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【発明の名称】 測光装置
【発明者】 【氏名】平井 勇

【氏名】飯田 好一

【要約】 【課題】カメラで撮影する被写体の色の純度の相違による露出値への影響を考慮して適正露出での撮影を可能とした測光装置を提供する。

【解決手段】定常光測光手段9Dにより被写体を分割測光し、その測光出力に基づいて露出量決定手段が被写体の露出量を決定する。また、複数の測色用測光手段9G,9B,9Rで測光を行ってその領域の被写体色を判定し、かつ判定した色に基づいて露出補正量を決定する。さらに、一の色の測色用測光手段の出力と、他の色の測色用測光手段の出力との差をとり、その差が大きいときには当該被写体の色の純度が高いものとし、露出補正量を大きい値に決定する。被写体の色の純度の相違に対応して適正な露出を決定することが可能になり、適正な露出が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 視感度特性に近い分光感度特性の定常光測光手段と、それぞれ異なる分光感度特性の複数の測色用測光手段と、前記定常光測光手段の測光出力に基づいて被写体の露出量を決定する露出量決定手段と、前記複数の測色用測光手段の測光出力に基づいて被写体の色を判定し、かつ判定した色に基づいて露出補正量を決定する露出補正量決定手段とを備え、前記露出補正量決定手段は、前記露出量決定手段で決定された露出量を当該露出補正量決定手段で決定した露出補正量で補正して適正露出量とし、かつ前記露出補正量の決定に際しては、前記複数の測色用測光手段の測光出力の差分を考慮し、当該差分が大きくなるにつれて前記露出補正量を大きくすることを特徴とする測光装置。
【請求項2】 前記定常光測光手段は500〜600nmに感度ピークを有する分光感度特性の測光センサで構成され、前記測色用測光手段は、青色光を測光する青色用測光センサと、緑色光を測光する緑色用測光センサと、赤色光を測光する赤色用測光センサとを含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
【請求項3】 前記露出補正量決定手段は、前記複数の測色用測光手段のうちの一つの色の測色用測光手段の出力と、他の複数の色の測色用測光手段の出力の平均との差分をとり、前記差分の値が大きくなるにつれて前記補正量を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の測光装置。
【請求項4】 前記測色用測光手段は、それぞれ測光面が複数の測光エリアに分割され、前記露出補正量決定手段は前記測光エリアの少なくとも一つの測光エリアについての前記測色用測光手段の測光出力に基づいて前記露出補正量を決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の測光装置。
【請求項5】 前記測色用測光手段での測色を行う少なくとも一つの測光エリアは、被写体の中央部、または当該中央部を含む選択された測光エリアであることを特徴とする請求項4に記載の測光装置。
【請求項6】 前記測色用測光手段での測色を行う少なくとも一つの測光エリアは、カメラの合焦を行うための測距領域と同一領域であることを特徴とする請求項4に記載の測光装置。
【請求項7】 前記定常光測光手段は測光面が複数の測光エリアに分割され、前記露出補正量決定手段は、前記定常光測光手段の複数の測光エリアの測光出力のうち、最大出力と最小出力との差分をコントラスト値とし、このコントラスト値に基づいて前記露出補正量を補正することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の測光装置。
【請求項8】 前記露出補正量決定手段は、前記コントラスト値が大きくなるにつれ、前記露出補正量が小さくなるように前記露出補正量を補正することを特徴とする請求項7に記載の測光装置。
【請求項9】 前記定常光測光手段は前記緑色用測光センサと兼用され、前記緑色用測光センサの測光出力を前記定常光測光手段の測光出力とすることを特徴とする請求項2ないし8のいずれかに記載の測光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一眼レフカメラに適用して好適な測光装置に関し、特に被写体の反射率の相違及び被写体のコントラストの違いによる露出誤差を解消してカメラ撮影での適正露出を得ることを可能にした測光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のカメラに備えられている測光装置は反射光式測光装置と称されるものが殆どであり、この反射光式測光装置は、被写体で反射された光をカメラの観察光学系を通して測光素子で測光し、この測光値に基づいて被写体の輝度を測定し、さらにこの測定値に基づいてカメラでの露出制御値を算出している。しかし、この種の測光装置は、その原理上被写体の光反射率を知ることができないため、被写体の光反射率を一定の値、例えば18%と仮定して露出制御値を算出することが行われている。このため、光反射率が18%よりも高い白っぽい被写体は高輝度に測定し、これに応じて露出を制限するためにアンダーに露光されてしまい、逆に光反射率が18%よりも低い黒っぽい被写体は露出を増加させるためにオーバに露光されてしまうことになる。また、このような被写体における光反射率の違いは、前記したような白っぽい場合或いは黒っぽい場合に限られるものではなく、被写体の色の相違によっても生じている。例えば、被写体の色が黄色の場合には、光反射率が70%にも達するため、標準光反射率を前記したように18%とすると、約2Evの露出アンダーとなる。逆に、被写体の色が青色の場合には光反射率が9%程度であるため、約1Evの露出オーバとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来の測光装置では、撮影者が被写体の色を判定し、その判定した色から光反射率を推測し、被写体が白っぽい場合、あるいは黄色のように光反射率が高い場合にはオーバ目に、また逆に被写体が黒っぽい場合、あるいは青色のように光反射率が低い場合にはアンダー目となるような露出補正を可能にした露出補正装置を備えた測光装置が提案されている。このような露出補正を行うことにより、前記した問題を解消することは可能であるが、このような被写体の色からその光反射率を推測して露出補正を行うためにはある程度の経験や熟練を必要とし、全ての撮影者がこのような露出補正を行うことは実際には不可能であり、しかも露出補正に際して撮影者による操作が必要とされることは、近年における自動撮影を可能にしたカメラの測光装置として好ましいものではない。
【0004】また、被写体の色を測色するために、被写体を3色分解して測光し、その測光出力から被写体の色を判定するようにした測光装置も提案されている。このような被写体の色判定を測光装置において自動的に行うことにより、前記した撮影者による作業を不要にすることは可能であるが、露出補正を行った場合に、被写体の色の純度が異なっているような場合には、露出補正量が必ずしも適正でない場合が生じる。すなわち、被写体の色を例えば青色と判定した場合に、同じ青色でも、青色の成分が多くて被写体全体が純粋に近い青色をしているような被写体の場合と、青色に赤色や緑色の成分が含まれており、色の判別上どちらかと言えば青色として判定される被写体のような場合があり、このように被写体が同じ青色と判定される場合においても、青色の純度に実質的な差が生じている被写体の場合に、その露出補正量を、青色に対応する露出補正量として一義的に設定されている値に決定したのでは、青色と判定された被写体の全てに対する適正な露出補正の信頼性が低いものになる。例えば、前記した例のように、青色の純度の高い被写体を基準に露出補正量を決定すると、青色の純度の低い被写体の場合には露出補正量が過大となり、逆に青色の純度の低い被写体を基準に露出補正量を決定すると、青色の純度の高い被写体の露出補正量が不足することになる。
【0005】また、前記したような露出補正を行った場合に、被写体の明るさのコントラストの如何によっては、露出補正量が必ずしも適正でない場合がある。すなわち、コントラストが高い被写体の場合には、明るい部分が補正値に与える影響は、コントラストが低い被写体の明るい部分が与える影響よりも大きくなる。例えば、被写体の一部領域が光反射率が高く、他の一部領域がこれよりも光反射率の低い場合には、光反射率の低い部分での反射光に基づいてオーバ目に露出補正を行うと、光反射率の高い部分での露出がオーバ露出になってしまい、全体としての適正露出を得ることが難しくなるという問題も生じる。
【0006】本発明の目的は、被写体の光反射率の相違にかからわず、しかも被写体の色の純度の違い、並びに被写体の明るさのコントラストの違いにかかわらずカメラ撮影での適正露出を可能とした測光装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の測光装置は、視感度特性に近い分光感度特性の定常光測光手段と、それぞれ異なる分光感度特性の複数の測色用測光手段と、前記定常光測光手段の測光出力に基づいて被写体の露出量を決定する露出量決定手段と、前記複数の測色用測光手段の測光出力に基づいて被写体の色を判定し、かつ判定した色に基づいて露出補正量を決定する露出補正量決定手段とを備え、前記露出補正量決定手段は、前記露出量決定手段で決定された露出量を当該露出補正量決定手段において決定した露出補正量で補正して適正露出量とし、かつ当該露出補正量の決定に際しては、前記複数の測色用測光手段の測光出力の差分を考慮し、当該差分が大きくなるにつれて前記露出補正量を大きくすることを特徴とする。ここで、前記定常光測光手段は500〜600nmに感度ピークを有する分光感度特性の測光センサで構成され、前記測色用測光手段は、青色光を測光する青色用測光センサと、緑色光を測光する緑色用測光センサと、赤色光を測光する赤色用測光センサとを含んで構成される。
【0008】例えば、本発明では、露出補正量決定手段は、前記複数の測光センサのうちの一つの色の測光センサの出力と、他の複数の色の測光センサの出力の平均との差分をとり、前記差分の値が大きくなるにつれて前記補正量を大きくすることを特徴とする。また、前記測色用測光手段は、それぞれ測光面が複数の測光エリアに分割され、前記露出補正量決定手段は前記測光エリアの少なくとも一つの測光エリアでの測色用測光手段の測光出力に基づいて前記露出補正量の決定を行う構成とする。この場合、前記測色を行う少なくとも一つの測光エリアは、被写体の中央部、または当該中央部を含む選択された測光エリアとする。また、前記測色を行う少なくとも一つの測光エリアは、カメラの合焦を行うための測距領域と同一領域であることが好ましい。
【0009】さらに、本発明においては、前記定常光測光手段は測光面が複数の測光エリアに分割され、前記定常光測光手段の複数の測光エリアの測光出力のうち、最大出力と最小出力との差分をコントラスト値とし、前記露出補正量決定手段は前記コントラスト値に基づいて前記露出補正量を補正することを特徴とする。この場合、前記露出補正量決定手段は、前記コントラスト値が大きくなるにつれ、露出補正量が小さくなるように前記露出補正量を補正する。
【0010】本発明によれば、一つの色の測色用測光手段の出力と、他の色の測色用測光手段の出力との差をとることで被写体の色の純度が検出でき、この色の純度が高いほど露出補正量を大きくすることにより、色の純度が異なる被写体に対しても適正な露出量を得ることが可能になる。この場合、被写体の中央部、または中央部を含む複数の測光エリアでの測色用測光手段の出力に基づいて被写体の色の純度を検出することで、撮影対象となる被写体をより適正な露出で撮影することが可能になる。さらに、被写体のコントラストを加味して露出補正量を決定することで、より好ましい露出での撮影が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明をレンズ交換式一眼レフカメラの測光装置に適用した実施形態の模式的な斜視図、図2はその要部の側面構成図であり、撮影レンズ2が着脱されるカメラボディ1内には、クイックリターンミラー3、ピントグラス4、ペンタプリズム(又はペンタミラー)5、及び接眼光学系6が内装されている。前記クイックリターンミラー3の一部はハーフミラー部3aとして構成され、撮影レンズ2で結像される被写体光の一部を前記ハーフミラー部3aを透過し、かつ補助反射ミラー7で反射して測距装置8に導いている。この測距装置8は被写体に対して複数のポイントで測距を行うマルチ測距装置であってもよく、その測距データに基づいてAF(自動焦点)制御を行うために用いられ、また、測距ポイントにより被写体位置検出にも用いられる。また、前記ペンタプリズム5には、後述するように、前記接眼光学系6側の面の4箇所に合計4個の測光素子として機能する測光センサ9が配設されており、それぞれ前記撮影レンズ2により結像される被写体光の一部を受光するように構成される。さらに、前記撮影レンズ2とカメラボディ1とは電気接点部10を介して相互に電気接続されており、前記撮影レンズ2に内蔵されているレンズROM11は、前記カメラボディ1に内蔵されているCPUで構成される制御回路20に電気接続されている。前記カメラボディ1の外面にはLCD(液晶)表示器21、レリーズボタン22を含む各種操作ボタンが設けられる。なお、カメラボディ1内に設けられているフィルムの巻上げ機構を始めとする他のカメラ機構については、ここでは説明を省略する。
【0012】前記4個の測光センサ9は、図3(a)にカメラ背面側から見た図を示すように、前記ペンタプリズム5の接眼光学系側の上部中央に配置された2個の測光センサ9D,9Gと、下側の左右端にそれぞれ1個ずつ配置された2個の測光センサ9B,9Rとで構成されている。前記各測光センサ9D,9G,9B,9RはFPC(フレキシブルプリント回路基板)91に搭載されて前記各位置に固定支持されており、かつ各測光センサ9D,9G,9B,9Rの前面に配置された集光レンズ92によってそれぞれ被写体像を各測光センサ9D,9G,9B,9Rの測光面に結像するように構成されている。また、前記各測光センサ9D,9G,9B,9Rはそれぞれ図4(a)のように、被写体画面を複数の領域、ここでは中心領域A0、その左右領域A1,A2、上下領域A3,A4、さらに四周囲領域A5の6つの測光エリアに区画し、測光面が前記各測光エリアA0〜A5に対応して分離形成されてアンプAMPを一体に形成した測光ICチップとして形成されている。そして、図4(b)に示すように、各測光エリアA0〜A5に結像した被写体からの反射光量を測光するように構成されている。なお、図4(b)において、P0〜P2は、前記AF制御を行うための測距ポイントを示している。
【0013】前記測光センサ9Gは測光面に緑色のフィルタが配設されて緑色光を主体に受光するG用の測光センサとして、他の1つの測光センサ9Bは測光面に青色のフィルタが配設されて青色光を主体に受光するB用の測光センサとして、さらに他の1つの測光センサ9Rには赤色のフィルタが配設されて赤色を主体に受光するR用の測光センサとしてそれぞれ構成されている。ここで前記3つのG用、B用、R用の測光センサ9G,9B,9Rは測色素子として構成されており、各測光センサに配設されている緑色、青色、赤色のフィルタの分光透過率特性は、ここでは図5に示す特性のものが用いられており、それぞれ、ほぼ540nm、420nm、620nmに透過率ピークを有している。なお、残りの1つの測光センサ9Dには色フィルタは配設されていないが、その分光測光特性は、図5のように500〜600nmの範囲に感度ピークを有する視感度分布特性に近い特性に設定され、定常光を測光する定常光測光素子としての定常光用測光センサとして構成されている。
【0014】図6は前記カメラの主要部の回路構成を示すブロック回路図である。前記4つの測光センサ9D,9G,9B,9Rは制御回路20に対して、定常光とRGBの各色光を測光した測光値を出力する。また、前記測距装置8の出力を測距値として前記制御回路20に出力し、AF装置25による自動焦点制御を実行させる。一方、前記制御装置20には、前記レリーズボタン22の半押し、全押しに追従して順序的にオン動作される測光スイッチSWS、及びシャッタレリーズスイッチSWRからのスイッチ情報信号が入力され、レリーズボタン22の半押しによってオンする測光スイッチSWSからのスイッチ情報信号が入力されたときに、所要のアルゴリズムでの測光演算を行い、この演算に基づいて露出値を算出する。そして、この算出した露出値に基づいて露出制御装置23を制御し、撮影を実行する。また、算出した露出値は、表示ドライバ24を駆動して前記LCD表示器21に表示する。なお、前記制御回路20内には、後述する測光演算に必要とされる各種の値を予め記憶しているEEPROM(電気的に書き換え可能なROM)26と、一時的に各種データを記憶するRAM27が内蔵されている。
【0015】以上の構成のカメラにおける測光装置の測光動作を説明する。図7は測光動作のゼネラルフローチャートであり、先ず、このゼネラルフローチャートを用いて測光の全体の流れを説明する。ステップS11においてレリーズボタン22の半押しによりオンされる測光スイッチSWSのオンを確認すると、レンズ通信処理S12を実行し、制御回路20はカメラボディ1に装着されている撮影レンズ2の固有情報を取り込む。この固有情報は撮影レンズ2の開放絞りやレンズ焦点距離等のように、撮影レンズの種類に応じて測光演算に影響を与える固有の情報として、撮影レンズに内蔵のレンズROM11から電気接点部10を介して入力される。次いで、測光センサ出力Bvd演算処理S13を実行する。この測光センサ出力Bvd演算処理S13では、撮影レンズ2及びカメラボディ1内のクイックリターンミラー3、ペンタプリズム5を通して前記各測光センサ9で測光して得られるアナログデータの測光値を、制御回路20での演算に用いることが可能なデジタルデータの測光値Bvdに変換演算する。次いで、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られた測光値Bvdと、レンズ通信処理S12で取り込んだ前記撮影レンズ2の固有情報とを用いて開放測光補正演算処理S14を実行し、撮影レンズ2の違いによる測光誤差を無くす。
【0016】次いで、露出値演算処理S15において、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られた定常光用測光センサ9Dでの測光値Bvdに基づき露出値Lvdを算出する。この露出値演算処理S15では、撮影時の条件、例えば、逆光撮影、撮影倍率、撮影シーン等に基づいて露出値Lvdを演算するためのパラメータを算出し、かつこのパラメータに基づいて露出値Lvdを算出する。また一方で、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られたRGB用の各測光センサ9R,9G,9Bの測光値Bvd・r、Bvd・g、Bvd・bに基づいて測色処理S16を行い、被写体の色を測色するとともに、測色した色に基づいて露出補正値としての測色補正値CCを算出する。次いで、コントラスト補正処理S17では、定常光用測光センサ9Dの測光値Bvdに基づいて被写体における輝度差(コントラスト値)を検出し、このコントラスト値に基づいて前記測色補正値CCを補正する。そして、露出値測色補正処理S18では、前記測色補正値CCに基づいて露出値演算処理S15で求めた露出値Lvdを補正する。しかる後、レリーズスイッチSWRのオンを確認すると(S19A)、ステップS18で得られた露出値Lvdに基づいて露出制御装置23が露出制御を行い(S20)、カメラでの撮影を実行する。なお、レリーズスイッチSWRがオンされないときには、測光タイマのOFFを検出し(S19B)、測光タイマのOFFにより所定時間が経過するまでは前記ステップS12以降のフローを繰り返し、所定時間が経過したときには、ステップS11に戻る。
【0017】以下、前記ゼネラルフローチャートの各処理を個々に説明する。先ず、レンズ通信処理S12のフローチャートを図8に示す。レンズ通信処理S12では、測光スイッチSWSのオンを制御回路20が検出すると、電気接点部10を介して撮影レンズ2のレンズROM11に対してアクセスし、当該レンズROM11に記憶されている撮影レンズ2の固有情報を読み出し(S101)、制御回路20のRAM27に格納する。ここで、撮影レンズの固有情報としては、「レンズ種類」,「レンズデータ」,「最短撮影距離」,「撮影距離」,「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放Fナンバー」,「開口効率」等のデータがレンズROMに記憶されており、この実施形態では前記制御回路20はこれらの情報のうち、少なくとも「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放絞り」,「開口効率」を読み出してRAM27に記憶する。
【0018】前記測光センサ出力Bvd演算処理S13のフローチャートを図9に示す。この測光センサ出力Bvd演算処理S13では、先ず、前記4個の測光センサ9D,9G,9B,9Rのうち、定常光測光素子としての定常光用測光センサ9Dにおける図4に示した各測光エリアAi(i=0〜5)のそれぞれの出力電圧値(アナログデータ)をA/D変換した値Bvad〔i〕として得るとともに、測色素子としての、他の3個のG,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの各測光エリアAi(i=0〜5)のそれぞれの出力電圧値(アナログデータ)をそれぞれA/D変換したBvad・g〔i〕、Bvad・b〔i〕、Bvad・r〔i〕を得る。しかる上で、前記定常光用測光センサ9DのA/D変換値Bvad〔i〕を輝度に応じた測光値Bvd(i)に調整する(ステップS111)。また、他の3個のG,B,R用の各測光センサ9G,9B,9RのA/D変換値Bvad・g〔i〕、Bvad・b〔i〕、Bvad・r〔i〕もそれぞれ輝度に応じた測光値Bvd・g〔i〕、Bvd・b〔i〕、Bvd・r〔i〕に調整する(S112)。なお、前記ステップS111,S112におけるA/D変換は、各出力電圧値(アナログデータ)を検出レベルに対応したデジタルデータに変換するという、通常行われているA/D変換技術が適用される。
【0019】前記開放測光補正演算処理S14のフローチャートを図10に示す。前記レンズ通信処理S12において、撮影レンズ2のレンズROM11から読み出して制御回路20のRAM27に記憶した「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放絞り」,「開口効率」に基づいて、開放測光補正値Mnd1〔i〕を算出する(S121)。この開放測光補正値Mnd〔i〕の算出方法は、本願出願人が先に特開昭63−271239号公報で提案しているところであるが、簡単に説明すれば、個々のカメラボディ毎の光学特性の違いと、前記「レンズ焦点距離」,「射出瞳位置」,「開放絞り」,「開口効率」のそれぞれとの違いに起因する適正露出からのずれ量を補正するための補正値mv1,mv2,mv3,mv4をそれぞれ計算し、これらの補正値の総和mv1+mv2+mv3+mv4を開放測光補正値Mnd1〔i〕とする。また、この開放測光補正値Mnd1〔i〕は、測光センサ9G,9B,9Rに対応して、それぞれMnd1・g〔i〕、Mnd1・b〔i〕、Mnd1・r〔i〕とする。
【0020】しかる上で、前記測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られた測光値Bvd〔i〕に前記開放測光補正値Mnd1〔i〕を加算し、その加算結果を新たな測光値Bvd〔i〕とする。すなわち、Bvd〔i〕=Bvd〔i〕+Mnd1〔i〕
の演算を行う(S121)。同様に、測光センサ出力Bvd演算処理S13で得られたG,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの測光値Bvd・g〔i〕、Bvd・b〔i〕、Bvd・r〔i〕に対しても、それぞれ開放測光補正値Mnd1・g〔i〕、Mnd1・b〔i〕、Mnd1・r〔i〕を加算し、それぞれを新たな測光値とする。すなわち、Bvd・g〔i〕=Bvd・g〔i〕+Mnd1・g〔i〕
Bvd・b〔i〕=Bvd・b〔i〕+Mnd1・b〔i〕
Bvd・r〔i〕=Bvd・r〔i〕+Mnd1・r〔i〕
の演算を行う。この結果、各測光値はそれぞれ、撮影レンズ2とカメラボディ1との組合せによって生じる各撮影レンズ2の個体差による測光値への影響が解消された測光値となる(S122)。
【0021】前記露出値演算処理S15のフローチャートを図11に示す。この処理では、前処理までに得られた測光値のうち、測光値Bvd〔i〕に対し、実際に撮影を行う際の条件によって測光値を補正し、この補正により適正な露出値Lvdを得るための処理である。すなわち、定常光用測光センサ9Dの測光エリアA0〜A5の各測光値Bvd〔i〕を相互に比較し、あるいは総体的に検出することで、撮影する状態が、逆光撮影、夕暮れ撮影、夜景撮影等のいずれの状態の蓋然性が高いものであるかを判定し、その判定結果に基づいて各測光値Bvd〔i〕に対して重み付けを行い、あるいは一つの測光値のみを採用する等の手法により、当該撮影状態に好適な露光値Lvdとして演算する処理である。この露出値を得るための補正手法としては、これまでにも種々の手法が提案されているが、この実施形態では、各測光値Bvd〔i〕から露出値算出用のパラメータを算出する(S131)。すなわち、パラメータの高輝度リミット(S132)、逆光判定(S133)、重み付けパラメータ算出(S134)、撮影倍率チェック(S135) 、撮影シーン判定(S136)、撮影シーン高輝度時プラス補正(S137)についてそれぞれの補正値を算出し、かつその算出したパラメータと前記測光値Bvd〔i〕とで露出値Lvdを算出する(S138)。
【0022】前記測色処理S16のフローチャートを図12に示す。この測色処理S16では、前記したように被写体の色を測色するとともに、測色した色に基づく測色補正値CCを算出する。この測色処理S16は、測色パラメータの初期化を行った後(S21)、カラーフィルムの基準色温度、約5500Kに一致するように光源補正値を得るための処理S22と、得られた光源補正値により補正処理を行う光源差補正処理S23と、後工程の測色演算で用いるための測色パラメータを得るための測色パラメータ算出処理S24と、測色で使用する定数を設定するための測色定数設定処理S25と、前記各処理で得られた補正値、パラメータ、定数に基づいて測色判定を行なう測色判定処理S26と、判定された色に基づいて測光センサの各測光エリアA0〜A5のそれぞれにおける測色補正値CC〔i〕を演算する領域測色補正値演算処理S27と、各測光エリアのそれぞれの測色補正値CC〔i〕に基づいて全体としての測色補正値CCを演算するCC演算処理S28とを順序的に実行するフローとなっている。なお、この測色処理の詳細は後述する。
【0023】そして、図7に示した前記露出値測色補正処理S18では、前記測色処理S16で演算され、かつ必要に応じてコントラスト補正処理S17において補正された測色補正値CCに基づいて露出値演算処理S15で求めた露出値Lvdを補正し、最終的な露出値Lvdとする。すなわち、Lvd=Lvd+CCの演算を実行する。
【0024】次に、前記測色処理S16の図12に示した前記した各処理S22〜S28について説明する。前記光源補正値演算処理S22のフローチャートを図13に示す。この光源補正値演算処理S22は測光センサのBvd値を基準設定する際に調整用光源(A光源)を使用しているため、実際に撮影を行う光源、主に太陽光を受光した場合におけるBvd値のずれを補正するためのものである。ここでは、G(緑色)を基準にして、Gに対するB(青色)とR(赤色)の相対的な光源補正値を求めて光源補正を行っている。先ず、GBRについて、光源データBvd・light・g、Bvd・light・b、Bvd・light・rを制御回路20のEEPROM26から読み込む(S141)。ついで、Gを基準としたときのB用の測光センサ9Bの光源調整値adj・sun・bと、同じくR用の測光センサ9Rの光源調整値adj・sun・RをそれぞれEEPROM26から読み出す(S142)。ここで、前記各光源調整値の例は次の通りである。
adj・sun・b=+8adj・sun・r=−4ただし、前記した測光センサ9の調整をA光源ではなく、太陽光相当の光源で行った場合には、これらの光源調整値はそれぞれ「0」となる。
【0025】しかる上で、前記光源データと光源調整値とから、B用の測光センサ9Bの光源補正値light・gbを、light・gb=Bvd・light・g−Bvd・light・b+adj・sun・bの式から求める。同様に、R用の測光センサ9Rの光源補正値light・grを、light・gr=Bvd・light・g−Bvd・light・r+adj・sun・rの式から求める。これにより、BとRの各光源補正値light・gb、light・grが求められる(S143,S144)。
【0026】前記光源差補正処理S23のフローチャートを図14に示す。ここでは、前記光源補正値演算処理S22で求められたBとRの各光源補正値に基づいて、B用の測光センサ9Bと、R用の測光センサ9Rの各測光エリアA0〜A5でそれぞれ受光して得られる測光値Bvd・b〔i〕とBvd・r〔i〕(i=0〜5)について光源差補正を行う。先ず、B用の測光センサ9Bの各測光エリアについて、Bvd・b〔i〕=Bvd・b〔i〕+light・gbを計算する(S151)。次いで、同様に、R用の測光センサ9Rの各測光エリアについて、Bvd・r〔i〕=Bvd・r〔i〕+light・grを計算する(S152)。これにより、B用とR用の各測光センサ9B,9Rの測光出力に補正が加えられることになり、G,B,Rの各測光センサ9G,9B,9Rの各測光出力は、太陽光に対して等しい測光特性に基準化される。
【0027】前記測色パラメータ算出処理S24のフローチャートを図15に示す。ここでは、光源差補正された各測光センサ9の出力から、後の処理フローでの測色判定で使用する測色パラメータを算出する。測色パラメータとして、G用の測色パラメータGf〔i〕、B用の測色パラメータBf〔i〕、R用の測色パラメータRf〔i〕が算出される(S161,S162,163)。算出式は次の通りである。
Gf〔i〕=Bvd・g〔i〕−(Bvd・b〔i〕+Bvd・r〔i〕)/2Bf〔i〕=Bvd・b〔i〕−(Bvd・g〔i〕+Bvd・r〔i〕)/2Rf〔i〕=Bvd・r〔i〕−(Bvd・b〔i〕+Bvd・g〔i〕)/2【0028】このように、測色パラメータ算出処理S24では、R,G,Bのうちの一つの色の測光センサの出力と、他の二つの色の測光センサの出力の平均との差を取って、これを測色パラメータとしてしている。このことは、得られた一つの色の測色パラメータは、当該一つの色成分に対して他の二つの色成分がどの程度混在しているかを示していることになり、結果として当該一つの色の測色パラメータの値は、被写体における当該一つの色の純度を示すことになる。例えば、前記Bf〔i)についてみると、その値が大きいほど、被写体における青色の成分に対して、赤色及び緑色の成分が少ないと言え、被写体はより青らしく、青の純度が高いものと言える。逆に、Bf〔i〕の値が小さいときには、青色に含まれる赤色や緑色の成分が多く、被写体はどちらかと言えば青色と判定される程度の色であり、青の純度が低いものと言える。
【0029】前記測色定数設定処理S25のフローチャートを図16に示す。ここでは後の処理フローでの測色判定で使用する測色定数をEEPROM26から読み出す。測色定数としては、測色判定用しきい値、測色判定用係数、測色補正値CC算出用係数、測色補正値CC算出用調整値である。各測色定数は次のように示される。
測色判定用しきい値:判定値・*1〔i〕
測色判定用係数:係数・#1〔i〕,係数・#2〔i〕
測色補正値CC算出用係数:CC係数・*1〔i〕
測色補正値CC算出用調整値:CC調整値・*1〔i〕
ここで、*はg,b,r,m,y,cを示し、#はg,b,rを示している。なお、gは緑色、bは青色、rは赤色であることはこれまでと同様であるが、mはマゼンタ色、yは黄色、cはシアン色を示している。また、この処理においては、各測光センサの各測光エリアA0〜A5のそれぞについて測色定数を設定しており、したがって、その処理フローとしては、最初にi=0に設定し(S171)、前記各設定値をEEPROM26から読み出した上で(S173〜S176)、iを1加算する演算(i=i+1)を行い(S177)、同様にi=5に達するまで繰り返し読み出す(S172)。なお、この読み出した値は制御回路20のRAM27に記憶する。なお、前記した各測色定数の一例を図17に示す。
【0030】前記測色判定処理S26を図18及び図19のフローチャートに基づいて説明する。この測色判定処理S26では、G,B,R用の各測光センサ9G,9B,9Rの各対応する測光エリアA0〜A5毎に測色を行っており、結果として各測光エリアA0〜A5で測光した被写体の色を判定している。すなわち、図18の左フローにおいて、i=0に設定し(S181)、以後i=5に達するまで(S182)、フローを繰り返す。ここで、色〔i〕は色パラメータとし、色・max〔i〕と色・min〔i〕はそれぞれ判定色パラメータとする。先ず、色パラメータ色〔i〕を無色とした上で(S183)、Rf〔i〕<判定値・c1〔i〕を判断する(S184)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Gf〔i〕|<|係数・r1〔i〕×Rf〔i〕|を判断し(S185)、この条件を満たすときには、色・min〔i〕=Rf〔i〕とする(S186)。また、ステップS184,S185でいずれも条件を満たさないときには、Gf〔i〕<判定値・m1〔i〕を判断する(S187)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・g1〔i〕×Gf〔i〕|を判断し(S188)、この条件を満たすときには、色・min〔i〕=Gf〔i〕とする(S189)。また、ステップS187,S188でいずれも条件を満たさないときには、Gf〔i〕>判定値・mg〔i〕を判断する(S190)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・g2〔i〕×Gf〔i〕|を判断し(S191)、この条件を満たすときには、色・max〔i〕=Gf〔i〕とする(S192)。
【0031】さらに、図18の右フローにおいて、ステップS190,S191でいずれも条件を満たさないときには、Bf〔i〕>判定値・b1〔i〕を判断する(S193)。条件を満たすときには、|Gf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・b2〔i〕×Bf〔i〕|を判断し(S194)、この条件を満たすときには、色・max〔i〕=Bf〔i〕とする(S195)。また、ステップS193,S194でいずれも条件を満たさないときには、Rf〔i〕<判定値・r1〔i〕を判断する(S196)。条件を満たすときには、|Bf〔i〕−Gf〔i〕|<|係数・r2〔i〕×Rf〔i〕|を判断し(S197)、この条件を満たすときには、色・max〔i〕=Rf〔i〕とする(S198)。さらに、ステップS196,S197でいずれも条件を満たさないときには、Bf〔i〕<判定値・y1〔i〕を判断する(S199)。条件を満たすときには、|Gf〔i〕−Rf〔i〕|<|係数・b1〔i〕×Bf〔i〕|を判断し(S200)、この条件を満たすときには、色・min〔i〕=Bf〔i〕とする(S201)。このフローを前記したようにi=0〜5まで行うことで、各測光エリアA0〜A5についてそれぞれ色・max〔i〕と色・min〔i〕が得られる。
【0032】そして、得られた色・max〔i〕と色・min〔i〕について、図19のフローチャートにおいて、色・min〔i〕=Rf〔i〕を判断し(S202)、条件を満たすときには、色〔i〕=シアンとする(S203)。条件を満たさないときには、色・min〔i〕=Gf〔i〕を判断し(S204)、条件を満たすときには、色〔i〕=マゼンタとする(S205)。このとき、後段の色が優先されることになり、ステップS203において色〔i〕=シアンとした場合でも、ステップS205において色〔i〕=マゼンタとしたときには、マゼンタが優先され、色をマゼンタとする。以下、同様に、色・max〔i〕=Gf〔i〕のときには色〔i〕=緑色とし(S206,S207)、前工程でマゼンタとした場合でも、緑色が優先されることになる。さらに、同様に、色・max〔i〕=Bf〔i〕のときには色〔i〕=青色とし(S208,S209)、色・max〔i〕=Rf〔i〕のときには色〔i〕=赤色とし(S210,S211)、色・min〔i〕=Bf〔i〕のときには黄色とする(S212,S213)。結果として、黄色が最も優先されることになるが、これよりも前フローではフロー中における条件を満たす最終の色が当該測光エリアの色として判定されることになる。このフローについても、i=0〜5まで繰り返すことで(S214)、各測光エリアA0〜A5の色がそれぞれ判定される。
【0033】前記領域測色補正値演算処理S27は、判定された各測光エリアの色に基づいて、各測光エリア毎の被写体色の相違による測色補正値CC〔i〕を演算するものであり、図20にフローチャートを示す。最初に、i=0に設定し(S221)、以後i=5に達するまで、フローを繰り返す(S222)。先ず、色〔i〕=無色であるかを判断し(S223)、条件を満たすときにはCC〔i〕=0とする(S224)。条件を満たさないときには、色〔i〕=シアンであるかを判断し(S225)、条件を満たすときには、ステップS226において、CC〔i〕の演算を行う。ここでは、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・c1〔i〕×(Rf〔i〕−判定値・c1〔i〕)+CC調整値・c1〔i〕
シアンでないときには、色〔i〕=マゼンタであるかを判断し(S227)、条件を満たすときには、ステップS228において、CC〔i)の演算を行う。ここでは、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・m1〔i〕×(Gf〔i〕−判定値・m1〔i〕)+CC調整値・m1〔i〕
同様にして、色〔i〕がいずれの色であるかを順次判断し(S229,S231,S233,S235)、色〔i〕が緑色のときには、ステップS230において、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・g1〔i〕×(Gf〔i〕−判定値・g1〔i〕)+CC調整値・g1〔i〕
また、色〔i〕が青色のときには、ステップS232において、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・b1〔i〕×(Bf〔i〕−判定値・b1〔i〕)+CC調整値・b1〔i〕
また、色〔i〕が赤色のときには、ステップS234において、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・r1〔i〕×(Rf〔i〕−判定値・r1〔i〕)+CC調整値・r1〔i〕
また、色〔i〕が黄色のときには、ステップS236において、測色補正値CC〔i〕を次のように演算する。
CC〔i〕=CC係数・y1〔i〕×(Bf〔i〕−判定値・y1〔i〕)+CC調整値・y1〔i〕
しかる後、iを1加算し(S237)、このフローをi=0〜5まで繰り返すことで、各測光エリアA0〜A5における測色補正値CC〔i〕がそれぞれ演算される。
【0034】このように、測色補正値CC〔i〕の算出においては、測色パラメータ算出ステップS24(図15)において得られた測色パラメータGf〔i〕,Rf〔i〕,Bf〔i〕を要素として含んでいる。そのため、測色パラメータの値が大きいときには測色補正値CC〔i〕の値も大きくなる。例えば、青色の測色パラメータBf〔i〕についてみると、Bf〔i〕の値が大きいときには、被写体の青色の純度が高く、より青らしい被写体として判断されるため、赤色や緑色が混在して、どちらかと言えば青色であると判断される被写体の場合よりも、測色補正値CC〔i〕の値を大きくすることになる。これにより、被写体が同じ青色であると判断された場合においても、その青色の純度の違いに応じてそれぞれ適正な露出補正値の決定が行われることになり、露出補正の信頼性が高いものになる。
【0035】しかる上で、CC演算S28において、測色補正値CC〔i〕から測色補正値CCを演算する。この演算では、i=0〜5の各CC〔i〕を単純平均し、あるいは中央部、ないしはその近傍領域の出力に重み付けを行った上で平均を取る等の手法が行われる。ここで、測色補正値CCは、前記した例ではiを0〜5として説明したが、中央部のみ測色するように構成できることは明らかである。また、測距装置から得られる合焦エリア情報を元にして、合焦エリアを一つ選択して合焦エリアと一致する測色エリアを選択して測色補正値CCを得ることも可能である。このようにすれば、全てのエリアについて測色を行う必要がなく、測色領域の数を低減することが可能になる。
【0036】以上のようにCC演算処理S28では測色補正値CC〔i〕に基づいて測色補正値CCを得ることができ、この測色補正値CCを、図7に示した露出値測色補正処理S18において露出値Lvdを補正することにより適正な露出での撮影が可能になる。これにより、本発明の目的は実現されるが、さらに好ましい形態として、この実施形態では、図7のコントラスト補正処理S17において、被写体の輝度差、すなわちコントラストに応じて露出補正値をさらに補正している。すなわち、被写体のコントラスト如何によっては、測色補正値CCが必ずしも適正でない場合があることは前記したとおりである。そこで、コントラストが大きい被写体の場合には露出補正値を抑制することとする。図21において、ここでは先ず、図7のゼネラルフローでの露出値演算処理S15の処理途中で得られた測光値Bvd〔i〕を保持しておき、この測光値Bvd〔i〕の最大値と最小値の差をとり、その差分を測光コントラスト値Bv・conとする(S241)。
Bv・con={max(Bvd〔i〕)−min(Bvd〔i〕)}
ここで、i=0〜5であるが、被写体の周辺部のコントラストの影響によって被写体中央部の露出が適正でなくなることを避けるために、周辺部の受光量は考慮しないように、i=0〜4にするか、あるいは周辺部に1以下の重み付けを付けるようにしてもよい。
【0037】そして、測光コントラスト値が大きいほど測色補正値CCを実質的に小さくするために、測色補正値CCに乗算する係数としてのコントラスト補正値Bv・con・kを求める(S242)。ここでは、次式を採用する。
Bv・con・k={1−(Bv・con/8)}
なお、式中の除数の「8」は、経験則から求めた値である。そして、コントラスト補正値Bv・con・kが負になることを避けるために、Bv・con・k<0の判断を行い(S243)、条件を満たす場合には、Bv・con・k=0とする(S244)。条件を満たさないときには、算出された値Bv・con・kをそのままコントラスト補正値とする。そして、得られたコントラスト補正値Bv・con・kを用いて、前記測色補正値CCについて、CC=Bv・con・k×CCを演算し、コントラスト補正された測色補正値CCを得る(S245)。
【0038】しかる上でコントラスト補正された測色補正値CCに基づいて、図7に示した露出値測色補正処理S18において、露出値演算処理S15で求めた露出値Lvdを補正し、最終的な露出値Lvdとする。この計算式は前記したように、Lvd=Lvd+CCである。そして、この補正された露出値Lvdに基づいて、露出制御装置において、カメラの露出制御を行うことにより、被写体のコントラストの違いにかかわらず、反射率の影響を低減し、適正露出での撮影が可能となる。特に、測光コントラスト値が大きくなると、ステップS242で求めたコントラスト補正値Bv・con・kが小さくなり、結果として測色補正値CCが実質的に小さくなるので、例えば、コントラストが大きい場合に、反射率の低い部分に基づいて露出補正量を露出オーバ方向に決定した場合でも、その露出オーバの程度を抑制し、反射率の高い部分が過度に露出オーバになることが防止される。また、逆に、コントラストが小さい場合には、測色補正値CCを補正する程度は小さくなり、被写体の色に応じた適正な露出値の補正量を演算させることになる。
【0039】ここで、図21における測光コントラスト値Bv・conの算出方法においては、例えば、測距装置8を、図4(b)のP0〜P2の3点のように複数の測距点での測距を行うマルチ測距装置として構成し、このマルチ測距装置からの測距データに基づいて複数の測距点のいずれかを選択して当該測距点に対して合焦を行うような場合には、当該合焦された測距点が含まれる測光エリアを前記一の測光エリアとし、その隣接する測光エリア又は周囲の測光エリアとの測光コントラストを算出することで、合焦された被写体の部分とその近傍ないし周囲の部分をより適正な露出で撮影することが可能になる。
【0040】なお、前記実施形態では、定常光測光を行うための定常光用測光センサ9DをB,G,R用の各測光センサ9B,9G,9Rとは別に独立した測光センサとして設けているが、G用の測光センサ9Gの受光特性は540nm近傍にピークを有しており、視感度分布特性に近い定常光用測光センサ9Dの特性に近いので、図3(b)に示すように、定常光測光用の測光センサをG用の測光センサ9Gで兼用してもよい。この場合には、図7に示したゼネラルフローの処理S11〜S15については、G用の測光センサ9Gの測光出力Bvad・gをBvadに置き換えて演算を行えばよい。このように、定常光用測光センサ9DをG用の測光センサ9Gで構成することにより、測光装置を3つの測光センサで構成することが可能となり、ペンタプリズムの接眼光学系側に配置する測光センサの数を図3(a)の構成の場合に比較して1個低減することができ、コストの低減が図れるとともに、測光センサの配置スペースを低減してカメラボディの小型化が可能となる。また、この場合に図3(b)のように、G用の測光センサ9Gを定常光用測光センサ9Dと同様にペンタプリズム5の接眼光学系側の中央上部に配置することにより、G用の測光センサ9Gにおける測光感度分布を左右対称として測光精度を高いものにすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、被写体を複数の測色用測光手段により測色して露出量の補正を行うに際し、一つの色の測色用測光手段の出力と、他の色の測色用測光手段の出力との差をとることで被写体の色の純度を検出し、当該出力の差が大きいほど、すなわち前記一つの色の純度が高いほど露出補正量を大きくすることにより、色の純度が異なる被写体に対しても適正な露出量を得ることが可能になる。また、被写体の中央部、または中央部を含む複数の測光エリアでの測色用測光手段の出力に基づいて被写体の色の純度を検出することで、撮影対象となる被写体をより適正な露出で撮影することが可能になる。さらに、本発明は、定常光測光手段の各測光エリアの測光出力のうち、最大出力と最小出力との差分をコントラスト値とし、このコントラスト値を加味して露出補正量を決定するので、被写体のコントラストが異なる場合においても、適正な露出補正量を得て適正な露出での撮影が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成12年8月3日(2000.8.3)
【代理人】 【識別番号】100081433
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
【公開番号】 特開2001−305602(P2001−305602A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−235357(P2000−235357)