| 【発明の名称】 |
撮影画像の補正方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鎌田 和雄
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| 【要約】 |
【課題】周辺光量の低下の補正を行う。
【解決手段】写真フイルム22から機種コードを読み取り、この機種コードに対応した補正係数k1 〜k4 を取り出す。露光画面の各位置における補正量は、フイルム面を平面に支持して露光したときに発生する周辺光量の低下量をフイルム面を湾曲して支持することによって増加する光量を用いて修正した修正補正量として、読み出した補正係数k1 〜k4 と、露光画面の座標と所定の演算式に適用することで算出される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮影レンズ側に凹面を向けて支持された状態で撮影された写真フイルム上の撮影画像を読み取って画像データを得、周辺光量の低下を補正するための光量補正データを用いて前記画像データを補正する撮影画像の補正方法において、前記撮影レンズの背後で写真フイルムを平面に支持した状態で撮影したときの周辺光量の低下分を補正する基準補正量に対し、写真フイルムを凹面に湾曲させたことに伴う周辺光量の増加分を加味して光量補正データを得ること特徴とする撮影画像の補正方法。 【請求項2】 前記凹面を一方向にのみ湾曲させて撮影した撮影画像に対しては、撮影レンズの光軸が写真フイルムと交わる位置を原点とし、前記湾曲させた方向をX軸方向、X軸方向と直交する方向をY軸方向とした平面座標を用いて、平面とした写真フイルム上の任意の位置の座標を表し、写真フイルム上の任意の位置のX座標をx,このY座標をy,補正係数をk1 〜k4 としたときに、A=(k1 ・r2 +k2 ・r4 )+(k3 ・x2 +k4 ・x4 ) 但し、r=√(x2 +y2 ) の式により求めた値Aに基づいて、各座標位置ごとの光量補正データを得ることを特徴とする請求項1記載の撮影画像の補正方法。 【請求項3】 撮影レンズ側に凹面を向けて支持された状態で撮影された写真フイルム上の撮影画像を読み取って画像データを得、周辺光量の低下を補正するための光量補正データを用いて前記画像データを補正した補正画像データを作成する撮影画像の補正装置において、前記撮影レンズの背後で写真フイルムを平面に支持した状態で撮影したときの周辺光量の低下分を補正する基準補正量に対し、写真フイルムを凹面に湾曲させたことに伴う周辺光量の増加分を加味して光量補正データを得、この光量補正データを用いて対応する補正画像データを作成することを特徴とする撮影画像の補正装置。 【請求項4】 前記凹面を一方向にのみ湾曲させて撮影した撮影画像に対しては、撮影レンズの光軸が写真フイルムと交わる位置を原点とし、前記湾曲させた方向をX軸方向、X軸方向と直交する方向をY軸方向とした平面座標を用いて、平面とした写真フイルム上の任意の位置の座標を表し、写真フイルム上の任意の位置のX座標をx,このY座標をy,補正係数をk1 〜k4 としたときに、A=(k1 ・r2 +k2 ・r4 )+(k3 ・x2 +k4 ・x4 ) 但し、r=√(x2 +y2 ) の式により求めた値Aに基づいて、各座標位置ごとの光量補正データを得ることを特徴とする請求項3記載の撮影画像の補正装置。 【請求項5】 予め用意された前記各補正係数を記憶した記憶手段と、この記憶手段から読み出した各補正係数を用いて、前記値Aを算出する算出手段とを備え、周辺光量の低下を補正する際に前記算出手段によって前記値Aを求めることを特徴とする請求項4記載の撮影画像の補正装置。 【請求項6】 撮影に用いられた撮影装置の種類が入力される入力手段を備え、前記記憶手段には、撮影装置の種類毎に前記各補正係数が記憶され、前記算出手段は、前記入力手段に入力された撮影装置の種類に応じた前記各補正係数を前記記憶手段から読み出して前記値Aを求めることを特徴とする請求項5記載の撮影画像の補正装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、周辺光量の低下分を補正する撮影画像の補正方法及び装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、写真撮影用の撮影装置としては、一眼レフカメラやコンパクトカメラ等の他に、手軽に写真撮影を楽しむことができるようにしたレンズ付きフイルムユニットが知られている。レンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズやシャッタ装置などの撮影機構を組み込んだユニット本体に予め未露光の写真フイルムを内蔵させたもので、購入したその場ですぐに写真撮影ができ、撮影後にもそのまま現像取扱い店に出せばよいという簡便性から、一般に広く利用されている。レンズ付きフイルムユニットは、低価格で提供できることを利点としており、可能な限りローコストで製造する必要性から、簡単な構成となっている。 【0003】上記のようなレンズ付きフイルムユニットに搭載される撮影レンズは、一般に1〜2枚の樹脂製のレンズから構成されている。このように1〜2枚のレンズで撮影レンズを構成した場合に、撮影レンズの性能だけで諸収差の改善を図り、画質を向上させるのは困難である。このため、従来のレンズ付きフイルムユニットでは、画質を劣化させる1つの要因である撮影レンズの像面湾曲に対しては、物体側に曲率中心を持つようにして露光画面の長手方向を湾曲させて写真フイルムを支持し、この写真フイルムのフイルム面に露光を与えることにより、露光画面の全域でピントが良好に合うようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のように写真フイルムを湾曲させて支持する手法は、像面湾曲に対する補正としては有効であるが、当然ながらその他の収差等に対する改善効果はなく、色収差や歪曲収差,周辺光量の低下等の発生によって、十分に満足のいく画質を得られるものはなかった。 【0005】本発明は上記の事情を考慮してなされたものであり、画質を劣化させる要因のの1つである周辺光量の低下にともなう画質劣化を補正するためのものであり、露光時に湾曲して支持された写真フイルムからの撮影画像を補正することができる撮影画像の補正方法及び装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の撮影画像の補正方法では、撮影レンズの背後で写真フイルムを平面に支持した状態で撮影したときの周辺光量の低下分を補正する基準補正量に対し、写真フイルムを凹面に湾曲させたことに伴う周辺光量の増加分を加味して光量補正データを得るようにしたものである。 【0007】請求項2記載の撮影画像の補正方法では、凹面を一方向にのみ湾曲させて撮影した撮影画像に対しては、撮影レンズの光軸が写真フイルムと交わる位置を原点とし、前記湾曲させた方向をX軸方向、X軸方向と直交する方向をY軸方向とした平面座標を用いて、平面とした写真フイルム上の任意の位置の座標を表し、写真フイルム上の任意の位置のX座標をx,このY座標をy,補正係数をk1 〜k4 としたときに、A=(k1 ・r2 +k2 ・r4 )+(k3 ・x2 +k4 ・x4 ) 但し、r=√(x2 +y2 ) の式により求めた値Aに基づいて、各座標位置ごとの光量補正データを得るようにしたものである。 【0008】請求項3記載の撮影画像の補正装置では、撮影レンズの背後で写真フイルムを平面に支持した状態で撮影したときの周辺光量の低下分を補正する基準補正量に対し、写真フイルムを凹面に湾曲させたことに伴う周辺光量の増加分を加味して光量補正データを得、この光量補正データを用いて対応する補正画像データを作成するものである。 【0009】請求項4記載の撮影画像の補正装置では、凹面を一方向にのみ湾曲させて撮影した撮影画像に対しては、撮影レンズの光軸が写真フイルムと交わる位置を原点とし、前記湾曲させた方向をX軸方向、X軸方向と直交する方向をY軸方向とした平面座標を用いて、平面とした写真フイルム上の任意の位置の座標を表し、写真フイルム上の任意の位置のX座標をx,このY座標をy,補正係数をk1 〜k4 としたときに、A=(k1 ・r2 +k2 ・r4 )+(k3 ・x2 +k4 ・x4 ) 但し、r=√(x2 +y2 ) の式により求めた値Aに基づいて、各座標位置ごとの光量補正データを得るものである。 【0010】請求項5記載の撮影画像の補正装置では、予め用意された各補正係数を記憶した記憶手段と、この記憶手段から読み出した各補正係数を用いて、値Aを算出する算出手段とを備え、周辺光量の低下を補正する際に前記算出手段によって前記値Aを求めるものである。 【0011】請求項6記載の撮影画像の補正装置では、撮影に用いられた撮影装置の種類が入力される入力手段を備え、記憶手段には、撮影装置の種類毎に前記各補正係数が記憶され、算出手段は、前記入力手段に入力された撮影装置の種類に応じた前記各補正係数を前記記憶手段から読み出して値Aを求めるものである。 【0012】 【発明の実施の形態】図2にフイルム面を湾曲して支持して撮影を行うレンズ付きフイルムユニットの一例を示す。レンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体3と、このユニット本体3を部分的に覆う外装紙4とからなり、ユニット本体3には未露光の写真フイルムが予め装填されている。 【0013】ユニット本体3の前面には、撮影レンズ5,ファインダ6の対物側窓6a,ストロボ発光部7,ストロボユニットをオン,オフするためのストロボ操作部材8が設けられている。また、上面には、シャッタボタン9,残り撮影可能コマ数を表示するカウンタ窓10,ストロボ充電の完了を表示する表示用ライトガイド11が突出される開口12が設けられている。さらに、ユニット本体10の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ13が露呈されている。 【0014】図3にユニット本体3の分解斜視図を示す。ユニット本体3は、本体基部15,前カバー16,後カバー17,ストロボユニット18,電池19等から構成され、このユニット本体3内にフイルムパトローネ20が製造時に装填される。フイルムパトローネ20は、135タイプのものであり、パトローネ21とネガタイプの写真フイルム22とからなる。 【0015】本体基部15の前面中央部には、撮影レンズ5から写真フイルム22までの間の撮影光路を遮光する暗箱24が一体に形成されている。この暗箱24を挟む両側方には、パトローネ21が収納されるパトローネ室25と、パトローネ21から引き出されてロール状に巻かれた写真フイルム22が収納されるフイルム室26とが一体に設けられている。 【0016】暗箱24の外側には、シャッタボタン9の押圧操作に応答してシャッタ羽根を駆動するシャッタ機構やフイルムカウント機構等を構成する各種部品や撮影レンズ5等が取り付けられる。暗箱24の背面には、写真フイルム22上で撮影コマのサイズ、すなわち露光画面22aを画定するアパーチャ(図示省略)が形成されている。露光画面22aは、約24×36mmとなっており、写真フイルム22の長手方向に長い長方形とされる。露光画面22aの中心は、撮影レンンズ5の撮影光軸5aと一致するように画定される。 【0017】パトローネ室25の上部には、巻上げノブ13が回転自在に取り付けられている。この巻上げノブ13の回転操作で写真フイルム22の撮影済の部分がパトローネ21内に巻き上げられ、未露光の部分がアパーチャの背後にセットされる。 【0018】前カバー16は、その前面にファインダ6の対物側窓6aの他、撮影レンズ5や,ストロボ発光部7,ストロボ操作部材8を露呈させる開口が形成されており、本体基部15の前面を覆う。 【0019】後カバー17は、本体基部15の背面を覆うように取り付けられる。この後カバー17には、パトローネ室25とフイルム室26との底面を塞ぐ底蓋17a,17bが一体に形成されている。フイルムパトローネ20が装填された本体基部15に後カバー17を取り付けた後に、底蓋17a,17bが閉鎖されてパトローネ室25及びフイルム室26が光密に塞がれる。底蓋17aは、現像所で撮影済のフイルムパトローネ20を取り出す際に開放される。 【0020】後カバー17には、本体基部15のアパーチャと対面する部分にフイルム支持面30が形成されている。このフイルム支持面30と本体基部15との隙間によって、パトローネ室25とフイルム室26とを連絡するフイルム給送路が形成される。 【0021】フイルム支持面30は、物体側に向けて凹状となるように写真フイルム22の給送方向が湾曲され、アパーチャの上下に設けられたフイルムガイドレール(図示省略)は、フイルム支持面30側に凸状となるように写真フイルム22の給送方向に湾曲されている。 【0022】図4に模式的に示すように、撮影レンズ5からの撮影光は、絞り開口31を介して暗箱24内に入射し、写真フイルム22の露光画面22a内に露光を与える。アパーチャの背面側に位置決めされた露光画面22aのフイルム面は、前述のフイルム支持面30とガイドレールとによって、撮影レンズ側(物体側)に曲率中心を持つようにして、曲率半径Rで露光画面の長手方向を湾曲した形状で支持される。これにより、撮影レンズ5の像面湾曲に起因するピントのボケを改善する。 【0023】ストロボユニット18は、各種電気部品が取り付けられたプリント基板32、放電管やリフレクタ,拡散板等からなるストロボ発光部7、充電スイッチ33,シンクロスイッチ34,ストロボ操作部材8が一体に形成されたスイッチ板35、このスイッチ板35をスライド自在に支持する受け板36等から構成され、電池19を電源としている。このストロボユニット18は、ストロボ操作部材8が上方にスライドされて充電スイッチ33がオンとなると充電を行い、シャッタ羽根の開閉に同期してシンクロスイッチ34がオンとなことでストロボ発光する。 【0024】上記レンズ付きフイルムユニットに装填される写真フイルム22には、そのレンズ付きフイルムユニットの種類に固有の機種コードが光学的にサイドプリントされている。本実施形態では、この従来より写真フイルム22にサイドプリントされている機種コードを利用して、詳細を後述するように周辺光量の低下を補正する際に用いる補正係数k1 〜k4 を特定する。 【0025】図1に本発明を実施したデジタルプリンタの構成を示す。このデジタルプリンタ40は、大別して補正装置としての機能を有する画像入力部41と、印画紙に画像をプリントする画像記録部42とからなる、画像入力部41は、撮影装置の種類が入力される入力手段としてのコードリーダ43,写真フイルム22の各露光画面22aからカラー画像を読み取るスキャナ44,画像メモリ45,画像処理回路46、及びこれらを制御するコントローラ47等からなる。 【0026】デジタルプリンタ40に現像済みの写真フイルム22がセットされると、この写真フイルム22が図示しない搬送機構によって搬送され、コードリーダ43を介してスキャナ44に送られる。 【0027】コードリーダ43は、写真フイルム22を照明する光源と、写真フイルム22の搬送路を挟んで光源の反対側に配されたフォトセンサ等から構成されており、現像によって顕在化した機種コードを搬送中の写真フイルム22から光学的に読み取る。この機種コードの読み取りは、写真フイルム1本毎に行われ、読み取られた機種コードはコントローラ47を介して画像処理回路46に送られる。 【0028】スキャナ44は、写真フイルム22を平面に支持するフイルムキャリア,ランプからの光を拡散してフイルムキャリアにセットされている露光画面22aを照明する照明装置、露光画面22a内のカラー画像を読み取るCCD、このCCDにカラー画像を結像させるレンズ等から構成されている。このスキャナ44は、写真フイルム22が1コマ分送られる毎に、CCDで露光画面22a内のカラー画像を赤色、青色、緑色で3色分解測光し、得られる光電信号をA/D変換器48に送る。 【0029】A/D変換器48は、各色の光電信号をデジタル変換することにより、露光画面22aの各位置の濃度をそれに応じた3色の画像データに変換する。3色の画像データは、画像メモリ45に書き込まれる。 【0030】画像処理回路46は、画像メモリ45に1画面分の画像データが書き込まれると、これを読み出して所定の画像処理を行う。機種コードが記録されている写真フイルム22に対しては、画像メモリ45から読み出した画像データに対して、周辺光量の低下を補正するための周辺光量補正処理を行って補正画像データを作成した後に、この補正画像データに対してプリント用の色補正やネガ・ポジ反転処理等の通常画像処理を行う。通常画像処理が施された補正画像データは、画像記録部42に送られる。 【0031】なお、画像処理回路46は、周辺光量補正処理を行うのに先立って、1本の写真フイルム22の各露光画面22aに対して共通に用いる、1画面分の修正補正量からなる補正テーブルをワークメモリ46aに作成する。このように、1本の写真フイルム22に対して共通な補正テーブルを用いることで処理時間を短縮している。 【0032】画像処理回路46には、ワークメモリ46aとEEPROM46bとが接続されている。ワークメモリ46aは、画像処理回路46が画像処理を行う際に必要なデータを一時的に記憶する作業用として用いられる。 【0033】EEPROM46aには、補正用係数k1 〜k4 が機種コード毎に書き込まれている。また、EEPROM46aには、画像データと露光量の変換テーブルが機種コード毎に書き込まれている。変換テーブルは、画像データを露光時の露光量に、また露光量を画像データに変換ができるように写真フイルムの特性曲線に基づいて作成されている。画像処理回路46は、機種コードに対応した補正用係数k1 〜k4 と変換テーブルとを用いて周辺光量補正処理を行う。 【0034】なお、上記のように補正用係数k1 〜k4 と変換テーブルをEEEPROMに記憶するようにすることで、レンズ付きフイルムユニットの新たな機種に対応した補正用係数k1 〜k4 と変換テーブルとを追加可能としている。 【0035】画像記録部42は、画像メモリ51,赤色、青色、緑色の各レーザ光を出力するレーザユニット52,レーザユニット52の出力を制御するドライバ53,ポリゴンミラー54,Fθレンズ55、長尺のカラー印画紙56を搬送する搬送機構(図示せず)等から構成されている。 【0036】画像入力部41からの補正画像データは、画像メモリ51に書き込まれる。画像メモリ51の補正画像データによってレーザユニット52の出力が制御され、高速回転するポリゴンミラー54にレーザ光が照射される。これにより、カラー印画紙56の幅方向(搬送方向と直交する方向)にレーザ光の走査が行われ、カラー印画紙56をその長手方向に搬送することで露光画面のカラー画像がカラー印画紙56に露光される。露光されたカラー印画紙56は、図示しない現像処理部で現像処理された後に1個の画像毎に切り分けられてプリント写真とされる。 【0037】次に周辺光量補正処理について説明する。画像処理回路46は、露光画面22aの中心、すなわち撮影レンズ5の撮影光軸5aの位置の露光量を基準露光量(±0EV)として、露光時にフイルム面が湾曲された支持されていることを考慮した周辺光量の修正補正量(EV値)Aを次の演算式■を用いて、露光画面22aの各位置について求める。 A=k1 ・r2 +k2 ・r4 +k3 ・x2 +k4 ・X4 ・・■但し、r=√(x2 +y2 ) 【0038】上記式中の値x,yは、露光画面22a内の位置を示すものであり、図5に示すように、フイルム面を平面とした状態で、フイルム面上の撮影光軸5aの位置を原点Oとし、露光画面22aの長手方向をX軸、長手方向に直交する露光画面の幅方向をY軸とした平面座標を用いて露光画面22a内の位置を表したときのX座標及びY座標である。すなわち、値xは、平面にされたフイルム面上での湾曲させた方向の撮影光軸5a(露光画面中心)の位置からの距離、値yは、フイルム面上での湾曲させた方向と直交する方向の撮影光軸5aの位置からの距離である。 【0039】露光画面22aの各位置に露光される光量は、均一な輝度の被写体を撮影した場合であっても、撮影光軸5a(原点O)の位置からの距離が大きくなるのにしたがって小さくなる。これは、フイルム上で撮影光軸5aの位置から離れた位置から絞り開口を望んだ場合に、絞り開口の形状が歪んでその面積が小さくなるためである。フイルム面を平面に支持した場合では、このような現象は周知のコサイン4乗則に基づいているため、このときの周辺光量の低下量である基準補正量A1は、所定の補正係数k1 ,k2 と、撮影光軸5aの位置からの距離rを用いて次の式■のように表すことができる。なお、撮影光軸5aの位置からの距離rは、上記の平面座標での値x,yを用いて「r=√(x2 +y2 )」で表される。 A1=k1 ・r2 +k2 ・r4 ・・・・■【0040】ところで、上記のレンズ付きフイルムユニット2のように、像面湾曲を補正するために、露光時にフイルム面を湾曲させて支持した場合には、周辺光量の低下を小さくするように光量を増加させる改善効果が現れるので、基準補正量A1を修正する必要が生じる。改善効果は、フイルム面を湾曲させた方向の位置で現れるから、上記のように露光画面22aの長手方向(X軸方向)に湾曲させて支持した場合には、光量の増加分である修正量A2は、所定の補正係数k3 ,k4 と、撮影光軸5aの位置からの湾曲させ方向への距離xとを用いて次の式■のように表すことができる。 A2=k3 ・x2 +k4 ・X4 ・・・・■【0041】したがって、露光時にフイルム面を湾曲させて支持していることを考慮した周辺光量の修正補正量Aは、上記の基準補正量A1と修正量A2とを加算した演算式■で求めることができる。なお、演算式■中の各補正係数は、撮影レンズの設計データ,フイルム面の曲率半径R等に基づいて、露光画面22a内の複数の座標位置についての修正補正量Aの理論値を計算して求め、これらの各理論値と対応する座標位置とを最小二乗法に適用することで決めている。 【0042】そして、画像データに対応する露光量と、フイルムの特性曲線とに基づいて修正補正量Aを光量補正データに変換し、この光量補正データで画像データを増減することで、露光時にフイルム面を湾曲させて支持していることを考慮した周辺光量の低下を補正した補正画像データが作成することができる。 【0043】この例では変換テーブルを用いて画像データを露光量に変換し、この変換された露光量に対して修正補正量Aで補正を加え、補正された露光量を変換テーブルを用いて画像データに変換したものを補正画像データとすることにより、光量補正データを求める処理と、この算出された光量補正データを用いて画像データを増減する処理とを同時に行っている。 【0044】なお、この例では基準露光量に対して光量が低下している場合が負、増加している場合が正となるようにして、修正補正量Aの正負の符号を決めており、またこれに応じて各補正係数k1 〜k4 の正負を決めている。 【0045】次に上記構成の作用について説明する。フイルムパトローネ20の写真フイルム22には、装填されるレンズ付きフイルムユニット2に対応する機種コードがサイドプリントされる。この写真フイルム22は、パトローネ21とともにユニット本体3に装填される。そして、完成したユニット本体3にラベル4が貼付されてレンズ付きフイルムユニット2が完成し、これが出荷されてユーザのもとで撮影に供される。 【0046】撮影を行う際には、まず巻き上げノブ13を回転操作する。これにより、写真フイルム22が1コマ分巻き上げられるとともに、シャッタチャージが行われる。この後、撮影者は、ファインダ6でフレーミングを行ってからシャッタボタン9を押圧する。また、ストロボ撮影を行う場合には、スロトボ操作部材8を上方にスライド移動し、充電完了後にシャッタボタン9を押圧する。シャッタボタン9を押圧すると、シャッタ羽根が揺動されてシャッタ開口が開閉される。 【0047】このシャッタ開口の開閉の間に、撮影レンズ5を透過した撮影光は、暗箱24内に入射し、アパーチャ内に露呈されている写真フイルム22、すなわち露光画面22aのフイルム面に露光を与える。このときに、フイルム面はその長手方向が湾曲されて支持されている。 【0048】上記同様にして順次に撮影を行い、全コマの撮影終了後、ユーザは巻上げノブ13を連続的に回転操作して、全ての写真フイルム22をパトローネ21に収納する。そして、このレンズ付きフイルムユニット2を現像所やDPE店に提出する。 【0049】現像所等では、ユニット本体3から撮影済のフイルムパトローネ20を取り出す。取り出されたフイルムパトローネ20は、そのパトローネ21から写真フイルム22が引き出されて分離される。そして、この写真フイルム22は、所定の現像装置にかけられて現像処理された後、デジタルプリンタ40にセットされる。 【0050】デジタルプリンタ40は、写真フイルム22がセットされると、これの先端をスキャナ44に向けて搬送する。この搬送中に、コントローラ47は写真フイルム22に記録されている機種コードをコードリーダ43を用いて読み取り、読み取った機種コードを画像処理回路46に送る。 【0051】画像処理回路46は、機種コードを受け取ると、これに対応した変換テーブルをEEPROM46b内で特定するとともに、各補正係数k1 〜k4 をEEPROM46bから読み出す。そして、各補正係数k1 〜k4 を演算式■に用い、演算式■中の値x及び値yをそれぞれ所定のステップずつ変化させて演算を行うことにより、露光画面22aの各位置に対応する修正補正量Aをそれぞれ求める。 【0052】上記の演算で得られる各修正補正量Aは、ワークメモリ46aに書き込まれ、これにより補正テーブルが作成される。なお、値x及び値yの絶対値が同じあれば、これらの正負が異なっても修正補正量Aは同じになるから、例えば値x及び値yが正の範囲(図5に示す平面座標の第1象限の範囲)の各位置についてだけ演算を行えば補正テーブルを完成させることができる。 【0053】次に、搬送によって写真フイルム22の最初の露光画面22aがスキャナ44のフィルムキャリアに達すると、搬送が停止される。そして、この停止中に露光画面22a内のカラー画像がスキャナ44で読み取られ、A/D変換器48によって3色の画像データに変換され、画像メモリ45に書き込まれる。1画面分の画像データが画像メモリ45に書き込まれると、画像処理回路46は、アドレスを指定して画像メモリ45から画像データを順次に読み出す。 【0054】画像処理回路46は、1個の画像データを読み出すと、この画像データを先に特定した変換テーブルを用いて露光量に変換する。また、画像処理回路46は、例えばこの画像データのアドレスに基づいて、この画像データを得た露光画面22aの位置に対応した修正補正量Aを補正テーブルから取り出す。そして、変換テーブルから得た露光量を補正テーブルから取り出した修正補正量Aで補正し、補正した露光量を求める。 【0055】このようにして、露光量を補正した後に、画像処理回路46は、補正された露光量を変換テーブルに適用することで、補正された露光量に対応する補正画像データを作成する。結果的に修正補正量Aに応じた光量補正データで画像データが増減された補正画像データが作成される。得られる補正画像データは、ワークメモリ46aに書き込まれる。 【0056】上記のようにして1個の画像データに対して周辺光量補正処理が完了すると、新たな画像データが画像メモリ45から読み出されて、上記と同じ手順で周辺光量補正処理が行われ、対応する補正画像データがワークメモリ46aに書き込まれる。以降同様にして、順次に画像データを読み出しながら周辺光量補正処理を行い、得られる補正画像データをワークメモリ46aに書き込む。 【0057】1画面分の3色の全ての画像データに対して周辺光量補正処理が完了すると、画像処理回路46は、ワークメモリ46aの各補正画像データに対して、プリント用の色補正、ネガポジ反転処理等の通常画像処理を行い、通常画像処理を施した各補正画像データを画像記録部42の画像メモリ51に書き込む。なお、この通常画像処理に際して色収差や歪曲収差等の補正を行ってもよい。 【0058】画像記録部42は、1画面分の補正画像データが画像メモリ51に書き込まれると、これらの3色の補正画像データに基づいてレーザユニット52を駆動して、カラー印画紙56にカラー画像を潜像として記録する。 【0059】1画面分のカラー画像の記録が開始されると、次の露光画面22aがスキャナにセットされ、上記と同じ手順によって周辺光量補正処理が行われる。なお、このときにも最初に作成された補正テーブルが用いられる。1画面分の画像データに対して周辺光量補正処理が完了後、通常画像処理を行ってから各補正画像データが画像記録部42の画像メモリ51に書き込まれる。そして、先に記録を開始したカラー画像の記録の完了後に、この補正画像データに基づいてカラー印画紙56にカラー画像が記録される。 【0060】以降、同様にして1本の写真フイルム22の各露光画面22aから読み取ったカラー画像に対して周辺光量補正処理、通常画像処理を行い、カラー印画紙56にカラー画像を記録する。 【0061】露光されたカラー印画紙56は、現像処理工程に送られ、現像、定着、乾燥等が行われてから、各画像毎に切り分けられてデジタルプリンタ40からプリント写真として排紙される。こうして得られるプリント写真には、周辺光量の低下が補正されたカラー画像が写っている。しかも、露光時にフイルム面を湾曲させて支持していることを考慮した周辺光量の低下の補正を行っているので、良好な画質となっている。 【0062】 【実施例】次に実施例について説明する。なお、実施例では、上記説明と共通な符号を付して説明する。 【0063】曲率半径Rが100mmでフイルム面を露光画面22aの長手方向に湾曲させるようにしたレンズ付きフイルムユニット2を作成し、その撮影レンズ5の設計データ及び曲率半径Rから露光画面22a上の撮影光軸5aの位置を含む13個の位置についての周辺光量の修正補正量Aの理論値を計算し、この結果を用いて最小二乗法で演算式■の各補正係数k1 〜k4 を求め、これをこのレンズ付きフイルムユニット2の補正係数k1 〜k4 とした。補正係数k1 〜k4 は次のような値となった。 k1 =−2.357×10-3k2 =−1.692×10-7k3 =+4.270×10-3k4 =−1.343×10-5【0064】上記のようにして得た各補正係数k1 〜k4 と、露光画面22aの各座標を用いて、演算式■で得られる周辺光量の修正補正量Aを算出したところ、表1に示す結果が得られた。なお、表1の修正補正量AはEV値で表しており、X座標,Y座標の単位は「mm」である。また、表1では13個の位置について示したが、実際の周辺光量補正処理に際しては、露光画面22aの全域について修正補正量Aの計算を行って補正テーブルが作成されるのはいうまでもない。 【0065】 【表1】
【0066】次に、実際の周辺光量の低下量の測定を行い、演算式■によって得られる修正補正量Aとの比較を行った。この測定では、シャッタの開閉動作による露光ムラが発生しないようにされた測定用のカメラを用いて、輝度が均一のサンプルを撮影し、現像された写真フイルムのネガ濃度を測定することによって、周辺光量の低下量を求めた。なお、測定用のカメラの撮影レンズやフイルム面の曲率半径R等の仕様は、上記レンズ付きフイルムユニットのものとを同じにしてある。測定結果を表1と同様にして表2に示す。なお、表2では、表1と同じ露光画面の光軸の位置を含む13箇所を示した。 【0067】 【表2】
【0068】上記の結果から分かるように、演算式■によって得られる修正補正量Aと、実際の測定による周辺光量の低下量はほぼ同じとなっている。したがって、演算式■によって得られる修正補正量Aを用いて周辺光量の低下を補正すれば、フイルム面を湾曲させて露光したこと考慮して良好に周辺光量の低下を補正することができるのが分かる。 【0069】上記実施形態では、写真フイルムにサイドプリントされている機種コードを利用して補正係数を特定しているが、パトローネの外側に記された機種コードを手動で、あるいは機械読み取りで入力するようにしてもよい。また、補正係数を特定できるものであれば、機種コード以外のものを利用してもよく、補正係数を特定するための補正コードを写真フイルムにサイドプリントしたり、パトローネの外側等に記してもよい【0070】補正コードを付与する場合には、同じ補正係数を用いて補正を行うのであれば、レンズ付きフイルムユニットの機種が異なる場合であっても同じものを付与してもよい。また、補正係数自体を補正コードとして採用してもよい。さらに、単に補正処理をプリント時に実行させるための指示を補正コードとして付与し、この補正コードを読み取ったときには予め決められた補正係数を用いて周辺光量補正処理を実行するようにしてもよい。 【0071】また、上記実施形態では、レンズ付きフイルムユニットによって撮影された写真フィルムに対して周辺光量の低下の補正を行う例について説明したが、フイルム面を湾曲させて支持するようにしたコンパクトカメラ等のカメラで撮影された写真フイルムに対しても同様な処理を行うことができる。カメラで用いられる135タイプの写真フイルムからでは、撮影に使用されたカメラの種類(機種)に応じた補正パラメータを特定することはできないが、例えば作業者にカメラの機種名を伝え、この機種名、あるいはこれに応じた補正コードをデジタルプリンタに手動で入力するようにすれば、撮影に用いたカメラの機種に応じた補正が可能となる。 【0072】さらに、上記実施形態では、135タイプの写真フイルムに対して補正を行う例を示したが、Advanced Photo SystemのIX240型式等の各種タイプの写真フイルムを用いることができる。IX240型式の写真フイルムでは、写真フイルムに透明な磁気記録層が設けられているから、これに補正コード等を記録してもよく、またこれに対応したカメラでは磁気記録層にデータを記録できるので、カメラ側で補正コード等を記録して、周辺光量補正処理の際に利用するようにしてもよい。 【0073】上記では、プリント写真を作成するデジタルプリンタに本発明の補正装置を組み込んだ例について説明したが、これ以外の機器にも利用でき、また周辺光量の低下を補正する独立した補正装置としても利用できる。 【0074】 【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、写真フイルムを平面に支持した状態で撮影したときの周辺光量の低下分を、写真フイルムを凹面に湾曲させたことに伴う周辺光量の増加分を加味して光量補正データを得るようにしたから、良好な補正ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月15日(2000.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075281 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 和憲
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| 【公開番号】 |
特開2001−264903(P2001−264903A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−71739(P2000−71739) |
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