| 【発明の名称】 |
光ファイバ束及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】萩原 真二郎
【氏名】茂木 昌春
【氏名】藤井 隆志
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| 【要約】 |
【課題】伝送特性の安定した光ファイバ束を提供すること。
【解決手段】本発明の光ファイバ束は、コア3aとクラッド3bとが石英系ガラスからなり、クラッド3bの周囲に樹脂からなる被覆層4を有する少なくとも一本の光ファイバ2を束状態に保持したもので、束状態時に隣接する光ファイバ2の被覆層4同士が結合されていることを特徴としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コアとクラッドとが石英系ガラスからなり、前記クラッドの周囲に樹脂からなる被覆層を有する少なくとも一本の光ファイバを束状態に保持させて構成された光ファイバ束において、束状態時に隣接する前記光ファイバの前記被覆層同士が結合されていることを特徴とする光ファイバ束。 【請求項2】 束状態時に隣接する前記光ファイバの前記被覆層同士が、接触した状態で融着又は溶着されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ束。 【請求項3】 前記被覆層が、その最外層部分に接着性物質を有しており、束状態時に隣接する前記光ファイバの前記被覆層同士が、前記接着性物によって互いに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ束。 【請求項4】 前記被覆層の最外層が、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、溶剤可溶性樹脂の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ束。 【請求項5】 コアとクラッドとが石英系ガラスからなり、周囲に樹脂からなる被覆層を有する光ファイバを束状態に保持した光ファイバ束を製造する方法において、少なくとも一本の前記光ファイバを束状態にするコイル化工程と、束状態時に隣接する前記光ファイバの前記被覆層同士を接触状態で結合させて束状態を保持させる保持処理工程とを有することを特徴とする光ファイバ束の製造方法。 【請求項6】 前記コイル化工程以前の工程で、前記被覆層の最外層を半硬化状態とし、前記保持処理工程で前記被覆層の最外層を硬化処理することを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ束の製造方法。 【請求項7】 前記コイル化工程と前記保持処理工程との間に、束状態の光ファイバに対して振動を与える振動工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の光ファイバ束の製造方法。 【請求項8】 請求項1に記載の光ファイバ束を偏波モード分散補償部として有していることを特徴とする偏波モード分散補償器。 【請求項9】 請求項1に記載の光ファイバ束を波長分散補償部として有していることを特徴とする波長分散補償器。 【請求項10】 請求項1に記載の光ファイバ束を光増幅部として有していることを特徴とする光増幅器。 【請求項11】 請求項1に記載の光ファイバ束を有する光学部品を有することを特徴とする光伝送システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、波長分散補償器、モード分散補償器、光増幅器などに用いられる光ファイバ束及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】光増幅器、波長分散補償器、モード分散補償器などに用いられる光ファイバ束及びその製造方法としては、特開平10-123342号公報に記載のものなどが知られている。光ファイバ束は、その光経路上で光信号に対して所望の作用を発揮する。例えば、光増幅器に用いられる光ファイバ束は、エルビウムをドーピングしたEDF(Erbium Doped optical-Fiber)をコイル化したもので、光ファイバの光経路上で光信号を増幅させる。 【0003】ここで、光を増幅させるためには、ある程度の長さのEDFが必要となるが、光増幅器の内部に効率よく収納するにはEDFを束(コイル)状にするのがよい。このため、光ファイバを束(コイル)状にした光ファイバ束が用いられている。光増幅器以外の波長分散補償器、モード分散補償器、光ジャイロなどの他の光学部品に用いられる光ファイバ束についても同様である。従来の光ファイバ束は、ボビンに光ファイバを巻き付けて構成されるのが一般的であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、巻き重ねられた光ファイバには張力が残っており、これがもとでマイクロベンドロスが発生する。また、ボビンと光ファイバとの線膨張係数の違いにより、光ファイバにボビン変形による応力がかかるため、伝送損失が温度によって変化してしまう。 【0005】そこで、上述した公報に記載のもののように様々な工夫を施し、ボビンレスの光ファイバ束やこれと同等の効果が得られるボビンの構造などが検討されている。しかし、振動による巻崩れによって伝送特性が変化してしまったり、光ファイバのキンクや断線、光ファイバの折り重なりによるマイクロベンドロスの発生などの不具合が懸念される。 【0006】そこで、図5の光ファイバ束の断面図に示すように、光ファイバ束全体を樹脂で固めてしまうことも検討されている。図5に示されるように、光ファイバ束を構成する光ファイバ20は、その束状態が周囲の樹脂21によって保持されている。しかし、樹脂21自体の温度変化による膨張収縮や樹脂中に閉じこめられた気泡22の温度変化による膨張収縮(温度上昇時に気泡が膨らむ等)によって、光ファイバ20にマイクロベンドを発生させてしまうことが懸念される。また、樹脂21が全体的に均一でない場合も、光ファイバ20に不均一な側圧を与え、マイクロベンドロスの原因となってしまう。これらの不具合を起こしにくい樹脂を選定しても、樹脂中の気泡や不均一性を十分抑えることが困難である場合があり、さらなる改善が望まれていた。 【0007】従って、本発明の目的は、伝送特性の安定した光ファイバ束と、この光ファイバ束の製造方法とを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の光ファイバ束は、コアとクラッドとが石英系ガラスからなり、クラッドの周囲に樹脂からなる被覆層を有する少なくとも一本の光ファイバを束状態に保持させて構成されており、束状態時に隣接する光ファイバの被覆層同士が結合されていることを特徴としている。 【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、束状態時に隣接する光ファイバの被覆層同士が、接触した状態で融着又は溶着されていることを特徴としている。 【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、被覆層が、その最外層部分に接着性物質を有しており、束状態時に隣接する光ファイバの被覆層同士が、接着性物によって互いに結合されていることを特徴としている。 【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、被覆層の最外層が、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、溶剤可溶性樹脂の何れかであることを特徴としている。 【0012】また、請求項5に記載の光ファイバ束の製造方法は、コアとクラッドとが石英系ガラスからなり、周囲に樹脂からなる被覆層を有する光ファイバを束状態に保持した光ファイバ束を製造する方法であり、少なくとも一本の光ファイバを束状態にするコイル化工程と、束状態時に隣接する光ファイバの被覆層同士を接触状態で結合させて束状態を保持させる保持処理工程とを有することを特徴としている。 【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、コイル化工程以前の工程で、被覆層の最外層を半硬化状態とし、保持処理工程で被覆層の最外層を硬化処理することを特徴としている。 【0014】請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、コイル化工程と保持処理工程との間に、束状態の光ファイバに対して振動を与える振動工程を有することを特徴としている。 【0015】請求項8に記載の偏波モード分散補償器は、請求項1に記載の光ファイバ束を偏波モード分散補償部として有していることを特徴としている。 【0016】請求項9に記載の波長分散補償器は、請求項1に記載の光ファイバ束を波長分散補償部として有していることを特徴としている。 【0017】請求項10に記載の光増幅器は、請求項1に記載の光ファイバ束を光増幅部として有していることを特徴としている。 【0018】請求項11に記載の光伝送システムは、請求項1に記載の光ファイバ束を有する光学部品を有することを特徴としている。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の光ファイバ束及びその製造方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。 【0020】本実施形態の光ファイバ束1は、図1に示されるように、光ファイバ2を束(コイル)状にし、その状態を保持させたものである。コイル状部分の光ファイバ巻回量は、目的とする光部品によって異なるが、数十kmとなる場合もある。光ファイバ2は、石英系ガラスよりなるガラス部3と、このガラス部3の周囲に形成された二層の樹脂被覆層4とを有している。ガラス部3の中心はコア3aであり、コア3aの周囲にクラッド3bが形成されている。なお、本発明の光ファイバ2は、シングルモードファイバであってもよいしマルチモードファイバであってもよいし、ステップインデックス型のファイバでもグレーデッドインデックス型のファイバであってもよく、その種類は特定のものに限定されない。 【0021】本実施形態における被覆層4は、内層4a及び最外層4bの二層構造となっている。そして、その最外層4b同士が、融着又は溶着されている。ここに言う融着又は溶着とは、最外層4bを構成する樹脂自体が、接触するもう一方の最外層4bの樹脂自体と一体化している状態を言う。また、図2には、一対の光ファイバ2の断面を示し、この一対の光ファイバ2の断面についての融着(溶着)状態のみを示してある。しかし、言うまでもなく、コイル化された光ファイバ2は、接触状態にある最外層同士のほとんどが図2に示されるように互いに融着(溶着)されている。このような状態にある複数本の光ファイバ2を図3に示す。 【0022】なお、本発明の被覆層4は、複数層で形成されてもよいし、単層で形成されてもよく、最外層の樹脂被覆層同士が融着又は溶着されていれば、何層であってもよい。また、最外層4b同士の融着又は溶着は、どのような手段によってもよい。以下に、具体例について簡単に説明する。ただし、各具体例の製造方法については追って詳述する。 【0023】まず、最外層4bを紫外線硬化性樹脂とする場合が考えられる。この場合は、光ファイバ2の製造時に、最外層4bの紫外線硬化性樹脂を半硬化状態としておき、光ファイバ2を束(コイル)状にした後で再度紫外線を照射して、最外層4b同士を融着させればよい。これによって、コイル状の形態を保持させた光ファイバ束1を形成することができる。 【0024】あるいは、最外層4bを熱硬化性樹脂とする場合も考えられる。この場合も、光ファイバ2の製造時に、最外層4bの熱硬化性樹脂を半硬化状態としておき、光ファイバ2をコイル状にした後で再度熱処理を行い、最外層4b同士を融着させればよい。これによって、コイル状の形態を保持させた光ファイバ束1を形成することができる。 【0025】あるいは、最外層4bを熱可塑性樹脂とする場合も考えられる。この場合は、光ファイバ2をコイル状にした後で熱処理を行い、最外層4b同士を融着させればよい。これによって、コイル状の形態を保持させた光ファイバ束1を形成することができる。 【0026】また、最外層4bを溶剤可溶性樹脂とする場合も考えられる。この場合は、コイル状にした光ファイバ2を溶剤中に浸し、最外層4bを一旦溶かした後に溶剤中から取り出し、付着した溶剤を除去することによって最外層4b同士を溶着させればよい。溶剤が揮発性であれば放置することによって除去できるし、溶剤を熱を加えて蒸発させることも考えられる。これによって、コイル状の形態を保持させた光ファイバ束1を形成することができる。 【0027】最外層4bを上述した何れかの樹脂によって形成させれば、上述したように最外層4b同士が接触状態で融着(溶着)された光ファイバ束1を容易に製造することができる。そして、上述したような最外層4b同士が接触状態で融着(溶着)された光ファイバ束は、ボビンなどに巻き付けられていない状態でその束(コイル)状態が保持される。このため、光ファイバ2にマイクロベンドをほとんど発生させず、安定した光学的特性を有するものとなる。また、ボビンなどに巻き付けられないで互いの最外層4b同士が接触状態で融着(溶着)された状態であるため、温度に対する特性が優れている。 【0028】次に、上述した光ファイバ束1の製造する製造方法の実施形態について、詳しく説明する。 【0029】(実施形態1)DCF(波長分散補償光ファイバ)を紫外線硬化樹脂で二層被覆した。このとき、最外層の被覆層に関しては、紫外線照射光量を少な目に設定し、紫外線硬化樹脂の硬化度をゲル分率で85%の半硬化状態とした。ゲル分率とは、硬化度合いを示す指標であり、その測定方法を以下に説明する。サンプル(DCF)4mを束状又は短冊状にしてアルミで覆い瓶の中に入れる。このとき、サンプル+アルミ+瓶の重量(重量A)を測定しておく。瓶の中に溶媒となるMEK()を入れ、60℃×16時間で被覆を溶かし、その後、真空中100℃×2時間放置してMEKを完全に揮発させる。その後に残ったものの重量(重量B)を測定し、溶媒に溶けた紫外線硬化性樹脂の割合を算出する。結果は、(100×重量B/重量A)%で表す。 【0030】なお、ここで用いた紫外線硬化樹脂は、紫外線照射によって硬化する性質だけでなく、熱を与えることによって硬化する熱硬化型樹脂としての性質も有しており、紫外線硬化樹脂であると共に熱硬化型樹脂でもある。また、DCF(DispersionCompensating Fiber)とは、SMF(Single Mode Fiber)等の伝送用光ファイバに対して逆符号の波長分散特性を有する光ファイバで、伝送路の波長分散をキャンセルする特性を有している。 【0031】この光ファイバを直径60mmのマンドレルに巻き付けて束(コイル)状にし、マンドレルを引き抜くことでDCF束を形成させた〔コイル化工程〕。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減させた〔振動工程〕。上述したように、マンドレルを用いて光ファイバ(DCF)を束状態にしたが、マンドレルを引き抜くので、光ファイバにかかる張力が開放され、マイクロベンドが解消される。さらにここでは、束(コイル)状態の光ファイバに振動を加えることによって、残留しているマイクロベンドをさらに解消させている。 【0032】振動を加えた後の束(コイル)状態の光ファイバをラップで覆い、200℃で30分間熱を加えた後に冷却して樹脂被覆の最外層を硬化させる硬化処理を施すことによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。このようにして製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表1〕に示す。 【0033】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の概要を以下に説明する。両端にピッグテールを取り付けてモジュール化した光ファイバ束を恒温層の中に入れる。1℃/minの割合で温度変化させた後、測定温度〔ここでは常温(25℃),50℃,0℃の各温度で測定実施〕を保持。1時間以上同一温度を保持した後、温度を保持したまま測定を実施した。 【0034】測定方法は、光源〔EE-LED(高帯域光源)を使用〕と光スペクトラムアナライザとを両端コネクタ付きコードで直接接続し、光パワーの波長依存性値を測定する(Pin)。次いで、両端コネクタ付きコードを用いて光源-モジュール化した光ファイバ束-光スペクトラムアナライザと接続し、同様に光パワーの波長依存性値を測定する(Pout)。Pin-Poutからモジュール化した光ファイバ束の損失の波長依存性を出す。表に示されているのは、各測定温度での各波長毎の損失測定結果である。 【0035】 【表1】
〔表1〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。波長が1550nmよりも長波長側でより安定な特性を示していることも分かる。 【0036】(実施形態2)DCF(波長分散補償光ファイバ)を紫外線硬化樹脂で二層被覆した。さらに、この二層目の樹脂被覆の上に、二層目の樹脂と同一の紫外線硬化性樹脂を用いて被覆層をもう一層形成させた。このとき、最外層の被覆層に関しては、紫外線照射光量を少な目に設定し、紫外線硬化樹脂の硬化度をゲル分率で70%の半硬化状態とした。最外層の表面はベトベトした状態である。 【0037】この光ファイバを直径60mmのマンドレルに巻き付けて束(コイル)状にし、マンドレルを引き抜くことでDCF束を形成させた〔コイル化工程〕。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減させた〔振動工程〕。マンドレルを引き抜くことによって光ファイバにかかる張力が開放してマイクロベンドを解消し、さらに束(コイル)状態の光ファイバに振動を加えることによって残留しているマイクロベンドを解消するのは上述した実施形態1と同様である。 【0038】振動を加えた後の束(コイル)状態の光ファイバにおいては、その最外層がベトベトした半硬化状態であるので、接触する最外層同士が半硬化状態で一体化した状態となっている。この状態の光ファイバ全体に紫外線を500mJ/cm2で照射して最外層をさらに硬化させる硬化処理を施すことによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。実施形態1と同様に、製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表2〕に示す。 【0039】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の条件は、上述した実施形態1と同様である。 【0040】 【表2】
〔表2〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。波長が1550nmよりも長波長側でより安定な特性を示していることも分かる。 【0041】(実施形態3)DCF(波長分散補償光ファイバ)を紫外線硬化樹脂で二層被覆した。さらに、この二層目の樹脂被覆の上に、熱可塑性樹脂である塩化ビニル樹脂を用いて、被覆層を押出被覆によって、もう一層形成させた。塩化ビニル樹脂を最外層に被覆することによって、光ファイバの外径は0.3mmとなった。 【0042】この光ファイバを直径60mmのマンドレルに巻き付けて束(コイル)状にし、マンドレルを引き抜くことでDCF束を形成させた〔コイル化工程〕。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減させた〔振動工程〕。マンドレルを引き抜くことによって光ファイバにかかる張力が開放してマイクロベンドを解消し、さらに束(コイル)状態の光ファイバに振動を加えることによって残留しているマイクロベンドを解消するのは上述した実施形態1及び2と同様である。 【0043】振動を加えた後の束(コイル)状態の光ファイバを、150℃で30分間熱を加えて一旦最外層の塩化ビニル樹脂層を溶かして互いに接触する最外層同士を一体化させた後、冷却して最外層を硬化させた。このように最外層を硬化させる硬化処理を施すことによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。実施形態1及び2と同様に、製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表3〕に示す。 【0044】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の条件は、上述した実施形態1及び2と同様である。 【0045】 【表3】
〔表3〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。 【0046】(実施形態4)紫外線硬化性樹脂の樹脂被覆層を有するDCF(波長分散補償光ファイバ)5kmをを直径60mmのマンドレルに巻き付けて束(コイル)状にし、マンドレルを引き抜くことでDCF束を形成させた〔コイル化工程〕。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減させた〔振動工程〕。マンドレルを引き抜くことによって光ファイバにかかる張力が開放してマイクロベンドを解消し、さらに束(コイル)状態の光ファイバに振動を加えることによって残留しているマイクロベンドを解消するのは上述した実施形態1〜3と同様である。 【0047】振動を加えた後の束(コイル)状態の光ファイバを、1%ポバール(ポリビニルアルコール)水溶液に数秒間浸して一旦最外層の紫外線硬化性樹脂層を溶かして互いに接触する最外層同士を一体化させる。その後、束(コイル)状態の光ファイバを水溶液中から取り出して過剰の水溶液を切った後、90℃の恒温槽内で乾燥させて過剰の水溶液を完全に除去して一体化された最外層をを硬化させた。即ち、ここでは、最外層の紫外線硬化性樹脂は、溶剤であるポバール(ポリビニルアルコール)によって溶ける溶剤可溶性樹脂としての性質が利用されている。 【0048】このように最外層を硬化させる硬化処理を施すことによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。実施形態1〜3と同様に、製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表4〕に示す。 【0049】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の条件は、上述した実施形態1〜3と同様である。 【0050】 【表4】
〔表4〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。 【0051】上述した実施形態における光ファイバ束は、隣接する光ファイバ2の被覆層同士が、融着又は接着により結合されているものであった。次に説明する実施形態では、融着又は溶着による結合ではなく、接着性の物質を用いた結合によって隣接する光ファイバの被覆層同士を結合させる場合について説明する。この場合の図3相当図を図4に示す。 【0052】本実施形態においては、図4に示されるように、被覆層4が、通常の樹脂被覆層4cと、その外側に形成された接着層4dとからなる。なお、樹脂被覆層4cは、複数の層で構成されていても良い。そして、この接着層4d同士が互いの接着力によって結合し、束状態時に隣接する光ファイバ2の被覆層4同士が結合されている。なお、本実施形態では、接着層4dは、樹脂被覆層4cの全周にわたって形成されているが、一部にのみ形成されるような形態で形成されても良い。このように形成された光ファイバ束であっても、上述した融着・溶着によって被覆層を結合させたものと同様の効果を得ることができる。 【0053】そして、このような光ファイバコイルの製造時には、通常通り製造した光ファイバ2の樹脂被覆層4cの周囲に、刷毛などを用いて接着剤を塗布して接着層4dを形成させたり、コイル束状にする直前の光ファイバ2に対して接着剤を噴霧させるなどして、光ファイバ2の表面に、接着層4dを形成させる。接着剤を塗布するダイスの内部に光ファイバを挿通させることによって、接着層4dを形成させるようにしても良い。接着層4dを形成させるための接着性物質としては、塩化ビニル樹脂や紫外線硬化性樹脂を用いることができる。 【0054】次に、このような製造方法の実施形態について、詳しく説明する。 【0055】(実施形態5)通常の樹脂被覆層を有するDCFを5kmを、光ファイバ巻替機を用いて外径60mmのマンドレルに巻き付けた。マンドレルへの巻付の直前に、巻替機のパスライン上に紫外線硬化型樹脂を含ませた刷毛を光ファイバ表面の上側半分に触れるように設置し、光ファイバを巻替えながら紫外線硬化型樹脂を光ファイバの表面の一部に塗布した。ここでは、この紫外線硬化型樹脂を接着性物質として使用している。 【0056】光ファイバのマンドレルへの巻替え後に、マンドレルを引き抜いて、光ファイバをコイル束状態とした。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減した後、束状態の光ファイバ全体に紫外線を500mJ/cm2で照射し、塗布した紫外線硬化型樹脂を硬化させ、束状態を保持させた。このようにして製造された光ファイバ束の両端にコネクタ付のピッグテール光ファイバを取り付け、光学特性を測定できる形態に組み立てた。 【0057】このように最外層部分に接着層を形成することによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。実施形態1〜4と同様に、製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表5〕に示す。 【0058】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の条件は、上述した実施形態1〜4と同様である。 【0059】 【表5】
〔表5〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。 【0060】(実施形態6)通常の樹脂被覆層を有するDCFを5kmを、光ファイバ巻替機を用いて外径60mmのマンドレルに巻き付けた。マンドレルへの巻付の直前に、巻替機のパスライン上に、光ファイバの断面から見て90度毎に四点孔の空いたダイスを配置した。ダイスの孔からは、光ファイバの外表面上に塩化ビニル樹脂を押し出し、塩化ビニル樹脂を光ファイバ断面から見て四点に塗布しながら、巻替えを行った。ここでは、この塩化ビニル樹脂を接着性物質として使用している。 【0061】光ファイバのマンドレルへの巻替え後に、マンドレルを引き抜いて、光ファイバをコイル束状態とした。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減した後、束状態の光ファイバを150℃×30分で熱処理して、塩化ビニル樹脂を硬化させ、束状態を保持させた。このようにして製造された光ファイバ束の両端にコネクタ付のピッグテール光ファイバを取り付け、光学特性を測定できる形態に組み立てた。 【0062】このように最外層部分に接着層を形成することによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。実施形態1〜5と同様に、製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表6〕に示す。 【0063】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の条件は、上述した実施形態1〜5と同様である。 【0064】 【表6】
〔表6〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。 【0065】(実施形態7)通常の樹脂被覆層を有するDCFを5kmを、光ファイバ巻替機を用いて外径60mmのマンドレルに巻き付けた。マンドレルへの巻付の直前に、巻替機のパスライン上に紫外線硬化型樹脂を噴霧する噴霧装置を設置し、光ファイバを巻替えながら紫外線硬化型樹脂を光ファイバの表面に噴霧させて塗布した。ここでは、この紫外線硬化型樹脂を接着性物質として使用している。 【0066】光ファイバのマンドレルへの巻替え後に、マンドレルを引き抜いて、光ファイバをコイル束状態とした。この束に振動をかけてマイクロベンドを低減した後、束状態の光ファイバ全体に紫外線を500mJ/cm2で照射し、塗布した紫外線硬化型樹脂を硬化させ、束状態を保持させた。このようにして製造された光ファイバ束の両端にコネクタ付のピッグテール光ファイバを取り付け、光学特性を測定できる形態に組み立てた。 【0067】このように最外層部分に接着層を形成することによって束(コイル)状態を保持できるようにした〔保持処理工程〕。実施形態1〜5と同様に、製造された光ファイバ束に光コネクタ付きのピッグテールを取り付け、光学特性を測定できるようにした。ボビンに巻き付けた従来品の光ファイバ束と本実施形態の光ファイバ束とを高低温放置試験にかけた。結果を〔表7〕に示す。 【0068】従来品は、樹脂被覆層の材質や層厚さ等の構成を本実施形態品と全く同一にした光ファイバを、直径60mmのボビンに巻き付けたものである。また、高低温放置試験の条件は、上述した実施形態1〜6と同様である。 【0069】 【表7】
〔表7〕から分かるように、ボビンに巻き付けられた従来品に対して、本実施形態の製造方法によって製造された光ファイバ束は、全体的に損失が小さいことが分かる。 【0070】上述したように、被覆層4同士を積極的に結合させて束状態を保持させた光ファイバコイルであると、図5に示されるような気泡22による影響を受けることがない。確かに、束状態として被覆層同士を結合させることによって閉空間が形成される可能性もある。しかし、重なり合う光ファイバによって完全なへ異空間が形成されることは非常にまれであり、上述した実施形態によれば、閉空間(気泡)中の気体の熱膨張や熱収縮によって光ファイバが側圧を受けるようなことはほとんどないと言える。 【0071】また、図5に示されるような場合では、粘性のある樹脂中に光ファイバ20を埋設させることになるため樹脂中に多数の気泡22が混入しやすいが、上述した実施形態では、被覆層4同士を結合させるので、気泡のような閉空間はほとんど形成されない。ここで、光ファイバ束の体積に対する、形成された閉空間(気泡)の体積の割合を閉空間形成率として定義すると、図5に示されるような場合は、閉空間形成率が20%にもなる可能性がある。図5に示される場合でも、製造方法を工夫すれば、閉空間形成率をより低減させることも可能であるが、工程が増えたり、新たな装置を用意する必要も生じてしまう。これに対して、上述したように被覆層4自体を結合させれば、閉空間形成率を容易に1%以下とすることが可能となる。 【0072】なお、上述した光ファイバ束はDCF(波長分散補償光ファイバ)を用いて製造され、波長分散補償器(DCFM:Dispersion Compensation Fiber Module)などに組み込まれることを意図したものであった。しかし、本発明の光ファイバ束の用途は、これに限定されるものではない。 【0073】例えば、光ファイバ束を構成する光ファイバとしてEDF(Erbium Doped Fiber)を用いることによって、光増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)に組み込んで光増幅を行うことができる光ファイバ束とすることもできる。EDF(ErbiumDoped Fiber)は、光ファイバのコアにエルビウムイオンを添加したもので、特定の波長(0.98μm,1.48μm)の光を吸収した状態で他の特定の波長(1.55μm)帯の信号光を入射させると、誘導放出を起こして信号光のパワーを増幅させることができる。通常はモジュール形態で用いられる。 【0074】また、PMF(Polarization Maintaining Fiber)を用いることによって、偏波モード分散補償器や光ジャイロに組み込まれることを意図した光ファイバ束とすることもできる。PMF(Polarization Maintaining Fiber)は、直線偏波を保持したまま光信号を伝送するもので、上述したように、偏波分散補償用のファイバとして用いられたり、光ジャイロ用として用いられる。通常はモジュール(PMFM:Polarization Maintaining Fiber Module)の形態で用いられる。 【0075】上述した光ファイバ束を上述したような各光学機器に適用した例、及び、これらの機器を適用した伝送システムの例について、以下に簡単に説明する。 【0076】図6は、上述したDCFによって構成した光ファイバ束によるDCFM(波長分散補償器)を示している。図6に示されるように、DCFMは、光ファイバ束であるDCF束1を筐体5内に有している。そして、このDCF束1のコイル状にされた光ファイバの両端には、融着部6を介して光コネクタ7を有するピッグテールファイバ8が取り付けられている。光コネクタ7は、筐体5の外部に導出されており、DCFMの光伝送システムへの組み込みを容易にしている。 【0077】図7は、EDFによって構成された光ファイバ束によるEDFA(光増幅器)を示している。図7に示されるように、EDFAは、光ファイバ束であるEDF束1を有しており、このEDF束1のコイル状にされた光ファイバの両端には、融着部6を介して、WDMカプラ9がそれぞれ取り付けられている。各WDMカプラ9からはそれぞれ二本の光ファイバが導出されており、そのうちの一方は主信号の伝送用光ファイバであり、他方は励起光源10からの光をEDF束1に対して送るための光ファイバである。WDMカプラ9と励起光源10との間には、アイソレータ11がそれぞれ取り付けられっており、励起用の特定波長の光のみをEDF束1に対して送るようにされている。 【0078】図8は、PMFによって構成された光ファイバ束によるPMFM(偏光モード分散補償器)を示している。図8に示されるように、PMFMは、筐体5の内部に光ファイバ束であるPMF束1を複数セット有している。これらのPMF束1は、それぞれ異なる偏波分散量を有している。そして、これらの複数のPMF束1の両側には、光スイッチ12が配置され、この光スイッチ12から筐体5の外側に光信号の入出射用の光ファイバが取り付けられている。上述した構成となっているため、光スイッチ12を切り換えて所望の偏波分散量を有するPMF束1を選択することによって、所望の偏光モード分散補償を行うことができる。 【0079】上述したように、本発明の光ファイバ束は安定した伝送特性を有するので、図6〜図8に示されるような波長分散補償器、光増幅器、偏波モード分散補償器も、優れた伝送特性を有したものとなる。 【0080】図9は、本発明の光ファイバ束を上述したDCFM及びEDFAとして組み込んだ光伝送システムを示している。光伝送システムは、光送信機13で送信した光信号を光受信機14で受信するものであるが、光信号は、その伝送路上で波長分散を起こす。また、光伝送システムの伝送距離が長くなればなるほど伝送損失は大きくなり、光信号は弱くなる。そこで、上述したDCFM15によって波長分散補償を行い、EDFA16によって弱くなった光信号を増幅している。 【0081】図10は、本発明の光ファイバ束を組み込んだ光伝送システムの他の例を示しており、このシステムは上述した図9に示したシステムに、偏波モード分散を補償する構成を追加したものである。ここでは、本発明の光ファイバ束は上述したPMFMとしても光システムに組み込まれている。本システムでは、光伝送路上にシグナルアナライザ17aが組み込まれていると同時に、EDFA16の下流側にもシグナルアナライザ17bが組み込まれている。この一対のシグナルアナライザ17a,17bによって検出した光信号の入力側波形と出力側波形とを、比較・制御回路18で比較して偏波分散量を測定する。そして、測定した偏波分散量に基づいて比較・制御回路18によってPMFM19を制御し、偏波モード分散を補償する。 【0082】上述したように、本発明の光ファイバ束は安定した伝送特性を有している。このため、この光ファイバ束を用いた各種光学部品(DCFM:波長分散補償器、EDFM:光増幅器、PMFM:偏波モード分散補償器など)を上述したように光伝送システムに組み込むことによって、光伝送システム全体が優れた伝送特性を有したものとなる。 【0083】なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、光ファイバ束については、少なくとも樹脂被覆層同士が融着又は溶着されていればよく、最外層だけでなく、さらに内側の層同士が融着又は溶着されていても(あるいは、されていなくても)よい。また、請求項1又は2に記載の光ファイバ束や、請求項3〜5に記載の製造方法によって製造する光ファイバ束は、その用途を上述した実施形態のものに限定されるものではない。光ファイバを束(コイル)状にした光ファイバ束であれば、どのようなものであってもよい。 【0084】 【発明の効果】本発明の光ファイバ束によれば、光ファイバ束を構成する光ファイバの被覆層同士が結合されているので、光ファイバ束を構成する光ファイバに対して余計な側圧が加えられることがなく、マイクロベンドも生じさせない状態でその束(コイル)状態が保持される。このため、本発明の光ファイバ束は、安定した優れた伝送特性を有する。 【0085】ここで、被覆層を結合させるのに、被覆層を融着又は溶着させて被覆層同士を結合させることによって、光ファイバ束を形成させやすく、かつ、その束状態を確実に保持させることができる。また、被覆層を結合させるのに、最外層部分に接着層を形成させて被覆層同士を結合させることによって、光ファイバ束を形成させやすく、かつ、その束状態を確実に保持させることができる。さらに、樹脂被覆層の最外層を、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、溶剤可溶性樹脂の何れかによって形成させることによって、光ファイバ束を容易かつ簡便に製造することができる。 【0086】また、本発明の光ファイバ束の製造方法によれば、光ファイバ束を構成する光ファイバの樹脂被覆層の最外層同士を結合させるので、製造された光ファイバ束を構成する光ファイバに対して余計な側圧が加えられることがなく、マイクロベンドも生じさせない状態でその束(コイル)状態が保持することができる。このため、本発明の光ファイバ束の製造方法によれば、安定した優れた伝送特性を有する光ファイバ束を製造することができる。 【0087】ここで、コイル化以前の工程で樹脂被覆層の最外層を半硬化状態としておき、保持処理工程で硬化処理を施して最外層同士を一体化させる。このように製造することによって、光ファイバにマイクロベンドを生じさせずに束(コイル)状態を確実に保持することができ、より一層優れた伝送特性を有する光ファイバ束を製造することができる。 【0088】さらに、コイル化工程と保持処理工程との間に振動工程を設けることによって、束(コイル)状態の光ファイバに発生しているマイクロベンドをより一層解消することができ、より一層優れた伝送特性を有する光ファイバ束を製造することができる。 【0089】請求項7〜10に記載の発明によれば、上述した本発明(請求項1)の光ファイバ束を用いてそれぞれ構成されているため、各光学部品(偏波モード分散補償器、波長分散補償器、光増幅器)は、安定した優れた伝送特性を有する。また、請求項11に記載の光伝送システムによれば、上述した本発明(請求項1)に記載の光ファイバ束を有する光学部品を有しているため、安定した優れた伝送特性を有するものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194538(P2001−194538A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−292613(P2000−292613) |
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