| 【発明の名称】 |
マイクロレンズ用基板の製造方法、マイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 秀人
【氏名】清水 信雄
【氏名】四谷 真一
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| 【要約】 |
【課題】例えば液晶パネル等に用いた場合に高いコントラスト比が得られるマイクロレンズ基板を提供すること。
【解決手段】マイクロレンズ用凹部付き基板2は、母材29上に、凹曲面を有する複数の凹部3と、柱5とが形成された構成となっている。そして、マイクロレンズ基板1は、マイクロレンズ用凹部付き基板2の凹部3が設けられた面に樹脂層9が設けられ、さらに樹脂層9上には、表層8が設けられており、また、樹脂層9では、凹部3内に充填された樹脂によりマイクロレンズ4が形成されている。柱5の頂部には、平坦な面51が形成されている。柱5の高さは、凹部3を形成する前の母材29の厚さよりも低いものとなっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 母材の表面に、複数の開口が形成されたマスク層を形成する工程と、前記開口を用いて前記母材に対して第1のエッチングを行い、前記母材上に凹部を形成する工程と、少なくとも前記凹部を形成した領域内の前記マスク層を除去する工程と、前記母材に対して第2のエッチングを行う工程とを有することを特徴とするマイクロレンズ用基板の製造方法。 【請求項2】 前記第1のエッチングおよび前記第2のエッチングを、ウエットエッチングにより行う請求項1に記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【請求項3】 前記第1のエッチングと前記第2のエッチングとで、同種類のエッチング液を用いる請求項2に記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【請求項4】 前記第1のエッチングのエッチング時間と、前記第2のエッチングのエッチング時間との比が、100:10〜100:900である請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【請求項5】 前記第1のエッチングのエッチング温度と、前記第2のエッチングのエッチング温度との差が、±15℃以内である請求項1ないし4のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロレンズ用基板。 【請求項7】 母材の表面に複数の凹部が設けられ、該凹部に樹脂を充填することによりマイクロレンズが形成されるマイクロレンズ用基板であって、隣接する前記凹部間に、前記凹部を形成する前の母材の厚さよりも低い高さで、かつ、平坦な部分が形成されていることを特徴とするマイクロレンズ用基板。 【請求項8】 母材の表面に複数の凹部が行列状に配設され、該凹部に樹脂を充填することによりマイクロレンズが形成されるマイクロレンズ用基板であって、行列の対角線方向に隣接する前記凹部間に、頂部に平坦な部分を有し、かつ、前記凹部を形成する前の母材の厚さよりも低い高さの柱が形成されていることを特徴とするマイクロレンズ用基板。 【請求項9】 前記平坦な部分の面積の総計は、有効レンズ領域の0.1〜30%を占める請求項7または8に記載のマイクロレンズ用基板。 【請求項10】 マイクロレンズ用基板を縦断面で見たとき、前記平坦な部分に連続する前記凹部の縁部において、前記凹部の輪郭線の接線と前記平坦な部分を構成する面とのなす角が、30〜80°である請求項7ないし9のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板。 【請求項11】 前記凹部を形成する前の母材の凹部側端面から前記平坦な部分までの距離をD1、前記凹部を形成する前の母材の凹部側端面から前記凹部の最深部までの距離をD2としたとき、0.1≦D1/D2≦0.9なる関係を満足する請求項7ないし10のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板。 【請求項12】 請求項6ないし11のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の前記凹部内に、樹脂が充填されてマイクロレンズが形成されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。 【請求項13】 請求項6ないし11のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板と、前記凹部を覆うように設けられた樹脂層と、前記樹脂層上に設けられた表層とを有し、前記凹部内に充填された樹脂によりマイクロレンズが構成されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。 【請求項14】 前記表層は、ガラスまたはセラミックスで構成されている請求項13に記載のマイクロレンズ基板。 【請求項15】 請求項12ないし14のいずれかに記載のマイクロレンズ基板上に、透明導電膜が設けられたことを特徴とする液晶パネル用対向基板。 【請求項16】 請求項12ないし14のいずれかに記載のマイクロレンズ基板と、該マイクロレンズ基板上に設けられたブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスを覆う透明導電膜とを有することを特徴とする液晶パネル用対向基板。 【請求項17】 請求項15または16に記載の液晶パネル用対向基板を備えたことを特徴とする液晶パネル。 【請求項18】 画素電極を備えた液晶駆動基板と、該液晶駆動基板に接合された請求項15または16に記載の液晶パネル用対向基板と、前記液晶駆動基板と前記液晶パネル用対向基板との空隙に封入された液晶とを有することを特徴とする液晶パネル。 【請求項19】 前記液晶駆動基板は、マトリックス状に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接続された薄膜トランジスタとを有するTFT基板である請求項18に記載の液晶パネル。 【請求項20】 請求項17ないし19のいずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて画像を投射することを特徴とする投射型表示装置。 【請求項21】 画像を形成する赤色、緑色および青色に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光源からの光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記各光を対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系と、前記各画像を合成する色合成光学系と、前記合成された画像を投射する投射光学系とを有する投射型表示装置であって、前記ライトバルブは、請求項17ないし20のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする投射型表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズ用基板の製造方法、マイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表示装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】スクリーン上に画像を投影する投射型表示装置が知られている。このような投射型表示装置では、その画像形成に主として液晶パネルが用いられている。近年、液晶パネルは、進歩、発展がめざましく、その高画質化には、目を見張るものがある。そして、現在、液晶パネルのさらなる高画質化を実現すべく、極めて高いコントラスト比を有する液晶パネルの開発が望まれている。 【0003】ところで、液晶パネルの中には、光の利用効率を高めるべく、液晶パネルの各画素に対応する位置に、多数の微小なマイクロレンズを設けたものが知られている。かかるマイクロレンズは、通常、液晶パネルが備えるマイクロレンズ基板に形成されている。 【0004】図8は、液晶パネルに用いられるマイクロレンズ基板の従来の構造を示す縦断面図である。同図に示すように、マイクロレンズ基板900は、多数の半球状の凹部903が設けられたガラス基板902と、かかるガラス基板902の凹部903が設けられた面に樹脂層909を介して接合されたガラス層908とを有しており、また、樹脂層909では、凹部903内に充填された樹脂によりマイクロレンズ904が形成されている。 【0005】ところが、このような構造のマイクロレンズ基板900を用いた液晶パネルでは、製造法上から制約される凹部903およびその周りの形状により、鮮明度(コントラスト比)を高めることに限界があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例えば液晶パネル等に用いた場合に高いコントラスト比が得られるマイクロレンズ用基板の製造方法、マイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表示装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。 【0008】(1) 母材の表面に、複数の開口が形成されたマスク層を形成する工程と、前記開口を用いて前記母材に対して第1のエッチングを行い、前記母材上に凹部を形成する工程と、少なくとも前記凹部を形成した領域内の前記マスク層を除去する工程と、前記母材に対して第2のエッチングを行う工程とを有することを特徴とするマイクロレンズ用基板の製造方法。 【0009】(2) 前記第1のエッチングおよび前記第2のエッチングを、ウエットエッチングにより行う上記(1)に記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【0010】(3) 前記第1のエッチングと前記第2のエッチングとで、同種類のエッチング液を用いる上記(2)に記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【0011】(4) 前記第1のエッチングのエッチング時間と、前記第2のエッチングのエッチング時間との比が、100:10〜100:900である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【0012】(5) 前記第1のエッチングのエッチング温度と、前記第2のエッチングのエッチング温度との差が、±15℃以内である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。 【0013】(6) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロレンズ用基板。 【0014】(7) 母材の表面に複数の凹部が設けられ、該凹部に樹脂を充填することによりマイクロレンズが形成されるマイクロレンズ用基板であって、隣接する前記凹部間に、前記凹部を形成する前の母材の厚さよりも低い高さで、かつ、平坦な部分が形成されていることを特徴とするマイクロレンズ用基板。 【0015】(8) 母材の表面に複数の凹部が行列状に配設され、該凹部に樹脂を充填することによりマイクロレンズが形成されるマイクロレンズ用基板であって、行列の対角線方向に隣接する前記凹部間に、頂部に平坦な部分を有し、かつ、前記凹部を形成する前の母材の厚さよりも低い高さの柱が形成されていることを特徴とするマイクロレンズ用基板。 【0016】(9) 前記平坦な部分の面積の総計は、有効レンズ領域の0.1〜30%を占める上記(7)または(8)に記載のマイクロレンズ用基板。 【0017】(10) マイクロレンズ用基板を縦断面で見たとき、前記平坦な部分に連続する前記凹部の縁部において、前記凹部の輪郭線の接線と前記平坦な部分を構成する面とのなす角が、30〜80°である上記(7)ないし(9)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板。 【0018】(11) 前記凹部を形成する前の母材の凹部側端面から前記平坦な部分までの距離をD1、前記凹部を形成する前の母材の凹部側端面から前記凹部の最深部までの距離をD2としたとき、0.1≦D1/D2≦0.9なる関係を満足する上記(7)ないし(10)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板。 【0019】(12) 上記(6)ないし(11)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板の前記凹部内に、樹脂が充填されてマイクロレンズが形成されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。 【0020】(13) 上記(6)ないし(11)のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板と、前記凹部を覆うように設けられた樹脂層と、前記樹脂層上に設けられた表層とを有し、前記凹部内に充填された樹脂によりマイクロレンズが構成されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。 【0021】(14) 前記表層は、ガラスまたはセラミックスで構成されている上記(13)に記載のマイクロレンズ基板。 【0022】(15) 上記(12)ないし(14)のいずれかに記載のマイクロレンズ基板上に、透明導電膜が設けられたことを特徴とする液晶パネル用対向基板。 【0023】(16) 上記(12)ないし(14)のいずれかに記載のマイクロレンズ基板と、該マイクロレンズ基板上に設けられたブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスを覆う透明導電膜とを有することを特徴とする液晶パネル用対向基板。 【0024】(17) 上記(15)または(16)に記載の液晶パネル用対向基板を備えたことを特徴とする液晶パネル。 【0025】(18) 画素電極を備えた液晶駆動基板と、該液晶駆動基板に接合された上記(15)または(16)に記載の液晶パネル用対向基板と、前記液晶駆動基板と前記液晶パネル用対向基板との空隙に封入された液晶とを有することを特徴とする液晶パネル。 【0026】(19) 前記液晶駆動基板は、マトリックス状に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接続された薄膜トランジスタとを有するTFT基板である上記(18)に記載の液晶パネル。 【0027】(20) 上記(17)ないし(19)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて画像を投射することを特徴とする投射型表示装置。 【0028】(21) 画像を形成する赤色、緑色および青色に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光源からの光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記各光を対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系と、前記各画像を合成する色合成光学系と、前記合成された画像を投射する投射光学系とを有する投射型表示装置であって、前記ライトバルブは、上記(17)ないし(20)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする投射型表示装置。 【0029】 【発明の実施の形態】本発明におけるマイクロレンズ用凹部付き基板、マイクロレンズ基板および液晶パネル用対向基板には、個別基板およびウエハーの双方を含むものとする。 【0030】本発明者は、上述した限界を克服すべく研究を重ねた結果、図8に示すような構造のマイクロレンズ基板を備えた液晶パネルでは、ごくわずかであるが、画素間でクロストーク、すなわち隣接する画素への光漏れが発生することを突き止めた。 【0031】図9は、図8に示すような構造のマイクロレンズ基板におけるマイクロレンズについて、光路計算を行った結果である。同図に示すように、マイクロレンズの縁部近傍に入射した光は、大きく屈折し、光軸から大きくずれた方向に出射する。この光軸から大きくずれた出射光の中には、近傍の画素内に入射してしまうものがある。そして、このような光は、通常の入射角と異なるため、液晶を透過する際に偏光を受けにくい。すなわち、このような光に対しては、液晶のスイッチング機能が働きにくい。結果として、例えば画面に黒色の像を表示しようとしても、かかる黒色部分がわずかであるが明るさを有してしまう。 【0032】さらに本発明者は、マイクロレンズの縁部近傍に入射した光が大きく屈折してしまう原因を調べた。その結果、マイクロレンズの縁部近傍では、入射光のマイクロレンズへの入射角が小さくなり、収差(主として球面収差)が大きくなることを突き止めた。本発明は、かかる知見に基づくものである。 【0033】以下、本発明を、添付図面に示す好適な実施の形態に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施の形態で示すマイクロレンズ基板は、液晶パネルの構成部材として用いられる場合を例に説明する。 【0034】図1は、本発明のマイクロレンズ基板の実施形態を示す模式的な縦断面図である。図2は、図1に示すマイクロレンズ基板の主要部を示す模式的な平面図である。なお、図1は、図2のC−C線断面図に相当する。 【0035】図1に示すように、本発明のマイクロレンズ基板1は、マイクロレンズ用凹部付き基板(マイクロレンズ用基板)2と、樹脂層(接着剤層)9と、表層8とで構成されている。なお、図2では、樹脂層9および表層8の記載を省略した。 【0036】マイクロレンズ用凹部付き基板2では、母材(透明基板)29上に、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)3と、柱5とが形成された構成となっている。 【0037】そして、マイクロレンズ基板1は、マイクロレンズ用凹部付き基板2の凹部3が設けられた面に樹脂層9が設けられ、さらに樹脂層9上には、表層8が設けられており、また、樹脂層9では、凹部3内に充填された樹脂によりマイクロレンズ4が形成されている。 【0038】マイクロレンズ基板1は、2つの領域、有効レンズ領域99と非有効レンズ領域100とを有している。有効レンズ領域99とは、凹部3内に充填される樹脂により形成されるマイクロレンズ4が、使用時にマイクロレンズとして有効に用いられる領域をいう。一方、非有効レンズ領域100とは、有効レンズ領域99以外の領域をいう。なお、図2は、マイクロレンズ基板1の有効レンズ領域99の主要部を示している。まず、マイクロレンズ用凹部付き基板2について説明する。 【0039】マイクロレンズ用凹部付き基板2では、有効レンズ領域99内に、凹部3が、所定の画素数行列状に、細密に配設されている。かかる凹部3には、樹脂層9を構成する樹脂が充填され、マイクロレンズ4が形成される。なお、1個の凹部3は、1画素に対応している。図では、図2中ほぼ中心部に記した四角形の枠、すなわち、1画素領域95が、1画素の領域を示している。 【0040】図2に示すように、凹部3の平面形状(すなわち縁部33の輪郭線形状)は、各角部331が丸みを帯びた四角形(略正方形)をなしている。また、凹部3は、形成されるマイクロレンズ4がレンズとして有効に機能すべく、レンズ曲面を有している。このため、図1に示すように、凹部3を縦断面で見た時、凹部3の輪郭線は、例えば、円弧状をなしている。凹部3を平面視した場合、各角部331が丸みを帯びたものとなっているので、行列の対角線方向では、互いに隣接する凹部3同士は、連結していない。 【0041】そして、行列の対角線方向で隣接する凹部3と凹部3の間には、平面視にて、凹部3の角部331を外形(輪郭線)とした柱5が形成されている。かかる柱5の頂部には、平坦な面(部分)51が形成されている。各柱5の面51は、例えば、ほぼ同一平面上に位置している。このため、各柱5の高さは、通常、互いにほぼ等しいものとなっている。また、面51は、例えば、凹部3を形成する前の母材29の凹部側端面(図では、「母材端面線59」として示す)とほぼ平行なものとなっている。 【0042】このような柱5の高さは、凹部3を形成する前の母材29の厚さよりも低いものとなっている。したがって、面51は、母材端面線59よりも裏面(母材29の凹部3が形成された面と反対側の端面)291側に位置している。 【0043】また、柱5は、互いに独立したものとなっている。ここでの「独立」とは、各柱5の頂部に設けられた平坦な面51が、それぞれ連結(連続)していないことを意味する。 【0044】なお、各凹部3は、行列の行または列方向では、互いにつながっている。このため、これらの方向で互いに隣接する凹部3は、辺部(平面視にて縁部33が四角形の辺を構成しているところ)332にて、縁部33を共有している。換言すれば、縁部33は、辺部332にて、互いに隣接する凹部3の境界線としての機能を有している。また、かかる辺部332では、縁部33は、柱5と柱5との中間部で母材29の厚さが最も小さくなるような稜線状をなしている。したがって、柱5の近傍以外では、縁部33の高さは、柱5よりも低いものとなっている。 【0045】このようなマイクロレンズ用凹部付き基板2では、柱5の高さが凹部3を形成する前の母材29の厚さよりも低いことにより、マイクロレンズ4の縁部33近傍、特に角部331近傍で、マイクロレンズ4への入射光の入射角を小さくすることができる。これにより、マイクロレンズ4では、収差、特に球面収差が大幅に低減される。このため、マイクロレンズ4では、マイクロレンズ4の光軸から大幅にずれた方向に、出射光が出射することが防止される。 【0046】さらには、柱5の頂部に平坦な面(部分)51が形成されていると、柱の頂部が全て凸曲面をなしている場合と異なり、柱5近傍の樹脂が凹レンズとして機能することが防止される。これにより、柱5近傍に入射した光が、拡散して出射することが防止される。すなわち、柱5の頂部を平坦にすると、柱5を通過した光が、マイクロレンズ4の光軸から大幅にずれた方向に出射することが好適に防止される。 【0047】ゆえに、例えば、本発明のマイクロレンズ基板1を液晶パネルに用いると、マイクロレンズ4および柱5を通過した出射光が隣接する画素内に入射することが、好適に防止されるようになる。すなわち、画素間でクロストークが防止されるようになる。このため、本発明のマイクロレンズ基板1を備えた液晶パネルを用いて画像を形成すると、黒色の輝度が極めて低いものとなる。また、マイクロレンズ4の光利用効率も高まるので、白色の輝度も向上する。別言すれば、本発明のマイクロレンズ基板1を備えた液晶パネルを用いて画像を形成すると、黒色はより暗く、白色はより明るくなる。したがって、本発明のマイクロレンズ基板1を備えた液晶パネルでは、高いコントラスト比が得られ、より美しい画像を形成することが可能となる。 【0048】また、柱5は、面51と表層8のマイクロレンズ用凹部付き基板2側端面との距離を規定するスペーサーとしても機能する。すなわち、柱5を設けることにより、樹脂層9の厚みを好適に規制することができる。このため、マイクロレンズ基板1では、有効レンズ領域99内で、樹脂層9の厚みをより均一なものとすることができる。そして、樹脂層9の厚みが均一となることにより、マイクロレンズ4の焦点にバラツキが生じることも防止される。これにより、各マイクロレンズ4を通過した出射光の輝度にバラツキが生じることも防止される。したがって、本発明のマイクロレンズ基板1を備えた液晶パネルでは、形成される画像の明るさムラも好適に防止されるようになる。特に、柱5の頂部が平坦であると、このような効果が増大する。 【0049】加えて、柱5の高さが凹部3を形成する前の母材29の厚さよりも低いと、柱5の強度が高くなる。このため、例えば凹部3内に粘度の高い樹脂等を充填する際に、柱5が折れること等が好適に防止される。また、マイクロレンズ用凹部付き基板2の取り扱い性も向上する。 【0050】しかも、柱5が行列の対角線方向の凹部3間に形成されていると、マイクロレンズ4の光利用効率が大幅に低下することが防止される。これは、角部331は、いわゆる光学的なデッドスペースであり、光の有効利用に最も寄与しにくいところだからである。 【0051】よって、マイクロレンズ基板1では、高い光の利用効率を保持しつつ、高いコントラスト比が得られ、しかも、出射光の輝度のバラツキも抑制することができる。このような効果をより有効に得る観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板2は、以下の条件を満足することが好ましい。 【0052】マイクロレンズ用凹部付き基板2を縦断面で見たとき、面51に連続する縁部33において、凹部3の輪郭線の接線39と面51とのなす角αが、30〜80°程度であることが好ましく、45〜80°程度であることがより好ましい。角αがこの範囲の上限値を超えると、マイクロレンズ4の収差が大きくなり、縁部33近傍でマイクロレンズ4の光軸から大幅にずれた方向に、出射光が出射される場合がある。一方、角αがこの範囲の下限値未満であると、マイクロレンズ4のレンズ作用が弱くなり、光の利用効率が低下する場合がある。 【0053】有効レンズ領域99における面51の面積の総計は、有効レンズ領域99の0.1〜30%程度を占めることが好ましく、0.5〜15%程度を占めることがより好ましい。面51の面積の総計がこの範囲の上限値を超えると、マイクロレンズ基板1では全体として、光の利用効率が低下する傾向を示す。一方、頂部51の面積がこの範囲の下限値未満であると、前述した効果を得にくくなる場合がある。 【0054】また、1画素あたり(1画素領域95の面積あたり)、面51が占める面積は、1画素(1画素領域95)の面積の0.1〜30%程度であることが好ましく、0.5〜15%程度であることがより好ましい。面51の面積率がこの範囲の上限値を超えると、1画素あたりでの光の利用効率が低下する傾向を示す。一方、頂部51の面積がこの範囲の下限値未満であると、前述した効果を得にくくなる場合がある。なお、1画素あたりで面51が占める面積は、図2に示す例では、例えば、1画素領域95の面積から縁部33で囲まれた領域の面積を引くことにより求めることができる。 【0055】さらには、凹部3を形成する前の母材29の凹部側端面(図1では母材端面線59として示している)から面51までの距離をD1、凹部3を形成する前の母材29の凹部側端面から凹部3の最深部までの距離をD2としたとき、D1およびD2は、0.1≦D1/D2≦0.9なる関係を満足することが好ましく、0.2≦D1/D2≦0.7なる関係を満足することがより好ましい。これにより、前述した効果をより効果的に得られるようになる。 【0056】このようなマイクロレンズ用凹部付き基板2では、母材29は、例えばガラスなどで構成されている。マイクロレンズ基板1が液晶パネルに用いられ、かかる液晶パネルが母材29以外にガラス基板(例えば後述するガラス基板171等)を有する場合には、母材29の熱膨張係数は、かかる液晶パネルが有する他のガラス基板の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)であることが好ましい。これにより、得られる液晶パネルでは、温度が変化したときに二者の熱膨張係数が違うことにより生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。 【0057】かかる観点からは、母材29と、液晶パネルが有する他のガラス基板とは、同種類の材質で構成されていることが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効果的に防止される。 【0058】特に、マイクロレンズ基板1を高温ポリシリコンのTFT液晶パネルに用いる場合には、母材29は、石英ガラスで構成されていることが好ましい。TFT液晶パネルは、液晶駆動基板としてTFT基板を有している。かかるTFT基板には、製造時の環境により特性が変化しにくい石英ガラスが好ましく用いられる。このため、これに対応させて、母材29を石英ガラスで構成することにより、そり、たわみ等の生じにくい、安定性に優れたTFT液晶パネルを得ることができる。 【0059】母材29の厚さは、母材29を構成する材料、屈折率等の種々の条件により異なるが、通常、0.3〜5mm程度とされ、より好ましくは0.5〜2mm程度とされる。なお、マイクロレンズ基板1が、樹脂層9側から光が入射し、母材29側から出射する構成の場合には、母材29の厚さは、好ましくは10〜1000μm程度とされ、より好ましくは20〜150μm程度とされる。以下、マイクロレンズ基板1のマイクロレンズ用凹部付き基板2以外の構成要素について説明する。 【0060】表層(ガラス層)8は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層8の熱膨張係数は、母材29の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、母材29と表層8の熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。このような効果は、母材29と表層8とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。 【0061】表層8の厚さは、マイクロレンズ基板1が液晶パネルに用いられる場合、必要な光学特性を得る観点からは、通常、5〜1000μm程度とされ、より好ましくは10〜150μm程度とされる。なお、液晶パネルが、光を表層8側から入射する構成の場合には、表層8の厚さは、好ましくは0.3〜5mm程度とされ、より好ましくは0.5〜2mm程度とされる。 【0062】なお、表層(バリア層)8は、例えばセラミックスで構成することもできる。なお、セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の窒化物系セラミックス、Al2O3、TiO2等の酸化物系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。表層8をセラミックスで構成する場合、表層8の厚さは、特に限定されないが、20nm〜20μm程度とすることが好ましく、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。なお、表層8は、設けなくてもよい。 【0063】凹部3を覆っている樹脂層(接着剤層)9は、例えば、母材29の構成材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができる。例えば、樹脂層9は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂などで好適に構成することができる。 【0064】このようなマイクロレンズ基板1では、面51と表層8とは近接していることが好ましい。両者を近接させると、マイクロレンズ基板1を製造する際に、母材29と表層8との距離をより正確に規定できるようになり、樹脂層9の厚さを有効レンズ領域99内でより均一なものとすることができる。なお、柱5の頂部と表層8とは接触していてもよい。このような観点からは、面51と表層8の母材29に対向する端面との距離(樹脂層9の厚さ)は、100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。 【0065】なお、以上述べたマイクロレンズ基板の実施形態では、面51は互いに独立したものとなっていたが、かかる面は連続していてもよい。すなわち、マイクロレンズ用凹部付き基板では、例えば、柱の代わりに、各凹部間に格子状の壁が形成され、かかる壁の頂部に凹部を形成する前の母材の厚さよりも低い高さで、平坦な部分が形成されていてもよい。 【0066】このような場合、隣接する凹部間に、凹部を形成する前の母材の厚さよりも低い高さで形成された平坦な部分が、前記面51と同様の役割を担うことができる。したがって、かかる平坦な部分には、前記面51(および凹部3、縁部33等)について述べたことと同様のことを当てはめることができる。 【0067】このようなマイクロレンズ用凹部付き基板2およびマイクロレンズ基板1は、例えば以下のようにして製造することができる。以下、マイクロレンズ用凹部付き基板(マイクロレンズ用基板)の製造方法およびマイクロレンズ基板の製造方法を、図3を用いて説明する。まず、例えば未加工のガラス基板等で構成された母材29を用意する。この母材29には、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。 【0068】<1>まず、母材29の表面に、図3(a)に示すように、マスク層6を形成する。また、これとともに、母材29の裏面(マスク層6を形成する面と反対側の面)に裏面保護層69を形成する。このマスク層6は、後述する工程<3>における操作で耐性を有するものが好ましい。 【0069】かかる観点からは、マスク層6を構成する材料としては、例えば、Au/Cr、Au/Ti、Pt/Cr、Pt/Ti等の金属、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコン等のシリコン、窒化シリコンなどが挙げられる。 【0070】マスク層6の厚さは、特に限定されないが、0.01〜10μm程度とすることが好ましく、0.1〜1μm程度とすることがより好ましい。厚さがこの範囲の下限値未満であると、母材29を十分に保護できない場合があり、上限値を超えると、マスク層6の内部応力によりマスク層6が剥がれ易くなる場合がある。マスク層6は、例えば、化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気相成膜法、メッキなどにより形成することができる。 【0071】なお、裏面保護層69は、次工程以降で母材29の裏面を保護するためのものである。この裏面保護層69により、母材29の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護層69は、例えば、マスク層6と同様の材料で構成することができる。このため、裏面保護層69は、マスク層6の形成と同時に、マスク層6と同様に設けることができる。なお、裏面保護層69は、設けなくてもよい。 【0072】<2>次に、図3(b)に示すように、マスク層6に、複数の開口61を形成する。開口61は、凹部3を形成する位置に設ける。したがって、凹部3を行列状に配設する場合、開口61を、行列状に配列、形成する。開口61の形状(平面形状)は、形成する凹部3の形状(平面形状)に対応していることが好ましい。 【0073】かかる開口61は、例えばフォトリソグラフィー法により形成することができる。具体的には、まず、マスク層6上に、開口61に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、かかるレジスト層をマスクとして、マスク層6の一部を除去する。次に、前記レジスト層を除去する。なお、マスク層6の一部除去は、例えば、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチング、フッ酸+硝酸水溶液、アルカリ水溶液等の剥離液への浸漬(ウエットエッチング)などにより行うことができる。 【0074】<3>次に、図3(c)に示すように、開口61を用いて母材29に対してエッチング(第1のエッチング)を行い、小凹部31を形成する。この場合のエッチング法としては、例えば、ドライエッチング法、ウエットエッチング法などが挙げられる。エッチングを行うことにより、母材29は、開口61より等方的に食刻され、その表面には、レンズ形状を有する小凹部31が形成される。このとき、前記工程<2>で開口61を行列状に配設した場合、小凹部31は、行列状に形成される。 【0075】本工程をウエットエッチング法により行うと、より理想的なレンズ形状に近い小凹部31、ひいては凹部3を形成することができる。なお、ウエットエッチングを行う際のエッチング液としては、例えばフッ酸系エッチング液などが好適に用いられる。 【0076】そして、所定の深さ(または容積)の小凹部31が形成されたら、第1のエッチングを終了し、次の工程を行う。なお、本工程終了時点では、通常、小凹部31の平面視面積、曲率半径等は、製造されるマイクロレンズ用凹部付き基板2における凹部3の平面視面積、曲率半径等よりも小さい。すなわち、本工程終了時点における小凹部31の平面視面積、曲率半径等は、通常、目的とする凹部3の平面視面積、曲率半径等よりも小さい。 【0077】なお、本工程で形成する小凹部31の容積をV1、後述する工程<5>で形成する凹部3の容積をV2とした場合、V1/V2が好ましくは0.1〜0.9となるように、より好ましくは0.2〜0.8となるように、小凹部31を形成すると、前述した効果をより効果的に得られる凹部3を容易に形成できるようになる。 【0078】同様に、本工程で形成する小凹部31の平面視面積をA1、後述する工程<5>で形成する凹部3の平面視面積をA2とした場合、A1/A2が好ましくは0.1〜0.9となるように、より好ましくは0.2〜0.8となるように、小凹部31を形成すると、前述した効果をより効果的に得られる凹部3を容易に形成できるようになる。 【0079】<4>次に、図3(d)に示すように、少なくとも凹部3を形成した領域(有効レンズ領域99)内のマスク層6を除去する。また、この際、マスク層6の除去とともに裏面保護層69を除去することもできる。これは、例えば、アルカリ水溶液(例えばテトラメチル水酸化アンモニウム水溶液等)、塩酸+硝酸水溶液、フッ酸+硝酸水溶液等の剥離液への浸漬(ウエットエッチング)、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチングなどにより行うことができる。 【0080】このように、マスク層6とともに裏面保護層69も除去すると、マイクロレンズ用凹部付き基板2の製造工程を簡略化することができる。なお、裏面保護層69は、次工程終了後に除去してもよい。また、凹部3を形成した領域外(非有効レンズ領域100)のマスク層6は、本工程で除去しなくてもよく、例えば、次工程終了後に除去してもよい。 【0081】<5>次に、母材29に対して再びエッチング(第2のエッチング)を行う。これにより、小凹部31が形成された部分では、小凹部31の曲率半径が増大するように、さらには、小凹部31の面積(平面視面積)が増大するように、母材29が食刻される。また、小凹部31が形成されていない部分では、母材29の厚みが減少するように、母材29が食刻される。このため、母材29を縦断面で見たとき、小凹部31の縁部において、小凹部31の輪郭線の接線と母材29の平坦な部分を構成する面とのなす角が、増大する。 【0082】エッチングが進行して小凹部31の面積(容積)が大きくなると、行列の行または列方向で隣接する小凹部31の縁部33’が、互いに接触するようになり(図示せず)、小凹部31がつながる。さらにエッチングが進行すると、小凹部31は、行列の行または列方向で縁部33’を共有するようになり、辺部332が形成される。そして、エッチングが進行するにつれて辺部332の長さが伸び、図2に示すような平面形状の凹部3が形成されるようになる。なお、行列の対角線方向の凹部3間には、凹部3が形成されなかった部分が残存する。かかる凹部3が形成されなかった部分が、柱5となる。そして、母材29は凹部3が形成されていない部分ではその端面に対して垂直に食刻されたため、柱5の頂部には、凹部3を形成する前の母材29の凹部側端面(母材端面線59)とほぼ平行な面51が形成される。 【0083】これにより、図3(e)、図1および図2に示すような形状のマイクロレンズ用凹部付き基板2が得られる。本工程を行う場合のエッチング法としては、例えば、ドライエッチング法、ウエットエッチング法などが挙げられる。その中でも特に、前記と同様の理由から、ウエットエッチングにより本工程を行うことが好ましい。 【0084】前記工程<3>の第1のエッチングおよび本工程の第2のエッチングの両方をウエットエッチングにより行う場合、第1のエッチングと第2のエッチングとで、同種類のエッチング液を用いることが好ましい。これにより、凹部3の深さ、曲率半径等の制御が容易になる。また、理想的なレンズ曲面を有する凹部3を形成しやすい。しかも、マイクロレンズ基板の製造設備を簡略化できる。なお、第1のエッチングと第2のエッチングとで、異なる種類のエッチング液を用いてもよい。 【0085】このようにマイクロレンズ用凹部付き基板2を製造する場合、第1のエッチングのエッチング時間と、第2のエッチングのエッチング時間との比を、100:10〜100:900程度とすることが好ましく、100:20〜100:300程度とすることがより好ましい。これにより、前述した効果をより効果的に発揮できるマイクロレンズ用凹部付き基板2、ひいてはマイクロレンズ基板1を容易に得られるようになる。 【0086】さらには、第1のエッチングのエッチング温度と、第2のエッチングのエッチング温度との差を、±15℃以内とすることが好ましく、±5℃以内とすることがより好ましい。これにより、凹部3の深さ、曲率半径等の制御が容易になる。また、理想的なレンズ曲面を有する凹部3を形成しやすい。 【0087】<6>このようにして得られたマイクロレンズ用凹部付き基板2の凹部3内に、例えば母材29を構成する材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂を充填することにより、マイクロレンズ4を形成することができる。 【0088】例えば、次のようにして、表層8がガラスで構成されたマイクロレンズ基板1を得ることができる。まず、母材29の凹部3が形成された面全体に、未硬化の樹脂(接着剤)を設ける。次いで、かかる樹脂に例えばガラスで構成された表層(相手体)8を接合する。次いで、樹脂を硬化(固化)させて樹脂層9を形成する。これにより、凹部3内では、樹脂層9を構成する樹脂によりマイクロレンズ4が形成され、図1および図2に示すようなマイクロレンズ基板1を得ることができる。なお、表層8を接合後、必要に応じて研削、研磨等を行ない、表層8の厚さを調整してもよい。 【0089】また、例えば、次のようにして、表層8がセラミックスで構成されたマイクロレンズ基板1を得ることもできる。まず、母材29の凹部3が形成された面全体に、未硬化の樹脂を設ける。次いで、かかる樹脂に例えば表面(樹脂に接する面)が平坦な型材(図示せず)を接合する。次いで、樹脂を硬化(固化)させて樹脂層9を形成する。これにより、凹部3内では樹脂層9を構成する樹脂によりマイクロレンズ4が形成される。次いで、前記型材(相手体)を樹脂層9から剥離する(離型を行う)。次いで、例えば、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等の気相成膜法などにより、樹脂層9上にセラミックスで構成された表層8を形成する。これにより、表層8がセラミックスで構成されたマイクロレンズ基板1を得ることができる。 【0090】本発明のマイクロレンズ基板は、以下に述べる液晶パネル用対向基板および液晶パネル以外にも、CCD用マイクロレンズ基板、光通信素子用マイクロレンズ基板等の各種基板、各種用途に用いることができることは言うまでもない。 【0091】マイクロレンズ基板1の表層8上に、例えば、開口111を有するブラックマトリックス11を形成し、次いで、かかるブラックマトリックス11を覆うように透明導電膜12を形成することにより、液晶パネル用対向基板10を製造することができる(図4参照)。なお、ブラックマトリックス11および透明導電膜12は、表層8上ではなく、母材29上に設けてもよい。 【0092】ブラックマトリックス11は、遮光機能を有し、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属、カーボンやチタン等を分散した樹脂などで構成されている。透明導電膜12は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)などで構成されている。 【0093】ブラックマトリックス11は、例えば、表層8上に気相成膜法(例えば蒸着、スパッタリング等)によりブラックマトリックス11となる薄膜を成膜し、次いで、かかる薄膜上に開口111のパターンを有するレジスト膜を形成し、次いで、ウエットエッチングを行い前記薄膜に開口111を形成し、次いで、前記レジスト膜を除去することにより設けることができる。また、透明導電膜12は、例えば、蒸着、スパッタリング等の気相成膜法により設けることができる。 【0094】このように、マイクロレンズ基板上に、ブラックマトリックス、透明導電膜を形成することにより液晶パネル用対向基板を得ることができる。なお、マイクロレンズ基板が表層を有していない場合には、ブラックマトリックスや透明導電膜を、樹脂層上に直接形成してもよい。なお、ブラックマトリックス11は、設けなくてもよい。 【0095】以下、このような液晶パネル用対向基板を用いた液晶パネル(液晶光シャッター)について、図4に基づいて説明する。 【0096】図4に示すように、本発明の液晶パネル(TFT液晶パネル)16は、TFT基板(液晶駆動基板)17と、TFT基板17に接合された液晶パネル用対向基板10と、TFT基板17と液晶パネル用対向基板10との空隙に封入された液晶よりなる液晶層18とを有している。 【0097】液晶パネル用対向基板10は、マイクロレンズ基板1と、かかるマイクロレンズ基板1の表層8上に設けられ、開口111が形成されたブラックマトリックス11と、表層8上にブラックマトリックス11を覆うように設けられた透明導電膜(共通電極)12とを有している。 【0098】TFT基板17は、液晶層18の液晶を駆動する基板であり、ガラス基板171と、かかるガラス基板171上に設けられ、マトリックス状(行列状)に配設された複数(多数)の画素電極172と、各画素電極172に対応する複数(多数)の薄膜トランジスタ(TFT)173とを有している。なお、図では、シール材、配向膜、配線などの記載は省略した。 【0099】この液晶パネル16では、液晶パネル用対向基板10の透明導電膜12と、TFT基板17の画素電極172とが対向するように、TFT基板17と液晶パネル用対向基板10とが、一定距離離間して接合されている。 【0100】ガラス基板171は、前述したような理由から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。画素電極172は、透明導電膜(共通電極)12との間で充放電を行うことにより、液晶層18の液晶を駆動する。この画素電極172は、例えば、前述した透明導電膜12と同様の材料で構成されている。 【0101】薄膜トランジスタ173は、近傍の対応する画素電極172に接続されている。また、薄膜トランジスタ173は、図示しない制御回路に接続され、画素電極172へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極172の充放電が制御される。液晶層18は液晶分子(図示せず)を含有しており、画素電極172の充放電に対応して、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。 【0102】このような液晶パネル16では、通常、1個のマイクロレンズ4と、かかるマイクロレンズ4の光軸Qに対応したブラックマトリックス11の1個の開口111と、1個の画素電極172と、かかる画素電極172に接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、1画素に対応している。 【0103】液晶パネル用対向基板10側から入射した入射光Lは、マイクロレンズ用凹部付き基板2を通り、マイクロレンズ4を通過する際に集光されつつ、樹脂層9、表層8、ブラックマトリックス11の開口111、透明導電膜12、液晶層18、画素電極172、ガラス基板171を透過する。このとき、マイクロレンズ基板1の入射側には通常偏光板(図示せず)が配置されているので、入射光Lが液晶層18を透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。その際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層18の液晶分子の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パネル16を透過した入射光Lを偏光板(図示せず)に透過させることにより、出射光の輝度を制御することができる。 【0104】このように、液晶パネル16は、マイクロレンズ4を有しており、しかも、マイクロレンズ4を通過した入射光Lは、集光されてブラックマトリックス11の開口111を通過する。一方、ブラックマトリックス11の開口111が形成されていない部分では、入射光Lは遮光される。したがって、液晶パネル16では、画素以外の部分から不要光が漏洩することが防止され、かつ、画素部分での入射光Lの減衰が抑制される。このため、液晶パネル16は、画素部で高い光の透過率を有し、比較的小さい光量で明るく鮮明な画像を形成することができる。しかも、マイクロレンズ基板1が前述したような利点を有しているので、液晶パネル16で形成される画像のコントラスト比は、高い。 【0105】この液晶パネル16は、例えば、公知の方法により製造されたTFT基板17と液晶パネル用対向基板10とを配向処理した後、シール材(図示せず)を介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空隙部の封入孔(図示せず)から液晶を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造することができる。その後、必要に応じて、液晶パネル16の入射側や出射側に偏光板を貼り付けてもよい。 【0106】なお、上記液晶パネル16では、液晶駆動基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いてもよい。 【0107】以下、上記液晶パネル16を用いた投射型表示装置(液晶プロジェクター)について説明する。図5は、本発明の投射型表示装置の光学系を模式的に示す図である。 【0108】同図に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)22とを有している。 【0109】また、照明光学系は、インテグレータレンズ302および303を有している。色分離光学系は、ミラー304、306、309、青色光および緑色光を反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ310、311、312、313および314とを有している。 【0110】液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パネル16と、液晶パネル16の入射面側(マイクロレンズ基板が位置する面側、すなわちダイクロイックプリズム21と反対側)に接合された第1の偏光板(図示せず)と、液晶パネル16の出射面側(マイクロレンズ基板と対向する面側、すなわちダイクロイックプリズム21側)に接合された第2の偏光板(図示せず)とを備えている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライトバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ライトバルブ24、25および26が備えている液晶パネル16は、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。 【0111】なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック20と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、表示ユニット23が構成されている。以下、投射型表示装置300の作用を説明する。 【0112】光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。 【0113】インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図5中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図5中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。 【0114】ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図5中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ24に入射する。 【0115】ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図5中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。 【0116】ダイクロイックミラー307で反射した緑色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ25に入射する。 【0117】また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図5中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図5中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ26に入射する。 【0118】このように、光源301から出射された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。 【0119】この際、液晶ライトバルブ24が有する液晶パネル16の各画素(薄膜トランジスタ173とこれに接続された画素電極172)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。 【0120】同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞれの液晶パネル16で変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ25が有する液晶パネル16の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パネル16の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。 【0121】これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。 【0122】前記液晶ライトバルブ24により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211で図5中左側に反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出射面216から出射する。 【0123】また、前記液晶ライトバルブ25により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。 【0124】また、前記液晶ライトバルブ26により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図5中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。 【0125】このように、前記液晶ライトバルブ24、25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ24、25および26により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム21により合成され、これによりカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ22により、所定の位置に設置されているスクリーン320上に投影(拡大投射)される。 【0126】 【実施例】以下のようにして、画素数1024×768で、1画素あたり18×18μm角のマイクロレンズ用凹部付き基板、さらには、マイクロレンズ基板を製造した。 【0127】まず、母材として、厚さ約1.2mmの未加工の石英ガラス基板(透明基板)を用意した。次に、この石英ガラス基板を85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。 【0128】−1− この石英ガラス基板の表面および裏面に、CVD法により、厚さ0.4μmの多結晶シリコンの膜を形成した。これは、石英ガラス基板を、600℃、80Paに設定したCVD炉内に入れ、SiH4を300mL/分の速度で供給することにより行った。 【0129】−2− 次に、形成した多結晶シリコン膜に、形成する凹部に対応した開口を形成した。これは、次のようにして行った。まず、多結晶シリコン膜上に、形成する凹部のパターンを有するレジスト層を形成した。次に、多結晶シリコン膜に対してCFガスによるドライエッチングを行ない、開口を形成した。次に、前記レジスト層を除去した。 【0130】−3− 次に、石英ガラス基板をエッチング液(10wt%フッ酸+10wt%グリセリンの混合水溶液)に51.2分間浸漬してウエットエッチング(エッチング温度30℃)を行った。これにより、石英ガラス基板上に、行列状(1024×768)に配設された小凹部が形成された。 【0131】−4− 次に、石英ガラス基板を、15wt%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に5分間浸漬して、表面および裏面に形成した多結晶シリコン膜を除去した。 【0132】−5− 次に、石英ガラス基板をエッチング液(10wt%フッ酸+10wt%グリセリンの混合水溶液)に68.8分間浸漬してウエットエッチング(エッチング温度30℃)を行った。これにより、行列状に配設された凹部と、行列の対角線方向の凹部間に、頂部が平坦な柱とが形成され、図1および図2に示すような形状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。 【0133】−6− 次に、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された面に、紫外線(UV)硬化型アクリル系の光学接着剤(屈折率1.60)を気泡なく塗布し、次いで、かかる光学接着剤に石英ガラス製のカバーガラス(表層)を接合し、次いで、かかる光学接着剤に紫外線を照射して光学接着剤を硬化させた。 【0134】−7− 最後に、カバーガラスを厚さ50μmに研削、研磨して、図1に示すような構造のマイクロレンズ基板を得た。得られたマイクロレンズ基板では、樹脂層の厚みは12μmであった。 【0135】(実施例2〜5)工程−3−のエッチング時間(エッチング液への浸漬時間)および工程−5−のエッチング時間を下記表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ用凹部付き基板、さらにはマイクロレンズ基板を製造した。なお、工程−3−のエッチングが第1のエッチングに、工程−5−のエッチングが第2のエッチングに、それぞれ対応している。 【0136】 【表1】
【0137】(評価1)前記工程−5−で得たマイクロレンズ用凹部付き基板について、その表面を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−4500」)および金属顕微鏡(オリンパス光学工業社製「MX50L」)で、それぞれ観察した。さらには、マイクロレンズ用凹部付き基板の凹部を型として、凹部の形状を樹脂に転写し、かかる転写物も走査型電子顕微鏡で観察した。 【0138】その結果、各実施例で製造したマイクロレンズ用凹部付き基板では、図1および2に示すような構造となっていることが確認された。図6(a)に、実施例1で製造されたマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部の形状を樹脂に転写した転写物(ダイシング装置で転写物をカットしたもの)の走査型電子顕微鏡写真(倍率3万倍)を、図6(b)に、マイクロレンズ用凹部付き基板表面の金属顕微鏡写真(倍率1000倍)を、それぞれ示す。 【0139】これらの写真からも分かるように、形成された凹部の平面形状は、角部が丸みを帯びた正方形をなしていた。そして、行列の対角線方向で隣接する凹部と凹部の間には、頂部が平坦な柱が形成されていた。実施例2〜5で製造されたマイクロレンズ用凹部付き基板でも、実施例1に比肩するきれいなレンズ曲面を有する凹部、および柱が、形成されていた。 【0140】さらには、厚さ測定器(ユニオン光学社製「THS−2」)を用いて、マイクロレンズ用凹部付き基板を測定する前の石英ガラス基板の厚さ、柱が形成された部分の石英ガラス基板の厚さ、および凹部の最深部における石英ガラス基板の厚さを測定した。また、ダイシング装置を用いて、マイクロレンズ用凹部付き基板をカットし、各凹部の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、凹部の緒特性を測定した。さらには、金属顕微鏡の写真を解析した。その結果を前記表1に併せて示す。また、測定したV1/V2およびA1/A2も、併せて表1に示す。 【0141】その後、各実施例で製造したマイクロレンズ用凹部付き基板およびマイクロレンズ基板の緒特性のデータに基づいて、マイクロレンズ基板に形成したマイクロレンズの光路を計算した。実施例1で得られたマイクロレンズ基板のマイクロレンズについての計算結果を図7に示す。 【0142】同図に示すように、実施例1で得られたマイクロレンズ基板では、光路から大きくずれた方向に出射光が出射することが防止されることが確認された。なお、実施例2〜5で製造されたマイクロレンズ基板でも、実施例1に比肩する優れた計算結果が得られた。 【0143】(評価2)実施例で製造した各マイクロレンズ基板について、スパッタリング法およびフォトリソグラフィー法を用いて、カバーガラスのマイクロレンズに対応した位置に開口が設けられた厚さ0.16μmの遮光膜(Cr膜)、すなわち、ブラックマトリックスを形成した。さらに、ブラックマトリックス上に厚さ0.15μmのITO膜(透明導電膜)をスパッタリング法により形成し、液晶パネル用対向基板を製造した。 【0144】さらに、これら液晶パネル用対向基板と、別途用意したTFT基板(ガラス基板は石英ガラス製)とを配向処理した後、両者をシール材を介して接合した。次に、液晶パネル用対向基板とTFT基板との間に形成された空隙部の封入孔から液晶を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞いで図4に示すような構造のTFT液晶パネルをそれぞれ製造した。 【0145】そして、得られたTFT液晶パネルを駆動回路に接続し、簡易な画像形成装置を製造した。次に、かかる画像形成装置で白色の画面と黒色の画面をそれぞれ表示した。次に、白色の画面と黒色の画面の明るさをそれぞれ測定し、コントラスト比を測定した。その結果、いずれの実施例で得られたマイクロレンズ基板を備えた液晶パネルでも、高いコントラスト比が得られた。 【0146】その後、TFT液晶パネルを用いて、図5に示すような構造の液晶プロジェクター(投射型表示装置)を組み立てた。その結果、得られた液晶プロジェクターの投射画像では、いずれも、高いコントラスト比が得られた。 【0147】表層がセラミックスで構成されたマイクロレンズ基板を製造し、かかるマイクロレンズ基板を用いて前記と同様に液晶パネルおよび投射型表示装置を製造したところ、これらの液晶パネルおよび投射型表示装置でも、高いコントラスト比が得られた。なお、このマイクロレンズ基板は、前記工程−7−において、カバーガラスの代わりに表面に離型剤を塗布した型材を樹脂(接着剤)に接合したこと;樹脂を硬化させた後型材を樹脂から剥離したこと;その後、樹脂層上にスパッタリング法により厚さ1μmのAlN膜を形成したこと以外は、実施例1〜5とほぼ同様にして製造した。 【0148】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マイクロレンズ基板が備えるマイクロレンズの収差を低減できる。したがって、例えば、本発明のマイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板を備えた液晶パネル、投射型表示装置では、光漏れが少なく、光の有効利用が図れ、よって、高いコントラスト比が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093388 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 喜三郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194509(P2001−194509A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−7016(P2000−7016) |
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