| 【発明の名称】 |
カラーフィルタの製造方法、およびこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松山 茂
【氏名】石井 彰
【氏名】清水 美備
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| 【要約】 |
【課題】着色レジスト法あるいはインクジェット方式を用いた染色法で均一な色調かつ表面の平坦性が良好なカラーフィルタと液晶表示装置を得る。
【解決手段】基板SUB2の画素領域を区画するブラックマトリクスBMを形成した後、光硬化性の染色基材層DPを形成し、基板の背面から紫外線を照射し、現像することにより、ブラックマトリクスBMを隔壁としたインク溜まりを形成し、このインク溜まりにインクジェット方式で染料等の染色材を供給する。この隔壁により染色材は隣接または近隣の画素領域に飛散して混色を起こすことがなく、またインク溜まりに充分な厚さでフィルタを形成できるため、オーバーコート層を厚く被覆せずにカラーフィルタの表面平坦性を充分に確保できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】液晶表示装置に用いる基板の第1主面上部に該基板より光透過性の低い樹脂膜を形成し、該樹脂膜に複数の開口を互いに離間して形成する第1の工程と、上記樹脂膜に該樹脂膜より光透過性が高く且つ光照射により硬化する材料を塗布する第2の工程と、上記基板の上記第1主面とは反対側の第2主面より光を照射し、上記材料の一部分を硬化させる第3工程と、上記材料の上記一部分以外を除去する第4の工程と、上記樹脂膜の開口毎に染料を供給して該染料を該開口毎に形成された上記材料に浸透させる第5の工程と、を順次行うことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 【請求項2】前記第5の工程における前記染料の供給を、一回のインクジェット方式で行うことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。 【請求項3】前記一回のインクジェット方式により前記開口毎に異なる色の染料を供給することを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタの製造方法。 【請求項4】前記第5の工程における前記染料の供給を、複数色の染料毎に順次行うことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。 【請求項5】液晶表示装置に用いる基板の第1主面上部に該基板より光透過性の低い樹脂膜を形成し、該樹脂膜に複数の開口を互いに離間して形成する第1の工程と、上記樹脂膜に該遮光樹脂膜より光透過性が高く且つ光照射により硬化する性質を有し且つ互いに色の異なる3種類の材料を上記開口毎に供給する第2の工程と、上記基板の上記第1主面とは反対側の第2主面より光を照射し、上記材料の一部分を硬化させる第3工程と、上記材料の上記一部分以外を上記開口毎に形成された材料の少なくとも該開口の中心部分での高さを上記樹脂膜の高さより低く除去する第4の工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 【請求項6】それぞれの主面を対向させて配置した一対の基板と、上記一対の基板の上記それぞれの主面の間に挟まれた液晶層と、上記一対の基板の一方の上記主面に形成し且つ互いに離間した複数の開口を形成した該一対の基板より光透過率の低い第1の材料からなる第1の膜と、上記第1の膜の開口に形成した上記第1の材料より光透過率の高い第2の材料で形成した第2の膜とを備え、上記第1の膜は上記第1の膜の開口毎に少なくとも3種類の色の異なる染色材の何れか一を含み且つ含有する上記染色材の種類に応じて少なくとも第1種類の群、第2種類の群および第3種類の群の3つの群に分類され、上記第2の膜の上記第1種類の群および第2種類の群は上記第1の膜の開口内において該開口を形成する第1の膜より薄い領域を有し、上記第2の膜の上記第3種類の群は上記第1の膜の開口内において該開口を形成する第1の膜より厚い領域を有し、上記第2の膜の少なくとも1種類の群の上記第1の膜の開口内部における厚さが上記第2の膜の他の種類の群の厚さと異なることを特徴とする液晶表示装置。 【請求項7】それぞれの主面を対向させて配置した一対の基板と、上記一対の基板の上記それぞれの主面の間に挟まれた液晶層と、上記一対の基板の一方の上記主面に形成し且つ互いに離間した複数の開口を形成した該一対の基板より光透過率の低い第1の材料からなる第1の膜と、上記第1の膜の開口に形成した上記第1の材料より光透過率の高い第2の材料で形成した第2の膜と、上記第1の膜と第2の膜の上面を覆って形成した上記第1の膜より光透過率の高い第3の膜を備え、上記第1の膜は上記第1の膜の開口毎に少なくとも3種類の色の異なる染色材の何れか一を含み且つ含有する上記染色材の種類に応じて少なくとも第1種類の群、第2種類の群および第3種類の群の3つの群に分類され、上記第2の膜の少なくとも1種類の群は上記第1の膜の開口内において該開口を形成する第1の膜より薄い領域を有し、上記第2の膜の第1種類の群は上記第1の膜の開口内部における厚さが上記第2の膜の他の種類の群のそれと異なり、上記第1の膜上における上記第3の膜の厚さが該第1の膜の厚さより薄いことを特徴とする液晶表示装置。 【請求項8】前記第1の膜の開口内部における厚さは該開口内における前記第2の膜の少なくとも1種類の群の最大厚さであることを特徴とする請求項5または6記載の液晶表示装置。 【請求項9】前記第1の膜と前記第2の膜の上面起伏に対し、前記第3の膜の上面起伏が小さいことを特徴とする請求項6乃至8記載の液晶表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係り、特にフルカラー表示を行うためのカラーフィルタとその製造方法、およびこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】フルカラー表示を行うための液晶表示装置は、2枚の基板の少なくとも一方または双方に画素選択のための電極や薄膜トランジスタなどのスイッチング素子を有し、他方の基板に複数色(一般には3色)のカラーフィルタを備えている。 【0003】このカラーフィルタには、各色の顔料を分散した高分子樹脂材料のレジストを基板(一般に、ガラス基板)に塗布し、マスクを介して露光し、現像するホトリソグラフィー技法で3色別のカラーフィルタを形成する着色レジスト法、染色基材(受容層とも言う)に各色の染料あるいは顔料等の染色材を供給して染色する染色法などが知られている。 【0004】前者の方法は各色別に所定の顔料を分散したレジストを塗布し、露光し、現像する、所謂ホトリソグラフィー工程を繰り返して形成するものであるために、プロセスが煩雑で製品のスループットを上げることには限度があると共に、着色レジストが隣接または近隣の画素領域に流動または飛散して混色を起こす場合がある。 【0005】また、後者の染色法には、基板に塗布した染色基材に昇華染料を供給し、加温により当該染色基材に昇華染料を拡散させる方法や、インクジェットで染色基材に染料(以下、染料インクまたは単にインクとも言う)または顔料等の染色材を供給する方法がある。昇華染料を用いる方法は、温度により染色基材層(受容層とも言う)に昇華染料を拡散して所定の染色を行うものであるため、温度分布を一様に保って染色基材内への染料の拡散を均一化することが難しいため、色むら(着色むら)の発生を回避するための手法を開発することが課題となっている。 【0006】これに対し、染料または顔料等の染色材をインクジェットで染色基材層に供給するインクジェット方式による方法は、染料または顔料等の染色材を染色基材に浸透させて着色する方法であり、昇華染料を用いたものに比べて表示領域の色むらの発生は少ない。しかし、このインクジェット方式でも染料または顔料等の染色材が隣接または近隣の画素領域に流出または飛散して混色を起こす場合がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来の技術の何れの方法においても、隣接または近隣の樹脂膜あるいは染色基材に着色レジストや染料が流出または飛散して付着し、所謂混色(染色むら)が発生し易い。 【0008】このような着色むらを防止する目的で、各色の画素領域をブラックマトリクスを隔壁として仕切り、仕切られた内部(ブラックマトリクスの開口)に「インク溜まり」を形成して隣接する画素の仕切りに他色の染料が入り込まないようにしたものが特開平9−90342号公報や特開平11−23833号公報に開示されている。 【0009】しかし、上記のように、ブラックマトリクスでインク溜まりを設けたものでは、染色後にも当該ブラックマトリクスが各画素領域(カラーフィルタ層)よりも高い隔壁として存在するため、カラーフィルタ層の表面の平坦性が損なわれ、その上層に形成される保護膜(オーバーコート層)や電極、あるいは配向膜等の平坦性を確保することが困難であり、これを解消することが一つの課題となっている。 【0010】平坦性を出すためにオーバーコート層を厚くすると、他方の基板との貼り合わせにおけるシール材によるセルギャップ出しで、所謂スペーサがオーバーコート層に食い込んでしまい、下層の平坦性のばらつきがセルギャップのばらつきとなってしまう。 【0011】このようなセルギャップのばらつきを抑制し、シール強度を確保する目的でシール形成位置の下地のオーバーコート層を除去することが考えられる。この場合、厚いオーバーコート層の除去のための工程が必要となり、またオーバーコート層の残滓がセルギャップの均一性を阻害する。このことからも、オーバーコート層の厚みは薄い方が望ましい。 【0012】背面露光を用いる特開平8−95024号公報に記載の発明では、カラーフィルタの厚みを所定値に揃えることができる。しかし、着色むらについての考慮、およびオーバーコート層の厚さに関しての考慮はなされていない。 【0013】また、染色基材層の着色(染色)は染料または顔料等の染色材が当該染色基材層に浸透して両者間の染色反応によるものであるが、染色基材層への染料または顔料等の染色材の浸透性は色毎(染料または顔料等の染色材の種類毎)に異なるため、インク溜まりを形成する染色基材層の厚み(染色基材の量)を色毎に最適化する必要がある。 【0014】しかし、これが却って平坦性確保の障害となる。すなわち、一般に染色基材は染料の浸透により膨潤し、その膜厚が増大する。この膨潤の度合いは各色の染色材料で異なるため、染色基材の厚さを同一として十分な染料または顔料等の染色材を供給した場合でも、染色して得られるカラーフィルタの膜厚(すなわち、染色反応で染色基材層が染色されて得られる膜の厚さ)は色毎に異なってしまう。 【0015】この問題を解決するものとして、光硬化性をもつ染色基材にインクジェット方式で染色基材層に充分な染料を供給して染色後、基板側から光(通常は紫外線)を照射する背面露光により基板から遠い側の染色基材を染料と共に現像して除去する方法も提案されている(特開平8−95024号公報)。これにより、染色された染色基材で形成されるカラーフィルタの膜厚は各色で揃ったものとなる。 【0016】この方法はスループットに優れ、形成されたカラーフィルタ層の厚みが均一となり、カラーフィルタ層の平坦性は確保されるが、色別に染料が染色基材に浸透する度合い(染色度合)が異なるために、完成したカラーフィルタの濃度に差が生じる。その結果、3色を所定の染色度合いに揃えること、すなわち色調を均一にすることが困難であり、特定の色、例えば分子量が大きい染料で染色される青色の濃度が高くなる。この例の場合、一画素を構成する3色のカラーフィルタのうち、青色のカラーフィルタにおける光の透過率が減少する。これにより、当該一画素に備えられたカラーフィルタを透過する光のうち、青色光の強度が落ちるため、この画素が表示する色は、これが表示しようとする色に対して赤みががる(換言すれば、青の補色が強まる)。 【0017】本発明の目的は、着色レジスト法あるいはインクジェット方式を用いた上記従来の染色技術における諸課題を解消し、均一な色調で、かつ表面の平坦性が良好なカラーフィルタの製造方法とこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、ガラス等の透明基板(以下、単に基板とも言う)の画素領域を区画するための当該基板よりも光透過性の低い樹脂膜からなるパターン(通常、ブラックマトリクスと称する遮光膜)を形成して各画素領域を区画して隔壁を形成した後、この隔壁で囲まれた内部(ブラックマトリクスの開口:画素領域、以下、単に開口とも言う)に光硬化性の染色基材を塗布し、この染色基材層に対してインクジェット方式での染料または顔料等の染色材の供給以前もしくは以後に上記透明基板の背面(染色基材の塗布面とは反対側の面)から紫外線を照射する背面露光を行う。なお、以降では、染色材として染料を用いた場合を記述するが、顔料やその他の染色材を用いた場合についても同様である。 【0019】この背面露光は、ブラックマトリクスを露光マスクとして行われるため、当該ブラックマトリクスの上部に塗布された光硬化性の染色基材と画素領域の染色基材層の基板面から所定の距離はなれた上部に未硬化部分が存在し、その後の現像工程で上記未硬化部分を除去することで所定厚さの硬化した染色基材層が得られる。これと共に、染色基材層の表面形状と層厚が均一化され、染色後にオーバーコート層を厚く被覆しなくても平坦性を確保できる。 【0020】通常、2枚の基板を封止するときには、オーバーコート層の上にスペーサを介在させて基板の周辺に封止材(シール材)を形成してプレスするが、スペーサの土台となるオーバーコート層の層厚が厚いと、当該土台は柔らかくなる。このため、スペーサで調整されるセルギャップがスペーサのオーバーコート層へのめり込みでばらついてしまう。 【0021】これに対し、本発明ではカラーフィルタ自体の平坦性が良好であるため、その上層に塗布するオーバーコート層を薄くできることで、液晶表示装置のセルギャップ(2枚の基板間に形成される間隙の高さ)が均一になり、またこのセルギャップがロット毎の誤差を無視できるほど小さくなり、表示品質を向上させる上で有利となる。 【0022】本発明では、樹脂材料で形成したブラックマトリクスBM(樹脂BM)で形成された凹みまたは窪み(前記隔壁で囲まれたブラックマトリクス開口)を埋めるように染料の受容層となる染色基材を塗布する。この染色基材は紫外線照射で硬化反応が進む材料を用いる。この染色基材層にブラックマトリクスを露光マスクとした背面露光とその後の現像処理によりパターニングする。 【0023】これにより、上記ブラックマトリクスの開口には染色基材層がブラックマトリクスの高さより低い凹んだ形となって形成され、ブラックマトリクスが隔壁となったインク溜まり(開口)が形成される。このインク溜まりにインクジェット方式で染料を供給して染色基材層の上部に染料を溜め、この状態で染色基材を染色する。 【0024】これにより、隣接または近隣の画素領域に染料が移動して混色を起こすことが防止され、また充分な染料を溜めることができるために色毎に染料の供給量を最適化することで所要の度合いで染色することが可能となり、3色を所定の染色度合いに揃え、均一な色調を得ることができる。 【0025】また、染色に伴う膨潤を見越した染色基材の層厚を適正化することでブラックマトリクスの隔壁の高さに近似したカラーフィルタを形成でき、オーバーコート層の膜厚を薄くでき、平坦化が容易となる。 【0026】また、本発明は、ブラックマトリクスで形成した開口のそれぞれに所要の色の顔料分散レジストを供給し、各色のカラーフィルタを形成する、所謂レジスト法を用いた場合にも同様である。背面露光を施すことで各色のレジストの高さをブラックマトリクスの高さに近似させることができ、カラーフィルタ層の表面平坦性を向上させ、その上層に塗布するオーバーコート層を薄くし、均一なセルギャップを形成することができる。 【0027】さらに、本発明は液晶表示装置のカラーフィルタに限るものではなく、他の同様の複数色を配列した光学膜についても同様に適用できる。 【0028】以下、本発明によるカラーフィルタの製造方法、およびこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置の代表的な構成を記述する。 【0029】カラーフィルタの製造方法に関しては、(1)液晶表示装置に用いる基板の第1主面(液晶側の内面)の上部に該基板より光透過性の低い樹脂膜を形成し、該樹脂膜に複数の開口を互いに離間して形成する第1の工程と、上記樹脂膜に該樹脂膜より光透過性が高く且つ光照射により硬化する材料を塗布する第2の工程と、上記基板の上記第1主面とは反対側の第2主面(すなわち、液晶層とは反対側の外面)より光を照射し、上記材料の一部分を硬化させる第3工程と、上記材料の上記一部分以外を除去する第4の工程と、上記樹脂膜の開口毎に染料を供給して該染料を該開口毎に形成された上記材料に浸透させる第5の工程とを順次行う。 【0030】(2)前記第5の工程における前記染料の供給を、一回のインクジェット方式で行う。 【0031】(3)前記一回のインクジェット方式により前記開口毎に異なる色の染料を供給する。 【0032】(4)前記第5の工程における前記染料の供給を、複数色の染料毎に順次行う。 【0033】(5)液晶表示装置に用いる基板の第1主面上部に該基板より光透過性の低い樹脂膜を形成し、該樹脂膜に複数の開口を互いに離間して形成する第1の工程と、上記樹脂膜に該遮光樹脂膜より光透過性が高く且つ光照射により硬化する性質を有し且つ互いに色の異なる3種類の材料を上記開口毎に供給する第2の工程と、上記基板の上記第1主面とは反対側の第2主面より光を照射し、上記材料の一部分を硬化させる第3工程と、上記材料の上記一部分以外を上記開口毎に形成された材料の少なくとも該開口の中心部分での高さを上記樹脂膜の高さより低く除去する第4の工程とを含む。 【0034】液晶表示装置の構成として、(6)それぞれの主面を対向させて配置した一対の基板と、上記一対の基板の上記それぞれの主面の間に挟まれた液晶層と、上記一対の基板の一方の上記主面に形成し且つ互いに離間した複数の開口を形成した該一対の基板より光透過率の低い第1の材料からなる第1の膜と、上記第1の膜の開口に形成した上記第1の材料より光透過率の高い第2の材料で形成した第2の膜とを備え、上記第1の膜は上記第1の膜の開口毎に少なくとも3種類の色の異なる染色材の何れか一を含み且つ含有する上記染色材の種類に応じて少なくとも第1種類の群、第2種類の群および第3種類の群の3つの群に分類され、上記第2の膜の上記第1種類の群および第2種類の群は上記第1の膜の開口内において該開口を形成する第1の膜より薄い領域を有し、上記第2の膜の上記第3種類の群は上記第1の膜の開口内において該開口を形成する第1の膜より厚い領域を有し、上記第2の膜の少なくとも1種類の群の上記第1の膜の開口内部における厚さが上記第2の膜の他の種類の群の厚さと異ならせた。 【0035】(7)それぞれの主面を対向させて配置した一対の基板と、上記一対の基板の上記それぞれの主面の間に挟まれた液晶層と、上記一対の基板の一方の上記主面に形成し且つ互いに離間した複数の開口を形成した該一対の基板より光透過率の低い第1の材料からなる第1の膜と、上記第1の膜の開口に形成した上記第1の材料より光透過率の高い第2の材料で形成した第2の膜と、上記第1の膜と第2の膜の上面を覆って形成した上記第1の膜より光透過率の高い第3の膜を備え、上記第1の膜は上記第1の膜の開口毎に少なくとも3種類の色の異なる染色材の何れか一を含み且つ含有する上記染色材の種類に応じて少なくとも第1種類の群、第2種類の群および第3種類の群の3つの群に分類され、上記第2の膜の少なくとも1種類の群は上記第1の膜の開口内において該開口を形成する第1の膜より薄い領域を有し、上記第2の膜の第1種類の群は上記第1の膜の開口内部における厚さが上記第2の膜の他の種類の群のそれと異なり、上記第1の膜上における上記第3の膜の厚さが該第1の膜の厚さより薄くした。 【0036】(8)前記第1の膜の開口内部における厚さは該開口内における前記第2の膜の少なくとも1種類の群の最大厚さとした。 【0037】(9)前記第1の膜と前記第2の膜の上面起伏に対し、前記第3の膜の上面起伏が小さいものとした。 【0038】上記の本発明の構成による作用効果等について、図面を参照して詳細に説明する。 【0039】図1は本発明によるカラーフィルタの製造方法とこの製造方法で製造した液晶表示装置のカラーフィルタの基本構造の1画素をインクジェット方式を用いたものについて示した説明図である。 【0040】液晶表示装置は一対の基板の図示しない一方(例えば、薄膜トランジスタ基板)SUB1と他方の基板であるカラーフィルタ基板SUB2の各第1主面(対向面)を貼り合わせて構成される。図1の(a)にはカラーフィルタ基板であるSUB2に、先ずその主面(第1の主面:薄膜トランジスタ基板と対向する内面)に基板SUB2より光透過率の小さい樹脂膜からなる第1の膜で形成した開口を有するブラックマトリクスBMを形成した状態の断面を示す。 【0041】このブラックマトリクスBMの開口に該ブラックマトリクスBMより光透過性が高く且つ光照射により硬化する材料で第2の膜である染色基材DPXを塗布する(図1の(b))。 【0042】染色基材DPXの塗布後、基板の背面(第2主面)側から紫外線を照射して(所謂、背面露光)ブラックマトリクスBMの高さより低い高さで残るように(すなわち、紫外線による架橋反応がブラックマトリクスの高さ以下となるようなエネルギーで紫外線を照射する)ブラックマトリクスの上部に付着した染色基材と共に現像除去する。 【0043】この染色基材層DPの上面にはブラックマトリクスBMが隔壁となってインク溜まりPODが形成される。一般に、染色基材はブラックマトリクス材料よりも架橋密度は低く、比重も小さい(図1の(c))。 【0044】このインク溜まり(開口)PODにインクジェットにより染料(インク)INKを供給する。供給された染料INKは隔壁であるブラックマトリクスBMで隣接する画素に流出することがない。染料INKはその下地にある染色基材層DPに浸透してこれを所定の色に染色し、平衡状態すなわち染色基材の染色が充分に行われて染色反応が完了する。このとき、染料INKの分子量の相違で染色基材DPの膨潤に差が生じ、インクによってはブラックマトリクスBMより高さが大となるものがある(図1の(d))。しかし、これをポストベークすると、図1の(e)に示したように当該高さが小さくなり、極端な高さとなることはない。表1にインクの分子量の相違を、図2に3色(RED,GREEN,BLUE)の各インクによる染色基材の染色度合の相違を示す。 【0045】 【表1】
【0046】表1には現在使用可能とされている赤(RED)、緑(GREEN)、青(BLUE)の代表的な染料(インク)の製品名と組成、およびその分子量を示した。この表から、緑(GREEN)のインクが最も分子量が大きいため、図3に示した染色の平衡状態では、緑のカラーフィルタFIL(G)の膨潤量が最も大きく、したがってその高さが最大となることが分かる。 【0047】図3は表1に示した3色の染料を用いて形成したカラーフィルタの模式断面図である。図中、OCはオーバーコート膜であり、3色のカラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)の上面起伏には、上記したINKの分子量により若干の高さに差がでる。そして、これをポストベークしたときにも図示のように高さの差が残る。その結果、各カラーフィルタの高さとブラックマトリクスBMの高さとで起伏は残るが、極端な差は存在しない。そのため、その上を覆って形成されるオーバーコート膜OCを薄くしてもカラーフィルタ基板の内面の起伏は上記起伏より小さくなる。 【0048】図4はブラックマトリクスを形成したカラーフィルタ基板に染色基材を塗布してインク溜まりを形成した状態の第1例を説明する模式断面図、図5は同じく第2例を説明する模式断面図である。図4はブラックマトリクスBMと染色基材層DPの両者の濡れ性が良くない場合を、図5はブラックマトリクスBMと染色基材DPの両者の濡れ性が良好な場合を示す。図中、tBMはブラックマトリクスBMの高さ、tCFは染色基材層DPの開口中央部の高さ、tCF' は染色基材層DPにブラックマトリクスBM近傍の高さである。 【0049】図4に示したように、ブラックマトリクスBMと染色基材層DPの濡れ性が良くない場合には、ブラックマトリクスBMの開口に塗布した染色基材層DPは、当該開口の中央部分の高さtCFがブラックマトリクスBMと接する部分の高さtCF' より大となって形成される。 【0050】これに対し、ブラックマトリクスBMと染色基材層DPの濡れ性が良好な場合には、ブラックマトリクスBMの開口に塗布した染色基材DPは、当該開口の中央部分の高さtCFがブラックマトリクスBMと接する部分の高さtCF' より小さくなるごとく形成される。 【0051】上記何れの場合でも、ブラックマトリクスBMは開口(画素領域)を形成する隔壁となり、染色基材層DP部分が窪みとなり、インク溜まりを形成する。このインク溜まりの形成により、供給されたインクが隣接あるいは近隣の画素(開口)に流動し、あるいは浸透、もしくは飛散することによる混色の発生を回避できる。そして、前記したように、着色むらは染色基材層に供給されるインク量に応じて決まるため、このようなインク溜まりを形成して充分なインクを各色に対応する染色基材層に供給することが可能となり、着色むらの発生を防止でき、表示画面全体の色バランスを向上できる。 【0052】上記のような染色基材と染料(インク)を用いたものに限らず、着色レジストを塗布してカラーフィルタを形成する場合でも、ブラックマトリクスBMと着色レジストとの濡れ性の相違により、図4または図5に示したような形状となる。着色レジストの画素部への供給方法は、インクジェットにより3色同時でも、また1色ずつ行ってもよい。 【0053】なお、着色レジストを用いる場合には、背面露光による当該着色レジストの不要部分を除去したときに、カラーフィルタとして残留する着色レジストの高さをブラックマトリクスBMの高さに略等しくすることで、カラーフィルタの上面の起伏を抑制し、その後に塗布するオーバーコート膜を薄くしても平坦性を向上できる。 【0054】図6はブラックマトリクスを隔壁とした開口に着色レジストを用いてカラーフィルタを形成した場合の模式断面図である。この場合、各色の着色レジストは各開口において、そのブラックマトリクスBMの高さより高くなるように形成される。このとき、その塗布表面に他色のレジストEが付着しても、背面露光により図中に点線で示した部分がブラックマトリクスBMの上部に塗布された着色レジストと共に除去されるため、混色は起きない。そして、上記したとうりに、各カラーフィルタR,G,BとブラックマトリクスBMの高さを略同一とすることができ、薄いオーバーコートの塗布でもオーバーコート表面を充分な平坦化を実現できる。 【0055】染色基材層は染色工程により膨潤し、その後の熱処理(ポストベーク)工程で収縮する。これら一連の工程で染料(インク)の分子量に応じて染色基材層の容積は色別に変化する。しかしながら、背面露光によって高さ寸法が揃えられた染色基材層には、染色後の色別の寸法ばらつきが生じ難い。例えば、各色の染料を前記表1に示すように選び、分子量のばらつきが500〜1500の範囲に収めるなどの方法を取ることができる。 【0056】染色基材層の染色による膨潤は、「染色基材層の樹脂膜×染料濃度」の組合せにも依存する。また、「染色基材層を形成する樹脂の官能基の種類と数×染料の官能基の種類と数」の組合せにも依存する。 【0057】上記前者の組合せから、染色前に染色基材層を背面露光で所定の形状に揃えて形成し、染料をこの染色基材層に適した濃度に希釈してブラックマトリクスの開口毎に供給すれば、「着色むら」を防止し、且つ「カラーフィルタ基板の主面最上層の表面平坦化」に適した化フィルタ層の構造を再現性よく製造することができる。 【0058】そして、上記後者の組合せによれば、染料1分子が有する官能基(例えば、−NaSO3 )に対応する染色基材層の樹脂の官能基(例えば、−NH2 )の数、密度が染色の進行(染色度合)を決める。前記図2のグラフは前記表1に例示した各染料の後述する実施例における染色基材層の樹脂に対する染色の進行を示したものである。 【0059】例えば、染料1分子中に−NaSO3 基を1基有する染料と、同1分子中に−NaSO3 基を3基有する染料とでは、単位体積中に所定数の−NH2 基を有する樹脂を含む染色基材層への染色の進み方が異なり、前者の染料の方が染色基材層の単位体積に対する結合分子数が多く、その分、染色度合も高い。 【0060】この染色の進行は染色基材層への染料の浸透にも依存するため、染色基材層の分子構造のみならず、その密度、重合度、架橋度にも影響する。本発明の特徴は、下記に記述する■〜■のとおりである。 【0061】■前記図4、図5でも説明したように、カラーフィルタ基板SUB2の第1主面(薄膜トランジスタ基板SUB1と対向する内面)はブラックマトリクスBMの開口毎に分離され、当該開口毎に染色基材層は少なくとも1種類の開口内部での高さtCFは他の種類の染色基材層のそれと異なる。すなわち、ブラックマトリクスBMの開口毎に色の異なる(異なる種類の)染色基材層が基板上に存在する(3色のカラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)とした場合に、各カラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)の開口内部での高さtCFは全て異なる)。なお、「開口内部」とは、開口を取り囲むブラックマトリクスBMの隔壁から所定の距離だけ離れた位置又は領域を意味する。 【0062】図7は本発明における「開口内部」を定義するための説明図であり、基板をブラックマトリクスBM側から見た模式平面図である。図中、lS はカラーフィルタFILの短辺の長さを、lL は同長辺の長さを示す。カラーフィルタFILの中心部CTRからlS /4、lL /4ずつそれぞれ広がる領域INRを「開口内部」と定義し、その厚さを比較する。 【0063】また、図8はブラックマトリクスと染色基材層が共に疎水性である場合のカラーフィルタの構造を製造工程で説明する模式断面図、図9はブラックマトリクスと染色基材層が共に親水性である場合のカラーフィルタの構造を製造工程で説明する模式断面図である。 【0064】■図8、図9に示したように、上記少なくとも3種類の染色基材層(群)の少なくとも2種類(2群)は、それぞれに対応する上記染色基材層の開口内で、これを取り囲む当該開口の高さを越えない(図8(a)、図9(b)に示したtBM>tCF)を有する。 【0065】■また、上記少なくとも3種類の染色基材層(群)の少なくとも1種類(1群)は、これに対応する上記染色基材層の開口内で、これを取り囲む当該開口の高さ以上(図8(a)、図9(b)に示したtBM≦tCFの関係を満たす)の領域を有する。 【0066】■さらに、上記少なくとも3種類の染色基材層(群)の少なくとも1種類(1群)は、これに対応する上記染色基材層の開口内で、これを取り囲む当該開口の高さを越えない(図8(a)、図9(b)に示したtBM>tCFの関係を満たす)領域を有する。 【0067】■そして、図8(b)と図9(b)に示したように、上記ブラックマトリクスBM上のオーバーコート層OCの膜厚tOCとブラックマトリクスBMの膜厚tBMとは、tOC<tBMなる関係を満たす。 【0068】上記の特徴に基づき、下記のa〜hに記述したような効果を得ることができる。 【0069】■+■+■の組合せにより、a.ブラックマトリクスBMの上面とその各々の開口に形成される染色後の染色基材層の上面との落差(高さの違い)が特性され、これらを覆うオーバーコート層OC膜を薄く形成しても、カラーフィルタ基板SUB2の最上面を充分に平坦化することができる。 【0070】b.「着色むら」が無い(着色後の染色基材層が上記の条件を満たす場合、着色前の染色基材層は必然的にブラックマトリクスBMの開口毎に窪み、インク溜まりが形成されるため、所要の染色に必要とする量のインクを供給できると共に、隣接する開口にインクが流出して混色を起こすことがない)。 【0071】■+■+■の組合せにより、c.カラーフィルタ基板の光透過率が上がる(オーバーコート膜が薄くできることで、オーバーコートによる光損失が少なくなる)。 【0072】d.形成したオーバーコート膜の吸湿による発ガスが抑制される。オーバーコート膜は、その厚さが厚い程吸湿量は増し、これによるガス発生量のITO等の透明電極成膜プロセスへの影響が際立つ。オーバーコート膜を薄く形成できることで、発ガスがその分少なくなり、当該オーバーコート膜の膜面上に良質なITO等の透明電極を形成することができる。 【0073】e.記述のとおり、シール材の塗布形成強度を高めることができ、所望のセルギャップを確実に再現できる。また、シール材形成部分のオーバーコート膜を除去する際には、オーバーコート膜自体の膜厚が薄いため、その部分の残渣をシール材塗布が問題ない程度に除去できる。 【0074】f.上記■+■+■の組み合わせと同様に、「着色むら」の低減に効果的である。 【0075】さらに、上記■+■+■の組み合わせは、g.上記■+■+■の組み合わせを有する液晶表示装置のカラーフィルタ基板を実現する上で望ましい。 【0076】以上のいずれにおいても、h.今まで困難であった上記条件でカラーフィルタ基板の内面(第1の主面)の最上面は平坦化される(染色基材の上面の起伏をオーバーコート膜で被覆することで、当該オーバーコート膜の上面の起伏は染色基材の上面の起伏より少なくなる)。 【0077】その他、■染色基材層は光(紫外線等の化学線)照射により硬化する材料で構成される。光照射で硬化する材料は、背面露光、現像によりブラックマトリクスの開口毎に分離された染色基材層を形成するのに好適である。 【0078】■上記染色基材層は、これを形成する樹脂中に「光開始剤」(背面露光による重合のトリガをかける触媒的な物質)の残滓を含む。光開始剤は、背面露光時にラジカルを生成して分解する(光開始剤自体の分子の骨格は殆ど残らない)。逆に言えば、背面露光による上記染色基材層の形成工程が施され、これによる染色基材層の樹脂の重合が目論見とおり進んだ場合、染色後の染色基材層中には「光開始剤の残滓(残留物または分解物)が残る。これらは、質量分析計(特に、Molecular−SIMS、First Atom Bombardment−Ionization type MS)を用いた場合に、そのフラグメント・イオンとして検出できる。なお、SIMSは、Secondary IonMass Spectrometerの略語である。 【0079】以上、本発明の基本的思想とその効果について記述したが、本発明はこれに限るものではなく、また後述する実施例の構成にも限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能である。 【0080】例えば、適量の染料液(インク)を画素毎に供給する手段として、上述のインクジェット方式に代えてノズル(Nozzle)を備えたディスペンサ(Dispenser)や中空の針(hollow needle)を備えた注射器(Syringe)を用いても、本発明は実施可能である。 【0081】既に述べた従来のインクジェット方式のカラーフィルタ製造工程にて生じる「色むら(Chrominance)」等の問題は、ノズルや中空の針で所定量の染料液を画素毎に滴下する工程でも起こり得るからである。 【0082】上述のディスペンサは、液晶パネルの封止剤塗布に用いられている装置がよく知られているが、カラーフィルタ製造においては、これを微細加工に対応させたマイクロディスペンサ(Micro−Dispenser)と呼ばれる装置を利用することが推奨される。 【0083】また、インクジェット方式やマイクロディスペンサ等により所定量の液体物質を供給する手法は、染料液のみならず着色基材(硬化前の液体状態にある)に適用してもよい。 【0084】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき、実施例の図面を参照して詳細に説明する。 【0085】図10は本発明によるカラーフィルタの製造方法の第1実施例を説明する概略工程図である。本実施例は、樹脂材のブラックマトリクスで画素毎(各色のカラーフィルタに対応した画素領域)に隔壁を形成し、この隔壁で形成される開口部に染色基材で窪み(インク溜まり)を作ってインクを供給するようにした。 【0086】すなわち、カラーフィルタ基板となるガラス基板の第1の主面に黒鉛あるいは金属酸化物等の黒色材料を高分子樹脂に分散したレジストを塗布し、露光マスクを介して露光し、現像して所定の開口を有するブラックマトリクスBMを形成する(プロセス−1、以下P−1のように略記する)。本実施例では、ブラックマトリクスBMの膜厚は1.4μmで、その光学濃度(OD値)は3.7である。ブラックマトリクスBMの材料として、東京応化株式会社製の「BKシリーズ」、あるいは日本化薬株式会社(以下、日本化薬(株)または日本化薬)製の「DCF−Kシリーズ」を用いた。 【0087】スピンナーによりブラックマトリクスBMの開口に受容層となる染色基材を塗布し(P−2)、プリベークを施す(P−3)。染色基材としては、日本化薬(株)製の「CFR−633L1」または「CFR−633DHP」(共に商品名)を用いた。染色基材はブラックマトリクスBMの材料より架橋密度が低く、比重も小さい。上記の染色基材を用いた場合のスピンナーの回転数は800rpmとし、ホットプレートを用いて80°C/10分間でのプリベーク処理後の膜厚を1.45μmとした。 【0088】次に、基板の上記第1の主面と反対側の第2の主面から、超高圧水銀等を使用して、波長が365nm、エネルギーが200mj/cm2 で背面露光を施す(P−4)。この背面露光では、ブラックマトリクスBMが露光マスクとなって、第1の主面に塗布されている染色基材の当該ブラックマトリクスBMの上部分には露光光が照射されず、かつ露光光の照射エネルギーが開口部分の染色基材を各開口で一様に、かつブラックマトリクスBMの高さより低い部分のみを硬化させる。その後の現像により未硬化の染色基材は除去され、ブラックマトリクスBMの開口に染色基材層の窪みが形成される(P−5)。その後、乾燥を行う(P−6)。この乾燥は、所謂エアーナイフ乾燥法を用い、乾燥後の染色基材層の膜厚は1.00μmである。 【0089】乾燥したブラックマトリクスBMの開口に染料(インク)を供給する(P−7)。この染料の供給は、ピエゾ式インクジェットプリンターを用いる。染料としては種々の製品が既知であるが、ここでは次のものを用いた。 【0090】 赤(R):日本化薬(株)製 PC Red 136P ・・・0.2%水 溶液 緑(G):日本化薬(株)製 PC Green FOP・・・0.1%水 溶液 青(B):日本化薬(株)製 PC Blue 43P ・・・0.2%水 溶液染料の供給後、乾燥ベークする(P−8)。この乾燥ベークはホットプレートを用い、130°C/10分間とした。 【0091】乾燥ベーク後、70°Cの温水に5分間浸漬して染料拡散処理を施し(P−9)、エアーナイフ乾燥法で乾燥する。染料拡散後の染色基材層の膜厚は以下のとおりである。 【0092】 赤(R):1.51μm緑(G):1.63μm青(B):1.42μmこれをクリーンオーブンを使用して、150°C/1時間ポストベークする(P−10)。ポストベーク後の染色基材層すなわちカラーフィルタ層の膜厚は以下のとおりである。 【0093】 赤(R):1.43μm緑(G):1.55μm青(B):1.35μm最後に、ブラックマトリクスBMと上記各カラーフィルタを覆ってオーバーコート膜OCを膜厚が1.4μmに塗布し(P−11)、カラーフィルタ基板が完成する。オーバーコート層OCの表面段差は0.1μmである。この後、オーバーコート膜OCに液晶配向制御膜(所謂、配向膜)を塗布する。 【0094】こうして製造したカラーフィルタ基板と他方の基板(例えば、薄膜トランジスタ基板)の各内面を対向させ、その間隙に液晶層を封入して液晶表示装置を得る。 【0095】図11は本発明によるカラーフィルタの製造方法の第1実施例をさらに説明する概略工程の要部に対応する断面構造図である。図示しない他方の基板(SUB1)と対になるカラーフィルタ基板SUB2は液晶表示装置の形式により異なるが、一般的には、STN用では表面にSiO2 の薄膜を形成したソーダガラスを、薄膜トランジスタ(TFT)用では無アルカリガラス(硼珪酸ガラス)が良く用いられる。 【0096】この基板SUB2の第1の主面上に、通称、樹脂BMと呼ばれる黒色レジストを用いてブラックマトリクス(BM)のパターンを形成する(図11(a))。 【0097】各ガラスの種類により光(特に、UV光)の透過率が異なるため、背面露光の条件あるいは染色基材中の光重合開始材の増感波長を変える必要がある。 【0098】このBMは、一般的には膜厚が1〜2μm程度になるように吸光度が調整されている。黒色レジストは、その樹脂に混入する吸光物質である顔料としてカーボンを用い、樹脂分に対する添加量で遮光率が決まる。 【0099】薄膜トランジスタを用いたIPSモード(横電界方式)の液晶表示装置の場合は、高抵抗のBMが必要であるため、カーボン以外の、例えば金属酸化物などが顔料として用いられる。 【0100】次の工程では、BMのパターンの上に感光性(紫外線等の化学線の照射で硬化反応が進む性質)を有し、染料(以下、インクとも言う)によって染色が可能な樹脂(可染性材料:可染性樹脂)すなわち染色基材DPXを塗布し、基板SUB2の背面(第2の主面)から紫外線Lを照射する背面露光を行うことにより(図11(b))、BMパターンが露光マスクとなってBMの開口に染色基材層DPが形成される(図11(c))。 【0101】この露光では、図11(b)に示したように、紫外線のエネルギーを調整することで、染色基材DPXをBMの高さより低い部分(図中に点線で示す)のみを硬化させ、現像処理することにより、図11(c)に示したようにBMで隠された部分と共に未硬化部分を除去してBMを隔壁として当該BMよりも高さが低い染色基材層DPを形成する。図中、PODはBMの開口で構成される窪みすなわちインク溜まりを示す。また、この染色基材層は表示領域(画素領域)にのみ形成すれば良く、それ以外の部分(表示領域の周辺)は枠状のマスクで遮光する等の手段で現像工程で当該表示領域の周辺の染色基材を除去する。 【0102】図12は図11に続くカラーフィルタの製造方法の概略工程の要部に対応する断面構造図である。各インク溜まりPODにインクジェット方式で各色に対応するインクINK(R)、INK(G),INK(B)を供給する(図12(a))。図12(b)はインク溜まりPODに供給されたインクの種々の形状を画素の色種と関係なく説明するものである。図中、インクの供給はA、B、C、Dのような様々な形状に同時に起こり得る。染色基材層DPの染色は充分なインク量を供給することにより染色が平衡して所望の染色度合となる。したがって、A、Bのようなインク量では充分な染色が得られない場合がある。インクジェットノズルからのインクの滴下量の制御が高精度で可能ならばCに示したようにインク溜まり全体を覆うことが望ましいが、全ての画素(インク溜まりPOD)にこのようなインク供給を行うことは難しい。 【0103】そこで、本実施例では、図12(b)のDに示したように、インクの表面張力を利用して染色基材層DPの上にインクを盛り上げる。これは染色基材層DPをBMを隔壁としてこのBMよりも高さを低く形成した構造によって可能となる。 【0104】図12(c)は図12(b)のDに示したように各色のインクINK(R)、INK(G),INK(B)を供給して染色基材層DPを染色し、それぞれのカラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)とした状態を示す。この染色は、染色基材層DPにインクが拡散することで行われる。染色基材層DPにインクを拡散する方法としては加熱によるものが望ましい。加熱方法には温水での加熱、水蒸気による加熱、空気中での加熱の何れでも良い。 【0105】染色後の染色基材層DPはインクの拡散で膨潤する。各色インクの分子量は異なるため、その膨潤量も異なり、その後のポストベークで架橋密度を上げることで収縮し、カラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)の基板からの高さは若干異なるが従来よりもその差は少ない。図では特にそれらの高さの違いは区別しないで示した。 【0106】カラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)の形成後、平坦化保護膜とも呼ばれるオーバーコート層OCを被覆し、硬化させることでカラーフィルタ基板の最上面が平坦化される。IPS方式の薄膜トランジスタに用いるものでは必要ないが、STN方式の液晶表示装置、あるいはTN方式やMVA方式の液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板の場合は、このオーバーコート層OC上に透明導電膜ITO2を蒸着する(図12(d))。 【0107】従来は、オーバーコート層OCの膜厚は1〜2μm以上を必要としたが、本実施例では染色後の染色基材層DPの高さの差が小さいため、1μm以下とすることが可能である。 【0108】以上説明した本実施例によれば、ブラックマトリクスと染色基材層の膜厚を制御してブラックマトリクスと染色基材層の間に当該染色基材層が窪んだ段差(高さの違い)を設けて、ブラックマトリクスを隔壁として染色基材層に染料(インク)を溜める構造としたことにより、染色に必要とする染料を隣接する画素と隔離して充分な量で供給することが可能となり、所望の色調のカラーフィルタを構成できる。 【0109】また、染色基材の膨潤と収縮を見越したブラックマトリクスと当該染色基材層の膜厚を制御できることで、カラーフィルタ上面の平坦性を上げ、薄いオーバーコートの塗布で表面平坦性の良好なカラーフィルタ基板を得ることができる。 【0110】図13は本発明によるカラーフィルタの製造方法の第2実施例を説明する概略工程図であり、予め顔料または染料で着色したネガ型の感光性樹脂(着色レジスト)を用い、ホトリソプロセスで3色の画素に対応するカラーフィルタを形成した基板とするものである。 【0111】本実施例では、カラーフィルタ基板SUB2に第1主面に黒色顔料としてカーボンを分散した感光性の着色レジストを塗布し、パターニングしてブラックマトリクスBMの開口を形成する(図13の(a))。 【0112】このBMの開口にインクジェット方式により各色の着色レジストREG(R)、REG(G)、REG(B)を供給する。インクジェットによる着色レジストの供給は、各色の着色レジストを各開口(画素)毎に高精度で制御することが難しいため、本実施例では、各色の着色レジストを余剰に供給しておく(図13の(b))。この各色の着色レジストは3色同時でもよいが、ここでは一色ずつ順に供給した。着色レジストの供給時に、他の色の着色レジストが飛散して隣接または近隣の画素にある着色レジストにフラグメントFとして付着する場合がある(図13の(c))。このフラグメントFは、そのまま残留すると混色をもたらす。 【0113】顔料レジストは、固形分である顔料と樹脂成分および分散剤等の添加剤および溶剤から構成される。樹脂成分に分散した顔料の濃度で色調、色濃度、透過率が決まる。樹脂成分は、透過率が高く、添加剤の一部である光重合開始剤により、光が照射された際にラジカル反応等の化学反応を伴って架橋する成分である。 【0114】光重合開始剤は、その種類における感光性の違いにより各画素に用いられる各色調に合った材料が選択される。露光光として紫外線を用いる場合には、その比較的短波長の領域に吸収を持つ材料が選ばれることが多い。 【0115】また、溶剤成分は、レジスト材料の粘度を制御し、塗布や滴下に対する作業性を良くするため、あるいは樹脂成分等で固体の物を溶解するために加えられる場合が多い。 【0116】インクジェット方式により着色レジストを各画素部(開口)に供給した後、レジスト内に含まれる溶剤成分をできるだけ取り除くために、加熱して溶剤乾燥を行う。溶剤がレジスト内に残留していると、光架橋反応が阻害される場合があり、この光架橋反応が阻害されない程度に乾燥を施す必要がある。この乾燥工程を効率よく行うために、減圧下で乾燥を行うようにすることもできる。 【0117】乾燥工程後、基板SUB2の背面すなわち第2の主面から光を照射し、各画素に対する着色レジストに硬化反応を起こさせる。通常、背面露光と呼ばれるこの作業は、基板SUB2に近い位置にある着色レジストほど架橋度が高いという性質を持つ。特に、紫外線照射のラジカル反応で架橋が進む場合には、空気中で酸素に接触している部分はラジカル反応が進行しにくく、架橋反応が進みずらいことが知られている。 【0118】また、着色レジストであることから、各色により光に対する吸収性を有し、透明樹脂に比較して硬化反応が進み難い。 【0119】上記の背面露光後、現像処理を施す。顔料分散型の着色レジストの現像には、アルカリ水溶液を基本とし、界面活性剤を加えた現像液を用いることが多く、本実施例でもこのような現像液を用いる。着色レジストの樹脂成分中にはアルカリに溶解可能な官能基を有し、架橋反応が進んでいない部分では溶解性が高く、この性質を利用して現像することにより、BMで遮光された部分と架橋反応の進行が低い着色レジストの表面部分が除去されてBMより高さが低い部分を残して現像が成される(所謂、膜べり)。この膜べりの程度はレジストに添加する光重合開始剤の量と、光の照射量(エネルギー)、波長を制御することで調整できる。 【0120】上記の実施例において説明したフラグメントの発生を抑制するため、染料インクの粘度を強制的に上昇させ、染料インクに粘調性とチクソトロピック性を持たせて開口に過剰の染料を供給した場合でも隣接または近接する画素領域への飛散を抑制することが有効である。 【0121】染料インクは、その構成材料中に、染料、溶媒、各種添加剤を含む。溶媒は水である場合が多いが、カラーフィルタの製造に用いる染料インクの場合は有機溶媒が混合される場合が多い。この有機溶媒は水に可溶で染料を溶解する材料が選ばれることが一般的であるが、染料インクの乾燥スピードを制御するために複数種類の溶剤を混合したものもある。また、添加剤としては染色を助けるための界面活性剤などがある。 【0122】粘度を調整するための材料としては、上記溶媒に溶解可能な材料を選定する必要がある。粘度調整の方法には、粘度の高い溶媒を用いる方法と、溶媒に溶解可能な高分子材料を添加する方法などがある。粘度を高くするものとしてはグリセリンなどの多価アルコール系が水との親和性(親水性)が高く良好である。また、さらに高粘度にするためには、水溶性あるいは水との親和性(親水性)が高い有機溶剤に溶解性の高い樹脂材料を用いるのも有効である。例えば、セルロース系、ポリビニルアルコール、等がある。特に、染色後の洗浄により除去する点を考慮すると、酸化度の低いポリビニルアルコールなどが最も良好な結果を得るとができる。 【0123】図14は現像後およびその後にオーバーコート層を被覆したカラーフィルタ基板の模式断面図である。同図(a)に示したように、上記現像により、現像前の着色レジストに付着していたフラグメントFも除去されて混色の原因が取り除かれ、BMの高さより低い着色レジストの層が各色毎に残り、それぞれが3色のカラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)を形成する。その後、水洗(リンス)し、加熱して乾燥する。 【0124】耐熱性をさらに向上させる方法として、着色レジスト中に熱で架橋する成分を持たせ、上記加熱乾燥時に架橋を強固にすることもできる。 【0125】乾燥後、オーバーコート層OCを塗布し、内面が平坦なカラーフィルタ基板を得る(図14の(b))。 【0126】従来の着色レジストを用いたカラーフィルタでは、カラーフィルタの高さはBMの高さより高く、表面段差が大きい。そのため、オーバーコート層OCの膜厚を厚くすることで表面平坦性を実現しようとしていた。 【0127】本実施例によれば、膜厚が薄いオーバーコート層OCで充分な表面平坦性を持つカラーフィルタ基板を形成できる。そのため、セルギャップ形成のためのスペーサとして柱状スペーサをオーバーコート層OCでも均一な高さで形成でき、セルギャップが均一な高精細の液晶表示装置を得ることができる。 【0128】なお、IPS方式では、このオーバーコート層OC上に液晶配向制御層を塗布するが、TN等の液晶表示装置では、オーバーコート層OC上に透明導電膜ITO2を蒸着した後に液晶配向制御層を塗布する。 【0129】着色レジストに染料を用いた着色レジストを用いることもできる。染料の場合は、当該染料が樹脂に溶解した形で存在するか、あるいは溶剤中に非常に小さい粒子の形で存在するため、顔料を用いた場合に比べ、偏光を乱す作用が小さく、優れた光学特性を得ることができる。ただし、このことは、偏光板を実装した場合に顕著に現れることであり、カラーフィルタ単体での差は顔料レジストと大差はない。 【0130】次に、前記した染料インクの供給で染色基材層を染色する実施例において、隣接または近接する画素への染料インクの飛散を防止し、混色を無くす実施例について説明する。 【0131】図15は本発明によるカラーフィルタの製造方法の第4実施例を説明する概略工程図である。本実施例では、第2実施例と同様にしてカラーフィルタ基板SUB2の第1主面上に形成したブラックマトリクスBMの開口に染色基材DPXを塗布する(図15の(a))。このとき、染色基材DPXはブラックマトリクスBMを形成した基板SUB2の全面に、当該ブラックマトリクスBMの上部にも積極的に存在するように塗布する(図15の(b))。 【0132】染色基材DPXは、第1実施例と同様に光照射により架橋して硬化する光硬化性レジストであり、ホトリソプロセスでパターン化が可能な樹脂である。ブラックマトリクスBMと同様に、塗布形成される膜厚はレジストの固形分濃度と塗布条件で決定され、スピンナーを用いて第1実施例と同様の膜厚で形成される。 【0133】この状態で基板SUB2の背面から光Lを照射し、ブラックマトリクスBMのパターンを露光マスクとして画素部の染色基材DPXを硬化させる。 【0134】このとき、染色基材DPXは図15の(b)に点線で示した部分のみが硬化され、ブラックマトリクスBMの上部と画素部の上部は未硬化の状態となる。硬化した染色基材DPの高さは前記実施例と同様の条件により決定される。 【0135】その後、図15の(c)に示したように、染色基材DPXをブラックマトリクスBM上にも残した状態で、インクジェット方式で各色の染料インクINK(R)、INK(G)、INK(B)をブラックマトリクスBMを隔壁とした染色基材層DPの窪み(開口)に供給する。染料インクは過剰に供給し、その表面張力で開口内で盛り上がるようにすることで染色度合いが充分に進行するようにする。図15の(c)にこの状態を示す。 【0136】図16は本実施例の染色工程の説明図であり、図15の(c)で供給した染料が染色基材層に浸透してこれを染色した状態を図16の(a)に示す。 【0137】ブラックマトリクスBMを隔壁として形成した染色基材層DPに各対応する染料を供給した後、加熱等の染料拡散工程(染色工程)を経て各画素を所定の色調、色濃度に染色する。この染色工程は前記第1実施例で記述した方法と同様でよい。 【0138】各画素を所定の色に染色後、現像によりブラックマトリクスBMの上にある染色器材と共に染色基材層DPの上層にある未硬化の染色基材層を除去する(図16(b))。現像液は画素部の着色された染料が溶出しない組成のものを用いる必要がある。このとき、余剰な染料が残留している場合は、この余剰な染料も除去される。 【0139】その後、加熱により架橋密度をさらに上げ、オーバーコート層OCを塗布し硬化させて前記実施例と同様に隣接画素との完全な分離を行う。こうして形成されたカラーフィルタは、その染色後の染色基材が、基板、ブラックマトリクス、オーバーコートの3種の染色不可能な3者で包囲された構造であるため、安定した信頼性の大きいカラーフィルタが得られる。 【0140】そして、IPS方式の液晶表示装置用では、オーバーコートOCの上に液晶配向膜を塗布し、TN等の液晶表示装置では、オーバーコート層OC上に透明導電膜ITO2を蒸着した後に液晶配向制御層を塗布する(図16(c))。 【0141】次に、本発明によるカラーフィルタの製造方法の第5実施例を説明する。本実施例は、第4実施例における染料の供給を背面露光前に行い、染色された染色基材層の上層およびブラックマトリクスの上部にある未露光の染色基材を現像除去するようにした。このとき、背面露光する染色基材は染色がなされていることから、吸光スペクトルが異なる。そのため、本実施例では、各色に染色された染色基材について、その光透過性が一致する波長の光(例えば、i線)を用いる。 【0142】上記第4、第5実施例によっても、所望の色調のカラーフィルタをその上面の平坦性を上げ、薄いオーバーコートの塗布で表面平坦性の良好なカラーフィルタ基板を得るとができる。 【0143】図17は本発明によるカラーフィルタの製造方法の第6実施例を説明する概略工程図である。本実施例では、インクジェット方式で染色基材層に染料を供給する場合の当該染色基材層と染料との濡れ性を向上させて、色むらの発生をさらに抑制した。 【0144】染色基材層と染料の濡れ性が良くないと、染色基材層上に染料を滴下したときに均一に濡れない場合があり、これが色むらの原因となる。本実施例では、前記実施例と同様にブラックマトリクスBMを形成し(P−100)、染色基材を塗布する(P−200)。染色基材としてはカゼイン、ゼラチン等の天然蛋白質材料が使用可能であるが、ここではアクリル系樹脂をベースとした、例えば日本化薬(株)製の「CFR−633」系材料が適している。この染色基材を背面露光(P−300)し、現像して所定の厚さの染色基材層を形成する(P−400)。 【0145】この染色基材層の表面にプラズマ処理でアッシング(プラズマアッシング)して粗面化する(P−500)。図18はプラズマアッシングで表面を粗面化した染色基材層の説明図である。 【0146】このプラズマ処理は、ガスとして酸素、窒素、空気などを導入できるプラズマ発生装置を用い、染色基材層DPを形成した基板SUB2を装着する。このプラズマアッシング条件は、圧力が200Pa、出力が500W、導入ガスが空気、ガス量を1.0リットル/分である。この粗面化により、染色基材層DPの表面の濡れ性が向上する。 【0147】粗面化した染色基材層DPにインクジェット方式で染料を供給して塗布する(P−600)。染料はアッシングされた染色基材層DP上に均一に塗布され、前記実施例と同様の拡散処理を施して染色基材層DPを染色する(P−700)。 【0148】その後、保護膜(オーバーコート層)を塗布し(P−800)、必要により透明電極(ITO)を蒸着し(P−900)、液晶配向制御膜を塗布してカラーフィルタ基板を得る。 【0149】本実施例により、前記実施例と同様に、染色基材層の高さ(膜厚)をブラックマトリクスBMのそれより低くして染料溜まりを形成することで染色度合を向上させると共に、染色基材層にプラズマアッシングを施すことで染料を拡散を均一にすることができ、色むらの無い高品質のカラーフィルタを提供できる。 【0150】図19は本発明によるカラーフィルタの製造方法の第7実施例を説明する概略工程図である。本実施例は、金属膜からなるブラックマトリクスBMを用いた場合の当該ブラックマトリクスBMの開口から染料の流出を防止して隣接する画素の混色の発生を無くしたものである。 【0151】カラーフィルタ基板SUB2の第1主面にクロム等の金属膜からなるブラックマトリクスBMを有し、このブラックマトリクスBM上に樹脂からなる隔壁PATを形成した。この隔壁PATを設けることで隔壁で囲まれた開口に形成した染色基材層に染料を供給したときに当該染料が隣接する開口に流出するとがなくなる。この隔壁の形成には後述する二つの方法がある。 【0152】図20は本発明の第7実施例に係る第1の隔壁平成方法を説明する概略工程図である。先ず、図19に示した基板SUB2の全面にクロム膜を成膜し、ネガ型の感光レジストを塗布し、露光マスクを介して露光し、現像してブラックマトリクスを形成する部分のホトレジストのみを残してその他の部分のホトレジストを除去する。 【0153】これをウエットエッチングまたはドライエッチング処理してホトレジストの下層にあるクロム膜を残してその他の部分のクロム膜を除去する。ホトレジストを剥離することでクロム膜のブラックマトリクスBMが得られる。以上が図20におけるBM形成工程である。 【0154】次に、クロム膜のブラックマトリクスBMを覆って隔壁となるポジ型のホトレジスト(隔壁膜)を塗布した後ブラックマトリクスBMを露光マスクとして基板SUB2側から背面露光する。 【0155】これを現像することにより、露光された部分のポジ型のホトレジストが除去されて、ブラックマトリクスBM上にレジストからなる隔壁PATが形成される。以上が図20における隔壁形成工程である。 【0156】このようにしてブラックマトリクスBM上に隔壁PATを有する基板SUB2に、その隔壁PATで囲まれた開口を画素領域として、ここに染色基材を塗布して染料を供給して染色し、あるいは染色基材層を形成した後染料を供給する。 【0157】これら染色基材、染色基材層の形成、および染色前後の処理は、前記染料を用いる実施例の何れかと同様の方法で行われ、カラーフィルタを得る。 【0158】図21は本発明の第7実施例に係る第2の隔壁作成方法を説明する概略工程図である。先ず、図19に示した基板SUB2の全面にクロム膜を成膜し、ネガ型の感光レジストを塗布し、露光マスクを介して露光し、現像してブラックマトリクスを形成する部分のホトレジストのみを残してその他の部分のホトレジストを除去する。 【0159】これをウエットエッチングまたはドライエッチング処理してホトレジストの下層にあるクロム膜を残してその他の部分のクロム膜を除去する。次に、ホトレジストをポストベークして硬化させる。これにより、クロム膜のブラックマトリクスBM上に樹脂の隔壁PATを有する基板が得られる。 【0160】そして、上記と同様に、隔壁PATで囲まれた開口を画素領域として、ここに染色基材を塗布して染料を供給して染色し、あるいは染色基材層を形成した後染料を供給する。 【0161】図22は図19に示した実施例の隔壁を備えた基板に染色基材層を形成し、染料で染色して得たカラーフィルタの模式断面図である。各カラーフィルタFIL(R)、FIL(G)、FIL(B)は隔壁PATで分離され、混色のない高品質のカラーフィルタ基板となる。 【0162】図23は本発明の第8実施例のカラーフィルタ基板を説明する概略断面図である。本実施例は、樹脂のブラックマトリクスBM上に樹脂の隔壁を設けたものであり、樹脂ブラックマトリクスBMは従来と同様の方法で形成する。この上にポジ型のホトレジスト(隔壁膜)を塗布した後、ブラックマトリクスBMを露光マスクとして基板SUB2側から背面露光する。 【0163】これを現像することにより、露光された部分のポジ型のホトレジストが除去されて、ブラックマトリクスBM上にレジストからなる隔壁PATが形成される。 【0164】このようにして形成したブラックマトリクスBM上に隔壁PATを有する基板SUB2に、その隔壁PATで囲まれた開口を画素領域として、ここに染色基材を塗布して染料を供給して染色し、あるいは染色基材層を形成した後染料を供給する。 【0165】これら染色基材、染色基材層の形成、および染色前後の処理は、前記染料を用いる実施例の何れかと同様の方法で行われ、カラーフィルタを得る。 【0166】図24は図23で説明した隔壁を有するブラックマトリクス開口にカラーフィルタを形成し、その上にオーバーコートOCを塗布した状態を示す模式断面図である。この隔壁PATを設けることで隔壁で囲まれた開口に形成した染色基材層に染料を供給したときに当該染料が隣接する開口に流出するとがなく、混色のないカラーフィルタ基板を得ることができる。 【0167】その後、IPS方式液晶表示装置用では液晶配向制御膜を塗布し、STNあるいはTN方式液晶表示装置用とする場合はオーバーコート層OC上に透明導電膜を形成し、その上に液晶配向制御膜を塗布してカラーフィルタ基板を得る。 【0168】また、上記図22および図23に示した形状のカラーフィルタ基板を構成するカラーフィルタを着色樹脂(着色レジスト)を塗布し、ホトリソプロセスを用いて形成することも可能である。各着色レジストを用いた場合の方法は前記第2実施例と同様なので、説明は省略する。 【0169】このように構成したカラーフィルタ基板を用いることにより、表示品質の高い高信頼性の液晶表示装置が得られる。 【0170】上述の実施例では、染料液又は着色された染色基材の供給をインクジェット方式で行ったが、例えば、適量の染料液(インク)を画素毎に供給する手段として、上述のインクジェット方式に代えてノズルを備えたディスペンサや中空の針を備えた注射器を用いても、本発明は実施可能である。 【0171】既に述べた従来のインクジェット方式のカラーフィルタ製造工程にて生じる「色むら」等の問題は、ノズルや中空の針で所定量の染料液を画素毎に滴下する工程でも起こり得るからである。 【0172】上述のディスペンサは、液晶パネルの封止剤塗布に用いられている装置がよく知られているが、カラーフィルタ製造においては、これを微細加工に対応させたマイクロディスペンサと呼ばれる装置を利用することが推奨される。 【0173】また、インクジェット方式やマイクロディスペンサ等により所定量の液体物質を供給する手法は、染料液のみならず着色基材(硬化前の液体状態にある)に適用してもよい。 【0174】次に、上記で説明したカラーフィルタ基板を用いて構成した液晶表示装置の構成をTN型の薄膜トランジスタ型液晶表示装置を例として説明する。 【0175】図25は本発明を適用した液晶表示装置の一構成例を説明する展開斜視図であり、駆動回路を実装した液晶パネルにバックライト等を組込んだ所謂液晶表示装置(液晶表示モジュール)として示したものである。図中、SHDは上フレーム、WDはその表示窓、PNLは前記実施例で説明したカラーフィルタ構造を有するカラーフィルタ基板と薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタ基板とから成る液晶パネル、SPSは光拡散板、GLBは導光体、RFSは反射板、BLはバックライト、MCAは下フレームであり、図に示すような上下の配置関係で各部材が積み重ねられて液晶表示モジュールMDLが組み立てられる。 【0176】液晶表示モジュールMDLは上フレームSHDに設けられた爪と下フレームに形成したフックによって全体が固定されるようになっている。 【0177】上フレームSHDの周辺には駆動回路基板(ゲート側回路基板、ドレイン側回路基板)PCB1,PCB2、インターフェース回路基板PCB3がテープキャリアパッドTCP1,TCP2、あるいはジョイナJN1,JN2,JN3で液晶パネルPNLおよび回路基板相互間が接続されている。 【0178】下フレームMCAは、その開口MOにバックライトBLを構成する光拡散シートSPS、導光体GLB、反射板RFSを収納する形状になっている。なお、導光体GLBの側面には線状ランプ(蛍光管)LPが配置される。この線状ランプLPから出射される光を導光体GLB、反射板RFS、光拡散板SPSにより表示面で一様な照明光として液晶パネルPNL側に出射する。なお、LSは蛍光管LPに備えた反射シートである。 【0179】このバックライトBLと液晶パネルPNLの間には照明光に進路を調整するためのプリズムシートPRSが遮光スペーサILSを介して積層されている。 【0180】図26は液晶表示装置を構成する液晶パネルをバックライトと共に上フレームと下フレームで一体化した液晶表示モジュールの外形構造の説明図であって、(A)は表示面側の平面図、(B)は左側面図、(C)は右側側面図、(D)は上側側面、(E)は下側側面図を示す。 【0181】SHDは上フレーム、ARは表示域、HLD1〜4は取り付け穴、LCTは接続コネクタ、LPC1はランプケーブル、CT1はインターフェースコネクタ、WDは表示領域を露出する開口である。また、POLは上偏光板(POL2)で液晶パネルPNLの上面を覆って貼付されている。 【0182】この液晶表示装置は、上フレームSHDと下フレームMCAの2種類の収納・保持部材を用いて組み込まれ、取り付け穴HLD1〜4でノートパソコンやモニター等の情報処理装置の表示部に実装される。 【0183】取り付け穴HLD1とHLD2の間にある凹部にはバックライト用のインバータが組み込まれ、接続コネクタLCTとランプケーブルLPC1でバックライト組立体を構成する線状ランプ(蛍光管)に電力を供給する。なお、この例では蛍光管は液晶パネルPNLの裏下辺に組み込まれている。 【0184】本体コンピユータ(ホスト)からの信号および必要な電源は裏面に位置するインターフェースコネクタCT1を介して供給される。 【0185】図示の液晶表示装置は外径寸法が大きく、表示域ARも大きくなったにも係わらず、表示に寄与しない所謂額縁領域が小さい。さらに、重量も軽量化され、可搬型情報処理装置の可搬性を失うことなく見やすい大画面表示が得られる。 【0186】図27は図26に示した液晶表示装置の実装例を説明するノート型コンピユータの斜視図である。このノート型コンピユータ(可搬型パソコン)はキーボード部(本体部)と、このキーボード部にヒンジで連結した表示部から構成される。キーボード部にはキーボードとホスト(ホストコンピュータ)、CPU等の信号生成機能を収納し、表示部のケースCASEには液晶パネルPNLを有し、その周辺に駆動回路基板FPC1,FPC2、コントロールチップTCONを搭載したPCB、およびバックライト電源であるインバータ電源基板IVなどが実装される。 【0187】そして、上記液晶パネルPNL、各種回路基板FPC1,FPC2,PCB、インバータ電源基板IV、およびバックライトを一体化した液晶表示モジュールは前記した構造で表示部に固定される。 【0188】図28は本発明を適用した薄膜トランジスタ方式液晶表示装置の一画素とその周辺の構成を説明する平面図、図29は図28の3−3線に沿って切断した断面図である。 【0189】図28に示したように、各画素は隣接する2本の走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)GLと、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信号線または垂直信号線)DLとの交差領域内(4本の信号線で囲まれた領域内)に配置されている。 【0190】各画素は薄膜トランジスタTFT、透明画素電極ITO1および保持容量素子Caddを含む。走査信号線GLは列方向に延在し、行方向に複数本配置されている。映像信号線DLは行方向に延在し、列方向に複数本配置されている。 【0191】図29に示したように、液晶LCを基準の下部透明ガラス基板(薄膜トランジスタ基板)SUB1側には薄膜トランジスタTFTおよび透明画素電極ITO1が形成され、ゲート電極GT、半導体層AS、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2からなる薄膜トランジスタTFTを有している。 【0192】なお、AOFは保護膜、GIはゲート絶縁膜、d0はコンタクト層、PSV1はパッシベーション層(保護膜)を示す。 【0193】上部透明ガラス基板(カラーフィルタ基板)SUB2側にはカラーフィルタFIL、ブラックマトリクスBM、オーバーコート層OC(パッシベーション層PSV2)、透明電極(供給電極COM)ITO2、液晶配向制御層(配向膜)ORI2が形成されている。上下部の透明ガラス基板SUB2,1は例えば1.1mm程度、または0.7mm程度の厚さを有している。 【0194】すなわち、上部透明ガラス基板SUB2の内側(第1主面)には、ブラックマトリクスBMを隔壁としたカラーフィルタFIL(赤のフィルタFIL(R)、緑のフィルタFIL(G)のみを示す)、および上部配向膜ORI2が順次積層して設けられている。この上部透明ガラス基板であるカラーフィルタ基板SUB2に形成されているカラーフィルタは前記した本発明の実施例の何れかで製造したものである。 【0195】図30は液晶表示装置の等価回路とその周辺回路の結線図である。この図は回路図であるが、実際の幾何学的配置に対応して描かれている。ARは複数の画素を二次元状に配列した表示部を構成するマトリクスアレイである。 【0196】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字G,BおよびRはそれぞれ緑、青および赤画素に対応して付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字1,2,3,・・・,endは走査タイミングの順序に従って付加されている。 【0197】映像信号線X(添字省略)は上側の映像信号駆動回路Heに接続されている。すなわち、映像信号線Xは、走査信号線Yと同様に、液晶パネルPNLの片側のみに端子が引き出されている。走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路Vに接続されている。 【0198】SUPは1つの電圧源から複数に分圧して安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報をTFT液晶表示装置用の情報に交換する回路を含む回路である。 【0199】上記した本発明による液晶表示装置によれば、混色のない高品質の画像表示を可能とした液晶表示装置が得られる。 【0200】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、着色レジスト法あるいはインクジェット方式を用いた染色法における上記従来技術における諸課題を解消し、均一な色調で、かつ表面の平坦性が良好なカラーフィルタの製造方法とこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000233088 【氏名又は名称】日立デバイスエンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月12日(2000.1.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093506 【弁理士】 【氏名又は名称】小野寺 洋二
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| 【公開番号】 |
特開2001−194521(P2001−194521A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−6352(P2000−6352) |
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