| 【発明の名称】 |
光送受信モジュールおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 靖之
【氏名】笠原 亮一
【氏名】橋本 俊和
【氏名】橋詰 泰彰
【氏名】大森 保治
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| 【要約】 |
【課題】製造コストを増加させずに、放熱特性および電気的特性の改善を図ること。
【解決手段】シリコン基板1上の同一面内に、光導波路2と共にLD4およびPD5を同時に作製する工程において、LD4の下には薄い絶縁層を、PD5の下には厚い絶縁層10を設け、これら絶縁層に段差をつける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平面基板上に形成された光導波路と、前記光導波路の一端に配置され、前記平面基板の表面の一部が酸化された表面絶縁層上に配設されたレーザダイオードと、前記光導波路の一端に配置され、前記平面基板の一部に形成された絶縁部を介して配設されたフォトダイオードとを具えた光送受信モジュールにおいて、前記絶縁部の厚さは、前記表面絶縁層の厚さより厚いことを特徴とする光送受信モジュール。 【請求項2】 前記絶縁部および前記表面絶縁層は、ガラスであることを特徴とする請求項1記載の光送受信モジュール。 【請求項3】 平面基板上に、光導波路を形成すると共に、レーザダイオードおよびフォトダイオードを搭載する搭載部に段差を設ける光送受信モジュールの製造方法であって、前記平面基板上の光導波路形成部、レーザダイオード搭載部、およびフォトダイオード搭載部の領域に、下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層が形成された、前記光導波路形成部と前記フォトダイオード搭載部の所定の面積を有する領域とに、コア層を形成する工程と、前記下部クラッド層のみが形成された前記レーザダイオード搭載部と、前記下部クラッド層と前記コア層が順次積層された前記光導波路形成部および前記フォトダイオード搭載部とに、上部クラッド層を形成する工程と、前記レーザダイオード搭載部および前記フォトダイオード搭載部を同時にエッチングしていき、当該レーザダイオード搭載部において前記平面基板の表面層が露出した時点でエッチングを停止させ、当該エッチングにより前記平面基板の表面層が露出したレーザダイオード搭載部と露出せず絶縁部として残ったフォトダイオード搭載部とに段差を付ける工程と、前記エッチングにより前記レーザダイオード搭載部において露出した平面基板の表面層に、前記レーザダイオードを搭載するための絶縁層を形成する工程とを具え、前記エッチングの段差により、前記フォトダイオード搭載部の前記絶縁層の厚さを、前記レーザダイオード搭載部の前記絶縁層の厚さよりも厚くしたことを特徴とする光送受信モジュールの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光通信或いは光情報処理用の光送受信モジュールおよびその製造方法に関し、特に、放熱特性に優れ、フォトダイオードの電気配線容量を低減することが可能な光送受信モジュールおよびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、シリコン基板上に形成したガラス導波路の一部を除去し、その部分にレーザダイオード(LD)やフォトダイオード(PD)を半田により接着固定したPLCハイブリッド光送受信モジュールの研究開発が近年進んでいる(例えば、Y.Yamada他、Electronics Letters March1993)。 【0003】図3(a)〜(d)は、従来における光送受信モジュールの作製工程の1例を示す。 【0004】図3(a)において、平面なシリコン基板1上に、コア層2aと、アンダークラッド層2bと、オーバークラッド層2cとからなるガラス光導波路2を作製する。 【0005】図3(b)において、その平面なシリコン基板1上に作製したガラス光導波路2の一部分を、反応性イオンエッチングで除去して、シリコン基板1を露出させる。 【0006】図3(c)において、その露出されたシリコン基板1上に、1ミクロン以下の薄い絶縁層(図示せず)を堆積し、さらに、その絶縁層上に、電極配線およびLD,PD接着固定用の半田3を堆積する。 【0007】図3(d)において、最後に、レーザダイオード4(LD),フォトダイオード5(PD)の位置合わせをして、半田3で接着固定することにより、光送受信モジュールが完成する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】図3に示した光送受信モジュールでは、LD4およびPD5の電気配線がシリコン基板1上の薄い絶縁層上に配置されているため、PD5の電気配線容量が増大し、PD5の後段にあるプリアンプの入力容量が増大する。その結果、プリアンプの帯域が劣化してしまうという問題がある。 【0009】また、同じ帯域を確保するためには、入力インピーダンスを低減する必要があり、この場合は雑音が増加して受光感度が劣化してしまう。その結果、PLCハイブリッド光送受信モジュールにおいて、PD5の電気配線容量を低減することが重要な課題となる。 【0010】このPD5の電気配線容量を低減するためには、シリコン基板1の表面に一様に厚い絶縁層を設ける必要がある。 【0011】しかしながら、シリコン基板1の表面に一様に厚い絶縁層を設けると、LD4のシリコン基板1中への放熱が劣化し、LD4の出力特性が劣化する。このため、シリコン基板1の表面に一様に厚い絶縁層を設けることは好ましくない。 【0012】そこで、本発明の目的は、製造コストを増加させずに、放熱特性および電気的特性の改善を図ることが可能な光送受信モジュールおよびその製造方法を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、レーザダイオードとフォトダイオードの搭載部に段差を有する光送受信モジュールであって、平面基板上に形成された光導波路と、前記光導波路の一端に配置され、前記平面基板の表面の一部が酸化された表面絶縁層上に配設されたレーザダイオードと、前記平面基板の一部に形成された絶縁部を介して配設されたフォトダイオードとを具えることによって、光送受信モジュールを構成する。 【0014】ここで、前記絶縁部の厚さを、前記表面絶縁層の厚さより厚くすることが好ましい。 【0015】前記絶縁部および前期表面絶縁層として、ガラスを用いる。 【0016】本発明は、平面基板上に、光導波路を形成すると共に、レーザダイオードおよびフォトダイオードを搭載する搭載部に段差を設ける光送受信モジュールの製造方法であって、前記平面基板上の光導波路形成部、レーザダイオード搭載部、およびフォトダイオード搭載部の領域に下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層が形成された、前記光導波路形成部と前記フォトダイオード搭載部の所定の面積を有する領域とに、コア層を形成する工程と、前記下部クラッド層のみが形成された前記レーザダイオード搭載部と、前記下部クラッド層と前記コア層が順次積層された前記光導波路形成部および前記フォトダイオード搭載部とに、上部クラッド層を形成する工程と、前記レーザダイオード搭載部および前記フォトダイオード搭載部を同時にエッチングしていき、当該レーザダイオード搭載部において前記平面基板の表面層が露出した時点でエッチングを停止させ、当該エッチングにより前記平面基板の表面層が露出したレーザダイオード搭載部と露出せず絶縁部として残ったフォトダイオード搭載部とに段差を付ける工程と、前記エッチングにより前記レーザダイオード搭載部において露出した平面基板の表面に、前記レーザダイオードを搭載するための絶縁層を形成する工程とを具え、前記エッチングの段差により、前記フォトダイオード搭載部の前記絶縁部の厚さを、前記レーザダイオード搭載部の前記絶縁層の厚さよりも厚くすることによって、光送受信モジュールの製造方法を提供する。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0018】(概要)まず、本発明の概要について説明する。本発明は、光導波路が形成された平面基板としての半導体基板(以下、本例では、シリコン基板を用いるものとする)上に、絶縁層を介して、レーザダイオード4(以下、LDという)、および、フォトダイオード5(以下、PDという)を搭載するに際して、LD4の下には薄い絶縁層を、PD5の下には厚い絶縁層をそれぞれ設ける。 【0019】さらには、この絶縁層の段差を付加的な工程を用いずに、導波路コアのパターン化工程を利用して作製する。 【0020】このような製造工程とすることにより、製造コストを増加させずに、LD4の放熱特性、および、PD5の電気配線容量の問題の解決を図る。 【0021】(具体例)以下、具体的な例を、図1および図2に基づいて説明する。 【0022】(製造方法)まず、製造方法について説明する。 【0023】図1(a)〜(d)は、光送受信モジュールの作製工程を示す。なお、前述した図3の説明と同一部分については、同一符号を示す。 【0024】まず、図1(a)では、シリコン基板1上において、光導波路形成部A、および、フォトダイオード搭載部Cの各領域に、コア層2aとアンダークラッド層2bとオーバークラッド層2cとからなる光導波路2を形成する。また、これと同時に、レーザダイオード搭載部Bに、アンダークラッド層2bとオーバークラッド層2cとを形成する。 【0025】以下、この工程について具体的に説明する。 【0026】まず、シリコン基板1上の全面に、アンダークラッド層2bを形成する。 【0027】次に、その下部クラッド層2b上において、光導波路形成部Aと、フォトダイオード搭載部Cの所定の面積を有する領域とに、コア層2aを形成する。 【0028】ここで、図2は、コア層2aを形成した時点での断面形状と平面形状を示す。この場合、PD5を搭載する位置すなわちフォトダイオード搭載部Cに、オーバークラッド層2cのガラス厚に対して十分に幅の広い一定面積を有するコア膜を配置する。例えば、一辺が100ミクロン以上を有する面積のコア層2aを形成する。 【0029】次に、下部クラッド層2bとコア層2aが順次積層された光導波路形成部Aおよびフォトダイオード搭載部Cと、アンダークラッド層2bのみが形成されたレーザダイオード搭載部Bとに、オーバークラッド層2cを形成する。これにより、オーバークラッド層2cの表面に段差100をつける。 【0030】火炎堆積法(FHD法)を用いて30ミクロン程度のオーバークラッド層2cを堆積する場合は、コア膜(すなわちコア層2a)の幅が導波路のように、7ミクロン程度ではオーバークラッド層2cの表面に顕著な段差は生じない。 【0031】しかし、コア膜の幅が100ミクロンにもなると、ほぼコア膜厚と同程度の表面段差(すなわち段差100)が生じる。そこで、フォトダイオード搭載部Cに表面段差がつくように、一定面積(一辺が100m以上等)をもつコア層2aを形成しておくようにする。 【0032】次に、図1(b)では、この表面に段差100のあるサンプルのLD4,PD5の各搭載部B,Cを同時にエッチングする。そして、LD4のレーザダイオード搭載部Bのシリコン基板1が露出した時点でエッチングを終了する。これにより、PD5のフォトダイオード搭載部Cにエッチング残留ガラス層10を作製することができる。 【0033】次に、図1(c)では、上記エッチングによってレーザダイオード搭載部Bにおいて露出したシリコン基板1の表面層に、LD4を搭載するための絶縁膜を形成する。 【0034】この絶縁膜は、例えば、シリコン基板1の表面を0.1ミクロン熱酸化して得られた熱酸化層として作製できる。 【0035】この時点において、レーザダイオード搭載部Bでの熱酸化された絶縁膜の厚さよりも、フォトダイオード搭載部Cでのエッチング残留ガラス層10の厚さの方が厚く形成された状態となっている。 【0036】このように絶縁膜をレーザダイオード搭載部Bに作製した後、さらに、LD4,PD5の各搭載部B,Cに、半田および電気配線20を同等に形成する。 【0037】最後に、図1(d)では、LD4,PD5を各搭載部B,Cに搭載することにより、所望とする光送受信モジュールが完成する。 【0038】このようにして製造された光送受信モジュールでは、LD4とシリコン基板1との間に、絶縁膜として熱酸化層の0.1ミクロンしか存在しないため、LD4の放熱効果が高く、LD4の出力特性が良好となる。 【0039】一方、PD5およびその電気配線とシリコン基板1との間には、コア厚相当の7ミクロン程度の比較的厚いエッチング残留ガラス層10が存在するため、PD5とプリアンプとの間の電気配線容量が小さい。 【0040】定量的には、従来型のモジュールでは、PD5の配線容量が10pF程度であったのに対して、本発明に係る光送受信モジュールでは1pF以下に抑制することができた。 【0041】さらには、本例では、LD4の高さ基準がシリコン基板1の表面を使用しているのに対して、PD5の高さ基準がエッチング残留ガラス層10の表面を使用しているため、PD5の実装精度がLD4に比較して劣る。 【0042】しかし、一般的に要求される実装精度が、LD4の場合には±2ミクロンであるのに対して、PD5の場合には±5ミクロンと緩いため、問題にはならない。 【0043】言い換えるならば、本例では、PD5の要求実装精度が緩いことを利用して、LD4およびPD5の絶縁層の厚みを付加的な工程を増やさずに変化させたことに特徴がある。 【0044】なお、本例では、オーバークラッドガラスをFHD法で堆積したが、それ以外の電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法などで堆積しても、同様な効果が得られる。 【0045】また、上記製造方法は、光送受信モジュールの作製方法に限定されるものではなく、レーザダイオードとフォトダイオードを同時に搭載した全てのPLCハイブリッドモジュールに適用できる。 【0046】上記実施例では、シリコン基板上のガラス導波路を用いたPLCハイブリッドモジュールについて説明したが、本発明は、シリコン基板上のポリイミド導波路を用いたハイブリッドモジュールにも適用可能である。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、平面基板上の同一面内に、光導波路と共にLDおよびPDを同時に作製する工程において、導波路コアのパターン化工程を利用して、LDの下には薄い絶縁層を、PDの下には厚い絶縁層を設けたので、従来型と比較して新たな製造プロセスを増加させることなく、製造コストを低減させることができ、さらには、LDの放熱効率を従来と同等に保ちかつPDの電気配線容量を大幅に低減させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004226 【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月6日(2000.1.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077481 【弁理士】 【氏名又は名称】谷 義一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194547(P2001−194547A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−1048(P2000−1048) |
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