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【発明の名称】 シャッタ装置
【発明者】 【氏名】豊田 靖宏

【要約】 【課題】シャッタ装置において、遮光のための羽根重なり量を確保しつつ、小型化、特に羽根走行方向に直交する方向の大きさが小さくしたい。

【解決手段】シャッタ開口を有する基板と、 前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して回動自在なアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のうち、前記アーム部材の回動中心から最も離れた接続部から前記アーム部材の回動中心までの距離Dと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.78A≦D≦0.90Aとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して回動自在なアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のうち、前記アーム部材の回動中心から最も離れた接続部から前記アーム部材の回動中心までの距離Dと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.78A≦D≦0.90Aとすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して回動自在なアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記シャッタ開口を前記羽根群が開閉するとき、前記アーム部材の最大回動角θを80°≦θ≦94°とすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項3】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群とそれぞれ接続され、前記基板に対して回動することで平行リンクを構成する第1および第2のアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記第1のアーム部材と前記第2のアーム部材とのリンク間隔寸法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.33A≦E≦0.39Aとすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項4】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して回動自在なアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のうち、前記アーム部材の回動中心から最も離れた接続部から前記アーム部材の回動中心までの距離Dと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.78A≦D≦0.90Aとし、前記シャッタ開口を前記羽根群が開閉するとき、前記アーム部材の最大回動角θを80°≦θ≦94°とすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項5】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群とそれぞれ接続され、前記基板に対して回動することで平行リンクを構成する第1および第2のアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のうち、前記第1のアーム部材の回動中心から最も離れた接続部から前記第1のアーム部材の回動中心までの距離Dと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.78A≦D≦0.90Aとし、前記第1のアーム部材と前記第2のアーム部材とのリンク間隔寸法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.33A≦E≦0.39Aとすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項6】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群とそれぞれ接続され、前記基板に対して回動することで平行リンクを構成する第1および第2のアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記シャッタ開口を前記羽根群が開閉するとき、前記第1または第2のアーム部材の最大回動角θを80°≦θ≦94°とし、前記第1のアーム部材と前記第2のアーム部材とのリンク間隔寸法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.33A≦E≦0.39Aとすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項7】 シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群とそれぞれ接続され、前記基板に対して回動することで平行リンクを構成する第1および第2のアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のうち、前記第1のアーム部材の回動中心から最も離れた接続部から前記第1のアーム部材の回動中心までの距離Dと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.78A≦D≦0.90Aとし、前記シャッタ開口を前記羽根群が開閉するとき、前記第1または第2のアーム部材の最大回動角θを80°≦θ≦94°とし、前記第1のアーム部材と前記第2のアーム部材とのリンク間隔寸法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.33A≦E≦0.39Aとすることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項8】 前記アーム部材の回動中心が設けられる側の前記基板の端面から前記シャッタ開口の端面までの寸法Bと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.56A≦B≦0.70Aとすることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のシャッタ装置。
【請求項9】 前記アーム部材の回動中心が設けられない側の前記基板の端面から前記シャッタ開口の端面までの寸法Cと、前記シャッタ開口の前記羽根群走行方向寸法Aとの関係を0.24A≦C≦0.30Aとすることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載のシャッタ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分割羽根形式のシャッタ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、2本のアームからなる平行リンク機構により、複数枚に分割された羽根群を回転自在に支持する形式のフォーカルプレーンシャッタで用いられる(一般的な)機構としては、アームによる羽根群の保持手段の違いによって、ロングアームタイプのものとショートアームタイプのものがある。
【0003】ここでは、羽根群を上下に走行させる、所謂縦走りフォーカルプレーンシャッタについて述べる。
【0004】まず、ロングアームタイプのものは、実公昭35―29651で示されるように、アームの回転自在の基幹部に対し、シャッタ開口の挟んだ反対側で羽根群がアームに回転自在に保持される。そのため、アームはシャッタ開口の幅以上に長くなる。ロングアームタイプでは、羽根群によるシャッタ開口の開閉に要するアームの回転角が小さくて済むので、開閉動作による羽根群の走行方向に直交方向の変位量が小さくなり、シャッタの横幅の小型化には有利となる。しかしながら、2本のアームで保持できる羽根群枚数を3枚以上にすると、構造が複雑となる欠点や、長いアームのため羽根ユニットのイナーシャが大きくなり、高速走行に不利となる欠点があった。そのため、近年におけるシャッタの露光秒時の高速化や、閃光発光同調秒時の高速化に伴い、高速化に不向きなロングアームタイプのものは使われなくなった。
【0005】そこで、ロングアームタイプの欠点を解決すべく考えられたショートアームタイプのものは、横幅の小型化には不利となるものの、シャッタ開口を挟むことなく、アームの基幹部に近い側のシャッタ開口に対し同じ側辺近傍で多数枚の羽根群を2本のアームで回転自在に保持するように構成されていた。
【0006】しかも、イナーシャをより小さくするために、アームの長さは極力短いことが望ましい。そのショートアームタイプの従来例として、各部の構成及び寸法関係は、図19、図20(図19は走行準備完了状態、図20は走行完了状態)に示すようになっていた。それは、シャッタ開口(101a)を有する基板(101)(シャッタ地板)に、先羽根は5枚構成の羽根からなり、基幹部を軸(101d,101e)に回転自在に支持された第1のアーム(106)と第2のアーム(107)により、シャッタ開口を開閉するよう形成されたスリット形成羽根(102)と覆い羽根(103,104,105,106)を回転自在に羽根カシメダボ(108a,108b,108c,108d,108e,109a,109b,109c,109d,109e)で支持し、平行リンクを構成していた。後羽根は4枚構成の羽根からなり、同様に基幹部を軸(101f,101g)に回転自在に支持された第1のアーム(114)と第2のアーム(115)により、シャッタ開口を開閉するよう形成されたスリット形成羽根(110)と覆い羽根(111,112,113)を回転自在に羽根カシメダボ(116a,116b,116c,116d,117a,117b,117c,117d)で支持し、平行リンクを構成していた。(以下第1の従来例と称す。)
【0007】また、2本のアームからなる平行リンク機構での小型化が困難という見地から、3本目(更には4本目)の補助アームを追加して小型化を図ったものとして、以下のものが提案されている。
【0008】実公平6-26896号公報では、重畳時に、スリット形成羽根を支持する第1及び第2のアームの支持部をファインダと開口窓との間に存する収納部領域に納め、他の覆い羽根群を支持する第3アームが該領域外にあるようにして、フォーカルプレーンシャッタの左右方向の外形寸法を縮小するものである。(以下第2の従来例と称す。)
【0009】また、実公平6-26897号では、スリット形成羽根を軸支する2本の主アームのうちの一方の主アームに他の羽根の一方の軸支部を結合支持し、他方の軸支部を他方の主アーム及び補助アームに結合支持するようにして、フォーカルプレーンシャッタの小型化と耐久性向上を目指したものである。(以下第3の従来例と称す。)
【0010】更に、実登第2501747号では、第1平行リンク機構によって作動されるスリット形成羽根と、第2平行リンク機構によって作動される覆い羽根とを備え、第1平行リンクのスリット形成羽根上の連結距離を第2平行リンクの覆い羽根上の連結距離よりも長くして、フォーカルプレーンシャッタのスリット形成羽根の平行性を保つとともにシャッタ開口から各平行リンクの基幹部側のスペースを縮小するものである。(以下第4の従来例と称す。)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、シャッタの小型化(特に横幅の小型化)を図ると、分割された羽根群の枚数を少なくする方がアームと羽根との連結個所数が少なくなり、連結個所の占有面積が少なくなるため小型化には有利となる。それに反して、羽根群の枚数を少なくすると、所定の大きさのシャッタ開口を遮光するための羽根相互の重なり量が少なくなり、遮光性確保が難しくなる。
【0012】上記第1の従来例で小型化を図りアームの長さを短くすると、先羽根羽根枚数が5枚と多く、羽根カシメダボの配置も素直に並んだまま間隔が詰まり、覆い羽根の回転自在の支持位置の自由度が減ってしまう。したがって、羽根ユニット内での干渉(例えば図20で、第1のアーム106の基幹部外周と羽根カシメダボ109e周辺の第2のアーム107や覆い羽根105の外周との干渉、羽根カシメダボ108e周辺の第1のアーム106の外周と羽根カシメダボ109cや109d周辺の第2のアーム107や覆い羽根104,105の外周との干渉等)が生じ、アームの回転作動角を増やせない(シャッタ開口の羽根走行方向の寸法が一定である以上、平行リンクではアームの長さを短くすると、決められた距離だけ羽根を移動させるにはアームの回転作動角を大きくする必要がある)うえ、シャッタ開口を閉じる羽根の展開時のスリット形成羽根と覆い羽根の重なり量を維持することが難しくなるという不都合があり、大した小型化はできなかった。かといって4枚羽根構成の後羽根を先羽根にも共通に用いた場合には、図20に示すように後羽根の展開時の各羽根の重なり量は約2mmとなり少なく、仮に先羽根がシャッタ開口を開く重畳状態での羽根収納スペースの許す範囲で各羽根幅を広げたとしても、前述の5枚構成の羽根同様、羽根カシメダボの配置も素直に並んだまま間隔が詰まり、羽根カシメダボの配置の制約から覆い羽根の回転自在の支持位置の自由度が減ってしまい、羽根ユニット内での干渉(例えば図19で、第1のアーム114の基幹部外周と羽根カシメダボ117d周辺の第2のアーム115や覆い羽根113の外周との干渉、羽根カシメダボ116d周辺の第1のアーム114の外周と羽根カシメダボ117c周辺の第2のアーム115や覆い羽根112の外周との干渉等)が生じ、羽根走行方向と反対側へあと1mm程度しか広げられず所望の4mmの羽根重なり量を確保できない上、やはり大した小型化はできなかった。(羽根カシメダボの配置に関する説明は後述の■を参照)
【0013】また、上記第2の従来例(実公平6-26896号公報)では、覆い羽根群を支持する第3アームが追加されるため、第1の従来例のような2本アームによる一般的な平行リンク機構に比べて構造が複雑となり、作動抵抗も増し、羽根ユニットのイナーシャが大きくなるという不都合があった。また、少ないスペースに3本のアームを配置するため、各アームが細くなってしまい、アーム自体の強度が弱いという不都合があった。加えて、重畳時に、スリット形成羽根を支持する第1及び第2のアームの支持部をファインダと開口窓との間に存する収納部領域に納めるため、平行リンクのスリット形成羽根上の連結距離が短くなってしまい、露光スリットの平行度を保ち難いという不都合があった。
【0014】また、上記第3の従来例(実公平6-26897号)では、第2の従来例と同様、覆い羽根群を支持する第3アーム(補助アーム)が追加されるため、第1の従来例のような2本アームによる一般的な平行リンク機構に比べて構造が複雑となり、作動抵抗も増し、羽根ユニットのイナーシャが大きくなるという不都合があった。また、アームへの負荷分散を狙ってアームの数を増しているが、小型化により少なくなったスペース内に3本(それ以上)のアームを配置するため、各アームが細くなってしまい、結局アーム自体の強度低下を招くという不都合があった。
【0015】また、上記第4の従来例(実登第2501747号)では、一つの羽根ユニットに2つの平行リンク機構を備え、覆い羽根群を支持する第3アーム(更には第4アーム)が追加されるため、第1の従来例のような2本アームによる一般的な平行リンク機構に比べて構造が複雑となり、作動抵抗も増し、羽根ユニットのイナーシャが大きくなるという不都合があった。また、小型化により少なくなったスペースに3本(或は4本)のアームを配置するため、各アームが細くなってしまい、アーム自体の強度が弱いという不都合があった。
【0016】従って、上記第2から第4の従来例では羽根ユニットの高速走行には不利となり、例えばカメラでは、1/4000秒よりも短い露光秒時の実現や、1/200秒よりも短いストロボ同調秒時の実現が困難であった。また、同じ幕速を実現するのに必要なシャッタチャージエネルギが増加するため、カメラの大型化を招いたり、連続撮影時のコマ速を上げるのに不都合であった。
【0017】本発明の目的は、小型化、特に羽根走行方向に直交する方向 大きさが小さく、遮光のための羽根重なり量を確保し、しかも羽根ユニットのイナーシャが小さい上、作動効率も良く、高速作動に適するシャッタ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して回動自在なアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記羽根との接続部のうち、前記アーム部材の回動中心から最も離れた接続部から前記アーム部材の回動中心までの距離Dと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.78A≦D≦0.90Aとすることを特徴としている。
【0019】請求項2に係る発明は、シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群と接続され、前記基板に対して回動自在なアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記シャッタ開口を前記羽根群が開閉するとき、前記アーム部材の最大回動角θを80°≦θ≦94°とすることを特徴としている。
【0020】請求項3に係る発明は、シャッタ開口を有する基板と、前記シャッタ開口を開閉するよう形成された複数枚の羽根からなる羽根群と、前記羽根群とそれぞれ接続され、前記基板に対して回動することで平行リンクを構成する第1および第2のアーム部材とを有するシャッタ装置において、前記第1のアーム部材と前記第2のアーム部材とのリンク間隔寸法Eと、前記シャッタ開口の羽根走行方向の寸法Aとの関係を0.33A≦E≦0.39Aとすることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1〜図4は本発明第1の実施形態を表すフォーカルプレーンシャッタ羽根ユニットの図で、図1は走行準備完了状態、図2は走行完了状態を示す正面図。図3、図4はアームへの羽根保持位置の工夫による効果の説明図。
【0022】これら図において、1はシャッタ開口を有する基板(以下、シャッタ地板と称する。)、1aはシャッタ開口、1bは不図示の先羽根駆動レバー(先羽根にばね力等による走行エネルギを与えるレバー)の駆動ピンの走行軌跡を逃げるための長孔、1cは不図示の後羽根駆動レバー(後羽根にばね力等による走行エネルギを与えるレバー)の駆動ピンの走行軌跡を逃げるための長孔、2は先羽根スリット形成羽根(#1羽根)で2aは先羽根スリット形成端、3〜5は先羽根で、順に3は先羽根#2、4は先羽根#3、5は先羽根#4と称す。6は先羽根用の第1のアームで、シャッタ地板1に設けられた軸1dの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に設けたカシメダボ8aで先羽根スリット形成羽根2をアーム6に対して回転自在に支持する。また6aは不図示の先羽根駆動レバーの駆動ピンを嵌入させる穴で、この穴を介して軸1dと同軸に回転軸を設けられた不図示の先羽根駆動レバーから動力を伝えられる。7は先羽根用の第2のアームで、シャッタ地板1に設けられた軸1eの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に設けたカシメダボ9aで先羽根スリット形成羽根2をアーム7に対して回転自在に支持する。
【0023】このようにして先羽根スリット形成羽根2と先羽根用の第1のアーム6と第2のアーム7とにより平行リンクを形成する。同様に、先羽根のうち#2羽根3,#3羽根4,#4羽根5は、先羽根用の第1のアーム6と第2のアーム7の中間部にそれぞれのカシメダボ8bと9b,8cと9c,8dと9dで回転自在に支持され、平行リンクを形成する。以上により先羽根が構成される。
【0024】後羽根は先羽根と同様の構成で、10は後羽根スリット形成羽根で10aは後羽根スリット形成端、11〜13は後羽根で、順に11は後羽根#2、12は後羽根#3、13は後羽根#4と称す。14は後羽根用の第1のアームで、シャッタ地板1に設けられた軸1fの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に設けたカシメダボ16aで後羽根スリット形成羽根10をアーム14に対して回転自在に支持する。また14aは不図示の後羽根駆動レバーの駆動ピンを嵌入させる穴で、この穴を介して軸1fと同軸に回転軸を設けられた不図示の後羽根駆動レバーから動力を伝えられる。
【0025】15は後羽根用の第2のアームで、シャッタ地板1に設けられた軸1gの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に設けたカシメダボ17aで後羽根スリット形成羽根10をアーム15に対して回転自在に支持する。このようにして後羽根スリット形成羽根10と後羽根用の第1のアーム14と第2のアーム15とにより平行リンクを形成する。同様に、後羽根のうち#2羽根11,#3羽根12,#4羽根13は、第1のアーム14と第2のアーム15の中間部にそれぞれのカシメダボ16bと17b,16cと17c,16dと17dで回転自在に支持され、平行リンクを形成する。以上により後羽根が構成される。
【0026】次に、上記構成の動作を説明する。
【0027】図1の走行準備完了状態において、不図示の先羽根駆動レバー及び後羽根駆動レバーは、各々不図示の秒時制御マグネットにより吸着保持されている。
【0028】シャッタレリーズ信号により、まず先羽根用秒時制御マグネットの吸着が解除されると、先羽根駆動レバーに時計方向の回動力を発生させる不図示の先羽根駆動ばねの力により、先羽根は時計方向に第1のアーム6と第2のアーム7を回動させる。それに伴い、先羽根スリット形成羽根2と先羽根の#2羽根3,#3羽根4,#4羽根5は平行リンクの作用により、シャッタ開口1aの長辺1hに対して先羽根スリット形成端2a及び#2羽根3,#3羽根4,#4羽根5を平行に保ちながらシャッタ開口1aの上方から下方へ向けてシャッタ開口1aを開放するよう移動する。このようにして先羽根はシャッタ開口1aを開放するよう図2の位置へ移動する。
【0029】先羽根用秒時制御マグネットの吸着が解除されてから、設定された露光秒時に相当する所定時間後、後羽根用秒時制御マグネットの吸着が解除され、後羽根駆動レバーに時計方向の回動力を発生させる不図示の後羽根駆動ばねの力により、後羽根は時計方向に第1のアーム14と第2のアーム15を回動させる。それに伴い、後羽根スリット形成羽根10と後羽根の#2羽根11,#3羽根12,#4羽根13は平行リンクの作用により、シャッタ開口1aの長辺1hに対して後羽根スリット形成端10a及び#2羽根11,#3羽根12,#4羽根13を平行に保ちながらシャッタ開口1aの上方から下方へ向けてシャッタ開口1aを遮蔽するよう移動する。このようにして後羽根はシャッタ開口1aを遮蔽するよう図2の位置へ移動し、露光が終了する。
【0030】シャッタチャージの際は、先羽根及び後羽根が不図示のチャージ機構により、先羽根を先行させてシャッタ開口1aを開くことなく、上記露光動作と逆の、不図示の先羽根及び後羽根駆動レバーを反時計方向の回動を与える動作を行い、図2の位置より再び図1の位置へと先羽根・後羽根を移動させる。
【0031】第1の実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタは、135フォーマットの銀塩フィルムを用いる一眼レフレックスカメラに搭載されるものとすると、シャッタ開口1aの縦寸法Aは24.7mm、横寸法は36.6mmとなる。このフォーマットでのシャッタ開口1aの大きさは決まっているので、シャッタ装置の大きさを小さくする場合には、シャッタ開口1a周囲の構成物の大きさを小さくすることになる。
【0032】そこで、シャッタ開口1aのアーム基幹部側(図1の向って左側)端面からアーム基幹部を支持する側(図1の向って左側)のシャッタ地板1の端面までの寸法をB、シャッタ開口1aの羽根先端側(図1の向って右側)端面から羽根先端側(図1の向って右側)のシャッタ地板1の端面までの寸法をCとする。また、アーム基幹部回転中心から、アーム先端のスリット形成羽根を支持するカシメダボ回転中心までの寸法をD、アームの基幹部回転中心周りのアーム最大作動角度をθ、第1のアームと第2のアームにより形成される平行リンクの第1と第2のアーム間寸法をEとする。
【0033】ここで小型化のための着目点を述べる。
【0034】■アームに回転自在に支持される羽根群の枚数第1の実施形態の先・後羽根ともに4枚構成に対し、第1の従来例の先羽根のように5枚の羽根をアームに支持した場合に、カメラの巻上げチャージ完了状態(近年のモーター組込みカメラではこの状態で次の撮影を待つ)での、先羽根がシャッタ開口を閉鎖した羽根群展開時に遮光に必要な所定の羽根重なり量(第1の実施形態では図1に示すように4mm、第1の従来例でも図19に示すように4mm)を確保する条件では、羽根1枚の幅は5枚羽根の方が小さくできる。そうであれば、羽根群枚数の多い方が、シャッタ開口を開放した羽根群格納状態では小さく折りたためるため、シャッタの羽根群走行方向に一致した上下方向の寸法は小さくなる。
【0035】ところが、単純には羽根群枚数の多い方が羽根支持箇所が増える分アーム長が伸びるため、羽根群走行方向と直交するシャッタ横方向の寸法が大きくなってしまう。また、アーム長を極力伸ばさないようにした場合(第1の従来例がこれに相当する)、羽根支持箇所が増える分、アーム上の余裕代が少なくなるのでシャッタ横方向の寸法をより小さくするのが困難になる。また、羽根相互の重なり部が5枚羽根の方が4枚羽根よりも1個所多く、トータルの羽根面積も大きくなり、羽根支持1箇所増える分も加えて、羽根ユニット全体のイナーシャは確実に増してしまい高速走行に不利となる。
【0036】一方、3枚羽根の場合は羽根支持箇所が減り、アーム上の余裕代が多くなるのでシャッタ横方向の寸法をより小さくするには有利となる。しかし、シャッタ開口を閉鎖した羽根群展開時に所定の羽根重なり量(例えば4mm)を確保する 盾は、シャッタ開口を開放した羽根群格納状態で小さく折りたためないため、シャッタの羽根群走行方向に一致した上下方向の寸法は大きくなる。上下方向の寸法を小さくしようとすると羽根群展開時の羽根相互の重なり量が少なくなり、遮光性を保てなくなる。結局3枚羽根ではシャッタの縦横寸法比のバランスが悪く、カメラに搭載し難い。
【0037】実際に、十分な遮光性能を実現できる羽根重なり量を確保し、シャッタの縦横寸法比のバランスが良く、横寸法を効果的に小さくするには、第1の実施形態のように先・後羽根ともに4枚構成が最適となる。
【0038】■アーム長さ(アーム基幹部回転中心から、アーム先端のスリット形成羽根を支持するカシメダボ回転中心までの寸法D)
4枚構成の羽根群を回転自在に支持し、シャッタ開口1aの縦寸法Aをスリット形成羽根2及び10が十分移動可能になるような最小限の長さを狙う。
【0039】■アームの基幹部回転中心周りのアーム最大作動角度θ上記■でアーム長さDを短くすると、シャッタ開口1aの縦寸法Aをスリット形成羽根の移動距離がクリアーするには、それに応じて当然θを大きくしていくことになる。
【0040】■第1と第2のアーム間寸法E一つは、アーム最大作動角度θが大きくなると、アーム間寸法が従来のままでは、羽根群展開時と格納(重畳)時では第1と第2のアームどうしの干渉、特に羽根支持部どうしの干渉が生じ、十分な作動角度が得られない。
【0041】もう一つは、作動角度が大きくなると、羽根群展開状態と格納(重畳)状態に近い状態で、スリット形成羽根2及び10の羽根支持部と反対側の羽根先端側がシャッタ開口1a内に多く進入する。これは、羽根支持部には嵌合ガタがあり、このガタは支持部より遠い位置で拡大されるので、スリット形成羽根2及び10(スリット形成部2a及び10a)の平行度の悪化を意味する。
【0042】以上の二つを解決するために、第1と第2のアーム間寸法Eを拡大する。また、平行リンクの特性から、平行リンクを形成するアーム間のスパンを広げることにより、アームに支持されるスリット形成羽根の作動中の平行度の安定性が向上する。
【0043】■シャッタ開口1aの羽根先端側端面から羽根先端側のシャッタ地板1の端面までの寸法Cアーム長さDを短くし、アーム最大作動角度θを大きくすると、開閉動作による羽根群(特にスリット形成羽根)の走行方向に直交方向の変位量が大きくなり寸法Cを小さくするには不利となる。しかしながら、スリット形成羽根先端側のスリット形成部コーナR(2c,10c)を必要最小限に小さくしてスリット形成部を羽根先端ぎりぎりまで設け、スリット形成羽根長さを切り詰めたり、各羽根の先端形状をシャッタ地板の端面に沿った直線形状に単純化し、羽根群展開時の各羽根先端部とシャッタ開口1a周囲のシャッタ地板1或はカバー板との掛り量を、遮光性確保及び撮影者の不注意による指等での押圧に対する羽根抜け防止のため、従来並にすることにより、寸法Cを小さくすることができる。
【0044】■アームへの羽根支持部(羽根カシメダボ)配置図3、図4はアームへの羽根支持部の配置に関する効果の説明図。図3はスリット形成部に対して、図4は遮光部に対しての説明用で、双方ともシャッタ走行途中の平面図。先・後羽根とも同構造のため説明には後羽根のみを示す。
【0045】これら図に於いて、10bはスリット形成羽根10のスリット形成部アーム基幹部側端、18(二点鎖線で示す)は従来に習った配置にした#3羽根12のカシメダボ、11aは#2羽根11のアーム側遮光片、12aは#3羽根12のアーム側遮光片。
【0046】従来のアームへの羽根支持部(羽根カシメダボ)配置は、図19、図20に示すように、4枚羽根構成の後羽根では、アーム基幹部回転中心(101f,101g)とアーム先端のスリット形成羽根支持部(116a,117a)回転中心とを結ぶ線分からの距離で見ると、羽根の支持部回転中心のうち#2羽根の支持部(116b,117b)回転中心が最も離れており(その距離は図中f)、以下#3羽根用、#4羽根用の順である。一方5枚構成の先羽根では、同様にアーム基幹部回転中心(101d,101e)とアーム先端のスリット形成羽根支持部(108a,109a)回転中心とを結ぶ線分からの距離で見ると、羽根の支持部回転中心のうち#3羽根の支持部(108c,109c)回転中心が最も離れており(その距離は図中g)、以下#2羽根用、#4羽根用、#5羽根用の順である。
【0047】先に述べたように、シャッタの横寸法を効果的に小さくするには、先・後羽根ともに4枚構成が最適であることから、4枚構成の羽根群で考え、従来に習ったアームへの羽根支持部配置を行うと、#3羽根用カシメダボ18の配置は図3に二点鎖線で示すようになる。
【0048】この場合、スリット形成羽根10のスリット形成部アーム基幹部側端10bは#3羽根用カシメダボ18と干渉してしまうので、矢印を付記したようにスリット形成部アーム基幹部側端10bを10b’のようにおよそ1.5mm羽根先端側に移動させなければならない。そうなるとスリット形成部アーム基幹部側端10b’最外形の運動軌跡は、Hで示すようになりシャッタ開口1aの中に入り込んでしまいシャッタとしてのスリット形成ができなくなる。これを回避するにはスリット形成羽根10の先端をおよそ1.5mm延ばし、羽根ユニット全体をシャッタ開口1aに対してアーム基幹部側(図中左方向)へおよそ1.5mm移動する必要がある。またこれだけでなく、#2羽根11のアーム側遮光片11aも#3羽根用カシメダボ18と干渉してしまうので、遮光片11aを逃がさなければならない。
【0049】例えば、図中斜線を施したように遮光片11aを削除すると、図4に示すように羽根ユニットの作動途中で遮光できない部分19(スリット形成羽根10と#3羽根12のアーム側遮光片12aとの間に形成された隙間)が生じ、シャッタ機能が成り立たなくなってしまう。これではシャッタの横寸法をおよそ1.5mmだけ第1の実施形態より大きくすれば済むものではなく、第1の従来例のシャッタに比べて僅かしか横寸法を小さくすることができない。
【0050】それに対し、第1の実施形態におけるアームへの羽根支持部(羽根カシメダボ)配置は、同様にアーム基幹部回転中心(1f,1g)とアーム先端のスリット形成羽根支持部(16a,17a)回転中心とを結ぶ線分からの距離で見ると、羽根の支持部回転中心のうち#3羽根の支持部(16c,17c)回転中心が最も離れており(その距離は図中F)、以下#2羽根用、#4羽根用の順である。
【0051】このように配置することにより、上記の、スリット形成羽根10のスリット形成部アーム基幹部側端10bと#3羽根用カシメダボ17cと干渉は無く、スリット形成部アーム基幹部側端10b最外形の運動軌跡は、Iで示すようにシャッタ開口1aの中に入り込むことはない。更に、#2羽根11のアーム側遮光片11aも#3羽根用カシメダボ17cと干渉することもなく、十分なアーム側遮光片11aを形成できるので、作動途中での遮光も確実に行える。
【0052】これによって第1の実施形態のシャッタは、第1の従来例のシャッタに比べて横寸法を6mmも小さくすることができる。
【0053】次に各部の寸法を具体的に見て行く。
【0054】まず、B寸法であるが、図19、図20の第1の従来例では19.2mmで、羽根カシメダボ径を小さくしたり、羽根部材間の移動中及び移動後の余裕代を詰めることにより、1mm程度の小型化は可能であるが、それ以上のB寸法の小型化はスリット形成羽根のスリット形成部のアーム側端部がシャッタ開口の内側に進入してしまうため、先羽根と後羽根のスリット形成部及びシャッタ開口により形成される長方形形状のスリットができず、シャッタ機能が成り立たない。2mm以上のB寸法の小型化のためには、本発明の技術が必要となって来る。
【0055】一方、本発明の技術により小型化された最適バランスに近いシャッタは第1の実施形態であり、B寸法は14.2mmで、更に小型化の限界を追求すると、アーム基幹部の回転中心軸1d,1e,1f,1gの材質をシャッタ地板と一体成形できたプラスチックからステンレス等の金属に変更し、軸径をφ1.6mmからφ1.0mmに小さくする。それに伴って先・後羽根の各アームの基幹部外周半径を0.3mm小さくする。その分図1の向って左側のシャッタ地板端面を右へシフトできる。第1の従来例から2mmの小型化をB寸法上限、第1の実施形態から0.3mmの小型化をB寸法下限となるので、以下のような関係式で表させる。
【0056】
{(14.2−0.3)/24.7}A≦B≦{(19.2−2)/24.7}A∴ 0.56A≦B≦0.70A …(1)
上記(1)式のB寸法範囲内で、本発明の技術により自由にB寸法を選択できる。
【0057】次にC寸法であるが、図19、図20の第1の従来例では7.7mmで、小型化したことが少しでも感じられる最低限を0.3mmとすると、上限寸法は7.4mm。C寸法はほぼスリット形成羽根の先端軌跡で決まるので、前述の■で示したように、本発明のようにアーム長さDを短くし、アーム最大作動角度θを大きくすると、開閉動作による羽根群(特にスリット形成羽根)の走行方向に直交方向の変位量が大きくなり寸法Cを小さくするには不利となる。しかしながら、本発明の技術により小型化された最適バランスに近いシャッタ(第1の実施形態)では、C寸法を6.7mmとすることができる。
【0058】更に小型化の限界を追求すると、スリット形成羽根先端側のスリット形成部コーナRを必要最小限に小さく(殆どゼロに)してスリット形成部を羽根先端ぎりぎりまで設けると、スリット形成羽根先端長さをあと0.7mm切り詰めることができる。スリット形成以外の羽根の先端も同様に約0.7mm切り詰め、C寸法の下限界は6.0mm。これよりも小さくすると、羽根群作動中にスリット形成部がシャッタ開口1aの内側に入り込みシャッタの機能が成り立たなくなる。また、羽根群展開時の各羽根先端部とシャッタ開口1a周囲のシャッタ地板1或はカバー板との掛り量も、遮光性確保及び撮影者の不注意による押圧に対する羽根抜け防止のための必要最小限すら確保できなくなる。
【0059】従ってC寸法は以下のような関係式で表させる。
【0060】
(6.0/24.7)A≦C≦(7.4/24.7)A∴ 0.24A≦C≦0.30A …(2)
上記(2)式のC寸法範囲内で、本発明の技術により自由にC寸法を選択できる。
【0061】次にD寸法であるが、図19、図20の第1の従来例では23.0mmで、前述のB寸法で第1の従来例の19.2mmを2mm小さくするのに対応して本発明の技術を用いると、図5(地板寸法に対し先羽根のアームとスリット形成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを模式的に示す走行完了状態の図で、二点鎖線で示す2'はスリット形成羽根が最も先端側へ移動した状態、2''はスリット形成羽根が走行準備完了位置へ移動した状態を示す。尚後羽根に関しても同様なので省略)からD寸法は22.2mmとなる。
【0062】本発明の技術により小型化された最適バランスに近いシャッタ(第1の実施形態)では、D寸法は19.8mmとなり、更に小型化の限界を追求すると、あと0.5mm小さくでき19.3mmとなる。
【0063】そのためには、アームの最大作動角度θを大きくし、そのままでは干渉してしまう第1及び第2のアーム形状を細くして逃げ量を増やし、羽根カシメダボ径も小さく、アーム近傍の遮光片等の各羽根形状の拘束条件を緩和し、更には羽根展開時に隣接する羽根どうしの重なり量を必要最小限に減らすことによって可能となる。図6(地板寸法に対し先羽根のアームとスリット形成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを模式的に示す走行完了状態の図で、二点鎖線で示す2'はスリット形成羽根が最も先端側へ移動した状態、2''はスリット形成羽根が走行準備完了位置へ移動した状態を示す。尚後羽根に関しても同様なので省略)参照。なお、これよりもD寸法を小さくするとスペース的に各羽根の支持が困難となる上、更にアーム形状を細くしたり、羽根カシメダボ径を小さくすると、アーム強度、羽根カシメ強度が低くなり過ぎ、破綻を来す。また、遮光も不備となりシャッタとしての機能を果さなくなる。
【0064】従ってD寸法は以下のような関係式で表させる。
【0065】
(19.3/24.7)A≦D≦(22.2/24.7)A∴ 0.78A≦D≦0.90A…(3)
上記(3)式のD寸法範囲内で、本発明の技術により自由にD寸法を選択できる。
【0066】次にアーム最大作動角度θであるが、図19、図20の第1の従来例では走行完了状態から走行準備完了状態までのアーム作動角は74°〜 75°で、オーバーチャージを最大4°(シャッタ個々によって不図示のチャージ機構の調寸コロによりオーバーチャージは0°〜4°の間を変動する)としてトータルのアーム作動角は79°となる。
【0067】前述のB寸法17.2mmとD寸法22.2mmに対応して本発明の技術を用いると、図5に示すようにアーム最大作動角度θの下限値は80°+(オーバーチャージ0°〜4°)となる。本発明の技術により小型化された最適バランスに近いシャッタ(第1の実施例)では、θは87°+(オーバーチャージ0°〜4°)となり、更に小型化の限界を追求すると、図6に示すように前述のD寸法19.3mmに対応してθは90°+(オーバーチャージ0°〜4°)となる。
【0068】従ってθは以下のような関係式で表させる。
【0069】80°≦θ≦94°…(4)
上記(4)式のθ範囲内で、本発明の技術により自由にθの値を選択できる。
【0070】このようにθを大きくしていくと、先羽根と後羽根にそれぞればね力等による走行エネルギを与える不図示の先羽根駆動レバーと後羽根駆動レバーの駆動ピンを第1のアーム6及び14に嵌入係合させる位置(6a,14a)が限られてくる。つまり先・後羽根駆動レバーは第1のアーム6,14の回転中心1d,1fと同軸に回動するので、駆動ピンの旋回半径を大きくすると、θが大きい程、駆動ピン作動軌跡が占める領域が広がり、羽根配置の自由度が少なくなり小型化に不利となる。従って駆動ピンの旋回半径は極力小さくすることが求められる。しかも、先羽根の走行完了状態や後羽根のチャージ完了からオーバーチャージ状態での各駆動ピン位置(図2の6a、図1の14aと同じ位置)をできるだけシャッタ地板の左端に近づけるのが好ましい。
【0071】また、近年のカメラでは、フィルム給送機構にスプロケットを用いず、ゴムを巻き付けたスプールにて摩擦力を利用してフィルムを巻き取る方式になり、フィルム画面の割出しをスプロケットの回転量検出によるものからフォトセンサーにて行うようになった。そのため、従来、不図示のカメラ本体の壁を挟んでシャッタの左側に存在していたスプロケットの形状に合わせて、ある領域からシャッタ地板の左端の上下に逃げを設けていた(図19、図20の101i,101j)。
【0072】本発明の第1の実施形態では、このスプロケットの逃げを設ける必要が無いことに着目し、駆動ピンの旋回半径を極力小さくするとともに、先羽根の走行完了状態や後羽根のチャージ完了からオーバーチャージ状態での各駆動ピン位置(図2の6a、図1の14aと同じ位置)を、第1のアーム6,14の回転中心1d,1fの先羽根は真下及び後羽根は真上まで来るようシャッタ地板1の左端に近づけている。
【0073】次にE寸法であるが、図19、図20の第1の従来例では8.06mmで、この時のスリット形成部の平行度をスリット形成部の傾き角及びスリット形成部(直線部)の両端の羽根走行方向(図の縦方向)距離にて表す。条件としては、アーム基幹部の回転軸部(101d,101e等)の嵌合ガタが無いものとし、アームにスリット形成羽根を支持する羽根カシメダボの嵌合を穴H8級−軸f8級とし径φ1.5mmに対し最大ガタを34μmとする。その結果を図9(地板寸法に対し先羽根のアームとスリット形成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを模式的に示す走行完了状態の図、尚後羽根に関しても同様なので省略)に示す。それによると、スリット形成部の傾き角は0°18'18"、スリット形成部両端の羽根走行方向距離は0.22mmとなる。
【0074】前述のB寸法17.20mmとD寸法22.2mmとアーム最大作動角度θの下限値80°に対応して本発明の技術を用い、スリット形成部の傾き角とスリット形成部両端の羽根走行方向距離を上記従来例と同じガタ条件で同じレベル以上に維持するためには、図5に示すようにE寸法は8.25mmとなる。
【0075】本発明の技術により小型化された最適バランスに近いシャッタ(第1の実施形態)では、E寸法は8.46mmとなり、図7(第1の実施形態シャッタの、地板寸法に対し先羽根のアームとスリット形成羽根とのバランス、及びスリット形成部の傾きを模式的に示す走行完了状態の図、尚後羽根に関しても同様なので省略)に示すように上記従来例と同じガタ条件で、スリット形成部の傾き角は0°18'0"、スリット形成部両端の羽根走行方向距離は0.22mmとなり、従来のものに比べ若干向上している。
【0076】仮に、本発明の技術により小型化された最適バランスに近いシャッタ(第1の実施形態)で、E寸法を従来どおり8.06mmのままにすると、図8(図7とはE寸法のみ異なる場合の図)に示すように上記従来例と同じガタ条件で、スリット形成部の傾き角は0°21'0"、スリット形成部両端の羽根走行方向距離は0.26mmとなり、従来のものに比べスリット形成部の平行度が悪くなる。これは露光画面の露出ムラの悪化を意味する。結局、小型化した第1の実施形態のシャッタの性能を従来以上にするためには、E寸法を8.46mmまで大きくすることが妥当であることが分かる。
【0077】更に小型化の限界を追求すると、前述のD寸法19.3mmとアーム最大作動角度θの上限値94°に対応し、本発明の技術を用いるとともに、前と同様、アーム基幹部の回転中心軸1d,1e,1f,1gの材質をシャッタ地板と一体成形できたプラスチックからステンレス等の金属に変更し、軸径をφ1.6mmからφ1.0mmに小さくする。それに伴って先・後羽根の各アームの基幹部外周半径を0.3mm小さくする。その分図1の先羽根と後羽根を互いに縦方向に0.3mmずつ接近させることができる。加えて、カメラのファインダ接眼光路に隣接する部分1kを拡大することなく、第1の従来例のシャッタの縦方向寸法と同じになることを許すならば、上下方向に先・後羽根とも第1のアームを0.8mm移動することができる。
【0078】従って、合わせるとE寸法は9.56mmとなる。図6に示すように上記従来例と同じガタ条件で、スリット形成部の傾き角は0°16'59"、スリット形成部両端の羽根走行方向距離は0.21mmとなり、従来のものに比べ向上している。なお、これよりもE寸法を大きくするとカメラのファインダ接眼光路に影響を与えたり、シャッタの縦方向寸法が大きくなり好ましくない。
【0079】従ってE寸法は以下のような関係式で表させる。
【0080】
(8.25/24.7)A≦E≦(9.56/24.7)A∴ 0.33A≦E≦0.39A…(5)
上記(5)式のE寸法範囲内で、本発明の技術により自由にE寸法を選択できる。
【0081】以上第1の実施形態に於いて、シャッタ開口1aのアーム基幹部側(図1の向って左側)端面からアーム基幹部を支持する側(図1の向って左側)のシャッタ地板1の端面までの寸法B、シャッタ開口1aの羽根先端側(図1の向って右側)端面から羽根先端側(図1の向って右側)のシャッタ地板1の端面までの寸法C、アーム基幹部回転中心から、アーム先端のスリット形成羽根を支持するカシメダボ回転中心までの寸法D、アームの基幹部回転中心周りのアーム最大作動角度θ、第1のアームと第2のアームにより形成される平行リンクの第1と第2のアーム間寸法Eの各々を単独では(1)〜(5)式の範囲内で選択可能と述べたが、図5、図6、図7に示したように、それぞれの寸法間で適した(バランスの良い)組合わせがある。また、小型化の主体となるのはD寸法とθであり、E寸法で羽根支持部の干渉調整とスリット形成羽根の平行度維持を行い、B寸法とC寸法はD,θ,Eにより導かれる寸法となる。
【0082】第1の実施形態では、アームの長さを短縮し、アームの回転角度を大きくし、更にアームのリンク間隔を大きくしている。それにより、遮光のための羽根重なり量を確保し、露光スリットの平行度を悪化させず、羽根ユニットの構造を複雑にすることなく、作動抵抗・イナーシャを小さく保ち、高速作動に適した形でシャッタの小型化、特に羽根走行方向に直交する方向の大きさを小さくできる。
【0083】また、羽根ユニットのイナーシャが小さいという利点を幕速向上に用いず、従来と同じ幕速に留めるのであれば、必要なシャッタチャージエネルギが減少するため、チャージ機構が簡略で薄型になりカメラを小型にできる。更には、カメラの連続撮影時のコマ速を上げるのに好都合である。
【0084】(第2の実施形態)図10〜図18は本発明第2の実施形態を表す図で、フォトスタンドや電子アルバムなどに適した画像表示装置に本発明のシャッタ装置を適用したものである。
【0085】この画像表示装置は、ネガ像をディスプレイスクリーンに光学的に投影するとともに、ネガ像を反転できるような空間光変調素子(以下、SLMと呼ぶ)をスクリーンに構成する事により、一般ユーザーの使うネガフィルムを鑑賞できるようにしたものである。特に、SLMの液晶に強誘電性液晶(以下、FLCと呼ぶ)を使用する事によって、FLCの持つメモリー性を利用してカメラなどに使用されているストロボを用いて、瞬時にネガ像をSLMに書き込み、その像を読み出し光で観察するという構成である。
【0086】以下にその詳細を述べる。
【0087】図10は、画像表示装置321のイメージ図であり、ネガフィルムとしてIX240フィルムの現像済みのもの(以下、Dカート322と呼ぶ)を画像表示装置321に装填する事によって、撮影画面がネガポジ反転されて高精細な像として表示される。
【0088】図11は画像表示装置321の断面図である。同図において、323はDカート322から引き出された、撮影した画像が写っている現像済みのネガフィルムで公知のフィルム巻き上げ機構によって1コマずつ図に示す位置に割り出されるように構成されている。324は乳白色をした拡散板で、後述するストロボ装置325から発光された光を均一に拡散し、ネガフィルム323を照明するように構成されている。325はカメラなどに使用されているようなストロボ装置であり、Xe管、反射笠、発光回路等から構成されており、公知のマイクロプロセッサ(不図示)からのトリガー信号により発光する。326はネガ像からオレンジベースの色を除去する役目を果たしているオレンジベース除去フィルタであり、オレンジの補色である青色をした光学フィルタで構成されている。
【0089】327は投影レンズであり、ネガフィルム323のネガ像を所定の拡大倍率で反射ミラー328を介して後述するSLM329の光電変換層に投影している。
【0090】329はSLMであり、図12を用いて構成を詳述する。なお、図12のa)は画像書き込み時、b)は画像観察時のSLM329の構成を示している。
【0091】329aは純色あるいは補色のカラーフィルタで、例えばビデオカメラ等に使われている撮像素子CCDに使われている目の細かいものが、銀塩画像を劣化させることなく観察する事が出来るので、本画像表示装置には望ましい。329bおよび329hは後述の液晶層を挟んだ偏光板で、図12の構成では329bは偏光方向が紙面に対して裏表方向で、329hは紙面に対して左右方向であり、いわゆるクロスニコル構成となっている。329cおよび329fは通常酸化インジウム等で構成される透明導電膜(以下、ITO膜と呼ぶ)で、AC電源330及びそれを駆動する回路(不図示)がSW331によってそれぞれのITO膜329c、329fに異なる極性の電位が発生するように構成されている。329dはフォトコン層で、アモルファス膜あるいはOPC(有機半導膜)等によるフォトダイオード層で形成されており、片面はITO膜329cに密着しており、もう片面は後述のFLC329eに密着している。329eは液晶層であるFLCで、前述の如く片面をフォトコン層329dに密着させており、もう片面を前述のITO膜329fに密着させている。329gはガラスで、液晶層を封止していると同時にその他の各層を保護する役目を果たしている。329jは前述した投影レンズ327により投影されたネガフィルム323の画素の虚像を説明のために描いたネガフィルム像である。
【0092】また図11において、332はフラットディスプレイ等によく使われる直管型の照明手段で、300はSLM329の前に配置されたシャッタ装置である。
【0093】図13、図14はシャッタ装置300の図で、図13はSLM329の画面を外光から遮光した状態、図14はSLM329の画面を開放した状態を示す正面図。
【0094】これら図において、301はシャッタ開口を有する基板(以下、シャッタ地板と称する。)、301aはシャッタ開口、301bは不図示の駆動レバー(羽根ユニットに移動エネルギを与えるレバー)の駆動ピンの走行軌跡を逃げるための長孔、302は第1の羽根で、302aは長手方向に伸びた端部、303は第2の羽根、304は第3の羽根、305は第4の羽根、306は第1のアームで、シャッタ地板301に設けられた軸301dの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に設けたカシメダボ308aで第1の羽根302をアーム306に対して回転自在に支持する。また306aは不図示の駆動レバーの駆動ピンを嵌入させる穴で、この穴を介して軸301dと同軸に回転軸を設けられた不図示の駆動レバーから動力を伝えられる。尚、不図示の駆動レバーは、モータ333で発生した動力がギヤ列334(図11で二点鎖線にて簡略表示)を介して伝えられるようになっている。
【0095】307は第2のアームで、シャッタ地板301に設けられた軸301eの周りに回転自在に枢着され、該アームの先端側に設けたカシメダボ309aで第1の羽根302をアーム307に対して回転自在に支持する。このようにして第1の羽根302と第1のアーム306と第2のアーム307とにより平行リンクを形成する。
【0096】同様に、第2の羽根303,第3の羽根304,第4の羽根305は、第1のアーム306と第2のアーム307の中間部にそれぞれのカシメダボ308bと309b,308cと309c,308dと309dで回転自在に支持され、平行リンクを形成する。以上により遮光手段である羽根ユニット340が構成される。
【0097】図15は、本発明のブロック図であり、同図において、335は画像表示装置321の全体のシーケンスを司る制御手段であり、336はモータ333の正逆回転の制御を行うモータ制御回路、337はストロボ装置325の発光を制御する発光回路、338はSLM329への通電のON/OFFを切り替えるSW331を制御するSLM制御回路である。
【0098】また、339aは遮光手段である羽根ユニット340がシャッタ開口301aを完全に遮光したときにONする遮光状態検知スイッチで、339bは遮光手段である羽根ユニット340がシャッタ開口301aを完全に遮光解除したときにONする遮光解除状態検知スイッチである。341は遮光手段340に連動した拡散手段で、SLM329への遮光手段340による覆いを解除した状態から、SLMを覆って、照明手段332の照明光を拡散させ、SLM329に略均一にあたるようにする。遮光手段340がSLM329を覆い、遮光した状態で、拡散手段341はSLMを覆った状態から退避した状態となる。
【0099】図16のフローチャートを用いて、画像表示装置321における遮光手段340の動きを以下に説明する。なおフローチャートは、本実施形態の画像表示装置321にDカート322が装填されたところから開始されるが、この時の遮光手段340は画像表示装置321のシャッタ開口部301aを覆っている遮光状態、つまり、ユーザーがSLM329の画像を観察できない状態にある。
【0100】ユーザーが画像表示装置321を使ってDカート322の中の画像を鑑賞するべくDカート322を画像表示装置321に装填すると(S101)、画像表示装置321はDカート322内のネガフィルム323を送り出すスラスト動作を行い、画像表示装置321のアパーチャー部(不図示)にDカート322の1コマ目を位置出しして停止する(S102)。この状態で各スイッチ(不図示)からの信号を受付待ちする待機モード状態となる(S103)。
【0101】ここで例えばリモコン等からの信号で、あるコマまで画面を進めるような信号が入ると(S104)、指定されたコマを画像表示装置321のアパーチャー部に持ってきて(S105)、このコマを表示するかどうかのコマンド待ち状態で待機する(S106)。
【0102】この状態よりユーザーからのディスプレイコマンドを受け付けると(S107)、制御手段335が遮光状態検知スイッチ339aによってスイッチ状態がOFFからONに切換わり、遮光手段340が遮光状態になったことを検出したかどうかを確認する。つまり、以下説明する動作(前回表示していたコマ画像の消去及び新しい画像の書込み)を遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光した状態で行う為に、遮光手段340がその状態にセットされているかどうかの確認を行う事となる(S108)。ここで遮光手段が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光していない場合は後述する『遮光手段セット』のザブルーチンに進む。
【0103】上記遮光手段340の位置を確認した後、まず前回表示していたコマの画像を消去するためにSW331を通電状態にした後(S109)、照明手段332を点灯して(S110)電源330より書き込み時とは逆側の電界をかける(S111)。するとFLC329eは、図12中に一部示されている横向き状態に全てのセルが反転してニュートラル状態になる(S112)。全てのセルが上記状態になるための十分な時間、上記リセット動作を行った後にSW331をOFFして照明手段332を消灯する(S113、S114)。
【0104】ここからは新しい画像の書き込み動作のフローとなる。
【0105】現在の画像表示装置321の状態は、例えばオフィスの机の上や家庭の壁などの棚の上に置かれていて、おおよそ数百ルクスの明るさの中に置かれている。これらの外光は一枚の偏光板329h及び液晶層329eを通る事によって約半減してフォトコン層329dに入射している訳であるが、現在の状態ではSW331が開いているためITO膜329c、329fの間には電界がかからず、従ってFLC329eは反応しない。
【0106】ここでSW331を閉じて通電状態にした後(S115)、電源330より画像を書き込む時の順電界をITO膜329c、329fに印加する(S116)。そしてストロボ装置325を発光して(S117)、そのストロボ光によってネガフィルム323の画像を投影してSLM329に像を焼き付ける。S117で行われるストロボ発光は時間にして約500μsec.程度で全ての発光を終えるので、S116で行われるSW331のONもほぼそれと同じくらいの時間、タイミングで行われ、発光終了後速やかにSW331をOFFすることによって電界がカットされる(S118)。
【0107】その後SLM329に記録された画像をユーザーが観察できるように、後述する、遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを遮光解除状態にする為のザブルーチン『遮光手段オープン』へと進んでから(S119)、照明手段332の点灯を行ってユーザーに透過照明式に視認される状態にする(S120)。この後、画像表示装置321は次のコマンドを受け付ける待機状態となる(S103)。
【0108】以下に『遮光手段セット』及び『遮光手段オープン』のサブルーチンの動作を説明する。
【0109】『遮光手段セット』(図17のフローチャート参照)遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光するために、まず、モータ333を正回転させる(S130)。すると、ギヤ列334を介して羽根アーム306が軸301dの周りに反時計方向へ回転し、遮光手段340は、図14の遮光解除状態から図13の遮光状態へと移動する。
【0110】そして、遮光手段340に連動した拡散手段341は、SLM329を覆った状態からSLMへの書込みができるよう覆いを解除すると共に、遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光するとほぼ同じタイミングで遮光状態検知スイッチ339aがOFFからONに切換わる。よって、制御手段335は遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光したことを検知するので(S131)、制御手段335よりモータ制御手段336にモータの回転をストップする信号が出力され、モータ333の回転がストップする(S132)。
【0111】ここでこのサブルーチンは終了する。
【0112】『遮光手段オープン』(図18のフローチャート参照)遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光解除するために、まず、モータ333を逆回転させる(S140)。すると、ギヤ列334を介して羽根アーム306が軸301dの周りに時計方向へ回転し、遮光手段340は、図13の遮光状態から図14の遮光解除状態へと移動する。そして、遮光手段340に連動した拡散手段341は、SLM329への覆いを解除した状態から、SLMを覆って、照明手段332の照明光を拡散させ、SLM329に略均一にあたるようにすると共に、遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光解除するとほぼ同じタイミングで、遮光解除状態検知スイッチ339bがOFFからONに切換わる。よって、制御手段335は遮光手段340が画像表示装置321のシャッタ開口部301aを完全に遮光解除したことを検知するので(S141)、制御手段335よりモータ制御手段336にモータの回転をストップする信号が出力され、モータ333の回転がストップする(S142)。
【0113】ここでこのサブルーチンは終了する。
【0114】以上のように、画像書き込み時に遮光手段により外光を遮ることにより、SLM329を外光にさらしたままでの画像書き込みしていた従来の画像表示装置で発生していた、外光の影響による画像のノイズを排除できた。従って、従来、画像をきれいに出そうとするのに、ストロボ装置325から大光量の書き込み光でフィルム画像を投影しなければならなかったものが必要なくなり、その結果ストロボ装置325の大型化が押えられ、画像表示装置321をコンパクト化できた。また、投影レンズ327のFNOを明るくする必要もなくなり、投影光学系のレンズ外径をコンパクトに設計する事が可能となった。更に、画像書込み時間の大幅な短縮も達成された。
【0115】第2の実施形態におけるシャッタ装置は、所定画面サイズ(例えば縦75mm、横111mm)のSLMを観察するための画像表示装置に搭載されるもので、例えばシャッタ開口301aの縦寸法Aを74.1mm、横寸法を109.8mmに設定する。シャッタ装置の大きさを小さくする場合には、シャッタ開口301a周囲の構成物の大きさを小さくすることになる。
【0116】そこで、シャッタ開口301aのアーム基幹部側(図13の向って左側)端面からアーム基幹部を支持する側(図13の向って左側)のシャッタ地板301の端面までの寸法をB、シャッタ開口301aの羽根先端側(図13の向って右側)端面から羽根先端側(図13の向って右側)のシャッタ地板301の端面までの寸法をCとする。また、アーム基幹部回転中心から、アーム先端の第1の羽根を支持するカシメダボ回転中心までの寸法をD、アームの基幹部回転中心周りのアーム最大作動角度をθ、第1のアームと第2のアームにより形成される平行リンクの第1と第2のアーム間寸法をEとする。
【0117】尚、図13、図14に二点鎖線で示したシャッタ装置外形は従来の羽根ユニットを用いた場合を表し、第2の実施形態は第1の実施形態と同様の技術を用いているため、シャッタ装置の横寸法は従来よりも18mmも小さくなる。
【0118】シャッタ装置に関する小型化のための着目点[アームへの羽根支持部(羽根カシメダボ)配置も含む]や、具体的な寸法関係の比率も第1の実施形態と同じであるため、第1の実施形態で導いた関係式(1)〜(5)が第2の実施形態においても成り立つ。
【0119】また、第1の実施形態と同様に、それぞれの寸法間で適した(バランスの良い)組合わせがあり、小型化の主体となるのはD寸法とθであり、E寸法で羽根支持部の干渉調整とスリット形成羽根の平行度維持を行い、B寸法とC寸法はD,θ,Eにより導かれる寸法となる。
【0120】第2の実施形態でも、従来のものよりアームの長さを短縮し、アームの回転角度を大きくし、更にアームのリンク間隔を大きくしている。それにより、遮光のための羽根重なり量を確保し、羽根ユニットの平行度を悪化させず、羽根ユニットの構造を複雑にすることなく、作動抵抗・イナーシャを小さく保ち、高速作動に適した形でシャッタの小型化、特に羽根走行方向に直交する方向の大きさを小さくできる。
【0121】また、羽根ユニットのイナーシャが小さいという利点を駆動速度向上に用いず、従来と同じ駆動速度に留めるのであれば、必要なシャッタ駆動エネルギが減少するため、モータ333やギヤ列334等の駆動機構が簡略で薄型になり画像表示装置を小型にできる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明よれば、遮光のための羽根重なり量を確保し、羽根ユニットの構造を複雑にすることなく、作動抵抗・イナーシャを小さく保ち、高速作動に適した形でシャッタの小型化、特に羽根走行方向に直交する方向の大きさを小さくできる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年4月18日(2000.4.18)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三 (外1名)
【公開番号】 特開2001−305606(P2001−305606A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−116489(P2000−116489)