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【発明の名称】 導光板及びその製造方法
【発明者】 【氏名】梅本 清司

【要約】 【課題】透過モードや反射・透過両モードにおいて明るくてその均一性に優れ良好な表示品位の液晶表示装置を形成しうる導光板の開発。

【解決手段】面内の平均位相差が20nm以下の透明樹脂板(11)の片面に面内の平均位相差が20nm以下の透明フィルム(13)をそのフィルムとの屈折率差が0.1以内の粘着層(12)を介し接着してなり、かつ前記の透明フィルムがその外面にフィルム面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路制御斜面を具備する凹凸(A)の繰り返し構造を有する導光板並びに所定の凹凸構造を有する金型を介して透明フィルムの片面に前記凹凸の繰り返し構造を形成する工程、前記透明フィルムの凹凸の繰り返し構造を有しない面に粘着層を設ける工程、透明フィルムと透明樹脂板を所定の形状に成形する工程及び透明フィルムをそれに設けた粘着層を介して透明樹脂板と接着する工程を有する導光板の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 面内の平均位相差が20nm以下の透明樹脂板の片面に面内の平均位相差が20nm以下の透明フィルムをそのフィルムとの屈折率差が0.1以内の粘着層を介し接着してなり、かつ前記の透明フィルムがその外面にフィルム面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を有することを特徴とする導光板。
【請求項2】 請求項1において、略一定方向を向く光路制御斜面がその一面を基準にそれとは反対方向を向く面を含む状態で2面以上あり、透明樹脂板と粘着層との屈折率差が0.1以内である導光板。
【請求項3】 請求項1又は2において、光路制御斜面のフィルム面に対する傾斜角が38〜45度である導光板。
【請求項4】 請求項1〜3において、光路制御斜面が断面略二等辺三角形又はそれ以外の断面略三角形の溝構造に基づくものである導光板。
【請求項5】 請求項1〜3において、光路制御斜面が断面略四角形又は断面略五角形の溝又は突起構造に基づくものである導光板。
【請求項6】 請求項1〜5において、フィルム面に対する傾斜角が5度以下の平坦面の占有面積がフィルム片面に基づいて当該傾斜角が35度以上の斜面によるそれの10倍以上である導光板。
【請求項7】 請求項1〜6において、光路制御斜面を具備する凹凸構造がフィルム面に対する傾斜角38〜45度の光路制御斜面と当該傾斜角が5度以下で幅が光路制御斜面の10倍以上の平坦面からなり、かつフィルムの一端から他端にわたる断面略三角形の連続溝に基づくものである導光板。
【請求項8】 請求項1〜6において、光路制御斜面を具備する凹凸構造が断面略三〜五の多角形の不連続な溝に基づき、その不連続溝の長さが深さの5倍以上で、光路制御斜面がフィルム面に対する傾斜角38〜45度で溝の長さ方向に形成されており、フィルム片面に占める当該不連続溝部分の面積が10%以下である導光板。
【請求項9】 請求項1〜8において、光路制御斜面を具備する凹凸構造を形成した面に反射層を密着配置してなる導光板。
【請求項10】 請求項1〜9において、光路制御斜面の稜線が透明フィルムの一辺に対して平行な又は±30度以内で傾斜する導光板。
【請求項11】 請求項1〜10において、粘着層が光拡散型のものである導光板。
【請求項12】 請求項1〜11において、透明樹脂板がキャスティング方式による板を成形したものである導光板。
【請求項13】 所定の凹凸構造を有する金型を介して透明フィルムの片面にフィルム面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を形成する工程、前記透明フィルムの凹凸の繰り返し構造を有しない面に粘着層を設ける工程、透明フィルムと透明樹脂板を所定の形状に成形する工程、及び透明フィルムをそれに設けた粘着層を介して透明樹脂板と接着する工程を有することを特徴とする導光板の製造方法。
【請求項14】 請求項13において、光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を形成する工程が、透明フィルムの片面に紫外線硬化型樹脂を塗工し、その塗工層を金型の所定凹凸構造の形成面に密着させて紫外線照射により硬化処理した後、金型よりその透明フィルムを剥離回収する工程からなる導光板の製造方法。
【請求項15】 請求項13又は14において、透明樹脂板を所定形状に成形する工程が、キャスティング方式にて形成した樹脂板より所定の形状に切り出す工程からなる導光板の製造方法。
【請求項16】 請求項13〜15において、透明フィルムをそれに設けた粘着層を介して透明樹脂板と接着する工程が、透明フィルムと透明樹脂板を粘着層を介し接着したのち加熱加圧下に定着させる工程からなる導光板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光利用効率に優れて明るく見易い表示の液晶表示装置を形成しうる導光板及びその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、図4に例示した如く側面に照明装置21を有するサイドライト型導光板2の背面に反射層3を配置し、光出射側に液晶パネル42と偏光板41、43を備えた液晶表示ユニット4を配置してなる反射・透過両用の液晶表示装置が知られていた(特開平10−106328号公報)。これは消費電力の少ない反射型液晶表示装置の利点を活かしつつ照明装置を付加して暗部等では透過型液晶表示装置として視認できるようにしたものである。
【0003】前記の導光板は、梨地状のシボ構造を介した乱反射方式では出射光が垂直方向より大きくズレて明るい表示を達成しにくいため、側面入射光をプリズム状凹凸面による反射を介し光路制御して視認方向に垂直性よく光を出射させるようにして輝度に優れる表示を達成できるようにしたものである。しかしながら反射モードや透過モードにおいて表示が暗くなったり、表示に明暗ムラが発生しやすい問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、透過モードや反射・透過両モードにおいて明るくてその均一性に優れ良好な表示品位の液晶表示装置を形成しうる導光板の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、面内の平均位相差が20nm以下の透明樹脂板の片面に面内の平均位相差が20nm以下の透明フィルムをそのフィルムとの屈折率差が0.1以内の粘着層を介し接着してなり、かつ前記の透明フィルムがその外面にフィルム面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を有することを特徴とする導光板、並びに所定の凹凸構造を有する金型を介して透明フィルムの片面に前記凹凸の繰り返し構造を形成する工程、前記透明フィルムの凹凸の繰り返し構造を有しない面に粘着層を設ける工程、透明フィルムと透明樹脂板を所定の形状に成形する工程、及び透明フィルムをそれに設けた粘着層を介して透明樹脂板と接着する工程を有することを特徴とする導光板の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の効果】本発明の導光板によれば、明るさの低下やバラツキ等による表示ムラが発生しにくく、透過モードや反射・透過両モードにおいて明るくてその均一性に優れ良好な表示品位の液晶表示装置を形成することができる。これは上記した従来の導光板による輝度低下や明暗ムラの発生原因が導光板による位相差であることを究明し、この知見に基づいて導光板の位相差を可及的に低減したことによる。
【0007】すなわち導光板の位相差は、導光板自体の輝度評価ではその影響が現れにくいが、それを液晶表示装置のバックライト等として供した場合に偏光状態の解消や変化の原因となり、そのため液晶表示に有効利用できる光量が全体的に又は部分的に低減して輝度低下や明暗ムラを発生する原因となる。従って液晶表示に利用する場合には、導光板の位相差を可及的に低減して偏光板等を介した偏光の状態が可及的に変化しにくい導光板とすることが必要となる。従来の導光板は通例、射出成形方式にて形成されており、かかる成形方式では分子配向等による光学歪が生じやすくて位相差が大きく、かつ部分的にバラツキやすい導光板となりやすい。
【0008】従って本発明による導光板によれば、導光板の側面より入射させた光を光路制御斜面を介し指向性よく反射して視認に有利な光を効率よく形成できて明るい透過モードによる表示を達成することができる。また光路制御斜面とその10倍以上の面積の平坦面との組合せとして導光板の背面に反射層を設けることにより、外光の入射効率及び反射後の透過効率にも優れて前記の透過モードによる良好な表示に加えて、反射モードによる明るい表示も達成することができる。従って明るくてその均一性に優れる透過型や反射・透過両用型の液晶表示装置を得ることができる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明による導光板は、面内の平均位相差が20nm以下の透明樹脂板の片面に面内の平均位相差が20nm以下の透明フィルムをそのフィルムとの屈折率差が0.1以内の粘着層を介し接着してなり、かつ前記の透明フィルムがその外面にフィルム面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を有するものからなる。その例を図1、図2に示した。1が導光板で、11が透明樹脂板、12が粘着層、13が透明フィルムであり、Aが光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を形成する単位の光路変換手段である。
【0010】透明樹脂板としては、図1、2の例の如く上面、それに対向する下面及び上下面間の側面を有する板状物11よりなり、その側面の1面又は2面以上を照明装置からの光を入射させる入射側面としてその入射側面からの入射光を上下面の一方に接着した透明フィルム13による光路変換手段Aを介して上下面の他方より出射するようにした、面内の平均位相差すなわち上下面方向の平均位相差が20nm以下のものが用いられる。
【0011】表示ムラを防止する点より透明樹脂板における面内の好ましい平均位相差は、18nm以下、就中16nm以下、特に14nm以下であり、その位相差の場所毎のバラツキが可及的に小さいものがより好ましい。かかる低位相差の透明樹脂板の形成は、例えば既成樹脂板を焼鈍処理する方式等にて内部の光学歪みを除去する方式などの適宜な方式にて行いうる。好ましい形成方式は、キャスティング方式にて位相差の小さい透明樹脂板を形成してそれより目的とする所定形状の透明樹脂板を切出し成形する方式である。
【0012】なお透明樹脂板における前記の位相差条件は、導光板の表示に利用する範囲で満足されればよく、導光板の全面で満足される必要はないが、表示に利用する範囲ではその全範囲で満足されていることが必要である。また当該位相差は、可視域の光、特に波長550nmの光に基づくものであることが好ましい。
【0013】透明樹脂板は図例の如く、同厚型のものであってもよいし、入射側面に対向する対向端の厚さを入射側面のそれよりも薄くしたものであってもよく適宜な形態とすることができる。対向端の薄型化は、軽量化や光路変換手段への入射側面からの入射光の入射効率の向上などの点より有利である。また面形状についても直線面や曲面などの適宜な形状とすることができる。
【0014】従って透明樹脂板における上下面や側面ないし入射側面の形状については特に限定はなく、適宜に決定してよい。一般には透明フィルムを設けない面はフラットとされ、その面に対して垂直な入射側面とされる。入射側面については、例えば湾曲凹形などの照明装置の外周等に応じた形状として入射光率の向上をはることもできる。さらに照明装置との間に介在する導入部を有する入射側面構造などとすることもできる。その導入部は、照明装置などに応じて適宜な形状とすることができる。
【0015】透明樹脂板の厚さは、使用目的による導光板のサイズや照明装置の大きさ、位相差の程度などにより適宜に決定することができる。液晶表示装置等の形成に用いる場合の一般的な厚さは、その入射側面に基づき5mm以下、就中0.1〜3mm、特に0.3〜2mmである。なお透明樹脂板は、例えば位相差の制御等を目的に同種又は異種の材料からなる板ないしシートを接着したものの如く積層体などとして形成されていてもよく、1種の材料による一体的単層物として形成されている必要はない。
【0016】透明フィルム13は、図例の如く透明樹脂板11の片面に接着してその入射側面からの入射光ないしその伝送光を光路制御斜面を介し反射させ透明樹脂板の透明フィルムを有しない面側に光路変換して出射させ、その出射光を液晶パネル等の照明光(表示光)として利用することを目的とし、本発明にては面内の平均位相差が20nm以下のものにて形成される。表示ムラを防止する点より透明フィルムにおける面内の好ましい平均位相差は、15nm以下、就中12nm以下、特に10nm以下であり、その位相差の場所毎のバラツキが可及的に小さいものがより好ましい。
【0017】なお透明フィルムにおける前記の位相差条件は、導光板の表示に利用する範囲で満足されればよく、導光板の全面で満足される必要はないが、表示に利用する範囲ではその全範囲で満足されていることが必要である。また当該位相差は、可視域の光、特に波長550nmの光に基づくものであることが好ましい。
【0018】透明フィルム13は、前記した目的を達成する点より図3に例示した如く入射側面からの入射光ないしその伝送光を所定方向に反射して光路変換する斜面A1をフィルムの外側の面に有するものとされる。その場合、本発明にては光路変換を介して正面方向への指向性に優れる照明光を得る点より図3(a)に示した如く、フィルム面A4に対する傾斜角θが35〜48度で略一定方向を向く光路制御斜面A1を具備する凹凸、すなわち光路変換手段Aの繰り返し構造を有するものとされる。
【0019】前記した光路制御斜面A1を有する光路変換手段Aの例を図3(a)〜(f)に示した。その(a)〜(c)では光路変換手段Aが断面略三角形のものからなり、(d)、(e)では断面略四角形、(f)では断面略五角形のものからなる。また(a)では二等辺三角形による2面の光路制御斜面A1を有し、(b)では光路制御斜面A1と傾斜角が斜面A1よりも大きい急斜面A2を有する光路変換手段Aを有するものからなる。(c)では光路制御斜面A1と傾斜角が小さい緩斜面A3とを単位とする光路変換手段Aが隣接連続状態の繰返し構造としてフィルム片側の全面に形成されたものからなり、(d)、(f)では凸部(突起)からなる光路変換手段Aを、(e)では凹部(溝)からなる光路変換手段Aを有するものからなる。
【0020】従って前記した例のように光路変換手段は、等辺面ないし同じ傾斜角の斜面からなる凸部又は凹部にても形成できるし、光路制御斜面と急斜面又は緩斜面ないし傾斜角が相違する斜面からなる凸部又は凹部にても形成でき、その斜面形態は入射側面の数や位置にて適宜に決定することができる。耐擦傷性の向上による斜面機能の維持の点よりは、凸部よりも凹部からなる光路変換手段として形成されていることが斜面等が傷付きにくくて有利である。
【0021】上記した正面方向への指向性等の特性を達成する点などより好ましい透明フィルムは、光路制御斜面A1が向く略一定方向を照明装置からの光を入射させる入射側面と対面する方向としたものである。従って導光板の2側面以上を入射側面として利用する場合には、その数と位置に対応して光路制御斜面A1を有する透明フィルムとしたものが好ましく用いられる。
【0022】ちなみに導光板の対向する2側面を入射側面とする場合には、図3(a)の如き断面略二等辺三角形からなる光路変換手段Aによる2面の光路制御斜面A1や、図3(d)、(e)、(f)の如き断面略台形ないし四角形又は断面略五角形からなる光路変換手段Aによる2面の光路制御斜面A1をその稜線が入射側面に沿う方向となる状態で有するものの如く、略一定方向を向く光路制御斜面がその一面を基準にそれとは反対方向を向く面を含む状態で2面以上有する透明フィルム11が好ましく用いられる。
【0023】また導光板の縦横で隣接する2側面を入射側面とする場合には、その側面に対応して稜線が縦横の両方向に沿う状態で光路制御斜面A1を有する透明フィルムが好ましく用いられる。さらには対向及び縦横を含む3側面以上を入射側面とする場合には、前記の組合せからなる光路制御斜面A1を有する透明フィルムが好ましく用いられる。
【0024】上記したように光路制御斜面A1は、入射側面よりの入射光ないしその伝送光の内、その面A1に入射する光を反射して光路変換する役割をする。その場合、光路制御斜面A1のフィルム面に対する傾斜角を35〜48度とすることにより側面入射光ないしその伝送光をフィルム面に対し垂直性よく光路変換して正面への指向性に優れる照明光を効率よく得ることができる。
【0025】前記の傾斜角が35度未満では反射光の光路が正面方向より30度以上の方向に大きくずれて表示に有効利用しにくく正面方向の輝度に乏しくなり、48度を超えると側面入射光ないしその伝送光を全反射させる条件から外れて光路制御斜面よりの漏れ光が多くなり側面入射光の光利用効率に乏しくなる。正面への指向性に優れる光路変換や漏れ光の抑制等の点より光路制御斜面A1の好ましい傾斜角は、導光板内を伝送される光のスネルの法則による屈折に基づく全反射条件などを考慮して38〜45度、就中40〜44度である。
【0026】上記の光路制御斜面A1を具備する光路変換手段Aは通例、透明フィルムの薄型化を目的に凹凸の繰返し構造として形成される。その場合、入射側面からの入射光を後方に反射し対向側面側に効率よく伝送して導光板全面で可及的に均一に発光させる点よりは、図3に例示の如くフィルム面に対する傾斜角が5度以下、就中4度以下、特に3度以下の緩斜面A3ないし当該傾斜角が略0度のフィルム面A4からなる平坦面を含む構造とすることが好ましい。従って図3(b)、(e)に例示の急斜面A2を含む光路変換手段Aでは、その急斜面の角度を35度以上、就中50度以上、特に60度以上としてフィルム面A4の幅を広くできる構造とすることが好ましい。
【0027】また前記の緩斜面A3やフィルム面A4からなる平坦面は、図4の例の如く導光板の背面側、すなわち透明フィルム13の背面側に反射層3を配置した場合に、外光の入射部分及びその入射光の反射層3を介した反射光の透過部分として機能させることができ、これにより照明装置を消灯した外光による反射モードでの表示を可能として反射・透過両用型の液晶表示装置の形成を可能とする。
【0028】前記の場合、特に図3(c)の如き斜面A1、A3による光路変換手段Aの隣接繰返し構造からなるときには、その緩斜面A3のフィルム面に対する傾斜角の角度差を透明フィルムの全体で5度以内、就中4度以内、特に3度以内、さらに最寄りの緩斜面間の傾斜角の差を1度以内、就中0.3度以内、特に0.1度以内とすることが好ましい。これは緩斜面A3を介した反射光路を大きく変化させないこと、特に最寄りの緩斜面間で大きく変化させないことを目的とする。図3(f)の如き斜面A1、A3による光路変換手段Aの場合も前記に準じうる。
【0029】また外光モードによる明るい表示を得る点よりは、フィルム面に対する傾斜角が5度以下の緩斜面A3やフィルム面A4からなる平坦面の占有面積ないし幅を光路変換手段Aを形成したフィルム片面に基づいて当該傾斜角が35度以上の斜面A1やA2によるそれの10倍以上、就中12倍以上、特に15倍以上とすることが好ましい。これは外光の入射効率とその反射層を介した反射光の透過効率の向上を目的とする。
【0030】光路変換手段Aは、その稜線が入射側面に平行又は傾斜状態で沿うように設けられるがその場合、光路変換手段Aは透明フィルムの一端から他端にわたり連続して形成されていてもよいし、断続的に不連続に形成されていてもよい。不連続に形成する場合、伝送光の入射効率や光路変換効率などの点よりその溝又は突起からなる凹凸の入射側面に沿う方向の長さを深さ又は高さの5倍以上とすることが好ましく、また導光板上での均一発光化の点より前記長さを500μm以下、就中10〜480μm、特に50〜450μmとすることが好ましい。
【0031】光路変換手段Aを形成する斜面は、直線面や屈折面や湾曲面等の適宜な面形態に形成されていてよく、光路変換手段Aの断面形状やそれを介した光路制御斜面A1の繰返しピッチについては特に限定はない。光路制御斜面A1が透過(点灯)モードでの輝度決定要因となることより導光板上での発光の均一性や、反射・透過両用型では外光モードでの発光の均一性などに応じて適宜に決定でき、その分布密度にて光路変換光量を制御することができる。
【0032】従って斜面A1、2、3の傾斜角等がシートの全面で一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処して導光板上での発光の均一化を図ることを目的に入射側面から遠離るほど光路変換手段Aを大きくしてもよい。また一定ピッチの光路変換手段Aとすることもできるし、入射側面から遠離るほど徐々にピッチを狭くして光路変換手段Aの分布密度を多くしたものとすることもできる。さらにランダムピッチにて導光板上での発光の均一化を図ることもできる。よって光路変換手段Aは、ピッチに加えて形状等も異なる凹凸の組合せからなっていてもよい。
【0033】なお反射・透過両用型の液晶表示装置とする場合、光路制御斜面A1が液晶パネルの画素とオーバーラップすると表示光の透過不足で不自然な表示となることがあり、それを防止する点などよりはそのオーバーラップ面積を可及的に小さくして平坦面A3、4を介した充分な光透過率を確保することが好ましい。かかる点より液晶パネルの画素ピッチが一般に100〜300μmであることも考慮して光路制御斜面A1は、そのフィルム面に対する投影幅に基づいて40μm以下、就中3〜20μm、特に5〜15μmとなるように形成することが好ましい。かかる投影幅は、一般に蛍光管のコヒーレント長が20μm程度とされている点などより回折による表示品位の低下を防止する点よりも好ましい。
【0034】一方、前記の点よりは光路制御斜面A1の間隔の大きいことが好ましいが、他方で光路制御斜面は上記したように側面入射光の光路変換による実質的な照明光形成の機能部分であるから、その間隔が広すぎると点灯時の照明が疎となって不自然な表示となる場合がありそれらを鑑みた場合、光路制御斜面A1の繰返しピッチは、5mm以下、就中20μm〜3mm、特に50μm〜2mmとすることが好ましい。
【0035】また凹凸の繰返し構造からなる光路変換手段の場合、液晶パネルの画素と干渉してモアレを生じる場合がある。モアレの防止は、その繰返し構造のピッチ調節で行いうるが、上記したように繰返し構造のピッチには好ましい範囲がある。従ってそのピッチ範囲でモアレが生じる場合の解決策が問題となる。本発明においては、画素に対して凹凸の繰返し構造を交差状態で配列しうるように凹凸の稜線を入射側面に対し傾斜する状態に形成してモアレを防止する方式が好ましい。
【0036】前記の場合、入射側面に対する傾斜角が大きすぎると光路制御斜面A1を介した反射に偏向を生じて光路変換の方向に大きな偏りが発生し表示品位の低下原因となりやすいことから、その稜線の入射側面に対する傾斜角は、±30度以内、就中±25度以内とすることが好ましい。なお±の符号は入射側面を基準とした稜線の傾斜方向を意味する。液晶パネルの解像度が低くてモアレを生じない場合やモアレを無視しうる場合には、かかる稜線は入射側面に平行なほど好ましい。
【0037】上記した透明樹脂板や透明フィルムは、照明装置の波長域に応じそれに透明性を示す適宜な材料にて形成しうる。ちなみに可視光域では、例えばアクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂やノルボルネン系樹脂等で代表される透明樹脂などがあげられる。就中、面内の平均位相差を20nm以下とする点より、複屈折を示さないか、複屈折の小さい材料を用いることが好ましい。また透明フィルムでは、接着処理にて内部応力が発生する場合があり、かかる内部応力による位相差の発生を防止する点よりは光弾性係数の小さい材料を用いることが好ましい。
【0038】透明フィルムは、例えば熱可塑性樹脂を所定の形状を形成しうる金型に加熱下に押付て形状を転写する方法、加熱溶融させた熱可塑性樹脂あるいは熱や溶媒を介して流動化させた樹脂を所定の形状に成形しうる金型に充填する方法、熱や紫外線、あるいは電子性等の放射線で重合処理しうる液状樹脂を所定の形状を形成しうる型に充填ないし流延して重合処理する方法などの適宜な方法で形成することができる。
【0039】透明フィルムの好ましい形成方法は例えば、位相差の小さい透明フィルムの片面に紫外線ないし放射線等で重合処理しうる硬化型樹脂を塗工し、その塗工層を金型の所定凹凸構造の形成面に密着させて紫外線や放射線等の照射により硬化処理した後、金型よりその透明フィルムを剥離回収する方法の如く、所定の凹凸構造を有する金型を介して透明フィルムの片面に光路制御斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を付加する方法である。
【0040】前記の如く透明フィルムは、光路変換手段を有する状態に一体成形して得ることもできるし、透明フィルムの片面に光路変換手段を付加する方法にても得ることができる。後者の場合、付加する光路変換手段と透明フィルムの屈折率差が大きいと界面反射等にて出射効率が大きく低下する場合があり、それを防止する点より透明フィルムと付加する光路変換手段との屈折率差を可及的に小さくすること、就中0.10以内、特に0.05以内とすることが好ましい。またその場合、透明フィルムよりも付加する光路変換手段の屈折率を高くすることが出射効率の点より好ましい。透明フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが一般には薄型化などの点より300μm以下、就中5〜200μm、特に10〜100μmとされる。
【0041】導光板は、例えば透明フィルムの凹凸の繰り返し構造を有しない面に粘着層を設けて所定形状に成形し、その透明フィルムをそれに設けた粘着層を介して所定形状に成形した透明樹脂板と接着し、それを必要に応じて加熱加圧処理して透明樹脂板と透明フィルムの接着状態を定着安定化させる方法などの適宜な積層方法にて、図例の如く透明樹脂板11の片面に粘着層12を介し凹凸の繰り返し構造の形成面が外側となるように透明フィルム13を接着することにより製造することができる。
【0042】前記の粘着層12を介した接着処理は、光路変換手段Aの光路制御斜面A1を介した反射効率、ひいては側面入射光の有効利用による輝度向上などを目的とし、その場合に本発明においては界面反射で光が導光板内に閉じ込められ出射できずに損失となる光量を抑制する点より透明フィルムとの屈折率差が0.1以内、就中0.05以内の粘着層が用いられる。また同様の理由で透明樹脂板と粘着層との屈折率差も0.1以内、就中0.05以内であることが好ましい。
【0043】粘着層は、それに例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系粒子や、架橋又は未架橋ポリマー等の有機系粒子などの適宜な透明粒子を含有させて光拡散型のものとすることもできる。
【0044】導光板における透明フィルムの光路制御斜面を形成した面には必要に応じて反射層を密着配置することもできる。かかる反射層は、透明フィルムよりの漏れ光を反射反転させて再入射させることによる光利用効率の向上や反射・透過両用型の液晶表示装置の形成を目的とする。
【0045】反射層は、従来に準じた白色シートなどの適宜なものにて形成することができる。就中、例えばアルミニウムや銀、金や銅やクロム等の高反射率の金属ないしその合金の粉末をバインダ樹脂中に含有させた塗工層、前記の金属等や誘電体多層膜を真空蒸着方式やスパッタリング方式等の適宜な薄膜形成方式で付設してなる層、前記の塗工層や付設層をフィルム等からなる基材で支持した反射シート、金属箔などからなる高反射率の反射層が好ましく、反射・透過両用型の液晶表示装置を形成する場合に特に好ましい。
【0046】形成する反射層は、光拡散機能を示すものであってもよい。拡散反射面にて反射光を拡散させることにより正面方向への指向性の向上を図ることができ、また粗面化による場合には密着によるニュートンリングの発生を防止して視認性を向上させることができる。
【0047】光拡散型の反射層の形成は、例えばサンドブラストやマット処理等による表面の粗面化方式や、粒子添加方式などの適宜な方式で表面を微細凹凸構造としたフィルム基材等にその微細凹凸構造を反映させた反射層を設ける方式などにより行うことができる。その表面の微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式やイオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属をフィルム基材等の表面に付設する方法などにより行うことができる。
【0048】また導光板の透明樹脂板における透明フィルムを有しない側、すなわち光出射面となる側には必要に応じて図2に例示した如き光拡散層14や反射防止層などの適宜な光学層を設けることもできる。その光拡散層や反射防止層等の光学層については特に限定はなく、従来に準じた適宜なものにて形成することができる。
【0049】本発明による導光板は、上面及び下面からの入射光が下面又は上面より効率よく透過して偏光状態を良好に維持し、図4の例の如くその1又は2以上の側面に照明装置21を配置したサイドライト型導光板よりなる面光源装置として精度よく平行化された光を視認に有利な垂直性に優れる方向に照明装置からの光の利用効率よく出射し、それをバックライトやフロントライトに用いて明るくて見やすい透過型や低消費電力性に優れる反射・透過両用型の液晶表示装置などの種々の装置を形成することができる。
【0050】なお上記した照明装置には、例えば(冷,熱)陰極管等の線状光源、発光ダイオード等の点光源やそれを線状や面状等に配列したアレイ体、あるいは点光源を線状導光板を介して線状発光状態に変換する装置などの適宜なものを用いることができる。その場合、照明装置は、透過モードによる視認を可能とするものであり、反射モードでは点灯する必要がないので反射・透過両用型の液晶表示装置などでは点灯・消灯を切り替えうるものとされる。
【0051】面光源装置の形成に際しては、必要に応じ照明装置からの発散光を導光板1の入射側面に導くために照明装置を包囲するリフレクタなどの適宜な補助手段を配置した組合せ体とすることもできる。リフレクタとしては、高反射率金属薄膜を付設した樹脂シートや金属箔などが一般に用いられる。リフレクタは、導光板の端部に接着剤等を介して接着する方式などにより照明装置の固定手段としても用いうる。
【0052】また液晶表示装置の形成には、例えばTN液晶パネルやSTN液晶パネル、IPS液晶パネルやHAN液晶パネル、OCB液晶パネルやVA液晶パネルの如きツイスト系や非ツイスト系、ゲストホスト系や強誘電性液晶系の液晶パネル、あるいは光拡散型の液晶パネルなどの適宜なものを用いうる。また液晶の駆動方式についても特に限定はなく、例えばアクティブマトリクス方式やパッシブマトリクス方式などの適宜な駆動方式であってよい。
【0053】
【実施例】実施例1予め所定形状に加工した金型にアクリル系の紫外線硬化型樹脂(東亞合成社製、アロニックスUV−3701)をスポイトにて滴下充填し、その上に厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(表面ケン化処理物)を静置しゴムローラで密着させて余分な樹脂と気泡を除去しメタルハライドランプにて紫外線を照射して硬化処理した後、金型から剥離し所定寸法に裁断して屈折率1.49のTACフィルムの片面に屈折率1.533の光路変換手段を有する透明フィルムを得、その光路変換手段を有しない面に屈折率1.47の粘着層を付設した。
【0054】なお前記の透明フィルムは、幅40mm、奥行30mmであり、稜線が幅方向に平行な連続溝を210μmのピッチで有し、その光路制御斜面A1の傾斜角が42.5〜43度で幅が10〜14μmであり、急斜面A2との頂角が70度、平坦部(A4)の面積が光路制御斜面と急斜面のフィルム面に対する投影合計面積の10倍以上の光路変換手段(図3b)を有して、面内の位相差が幅方向を向いて5nmの一定値のものからなる。
【0055】次に前記の透明フィルムをその粘着層を介し、キャスティング方式で形成した厚さ1.5mm、屈折率1.49、面内の位相差が長さ方向を向いて11nmの一定値からなるポリメチルメタクリレートより切り出し成形した幅42mm、奥行32mmの透明樹脂板に接着して導光板を得た。
【0056】ついで前記導光板の側面に冷陰極管を配置して銀蒸着の反射シートからなるリフレクタにて包囲し、その両端部を導光板の上下端部に接着して冷陰極管を固定した後、その光路変換手段形成面の背面に白色ポリエステルフィルムからなる反射シートを配置して面光源装置とした後、導光板の光出射側に市販のノーマリーホワイトの透過型TN型液晶パネルを配置して透過型液晶表示装置を得た。
【0057】実施例2導光板の光路変換手段を有しない面に粘着層を介して光拡散型の銀反射シートを接着し、導光板の光路変換手段を形成した面を液晶パネル側としたほかは実施例1に準じて面光源装置と反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。
【0058】比較例1透明フィルムに変えて、サンドブラスト加工面にて成形した面内の位相差が幅方向を向いて5nmの一定値からなる散乱フィルムを用いて導光板を形成したほかは実施例1に準じて面光源装置と透過型液晶表示装置を得た。なお散乱フィルムは、粗面を外側として配置した。
【0059】比較例2光路制御斜面の傾斜角が約30度で、幅が11〜16μmの透明フィルムとしたほかは、それを用いて実施例1に準じ導光板、面光源装置及び透過型液晶表示装置を得た。
【0060】比較例3射出成形方式でポリメチルメタクリレートからなる幅40mm、奥行30mm、厚さ1.5mmで、実施例2に準じた光路変換手段を有する導光板を一体成形して得、それを用いて面光源装置と反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。
【0061】比較例4比較例2で得た導光板を用いて実施例2に準じ面光源装置及び反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。
【0062】比較例5比較例3で得た導光板を用いて実施例2に準じ面光源装置及び反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。
【0063】評価試験実施例、比較例で得た導光板における四隅と中央の5点の位相差を調べ、その平均値を算出した。また実施例1及び比較例1、2で得た透過型液晶表示装置について、液晶パネルに電圧を印加しない状態で冷陰極管を点灯させ装置中央部での正面輝度を輝度計(トプコン社製、BM7)にて調べた。さらに実施例2及び比較例3〜5で得た反射・透過両用型の液晶表示装置について、冷陰極管を消灯したリング状照明による外光を15度の角度で入射させる反射モードにおける白状態での正面輝度を調べた。
【0064】前記の結果を次表に示した。
平均位相差 正面輝度(cd/m (nm) 透過モード 反射モード 実施例1 6 158 − 実施例2 5 114 482 比較例1 5 34 − 比較例2 5 52 − 比較例3 42 121 322 比較例4 6 24 386 比較例5 6 40 410【0065】表より、実施例1、2、比較例1、2、4,5では平均位相差が10nm以下であったのに対し、比較例3では40nmであり、特にゲート近傍では最大140nmの大きい位相差が発生していた。また透過モードにおいて実施例1では比較例1、2に比べて、実施例2では比較例4、5に比べて優れた正面輝度の達成されていることがわかる。さらに反射透過モードにおいても実施例2では比較例3、4、5に比べて優れた正面輝度の達成されていることがわかる。特に比較例3ではゲート近傍が暗くて輝度の均一性にも劣ったものであった。以上より透過型又は反射・透過両用型として実用に供しうるのは、実施例1、2のみであることがわかる。
【出願人】 【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
【出願日】 平成12年1月13日(2000.1.13)
【代理人】 【識別番号】100088007
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勉
【公開番号】 特開2001−194534(P2001−194534A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−4240(P2000−4240)