| 【発明の名称】 |
光導波路の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】福田 智恵
【氏名】平井 茂
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| 【要約】 |
【課題】コア層の厚さ方向のGeO2およびP2O5の含有量を一定にすることにより、屈折率プロファイルの一様なコア層を形成して、設計どおりの特性を有する光導波路を得る。
【解決手段】SiCl4、GeCl4およびPOCl3を混合した原料ガスを酸水素火炎中で反応させてできたガラス微粒子を、石英ガラス基板上に堆積し、このガラス微粒子を透明ガラス化し、GeO2及びP2O5を含む石英ガラスからなるコア層を得る工程を含む光導波路の製造方法において、ガラス微粒子の堆積の間、GeCl4の流量のSiCl4の流量に対する比、及び、POCl3の流量のSiCl4の流量に対する比を単調非減少とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上にガラス微粒子を堆積した後このガラス微粒子を透明ガラス化し、GeO2及びP2O5を含む石英ガラスからなるコア層を得る工程を含む光導波路の製造方法において、前記ガラス微粒子を堆積する間、前記GeO2を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比、及び、前記P2O5を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比を単調非減少とすることを特徴とする光導波路の製造方法。 【請求項2】 前記ガラス微粒子の堆積終了時の前記GeO2を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比を、前記ガラス微粒子の堆積開始時の前記GeO2を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比の1.2倍以上1.5倍以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光導波路の製造方法。 【請求項3】 前記ガラス微粒子の堆積終了時の前記P2O5を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比を、前記ガラス微粒子の堆積開始時の前記P2O5を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比の1.2倍以上1.5倍以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光導波路の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路の製造方法に関し、さらに詳しくはコアに所望の屈折率プロファイルを形成する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】光導波路の製造方法の一つに火炎堆積法(Kawachi M.: "Silica waveguides on silicon and their application to integrated-optic components", Opticaland Quantum Electronics, 22, pp.391-416(1990))がある。火炎堆積法では、まず、図3(a)に示すように、Si基板37上に酸水素バーナ13を用いて、下部クラッド用のガラス微粒子層31とコア用のガラス微粒子層32を順次堆積する。その後、下部クラッド用のガラス微粒子層31とコア用ガラス微粒子層32に一括して加熱処理を施し、前記の両ガラス微粒子層31、32を透明ガラス化することにより所望の下部クラッド層33とコア層21を形成する。コア層21では、GeO2、P2O5等の屈折率上昇物質を含めることによって、コア層の屈折率をクラッド層の屈折率より大きくしている。次に図3(b)に示すように所望のパターンが描画されているフォトマスク34を用いて通常のフォトリソグラフィー法によりパターニングを行なう。さらにドライエッチングによりコア層21に導波路パターン35を形成する。 【0003】その後、図3(c)に示すように導波路パターン35を形成した下部クラッド層33の上に上部クラッド用のガラス微粒子36を堆積し、それを加熱処理により透明ガラス化することで上部クラッド層22を形成する。石英ガラス基板を用いる場合には、下部クラッド用のガラス微粒子層31の堆積は省略され、石英ガラス基板上に直接コア用のガラス微粒子層32を堆積する。 【0004】火炎堆積法では、コア用のガラス微粒子層32の堆積時にバーナ13へ供給するガラス原料の比を一定に保っても、コア層21の屈折率を厚さ方向で一様にするのは難しかった。一様でない屈折率プロファイルは、導波路パターンの設計を難しくし、良好なデバイスの作成を困難にしていた。下部クラッド層33への屈折率上昇物質の拡散が一つの要因として検討され、この要因で屈折率が一様なプロファイルからずれるのを防ぐ方法は特開平8−54528号公報で開示されている。この公報に開示された方法は、コア用のガラス微粒子層32を形成する前に、下部クラッド用のガラス微粒子層31に800℃以上で熱処理を施すものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示されている方法は、下部クラッド層への屈折率上昇物質の拡散を阻止できるので、一様な屈折率プロファイルからのずれをある程度防止できる。また、石英ガラス基板上に直接コア用のガラス微粒子層を堆積する場合は、下部クラッド層への屈折率上昇物質の拡散はないので、上記公報に開示されている方法を採用した場合と同程度の屈折率プロファイルが得られるはずである。 【0006】それにもかかわらず、設計どおりの特性の光導波路はなかなか得られず、コア層の屈折率プロファイルが一様になっていないことが疑われた。本発明は、コア層の屈折率プロファイルが一様でない要因が下部クラッド層への屈折率上昇物質の拡散以外にもあることから、なお一層の一様な屈折率プロファイルを有するコア層の実現を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明にかかる光導波路の製造方法は、基板上にガラス微粒子を堆積した後このガラス微粒子を透明ガラス化し、GeO2及びP2O5を含む石英ガラスからなるコア層を得る工程を含む光導波路の製造方法において、前記ガラス微粒子を堆積する間、前記GeO2を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比、及び、前記P2O5を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比を単調非減少とすることを特徴とする「単調非減少」とは、時刻tにおける原料ガスの流量をV(t)で表すと、t2>t1であればV(t2)≧V(t1)ということである。 【0008】上記の構成によれば、透明ガラス化時にコア層の表面からGeO2及びP2O5が揮散することによって生じるGeO2及びP2O5の濃度減少を補償し、コア層の屈折率を厚さ方向で一様にすることができるので、導波路パターンの設計が容易になるとともに、設計どおりの特性の導波路を容易に得ることができるようになる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面の説明においては、可能な限り、同一要素には同一符号をつけ、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、実際のものとは必ずしも一致していない。さらに、以下に示した実施の形態は、発明の技術的内容を明らかにするためのものであって、記載された実施の形態のみに、発明を限定するものではない。 【0010】はじめに、本発明にかかる光導波路の製造方法を図1を用いて説明する。円盤状の石英ガラス基板11をターンテーブル12の外周近傍に載せ、回転させる。複数枚の石英ガラス基板に一括して石英ガラス微粒子を堆積する場合は、円周に沿って配置する。次いで、酸水素バーナ13をターンテーブル12上で、ターンテーブル12の円周に垂直に、石英ガラス基板11が回転する速さと比べてゆっくりと往復運動させる。この状態で酸水素バーナ13にSiCl4、GeCl4、POCl3等からなる混合ガスを供給し、石英ガラス基板上11にコア層となるGeO2、P2O5を含む石英ガラス微粒子を堆積する。 【0011】堆積している間、GeCl4流量のSiCl4流量に対する比、及びPOCl3流量のSiCl4流量に対する比は単調非減少とする。「単調非減少」とは、時刻tにおける原料ガスの流量をV(t)で表すと、t2>t1であればV(t2)≧V(t1)ということである。流量比の変化は、透明ガラス化時にコア層の表面からGeO2及びP2O5が揮散することによって生じるGeO2及びP2O5の濃度減少を補償し、コア層の屈折率を厚さ方向で一様にする程度とする。コア層を、下層、中間層、上層の3層に分け、それぞれの層では流量を一定にして、3段階に流量を変えるのが実際的である。 【0012】続いて、ガラス微粒子が堆積した基板を加熱炉中に移動させ、ガラス微粒子を透明石英ガラス化してコア層とする。 【0013】このようにすると、透明ガラス化時にコア層の表面からGeO2及びP2O5が揮散することによって生じるGeO2及びP2O5の濃度減少を補い、コア層の屈折率を厚さ方向で一様にすることができるので、導波路パターンの設計が容易になるとともに、設計どおりの特性の導波路を容易に得ることができるようになる。 【0014】この時、ガラス微粒子の堆積終了時のGeO2を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比は、ガラス微粒子の堆積開始時のGeO2を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比の1.2倍以上1.5倍以下であるのが好ましい。また、ガラス微粒子の堆積終了時のP2O5を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比は、ガラス微粒子の堆積開始時のP2O5を生成する原料ガスの流量のSiO2を生成する原料ガスの流量に対する比の1.2倍以上1.5倍以下であるのが好ましい。 【0015】次に、コア層にドープされた元素を分析する方法、または、コア層の屈折率プロファイルを測定する方法について説明する。図2(a)は、コア層にドープされた元素をエレクトロンプルーブマイクロアナライザー(EPMA)で分析する際の、従来の試料の調整方法を示したものである。石英ガラス基板11と石英ガラス基板11上に形成されたコア層21と上部クラッド22からなる光導波路23を石英ガラス基板11の表面に垂直に切断し、切断面を研磨したうえで分析面24としている。EPMAの分解能は電子線の直径に対応して2〜3μmであるから、厚さ7μmのコアの厚さ方向の元素濃度の変化を調べるときに、このような試料の調整方法は不十分である。 【0016】干渉顕微鏡によるコア層の屈折率プロファイルの測定は、干渉縞の位置変化から屈折率プロファイルを求める方法であり、分解能は1μm程度で、コアの厚さ方向の屈折率の変化を調べる目的には不十分である。特開平8−54528号公報に開示された光導波路の屈折率プロファイル評価に使われているのはこの方法である。 【0017】図2(b)は、コア層にドープされた元素をEPMAで分析する際の、本発明で採用した試料の調整方法を示したものである。石英ガラス基板11と石英ガラス基板11上に形成されたコア層21と上部クラッド22からなる光導波路23を、石英ガラス基板11の表面に対して1度の角度をなすように傾けて研磨した面を分析面25としている。この調整方法を採用すると、コア層の厚さが7μmであるにもかかわらず、電子線の走査長はおよそ400μmとなるので、コアの厚さ方向の分解能を従来法の50〜60倍にすることができる。このコア層にドープされた元素を位置分解能良く分析する方法は、本発明ではじめてなされたものである。 【0018】 【実施例】(実施例)図1に示すように、円盤状の石英ガラス基板11をターンテーブル12の外周近傍に載せ回転させた。次いで、酸水素バーナ13をターンテーブル12上で、ターンテーブル12の円周に垂直に、石英ガラス基板11が回転する速さと比べてゆっくりと往復運動させた。 【0019】この状態で、酸素と水素とからなる燃焼ガスとともに、SiO2を生成する原料ガスSiCl4、B2O3を生成する原料ガスBCl3、GeO2を生成する原料ガスGeCl4、および、P2O5を生成する原料ガスPOCl3からなる原料ガスを混合し酸水素バーナ13に供給し、火炎により生成したコア層となるガラス微粒子を石英ガラス基板上11に堆積した。コア層全体を下層、中間層、上層の3層に厚さで3等分し、SiCl4、BCl3、GeCl4、POCl3の各流量の比を、下層の堆積時は100:15:11:1.4、中間層の堆積時は100:15:13:1.5、上層の堆積時は100:15:15:1.6とした。 【0020】堆積したガラス微粒子を、1350℃に保持した加熱炉中で、HeとO2を10:1の割合で供給しつつ、30分間保持し、透明石英ガラス化してコア層とした。コア層のついた石英ガラス基板の表面を1度傾けて研磨し、研磨面をEPMAで分析した。図4(a)に示すように、コア層のすべての部分でGe、B、Pの濃度はほぼ等しかった。 【0021】 【発明の効果】一様な屈折率プロファイルを持つコア層を有する光導波路が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月12日(2000.1.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078813 【弁理士】 【氏名又は名称】上代 哲司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194548(P2001−194548A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−3542(P2000−3542) |
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