3a,3bが構成される。なお、図示しない操作部材4についても、操作部材3と同様な構造を有し、スイッチ4a,4bが等価的に構成される。
【0018】《カメラ100の内部回路》図3は、カメラ100内の電源関連の回路構成を示す図である。図3において、カメラ100の内部には、電源制御CPU21およびメインCPU22が設けられる。この電源制御CPU21とメインCPU22との間では、シリアル回線を介して情報通信が行われる。このメインCPU22には、DCDCコンバータ23を介して昇圧された電源電圧Vccが供給される。このメインCPU22には、レリーズ釦2の全押しスイッチ2bおよび半押しスイッチ2aからのスイッチ情報が入力される。また、電源制御CPU21には、ボルテージレギュレータ24の安定化電圧Vddと電源電圧Vccのいずれか高い方の電圧が、ダイオード27a,27bを介して供給される。
【0019】また、電源制御CPU21には、メインスイッチ1、半押しスイッチ2a、モード選択ダイヤル5、電子ダイヤルの操作部材3、サブ電子ダイヤルの操作部材4、露出補正釦6、調光補正釦7、シンクロモード釦8、オートブラケティング釦9、液晶表示部10などが接続される。さらに、電源制御CPU21は、クロック発生用として、水晶振動子28(低速クロック約32KHz用)と、セラミック振動子29(高速クロック用)を有する。
【0020】このような構成のカメラ100は、次の2つの電源状態を切り換え可能に有する。
■通常状態・・操作者が、メインスイッチ1をオン状態にし、かつレリーズ釦2を半押し状態にすると、カメラ100は起動して通常状態に移行する。この通常状態において、電源制御CPU21は、DCDCコンバータ23をオン状態に制御して、メインCPU22に電源電圧Vccを供給する。また、電源制御CPU21自体にも、電源電圧Vccからダイオード27bの順方向電圧分だけ降下した電源電圧が供給される。さらに、電源制御CPU21は、クロック周波数を高速クロックに切り換え、処理動作を高速化する。この通常状態中は、メインCPU22を介して、測光、オートフォーカス駆動、撮影動作が随時に実行される。
■省電力状態・・メインスイッチ1がオン状態にされたまま、一定期間にわたってユーザー操作が行われない場合、カメラ100は省電力状態に移行する。この省電力状態において、電源制御CPU21は、DCDCコンバータ23をオフ状態に制御して、メインCPU22を停止させる。また、電源制御CPU21自体は、安定化電圧Vddから順方向電圧だけ降下した低い供給電圧で動作する。さらに、電源制御CPU21は、カメラ100のクロック周波数を低速クロックに切り換えて一層の省電力化を図る。この省電力状態は、カメラ100の電力消費量を極力低減しつつ、ユーザー操作を待機する電源状態である。
【0021】《通常状態における電源制御CPU21のポート設定》図4は、通常状態における電源制御CPU21のポート設定を示す図である。図4において、操作部材3,4の有するスイッチ3a,3b,4a,4bの一端側は、入出力ポートP10に共通接続される。電源制御CPU21は、このポートP10を出力用に設定し、かつ出力電圧を接地電位に設定する。
【0022】一方、操作部材3,4の有するスイッチ3a,3b,4a,4bの他端側は、入出力ポートP00〜03に個別接続される。電源制御CPU21は、このポートP00〜03を入力用に設定し、かつプルアップ状態に設定する。図5は、操作部材3,4を回動した場合のポートP00〜03の電圧を示した図である。電源制御CPU21は、これらのポート電圧をタイマ割り込み毎に個別に検出することにより、操作部材3,4の回動操作量および回動方向を検出することが可能となる。
【0023】《本実施形態と発明との対応関係》以下、各請求項に記載事項と本実施形態との対応関係について説明する。請求項1〜3と本実施形態との対応関係については、操作部材は操作部材3,4に対応し、制御部は電源制御CPU21に対応する。請求項4と本実施形態との対応関係については、操作部材は操作部材3,4に対応し、制御部は電源制御CPU21に対応し、複数のスイッチはスイッチ3a,3b,4a,4bに対応し、第1入出力ポートはポートP10に対応し、その他の入出力ポートはポートP00〜03に対応する。請求項5と本実施形態との対応関係については、電子ダイヤルは操作部材3,4および電源制御CPU21に対応し、カメラはカメラ100に対応する。
【0024】《省電力状態への移行動作》図6は、省電力状態への移行ルーチンを示す図である。以下、省電力状態への移行動作を、図6のステップ番号に沿って説明する。
ステップS1: まず、電源制御CPU21は、メインCPU22からの信号により、DCDCコンバータ23の停止許可を得る。
ステップS2: 電源制御CPU21は、メインCPU22をリセットした後、DCDCコンバータ23をオフ制御し、メインCPU22を停止させる。
ステップS3: 電源制御CPU21は、モード選択ダイヤル5のスイッチ状態を取得して、現在選択中の動作モードを判別する。
ステップS4: 電源制御CPU21は、現在の動作モードが、電子ダイヤルの回動開始によって起動するモードか否かを判定する。本実施形態では、カスタム設定モードまたはフィルム感度設定モードが、この起動するモードに該当する。電源制御CPU21は、これら起動するモードが選択されていた場合、ステップS5に動作を移行する。一方、起動しないモードが選択されていた場合、電源制御CPU21は、以下の動作を行わずに、ステップS9に動作を移行する。
ステップS5: 電源制御CPU21は、図4に示したポート設定から、図7に示す回動開始を検出するためのポート設定(後述)へ設定変更を行う。
ステップS6: 電源制御CPU21は、ポートP10の入力電圧の立下がりによる割り込みを許可する。
ステップS7: 電源制御CPU21は、電子ダイヤルの回動操作量検出用の割り込みタイマを停止させ、タイマ値を所定の開始値に初期化する。
ステップS8: 電源制御CPU21は、電子ダイヤルの回動操作量検出用の割り込みタイマを最短の時間間隔に設定する。
ステップS9: 電源制御CPU21は、クロック周波数を高速クロックから低速クロックに変更する。
以上のような一連の動作により、カメラ100は省電力状態に入る。
【0025】《省電力状態における電源制御CPU21のポート設定》図7は、省電力状態における電源制御CPU21のポート設定を示す図である。図7において、電源制御CPU21は、ポートP10を入力用に設定し、かつプルアップ状態に設定する。一方、電源制御CPU21は、ポートP00〜03を出力用に設定し、かつ出力電圧を接地電位に設定する。
【0026】図8は、省電力状態におけるポート電圧の変化を示した図である。操作部材3,4は、クリック位置で停止する。このクリック位置では、スイッチ3a,3b,4a,4bはすべて開状態に保たれる。そのため、操作部材3,4の回動操作前は、ポートP10の入力電位がハイレベルに維持される。この状態から、操作部材3,4の一方が回動操作されると、スイッチ3a,3b,4a,4bのいずれかが閉状態に変化する。すると、ポートP10の入力電位は、ハイレベルからローレベルへ立ち下がる(図8中に示すα時点)。電源制御CPU21は、ポートP10の立下がりに同期して、次の起動シーケンスを割り込み処理として開始する。
【0027】《電子ダイヤルによる起動シーケンス》図9は、電子ダイヤルの回動開始による起動シーケンスを示す図である。以下、この起動シーケンスを、図9のステップ番号に沿って説明する。
ステップS11: 電源制御CPU21は、自らの動作クロックを高速クロックへ変更する。なお、実際のクロック切り換えは、高速クロックの発振安定時間を待って行われる。そのため、発振安定時間が経過するまでは、低速クロックによる処理が継続的に行われる。
ステップS12: 電源制御CPU21は、割り込み前のアキュムレータの値をスタックに待避させる。
ステップS13: 電源制御CPU21は、図7に示したポート設定から、図4に示す回動操作量を検出するためのポート設定へ設定変更する(図8中に示すβ時点)。なお、図8に示すα〜β間の時間的な遅れは、上記低速クロックに基づく処理のためである。
ステップS14: この設定変更の直後に、電源制御CPU21は、ポートP00〜03の状態を検出する(図8中に示す『1』時点)。
ステップS15: 電源制御CPU21は、読み取ったポートP00〜03の論理値を、起動後の1回目のダイヤル状態を示す情報として、回動操作量(ここではクリック数)検出用のメモリ領域にコピーする。
ステップS16: 電源制御CPU21は、電子ダイヤルの回動操作量検出用のタイマ割り込みを許可する。前回の省電力状態へ移行した時に、タイマ割り込みの時間間隔が最短に設定されているため、タイマ割り込みはすぐに発生する。この場合、起動シーケンスとの優先順位の関係から、起動シーケンスの終了直後にタイマ割り込みが実施される(図8中に示す『2』時点)。
ステップS17: 電源制御CPU21は、電子ダイヤルの回動操作量検出用のタイマ割り込み間隔を最短設定から通常設定に戻す。その結果、図8中に示す『2』以降の割り込み間隔は、通常設定に戻る。
ステップS18: 電源制御CPU21は、電子ダイヤルの回動開始に伴う起動であることを示すフラグをセットする。
ステップS19: 電源制御CPU21は、割り込みフラグをクリアする。
ステップS20: 電源制御CPU21は、電子ダイヤルによる起動割り込みを禁止する。
ステップS21: 電源制御CPU21は、DCDCコンバータ23をオン制御し、メインCPUのリセットを解除して起動させる。
ステップS22: 電源制御CPU21は、ステップS12でスタックに待避したアキュムレータの値を元に戻す。以上の一連の動作により、省電力状態から通常状態への移行動作が完了する。
【0028】《本実施形態の効果など》本実施形態では、以上説明したように、起動シーケンスの開始後に、操作部材3,4の回動操作量を検出可能に速やかに設定して、その直後に回動操作量の検出動作を実行する。したがって、起動シーケンス期間中の回動操作量の取りこぼしを防止することができる。
【0029】また、本実施形態では、省電力状態に入るための準備期間中に、操作部材3,4の回動開始を検出するためのポート設定および割り込み設定、回動操作量検出に関する割り込み設定(割り込みタイマ値の初期設定など)、回動操作量の検出間隔を短縮する設定を完了する。したがって、検出動作に先立ってこれらの設定を改めて行う必要がなく、検出動作をいち早く開始することができる。したがって、回動操作量の取りこぼしをより防止することが可能となる。これら動作の相乗的な効果により、本実施形態では、省電力状態から電子ダイヤルが急に回動されても、回動操作量の取りこぼしが発生しない電子ダイヤルが実現する。
【0030】さらに、本実施形態では、省電力状態において電子ダイヤルに関するポート設定を図7の状態に設定する。したがって、電子ダイヤルの有する複数のスイッチ3a,3b,4a,4bの状態変化をポートP10の電位変化として簡易に検出することが可能となる。したがって、その他のポート00〜03を個別に監視する場合に比べて、省電力状態中の割り込み制御が簡易かつ単純になり、結果的に起動シーケンスの開始タイミングを早めることが可能となる。この点からも、起動シーケンス中の回動操作量の取りこぼしを低減する効果が得られる。
【0031】《本実施形態の補足事項》なお、上述した実施形態では、省電力状態に移行する準備期間中に、電子ダイヤルの回動検出に必要な設定動作を実行している。しかしながら、これに限定されるものではない。一般的には、これらの設定動作を起動シーケンスの開始前に実行しておけば、起動シーケンス中の回動検出をいち早く実行することが可能となる。例えば、省電力状態の期間中にこれらの設定動作を実行してもよい。また、上述した実施形態では、カメラに電子ダイヤルを搭載する場合について説明したが、勿論、電子ダイヤルの搭載機器はカメラのみに限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】《請求項1》請求項1に記載の発明では、起動シーケンス中に、操作部材の回動操作量の検出動作を開始するので、起動シーケンス期間における回動操作量の取りこぼしを確実に低減することができる。したがって、省電力状態から電子ダイヤルが急に高速回転されても、良好な操作追従性の電子ダイヤルを実現することができる。
【0033】《請求項2》請求項2に記載の発明では、起動シーケンスに入る前に回動検出(回動開始および/または回動操作量の検出)に必要な設定動作を実行する。したがって、設定完了した設定動作については、起動シーケンスなどにおいて設定動作を改めて行う必要がない。そのため、回動操作量の検出動作をいち早く開始することが可能となり、回動操作量の取りこぼしを一段と低減することができる。その結果、さらに良好な操作追従性の電子ダイヤルを実現することができる。
【0034】《請求項3》請求項3に記載の発明では、制御部は、省電力状態に入る準備または省電力状態の期間中に、操作部材の回動開始を検出するためのポート設定、操作部材の回動開始を検出するための割り込み設定、回動操作量検出に関する割り込み設定、回動操作量の検出間隔を短縮する設定の少なくとも1つを実行する。したがって、起動シーケンスにおいて、回動操作量の検出動作をいち早く開始したり、検出回数を増やすことが可能となり、回動操作量の取りこぼしを一段と低減できる。
【0035】《請求項4》請求項4に記載の発明では、省電力状態において、第1入出力ポートの電圧変化のみを監視すれば操作部材の回動開始を検出することが可能となる。したがって、監視に所要する制御量などが低減し、回動開始から起動シーケンスを開始するまでの期間が短縮される。したがって、回動操作量の取りこぼしを一段と低減し、良好な操作追従性の電子ダイヤルを実現することができる。また、本発明のポート設定によれば、省電力状態において複数のスイッチが同時に閉じたまま放置されても、スイッチを流れる総電流量はスイッチ1つ分が閉じている場合と変わらない(図7参照)。したがって、省電力状態における電流消費量を回路面から一段と低減することも可能となる。
【0036】《請求項5》請求項5に記載のカメラは、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子ダイヤルを設定用または操作用として備える。したがって、省電力状態から電子ダイヤルが急に高速回転されても、回動操作量を取りこぼすことが少なく、良好な操作追従性を具備したカメラが実現する。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成12年4月24日(2000.4.24)
【代理人】 【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
【公開番号】 特開2001−305625(P2001−305625A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−122105(P2000−122105)