| 【発明の名称】 |
光路変換偏光板 |
| 【発明者】 |
【氏名】梅本 清司
【氏名】有吉 俊彦
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| 【要約】 |
【課題】側面方向よりの入射光を効率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るくて見易い表示の透過型や反射・透過両用型の液晶表示装置を形成しうる光学部材の開発。
【解決手段】偏光板(P)の片側にその表面層との屈折率差が0.1以内の粘着層(15)を有し、かつ前記偏光板の他方側に偏光板面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路変換斜面(A1)を具備する凹凸の繰り返し構造(11)を有する光路変換偏光板。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 偏光板の片側にその表面層との屈折率差が0.1以内の粘着層を有し、かつ前記偏光板の他方側に偏光板面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路変換斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を有することを特徴とする光路変換偏光板。 【請求項2】 請求項1において、略一定方向を向く光路変換斜面が一面又はその一面を基準にそれとは反対方向を向く面を含む状態で2面以上あり、粘着層が剥離シートでカバーされた光路変換偏光板。 【請求項3】 請求項1又は2において、光路変換斜面の偏光板面に対する傾斜角が38〜45度である光路変換偏光板。 【請求項4】 請求項1〜3において、光路変換斜面が断面略二等辺三角形又はそれ以外の断面略三角形の溝構造に基づくものである光路変換偏光板。 【請求項5】 請求項1〜4において、光路変換斜面が断面略四角形又は断面略五角形の溝又は突起構造に基づくものである光路変換偏光板。 【請求項6】 請求項1〜5において、偏光板面に対する傾斜角が5度以下の平坦面を偏光板片面における占有面積に基づいて当該傾斜角が35度以上の斜面の10倍以上有する光路変換偏光板。 【請求項7】 請求項1〜4又は6において、光路変換斜面を具備する凹凸構造が偏光板面に対する傾斜角38〜45度の光路変換斜面と当該傾斜角が5度以下で幅が光路変換斜面の10倍以上の平坦面からなり、かつ偏光板の一端から他端にわたる断面略三角形の連続溝に基づくものである光路変換偏光板。 【請求項8】 請求項1〜6において、光路変換斜面を具備する凹凸構造が断面略三〜五の多角形の不連続な溝に基づき、その不連続溝の長さが深さの5倍以上で、光路変換斜面が偏光板面に対する傾斜角38〜45度で溝の長さ方向に形成されており、偏光板片面に占める当該不連続溝部分の面積が10%以下である光路変換偏光板。 【請求項9】 請求項1〜8において、光路変換斜面を具備する凹凸構造が偏光板の透明保護層に付加されてなる、又は透明保護層と同体に形成されてなる光路変換偏光板。 【請求項10】 請求項1〜9において、光路変換斜面を具備する凹凸構造を形成した面に反射層を密着配置してなる光路変換偏光板。 【請求項11】 請求項1〜10において、光路変換斜面の稜線が偏光板の一辺に対して平行な又は±30度以内で傾斜する光路変換偏光板。 【請求項12】 請求項1〜11において、粘着層が光拡散型のものである光路変換偏光板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の技術分野】本発明は、側面入射光を効率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るくて見易い表示の透過型や反射・透過両用型の液晶表示装置を形成しうる光路変換偏光板に関する。 【0002】 【発明の背景】TVやパソコン画面の大型化に伴う高重量化の抑制、携帯パソコンや携帯電話等の小型軽量化などを目的に透過型液晶表示装置の更なる薄型軽量化が求められる中、従来の直下型やサイドライト型導光板によるバックライトを設けたものでは、その薄型軽量化が困難となっている。ちなみに直下型のバックライトでは液晶表示パネルの直下に照明装置と共に光拡散板や反射板が配置されて通例4mm以上の厚さとなり、サイドライト型導光板でも光伝送の必要上1mm以上の板厚となりそれに光拡散板や反射板やプリズムシートなどを配置した場合には通例3mm以上の厚さとなる。 【0003】また前記した透過型液晶表示パネルとバックライトの間に半透過型反射板を配置して外光による反射モードにても視認できるようにした反射・透過両用型の液晶表示装置も知られていた。半透過型反射板の配置は、反射モードによる視認の可能化を目的とし、それなしでは外光による反射モードでの視認が暗くて反射型の液晶表示装置として実質的に機能しにくい。しかしながら半透過型反射板の付加で更に嵩高高重量化することに加えて、半透過型反射板では透過光と反射光に分散されるため透過モードでの視認を暗くし、また反射モードでも視認を暗くしてその明るさが高反射率の反射層による反射専用のものに及びにくい問題点があった。 【0004】 【発明の技術的課題】本発明は、側面入射光を効率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るくて見易い表示の透過型や反射・透過両用型の液晶表示装置を形成しうる光学部材の開発を課題とする。 【0005】 【課題の解決手段】本発明は、偏光板の片側にその表面層との屈折率差が0.1以内の粘着層を有し、かつ前記偏光板の他方側に偏光板面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路変換斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を有することを特徴とする光路変換偏光板を提供するものである。 【0006】 【発明の効果】本発明の光路変換偏光板によれば、それを側面に照明装置を有する液晶セルの視認面に沿わせて配置することにより、前記側面からの入射光ないしその伝送光を偏光板に設けた光路変換斜面を介し液晶セルの視認方向に効率よく光路変換して透過モードでの液晶表示に利用でき、薄さと軽量性に優れ明るくて表示品位に優れる透過型の液晶表示装置を形成することができる。また偏光板の光路変換斜面間に平坦面部分を設けることで外光を効率よく入射させることができその入射光を反射層を介し反射させて反射モードでの液晶表示に利用でき、前記した透過モード機構に加えて反射モード機構も形成できて薄さと軽量性に優れ明るくて表示品位に優れる反射・透過両用型の液晶表示装置を形成することができる。 【0007】前記の効果は、主に斜面反射による光路制御式の偏光板としたことによる。すなわち光路変換斜面を介して側面からの入射光ないしその伝送光を反射させることで指向性よく光路変換できて透過モードでの良視認が達成されると共に、光路変換斜面間に容易に平坦面を配置できてその平坦面を介し外光を透過させて充分な外光入射を確保でき反射モードでの良視認も達成される。図9に例示の如く偏光板Pに防眩層61等の散乱層を設けた散乱型偏光板6を粘着層62を介し液晶セル2に接着しても上記した液晶セルを照明するための光は実質的に得られないし、また散乱シート等による粗面を介した散乱反射方式では前記効果の達成は困難である。ちなみに特開平5−158033号公報では液晶セルの側面より照明光を入射させて視認側セル基板で全反射させその反射光を粗面型の反射板で散乱させて表示に利用する反射型液晶表示装置を教示する。 【0008】しかし前記の場合、表示に利用できる光は、散乱で全反射条件から外れてパネルより出射する光であり、一般に散乱光は正反射方向をピークとする正規分布を示すことから(第20回液晶討論会講演予稿集3 G510、東北大学;内田等)、前記の表示光は、正面(垂直)方向より大きく傾斜した光で表示に有効利用しにくく正面方向では暗い表示となる。さりとて粗面型反射板による散乱を強くすると反射モードでの正面方向の光量を低減させて、やはり表示に不利となる(SID 96 DIGEST 2149-152)。従ってかかる粗面散乱反射方式では透過と反射の両モードに要求される散乱強さが背反関係にあるため両者に有利な散乱強さとすることが困難である。 【0009】一方、本発明による斜面反射による光路制御式の偏光板では、ピークを示す正反射方向の光の利用を主体としその反射光の光路を制御するものであることから表示に有利な指向性、就中、正面方向の指向性を容易にもたせることができて明るい透過モードを達成することができる。また反射モードにても偏光板の光路変換斜面以外の平坦部分を利用して外光の効率的な入射と反射透過を確保でき、反射と透過の両モードに有利な状態に容易にバランスさせることができる。 【0010】 【発明の実施形態】本発明による光路変換偏光板は、偏光板の片側にその表面層との屈折率差が0.1以内の粘着層を有し、かつ前記偏光板の他方側に偏光板面に対する傾斜角が35〜48度で略一定方向を向く光路変換斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を有するものからなる。その例を図1に示した。1が光路変換偏光板であり、11が光路変換斜面A1を具備する凹凸すなわち光路変換手段Aの繰り返し構造層である。また12、14は透明保護層で、13は偏光フィルムでありそれらが偏光板Pを形成し、15が粘着層である。さらに16は剥離シートである。 【0011】偏光板としては、適宜なものを用いることができ特に限定はない。一般には図例の如く偏光フィルム13の片側又は両側に透明保護層12、14を接着してなる偏光板Pなどが用いられる。高度な直線偏光の入射による良好なコントラスト比の表示を得る点などよりは、例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸処理してなる吸収型偏光フィルムを用いたものなどの如く偏光度の高いものが好ましく用いうる。 【0012】また前記した透明保護層の形成には、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れるものが好ましく用いられる。その例としてはアセテート系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂やポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂やノルボルネン系樹脂の如きポリマー、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられる。透明保護層は、フィルムとしたものの接着方式やポリマー液等の塗布方式などにより付与することができる。 【0013】図7に例示した如く光路変換偏光板1は、側面に照明装置5を有する液晶セル2の視認面に沿う方向に配置し、前記照明装置による側面方向からの入射光ないしその伝送光を矢印の如く光路変換斜面A1を介し反射させて偏光板Pの当該斜面を有しない面側に、従って液晶セル2の視認方向に光路変換して偏光板より出射させることを目的とし、その出射光を液晶セル等の照明光(表示光)として利用するものである。 【0014】前記の目的を達成するために光路変換偏光板1は、図1に例示した如く側面方向からの入射光ないしその伝送光を所定方向に反射して光路変換する斜面A1を偏光板Pの片側に有するものとされる。その場合、本発明にては光路変換を介して正面方向への指向性に優れる照明光を得る点より図1に示した如く、偏光板面A4に対する傾斜角θ1が35〜48度で、略一定方向を向く光路変換斜面A1を具備する凹凸すなわち光路変換手段Aの繰り返し構造を有するものとされる。 【0015】前記した光路変換斜面A1を有する光路変換手段Aの例を図1(a)〜(h)に示した。その(a)〜(c)、(g)、(h)では光路変換手段Aが断面略三角形のものからなり、(d)、(e)では断面略四角形、(f)では断面略五角形のものからなる。また(a)では二等辺三角形による2面の光路変換斜面A1を有し、(b)、(g)、(h)では光路変換斜面A1と傾斜角が斜面A1よりも大きい急斜面A2を有する光路変換手段Aを有するものからなる。一方(c)では光路変換斜面A1と傾斜角が小さい緩斜面A3とを単位とする光路変換手段Aが隣接連続状態の繰返し構造として偏光板片側の全面に形成されたものからなる。さらに(a)〜(c)、(e)、(g)、(h)では凹部(溝)からなる光路変換手段Aを有するものからなり、(d)、(f)では凸部(突起)からなる光路変換手段Aを有するものからなる。 【0016】従って前記した例のように光路変換手段は、等辺面ないし同じ傾斜角の斜面からなる凸部又は凹部にても形成できるし、光路変換斜面と急斜面又は緩斜面ないし傾斜角が相違する斜面からなる凸部又は凹部にても形成でき、その斜面形態は光を入射させる側面方向の数や位置にて適宜に決定することができる。耐擦傷性の向上による斜面機能の維持の点よりは、凸部よりも凹部からなる光路変換手段として形成されていることが斜面等が傷付きにくくて有利である。 【0017】上記した正面方向への指向性等の特性を達成する点などより好ましい光路変換偏光板は、光路変換斜面A1が向く略一定方向を光が入射する側面方向と対面する方向としたものである。従って例えば図8の如く光路変換偏光板1の2側面以上の側面方向から光を入射させる場合には、その数と位置に対応して光路変換斜面A1を有する光路変換偏光板としたものが好ましく用いられる。 【0018】ちなみに図8の如く光路変換偏光板の対向する2側面を光が入射する側面方向とする場合には、図1(a)の如き断面略二等辺三角形からなる光路変換手段Aによる2面の光路変換斜面A1や、図1(d)、(e)、(f)の如き断面略台形ないし四角形又は断面略五角形からなる光路変換手段Aによる2面の光路変換斜面A1をその稜線が前記側面方向に沿う方向となる状態で有するものの如く、略一定方向を向く光路変換斜面がその一面を基準にそれとは反対方向を向く面を含む状態で2面以上有する光路変換偏光板1が好ましく用いられる。 【0019】また光路変換偏光板の縦横で隣接する2側面を光が入射する側面方向とする場合には、その側面に対応して稜線が縦横の両方向に沿う状態で光路変換斜面A1を有する光路変換偏光板が好ましく用いられる。さらには対向及び縦横を含む3側面以上を光が入射する側面方向とする場合には、前記の組合せからなる光路変換斜面A1を有する光路変換偏光板が好ましく用いられる。 【0020】上記したように光路変換斜面A1は、側面方向よりの入射光ないしその伝送光の内、その面A1に入射する光を反射して光路変換する役割をする。その場合、図1(a)に例示の如く光路変換斜面A1の偏光板面に対する傾斜角θ1を35〜48度とすることにより側面方向よりの入射光ないしその伝送光を偏光板面に対し垂直性よく光路変換して正面への指向性に優れる照明光を効率よく得ることができる。 【0021】前記の傾斜角θ1が35度未満では反射光の光路が正面方向より30度以上の方向に大きくずれて表示に有効利用しにくく正面方向の輝度に乏しくなり、48度を超えると側面方向よりの入射光ないしその伝送光を全反射させる条件から外れて光路変換斜面よりの漏れ光が多くなり側面方向よりの入射光の光利用効率に乏しくなる。正面への指向性に優れる光路変換や漏れ光の抑制等の点より光路変換斜面A1の好ましい傾斜角θ1は、伝送光のスネルの法則による屈折に基づく全反射条件などを考慮して38〜45度、就中40〜44度である。 【0022】上記の光路変換斜面A1を具備する光路変換手段Aは、光路変換偏光板の薄型化を目的に凹凸の繰返し構造として形成される。その場合、側面方向からの入射光を後方に反射し対向側面側に効率よく伝送して偏光板全面で可及的に均一に発光させる点よりは、図1に例示の如く偏光板面に対する傾斜角が5度以下、就中4度以下、特に3度以下の緩斜面A3ないし当該傾斜角が略0度の偏光板面A4からなる平坦面を含む構造とすることが好ましい。従って図1(b)、(e)、(g)、(h)に例示の急斜面A2を含む光路変換手段Aでは、その急斜面の角度を35度以上、就中50度以上、特に60度以上として偏光板面A4の幅を広くできる構造とすることが好ましい。 【0023】また前記の緩斜面A3や偏光板面A4からなる平坦面は、図7、8の例の如く光路変換偏光板1の背面側に反射層4を配置した場合に、外光の入射部分及びその入射光の反射層4を介した反射光の透過部分として機能させることができ、これにより照明装置を消灯した外光による反射モードでの表示を可能として反射・透過両用型の液晶表示装置の形成を可能とする。 【0024】前記の場合、特に図1(c)の如き斜面A1、A3による光路変換手段Aの隣接繰返し構造からなるときには、その緩斜面A3の偏光板面に対する傾斜角の角度差を光路変換偏光板の全体で5度以内、就中4度以内、特に3度以内、さらに最寄りの緩斜面間の傾斜角の差を1度以内、就中0.3度以内、特に0.1度以内とすることが好ましい。これは緩斜面A3を介した反射光路を大きく変化させないこと、特に最寄りの緩斜面間で大きく変化させないことを目的とする。図1(f)の如き斜面A1、A3による光路変換手段Aの場合も前記に準じうる。 【0025】また外光モードによる明るい表示を得る点よりは、偏光板面に対する傾斜角が5度以下の緩斜面A3や偏光板面A4からなる平坦面の占有面積ないし幅を光路変換手段Aを形成した偏光板片面に基づいて当該傾斜角が35度以上の斜面A1やA2によるそれの10倍以上、就中12倍以上、特に15倍以上とすることが好ましい。これは外光の入射効率とその反射層を介した反射光の透過効率の向上を目的とする。 【0026】光路変換手段Aは、図2〜4に例示の如くその稜線が光が入射する側面方向に平行又は傾斜状態で沿うように設けられるがその場合、光路変換手段Aは図2、3の例の如く光路変換偏光板1の一端から他端にわたり連続して形成されていてもよいし、図4の例の如く断続的に不連続に形成されていてもよい。不連続に形成する場合、伝送光の入射効率や光路変換効率などの点よりその溝又は突起からなる凹凸の側面方向に沿う方向の長さを深さ又は高さの5倍以上とすることが好ましく、また偏光板上での均一発光化の点より前記長さを500μm以下、就中10〜480μm、特に50〜450μmとすることが好ましい。 【0027】光路変換手段Aを形成する斜面は、直線面や屈折面や湾曲面等の適宜な面形態に形成されていてよく、光路変換手段Aの断面形状やそれを介した光路変換斜面A1の繰返しピッチについては特に限定はない。光路変換斜面A1が透過(点灯)モードでの輝度決定要因となることより偏光板上での発光の均一性や、反射・透過両用型では外光モードでの発光の均一性などに応じて適宜に決定でき、その分布密度にて光路変換光量を制御することができる。 【0028】従って斜面A1、2、3の傾斜角等がシートの全面で一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処して偏光板上での発光の均一化を図ることを目的に、図5の例の如く光が入射する側の側面から遠離るほど光路変換手段Aを大きくしてもよい。また図2、3の例の如く一定ピッチの光路変換手段Aとすることもできるし、図4、6の例の如く光が入射する側の側面から遠離るほど徐々にピッチを狭くして光路変換手段Aの分布密度を多くしたものとすることもできる。 【0029】さらに光路変換手段Aをランダムなピッチで配置して偏光板上での発光の均一化を図ることもできる。ランダムピッチは、画素との干渉によるモアレの防止の点よりも有利である。よって光路変換手段Aは、ピッチに加えて形状等も異なる凹凸の組合せからなっていてもよい。なお図2〜6において矢印方向が光の伝送方向である。 【0030】反射・透過両用型の液晶表示装置とする場合、光路変換斜面A1が液晶セルの画素とオーバーラップすると表示光の透過不足で不自然な表示となることがあり、それを防止する点などよりはそのオーバーラップ面積を可及的に小さくして平坦面A3、4を介した充分な光透過率を確保することが好ましい。かかる点より液晶セルの画素ピッチが一般に100〜300μmであることも考慮して光路変換斜面A1は、その偏光板面に対する投影幅に基づいて40μm以下、就中3〜20μm、特に5〜15μmとなるように形成することが好ましい。かかる投影幅は、一般に蛍光管のコヒーレント長が20μm程度とされている点などより回折による表示品位の低下を防止する点よりも好ましい。 【0031】一方、前記の点よりは光路変換斜面A1の間隔の大きいことが好ましいが、他方で光路変換斜面は上記したように側面方向よりの入射光の光路変換による実質的な照明光形成の機能部分であるから、その間隔が広すぎると点灯時の照明が疎となって不自然な表示となる場合がありそれらを鑑みた場合、光路変換斜面A1の繰返しピッチは、5mm以下、就中20μm〜3mm、特に50μm〜2mmとすることが好ましい。 【0032】また凹凸の繰返し構造からなる光路変換手段の場合、液晶セルの画素と干渉してモアレを生じる場合がある。モアレの防止は、その繰返し構造のピッチ調節で行いうるが、上記したように繰返し構造のピッチには好ましい範囲がある。従ってそのピッチ範囲でモアレが生じる場合の解決策が問題となる。本発明においては図3の例の如く画素に対して凹凸の繰返し構造を交差状態で配列しうるように凹凸の稜線を側面方向に対し傾斜する状態に形成してモアレを防止する方式が好ましい。 【0033】前記の場合、側面方向に対する傾斜角θ2が大きすぎると光路変換斜面A1を介した反射に偏向を生じて光路変換の方向に大きな偏りが発生し表示品位の低下原因となりやすいことから、その稜線の側面方向に対する傾斜角θ2は、±30度以内、就中±25度以内、±20度以内とすることが好ましい。なお±の符号は側面方向を基準とした稜線の傾斜方向を意味する。液晶セルの解像度が低くてモアレを生じない場合やモアレを無視しうる場合には、かかる稜線は側面方向に平行なほど好ましい。 【0034】光路変換手段は、例えば熱可塑性樹脂を所定の形状を形成しうる金型に加熱下に押付て形状を転写する方法、加熱溶融させた熱可塑性樹脂あるいは熱や溶媒を介して流動化させた樹脂を所定の形状に成形しうる金型に充填する方法、熱や紫外線、あるいは電子性等の放射線で重合処理しうる液状樹脂を所定の形状を形成しうる型に充填ないし流延して重合処理する方法などの適宜な方法で形成することができる。 【0035】光路変換手段の好ましい形成方法は例えば、透明フィルムの片面に紫外線ないし放射線等で重合処理しうる硬化型樹脂を塗工し、その塗工層を金型の所定凹凸構造の形成面に密着させて紫外線や放射線等の照射により硬化処理した後、金型よりそのフィルムを剥離回収する方法の如く、所定の凹凸構造を有する金型を介して透明フィルムの片面に光路変換斜面を具備する凹凸の繰り返し構造を付加する方法である。 【0036】従って光路変換偏光板は、例えば図1(a)〜(f)の例の如く偏光板Pにおける透明保護層12に光路変換手段Aを具備する同種又は異種の樹脂からなる層11を付加した形態、図1(g)の例の如く偏光板Pにおける透明保護層12を光路変換手段Aを有する状態に一体成形で得る方式などにより偏光板P、就中その透明保護層12と同体に形成した形態、又は図1(h)の例の如く前記した透明フィルム11bに同種又は異種の樹脂からなる光路変換手段層11aを付加してなる重畳体11を偏光板Pに接着した形態のものなどの如く、偏光板Pの片側に光路変換手段Aを具備する構造の適宜な形態を有するものとして形成されていてよい。 【0037】前記した透明保護層への付加方式や透明フィルムを介した重畳方式などによる場合、光路変換手段層11は、照明装置等を介して入射させる光の波長域に応じそれに透明性を示す適宜な材料にて形成しうる。ちなみに可視光域では、例えばアクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂やノルボルネン系樹脂等で代表される透明樹脂、熱や紫外線、電子線等の放射線で重合処理しうる硬化型樹脂等の上記の透明保護層で例示したものなどがあげられる。就中、複屈折を示さないか、複屈折の小さい材料を用いて位相差の小さい層とすることが好ましい。 【0038】また接着処理する場合にはその処理にて光路変換手段層に内部応力が発生する場合があり、かかる内部応力による位相差の発生を防止する点よりは光弾性係数の小さい材料を用いることが好ましい。さらに偏光板に付加する光路変換手段層が偏光板の表面部材との屈折率差が大きいと界面反射等にて出射効率が大きく低下する場合があり、それを防止する点より当該屈折率差が可及的に小さくなるように、就中0.10以内、特に0.05以内となるようにざいりょうを設定することが好ましい。またその場合、偏光板の表面部材よりも付加する光路変換手段層の屈折率を高くすることが出射効率の点より好ましい。なお光路変換手段層の厚さは、適宜に決定しうるが一般には薄型化などの点より300μm以下、就中5〜200μm、特に10〜100μmとされる。 【0039】光路変換偏光板は、図1の例の如く偏光板Pの凹凸の繰り返し構造11を有しない面に粘着層15を設けたものとされる。かかる粘着層15は、液晶セル等の支持部材に光路変換偏光板を接着するためのものでありその粘着層を介した接着処理は、光路変換手段Aの光路変換斜面A1を介した反射効率、ひいては側面方向よりの入射光の有効利用による輝度向上などを目的とする。 【0040】粘着層の形成には、ゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やポリアミド系、スチレン系などの適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などを用いうる。就中アクリル酸ないしメタクリル酸のアルキルエステルを主体とするポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤の如く透明性や耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いられる。 【0041】前記において本発明では屈折率差による界面反射で光が閉じ込められ出射できずに損失となる光量を抑制する点より、偏光板の表面部材との屈折率差が0.1以内、就中0.08以内、特に0.05以内の粘着層が用いられる。また粘着層は、それに例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系粒子や、架橋又は未架橋ポリマー等の有機系粒子などの適宜な透明粒子を1種又は2種以上含有させて光拡散型のものとすることもできる。 【0042】なお粘着層に対してはそれを実用に供するまでの間、異物の混入等の防止を目的に図1の例の如く剥離シート16を仮着してカバーしておくことが好ましい。さらに前記と同様の理由で粘着層を接着する液晶セル等の前記した支持部材、就中その表面部材との屈折率差も0.15以内、就中0.10以内、特に0.05以内であることが好ましい。 【0043】光路変換偏光板は、その光路変換手段を形成した面に光路変換斜面の保護を目的としたシート等の基材を密着配置したものであってもよい。また光路変換偏光板は、図7、8に例示した如くその偏光板Pの光路変換手段を形成した面に反射層4を密着配置したものであってもよい。かかる反射層は、偏光板の光路変換斜面を形成した面よりの漏れ光を反射反転させて再入射させることによる光利用効率の向上や反射・透過両用型の液晶表示装置の形成を目的とする。 【0044】反射層は、従来に準じた白色シートなどの適宜なものにて形成することができる。就中、例えばアルミニウムや銀、金や銅やクロム等の高反射率の金属ないしその合金の粉末をバインダ樹脂中に含有させた塗工層、前記の金属等や誘電体多層膜を真空蒸着方式やスパッタリング方式等の適宜な薄膜形成方式で付設してなる層、前記の塗工層や付設層を偏光板等からなる基材で支持した反射シート、金属箔などからなる高反射率の反射層が好ましく、反射・透過両用型の液晶表示装置を形成する場合に特に好ましい。 【0045】形成する反射層は、光拡散機能を示すものであってもよい。拡散反射面にて反射光を拡散させることにより正面方向への指向性の向上を図ることができ、また粗面化による場合には密着によるニュートンリングの発生を防止して視認性を向上させることができる。 【0046】光拡散型反射層の形成は、例えばサンドブラストやマット処理等による表面の粗面化方式や、粒子添加方式などの適宜な方式で表面を微細凹凸構造としたフィルム基材等にその微細凹凸構造を反映させた反射層を設ける方式などにより行うことができる。その表面の微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式やイオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属をフィルム基材等の表面に付設する方法などにより行うことができる。 【0047】本発明による光路変換偏光板は、照明装置等による側面方向からの入射光ないしその伝送光を光路変換斜面を介し視認に有利な垂直性に優れる方向に光路変換して光の利用効率よく出射し、また外光に対しても良好な透過性を示し、図7、8に例示した如く1又は2以上の側面に照明装置5、51を配置した液晶セル2の視認背面側(バック)や視認側(フロン)に配置して明るくて見やすい透過型や低消費電力性に優れる反射・透過両用型の液晶表示装置などの種々の装置を形成することができる。 【0048】ちなみに前記した液晶表示装置によれば、照明装置5、51を介した側面方向よりの入射光の殆どが液晶セル2における各層の厚さ比に基づいてその上下のセル基板21、28を介し屈折の法則による反射を介して後方に伝送され、セル表面よりの出射(漏れ)が防止されつつ光路変換偏光板1の光路変換斜面A1に入射した光が効率よく視認方向、特に正面方向に光路変換され、他の光は全反射にて後方に伝送されて後方における光路変換斜面A1に入射し効率よく視認方向に光路変換されてセル表示面の全面において明るさに優れる表示を達成することができる。 【0049】前記において液晶セル2としては、適宜な透過型のもの、すなわち図7、8の例の如くセル基板21、28の間にシール材24を介し液晶25を封入してなる形態を有して、光路変換偏光板1を配置した側からの入射光を液晶等による制御を介し表示光として他方側より出射するものを用いることができ、その種類について特に限定はない。 【0050】ちなみに前記した液晶セルの具体例としては、TN液晶セルやSTN液晶セル、IPS液晶セルやHAN液晶セル、OCB液晶セルやVA液晶セルの如きツイスト系や非ツイスト系、ゲストホスト系や強誘電性液晶系のもの、あるいは光拡散型のものなどがあげられ、液晶の駆動方式も例えばアクティブマトリクス方式やパッシブマトリクス方式などの適宜なものであってよい。その液晶の駆動は通例、図7、8に例示の如く一対のセル基板21、28の内側に設けた透明電極22、27を介して行われる。 【0051】セル基板については、ガラスや樹脂などから適宜な透明基板を用いることができ、就中、表示品位等の点より光学的に等方性の材料からなるものが好ましい。また輝度や表示品位の向上等の点より青ガラス板に対する無アルカリガラス板の如く無色透明性に優れるものが好ましく、さらに軽量性等の点よりは樹脂基板が好ましい。セル基板の厚さについては、特に限定はなく液晶の封入強度などに応じて適宜に決定しうる。一般には光伝送効率と薄型軽量性のバランスなどの点より10μm〜5mm、就中50μm〜2mm、特に100μm〜1mmの厚さとされる。 【0052】液晶セルの形成に際しては必要に応じ、液晶を配向させるためのラビング処理膜等からなる配向膜やカラー表示のためのカラーフィルタなどの適宜な機能層の1層又は2層以上を設けることができる。なお図例の如く、配向膜23、26は通常、透明電極22、27の上に形成され、また図外のカラーフィルタは通常、セル基板21、28の一方における基板と透明電極の間に設けられる。 【0053】液晶表示装置の形成に際しては必要に応じ、図7、8の例の如く位相差板31、32や光拡散層33、光路変換偏光板1を配置した液晶セル2の反対側における偏光板34等の適宜な光学層の1層又は2層以上を付加することができる。偏光板は直線偏光を利用した表示の達成を目的とし、位相差板は液晶の複屈折性による位相差の補償等による表示品位の向上などを目的とする。また光拡散層は、表示光の拡散による表示範囲の拡大や光路変換斜面を介した輝線状発光の平準化による輝度の均一化、液晶セル内の伝送光の拡散による光路変換偏光板への入射光量の増大などを目的とする。 【0054】液晶セルの視認側に配置する偏光板は、外光の表面反射による視認阻害の防止を目的にノングレア処理や反射防止処理を施したものであってもよい。ノングレア処理は、サンドブラスト方式やエンボス加工方式等の粗面化方式、シリカ等の透明粒子の配合方式などの種々の方式で表面を微細凹凸構造化することにより施すことができ、反射防止処理は、干渉性の蒸着膜を形成する方式などにて施すことができる。またノングレア処理や反射防止処理は、前記の表面微細凹凸構造や干渉膜を付与したフィルムの接着方式などにても施すことができる。なお偏光板は、図例の如く液晶セルの両側に設けることもできるがその場合、本発明による光路変換偏光板は光路変換手段形成面を外側にして液晶セルの片側のみに設けられる。 【0055】一方、位相差板としても例えば前記の透明保護層で例示したものなどの適宜なポリマーからなる偏光板を一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理してなる複屈折性フィルム、ネマチック系やディスコティック系等の適宜な液晶ポリマーの配向フィルムやその配向層を透明基材で支持したものなどの適宜なものを用いることができ、熱収縮性フィルムの加熱収縮力の作用下に厚さ方向の屈折率を制御したものなどであってもよい。 【0056】図例の如く補償用の位相差板31、32は通例、視認側又は/及び背面側の偏光板P、34と液晶セルの間に必要に応じて配置され、その位相差板には波長域などに応じて適宜なものを用いうる。また位相差板は、位相差等の光学特性の制御を目的に2層以上を重畳して用いることもできる。 【0057】また光拡散層についても前記のノングレア層に準じた表面微細凹凸構造を有する塗工層や拡散シートなどによる適宜な方式にて設けることができる。光拡散層は、上記した透明粒子配合の粘着層15に準じて図例の如く偏光板34と位相差板32の接着を兼ねる粘着層33として配置することもでき、これにより薄型化を図かることができる。光拡散層は、偏光板よりも外側(視認側)に配置することもできるが、図例の如く偏光板34よりも液晶セル側に配置することで外光が偏光板で吸収された後に光拡散層に入射することとなり、光拡散層を介した後方散乱による反射損を抑制できて有利である。 【0058】一方、液晶セルの側面に配置する照明装置は、液晶表示装置の照明光として利用する光を液晶セルの側面から入射させることを目的とする。これにより液晶セルのバックやフロントに配置する光路変換偏光板との組合せにて液晶表示装置の薄型軽量化を図ることができる。照明装置としては適宜なものを用いることができ、例えば(冷,熱)陰極管等の線状光源、発光ダイオード等の点光源やそれを線状や面状等に配列したアレイ体、あるいは点光源と線状導光板を組合せて点光源からの入射光を線状導光板を介し線状光源に変換するようにした照明装置などが好ましく用いうる。 【0059】図7、8の例の如く照明装置5、51は、液晶セル2における1又は2以上の側面に配置することができる。照明装置を2以上の側面に配置する場合、その複数の側面は図8の例の如く対向する側面の組合せであってもよいし、縦横に交差する側面の組合せであってもよく、それらを併用した3側面以上の組合せであってもよい。 【0060】照明装置は、その点灯による透過モードでの視認を可能とするものであり、反射・透過両用型の液晶表示装置の場合に外光による反射モードにて視認するときには点灯の必要がないので、その点灯・消灯を切り替えうるものとされる。その切り替え方式には任意な方式を採ることができ、従来方式のいずれも採ることができる。なお照明装置は、発光色を切り替えうる異色発光式のものであってもよく、また異種の照明装置を介して異色発光させうるものとすることもできる。 【0061】図例の如く照明装置5、51に対しては、必要に応じ発散光を液晶セル2の側面に導くためにそれを包囲するリフレクタ52などの適宜な補助手段を配置した組合せ体とすることもできる。リフレクタとしては、高反射率の金属薄膜を付設した樹脂シートや白色シートや金属箔などの適宜な反射シートを用いうる。リフレクタは、その端部を液晶セルのセル基板等の端部に接着する方式などにて照明装置の包囲を兼ねる固定手段として利用することもできる。 【0062】なお本発明において上記した液晶表示装置を形成する液晶セルや偏光板や位相差板等の光学素子ないし部品は、全体的又は部分的に積層一体化されて固着されていてもよいし、分離容易な状態に配置されていてもよい。界面反射の抑制によるコントラストの低下防止などの点よりは固着状態にあることが好ましい。その固着密着処理には、粘着剤等の適宜な透明接着剤を用いることができ、その透明接着層に上記した透明粒子等を含有させて拡散機能を示す接着層などとすることもできる。 【0063】また前記の光学素子ないし部品、特に視認側のそれには例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。 【0064】 【実施例】実施例1予め所定形状に加工した金型にアクリル系の紫外線硬化型樹脂(東亞合成社製、アロニックスUV−3701)をスポイトにて滴下充填し、その上に厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(表面ケン化処理物)を静置しゴムローラで密着させて余分な樹脂と気泡を除去しメタルハライドランプにて紫外線を照射して硬化処理した後、金型から剥離し所定寸法に裁断して屈折率1.49のTACフィルムに屈折率1.533の光路変換手段層を有する透明保護フィルムを得た。 【0065】次に前記の透明保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤を介しポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面にその光路変換手段層が外面となるように、かつその稜線が所定の角度となるように接着し、偏光フィルムの他面に厚さ80μmのTACフィルムを同様に接着し、その光路変換手段を有しない面に屈折率1.47のアクリル系粘着層を付設して剥離シートでカバーし、光路変換偏光板を得た。この光路変換偏光板は、幅60mm、奥行45mmであり、稜線が幅方向に平行でかつ連続したプリズム状凹部を210μmのピッチで有し(図1c)、その光路変換斜面A1の傾斜角が42.5〜43度の範囲で、緩斜面A3の傾斜角が1.8〜3.5度の範囲で変化し、最寄り緩斜面の傾斜角変化が0.1度以内にあり、光路変換斜面の偏光板面に対する投影幅が10〜16μm、緩斜面/光路変換斜面の偏光板面に対する投影面積比が12倍以上のものからなる。 【0066】ついで市販のTN型液晶セルの視認背面側に前記の光拡散偏光板をその粘着層を介して接着し、セルの側面に冷陰極管を配置して銀蒸着の反射シートからなるリフレクタにて包囲し、その両端部をセルの上下面に接着して冷陰極管を固定した後、セルの視認側に樹脂微粒子含有の粘着層をTACフィルムに設けてなる光拡散フィルムを接着してノーマリーホワイトの透過型TN液晶パネルを得、その背面に白色ポリエステルフィルムからなる反射板を配置して透過型の液晶表示装置を得た。なお光路変換偏光板は、その光路変換斜面が冷陰極管と平行に対面するように配置した。 【0067】実施例2光路変換斜面A1の傾斜角が約42度で、急斜面A2との頂角が70度、平坦面A4の面積が光路変換斜面と急斜面の偏光板面に対する投影合計面積の10倍以上の光路変換手段(図1b)を有する光路変換偏光板としたほかは、それを用いて実施例1に準じ透過型の液晶表示装置を得た。 【0068】実施例3偏光板面に対する傾斜角が約42度で投影幅が10μmの光路変換斜面A1と傾斜角が約55度の急斜面A2からなる長さ80μmの光路変換手段(図1b)をその長さ方向が幅方向に略平行な状態で有し、かつその光路変換手段を奥行方向の光入射側より遠離るほど徐々に高密度に配置してなる光路変換偏光板(図6)としたほかは、それを用いて実施例1に準じ透過型の液晶表示装置を得た。なお平坦面A4の面積は、光路変換斜面と急斜面の偏光板面に対する投影合計面積の10倍以上である。 【0069】実施例4偏光板面に対する傾斜角が約42度で投影幅が10μmの光路変換斜面A1による二等辺三角形からなる長さ80μmの光路変換手段(図1a)をその長さ方向が幅方向に平行な状態で有し、かつその光路変換手段を奥行方向の光入射側より中央部に向けて徐々に高密度となるようにランダムに配置してなる光路変換偏光板(図4)としそれを用いて対向する2側面に冷陰極管を配置したほかは、実施例1に準じ透過型の液晶表示装置を得た。なお平坦面A4の面積は、2面の光路変換斜面の合計面積の10倍以上である。 【0070】実施例5偏光板面に対する傾斜角が約42度で投影幅が10μmの光路変換斜面A1を2面有する長さ80μmで断面略四角形の溝からなる光路変換手段(図1e)をその長さ方向が幅方向に略平行な状態で有し、かつその光路変換手段を奥行方向の光入射側より中央部に向けて徐々に高密度となるようにランダムに配置してなる光路変換偏光板としそれを用いたほかは、実施例4に準じ2側面入射式の透過型液晶表示装置を得た。なお平坦面A4の面積は、光路変換手段による面積の10倍以上である。 【0071】実施例6光路変換手段を形成した面に銀蒸着膜からなる反射層を設けた光路変換偏光板を用いて背面の反射板を省略したほかは実施例2に準じ反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。 【0072】比較例1光路変換偏光板に変えて、サンドブラスト加工による散乱シートを用いたほかは実施例1に準じ透過型の液晶表示装置(図9)を得た。なお散乱シートは、粗面を視認背面側として配置した。 【0073】比較例2光路変換斜面の傾斜角が約30度で、急斜面との頂角が70度、平坦部A4の面積が光路変換斜面と急斜面の偏光板面に対する投影合計面積の10倍以上の光路変換手段(図1b)を有する光路変換偏光板としたほかは、それを用いて実施例1に準じ透過型の液晶表示装置を得た。 【0074】比較例3視認背面側にシボ状の粗面を有する厚さ1.2mmの導光板の側面に冷陰極管を配置して銀蒸着の反射シートからなるリフレクタにて包囲し、その両端部を導光板の上下面に接着してそれを白色ポリエステルフィルムからなる反射板の上に配置し、その上に光拡散板を介して市販のノーマリーホワイトの透過型TN液晶パネルを配置して透過型の液晶表示装置を得た。 【0075】比較例4散乱面に銀蒸着膜からなる反射層を設けた比較例1の散乱フィルムを用いて背面の反射板を省略したほかは実施例6に準じ反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。 【0076】比較例5光路変換手段を形成した面に銀蒸着膜からなる反射層を設けた比較例2の光路変換偏光板を用いて背面の反射板を省略したほかは実施例6に準じ反射・透過両用型の液晶表示装置を得た。 【0077】評価試験実施例、比較例で得た透過型又は反射・透過両用型の液晶表示装置について、液晶セルに電圧を印加しない状態で冷陰極管を点灯させ透過モードによる装置中央部での正面輝度を輝度計(トプコン社製、BM7)にて調べた。またそれに準じ冷陰極管を消灯したリング状照明による外光を15度の角度で入射させる反射モードにおける白状態での正面輝度も調べた。 【0078】前記の結果を次表に示した。
【0079】表より、実施例では透過モードにおいて比較例1、2、4、5に比べて優れた正面輝度が達成されていることがわかる。これは比較例1、2、4、5では透過モードにおいて光源とは反対の方向に光が出射されて正面方向の輝度に乏しく表示に寄与しにくい出射光であったことによる。特に比較例1、4ではどの方位においても出射光に乏しかった。 【0080】また実施例4、5では2灯式による輝度の向上が顕著で、比較例3のサイドライト型導光板以上の明るさが得られていることがわかる。なお比較例3のサイドライト型導光板による方式では、その導光板による厚さ増が顕著に現れて、薄型化が困難であった。さらに透過モードにおいて液晶セルに電圧を印加した状態での視認でも実施例では問題はなく良好な表示品位であった。また実施例2で光拡散フィルムを除去した状態では、見やすさの点で光拡散フィルムがあるときよりも劣るが、正面輝度の点では遜色はなかった。 【0081】一方、反射モードにおいても液晶セルへの電圧印加状態において、実施例6及び比較例4、5では像の乱れ等のない表示であったが、比較例4、5では実施例6よりも暗かった。以上より実施例では透過モードにおいて明るい表示が達成されており、また実施例6の反射モードにおいても明るい表示が達成されてこれより本発明にて導光板による嵩高化、高重量化を回避して光路変換型の偏光板による薄型軽量化を達成しつつ、表示品位の良好な透過型や反射・透過両用型の液晶表示装置を形成できることがわかる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003964 【氏名又は名称】日東電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月13日(2000.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088007 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 勉
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| 【公開番号】 |
特開2001−194529(P2001−194529A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−4242(P2000−4242) |
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