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【発明の名称】 アイカップ
【発明者】 【氏名】槌田 善久

【要約】 【課題】顔に接触する部分を薄く柔らかくして外光を完全に遮断でき、また、外観デザインの自由度を高めることができるアイカップを提供する。

【解決手段】鍔部2204を前方に倒すと、鍔部2204は肉薄部2216を支点にして屈曲され、鍔部2204が筒部2202の後端の外側で前方に広がる反転状態となる。この際、第1、第2凸部2218、2220および凹部2222(第1係止部)は、ファインダーケース1402の後端に設けられた環状の凸部1410の外側に位置すると共に、第2凸部2218(第2係止部)がファインダーケース1402の凸部1410(ファインダー系の係止部)に係止した状態で反転状態が保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ファインダー系の後端に連結された筒部と、該筒部の後端から広がり目が入る程度の大きさの鍔部とを有し、前記鍔部が前記ファインダー系の後端から後方に広がる使用状態が得られると共に、前記鍔部を前方に倒すことで鍔部が前記筒部の後端の外側で前方に広がる反転状態が得られ、前記使用状態は、前記鍔部の内周基端寄りの全周にわたって形成された第1係止部がファインダー系の後端の係止部に係止することで形成されるアイカップにおいて、前記第1係止部よりも前記筒部寄りの前記鍔部の内周基端箇所に、鍔部の内側に突出する第2係止部が設けられ、前記反転状態において前記第1係止部がファインダー系の係止部の外側に位置すると共に、前記第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止するように構成され、前記第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止した状態で、前記反転状態が保持されるように構成されている、ことを特徴とするアイカップ。
【請求項2】 前記第2係止部は前記鍔部の内周全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項1記載のアイカップ。
【請求項3】 前記第1係止部は前記鍔部の内周全周にわたって内側に突出する第1凸部と、該第1凸部よりも前記筒部寄りの箇所において前記鍔部の内周全周にわたって内側に突出する第2凸部と、前記第1凸部と第2凸部の間に形成される環状の凹部とから構成され、前記ファインダー系の係止部は、筒状のファインダーケース後端の外周全周に設けられた環状の凸部で構成され、前記第1係止部の前記ファインダー系の係止部への係止は、前記環状の凸部が前記凹部に係止されることで行なわれることを特徴とする請求項1記載のアイカップ。
【請求項4】 前記第2係止部は前記第2凸部によって構成され、前記第2係止部のファインダー系の係止部への係止は、前記第2凸部が前記環状の凸部に係止されることで行なわれることを特徴とする請求項3記載のアイカップ。
【請求項5】 前記筒部と前記鍔部との境の部分は、厚さが他の部分よりも薄く形成された肉薄部として構成され、前記鍔部が前方に倒されるときに前記鍔部が前記肉薄部を支点にして屈曲されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のアイカップ。
【請求項6】 前記肉薄部は内周面の全周にわたって形成されていることで構成されることを特徴とする請求項5記載のアイカップ。
【請求項7】 前記第1係止部よりも先端側に位置する鍔部部分はほぼ均一の厚さで形成されていることを特徴とする請求項6記載のアイカップ。
【請求項8】 前記筒部と鍔部は可撓可能なゴムで形成されていることを特徴とする請求項1記載のアイカップ。
【請求項9】 前記ファインダー系はビデオカメラ装置のビューファインダーであることを特徴とする請求項1記載のアイカップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビデオカメラ装置などに用いられて好適なアイカップに関する。
【0002】
【従来の技術】図4はビデオカメラ装置を後方から見た斜視図を示す。図4に示すように、ビデオカメラ装置12は、被写体のビデオ撮影を行なうカメラ機構部と、カメラで撮影された映像を記録するビデオ機構部とが一体化されたもので、例えば、前部に撮像部1202やマイク1204が設けられ、上部に持ち運び兼用のハンドル1206が設けられ、後部にメカデッキ1208やモニター1210が設けられ、そして、後端に、上下に揺動可能にビューファインダー14が設けられている。ビューファインダー14は撮像部1202を通して得られる被写体像を覗くもので、ビューファインダー14の後端にはアイカップ16が設けられ、撮影時に、ビューファインダー14の後端のアイカップ16が目の周囲の顔面箇所に当て付けられる。
【0003】図5はファインダーケースとアイカップの側面図、図6はファインダーケースとアイカップの一部断面側面図、図7はアイカップを反転した状態のファインダーケースとアイカップの一部断面側面図を示す。アイカップ16は目の周囲の顔面箇所に当て付けられることから軟質で可撓可能な材料であるゴムなどで形成され、アイカップ16は、ファインダーケース1402の後端に連結される断面が矩形状の筒部1602と、この筒部1602の後部から後方に延出する鍔部1604とで構成されている。鍔部1604は目が入る程度の大きさで形成され、その形状は左右に長い楕円形や、円形、D字状など種々提案されている。前記筒部1602は、図6に示すように、ファインダーケース1402の後端の矩形状の筒部1404に被せられ、筒部1602の内面全周の爪部1606が筒部1404の凹部1406に嵌め込まれてアイカップ16の筒部1602がファインダーケース1402の後端に取着される。
【0004】一方、眼鏡を掛けている人などがビューファインダー14を覗く時にアイカップ16が邪魔になる場合があり、このような場合には、図7に示すように、アイカップ16は反転される。図6に示すように、アイカップ16の外周にはくびれ部1608が設けられ、そのくびれ部1608に対向するアイカップ16の内周部に、アイカップ16の中心から外方に向かう方向に幅を有する環状の肉薄部1610が形成されている。そして、図7に示されているように、その肉薄部1610を支点として鍔部1604を外方に屈曲することでアイカップ16が反転されるように構成されている。図7に示されているように反転されたアイカップ16には、図6の姿勢に戻ろうとする矢印F1方向の力が生じる。そこで、鍔部1604の先端縁部を他の部分よりも肉厚な肉厚部1612として形成することで、この肉厚部1612で発生する矢印F2方向の引っ張り力が矢印F1方向の力を上回るようにしてアイカップ16の反転姿勢が保持されるように構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、このような従来の構造では、肉薄部1610を設けるためにくびれ部1608をアイカップ16の外周部に設けなくてはならず、アイカップ16の外周面が不連続となりデザイン上好ましいものとはいえない。また、鍔部1604に形成された肉厚部1612が顔に当るため、使用感がよいものとはいえない。また、肉厚部1612は硬いため、顔とアイカップ16との間に隙間が生じ易く外光を完全に遮断することが難しい。鍔部1604と顔との間の隙間を完全に遮断できるように肉厚部1612を薄くしてすると、反転した鍔部1604が不用意に元の状態に戻ってしまい、使い勝手が悪くなるため、肉厚部1612を薄くすることは困難である。
【0006】本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、顔に接触する部分を薄く柔らかくして外光を完全に遮断でき、また、外観デザインの自由度を高めることができるアイカップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ファインダー系の後端に連結された筒部と、該筒部の後端から広がり目が入る程度の大きさの鍔部とを有し、前記鍔部が前記ファインダー系の後端から後方に広がる使用状態が得られると共に、前記鍔部を前方に倒すことで鍔部が前記筒部の後端の外側で前方に広がる反転状態が得られ、前記使用状態は、前記鍔部の内周基端寄りの全周にわたって形成された第1係止部がファインダー系の後端の係止部に係止することで形成されるアイカップにおいて、前記第1係止部よりも前記筒部寄りの前記鍔部の内周基端箇所に、鍔部の内側に突出する第2係止部が設けられ、前記反転状態において前記第1係止部がファインダー系の係止部の外側に位置すると共に、前記第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止するように構成され、前記第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止した状態で、前記反転状態が保持されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】本発明のアイカップでは、鍔部の反転状態において第1係止部がファインダー系の係止部の外側に位置すると共に、第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止する。そして、第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止した状態で、反転状態が保持される。したがって、従来と違って、アイカップを反転状態に保持するための肉厚部を鍔部に形成する必要が無いため、顔に接触する部分を薄く柔らかくして外光を完全に遮断することができる。また、アイカップの外周部にくびれ部を形成しなくて済むため、アイカップの外周面が不連続になることなく、外観デザインの自由度を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施の形態に係るアイカップがビデオカメラ装置のビューファインダーに装着された状態の側面図、図2はアイカップが使用状態にあるときのファインダーケースとアイカップの一部断面側面図、図3はアイカップが反転状態にあるときのファインダーケースとアイカップの一部断面側面図を示す。従来と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明すると、本実施の形態に係るアイカップ22はビデオカメラ装置12のビューファインダー14の後端に装脱可能に取着されるもので、可撓可能なゴムで形成されている。
【0010】ファインダーケース1402の後端には筒部1404が設けられ、筒部1404の外周面には凹部1406と、この凹部1406の後方に隣接してフランジ状の凸部1408が形成されている。そして、筒部1404の後端の外周全周には環状の凸部1410(特許請求の範囲のファインダー系の係止部に相当)が設けられている。
【0011】アイカップ22は、ファインダー14のファインダーケース1402の後端に連結される筒部2202と、該筒部2202の後端から広がり目が入る程度の大きさの鍔部2204とを有して構成されている。アイカップ22は、図2に示されているように、鍔部2204がファインダーケース1402の後端から後方に広がる使用状態が得られると共に、図3に示されているように、鍔部2204を前方に倒すことで鍔部2204が筒部2202の後端の外側で前方に広がる反転状態が得られるように構成されている。
【0012】アイカップ22の筒部2202の内周には、その全周にわたって第1爪部2210が突設され、この第1爪部2210よりも鍔部2204寄りの位置にも全周にわたって第2爪部2212が突設され、第1、第2爪部2210、2212の間に凹部2214が形成されている。そして、アイカップ22の筒部2202がファインダーケース1402の筒部1404に被せられ、第1爪部2210が筒部1404の凹部1406に嵌め込まれるとともに、筒部1404の凸部1408が凹部2214に嵌め込まれることでアイカップ22の筒部2202がファインダーケース1402の後端に取着されるようになっている。
【0013】アイカップ22の筒部2202と鍔部2204との境の部分、すなわち第2爪部2212と鍔部2204の間の部分は、内周面の全周にわたって厚さが他の部分よりも薄く形成された肉薄部2216として構成されている。そして、鍔部2204が前方に倒されるときに鍔部2204が2216肉薄部を支点にして屈曲されるように構成されている。
【0014】鍔部2204の内周には、第1凸部2218、第2凸部2220、凹部2222が形成されている。第1凸部2218は、鍔部2204の基端寄りの内周全周にわたって内側に突出するように形成されている。第2凸部2220は、第1凸部2218よりも筒部2204寄りの箇所において鍔部2204の内周全周にわたって内側に突出するように形成されている。凹部2222は、第1凸部2218と第2凸部2220の間に環状に形成されている。これら第1凸部2218、第2凸部2220、凹部2222によって特許請求の範囲の第1係止部が構成され、第2凸部2220によって特許請求の範囲の第2係止部が構成されている。また、本実施の形態においては、第1凸部2218よりも先端側に位置する鍔部2204部分はほぼ均一の厚さで形成されている。
【0015】次に上述のように構成されたアイカップ22の作用効果について説明する。図2に示されているように、アイカップ22は、鍔部2204の凹部2222がファインダーケース1402の後端に設けられている環状の凸部1410に係止することで使用状態が形成されている。
【0016】図3に示されているように、図2の使用状態にある鍔部2204を前方に倒すと、鍔部2204は肉薄部2216を支点にして屈曲され、鍔部2204が筒部2202の後端の外側で前方に広がる反転状態となる。この際、第1、第2凸部2218、2220および凹部2222(第1係止部)は、ファインダーケース1402の後端に設けられた環状の凸部1410の外側に位置すると共に、第2凸部2220(第2係止部)がファインダーケース1402の凸部1410(ファインダー系の係止部)に係止した状態で反転状態が保持される。この際、鍔部2204には、図2に示されている使用状態に戻ろうとする力が生じるが、第2凸部2220がファインダーケース1402の凸部1410に係止される力の方が上回るようになっているため、鍔部2204が不用意に図3の反転状態から図2の使用状態に戻ることが確実に防止される。
【0017】また、従来と違って、反転状態を保持するために鍔部に肉厚部を設ける必要が無いため、第1凸部2218よりも先端側に位置する鍔部2204部分を均一にかつ薄くすることで、アイカップ22の顔に接触する部分を柔らかくすることができるので、外光を完全に遮断することができる。
【0018】また、アイカップ22の筒部2202と鍔部2204との境の部分に肉薄部2216を設け、鍔部2204が前方に倒されるときに鍔部2204が肉薄部2216を支点にして屈曲されるように構成したため、従来と違ってアイカップの外周部にくびれ部を形成しなくて済み、アイカップの外周面が不連続になることなく、外観デザインの自由度を高めることができる。
【0019】なお、本実施の形態では、アイカップの第1係止部を第1、第2凸部2218、2220および凹部2222によって構成し、第2係止部を第1凸部2218によって構成したが、第1、第2係止部は上記構成に限定されない。また、アイカップの鍔部の形状は種々考えられ、実施の形態の形状に限定されない。また、本実施の形態では、ビデオカメラ装置12のビューファインダー14のアイカップ22に適用した場合について説明したが、本発明のアイカップ22は、ビデオカメラ装置12以外のファインダー系を備える種々の機器に適用可能である。
【0020】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明は、ファインダー系の後端に連結された筒部と、該筒部の後端から広がり目が入る程度の大きさの鍔部とを有し、前記鍔部が前記ファインダー系の後端から後方に広がる使用状態が得られると共に、前記鍔部を前方に倒すことで鍔部が前記筒部の後端の外側で前方に広がる反転状態が得られ、前記使用状態は、前記鍔部の内周基端寄りの全周にわたって形成された第1係止部がファインダー系の後端の係止部に係止することで形成されるアイカップにおいて、前記第1係止部よりも前記筒部寄りの前記鍔部の内周基端箇所に、鍔部の内側に突出する第2係止部が設けられ、前記反転状態において前記第1係止部がファインダー系の係止部の外側に位置すると共に、前記第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止するように構成され、前記第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止した状態で、前記反転状態が保持されるように構成した。
【0021】そのため、鍔部の反転状態において第1係止部がファインダー系の係止部の外側に位置すると共に、第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止する。そして、第2係止部がファインダー系の後端の係止部に係止した状態で、反転状態が保持される。したがって、従来と違って、アイカップを反転状態に保持するための肉厚部を鍔部に形成する必要が無いため、顔に接触する部分を薄く柔らかくして外光を完全に遮断することができる。また、アイカップの外周部にくびれ部を形成しなくて済むため、アイカップの外周面が不連続になることなく、外観デザインの自由度を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成12年4月18日(2000.4.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−305613(P2001−305613A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−116930(P2000−116930)