| 【発明の名称】 |
プラスチック光ファイバの端面処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】白川 嗣人
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| 【要約】 |
【課題】光の伝送損失が抑えられ、また、効率よく処理できるプラスチック光ファイバの端面処理方法を提供する。
【解決手段】プラスチック光ファイバ2のコア7をクラッド8の融点よりも低いガラス転移点を有する材質で形成するとともに、プラスチック光ファイバ2の端面3を鏡面仕上げされ且つガラス転移点に基づいて加熱したホットプレート5の表面6に押し当てて端面処理を行う方法を採用する。また、フェルール1の先端4から突出させたプラスチック光ファイバ2を切削加工して、プラスチック光ファイバ2の端面3をフェルール1の先端4に限りなく近づけた後に、その端面3をホットプレート5の表面6に押し当てて端面処理を行う方法を含んでいる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面に対する処理方法であって、前記プラスチック光ファイバのコアをクラッドの融点よりも低いガラス転移点を有する材質で形成するとともに、前記端面を鏡面仕上げされ且つ前記ガラス転移点に基づいて加熱したホットプレートの面に押し当てて端面処理を行うことを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理方法。 【請求項2】 請求項1に記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法において、前記フェルールの先端から突出させた前記プラスチック光ファイバを切削加工して、前記端面を前記フェルールの先端に限りなく近づけた後に、前記端面を前記面に押し当てて端面処理を行うことを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理方法。 【請求項3】 フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面に対する処理方法であって、前記フェルールの先端から突出させた前記プラスチック光ファイバを切削加工して、前記端面を前記フェルールの先端に限りなく近づける第一端面処理工程と、前記フェルールの前記先端に限りなく近づけられた前記端面を、鏡面仕上げされ且つ加熱したホットプレートの面に押し当てて、該面を前記端面側に転写する第二端面処理工程とを含むことを特徴とするプラスチック光ファイバの端面処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】光伝送に使用されるプラスチック光ファイバの開放端や接続端の端面は、光の伝送損失を極力抑えなければならないと言う必然性から、平滑加工が施されている。平滑加工する端面処理方法としては、例えば加熱したホットプレートの面にプラスチック光ファイバの端面を押し当てて加熱平滑化することや、装着したフェルールに対してそのフェルール先端ごと切削し、切削面を微粒子研磨するような端面処理方法等が一般的に採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、プラスチック光ファイバの端面を加熱平滑化するような端面処理方法にあっては、そのプラスチック光ファイバが上記面に押し付けられることから、開放端や接続端近傍の直径が当然に変化してしまうことになる。これはフェルール先端に対してのプラスチック光ファイバの突出量が大きければ大きいほど顕著になり、光の伝送に影響を来してしまう恐れがある。 【0004】また、プラスチック光ファイバは、ホットプレートの上記面より受ける熱によって、そのプラスチック光ファイバを構成するコア及びクラッドが溶融、混合してしまう恐れがある。この場合、光の伝送損失が大きくなってしまうのは勿論のことである。 【0005】一方、フェルール先端ごと切削し、切削面を微粒子研磨するような端面処理方法にあっては、複数番の粒度研磨紙による段階的な研磨が必要になることから、生産に係る効率が必ずしもよいとは言えないものがある。 【0006】本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、光の伝送損失が抑えられ、また、効率よく処理できるプラスチック光ファイバの端面処理方法を提供することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面に対する処理方法であって、前記プラスチック光ファイバのコアをクラッドの融点よりも低いガラス転移点を有する材質で形成するとともに、前記端面を鏡面仕上げされ且つ前記ガラス転移点に基づいて加熱したホットプレートの面に押し当てて端面処理を行うことを特徴としている。 【0008】請求項2記載の本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、請求項1に記載のプラスチック光ファイバの端面処理方法において、前記フェルールの先端から突出させた前記プラスチック光ファイバを切削加工して、前記端面を前記フェルールの先端に限りなく近づけた後に、前記端面を前記面に押し当てて端面処理を行うことを特徴としている。 【0009】上記課題を解決するためなされた請求項3記載の本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面に対する処理方法であって、前記フェルールの先端から突出させた前記プラスチック光ファイバを切削加工して、前記端面を前記フェルールの先端に限りなく近づける第一端面処理工程と、前記フェルールの前記先端に限りなく近づけられた前記端面を、鏡面仕上げされ且つ加熱したホットプレートの面に押し当てて、該面を前記端面側に転写する第二端面処理工程とを含むことを特徴としている。 【0010】請求項1に記載された本発明によれば、ホットプレートはプラスチック光ファイバを構成するクラッドの融点よりも低いコアのガラス転移点に基づいて加熱されている。フェルールを装着したプラスチック光ファイバの端面をホットプレートの面に押し当てると、そのプラスチック光ファイバを構成するコア及びクラッドが溶融、混合することなく押し潰されるようになる。光の伝送に影響を来すことはなく、また、プラスチック光ファイバの熱による組成劣化が最小に抑えられた状態で処理される。各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅は小さくなり、生産に係る効率も悪くない。 【0011】請求項2に記載された本発明によれば、プラスチック光ファイバの端面がフェルールの先端に限りなく近づいていることから、必要以上にプラスチック光ファイバをホットプレートの面に押し当てなくてもよくなる。また、プラスチック光ファイバの開放端や接続端近傍の直径の変化が最小に抑えられる。さらに、各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅が小さくなる。切削加工によるプラスチック光ファイバの端面の微少な傷は、ホットプレートの面が転写されて平滑になり、光の伝送損失が小さいものとなる。 【0012】請求項3に記載された本発明によれば、第一端面処理工程によりプラスチック光ファイバの端面がフェルールの先端に限りなく近づくことになる。そして、第二端面処理工程によりプラスチック光ファイバの端面に鏡面仕上げされたホットプレートの面が転写される。言い換えれば、第一端面処理工程によりプラスチック光ファイバをホットプレートの面に必要以上に押し当てなくてもよくなる。また、プラスチック光ファイバの開放端や接続端近傍の直径の変化が最小に抑えられる。さらに、各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅が小さくなる。切削加工によるプラスチック光ファイバの端面の微少な傷は、第二端面処理工程によりホットプレートの面が転写されて平滑になり、光の伝送損失が小さいものとなる。第一、第二端面処理工程を含んでも生産に係る効率は悪くない。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法に係る一実施の形態を説明する。 【0014】図1において、本発明のプラスチック光ファイバの端面処理方法は、光の伝送損失を抑えることができるのは勿論のこと、効率よく端面処理を行うことを目的としており、フェルール1を装着したプラスチック光ファイバ2の端面3をフェルール1の先端4に限りなく近づけた状態で、加熱したホットプレート5の表面6(特許請求の範囲に記載した面に相当)に押し付け、平滑化するような方法を採用している。 【0015】以下、構成部材、端面処理方法の順に説明する。先ず構成部材として、上記プラスチック光ファイバ2は、図1又は図2に示される如く、コア7及びクラッド8から成り端面3が円形となるように形成されている。また、プラスチック光ファイバ2の外側には、一次シース9及び二次シース10が覆設されている。 【0016】コア7は、光の伝送を可能とする透明な合成樹脂材で形成されている。また、コア7のガラス転移点がクラッド8の融点よりも低くなるような材質を選定して形成されている。本形態においては、透明なポリメタクリル酸メチル(PMMA(メタクリル樹脂)、この材質に限定されるものではない)を採用している。ガラス転移点は120℃である。 【0017】クラッド8は、コア7よりも屈折率の小さい透明な合成樹脂材で形成されている。また、クラッド8は、コア7の外周面に密着するように周設されている。本形態においては、フッ素系樹脂材料を採用しており、融点が125℃以上あるものとする(コア7のガラス転移点に対して差が大きくならない)。 【0018】一次シース9及び二次シース10は、絶縁性を有する合成樹脂材料により形成されている。また、一次シース9及び二次シース10の端末は、それぞれ所定の長さを有するように皮剥されている。 【0019】プラスチック光ファイバ2、一次シース9及び二次シース10を含めて光ファイバ11と呼ぶことにすると、その光ファイバ11はプラスチック光ファイバ2、一次シース9を順に露出させており、露出したプラスチック光ファイバ2及び一次シース9に上記フェルール1が装着されるようになっている。尚、プラスチック光ファイバ2は、後述する小径部12の長さよりも十分に長く露出しているものとする。 【0020】上記フェルール1は、合成樹脂製(金属製でもよい)であって、プラスチック光ファイバ2を収容する小径部12と、その小径部12に連続し一次シース9を収容する大径部13とで内外共に段付きの円筒状に形成されている。 【0021】小径部12には、フェルール1の内外に連通する小径の孔14が形成されている。その孔14は、フェルール1の先端4(小径部12の先端)を介して形成されている。また、プラスチック光ファイバ2の直径に対応した径を有するように穿設されている。 【0022】大径部13には、その外周面に二つのフランジ部15、15が周設されている。フランジ部15、15は、環状に形成されており、間隔を開けて配置されている。フランジ部15、15は、例えば光コネクタを構成するハウジングの係止突起やストッパに係合する部分として形成されている。 【0023】上記ホットプレート5は、図1に示される如く、熱伝導性が良好な金属平板から成り、その表面6は鏡面仕上げがなされている。また、ホットプレート5には、加熱部材(不図示)が設けられている。加熱部材(不図示)は、本形態において表面6の温度が120℃になるように温度設定がなされている(コア7のガラス転移点に基づくものとする)。 【0024】次に、図1ないし図3のいずれかを参照しながらプラスチック光ファイバ2の端面処理方法について説明する。 【0025】上記端面処理方法は、第一端面処理工程及び第二端面処理工程を含んでおり、第一端面処理工程までは次のような各種作業が行われる。即ち、先ず第一に、露出させたプラスチック光ファイバ2(光ファイバ11)に対してフェルール1を装着する作業が行われる。フェルール1が装着されると、そのフェルール1の先端4からは、プラスチック光ファイバ2が長さLだけ突出する(図3参照)。また、孔14を介してプラスチック光ファイバ2がフェルール1の小径部12に収容される。一次シース9は大径部13に収容され、二次シース10の端部は大径部13の端部に当接する。 【0026】このような状態から、第二に、突出したプラスチック光ファイバ2を切削加工する作業が行われる(第一端面処理工程)。切削加工することによって、それまで長さLで突出していたプラスチック光ファイバ2の端面3がフェルール1の先端4に限りなく近づけられる(NC加工機を用い例えば長さΔLがΔL≒0となるように切削する。本形態において、切削後の突出量(ΔL)は0.05mm以内を許容するものとする。プラスチック光ファイバ2の直径は一般的な径(φ1.0,φ0.75mm等)を有するものとする)。 【0027】尚、説明するまでもないが、ここまでの工程を鑑みれば、段階的に端面を研磨するような工程を含む端面処理方法と比べて、作業に係る効率がよくなるのは当然のことである。 【0028】続いて、第二端面処理工程に移行する。第二端面処理工程では、切削されたプラスチック光ファイバ2の端面3をホットプレート5の表面6に押し当ててその表面6の状態を端面3に転写する作業が行われる。即ち、コア7のガラス転移点に基づいて加熱した表面6に対して端面3を例えば数秒間押し当て、端面3に鏡面を形成する(端面3の鏡面状態を安定させるための冷却が必要になるが、ここではその説明を省略する)。切削加工により生じた端面3の微少な傷は平滑化される。また、光の伝送損失は最小に抑えられる。第二端面処理工程を経ても上記作業に係る効率は悪くならない。以上により、端面処理に係る一連の作業が完了する。 【0029】以上説明したように、ホットプレート5の表面6は、プラスチック光ファイバ2を構成するクラッド8の融点よりも低いコア7のガラス転移点に基づいて加熱されている。フェルール1を装着したプラスチック光ファイバ2の端面3をホットプレート5の表面6に押し当てると、そのプラスチック光ファイバ2を構成するコア7及びクラッド8が溶融、混合することなく押し潰される。従って、光の伝送に影響を来すことなく、また、プラスチック光ファイバ2の熱による組成劣化を最小に抑えた状態で端面3の処理をすることができる。各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅は小さくなり、生産に係る効率も悪くない。 【0030】また、プラスチック光ファイバ2の端面3がフェルール1の先端4に限りなく近づいていることから、必要以上にプラスチック光ファイバ2をホットプレート5の表面6に押し当てなくてもよくなる。従って、プラスチック光ファイバ2の開放端や接続端近傍の直径の変化を最小に抑えることができる。また、上述同様、各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅は小さくなる。プラスチック光ファイバ2の端面3に生じた切削加工による微少な傷は、ホットプレート5の表面6が転写されて平滑になり、光の伝送損失が小さいものとなる。 【0031】その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。尚、上述の端面処理方法においては、プラスチック光ファイバ2のコア7をクラッド8の融点よりも低いガラス転移点を有する材質で形成することと、プラスチック光ファイバ2の端面3をフェルール1の先端4に限りなく近づけること、の二つの特徴を有しているが、後者のみの特徴を有する端面処理方法を採用することも可能である。即ち、コア7及びクラッド8の材質を上述のように選定しないでプラスチック光ファイバ2を製造し、上記工程を行うことも当然に可能になる。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、プラスチック光ファイバの端面をホットプレートの面に押し当てても、そのプラスチック光ファイバを構成するコア及びクラッドが溶融、混合することなく押し潰されることから、プラスチック光ファイバの熱による組成劣化を最小に抑えた状態で端面の処理をすることができる。また、各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅を小さくすることができる。さらにまた、生産に係る効率を高めることができる。 【0033】請求項2に記載された本発明によれば、プラスチック光ファイバの端面をフェルールの先端に限りなく近づけていることから、必要以上にプラスチック光ファイバをホットプレートの面に押し当てなくてもよくなり、プラスチック光ファイバの開放端や接続端近傍の直径の変化を最小に抑えることができる。また、各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅を小さくすることができる。さらにまた、生産に係る効率を高めることができる。 【0034】請求項3に記載された本発明によれば、第一端面処理工程によりプラスチック光ファイバの端面をフェルールの先端に限りなく近づけていることから、必要以上にプラスチック光ファイバをホットプレートの面に押し当てなくてもよくなり、プラスチック光ファイバの開放端や接続端近傍の直径の変化を最小に抑えることができる。また、第一、第二端面処理工程により各製品毎の光の伝送損失のばらつき幅を小さくすることができるとともに、生産に係る効率を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006895 【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060690 【弁理士】 【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194535(P2001−194535A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−2411(P2000−2411) |
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