| 【発明の名称】 |
カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、表示装置の製造方法、この表示装置を備えた装置の製造方法及び不良ノズル特定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大串 卓広
【氏名】岡部 哲夫
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| 【要約】 |
【課題】製造ラインの稼働率や歩留まりの低下を極力招かず、またカラーフィルタの製造時間を短縮できるカラーフィルタの製造システムを提供することを目的とする。
【解決手段】インクジェットヘッドからインクを吐出してカラーフィルタの着色を行うカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別に設けられ、インクジェットヘッドユニットの調整を行う調整装置とを具備するカラーフィルタ製造装置を用いてカラーフィルタを製造するに際し、調整装置側で不良ノズルの特定を行ってしまい、その不良ノズルを使用しないようにする。これにより、不良品の発生を抑制できる。また、調整装置における調整では、BM基板を使用することなくヘッドユニットの調整を行うことができるので、その結果、コストダウンも図ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のノズルを有するインクジェットヘッドを複数のフィルタエレメントを有するカラーフィルタ基板に対して相対的に走査させながら、前記複数のフィルタエレメントに向けて前記インクジェットヘッドからインクを吐出して、前記カラーフィルタ基板の着色を行うカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別体に設けられ前記インクジェットヘッドを前記製造装置から取り外した状態で調整する調整装置とを具備するカラーフィルタ製造装置であって、前記調整装置が、前記複数のノズルからのインク吐出の吐出結果に基づき、不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段を備えることを特徴とするカラーフィルタ製造装置。 【請求項2】 前記調整装置は、前記複数のノズルから吐出された夫々のインク吐出量または夫々のインク着弾位置を測定する測定手段を更に備え、前記測定手段の測定結果に基づいて、前記不良ノズルの特定を行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項3】 前記測定手段による測定は、インクジェットヘッドからのインク吐出により光透過性基板上に描画された描画パターンを読み取ることによって行われることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項4】 前記光透過性基板は、ブラックマトリクスが設けられていない基板であることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項5】 前記ブラックマトリクスが設けられていない基板は、ガラス基板またはプラスチック基板であることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項6】 前記光透過性基板は、基板上にインク受容層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項7】 前記不良ノズル特定手段は、ノズルからのインク吐出量が予め設定した範囲外であると判定された場合に、前記範囲外の吐出量であると判定されたノズルを不良ノズルとして特定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項8】 前記不良ノズル特定手段は、前記インク着弾位置が予め設定した許容範囲のズレ量より大きいズレ量であると判定された場合に、前記許容範囲のズレ量より大きいズレ量であると判定されたノズルを不良ノズルと特定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項9】 前記不良ノズル特定手段によって特定された不良ノズルを使用しないように制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項10】 前記不良ノズル特定手段によって取得した不良ノズルに関するデータと前記測定手段によって取得した各ノズルからのインク吐出量に関するデータの双方のデータに基づき、カラーフィルタを着色する際に使用するカラーフィルタ着色用データを作成する演算手段をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項11】 前記演算手段によるカラーフィルタ着色用データの作成では、前記不良ノズル特定手段によって特定された不良ノズルを使用しないようにしてカラーフィルタ着色用データの作成を行うことを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項12】 前記インクジェットヘッドは、少なくとも第1のノズル群と前記第1のノズル群に代わってカラーフィルタを着色可能な第2のノズル群とを含む複数のノズル群を有し、前記インクジェットヘッドの全てのノズル群において、前記演算手段によるカラーフィルタ着色用データの作成を行うことを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項13】 1つのフィルタエレメントもしくは複数のフィルタエレメントが並んだフィルタエレメントの列を形成する際に用いる複数のノズルのうち、前記不良ノズル特定手段によって特定される不良ノズルの数が予め設定した規定数以上の場合は、前記不良ノズルを含むノズル群を使用しないようにすることを特徴とする請求項12に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項14】 前記演算手段では、各フィルタエレメント毎に使用するノズルのインク吐出密度に関するデータを作成することを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項15】 前記演算手段では、複数のフィルタエレメントが並んだフィルタエレメントの列毎に使用するノズルのインク吐出密度に関するデータを作成することを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項16】 前記カラーフィルタ着色装置では、前記前記演算手段によって作成されたカラーフィルタ着色用データに基づき、カラーフィルタの着色を行うことを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項17】 前記カラーフィルタ着色装置は、前記調整装置において作成されたカラーフィルタ着色用データに基づき、前記カラーフィルタを着色するように制御する制御手段と、前記着色されたカラーフィルタの各フィルタエレメント列の着色濃度を測定する測定手段とを備え、前記測定手段によって測定された各フィルタエレメント列の着色濃度に基づき、第2のカラーフィルタ着色用データを作成することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項18】 前記第2のカラーフィルタ着色用データは、規定枚数のカラーフィルタの製造が終了する度に変更することを特徴とする請求項17に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項19】 前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項20】 複数のノズルを有するインクジェットヘッドを複数のフィルタエレメントを有するカラーフィルタ基板に対して相対的に走査させながら、前記複数のフィルタエレメントに向けて前記インクジェットヘッドからインクを吐出して、前記カラーフィルタ基板の着色を行うカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別体に設けられ前記インクジェットヘッドを前記製造装置から取り外した状態で調整する調整装置とを具備するカラーフィルタ製造装置によりカラーフィルタを製造する方法であって、前記調整装置では、前記複数のノズルからのインク吐出の吐出結果に基づき、不良ノズルを特定する不良ノズル特定工程を備えることを特徴とするカラーフィルタ製造方法。 【請求項21】 前記調整装置は、前記複数のノズルから吐出された夫々のインク吐出量または夫々のインク着弾位置を測定する測定工程を更に備え、前記測定工程の測定結果に基づいて、前記不良ノズルの特定を行うことを特徴とする請求項20に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項22】 前記測定工程による測定は、インクジェットヘッドからのインク吐出により光透過性基板上に描画された描画パターンを読み取ることによって行われることを特徴とする請求項21に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項23】 前記光透過性基板は、ブラックマトリクスが設けられていない基板であることを特徴とする請求項22に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項24】 前記ブラックマトリクスが設けられていない基板は、ガラス基板またはプラスチック基板であることを特徴とする請求項23に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項25】 前記光透過性基板は、基板上にインク受容層が設けられていることを特徴とする請求項23に記載のカラーフィルタ製造装置。 【請求項26】 前記不良ノズル特定工程では、ノズルからのインク吐出量が予め設定した範囲外であると判定された場合に、前記範囲外であると判定されたノズルを不良ノズルとして特定することを特徴とする請求項20乃至25のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項27】 前記不良ノズル特定工程では、前記インク着弾位置が予め設定した許容範囲のズレ量より大きいズレ量であると判定された場合に、前記許容範囲のズレ量より大きいズレ量であると判定されたノズルを不良ノズルとして特定することを特徴とする請求項20乃至26のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項28】 前記不良ノズル特定工程によって特定された不良ノズルを使用しないように制御することを特徴とする請求項20乃至27のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項29】 前記不良ノズル特定工程によって取得した不良ノズルに関するデータと前記測定工程によって取得した各ノズルからのインク吐出量に関するデータの双方のデータに基づき、カラーフィルタを着色する際に使用するカラーフィルタ着色用データを作成する演算工程をさらに備えることを特徴とする請求項21乃至28のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項30】 前記演算工程によるカラーフィルタ着色用データの作成では、前記不良ノズル特定工程によって特定された不良ノズルを使用しないようにしてカラーフィルタ着色用データの作成を行うことを特徴とする請求項29に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項31】 前記インクジェットヘッドは、少なくとも第1のノズル群と前記第1のノズル群に代わってカラーフィルタを着色可能な第2のノズル群とを含む複数のノズル群を有し、前記インクジェットヘッドの全てのノズル群において、前記演算工程によるカラーフィルタ着色用データの作成を行うことを特徴とする請求項29に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項32】 1つのフィルタエレメントもしくは複数のフィルタエレメントが並んだフィルタエレメントの列を形成する際に用いる複数のノズルのうち、前記不良ノズル特定工程によって特定される不良ノズルの数が予め設定した規定数以上の場合は、前記不良ノズルを含むノズル群を使用しないようにすることを特徴とする請求項31に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項33】 前記演算工程では、各フィルタエレメント毎に使用するノズルのインク吐出密度に関するデータを作成することを特徴とする請求項27に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項34】 前記演算工程では、複数のフィルタエレメントが並んだフィルタエレメントの列毎に使用するノズルのインク吐出密度に関するデータを作成することを特徴とする請求項29に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項35】 前記カラーフィルタ着色装置では、前記演算工程によって作成されたカラーフィルタ着色用データに基づき、カラーフィルタの着色を行うことを特徴とする請求項29乃至34のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項36】 前記カラーフィルタ着色装置では、前記調整装置において作成されたカラーフィルタ着色用データに基づき、前記カラーフィルタを着色する工程と、前記着色されたカラーフィルタの各フィルタエレメント列の着色濃度を測定する測定工程とを備え、前記測定工程によって測定された各フィルタエレメント列の着色濃度に基づき、第2のカラーフィルタ着色用データを作成することを特徴とする請求項20乃至35のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項37】 前記第2のカラーフィルタ着色用データは、規定枚数のカラーフィルタの製造が終了する度に変更することを特徴とする請求項36に記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項38】 前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする請求項20乃至37のいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法。 【請求項39】 請求項20に記載のカラーフィルタ製造方法により製造されたカラーフィルタを備えた表示装置を製造する方法であって、請求項20に記載のカラーフィルタ製造方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、前記用意したカラーフィルタと、光量を可変とする光量可変手段とを一体化する工程と、を具備することを特徴とする表示装置の製造方法。 【請求項40】 請求項39に記載の表示装置の製造方法により製造された表示装置を備えた装置の製造方法であって、請求項39に記載の表示装置の製造方法により製造された表示装置を用意する工程と、該表示装置に、画像信号を供給する画像信号供給手段を接続する工程とを具備することを特徴とする、表示装置を備えた装置の製造方法。 【請求項41】 複数のノズルを有するインクジェットヘッドからガラス基板上に複数のインクを吐出して描画パターンを形成する工程と、前記形成された描画パターンを読み取ることにより、前記複数のノズルから吐出された夫々のインク吐出量及び夫々のインク着弾位置を測定する工程とを有し、前記測定したインク吐出量及びインク着弾位置を示すデータから、不良ノズルの特定を行うことを特徴とする不良ノズル特定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方式によりカラーフィルタを製造する方法及びシステムに関するものである。詳しくは、インクジェットヘッドからインクを吐出してカラーフィルタの着色を行うカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別に設けられ、インクジェットヘッドユニットの調整を行う調整装置とを具備するカラーフィルタ製造装置、及び該カラーフィルタ製造装置によりカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のためには液晶ディスプレイのコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高まっている。従来から、カラーフィルタの要求特性を満足しつつ上記の要求に応えるべく種々の方法が試みられているが、いまだ全ての要求特性を満足する方法は確立されていない。以下にそれぞれの方法を説明する。 【0003】第1の方法は顔料分散法である。この方法は、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。更にこの工程を3回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフィルタ層を形成する。 【0004】第2の方法は染色法である。染色法は、ガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布し、これをフオトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、Bのカラーフイルタ層を形成する。 【0005】第3の方法としては電着法がある。この方法は、基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1の色を電着する。この工程を3回繰り返してR、G、Bのカラーフイルタ層を形成し、最後に焼成するものである。 【0006】第4の方法としては印刷法がある。この方法は、熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷を3回繰り返すことによりR、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層を形成するものである。また、いずれの方法においても着色層上に保護層を形成するのが一般的である。 【0007】これらの方法に共通している点は、R、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。また、工程が多いほど歩留りが低下するという問題を有している。更に、電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術ではTFT用には適用が難しい。また、印刷法は、解像性、平滑性が悪いためファインピッチのパターンは形成が難しい。 【0008】これらの欠点を補うべく、特開昭59−75205号公報、特開昭63−235901号公報あるいは特開平1−217320号公報等には、インクジェット方式を用いてカラーフイルタを製造する方法が開示されている。これらの方法は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色の色素を含有するインクをインクジェット方式で光透過性の基板上に噴射し、各インクを乾燥させて着色画像部を形成するものである。こうしたインクジェット方式では、R、G、Bの各フィルタエレメントの形成を一度に行うことが可能で大幅な製造工程の簡略化と、大幅なコストダウン効果を得ることが出来る。 【0009】このようなインクジェット方式によりカラーフィルタの製造を行う場合、各フィルタエレメントをR(赤)・G(緑)・B(青)の各色に着色するために、R・G・Bの各色のインクを吐出する3種類のヘッドを用意し、そして、カラーフィルタを着色する前工程として、これら3つのヘッドの相対位置及び傾き角度を調整する必要がある。この調整を行う場合、カラーフィルタの製造装置に各インクジェットヘッドを取り付けた状態で行うことが精度的に一番良いが、このようにインクジェットヘッドを製造装置に取り付けた状態で行うと、カラーフィルタ基板上にゴミが落下し、このゴミが原因で隣り合うフィルタエレメントの異なる色のインク同士が混ざり合い、混色を招くするという問題があった。また、製造装置に取り付けた状態で調整を行うと、その調整のためにカラーフィルタの製造ラインを停止させる時間が長くなってしまい、この停止時間の増大が稼働率が低下させ、ひいてはコストアップを引き起こしていた。 【0010】れらの欠点を補うべく、特開平10―100396号公報には複数のインクジェットヘッドを有するインクジェットヘッドユニットをカラーフィルタ着色装置とは別に設けられた調整装置上で調整を行う方法が開示されている。これらの方法では、複数のインクジェットヘッドの相対位置と主走査方向に対する傾き角度を調整装置上で行うことにより、カラーフィルタ着色装置上で行っていた調整時間を減らすことができ、それにより製造ラインの停止時間を短縮し、稼働率の向上を図ることができる。また、この方法によれば、ゴミによる混色の発生も減らすことができる。 【0011】このようにインクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造は、カラーフィルタの着色を行うカラーフィルタ着色装置と、インクジェットヘッドユニットの調整を行う調整装置とを含むカラーフィルタ製造装置により行われている。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】カラーフィルタの着色のためにインクジェットヘッドを用いる場合は、通常のプリンタの場合とは異なり、所定の規則性のある開口部(フィルタエレメント)にインクを吐出する必要があるので、インクの着弾精度は一般のプリンタの場合と比較して略一桁高い値が要求される。インクの着弾位置がすれるとフィルタエレメント間で混色が発生する可能性があり、1ヶ所でも混色が発生しているカラーフィルタは不良品となってしまう。従って、カラーフィルタの着色において、インクの着弾精度を低下させないことは重要な要件である。 【0013】また、カラーフィルタに要求される色ムラ(フィルタエレメント内やフィルタエレメント間での着色濃度差、フィルタエレメント内での白抜け)のレベルは、通常のプリンタによって紙上にインクを付与する場合に比べて極めて高い程度が要求される。この色ムラに影響を与えるのが、各ノズルからのインク吐出量である。例えば、各ノズルからのインク吐出量が異なることに起因して、フィルタエレメント間での着色濃度が異なったり、フィルタエレメント内に白向けが発生したりする場合がある。着色濃度差が大きなカラーフィルタや白抜けが発生しているカラーフィルタは不良品となってしまう。従って、カラーフィルタの着色において、色ムラの発生を抑制することは重要な要件である。 【0014】上記したインクの着弾精度や色ムラは、ノズルのインク吐出状態が大きく影響する。従って、ノズルの吐出状態を調べ、吐出不良ノズルを特定し、その特定した不良ノズルに対して何かしらの処置を施す必要があると考えられる。この不良ノズルの特定を、従来のカラーフィルタ製造装置では調整装置側ではなくカラーフィルタ着色装置側で行っていた。そして、不良ノズルの特定は、実際のカラーフィルタ基板となるブラックマトリクス(BM)基板に対してインクを吐出して複数のフィルタエレメントを着色し、その着色結果を検査することにより行われていた。すなわち、BM基板上で混色が起こっている部分を見つけ、それにより不良ノズルの特定を行っていたのである。この不良ノズル特定方法は、特開平11−70612号公報に開示されている。 【0015】しかしながら、このような従来の不良ノズル特定方法では、幾つかの点で更なる改善が望まれるということを本願発明者等らは見出した。このことを以下に示す。 【0016】まず、第1に、不良ノズルの特定をカラーフィルタ着色装置側で行うと、不良ノズルを特定する時間分だけ、製造ラインを一時停止する必要があり、製造時間が長くなってしまう。また、ラインの停止は、スループット・稼働率の低下を招いてしまう。 【0017】第2に、上記のように混色によって不良ノズルを特定する方法では、1つのフィルタエレメントが複数のノズルから吐出された複数のインクによって形成されている関係上、1つの混色部にのみ着目しただけではどのノズルが不良ノズルであるかということを直ぐには特定できないため、複数の混色部に着目し、その結果から不良ノズルの推測する必要がある。従って、この方法では、確実に不良ノズルを特定できるものの、その特定に時間がかかり、また特定の仕方も面倒である。 【0018】第3に、BM基板を使用して不良ノズルの特定を行うこととすると、カラーフィルタの製造コストがアップしてしまう。なぜなら、BM基板は高コストであるからである。従って、不良ノズルの特定は、素ガラス上で行うことが望ましい。 【0019】第4に、カラーフィルタ着色装置において実際にカラーフィルタを着色した後に不良ノズルの特定を行うこととすると、少なくとも1枚目のカラーフィルタは不良ノズルが含まれたノズル群で着色する可能性があり、仮に不良ノズルが含まれていたとすると混色や白抜けの発生したカラーフィルタが製造されてしまう可能性がある。これは、歩留まりの低下やコストアップを招いてしまう。 【0020】以上のように従来の不良ノズルの特定方法では、上記したような更なる改善点が存在し、これらはカラーフィルタを製造する際の解決すべき課題である。 【0021】従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、製造ラインの稼働率や歩留まりの低下を極力招かず、またカラーフィルタの製造時間を短縮できるカラーフィルタの製造システムを提供することを目的とする。 【0022】また、本発明は、BM基板を使用せずに不良ノズルを特定することができ、それに伴い低コスト化も図ることが可能なカラーフィルタの製造システムを提供することを目的とする。 【0023】また、本発明は、上記製造システムにより製造されたカラーフィルタ及び表示装置及びこの表示装置を備えた装置を提供することを目的とする。 【0024】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明は、複数のノズルを有するインクジェットヘッドを複数のフィルタエレメントを有するカラーフィルタ基板に対して相対的に走査させながら、前記複数のフィルタエレメントに向けて前記インクジェットヘッドからインクを吐出して、前記カラーフィルタ基板の着色を行うカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別体に設けられ前記インクジェットヘッドを前記製造装置から取り外した状態で調整する調整装置とを具備するカラーフィルタ製造装置であって、前記調整装置が、前記複数のノズルからのインク吐出の吐出結果に基づき、不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段を備えることを特徴とするものである。 【0025】また、本発明は、複数のノズルを有するインクジェットヘッドを複数のフィルタエレメントを有するカラーフィルタ基板に対して相対的に走査させながら、前記複数のフィルタエレメントに向けて前記インクジェットヘッドからインクを吐出して、前記カラーフィルタ基板の着色を行うカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別体に設けられ前記インクジェットヘッドを前記製造装置から取り外した状態で調整する調整装置とを具備するカラーフィルタ製造装置によりカラーフィルタを製造する方法であって、前記調整装置では、前記複数のノズルからのインク吐出の吐出結果に基づき、不良ノズルを特定する不良ノズル特定工程を備えることを特徴とするものである。 【0026】また、本発明は、上記のカラーフィルタ製造方法により製造されたカラーフィルタを備えた表示装置を製造する方法であって、前記カラーフィルタ製造方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、前記用意したカラーフィルタと、光量を可変とする光量可変手段とを一体化する工程と、を具備することを特徴とするものである。 【0027】また、本発明は、上記の表示装置の製造方法により製造された表示装置を備えた装置の製造方法であって、前記表示装置の製造方法により製造された表示装置を用意する工程と、該表示装置に、画像信号を供給する画像信号供給手段を接続する工程とを具備することを特徴とするものである。 【0028】また、本発明は、複数のノズルを有するインクジェットヘッドからガラス基板上に複数のインクを吐出して描画パターンを形成する工程と、前記形成された描画パターンを読み取ることにより、前記複数のノズルから吐出された夫々のインク吐出量及び夫々のインク着弾位置を測定する工程とを有し、前記測定したインク吐出量及びインク着弾位置を示すデータから、不良ノズルの特定を行うことを特徴とする不良ノズル特定方法である。 【0029】尚、本明細書においてフィルタエレメントとは、カラーフィルタとして機能する部分のことである。 【0030】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態例を詳細に説明する。 【0031】〔カラーフィルタ着色装置の概要〕図1はカラーフィルタ着色装置の一実施形態の構成を示す概略図である。 【0032】図1において、51は装置架台、52は架台51上に配置されたXYZθステージ、53はXYZθステージ52上にセットされたカラーフィルタ基板、54はカラーフィルタ基板53上に形成されるカラーフィルタ、55はカラーフィルタ54の着色を行なうR(赤)、G(緑)、B(青)の各インクジェットヘッド55bとそれらを支持するヘッドマウント55aとからなるヘッドユニット、58はカラーフィルタ着色装置90の全体動作を制御するコントローラ、59はコントローラの表示部であるところのティーチングペンダント(パソコン)、60はティーチングペンダント59の操作部であるところのキーボードを示して いる。ヘッドユニット55は、カラーフィルタ着色装置90の支持部90aに対して着脱自在に、かつ水平面内で回動角度を調節可能に装着されている。 【0033】図2はカラーフィルタ着色装置90の制御コントローラの構成図である。59は制御コントローラ58の入出力手段であるティーチングペンダント(パーソナルコンピュータ)、62は製造の進行状況及びヘッドの異常の有無等の情報を表示する表示部、60はカラーフィルタ着色装置90の動作等を指示する操作部(キーボード)である。 【0034】58はカラーフィルタ着色装置90の全体動作を制御するところのコントローラ、65はティーチングペンダント59とのデータの受け渡しを行なうインターフェイス、66はカラーフィルタ着色装置90の制御を行なうCPU、67はCPU66を動作させるための制御プログラムを記憶しているROM、68は生産情報等を記憶するRAM、70はカラーフィルタの各フィルタエレメント内へのインクの吐出を制御する吐出制御部、71はカラーフィルタ着色装置90のXYZθステージ52の動作を制御するステージ制御部、90はコントローラ58に接続され、その指示に従って動作するカラーフィルタ着色装置を示している。 【0035】〔インクジェットヘッドの説明〕次に、図3は、上記のカラーフィルタ着色装置90に使用されるインクジェットヘッドIJH55bの構造を示す図である。図1では、ヘッドユニット55内において、インクジェットヘッドIJH55bはR、G、Bの3色に対応して3個設けられているが、これらの3個のヘッドは夫々同一の構造であるので、図3にはこれらの3個のヘッドのうちの1つの構造を代表して示している。 【0036】図3において、インクジェットヘッドIJH55bは、インクを加熱するための複数のヒータ102が形成された基板であるヒータボード104と、このヒータボード104の上にかぶせられる天板106とから概略構成されている。天板106には、複数の吐出口108が形成されており、吐出口108の後方には、この吐出口108に連通するトンネル状の液路110が形成されている。各液路110は、隔壁112により隣の液路と隔絶されている。各液路110は、その後方において1つのインク液室114に共通に接続されており、インク液室114には、インク供給口116を介してインクが供給され、このインクはインク液室114から夫々の液路110に供給される。 【0037】ヒータボード104と、天板106とは、各液路110に対応した位置に各ヒータ102が来るように位置合わせされて図3の様な状態に組み立てられる。図3においては、2つのヒータ102しか示されていないが、ヒータ102は、夫々の液路110に対応して1つずつ配置されている。そして、図3の様に組み立てられた状態で、ヒータ102に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ102上のインクが沸騰して気泡を形成し、この気泡の体積膨張によりインクが吐出口108から押し出されて吐出される。従って、ヒータ102に加える駆動パルスを制御することにより気泡の大きさを調節することが可能であり、吐出口から吐出されるインクの体積を自在にコントロールすることができる。 【0038】〔インク吐出量の制御方法〕図4は、この様にヒータに加える電力を変化させてインクの吐出量を制御する方法を説明するための図である。 【0039】この実施形態では、インクの吐出量を調整するために、ヒータ102に2種類の定電圧パルスを印可する様になされている。2つのパルスとは、図4に示す様にプレヒートパルスとメインヒートパルス(以下、単にヒートパルスという)である。プレヒートパルスは、実際にインクを吐出するに先立ってインクを所定温度に暖めるためのパルスであり、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5よりも短い値に設定されている。従って、このプレヒートパルスによりインクが吐出されることはない。プレヒートパルスをヒータ102に加えるのは、インクの初期温度を、一定の温度にまで上昇させておくことにより、後に一定のヒートパルスを印可したときのインク吐出量を常に一定にするためである。また、逆にプレヒートパルスの長さを調節することにより、予めインクの温度を調節しておき、同じヒートパルスが印可された場合でも、インクの吐出量を異ならせることも可能である。また、ヒートパルスの印可に先立ってインクを暖めておくことにより、ヒートパルスを印可した時のインク吐出の時間的な立ち上がりを早めて応答性を良くする働きも持っている。 【0040】一方、ヒートパルスは、実際にインクを吐出させるためのパルスであり、上記のインクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5よりも長く設定されている。ヒータ102が発生するエネルギーは、ヒートパルスの幅(印可時間)に比例するものであるため、このヒートパルスの幅を調節することにより、ヒータ102の特性のバラツキを調節することが可能である。 【0041】なお、プレヒートパルスとヒートパルスとの間隔を調整して、プレヒートパルスによる熱の拡散状態を制御することによってもインクの吐出量を調節することが可能となる。 【0042】上記の説明から分かる様に、インクの吐出量は、プレヒートパルスとヒートパルスの印可時間を調節することも可能であるし、またプレヒートパルスとヒートパルスの印可間隔を調節することによっても可能である。従って、プレヒートパルス及びヒートパルスの印可時間やプレヒートパルスとヒートパルスの印可間隔を必要に応じて調整することにより、インクの吐出量やインクの吐出の印可パルスに対する応答性を自在に調節することが可能となる。特に、カラーフィルタを着色する場合、色ムラの発生を抑制する意味で、カラーフィルタにおける各フィルタエレメント間や1つのフィルタエレメント内での着色濃度(色濃度)を略均一することが望ましく、そのために各ノズルからのインク吐出量が同じになるように制御する場合がある。ノズル毎のインク吐出量が同じであれば、各フィルタエレメントに打ち込むインク数も同じにするだけで、フィルタエレメント間での着色濃度を略同一にできる。また、1つのフィルタエレメント内でのムラも低減できる。従って、各ノズル毎のインク吐出量を同一に調節したいときは、上記したインク吐出量の制御方法を行えばよい。 【0043】(カラーフィルタの製造工程)次に、図5は、カラーフィルタの製造工程の一例を示した図である。本実施形態においては、基板1として一般にガラス基板が用いられるが、液晶用カラーフィルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有するものであればガラス基板に限定されるものではない。例えば、プラスチック基板でも適用可能である。 【0044】図5(a)は、光透過部7と遮光部であるブラックマトリクス2を備えたガラス基板1を示す。まず、ブラックマトリクス2の形成された基板1上に光照射又は光照射と加熱により硬化可能であり且つインク受容性を有する樹脂組成物を塗布し、必要に応じてプリベークを行なって樹脂層3を形成する(図5(b))。樹脂層3の形成には、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法を用いることができ、特に限定されるものではない。 【0045】次に、ブラックマトリクス2により遮光される部分の樹脂層をフォトマスク4を使用して予めパターン露光を行なうことにより樹脂層の一部を硬化させてインクを吸収しない部位5(非着色部位)を形成し(図5(c))、その後インクジェットヘッド55bを用いてR、G、Bの各色を一度に着色し(図5(d))、必要に応じてインクの乾燥を行なう。尚、R、G、Bの各色に着色される部分のことをフィルタエレメントといい、このフィルタエレメントはカラーフィルタとして機能する部分である。 【0046】パターン露光の際に使用されるフォトマスク4としては、ブラックマトリクスによる遮光部分を硬化させるための開口部を有するものを使用する。この際、ブラックマトリクスに接する部分での着色剤の色抜け(白抜け)を防止するために、比較的多くのインクを付与することが必要である。そのためにブラックマトリクスの(遮光)幅よりも狭い開口部を有するマスクを用いることが好ましい。 【0047】着色に用いるインクとしては、色素として染料系又は顔料系共に用いることが可能であり、また液状インク、ソリッドインク共に使用可能である。 【0048】本発明で使用する硬化可能な樹脂組成物としては、インク受容性を有し、且つ光照射と加熱の少なくとも一方の処理により硬化し得るものであればいずれでも使用可能であり、樹脂としては例えばアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体あるいはその変性物等が挙げられる。 【0049】これらの樹脂を光あるいは光と熱により架橋反応を進行させるためには光開始剤(架橋剤)を用いることも可能である。光開始剤としては、重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン系開始剤等が使用可能である。またこれらの光開始剤を混合して、あるいは他の増感剤と組み合わせて使用することもできる。更にオニウム塩などの光酸発生剤を架橋剤として併用することも可能である。なお、架橋反応をより進行させるために光照射の後に熱処理を施してもよい。 【0050】これらの組成物を含む樹脂層は、非常に耐熱性、耐水性等に優れており、後工程における高温あるいは洗浄工程に十分耐え得るものである。 【0051】本発明で使用するインクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定することができる。 【0052】また、本例では基板上にブラックマトリクスが形成された例を示しているが、ブラックマトリクスは、硬化可能な樹脂組成物層を形成後、あるいは着色後に樹脂層上に形成されたものであっても特に問題ではなく、その形態は本例に限定されるものではない。また、その形成方法としては、基板上にスパッタもしくは蒸着により金属薄膜を形成し、フォトリソ工程によりパターニングすることが好ましいが、これに限定されるものではない。 【0053】次いで光照射のみ、熱処理のみ、又は光照射及び熱処理を行なって硬化可能な樹脂組成物を硬化させ(図5(e))、必要に応じて保護層8を形成(図5(f))する。なお、図中hνは光の強度を示し、熱処理の場合は、hνの代わりに熱を加える。保護層8としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプあるいは光熱併用タイプの第2の樹脂組成物を用いて形成するか、あるいは無機材料を用いて蒸着またはスパッタによって形成することができ、カラーフィルタとした場合の透明性を有し、その後のITO形成プロセス、配向膜形成プロセス等に十分耐え得るものであれば使用可能である。 【0054】尚、上記の図5(a)〜(f) の例では、ガラス基板上にインクを受容するための樹脂組成物層3を設けた場合を説明しているが本発明はこれには限定されず、直接ガラス基板上にインクを付与して各フィルタエレメントを形成してもよい。これを図6を参照しながら以下に説明する。 【0055】図6は、カラーフィルタの製造工程の他の一例を示したものである。尚、図6において図5と同符号のものは、図5の部材と同部材のものをさす。 【0056】図6(a)は光透過性基板1上に撥インク性を有する隔壁12を形成し、インクジェットヘッド55bにより硬化性インク14を付与する工程を示したものである。本発明において、隔壁12は硬化性インク14を受ける凹部を形成し、且つ隣接するカラーフィルタ間で異なる色のインクの混色を防止するために設けられる部材である。隔壁12は例えば感光性レジストをパターニングして容易に形成することができるが、該隔壁をブラックマトリクスやブラックストライプで兼用することもでき、その場合には黒色レジストをパターニングすれば良い。 【0057】本発明において、隔壁12は光透過性基板1上に直接形成しても良いが、必要に応じて他の機能を有する層を形成した基板、例えばTFTアレイを作製したアクティブマトリクス基板上に形成しても良い。いずれの場合にも、硬化性インクの拡散性を高めるために、カラーフィルタ形成面表面に何らかの表面処理を施しても良い。 【0058】本発明に用いられる硬化性インク14は、光照射又は熱処理、或いはこれらの併用によって硬化するインクである。硬化性インク14としては、液状インク、ソリッドインク共に使用可能であり、また、顔料系、染料系のいずれも用いることができる。インク14中には、光照射又は熱処理、或いはこれらの併用によって硬化する樹脂成分、色材、有機溶剤及び水を含有する。 【0059】硬化成分としては、市販の樹脂や硬化剤を用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等が好適に用いられる。 【0060】各にフィルタエレメントに硬化性インク14を付与した後(図6(b))、必要に応じて乾燥処理を行ない、光照射又は熱処理、或いはこれらの併用によってインクを硬化し、カラーフィルタを形成する(図6(c))。その後、必要に応じて保護膜8を形成する(図6(d))。 【0061】(カラーフィルタ製造装置の概要)本発明では、上記のようにしてカラーフィルタを製造するのであるが、その製造過程においては、カラーフィルタ製造装置を用いてカラーフィルタの着色を行う。ここでカラーフィルタ製造装置について説明する。本明細書において、カラーフィルタ製造装置とは、インクジェットヘッドからインクを吐出してカラーフィルタ基板を着色するためのカラーフィルタ着色装置と、該カラーフィルタ着色装置とは別体に設けられ、カラーフィルタ着色装置に装着されるインクジェットヘッドユニットを調整するための調整装置とを含む構成からなる。 【0062】本実施形態においては、既に述べた様にヘッドユニット55がカラーフィルタ着色装置に対して着脱自在に、かつ水平面内での回動角度を調整可能に装着されている。そして、ヘッドユニット55内のR,G,Bの各インクジェットヘッドの調整をカラーフィルタ着色装置90とは別体に設けられた調整装置で行い、この調整装置で調整されたヘッドユニット55をカラーフィルタ着色装置90に装着し、水平面内の回動角度のみを調整する。これにより、ヘッドユニット55を、カラーフィルタ着色装置90に装着して簡単な調整を行うだけで、他の調整作業を行うことなく、すぐにカラーフィルタの着色を開始することができる。このように、ヘッドユニット55の調整を別に設けられた調整装置で行うことにより、ヘッドの調整をカラーフィルタ着色装置90に装着したままの状態で行う場合に比較して、ごみの発生を防止することができるとともに、カラーフィルタ着色装置90をヘッドの調整のために停止させる時間が必要なくなるので、装置の稼働率を向上させることができる。また、特にカラーフィルタの製造においては、カラーフィルタ基板1にゴミが付着するとそのゴミを介して図7に示すように隣の異なる色のフィルタエレメントのインクが混ざり混色が起こることが本願発明者等の検討により見出され、ゴミの発生を抑制することが良質なカラーフィルタを製造する上で重要であることが分かった。そのため、カラーフィルタの製造は、例えばクラス100以下のクリーン環境内で行われることが望ましく、上記の様にヘッドユニット55の調整を別装置で行うことは、ゴミの発生を防いで良質なカラーフィルタを製造する上できわめて有効である。なお、クリーン度100とは、米国連邦規格209に規定されているものであり、概略的には1リットルの体積中に粒径0.5μm以上の粒子が3.5個存在するクリーン度を示すものである。 【0063】(調整装置)以下に、ヘッドユニット55を調整するための調整装置について説明する。図8はヘッドユニット55の調整を行なうための調整装置300の構成を示す平面図であり、図9は、図8を右方向から見た側面図である。 【0064】図8及び図9において、不図示の基台上にXYZステージ304が載置されている。XYZステージ304は、Xスライドガイド及びYスライドガイドにより図中のXY方向に移動可能となっている。また、XYZステージ304上には、ヘッド調整のためにインクが吐出されるガラス基板302が載置されている。従って、XYZステージ304をXY方向に移動させることにより、結果的にガラス基板302もXY方向に移動することになる。さらに、XYZステージ304は、不図示の手段によりZ方向にも移動可能である。 【0065】また、XYZステージ304の上方には、図9に示すようにヘッドユニット55が調整装置300のヘッド支持支柱312に装着された状態で配置される。また、ヘッドユニット55の側方には、ガラス基板302に描画されたインクドットを読み取るためのラインセンサカメラ310が配置されている。 【0066】なお、Xスライドガイド306の延長上には、各色のインクジェットヘッド55b(R)、55b(G)、55b(B)のインク吐出ノズルからインクを吸引してノズルの吐出不良の回復を図るための回復ユニット314が配置されている。上記のインクジェットヘッド55b(R)、55b(G)、55b(B)は、夫々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のインクを吐出するためのヘッドである。330は調整装置全体を制御するための制御装置であり、後述するようなヘッドの角度調整・ヘッドの相対位置調整・各ノズルからのインク吐出量の測定・インクドットの着弾位置の測定・カラーフィルタ量産用描画データの作成等を行うものである。尚、調整装置の調整では、BMが設けられていないガラス基板(本明細書では素ガラス基板という)を用いる。これによりコストアップを招かずにすむ。また、素ガラス基板として、基板上にインク受容層が設けられているものを用いてもかまわない。上記測定を高精度で行うためには、インク受容層が設けられている素ガラス基板を用いる方が好ましい。 【0067】(ヘッドのユニットの調整手順の説明)次に、以上のように構成される調整装置300において、ヘッドユニット55をどのように調整していくか、つまりヘッドユニット55の調整手順について説明する。 【0068】図10は、ヘッドユニットの調整手順の全体的な流れを示すフローチャートである。この調整は、カラーフィルタ着色装置によりカラーフィルタを着色する前に実行されるものであり、調整装置上で所定の調整を行い、その後、調整したヘッドユニットをカラーフィルタ着色装置に装着することによってカラーフィルタの着色は行われる。以下に、この図10に示すフローチャートを参照し、ヘッドユニットの調整手順の全体的な流れについて説明する。 【0069】まず初めに、ステップS1において、組み立てられたインクジェットヘッドユニット55を調整装置300のヘッド支持支柱312に装着する。 【0070】次に、ステップS2において、ヘッドユニット55の各ヘッド55b(R)・55b(G)・55b(B)により素ガラス基板302上に各ヘッドの角度の調整及び相対位置の調整のためのパターン(着弾位置測定用パターン)を描画する(図11)。その後、ステップS3において、図11に示すような着弾位置測定用パターンをラインセンサカメラ310で読み取って、読み取ったパターンから得られる各インクドットの着弾位置に関するデータに基づいて各ヘッドの傾き角度及び相対位置の調節を行なう。尚、上記の角度調整及び相対位置調整は、後述するように、素ガラス基板上に描画された各インクドットの着弾位置を測定することにより行われる。従って、上記ステップS2で描画されるパターンのことを着弾位置測定用パターンと呼ぶことにする。 【0071】次に、ステップS4において、各インク吐出ノズルからのインク吐出量を測定するためのインク吐出量測定用パターンの描画する(図12)。そして、ステップS5において、図12に示すようなインク吐出量測定用パターンを読み取り、その読み取り結果に基づきて、各ノズルからのインク吐出量を求める。さらに、ステップS6において、ステップS5で求めた各ノズル毎のインク吐出量のデータから、カラーフィルタを製造するときのヘッドの駆動条件を導出する。このようにヘッドの駆動条件は、調整装置における調整の時点で決定されるのである。 【0072】次に、ステップS7において、ステップS3で着弾位置測定用パターンを読み取ったときに取得した各インクドットの着弾位置のデータ、及びステップS5でインク吐出量測定用パターンを読み取ったときに得た各ノズルからのインク吐出量のデータに基づき、インクの吐出ができない不吐ノズル・インク吐出量が極端に少ないノズル・インクの着弾位置がずれてしまうヨレノズル・サテライトを伴うノズル等の不良ノズルが存在するどうかを検出する。すなわち、本発明では、調整装置における調整段階において各ノズル毎にドット着弾位置及びインク吐出量の双方を測定し、その双方のデータから不良ノズルの特定を行うのである。 【0073】次に、ステップS8において、ステップS5で求めた各ノズル毎のインク吐出量のデータ、及びステップS7で特定した不良ノズルのデータに基づき、ヘッドシェーディング補正データを各ノズル毎に作成する。その後、ヘッドシェーディング補正データに基づき、各フィルタエレメントを複数のノズルで着色する場合のデータを作成する(マルチパスデータ)。ここで作成されたデータは、実際にカラーフィルタを着色する場合にどのような描画パターンでインク吐出を行なわせるかを規定するカラーフィルタ量産用描画データとなる。尚、インク吐出量及び不良ノズルのデータに基づいて作成されるヘッドシェーディング補正データの作成方法、及びヘッドシェーディング補正データを利用することで作成するマルチパスデータの作成方法については後述する。 【0074】次に、ステップS9において、ステップS6の駆動条件決定工程からステップS8の量産用描画画像データ作成工程までを、前記インクジェットヘッドが有する複数のノズルのうち、実際にカラーフィルタの製造に利用される全てのノズル群の組み合わせにおいて 実施したかどうかを判定する。全てのノズル群において上記ステップS6〜ステップS8の工程を実施していれば、ステップS10に進み、調整装置における調整作業終了する。一方、実施していなければステップS6まで戻り、全てのノズルの組み合わせで上記ステップS6〜ステップS8の工程が実施されるまで繰り返す。尚、上記ヘッドシェーディング補正データの作成、マルチパスデータの作成及びヘッド調整動作時の制御は、制御装置330により行われる。 【0075】以上により、調整装置側でのヘッドユニットの調整動作は終了する。 【0076】ここで、図10に示したフローチャートの各ステップについて、より詳しく説明する。 【0077】(各インクドットの着弾位置のデータ取得・各ヘッドの傾き角度及び相対位置の調整) まず、ステップS2〜S3の工程について詳述する。このステップS2〜S3では、着弾位置測定用パターンを描画し、その描画した着弾位置測定用パターンを読み取ることによって各インクドットの着弾位置のデータを取得し、その取得したデータに基づき、各ヘッドの傾き角度及び相対位置を調整している。 【0078】具体的には、図10のステップS2において、まず、カラーフィルタのフィルタエレメント間の間隔にノズルのピッチが概略一致する様にR,G,Bの各ヘッド55b(R)・55b(G)・55b(B)を傾ける。本実施形態においては、例えば、フィルタエレメント列間のピッチは264μmである。次に、Xスライドガイド306を駆動させてXYZステージ304をX方向に移動させ、ヘッドユニット55を素ガラス基板302に対してX方向に相対的に走査させながら、各ヘッド55b(R)・55b(G)・55b(B)の各ノズルで、例えば走査方向に400μmピッチで夫々5個ずつのインクドットを素ガラス基板302上に描画する。この描画パターンを示した図が図11であり、この図11に示す描画パターンが上述した着弾位置測定用パターンである。 【0079】次に、ステップS3において、Yスライドガイド308を駆動させてXYZステージ304をY方向に移動させ、ラインセンサカメラ310をガラス基板302に対してY方向に相対的に走査させながら、上記の着弾位置測定用パターンを読み取る。そして、各インクドットの着弾位置に関するデータを取得する。また、読み取った着弾位置測定用パターンを画像処理して、各インクドットの重心位置を求め、最小二乗近似によりそれらの略重心を通る直線I1〜I5を求める。そして、それらの直線I1〜I5とY軸とのなす角θ1〜θ5を求め、それらの平均値をとって各ヘッド55b(R)・55b(G)・55b(B)とY軸とのなす角θa,θb,θcとする。また、X方向に並ぶ各ドットの重心を通る直線から各ヘッドのノズルのY方向の相対距離db,dcを求める。 【0080】その後、上記で求めたθa,θb,θcが所望の角度となる様に、各ヘッドの角度微調整用の偏芯軸を回転させて微調整する。また、各ヘッドのY方向の相対距離db,dcが所望の距離となる様に、各ヘッドの副走査方向の微調整ネジを回転させて各ヘッドの位置を微調整する。以上により、各ヘッドの角度調整及び位置調整が終了する。尚、このステップS3で取得した各インクドットの着弾位置に関するデータは、ステップS7の不良ノズル特定工程で使用される。 【0081】(インク吐出量の測定)次に、ステップS4〜S5の工程について詳述する。このステップS4〜S5では、インク吐出量測定用パターンを描画し、その描画したパターンを読み取ることにより、各ノズルからのインク吐出量を求めている。 【0082】具体的には、図10のステップS4において、まず、ヘッドユニット55を素ガラス基板302に対してX方向に相対的に走査させながら、各ヘッドの各ノズルからインクを吐出させ、図12に示すような長さ5mm程度のラインパターンを描画する。このラインパターンが、上述したインク吐出量測定用パターンである。このとき、各ノズルのヒータには全て同じパターンのプレヒートパルスとヒートパルスを印加する。 【0083】次に、ステップS5において、ラインセンサカメラ310を素ガラス基板302に対してY方向に相対的に走査させながら、ステップS4で描画した各ラインパターンの濃度を測定する。そして、各ラインパターンの濃度から各ノズル毎のインク吐出量を求める。以上により、各ノズルのインク吐出量のデータが得られることとなる。 【0084】なお、ここで、上記の様にラインパターン(インク吐出量測定用パターン)の濃度からインクの吐出量を求める具体的な方法について説明しておく。 【0085】まず、図12の様に描画したラインパターンの濃度をラインセンサカメラ310により測定する。このとき、本実施形態においては、ラインパターンは70μm程度の幅となるので、ラインパターンのY方向の重心位置から±40μm程度の範囲の濃度の積算値を測定する。 【0086】次に、インクジェットヘッドの任意のノズルから任意の条件下で吐出された1回当たりのインク吐出量を測定することにより基準となる検量線を求める。なお、ここで1回当たりのインク吐出量とは、通常は1適のインク吐出量を指すが、インクは場合によっては滴状にはならない場合もあるので、1適とは表現せずに1回当たりのインク吐出量という表現にしている。 【0087】まず、最初の作業として、吐出量を測定しようとするインクジェットヘッドの複数のノズルのうち、一定条件下での1回の吐出量がなるべく異なる少なくとも2つ以上のノズルの吐出量を重量法あるいは吸光度法により求めておく。本実施形態では、一定条件下での吐出量の異なる4つのノズルの1回当たりの吐出量を予め重量法を用いて求めた。 【0088】次に、この様にして1回当たりの吐出量が判明した4つのノズルから、吐出量を求めたときと同じ条件下でインクを吐出させ、これらのインクがガラス基板302上に形成するインクドットの濃度を測定する。この様な測定を行なうことにより、4つのノズルにおけるインクの吐出量と、そのインクが形成するインクドットの濃度とが1対1に対応した状態で求められることになる。なお、4ノズルの作るインクドットの濃度データは描画したドットを50個サンプリングしてその平均値で求めた。その際の濃度データの標準偏差は平均値に対して5%以内であった。 【0089】図13は、上記の4つのノズルについて、インクの1回の吐出量と、そのインクがガラス基板302上に形成するインクドットの濃度の関係をグラフ上にプロットしたものである。図13中で、黒丸で示したものが、4つのノズルのインク吐出量とインクドット濃度を示す点である。この図を見ると、4つの点が略一直線上にあることがわかる。従って、これら4つの点を通る直線を引けば、この直線状の点として任意の吐出量に対するインクドットの濃度が一義的に求められることとなる。この直線を検量線と呼ぶことにする。 【0090】なお、この検量線は直線で表されることから、検量線を求めるためには、グラフ上に最低2個の点がプロットできればよい。従って、上記のように4つの異なるノズルを使用しなくとも、最低2つのノズルを使用するだけでも検量線を求めることは可能である。ただし、本実施形態では、検量線を求める上で重量法あるいは吸光度法によるインク吐出量のデータを使用するため、夫々の測定法の精度はそのまま本実施形態における吐出量測定の精度に影響する。そのため検量線は3つ以上のノズルを使用して求めることがより望ましいと考えられる。また、検量線は使用するインクの種類が変わる毎に再度求める必要があることは言うまでもない。 【0091】次に、既に求められているラインパターンの濃度と上記の検量線とから、ラインパターンの濃度に対応する1つのノズルからの1回当たりのインク吐出量を求める。なお、本工程で求めようとするインクの吐出量は、1つのノズルからの1回当たりの吐出量であって、ラインパターンのように複数のインクの吐出量ではないが、1回当たりのインクの吐出量を求めるのに、ラインパターンの濃度を用いても吐出量の測定精度にはほとんど影響がないことが、本願発明者等によって実験的に確認されている。 【0092】以上の様にして、各ヘッド55b(R)・55b(G)・55b(B)の各ノズルからの1回当たりの吐出量が求められる。 【0093】(不良ノズルの特定)次に、ステップS7の工程について詳述する。このステップS7では、ステップS3で取得した各インクドットの着弾位置に関するデータ、及びステップS5で取得した各ノズルからのインク吐出量のデータに基づき、不良ノズルノ特定を行う。 【0094】まず、最初に、このステップS7においてどのようなノズルを不良ノズルとして特定するのかについて説明する。本明細書においては、不良ノズルの種類として、不吐ノズル・インク吐出量不足ノズル・ヨレノズル・サテライト発生ノズルの4つがあり、これら4つのノズルを以下のように定義する。 【0095】(i)不吐ノズルとは、ノズルを駆動しても(ヒータにヒートパルスを加えても)インクを吐出できないノズルのことである。この不吐ノズルの発生原因としては、インク粘度上昇に伴うノズルの目詰まり、ヒーターの断線等が考えられる。 【0096】(ii)インク吐出量不足ノズルとは、ノズルを駆動したとき(ヒータにヒートパスルを加えたとき)、インクは吐出されるが、他のノズルと比較して極端に吐出量が少なく、また吐出量も一定ではないノズルのことである。 【0097】(iii)ヨレノズルとは、インクを吐出したときのインクドットの着弾位置が目標とする着弾位置から大きくずれてしまうノズルのことである。 【0098】(iv)サテライト発生ノズルとは、発生したサテライトが隣の異なる色のフィルタエレメントに付着してしまい、フィルタエレメント間において混色を発生させてしまうノズルのことである。 【0099】カラーフィルタの着色に使用するノズル群の中に上記のような不良ノズルが存在する場合、フィルタエレメント間や1つのフィルタエレメント内での着色濃度ムラ、もしくは隣接するフィルタエレメント間での混色を招く可能性がある。例えば、上記(i)及び(ii)のノズルは、インク吐出が非常に不安定であり、不吐ノズルでもヒートパルスを加えつづけると少量のインクを吐出するときもあり、またインク吐出が不安定なため着弾位置も目標着弾位置からずれてしまうことがある。このように吐出量が不安定であると着色濃度ムラを発生させ、着弾位置が不安定であると混色を発生させてしまう可能性がある。また、上記(iii)ノズルは、ヨレたインクが隣接するフィルタエレメント内に入ってしまい、混色を招く虞がある。従って、これら不良ノズルは、カラーフィルタの着色に際して使用しないことが好ましい。そのために、これら不良ノズルを予め特定しておき、カラーフィルタの着色時にはこれらの不良ノズルを使用をしない様にしておく。 【0100】さて、不良ノズルの特定であるが、上記( )及び( )のノズルは、図10におけるステップS5のインク吐出量測定工程で取得したインク吐出量のデータから特定する。不吐ノズルやインク吐出量不足ノズルから吐出されるインク吐出量は、正常なノズルから吐出されるインク吐出量と大きく相違するので、インク吐出量を測定することで不吐ノズルやインク吐出量不足ノズルが特定できるのである。具体的には、インク吐出量の許容範囲値を予め定めておき、測定したインク吐出量がその許容範囲値外であれば、そのノズルを不良ノズルと特定する。また、他の特定方法として、不吐ノズルやインク吐出量不足ノズルからの吐出されるインク量と正常なノズルから吐出されるインク量とを比較し、そのインク量の差が予め定めた所定値(規定値)より大きい値であれば、そのノズルを不良ノズルと特定してもよい。 【0101】また、上記(iii)及び(iv)のノズルについては、図10におけるステップS3のインクドットの着弾位置測定工程で取得した着弾位置データから特定する。ヨレノズルやサテサイト発生ノズルから吐出されるインクドットの着弾位置は、正常なノズルから吐出されるインクドットの着弾位置と大きく相違するので、インクドットの着弾位置を測定することでヨレノズルやサテサイト発生ノズルが特定できるのである。具体的には、本来着弾されるべき位置からどのくらいインクの着弾位置がズレているかを調べ、そのズレ量が予め定めた規定値より大きい場合は不良ノズルと判定する。すなわち、目標着弾位置からのずれ量が許容範囲内であるかどうかを判定することにより、不良ノズルであるか否かを特定しているのである。 【0102】以上のようにして本実施形態では、調整装置による調整段階で不良ノズルを予め特定しておき、カラーフィルタ着色装置上でBM基板にインクを吐出してカラーフィルタを実際に製造しようとするときには不良ノズルを使用しないようにする。これにより、混色・白抜け・着色濃度ムラ等の発生確率を低減することができ、不良なカラーフィルタが製造されることが抑制される。その結果、歩留まりが向上し、コストアップを招かずにカラーフィルタを製造することが可能となる。 【0103】(カラーフィルタ量産用描画データの作成)次に、ステップS8の工程について詳述する。このステップS8では、カラーフィルタを着色する際に使用するカラーフィルタ着色用データ(以下、カラーフィルタ量産用描画データという)を作成する。そして、ステップS8において作成されるカラーフィルタ量産用描画データは、ヘッドシェーディング補正データの作成工程及びマルチパスデータの作成工程という2段階のデータ作成工程を経た後に作成される。尚、以下では、「フィルタエレメント」の代わりに「画素」という記載を用いることもあるが、本明細書において「フィルタエレメント」と「画素」とは同義である。 【0104】まず、第1段階のヘッドシェーディング補正データの作成方法について説明する。本実施形態における具体的なデータ作成方法を示す前に、まず、ヘッドシェーディング補正の基本的な考え方について示す。ヘッドシェーディング補正とは、図14乃至図16に示すように、各インク吐出ノズルからのインク吐出密度を調整することにより、インクジェットヘッドの走査方向の濃度ムラを補正するものである。 【0105】例えば、図14に示すように、インクジェットヘッドのノズル3のインク吐出量を基準としたときに、ノズル1のインク吐出量が−10%、ノズル2のインク吐出量が+20%であったとする。このとき、インクジェットヘッドIJHを走査させながら、図15に示すように、ノズル1のヒータには基準クロックの9回に1回ずつヒートパルスを加え、ノズル2のヒータには基準クロックの12回に1回ずつヒートパルスを加え、ノズル3のヒータには基準クロックの10回に1回ずつヒートパルスを加える。この様にすることにより、走査方向のインク吐出数を各ノズル毎に変化させ、図16に示すようにカラーフィルタのフィルタエレメント内の走査方向のインク密度を一定にすることができ、各フィルタエレメントの濃度ムラを低減することができる。すなわち、各フィルタエレメントの濃度ムラを低減させるためには、各フィルタエレメント間における着色濃度を略同一とする必要がある。そこで、各フィルタエレメント間における着色濃度が略同一なるように、各フィルタエレメントに対して打ち込むインクの吐出密度をノズル毎に設定するのである。このようにして、走査方向のインク吐出密度を補正することをヘッドシェーディング補正と呼ぶ。本実施形態では、この補正により約40%の補正幅を実現している。 【0106】次に、ヘッドシェーディング補正を施して描画データを作成する具体的な方法を示す。まず、図10のステップS7において特定した不良ノズルを使用しないことを決定する。次に、不良ノズル以外の全ノズルについて、以下の手順でヘッドシェーディング補正データを作成する。 (1)図10のステップS5で測定したノズル毎のインク吐出量のデータを用意する。 (2)1つのフィルタエレメントを1つのノズルで着色すると仮定した場合に、フィルタエレメント間の着色濃度が略同じになるように、フィルタエレメントへの打ち込みドット数を前記(1)のインク吐出量のデータに基づき決定する。換言すると、フィルタエレメントに打ち込むインクドットの吐出間隔を決定しているともいえる。具体的には、上述したように、ノズルからのインク吐出量が多い場合には、1つのフィルタエレメント内のドット数を少なくするか、もしくはドット間隔を広くする。一方、ノズルからのインク吐出量が少ない場合には、1つのフィルタエレメント内のドット数を多くするか、もしくはドット間隔を狭くする。このようにして、フィルタエレメントに対するインクの吐出密度を決定(設定)する。尚、このインク吐出密度の設定は全ノズルに対して行う。これにより、各ノズル毎のインク吐出密度のデータが作成される。これが、ヘッドシェーディング補正データとなる。 【0107】ここで、更に具体的に、ノズルN1・N2・N3の各ノズルにおけるヘッドシェーディング補正データを作成する場合について説明する。 【0108】まず、上記(1)のノズル毎のインク吐出量のデータから、3つのノズルN1・N2・N3の各インク吐出量を求める。例えばノズルN1の1回の吐出量が10ng(ナノグラム)、ノズルN2の1回の吐出量が20ng、ノズルN3の1回の吐出量が40ngであったとする。ここでは、説明を分かりやすくするためにノズル毎の吐出量のバラツキをかなり大きく設定したが、実際上のインクジェットヘッドにおけるインク吐出量のバラツキは±5%程度である。 【0109】次に、1パスで画素列G1を着色する場合、例えば画素列の長さが約200mmで、ノズルN1では、画素列G1を着色するのに、2000発のインクが必要であると仮定する。このときの画素列G1を着色するためのインクの総量は、10(ng)×2000=20000ngである。尚、本実施形態におけるヘッドシェーディング補正では、上記(2)で示したようにフィルタエレメント列(画素列)間の着色濃度が略同一になるようにインク吐出密度の設定を行っているが、これには限られず、1画素列を着色するために必要なインクの総量が略同じになるようにインク吐出密度の設定を行ってもよい。ここでは、後者の方の設定方法を採用する。そのため、ノズルN2を使用して同じ画素列G1を着色する場合には、20000(ng)÷20(ng)=1000発のインクが必要となる。この場合、ノズルN1で画素列G1を着色する場合の1発毎のインクの間隔は、200(mm)÷2000発=100μmであり、ノズルN2で着色する場合には、1画素列を着色する弾数がノズルN1の1/2であるため、1発毎のインクの間隔は200μmとなる。また、同様に、ノズルN3を使用する場合には、インクの弾数は、20000ng÷40ng=500発となり、1発毎のインクの間隔は400μmとなる。 【0110】言い換えれば、上記の吐出量の異なる3つのノズル(N1・N2・N3)を用いて、1パスで1画素列を着色する場合、ノズルN1では10ngのインク弾を100μm間隔200発吐出し、ノズルN2では20ngのインク弾を200μm間隔で1000発吐出し、ノズルN3では40ngのインク弾を400μm間隔で500発吐出することとなる。このようにして、ノズルN1・N2・N3の各ノズル毎のインク吐出密度の設定を行う。 【0111】以上のようにしてヘッドシェーディング補正データが作成されたら、これを利用して、次はマルチパスデータの作成を行う。以下に、第2段階のマルチパスデータの作成について説明する。尚、以下では説明を簡単にするために、3パスにより各フィルタエレメントを着色し、その着色に際しては1パス毎に使用するノズルを変える場合について示す。 【0112】まず、上記のような3つのノズル( N1・N2・N3)を用いて1パス毎にノズルを変更しながら3パスで1つの画素列G1を着色する場合を考える。この場合、3つのノズルで、夫々必要なインク総量の1/3ずつを吐出するのが一般的に考えられる方法である。そのため、ノズルN1からは、1パス目で2000(発)/3=667発のインクを吐出する。この667発のインクを画素列G1の走査方向に均等に配分するには、10ngのインク弾を100μmの3倍の300μmの間隔で吐出する必要がある。同様に、ノズルN2からは、2パス目で1000発/3=333発のインクを吐出することとなり、20ngのインク弾を600μmの間隔で吐出することとなる。更に、ノズルN3からは、3パス目で500発/3=167発のインクを吐出することになり、40ngのインク弾を1200μmの間隔で吐出することとなる。 【0113】このように、各ノズルから吐出されるインク弾の吐出間隔が決定されるのであるが、仮に、これを単純に各ノズル毎に吐出開始位置を同じにして3パスで画素列の着色を行なうと仮定する。すると、図17に示すように、インクの吐出開始位置及びこの吐出開始位置から1200μm毎の位置では、10ngのインクと20ngのインクと40ngのインクが1ヶ所に集中し、吐出開始位置から600μm毎の位置では、10ngのインクと20ngのインクが1ヶ所に集中し、その他の位置では10ngのインクのみとなる。そのため、着弾したインクが図18のようにインクが集中する位置では大きく、集中しない位置では小さくガラス基板上に広がって、画素の着色ムラが発生してしまうこととなる。これを改善するために各パスの吐出開始位置をずらしたとしても、1パスのインクの吐出間隔の整数倍=(nパス目のインクの吐出間隔の整数倍+開始位置のずらし量)となる点が出てくるので、やはりインクが重なってしまう場合があり、上記の問題点の完全な解決策とはならない。 【0114】そこで、本実施形態では以下のような方法をとることにより上記の問題を解決している。 【0115】すなわち、1つの画素列を3パスで着色するのに必要な総インク弾数は、ノズルN1の667発とノズルN2の333発とノズルN3の167発を加えた、667+333+167=1167発である。本実施形態では、この総インク弾数1167発を単純に3等分して、ノズルN1、N2、N3の夫々の吐出インク着弾数を1167÷3=389発に揃えてしまう。そして各ノズルのインク吐出間隔を、画素列の長さ200mmを1167で割った200(mm)÷1167=171μmの等間隔とする。 【0116】より詳しく説明すると、図19に示すように、まず吐出開始位置にノズルN1から10ngのインク弾を吐出し、その後はノズルN1からは、171μmの3倍の513μm間隔で10ngのインク弾を順次吐出する。また、ノズルN2からは、吐出開始位置から171μmずれた位置を始点として、同じく513μm間隔で20ngのインクを吐出する。さらに、ノズルN3からは、吐出開始位置から342μmずれた位置を始点として、同じく513μm間隔で40ngのインクを吐出する。このようにすれば、ノズルN1からの10ngのインクと、ノズルN2からの20ngのインクと、ノズルN3からの40ngのインクが、画素列上に全て171μmの等間隔で並ぶようになり、インクが重なって着弾することが無い。これにより、図17及び図18に示すような着色ムラが緩和されて、より高品位なカラーフィルタを製造することができる。 【0117】なお、上記の説明では、本来1つの画素列を着色するインク弾数が、ノズルN1で667発、ノズルN2で333発、ノズルN3で167発であるところを、ノズルN1、N2、N3ともに389発で揃えてしまっているため、1つの画素列を着色するインク総量が、本来必要とされている量とは異なってくる。より詳しくは、本来必要なインク総量が、10(ng)×667+20(ng)×333+40(ng)×167=19890ngであるところが、10(ng)×389+20(ng)×389+40(ng)×389=27230ngとなってしまう。しかしながら、上記の実施形態では、説明をわかりやすくするために、各ノズルの吐出量のバラツキを10ng、20ng、40ngと大きく異なった値に設定したものであって、実際上は、インク吐出量バラツキは、例えば1番目のノズルの吐出量が10ngとすれば、2番目のノズルは9.5ng、3番目のノズルは10.5ngというように、せいぜい±5%程度の量であるため、上記の様なノズルの吐出インク着弾数を揃える処理を行なったとしても、1つの画素列を着色するインク総量にはほとんど影響が出ない。従って、本実施形態の様な方法を用いても、インク総量が異なってインクが溢れたりするような不都合は起こらず、着色ムラを軽減するという効果のみが得られることとなる。 【0118】以上のようにして得られたマルチパスデータが、カラーフィルタ着色装置上で実際にカラーフィルタを製造する際に用いられるカラーフィルタ量産用描画データとなる。 【0119】なお、図20は、本実施形態で作成したカラーフィルタ量産用描画データに基づき、BM基板上にインクを吐出して実際にカラーフィルタを着色する場合の着色方法を示した概念図である。詳しくは、1パス目、2パス目、3パス目で使用するノズルをずらしながら、インクの吐出間隔をすべて等間隔に揃えて着色を行なう様子を示している。実際には隣り合う画素列はR、G、Bの異なる色に着色されるのであるが、この図においては、説明の便宜上画素列の色が同じ色である場合を示している。また、インクの吐出量の差をノズルの直径の大きさを異ならせて示している。 【0120】また、上記で説明したように本実施形態では、特定した不良ノズルを使用しないようにしている。従って、例えば、図21に示すように、No.3の画素列を本来は1番・3番・5番のノズルで形成する予定であったとしても、5番のノズルが不良ノズルであると判断された場合は、No.3の画素列は1番・3番のノズルで形成することとなる。同様に、No.5の画素列は3番・7番のノズルで、No.7の画素列は7番・9番のノズルで形成することとなる。しかしながら、No.3・No.5・No.7の画素列は、本来あるはずの5番ノズルからのインク打ち込みがなくなるため、打ち込まるインク量が目標値より少なくなる。すると、これらの画素列は、カラーフィルタで必要とされる着色濃度より薄くなってしまう。そこで、5番ノズルからのインク打ち込み量の欠落を、3番・5番・9番のノズルで補充する。すなわち、3番・5番・9番のノズルからのインク打ち込み量を増やすのである。こうすることで、これらの画素列の着色濃度を、目標としていた着色濃度と同じすることができる。尚、不良ノズルを特定することによってどの画素列のインク打ち込み量が減少するかが分かるので、このようなインク打ち込み量の減少も考慮してどのノズルからのインク打ち込む量を増加させなければならないかということも計算し、カラーフィルタ量産用描画データを作成する必要がある。 【0121】次に、図10のステップS9について詳述をする。上述したようにステップS9では、実際にカラーフィルタの製造に利用される全てのノズル群の組み合わせにおいて、カラーフィルタ量産用描画データの作成が行われたか否かを判断している。 【0122】本実施形態においては、インクジェットヘッドのノズルピッチとカラーフィルタの画素ピッチとの関係上、図22に示すようにインクジェットヘッドのノズルを4ノズルおきに使用するようにしている。従って、図22に示すように、本実施形態で使用するインクジェットヘッドには4つのノズル群が存在する。図21において、ノズル毎に付されている番号■〜■はノズル群の番号であり、■、■、■、■に夫々対応して第1ノズル群、第2ノズル群、第3ノズル群、第4ノズル群である。尚、図から明らかなように、図22では第1ノズル群を使用している。 【0123】このように複数のノズル群が存在するインクジェットヘッドを用いてカラーフィルタを着色する場合、一度に全てのノズルを使用するのではなく、1つのノズル群を選択し、その選択したノズル群で着色を行うようにしている。そして、ノズルの寿命や不良ノズルの発生等により現在使用しているノズル群で高精細なカラーフィルタを製造することが困難になったならば、使用するノズル群を変更する。例えば、現在使用しているノズル群が第1のノズル群であり、その第1のノズル群が使用できなくなれば、第2のノズル群に変更する。このようにして、順々に使用するノズル群を、第1のノズル群、第2ノズル群、第3ノズル群、第4ノズル群のように順々に変更していくようにする。こうすることで、使用しないノズルも活用することができ、使用中にノズルに不具合が発生しても、他ノズルによりカラーフィルタの製造を続けることが可能となる。その結果、歩留まりの低下を招かずに高精細なカラーフィルタの製造が可能となる。 【0124】上述のようにカラーフィルタ製造する場合には、使用するノズル群を切り替え、全てのノズル群を使用可能なようにしているため、調整装置における調整段階において全てのノズル群についてカラーフィルタ量産用描画データを作成しておく必要がある。そのために、図10のスッテプS9で、全てのノズル群においてカラーフィルタ量産用描画データの作成が行われたか否かを判断している。 【0125】調整装置では、具体的に、まず、第1のノズル群について図10のステップS6〜S8の工程を行い、カラーフィルタ量産用描画データを作成する。次に、第1のノズル群と同様にして、第2のノズル群についてのカラーフィルタ量産用描画データの作成を行う。第3のノズル群、第4のノズル群についても同様である。このように全てのノズル群でカラーフィルタ量産用描画データの作成が行われたならば、図10のスッテプS10に進み、インクジェットヘッドユニット調整が終了となる。 【0126】上記のようにして調整されたインクジェットヘッドユニットを、次はカラーフィルタ着色装置に装着しカラーフィルタの着色を行っていくのであるが、その着色に際してどのノズル群を使用するか決定しなければならない。全てのノズル群が使用可能であればどのノズル群を選択しても問題ないのであるが、ノズル群によっては不良ノズルが多すぎて使用できないものがあるかもしれない。そこで、本実施形態では、調整装置側でノズル群の使用の可否を判断してしまう。例えば、上記で説明したように1つの画素列を3つのノズルで着色する場合は、その3つのノズルのうち、2つ以上のノズルが不良ノズルと判定されれば、その3つのノズルを含むノズル群の使用を不可とする。また、1つの画素列を5つのノズルで着色する場合は、その5つのノズルのうち、3つ以上のノズルが不良ノズルと判定されれば、その5つのノズルを含むノズル群の使用を不可とする。このように、どのくらいの数の不良ノズルが発生したら、その不良ノズルを含むノズル群を使用不可とするかについての判断を行うために、不良ノズル発生許容数を予め設定しておき、その数よりも不良ノズル数が多ければ、その不良ノズルを含むノズル群を使用しないようにする。以上の様な方法を用いることにより、フィルタエレメントに欠陥のない良好なカラーフィルタを高い歩留まりで作成することができる。 【0127】以上のように、調整装置において、BMやインク受容層が設けられていないガラス基板(素ガラス基板)を用いてヘッドユニットの調整を行っているので、BM基板を用いて調整するより低コストで調整ができる。また、調整装置で予め不良ノズルを特定しているので、歩留まりの向上が図れる。 【0128】(カラーフィルタ着色装置における着色工程)以上のようにして調整されたインクジェットヘッドユニットはカラーフィルタ着色装置に装着され、このカラーフィルタ着色装置において今度は実際のカラーフィルタが製造される。以下に、カラーフィルタ着色装置においてカラーフィルタを着色するときの着色手順を示す。 【0129】図23は、カラーフィルタ着色工程における全体的な流れを示すフローチャートである。詳しくは、調整装置上で所定の調整が施されたヘッドユニットをカラーフィルタ着色装置に装着し、それによってカラーフィルタ着色装置上で行われるカラーフィルタの着色手順について示すものである。以下に、この図23に示すフローチャートを参照し、カラーフィルタの着色手順について説明する。 【0130】まず、ステップS1において、ユニット調整装置で調整したインクジェットヘッドユニットをカラーフィルタ着色装置に装着する。次に、ステップS2において、インクジェットヘッドユニットの水平面の回動角度調整を行なう。 【0131】その後、ステップS3において、調整装置で作成したカラーフィルタ量産用描画データ及び調整装置で決定した駆動条件に基づき、BM基板上にインクを吐出してカラーフィルタの量産を行う。尚、インクを吐出していくに伴い、各ノズルのインク吐出量は経時的に変動する。このため、ある規定枚数のカラーフィルタを製造したところで上記カラーフィルタ量産用描画データを変更する必要がある。そこで、調整装置ではカラーフィルタ量産用描画データを各ノズルからのインク吐出量を測定することで作成したが、カラーフィルタ着色装置では着色されたカラーフィルタを抜き取り、フィルタエレメント毎の着色濃度のバラツキを測定することでカラーフィルタ量産用描画データを作成する(ステップS4)。このように、カラーフィルタ着色装置により規定枚数のカラーフィルタを製造したところでカラーフィルタ量産用描画画像データを入れ替える。 【0132】次に、ステップS5において、カラーフィルタ製造用に使用していたノズル群で規定枚数のカラーフィルタを製造したか否かを判定する。規定枚数の製造が終了していればステップS6に進み、終了していなければステップS4に戻り、現在使用しているノズル群をそのまま使用して着色を続ける。以上から分かるように、このステップS5では、規定枚数の製造が終了ところでノズル群の変更を行うようにしている。このときに、併せて各ヘッドの相対位置の位置合わせも行なう。 【0133】次に、ステップS6において、インクジェットヘッドの全てのノズル群をカラーフィルタの製造に使用したか否かを判定する。ここで、全てのノズル群をまだ使用していないと判定されたら、ステップS7に進み、使用するノズル群を変更する。一方、全てのノズル群を使用したと判定されたら、使用し終わった時点インクジェットヘッドユニットの交換を行う(ステップS8)尚、この交換に用いられるインクジェットヘッドユニットは、当然のことながら、調整装置で既に調整済みである。 【0134】以上により、カラーフィルタ着色装置によるカラーフィルタの着色工程が終了する。 【0135】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。例えば、上記実施形態では、インクジェット方式として発熱抵抗素子(ヒータ)を使用した熱制御方式を例に挙げて説明しているが、この他にピエゾ振動素子の機械的振動によりオリフィスから液滴を吐出する圧力制御方式にも適用可能である。さらに、インクジェット方式であれば、これらの方法と装置に限定されるものではない。また、上記では調整装置による不良ノズルの特定をインク吐出量またはインク着弾位置を測定することにより行っているが、これには限られず、ノズルから吐出された飛翔中のインクにレーザーを当てることにより不吐ノズルの検出を行ってもよい。すなわち、調整装置による不良ノズルの特定は、ノズルからのインク吐出の吐出結果に基づいて行うことができる。但し、レーザーを当てることで不吐ノズルを検出する場合、不吐ノズルの検出を行うことは可能であるが、インク吐出量は測定できないため、カラーフィルタ量産用描画データの作成に際しては別途インク吐出量の測定を行う必要がある。 【0136】また、近年TFTアレイ側にカラーフィルタを設けたパネルも存在するが、本明細書で定義しているカラーフィルタは、色材により着色された被着 色体であり、TFTアレイ側にあるか否かにかかわらず、どちらも包含する。 【0137】本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できる。 【0138】その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。 【0139】このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。 【0140】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。 【0141】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。 【0142】加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。 【0143】また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。 【0144】以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。 【0145】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。 【0146】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、カラーフィルタ着色装置とは別に設けられた調整装置においてインクジェットヘッドヘッドユニットの調整を行なう際に、BM基板を使用することなく調整を行なうことができるため、カラーフィルタ製造のコストを下げることができる。 【0147】また、ヘッドユニット調整時に不良ノズルの特定をしておくことによって、不良品の発生確率を低減でき、歩留まりの向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090538 【弁理士】 【氏名又は名称】西山 恵三 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194519(P2001−194519A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−2331(P2000−2331) |
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