| 【発明の名称】 |
カラーフィルター |
| 【発明者】 |
【氏名】澤田 篤昌
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| 【要約】 |
【課題】オーバーコートとしての役割をもつ樹脂膜層が液晶層に対して露出すると、外部からの紫外光による励起エネルギーが、色層に達した酸素分子を活性化させ、色層に使用されている有機顔料等の色素を分解し、退色等の劣化を導く。又、色層とその上のTiO2との間に樹脂膜層がある構造でも、樹脂膜層自体が有する溶存活性酸素により色層を劣化させる恐れがある。
【解決手段】上層にのみ紫外光に対して遮光性のあるTiO2を形成する場合にはカラーフィルターの上を直接TiO2で覆い、さらに退色防止効果を完璧にするために、下層にもTiO2を設ける場合には、カラーフィルターの上を直接TiO23Uで覆った上で,下層にもTiO23Dを敷くことにより、色層6への紫外部の波長領域をもつ光の進入が抑えられ、色層6上方からの色層への酸素流入をも遮断することから、自動酸化反応の進行防止効果による退色防止効果も得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板の上方に色層を有し、前記色層よりも少なくとも下方にならない位置にあって、前記色層の下面以外の露出する表面を直接覆って紫外光を遮光する上部遮光層のみを有することを特徴とするカラーフィルター。 【請求項2】 基板の上方に色層を有し、前記基板と前記色層との間に紫外光を遮光する下部遮光層を有し、かつ、前記色層よりも少なくとも下方にならない位置にあって、紫外光を遮光する上部遮光層を有することを特徴とするカラーフィルター。 【請求項3】 前記上部遮光層は、前記色層の下面以外の露出する表面を直接覆う請求項2記載のカラーフィルター。 【請求項4】 前記色層は、隣接する色層との間に色層の形成されない隙間を有しており、少なくとも前記隙間の底部を充填するブラックマトリックス層を有する請求項1、2又は3記載のカラーフィルター。 【請求項5】 前記基板と前記色層との間には、薄膜トランジスタのゲート電極及び薄膜トランジスタのチャネル部を構成する半導体層を有しており、前記薄膜トランジスタと前記上部遮光層との間に前記色層を有する請求項1、2、3又は4記載のカラーフィルター。 【請求項6】 前記色層は、前記薄膜トランジスタのチャネル部の上方に色層の形成されない隙間を有しており、前記薄膜トランジスタと前記上部遮光層との間にあって、少なくとも前記隙間を覆い、かつ、少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル部を覆うブラックマトリックス層を有する請求項5記載のカラーフィルター。 【請求項7】 前記薄膜トランジスタの下方にも紫外光を遮光する下部遮光層を有する請求項5又は6記載のカラーフィルター。 【請求項8】 前記上部遮光層は、酸素を遮断する酸素遮断層を兼ねる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のカラーフィルター。 【請求項9】 前記基板の上方に上部遮光層のみを有する場合には前記上部遮光層が、前記基板の上方に上部遮光層及び下部遮光層を共に有する場合は、前記上部遮光層及び前記下部遮光層が、二酸化チタン(TiO2)である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のカラーフィルター。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルターの構造に関し、特に、退色による画質の劣化を防止する構造に関する。 【0002】 【従来の技術】図3に示す一般的液晶表示用カラーフィルター基板は、透明基板41上に格子状のパターンをフォトリソグラフィー法などにより形成したブラックマトリックス42と、このブラックマトリックス42の格子間を埋めるように印刷、もしくはフォトリソグラフィー法などにより形成された赤色、緑色、青色の色層46から成り、色層46とブラックマトリックス42を覆うように樹脂膜層44の構造を成している。各色の色層46には、染料、有機顔料、無機顔料等の色材が用いられている。 【0003】次に、図4に示す本発明に類似の一般的カラーフィルターは、樹脂膜層64と画素電極層65の間に両層間の付着力向上を目的とした上層TiO263Uを設けている(公知例:特開平5−119306)。 【0004】また、図5に示すようなカラーフィルター・オン・TFTは、ゲート線87、ゲート絶縁膜88、半導体膜91、ソース線90等からなるTFTの上方に、保護絶縁膜92を除いては、図3と同様な構造体を有している(公知例:EuroDisplay’99 Late−news Paper p77−80)。 【0005】カラーフィルターは、図5に示すように、ブラックマトリックス82と共に、液晶パネル内の液晶分子配向方式により、カラーフィルター側にITO(Indium Tin Oxideの略称で、以下ITOと記す。)等の透明な画素電極85、または樹脂膜層84を有している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IPS(In−plane Switchedの略称で、以下IPSと記す。)方式等の画素電極5を持たない液晶表示体や、図5に示すCOT(カラーフィルター・オン・TFTの略称で、以下COTと記す。)等は、一般にオーバーコートとしての役割をもつ樹脂膜層84が液晶層に対して、画素電極配置上露出してしまう可能性を持っている。 【0007】このことは、外部からの紫外光による励起エネルギーが色層86に達した酸素分子を活性化させ、色層86に使用されている有機顔料等の色素を分解し、退色等の劣化を導く。 【0008】このように、酸素分子を遮断可能にするために、透明基板81上の色層86を覆って酸素分子を遮断する層がないことが従来の液晶表示用カラーフィルター基板の欠点である。 【0009】また、本発明とは目的を異にするものではあるが、外部からの紫外光遮断が期待できる図4に示すような上層TiO263Uを設けた構造が公知である。しかし、このカラーフィルター基板は、色層66と上層TiO263Uの間に樹脂膜層64があるため、樹脂膜層64自体が有する溶存活性酸素により色層66を劣化させる恐れがある。 【0010】本発明の目的は、カラーフィルターを搭載する基板において、カラーフィルターが紫外光又は酸素により退色等の劣化を生じないカラーフィルターの構造を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の第1のカラーフィルターは、基板の上方に色層を有し、前記色層よりも少なくとも下方にならない位置にあって、前記色層の下面以外の露出する表面を直接覆って紫外光を遮光する上部遮光層のみを有することを特徴とする。 【0012】本発明の第2のカラーフィルターは、基板の上方に色層を有し、前記基板と前記色層との間に紫外光を遮光する下部遮光層を有し、かつ、前記色層よりも少なくとも下方にならない位置にあって、紫外光を遮光する上部遮光層を有することを特徴とし、前記上部遮光層は、前記色層の下面以外の露出する表面を直接覆う、というものである。 【0013】又、上記第1、2のカラーフィルターにおいて前記色層は、隣接する色層との間に色層の形成されない隙間を有しており、少なくとも前記隙間の底部を充填するブラックマトリックス層を有する、というものである。 【0014】上記第1、2のカラーフィルターの具体的な適用形態として、前記基板と前記色層との間には、薄膜トランジスタのゲート電極及び薄膜トランジスタのチャネル部を構成する半導体層を有しており、前記薄膜トランジスタと前記上部遮光層との間に前記色層を有し、さらに、前記色層は、前記薄膜トランジスタのチャネル部の上方に色層の形成されない隙間を有しており、前記薄膜トランジスタと前記上部遮光層との間にあって、少なくとも前記隙間を覆い、かつ、少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル部を覆うブラックマトリックス層を有する、というものである。 【0015】上記適用形態において、前記薄膜トランジスタの下方にも紫外光を遮光する下部遮光層を有する、という形態も採用し得る。 【0016】最後に、上記第1、2のカラーフィルターにおいて、前記上部遮光層は、酸素を遮断する酸素遮断層を兼ね、さらに、前記基板の上方に上部遮光層のみを有する場合には前記上部遮光層が、前記基板の上方に上部遮光層及び下部遮光層を共に有する場合は、前記上部遮光層及び前記下部遮光層が、二酸化チタン(TiO2)である、というものである。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の特徴は、以下のようにまとめることができる。 1)紫外光に対して遮光性のある二酸化チタン(TiO2)を各種カラーフィルターの色層上部と下部に膜形成することで、有機色素を含む色層を外光に含まれる紫外光よる退色から保護できる。 2)酸素遮断性を有するTiO2を各種カラーフィルターの色層上部に膜形成することで、有機色素を含む色層を自動酸化による退色から保護できる。 【0018】次に、本発明の第1の実施形態について図1を参照して説明する。 【0019】図1に示される一般的カラーフィルターは、透明基板1上に紫外光に対して遮光性のある下層TiO23D、ブラックマトリックス2、色層6、紫外光に対して遮光性があり、酸素遮断性も有する上層TiO23U、樹脂膜層4、画素電極5の順番に形成する。下層TiO23Dと上層TiO23Uは、何れも数100nmの膜厚となる様に真空蒸着法、化学気相成長法、スパッタリング法等を用いて形成する。その他のブラックマトリックス2、色層6、樹脂膜層4、画素電極5については公知の方法にて形成する。 【0020】カラーフィルターの色層6中に含まれる有機色素には、フタロシアニン類、アントラキノン類、インジゴ類、オキサジン類、ペリレン類等の数多くのものが知られており、単一もしくは複数混合して用いられている。これら有機色素には、一般的に顔料母体分子の電子吸収スペクトル長波長シフト化の為に必要な不飽和基を持っており、色素退色に大きく関係している。退色のメカニズムには、一重項酸素などの活性酸素による発色団の分解と、紫外光による分子構造の直接的な分解の二通りが考えられる。劣化パターンについては、前者の例を示すと以下の様になる。 【0021】(開始反応)・パターン1【0022】 【数1】
【0023】・パターン2【数2】
(伝播反応) 1.ハイドロパーオキサイドの生成・パターン1【数3】
・パターン2【数4】
2.ハイドロパーオキサイドの生成・パターン1【0024】 【数5】
【0025】・パターン2【数6】
3.オキシラジカルの分解【数7】
TiO2は、公知の事実として紫外線波長領域に対し耐光性及び遮光性がある。TiO2は、酸素遮断性が公知の事実として実証されている(公知例:特開平5−119306)。TiO2は、公知の事実として、可視領域で光透過性がある単結晶状の物質であることから、カラーフィルターへの適用が可能である。 【0026】以上のことから、本発明の第1の実施形態では、紫外光に対して遮光性のある上層TiO23Uと下層TiO23Dを設けることにより、色層6への紫外部の波長領域をもつ光の進入が押さえられ、色素分子の直接的分解を押さえることができ、退色防止効果が得られる。また、上層TiO23Uは、色層6への酸素流入を遮断し、自動酸化反応の進行を押さえることから、退色防止効果が得られる。 【0027】次に、本発明の第2の実施形態について図2を参照して説明する。 【0028】図2に示されるカラーフィルターは、透明基板21上に下層TiO223D、薄膜トランジスタ(TFT;ゲート線27、ゲート絶縁膜28、ドレイン線29、ソース線30、半導体膜31、保護絶縁膜32)、ブラックマトリックス22、色層26、上層TiO223U、樹脂膜層24、画素電極25の順番に形成する。下層TiO2と上層TiO2は、何れも数100nmの膜厚となる様に真空蒸着法、化学気相成長法、スパッタリング法等を用いて形成する。その他のブラックマトリックス22、色層26、樹脂膜層24、画素電極25については公知の方法にて形成する。 【0029】TFT上のカラーフィルターの構造を以上のような構造にすることにより、第1の実施形態で述べたものと同じ効果が得られる。即ち、上下層のTiO2が、色層26への紫外光の進入を防いで、色素分子の直接的分解を抑え、また、上層TiO223Uが、色層26への酸素流入を遮断し、自動酸化反応の進行を抑え、退色防止効果を発揮する。 【0030】 【発明の効果】本発明のカラーフィルターの構造を採用すれば、上層にのみ紫外光に対して遮光性のあるTiO2を形成する場合にはカラーフィルターの上を直接TiO2で覆い、さらに退色防止効果を完璧にするために、下層にもTiO2を設ける場合には、カラーフィルターの上を直接TiO2で覆った上で下層にもTiO2を敷くことにより、色層への紫外部の波長領域をもつ光の進入が抑えられ、色素分子の直接的分解を抑えることができ、退色防止効果が得られる。また、色層上方からの色層への酸素流入を遮断することから、自動酸化反応の進行防止効果による退色防止効果も得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004237 【氏名又は名称】日本電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082935 【弁理士】 【氏名又は名称】京本 直樹 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194518(P2001−194518A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−1254(P2000−1254) |
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