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【発明の名称】 カメラ電池収納装置
【発明者】 【氏名】青木 憲一

【氏名】山崎 泉

【要約】 【課題】非ヒンジタイプの蓋体にアンバランスな応力が加わっても片浮き状態とならない等の利点を有するロック機構を備えたカメラ電池収納装置を提供。

【解決手段】本発明のカメラ電池収納装置は、電池収納室(10)の開口部(11)の周辺に配設された複数の収納室側係合部(41,42) と、これら複数の収納室側係合部(41,42) にそれぞれ対応する如く開口部(11)を閉塞する蓋体(21)の周辺に配設された複数の蓋体側係合部(43,44) と、これら複数の蓋体側係合部(43,44) を対応する複数の収納室側係合部(41,42) に対して係脱操作する操作部(45)とを含むロック機構を備えている。カメラ本体周辺部よりに配設される係合部(42)は、電池収納室(10)の内周面に添って取付けられた硬質板状部材(42a) の一端に蓋体側係合部と係合可能なL形ないしU形をなす係合爪(42b) を形成した係合子である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】カメラ本体に設けられた電池収納室と、この電池収納室内にカメラ電池を挿脱自在に収納するための開口部と、この開口部を開閉自在に閉塞する蓋体と、この蓋体をロックするロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記開口部の周辺に配設された複数の収納室側係合部と、これら複数の収納室側係合部にそれぞれ対応する如く前記蓋体の周辺に配設された複数の蓋体側係合部と、これら複数の蓋体側係合部を前記対応する複数の収納室側係合部に対して係脱操作する操作部とからなり、前記複数の収納室側係合部のうち、少なくとも一つは前記開口部におけるカメラ本体中央部よりに第1係合部として配設され、他の少なくとも一つは前記開口部におけるカメラ本体周辺部よりに第2係合部として配設されていることを特徴とするカメラ電池収納装置。
【請求項2】前記対応する収納室側係合部及び蓋体側係合部は、それぞれ係合凹部と係合凸部との組み合わせによるロック手段を構成していることを特徴とする請求項1に記載のカメラ電池収納装置。
【請求項3】前記カメラ本体周辺部よりに配設される第2係合部は、前記電池収納室の内周面に添って取付けられた硬質板状部材の一端に、前記蓋体側係合部と係合可能なL形ないしU形をなす係合爪を形成した係合子であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ電池収納装置。
【請求項4】前記蓋体は、前記電池収納室に収納可能な如く設けられた電池マガジンの一端に、マガジン保持板として一体化されたものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ電池収納装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラ電池(電池単体,電池パック,マガジン装填電池などを含む)を収納するためのカメラ電池収納装置に関し、特に電池収納室の開口部を開閉自在に閉塞する蓋体をロックするためのロック機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カメラ電池収納装置は、カメラ本体の電池収納室内に収納されたカメラ電池が、振動等によって電池収納室外へ飛び出さないように、電池収納室の開口部を開閉自在に閉塞する蓋体をロック機構によってロックする構造となっている。
【0003】上記ロック機構には種々の型式のものがあるが、最も一般的なものとしては、電池収納室の開口部周辺の一部に蓋体周辺部の一端を係止し、電池収納室の開口部周辺の他部に蓋体周辺部の他端を単一のロック手段でロックすることにより、蓋体が開口部から離脱しないように構成されている。なお上記蓋体の一端を係止する係止手段としては、ヒンジ機構で軸支するようにした所謂ヒンジタイプのものと、例えば簡単な引っ掛け構造とした所謂非ヒンジタイプのものとがある。また蓋体周辺部の他端をロックする単一のロック手段としては、開口部周辺に設けた係合溝に対し、蓋体周辺部に設けた係合片を挿入する如く構成されたものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】蓋体を単一のロック手段でロックする如く構成された従来のロック機構を備えたカメラ電池収納装置にあっては、次のような問題がある。
【0005】蓋体が所謂ヒンジタイプのものにおいては、ヒンジ部分によって蓋体の姿勢が比較的安定的に保持されることから、蓋体にたとえアンバランスな応力が加わっても、蓋体が大きく傾くことがない。このため単一のロック手段であっても、それほど大きな問題にはならない。
【0006】しかし蓋体が所謂非ヒンジタイプのものでは、蓋体にアンバランスな応力が加わると、蓋体に傾きが生じ、蓋体が所謂片浮き状態となることがある。このような片浮き状態が発生すると、カメラ電池の離脱阻止機能が損なわれ、電池接触部に接触不良等を生じさせるおそれがある上、外観的にも好ましくない。
【0007】上記問題を回避する手段として、複数のロック手段を有するロック機構を設けることが考えられる。その一例として、実開平2−138736号公報に記載されているようなカメラの電池蓋がある。このカメラの電池蓋は、蓋本体に設けた操作部材を操作することによって作動板を動作させ、この作動板に一端が枢着された一対の揺動昇降部材をカメラ本体の中央部近傍に設けられた一対の係止部に対して係脱動作させるように構成されたものである。
【0008】ところが電池収納室の配設位置によっては、係合部を上記公報の例のようにカメラ本体の中央部近傍に設けることが困難な場合がある。すなわち電池収納室はその外周面をカメラ本体のグリップ部として利用可能なように、カメラ本体の右端部または左端部に設けられる場合がある。このような場合、その周壁の厚みは通常の場合に比べてかなり薄い。したがってこの部分に、ロック手段の一方の構成要素である例えば係合溝を複数個設けると、その周壁部分の機械的強度が低下し、電池排出用ばねの圧力等によって、上記周壁部分が破損してしまうおそれが生じる。
【0009】本発明の目的は、下記のような利点を有するロック機構を備えたカメラ電池収納装置を提供することにある。
【0010】(a)非ヒンジタイプの蓋体にアンバランスな応力が加わっても、上記蓋体が片浮き状態となるのを阻止できる。
【0011】(b)取付け対象の機械的強度を低下させずに複数のロック手段を設けることができ、たとえ厚み寸法が小さな周壁を有する開口部に対しても蓋体を安定にロックすることが可能である。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のカメラ電池収納装置は下記の如く構成されている。
【0013】(1)本発明のカメラ電池収納装置は、カメラ本体に設けられた電池収納室と、この電池収納室内にカメラ電池を挿脱自在に収納するための開口部と、この開口部を開閉自在に閉塞する蓋体と、この蓋体をロックするロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記開口部の周辺に配設された複数の収納室側係合部と、これら複数の収納室側係合部にそれぞれ対応する如く前記蓋体の周辺に配設された複数の蓋体側係合部と、これら複数の蓋体側係合部を前記対応する複数の収納室側係合部に対して(同時または非同時に)係脱操作する(単一または複数の)操作部とからなり、前記複数の収納室側係合部のうち、少なくとも一つは前記開口部におけるカメラ本体中央部よりに第1係合部として配設され、他の少なくとも一つは前記開口部におけるカメラ本体周辺部よりに第2係合部として配設されていることを特徴としている。
【0014】(2)本発明のカメラ電池収納装置は、前記(1)に記載のカメラ電池収納装置であって、前記対応する収納室側係合部及び蓋体側係合部は、それぞれ係合凹部と係合凸部との組み合わせによるロック手段を構成していることを特徴としている。
【0015】(3)本発明のカメラ電池収納装置は、前記(1)に記載のカメラ電池収納装置であって、前記カメラ本体周辺部よりに配設される第2係合部は、前記電池収納室の内周面に添って取付けられた硬質板状部材の一端に、前記蓋体側係合部と係合可能なL形ないしU形をなす係合爪を形成した係合子であることを特徴としている。
【0016】(4)本発明のカメラ電池収納装置は、前記(1)に記載のカメラ電池収納装置であって、前記蓋体は、前記電池収納室に収納可能な如く設けられた電池マガジンの一端に、マガジン保持板として一体化されたものであることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】(構成および作用)図1は本発明の一実施形態に係るカメラ電池収納装置を備えた電子カメラの外観を示す斜視図である。図2は本発明の一実施形態に係るカメラ電池収納装置の概略的構成を示す図で、カメラ本体1に形成されている電池収納室から電池ユニット(マガジン装填電池)を抜き取った状態をカメラ底面側から見た斜視図である。
【0018】図1において、1はカメラ本体であり、レリーズボタン2,ポップアップストロボ3,ファインダ4などを備えている。カメラ本体1の前面には撮影レンズ鏡筒5が装着されている。この撮影レンズ鏡筒5は、撮影レンズ6,フォーカスリング7,ズームリング8,などを備えている。さらにカメラ本体1の一端部(図中左端部)には、後述する電池ユニットを収納可能な如く設けられた電池収納室10が設けられている。この電池収納室10の外周部は撮影時においてユーザがカメラ本体1を握持するためのグリップ部Gとなっている。
【0019】図2に示すように、電池収納室10の底部には開口部11が形成されており、この開口部11を通して、マガジン装填電池である電池ユニットBUが、電池収納室10の内部に挿脱自在に収納されるものとなっている。この電池ユニットBUは、電池マガジン20に4本の電池32,33,34(31は不図示)を所定の極性で装填したものである。電池マガジン20については後で詳しく説明するが、その一端面には、マガジン保持板として一体化された蓋体21が設けられている。この蓋体21は前記開口部11を開閉自在に閉塞する為のものである。
【0020】前記電池収納室10の開口部11と、前記電池マガジン20の蓋体21との間には、電池収納室10内に収納された電池ユニットBUが上記電池収納室10の外部へ飛び出さないように、蓋体21をロックするためのロック機構40が設けられている。
【0021】このロック機構40は、前記開口部11の周辺に配設された複数(本実施形態では2個)の収納室側係合部41,42と、これらの収納室側係合部41,42にそれぞれ対応する如く前記蓋体21の周辺に配設された複数(本実施形態では2個)の蓋体側係合部43,44(図3参照)と、これらの蓋体側係合部43,44を前記対応する各収納室側係合部41,42に対してほぼ同時に(必要ならば非同時でもよい)係脱操作する操作部45とを備えている。
【0022】上記の如く対応して設けられている各収納室側係合部41,42と、各蓋体側係合部43,44とは、以下の説明から明らかなように、それぞれ係合凹部(係合溝,L形の係合爪等)と係合凸部(係合片等)との組み合わせによるロック手段を構成している。
【0023】ところで本実施形態においては、開口部11におけるカメラ本体中央部よりに配設される第1係合部として係合溝41が設けられている。また開口部11におけるカメラ本体周辺部よりに配設される第2係合部として係合子42が設けられている。
【0024】前記第1係合部としての係合溝41は、カメラ本体中央部よりの仕切り壁に形成した半月状をなす陥凹部41aの開口面上を、カメラ本体1の外周壁を形成しているカバー部材の一部41bで覆ったものである。また前記第2係合部としての係合子42は、前記電池収納室10の内周面に添って設けられた、例えば金属製の硬質板状部材42aの先端に、前記蓋体側の係合片44と係合可能なL形に屈曲した係合爪42bを形成したものである。なお係合爪42bとしてはU形に形成されたものであってもよい。
【0025】前記操作部45は、蓋体21の外面中央部位に回動可能な如く軸支された操作用つまみ45aと、この操作用つまみ45aの回動力を蓋体21の内面側に伝えるための回動軸45bとからなっている。
【0026】図3は、ロック機構40の一部である蓋体側係合部としての係合片43,44の構成を、操作部45の動きと関連付けて示す図で、蓋体21の内面を若干斜め上方からみた斜視図であって、(a)はアンロック状態を示す図、(b)はロック状態を示す図である。
【0027】上記係合片43,44は、例えば金属で矩形板状に形成され、蓋体21の内面に沿って回動自在な如く軸支されている。一方の係合片43は、操作用つまみ45aの回動操作に伴って一緒に回動する如く設けられた主係合片であり、前記回動軸45bに対し、当該係合片43の回動用軸孔を、相対的に非回転な状態で且つ着脱可能な如く嵌め込まれている。この主係合片43の基端部には歯部43aが設けられている。他方の係合片44は、上記主係合片43に連動して回動する如く設けられた副係合片であり、蓋体21の内面に突設された円柱状突起21aに対し、当該係合片44の回動用軸孔を、回転自在な状態で且つ着脱可能な如く嵌め込まれている。そしてこの副係合片44の基端部には、前記主係合片43の歯部43aと噛合する歯部44aが設けられている。
【0028】かくして前記操作つまみ45aを、図3の(a)に矢印Vで示す如くアンロック位置Aへ回動操作すると、主係合片43及び副係合片44は矢印M1,M2で示す如く図示位置へ回動する。その結果、両係合体43,44の各先端43b,44bは、蓋体21の内面領域の範囲内に引き込まれた状態を呈する。この状態では、主係合片43の先端43bは前記係合溝41から離脱し、副係合片44の先端44bは前記係合子42の爪42bから離脱することになる。
【0029】また前記操作つまみ45aを、図3の(b)に矢印Wで示す如くロック位置Bへ回動操作すると、主係合片43及び副係合片44は矢印N1,N2で示す如く図示位置へ回動する。その結果、両係合体43,44の各先端43b,44bは蓋体21の内面領域の範囲外へほぼ脱出した状態を呈する。この状態では、主係合片43の先端43bは前記係合溝41と係合し、副係合片44の先端44bは前記係合子42の爪42bと係合することになる。
【0030】なお前記係合片43,44としては、各基端部が共に前記操作部45の回動軸45bの外周面に噛合し、操作用つまみ45aの回動操作に伴って、両者が回動軸45bの回動方向とは逆方向へ同時に回動するように構成されたものであってもよい。
【0031】図4は、電池マガジン20の全体的構造を示す図で、(a)は電池マガジン20を斜め上方からみた斜視図、(b)は電池マガジン20を一部切欠して斜め下方からみた斜視図である。ここに示す電池マガジン20は、例えば硬質合成樹脂で一体成形した数個の部品を組み合わせて一体化したものである。
【0032】図4の(a)(b)に示すように、電池マガジン20の一端面にはマガジン保持板として一体化される前記蓋体21が配設されており、同マガジン20の他端面には上記マガジン保持板と対向するように、マガジン端板22が設けられている。
【0033】上記の如く対向して配設される蓋体21とマガジン端板22とは、所定距離を隔てて平行に配設された一対の連結部材23、24(24は不図示)によって、対向面のほぼ180°異なる位置の2箇所を相互に連結されている。
【0034】前記蓋体21とマガジン端板22との間には、一対のホルダー部材25,26が背中合わせの態様で、その両側面を前記一対の連結部材23、24(不図示)によって支持されて、上記一対の連結部材23、24と平行に配設されている。上記一対のホルダー部材25,26は、それぞれ2本の電池単体を装填可能な如く、内底面を半円弧面に形成された二つの樋状部を平行に連設したものとなっている。ホルダー部材25における二つの樋状部の両脇には、それぞれ一対の保持爪25a,25bおよび25c,25dが設けられている。同様にホルダー部材26における二つの樋状部の両脇には、それぞれ一対の保持爪26a,26bおよび26c,26d(26c,26dは不図示)が設けられている。
【0035】上記蓋体21及びマガジン端板22の対向面と、ホルダー部材25の内面とで囲まれた空間は、電池装填部H2を構成している。同様に、上記蓋体21及びマガジン端板22の対向面と、ホルダー部材26の内面とで囲まれた空間は、電池装填部H1を構成している。
【0036】上記電池装填部H2における対向する電池支持面の一方、すなわち蓋体21の内面には黄銅などの金属部材で一体形成された正側接触子27および負側接触子28が設けられている。なお図示はしてないが、前記電池装填部H1における対向する電池支持面の一方、すなわち蓋体21の内面にも、前記同様に形成された正側接触子27および負側接触子28が設けられている。
【0037】正側接触子27は、前記各電池装填部に装填される電池31,33のプラス側電極とそれぞれ接触し、負側接触子28は前記各電池装填部に装填される電池32,34のマイナス側電極とそれぞれ接触する。かくして装填された電池からの電源供給を可能ならしめる。
【0038】ところで前記正側接触子27および負側接触子28には、それぞれマイナス側電極・逆接触防止機構29及びプラス側電極・逆接触防止機構50が設けられている。これらの逆接触防止機構は、電池装填部に対し、電池が逆極性に装填されたとき、すなわち電池の逆挿しが行なわれたとき、カメラ本体1に備わっている電子回路等の保護をはかり、カメラ本体1の内部の安全性を確保すべく、電池の各電極が各接触子に接触するのを阻止する為の機構である。
【0039】前記正側接触子27に設けられているマイナス側電極・接触防止機構29は、従来から用いられている機構であって、正側接触子27の中心点を挟む2個所に設けたスリット状の溝を通して一対の絶縁突条29a,29bを外表面に突出させ、これらの一対の絶縁突条29a,29bで、逆挿しされた電池のマイナス側電極の平坦面を支持することにより、当該マイナス電極が正側接触子27に接触しないようにしたものである。なお電池のプラス側電極は、その中心部が外方へ突出している為、その突出しているプラス側電極が上記一対の絶縁突条29a,29bの間を通して正側接触子27に接触可能である。
【0040】前記負側接触子28に設けられているプラス側電極・接触防止機構50は、後述するように、中心部に貫通孔51aを有し、遊端に舌片51bを有する円環状をなす電極保持片51等を備えている。以下、プラス側電極・接触防止機構50について詳しく説明する。
【0041】図5はプラス側電極・接触防止機構50の具体的構成を示す図で、(a)は電池が正常に装填された時の状態を一部切断して示す側面図、(b)は電池が逆挿しされた時の状態を一部切断して示す側面図、(c)は絶縁スペーサの構成を示す図、(d)は変形例を示す図である。
【0042】図5の(a)(b)に示すように、負側接触子28は、U字形に屈曲された板ばねからなり、その一方が電極保持片51となっており、他方が外部端子片52となっている。外部端子片52は、蓋体21の内面に適宜な手段によって固定され、かつその一部が外部(隣接する電池その他)との電気的接続を図れるものとなっている。
【0043】電極保持片51の遊端は、前記外部端子片52から遠ざかる方向へ変位する如く所定の変位力を与えられている。そして電極保持片51の遊端が変位する方向の所定位置には、電極保持片51の遊端の変位量を制限するためのストッパ53が設けられている。このストッパ53は電池装填部の壁体の端縁部を、蓋体21の内面に対して隙間Dをおいて対向させたものである。したがって電池34が装填されていない場合には、電極保持片51の遊端に設けてある舌片51bが、ストッパ53に対して所定の圧力で当接した状態を呈する。この時、電極保持片51の遊端全体は、電池装填部の電池支持面である蓋体21の内面からほぼ所定距離Dだけ離間した状態に安定に保持される。
【0044】電極保持片51は、図4に示されているように、全体がほぼ円環状をなしており、その中心部には前述した貫通孔51aが設けてある。貫通孔51aの直径は電池34のマイナス側電極よりも小径で、プラス側電極よりも大径に形成されている。
【0045】したがって図5の(a)に示すように、電池34が正常な極性で装填された時は、当該電池34のマイナス側電極が負側接触子28に確実に接触する。また図5の(b)に示すように、電池34が逆挿しされた時は、当該電池34のプラス側電極34aが負側接触子28を非接触状態で貫通し、絶縁スペーサ54に当接する。
【0046】この絶縁スペーサ54は、図5の(c)に示すように、蓋体21の一部に形成した突出部を、外部端子片52に設けてある貫通孔を通して電極保持片51と外部端子片52との間に突出させたものであり、その上面は前記プラス側電極34aの先端部を、当該プラス側電極34aの付け根部分すなわち基端部34bが前記電極保持片51の外表面に接触しない高さレベルに支持するための支持面54aとなっている。この支持面54aの上には茶碗底部に形成されている突出部のような円環状突起54bが形成されている。この円環状突起54bは、前記プラス側電極34aの先端部を、当該プラス側電極34aの周面が前記電極保持片51の貫通孔51aの内周面に接触しないように位置規制するためのものである。
【0047】かくして上記プラス側電極34aは、その挿入深さを絶縁スペーサ54の支持面54aで規制されると共に、そのセンター位置を円環状突起54bの内周面で規制される。したがってプラス側電極34aの挿入深さが深すぎてプラス側電極34aの基端部34bが負側接触子28の表面に接触するのを阻止できると共に、上記プラス側電極34aのセンター位置が横方向へずれて電極34aの周面が電極保持片51の貫通孔51aの内周面に接触するのを防止できる。かくして上記プラス側電極34aが負側接触子28に接触するのを的確に回避することができる。
【0048】なお図5の(d)に示すように、前記貫通孔51aに絶縁部材55を嵌め込むと共に、この絶縁部材55をL型をなす保持部材56で保持するように構成してもよい。この場合、マイナス側電極の接触を妨げないように、絶縁部材55の表面が負側接触片28の表面と同一面以上には突出しないようにする必要がある。また上記の場合、ストッパ53は設けても設けなくてもよい。図5の(d)の如く構成すれば、電池34が逆挿しされた時、電池34のプラス側電極34aの先端は絶縁部材55の表面に当接することになり、負側接触子28の孔を貫通して反対側へ突出した状態にはならない。このため電池34のプラス側電極34aと負側接触子28との接触をより確実に回避することができる。
【0049】また負側接触子28としては、必ずしもU字形に屈曲したものでなくてもよく電極保持片51と外部端子片52とが段差部を介して階段状に連結された構造を有するものであってもよい。
【0050】図4に説明を戻す。図4の(a)(b)に示すように、マガジン端板22の内面から連結部材23の内面に至る領域に、中継用接触子機構60が設けられている。この中継用接触子機構60は、後述するように、ホルダー部材25を有する電池装填部H2に装填される電池33のマイナス側電極と、ホルダー部材26を有する電池装填部H1に装填される電池32のプラス側電極との間を短絡する為の電池間短絡片61等を備えている。
【0051】上記電池間短絡片61は、後で詳しく説明するように可撓性を有する略矩形状をなす絶縁性部材61a上に、同じく可撓性を有しかつ両端に良導体からなる接点部を有する導電性部材61bを張り付けた構造を有している。上記絶縁性部材61aの中心部位は支軸62の一端に結合されている。この支軸62は電池の軸心方向に沿って移動可能な如く設けられており、且つ偏倚スプリング63によってマガジン端板22の方向へ偏倚するように所定の偏倚力を与えられている。かくして前記電池間短絡片61は前記偏倚スプリング63によって、常にマガジン端板22の内面に対して密着するような偏倚力を付与される。この結果、電池装填部に対する電池の装填操作及び離脱操作が、上記電池間短絡片61存在によって阻害されることが少なく、上記装填操作及び離脱操作をスムーズに行なえるものとなる。
【0052】図6の(a)(b)は上記した中継用接触子機構60の構成を示す図である。図6の(a)(b)において、H1はホルダー部材26を有する電池装填部を示しており、H2はホルダー部材25を有する電池装填部を示している。一方の電池装填部H1には電池31,32が極性を逆にして装填されており、他方の電池装填部H2には電池33,34が極性を逆にして装填されている。なお電池装填部H1の電池32と、電池装填部H2の電池33との極性も逆となるように、装填部に対する前記各電池31〜34の装填極性は予め定められている。
【0053】上記隣接する一組の電池32と33の相互接続されるべきプラス側電極とマイナス側電極とは、前記電池間短絡片61により短絡され得るものとなっている。ただし、前述したように、電池間短絡片61は偏倚スプリング63によりマガジン端板22の内面に対して密着するよう偏倚されている為、この状態では電池間短絡片61は各電極に対して接触していない。しかるに電池収納室10の内部には、電池マガジン20が電池収納室10の内部に収納されたとき、電池間短絡片61を各電池の電極に圧接させるための一対の圧接スプリング64,65が設けられている。これらの圧接スプリング64,65の押圧力P2は、偏倚スプリング63の偏倚力P1より十分大きく設定されている。
【0054】したがって、電池マガジン20が電池収納室10の内部に収納されると、電池収納室10の内部に設けられているコイルスプリングからなる圧接スプリング64,65の先端により、マガジン端板22にあけた貫通孔22a,22bを通して電池間短絡片61の絶縁性部材61aの背面が電池側へ強く押圧される。このため電池間短絡片61は、圧接スプリング64,65の押圧力P2によって、偏倚スプリング63の偏倚力P1に抗して電極側へ押し込まれる。このとき、電池間短絡片61は、可撓性を有する板状部材で形成されていることから、図6の(a)に示す如く電池32と33の電極位置に差がある場合でも、その電極面に対し、電池間短絡片61が二点鎖線で示す如く撓んだ状態で接触することになる。その結果、電池間短絡片61は各電池の電極に対してほぼ均一な所定圧力で圧接することになる。したがって接触抵抗が大幅に減少する上、チャタリングと称される瞬時停電現象の発生をも抑制することができる。
【0055】(実施形態における特徴点)
[1]実施形態に示されたカメラ電池収納装置は、カメラ本体(1) に設けられた電池収納室(10)と、この電池収納室(10)内にカメラ電池(BU)を挿脱自在に収納するための開口部(11)と、この開口部(11)を開閉自在に閉塞する蓋体(21)と、この蓋体(21)をロックするロック機構(40)とを備え、前記ロック機構(40)は、前記開口部(11)の周辺に配設された複数の収納室側係合部(41,42) と、これら複数の収納室側係合部(41,42) にそれぞれ対応する如く前記蓋体(21)の周辺に配設された複数の蓋体側係合部(43,44) と、これら複数の蓋体側係合部(43,44) を前記対応する複数の収納室側係合部(41,42) に対して、(同時または非同時に)係脱操作する(単一または複数の)操作部(45)とからなり、前記複数の収納室側係合部(41,42) のうち、少なくとも一つは前記開口部(11)におけるカメラ本体中央部よりに第1係合部(41)として配設され、他の少なくとも一つは前記開口部(11)におけるカメラ本体周辺部よりに第2係合部(42)として配設されていることを特徴としている。
【0056】[2]実施形態に示されたカメラ電池収納装置は、前記[1]に記載の電池収納装置であって、前記対応する収納室側係合部(41,42) 及び蓋体側係合部(43,44) は、それぞれ係合凹部と係合凸部との組み合わせによるロック手段を構成していることを特徴としている。
【0057】[3]実施形態に示されたカメラ電池収納装置は、前記[1]に記載の電池収納装置であって、前記カメラ本体周辺部よりに配設される第2係合部(42)は、前記電池収納室(10)の内周面に添って取付けられた硬質板状部材(42a) の一端に、前記蓋体側係合部と係合可能なL形ないしU形をなす係合爪(42b) を形成した係合子であることを特徴としている。
【0058】[4]実施形態に示されたカメラ電池収納装置は、前記[1]に記載のカメラ電池収納装置であって、前記蓋体(21)は、前記電池収納室(10)に収納可能な如く設けられた電池マガジン(20)の一端に、マガジン保持板として一体化されたものであることを特徴としている。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような作用効果を奏するロック機構を備えたカメラ電池収納装置を提供することができる。
【0060】(a)電池収納室の開口部周辺に設けた複数の収納室側係合部に対し、蓋体周辺に上記係合部に対応して設けた複数の蓋体側係合部が、係合するように設けられているので、非ヒンジタイプの蓋体にたとえアンバランスな応力が加わっても、上記蓋体が片浮き状態となるのを阻止できる。
【0061】(b)カメラ本体周辺部よりに配設される第2係合部として、電池収納室の内周面に添って取付けられた硬質板状部材の一端に、蓋体側係合部と係合可能なL形ないしU形の係合爪を設けた係合子が用いられるので、取付け対象の機械的強度を低下させずに複数のロック手段を設けることができ、たとえ厚み寸法が小さな周壁を有する開口部に対しても蓋体を安定にロックすることが可能である。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−305622(P2001−305622A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−121199(P2000−121199)