| 【発明の名称】 |
光拡散剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】入口 治郎
【氏名】山本 泰裕
【氏名】清水 修二
【氏名】井上 雅史
【氏名】大石 英樹
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| 【要約】 |
【課題】少量の添加で充分な光拡散能が得られ、高い光透過率が実現できる優れた光拡散剤を提供する。
【解決手段】平均粒子径0.01〜1μmの架橋重合体微粒子が集合してなる平均粒子径2〜50μmの微粒子集合体を含んでなる光拡散剤に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平均粒子径0.01〜1μmの架橋重合体微粒子が集合してなる平均粒子径2〜50μmの微粒子集合体を含んでなる光拡散剤。 【請求項2】 前記微粒子集合体が、平均粒子径0.01〜1μmの架橋重合体微粒子を含むエマルジョンを、噴霧乾燥して得られる粒子である請求項1記載の光拡散剤。 【請求項3】 請求項1または2に記載の光拡散剤を用いてなる光拡散性成形体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイのバックライトや照明装置に用いられる光拡散フィルムやパネルなどの成形体に使用される光拡散剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、各種の液晶表示装置には液晶の裏面より光を照射するバックライトが使用されており、特に薄型化や小型化が要望されているノート型パソコン等ではサイドライト型の面光源装置を用い、光拡散フィルム等によって均一に光を拡散して伝播させる方式が採用されている。該光拡散フィルムは、一般的には透明フィルムを基材とし、この表面に無機あるいは有機の粒子をバインダーと混合して塗布することにより製造されている。また、光拡散パネルは、ガラスやプラスチックなどの透明パネルの表面に前記と同様な手法で表面に粒子を塗布する方法や、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂と粒子とを混合し成形する方法により製造されている。 【0003】ところが、従来の光拡散フィルムやパネルでは、光の出射面に対する角度の違いによる輝度分布に難点があり、光を均一に拡散伝播させると共に、光の透過率をも高めるための改良が検討されている。しかし、現在のところ、充分な輝度分布と光透過率を得られていない。 【0004】また、これらの改良検討は、真球状の有機粒子を用いてバインダーと混合して塗布する際の、粒子とバインダーの比率(特開平5−35124、特開平8−16732)、塗布面の形状(特開平8−118830、8−121878)、塗布面での粒子の埋設状態(特開平9−229202)など塗布方法の検討が殆どであり、粒子自体を改良する方法は採られていない。 【0005】本発明は、この様な現状を鑑みてなされたものであり、高透過率と充分な光拡散性を光拡散フィルムに付与することのできる光拡散剤、および該光拡散剤を使用した光拡散性成形体を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒子径0.01〜1μmの架橋重合体微粒子が集合してなる平均粒子径2〜50μmの微粒子集合体を含んでなる光拡散剤であることを要旨とするものである。 【0007】前記微粒子集合体は、例えば、平均粒子径0.01〜1μmの架橋重合体微粒子を含むエマルジョンを、噴霧乾燥して得られる粒子である。 【0008】また本発明の他の発明は、前記光拡散剤を用いてなる光拡散フィルムであることを要旨とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明に用いる微粒子集合体は、その材質および製法は特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール類のジ(メタ)アクリレートなどの架橋性単量体を含むビニル系単量体混合物を重合して得られる架橋微粒子を、噴霧式乾燥方法によって乾燥させる方法により効率良く得られることを、本発明者らは、先に見いだしている(特願平10−220418号)。該方法によれば、耐熱性や強度が高く、原料微粒子の形状を保持した比表面積の大きい微粒子集合体が得られることができる。 【0010】また前記微粒子集合体の原料となる架橋重合体微粒子は、架橋重合体を含んでなる微粒子であれば、その組成および製法は特に限定されないが、例えば架橋性単量体を含むビニル系単量体の混合物を、従来公知の方法で乳化重合することにより製造することが可能である。 【0011】前記ビニル系単量体に含まれる架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール類のジ(メタ)アクリレート等を例示することができる。 【0012】前記ビニル系単量体の混合物中に含まれてもいても良い架橋性単量体以外の非架橋性単量体としては、1分子内に1個の重合性不飽和結合を有する単量体であれば特に限定されず、例えば、スチレンやαメチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルや(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニルや塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル化合物、ブタジエンなどの共役ジエン類などが用いられる。 【0013】ビニル系単量体混合物中の架橋性単量体の比率が高いほど、得られる微粒子の耐熱性や強度が高くなるので好ましいが、高すぎると粒子間の融着が起こりにくく、集合体とするのが困難である。 【0014】そのため、前記架橋性単量体としてジビニルベンゼンを用いる場合には、ビニル系単量体混合物中のジビニルベンゼンの重量比率は、通常2〜10重量%の範囲であり、好ましくは3〜8重量%である。 【0015】また前記架橋性単量体としてトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを用いた場合には、ビニル系単量体混合物中のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの重量比率は、通常5〜30重量%の範囲であり、好ましくは8〜20重量%の範囲である。 【0016】前記架橋重合体の混合物を乳化重合方法により製造する方法は特に限定されるものではなく、一般的には、界面活性剤を用い、固形分濃度が5〜60重量%の範囲、開始剤として無機過酸化物あるいはレドックス系開始剤を使用し、重合温度20〜100℃の範囲で実施することが可能である。 【0017】前記乳化重合方法により、平均粒子径0.01〜1μmの範囲の架橋重合体微粒子が簡便で効率良く得られる。 【0018】得られた架橋重合体微粒子を集合体とする方法は、特に限定されないが、噴霧式乾燥方法によって乾燥して粒子間の融着を起こす方法が、集合体の粒子径や形状の制御が容易であり推奨される。噴霧式乾燥方法とは、一般的にスプレードライヤーや気流乾燥機を用いて、ガス気流と共に水分散体を噴霧して粒子を乾燥させる方法のことを言う。 【0019】前記噴霧式乾燥方法における固形分濃度、供給速度、乾燥温度などは適宜に調節することにより、粒子径、粒子形状、かさ比重などを調整することが可能であり、特に上記の条件に限定する必要はないが、例えば前記固形分濃度は、通常5〜60重量%であり、より好ましくは10〜50重量%であり、前記乾燥温度は、噴霧入口温度が100〜200℃の範囲、粉体の出口温度が30〜100℃の範囲である。 【0020】本発明の光拡散剤の主体である微粒子集合体は、例えば架橋重合体微粒子の形状を保持しながら該架橋重合体微粒子が相互に連結した集合体である。前記微粒子集合体は、粒子が球状で粒度分布もシャープであり、比表面積が大きくかさ比重が小さいという特長を有している。さらに前記微粒子集合体は、従来の微粒子集合体に比べ、強度が高いという特長を有している。 【0021】さらに、噴霧乾燥する際に、反応性バインダーを添加することにより耐溶剤性を向上させた微粒子集合体を得ることが出来る。該反応性バインダーとは、反応性官能基を有する高分子材料のことであり、反応性官能基は例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基などを挙げることができる。また、添加量は、原料微粒子に対し固形分で0.1〜10重量%で充分に耐溶剤性を向上させることができる。 【0022】また、本発明の光拡散剤の主体である微粒子集合体の平均粒子径は、2〜50μmの範囲であり、好ましくは5〜20μmの範囲である。平均粒子径が2μmより小さいと光拡散性能が充分でなく、50μmより大きいと光透過率が低くなる。 【0023】本発明の光拡散剤は、樹脂、塗料、接着剤、コーティング用樹脂などに配合して使用することができる。また、使用に際して従来公知の光拡散剤と併用しても何等差し支えはないが、前記微粒子集合体が光拡散剤中に通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上の範囲で含有される。 【0024】本発明の光拡散剤は、粒子1個当たりの光拡散性能が優れていると共に重量が小さく、従来の光拡散剤に比べ少量の配合で高い効果を得ることができる。その結果、優れた輝度分布と共に高い光透過率を達成することが可能となる。 【0025】本発明の光拡散性成形体は、前記光拡散剤を用いてなる成形体であればその製法は特に限定されないが、一般的には、(i)フィルムやパネルなどの透明性基材の表面に前記光拡散剤をコーティングする方法や、(ii)前記光拡散剤をエポキシ樹脂やポリエステル樹脂などの成形用樹脂と混合して各種用途に応じた形状に成型する方法により容易に得られる。 【0026】(i)の方法の透明基材に用いる透明性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなどを例示することができ、特にポリエチレンテレフタレートが安価であり透明性も高いので好適に用いられる。また、(i)の方法の透明基材に用いる透明性パネルとしては、ガラス製パネル、ポリエステル樹脂パネル、ポリカーボネート樹脂パネル、ポリメチルメタクリレート樹脂パネルなどが好適に用いられる。なお、本発明の成形体は、フィルムやパネルなど平面構造の成形体に限定されるものではなく、LEDや蛍光などの発光装置の様に立体構造を有する成形体をも包含するものである。 【0027】(i)の方法におけるコーティングに際しては、通常、樹脂バインダーを有機溶剤で希釈して光拡散剤を混合する。使用される樹脂バインダーとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂などを例示することができ、光学的透明性を有するものが好適に用いられる。希釈用に使用する有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エステル類などを挙げることができる。これらの配合比率は、特に限定されるものではないが、例えば、光拡散剤(100重量部)に対し、樹脂バインダー(50〜300重量部)、有機溶剤(50〜500重量部)を混合してコーティング用組成物を得ることができる。また、該コーティング用組成物に、樹脂バインダーの架橋剤、帯電防止剤、光拡散剤の分散剤などを配合することもできる。 【0028】さらに、(i)の方法において上記コーティング組成物をフィルム表面に塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、コンマダイレクト法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコート法、ディッピング法、ナイフコート法、カーテンフロー法、ラミネート法などを例示することができる。 【0029】なお、上記コーティング組成物を透明フィルム表面に塗布して得られる光拡散層の厚みは、5〜100μmの範囲であることが好ましい。 【0030】本発明の光拡散フィルムを、液晶表示装置のバックライトなどに適用した場合には、高い輝度と広い視野角を実現することができる。 【0031】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0032】製造例撹拌機、温度計および還流冷却器付きの2Lセパラブルフラスコに、純水433gとハイテノールN08 0.9g(第一工業製薬製アニオン界面活性剤)とを仕込み、窒素置換を行いながら、撹拌下に70℃まで昇温した。70℃に昇温後、メチルメタクリレート57gを添加し、その5分後に、過硫酸カリウムの2重量%水溶液70gを添加した。 【0033】予め調製しておいたプレエマルション(メチルメタクリレート:608g、ジビニルベンゼン:35g、純水:752g、ハイテノールN08:34g)を、過硫酸カリウム添加の20分後より70℃にて等速度で4時間かけて添加した。 【0034】添加終了後、75℃まで昇温し2時間の熟成を行い、その後、40℃まで冷却して架橋重合体エマルションを得た。このエマルションの平均粒子径を光散乱式粒度分布計で測定した所、0.2μmであった。 【0035】次いで、該エマルションとオキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒製:エポクロス−K2020E)を固形分で100:10の割合で混合し、混合液をヤマト科学製のスプレードライヤーで、供給速度:5ml/min、噴霧圧:2kg/cm2、風量:0.3m3/min、加熱部入口温度:150℃、加熱部出口温度:60℃の条件下にて乾燥して粉体を得た。 【0036】得られた該粉体をマルチサイザーII型(コールター社製)で測定したところ、平均粒子径は9μmであった。また、該粉体は電子顕微鏡(SEM)観察によると、架橋重合体微粒子からなる原料微粒子が形状を保持したまま相互に連結してなる微粒子集合体であった。 【0037】実施例1バインダーとしてポリエステル樹脂100g(東洋紡製:バイロン200)、希釈用有機溶剤としてトルエン120gとメチルエチルケトン30gを用い、これに製造例で得られた微粒子集合体20gを混合してコーティング用組成物を得た。 【0038】基材フィルムとして厚み100μmのポリエステルフィルム(東レ製:ルミラー#100T56)を用い、該フィルムの片面に前記コーティング用組成物をロールコート法により塗布し、120℃で1分間熱風乾燥させて厚み30μmの光拡散層を形成してフィルム(A)を得た。 【0039】比較例製造例で得られた微粒子集合体20gの代わりに、球状の単一粒子(日本触媒製:エポスターMA1010、平均粒子径10μm)を30g用いた以外は、実施例と同様の操作を繰り返してフィルム(B)を得た。 【0040】光学特性の評価実施例1で得られたフィルム(A)と比較例で得られたフィルム(B)の光拡散性能および光透過率を以下の手順により測定した。ゴニオフォトメーターを用い、光拡散層に対し鉛直方向からビーム径1mmの平行光を入射し、受光角を変えながら出射光の透過率を測定した。背面の鉛直方向の透過率は、フィルム(A)が95%に対し、フィルム(B)は90%であった。また、透過率が鉛直方向の半分になる角度は、フィルム(A)が20度であったのに対し、フィルム(B)は15度であった。 【0041】 【発明の効果】本発明の光拡散剤は、従来の単一粒子に比較して、光拡散性能が高く、粒子1個の重量が軽い微粒子集合体を主体としており、少量の添加で高い光拡散能を得ることができると共に高い光透過率を得ることができる。また本発明の光拡散剤を用いて光拡散性成形体を作成し液晶表示装置のバックライトなどに適用した場合には、高い輝度と広い視野角を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004628 【氏名又は名称】株式会社日本触媒
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| 【出願日】 |
平成12年1月12日(2000.1.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−194513(P2001−194513A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−6372(P2000−6372) |
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