トップ :: G 物理学 :: G02 光学




【発明の名称】 光学基板
【発明者】 【氏名】芦原 克充

【氏名】清水 敦

【氏名】松下 智彦

【要約】 【課題】マイクロレンズアレイ基板のスタック厚(マイクロレンズアレイ基板の表面からレンズエッジまでの光学距離)を正確に測定できるようにする。

【解決手段】ベースガラス51の上に形成されたレンズ樹脂層52の表面にマイクロレンズアレイパターン56を形成し、レンズ樹脂層52の上に封止樹脂層58を積層して表面を平坦化し、その上にカバーガラス59を積層してマイクロレンズアレイ基板61を形成する。ここで、レンズ樹脂層52の表面のマイクロレンズアレイパターン56の領域外において、マイクロレンズアレイパターン56のレンズエッジを含む平面と同じ高さに測定用マーク57を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の基材の上方に光学パターンを備えた光学素子アレイ層を形成し、当該光学素子アレイ層の上方に少なくとも該光学パターンの上方領域を平坦化する封止樹脂層を積層し、当該封止樹脂層の上方に第2の基材を積層した光学基板において、前記光学パターンのエッジを含む平面内で、かつ前記光学パターン形成領域外に、前記第2の基材の表面から認識可能な面状のマークを設けたことを特徴とする光学基板。
【請求項2】 前記マークは、光学素子アレイ層の表面に設けられた凸状もしくは凹状の平面によって構成され、該マークの縁には角が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光学基板。
【請求項3】 前記マークは、光学素子アレイ層の表面に設けられた凸状もしくは凹状の平面によって構成され、該マークに隣接して設けられた凹部もしくは凸部は曲面によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光学基板。
【請求項4】 前記マークは、格子状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光学基板。
【請求項5】 前記マークは、ストライプ状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光学基板。
【請求項6】 第1の基材の上方に光学パターンを備えた光学素子アレイ層を形成し、当該光学素子アレイ層の上方に少なくとも該光学パターンの上方領域を平坦化する封止樹脂層を積層し、当該封止樹脂層の上方に第2の基材を積層した光学基板において、前記光学パターンの主点を含む平面内で、かつ前記光学パターン形成領域外に、前記第2の基材の表面から認識可能なマークを設けたことを特徴とする光学基板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロレンズアレイやマイクロプリズムアレイ等の光学素子アレイを含んだ光学基板に関し、特にスタンパ法によって認識用のマークを形成された光学基板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を挟み込んで液晶表示素子を構成するための一方の基板として、あらかじめ内部にマイクロレンズアレイパターンを内蔵させたマイクロレンズアレイ基板が従来より用いられている。
【0003】このようなマイクロレンズアレイ基板の製造方法には、エッチングを利用する方法やスタンパを用いる方法など種々の方法が提案されている。このうちスタンパを用いる方法は、スタンパで紫外線硬化型樹脂に型押しすることによってレンズ樹脂層にマイクロレンズアレイパターンを成形し、その上にレンズ樹脂層と屈折率の異なる封止樹脂層を重ねることによって表面を平坦化する方法であり、量産性に優れ、かつ非球面レンズを製作できるという長所がある。
【0004】図1(a)は従来のマイクロレンズアレイ基板を示す断面図であって、透明なベースガラス1の上に紫外線硬化方樹脂からなる透明なレンズ樹脂層2が積層され、レンズ樹脂層2の表面には、スタンパによる型押しでマイクロレンズアレイパターン3が形成されている。また、レンズ樹脂層2の上にはレンズ樹脂層2と屈折率の異なる紫外線効果型樹脂によって透明な封止樹脂層4が積層され、封止樹脂層4の上にはカバーガラス5が積層一体化され、マイクロレンズアレイ基板8が製作される。
【0005】また、マイクロレンズアレイ基板8は、液晶表示素子の基板として用いられるもので、表面の平坦性が要求されるため、積層一体化された後、図1(b)に示すように表裏両面を研磨装置6によって平滑に仕上げられる。特に、カバーガラス5は、マイクロレンズアレイ基板8のスタック厚が所定値となるように研磨される。ついで、カバーガラス5の上面には、図1(c)に示すように、透明電極(ITO)7が形成される。
【0006】ここで、図2に示すように、マイクロレンズアレイ基板8のレンズ主面(通常は、レンズ樹脂層2のエッジで代用する)からカバーガラス5の表面(透明電極7を含む)までの光学的距離をスタック厚Tsといい、マイクロレンズアレイ基板8の光学的特性を特徴づける量の1つである。このスタック厚Tsを、マイクロレンズアレイ基板8の断面の厚み測定から求める場合には、カバーガラス5と封止樹脂層4の屈折率を考慮しなければならないが、基板の上面から光学的に測定する場合には、すでに屈折率の影響を受けているので、実測値を用いることができる。
【0007】いま、このマイクロレンズアレイ基板8を液晶表示素子の基板として用い、画素開口を設けられた対向側ガラス基板との間に液晶を封止する場合を考える。図2に示すように、このマイクロレンズアレイ基板8に平行光が入射すると、各マイクロレンズを通過した光は各焦点に収斂し、対向側ガラス基板の画素開口を通過するが、このときのレンズ主面から焦点までの距離(焦点距離fo)は原理上マイクロレンズアレイ基板8のスタック厚Tsに関係なくほぼ一定である。しかし、研磨時にマイクロレンズアレイ基板8のスタック厚Tsにばらつきがあると、マイクロレンズアレイ基板8の表面から焦点までの距離fo−Tsが変動するので、図3に示すようにスタック厚Tsが最適値に等しい場合には液晶表示素子のレンズ効率(=マイクロレンズアレイ基板8が存在するときの明るさ/マイクロレンズアレイ基板8が存在しないときの明るさ)が最大となるが、スタック厚Tsが最適値から外れるとレンズ効率が大きく低下する。
【0008】従って、図1(b)の研磨工程においては、目的とするスタック厚Tsが得られるように研磨速度や研磨時間などの条件出しを行ってマイクロレンズアレイ基板8を研磨している。さらに、研磨終了後マイクロレンズアレイ基板8のスタック厚Tsを測定し、目的とするスタック厚Tsが達成されていない場合には再び研磨を行い、最終的に目的とするスタック厚Tsが得られていることを確認している。従って、所望のスタック厚Tsを精度良く得るためには、スタック厚Tsの正確な測定が欠かせない。
【0009】図4は従来におけるスタック厚Tsの測定方法を説明する図である。この方法では、まずマイクロレンズアレイ基板8の上面から例えば同軸落射光を照射することによって測長顕微鏡9の焦点をカバーガラス5の表面に合わせて測長カウンタをリセットする。ついで、照明を例えば透過光に切り替え、測長顕微鏡9の焦点をマイクロレンズアレイパターン3のエッジ(以下、レンズエッジという)に合わせ、その際の焦点位置の移動量を測長カウンタから読みとってスタック厚Tsを求めている。なお、厳密には、スタック厚Tsは、カバーガラス5の表面からレンズの主点までの距離であるが、レンズエッジから主点までの距離は当該マイクロレンズアレイ基板8に固有のものであり、しかも主点を検出するのは難しいので、主点位置の近傍に位置するレンズエッジで置き換えてスタック厚測定を行っている。また、研磨後に膜付けされる透明電極7は、0.2mm程度と薄く、その厚みも安定しているので、透明電極7の厚みを無視してもよく、また透明電極7の厚みを定数として扱ってもよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レンズ樹脂層2の表面に形成されているマイクロレンズアレイパターン3のレンズエッジ10は、図5に示すように略四角錐状の尖端(点)となっているため、従来のスタック厚測定方法では、以下に詳述するような理由により、このレンズエッジ10を正確に検出することが困難であった。
【0011】図6(a)はレンズエッジ10と測長顕微鏡の焦点位置との関係を表しており、図6(b)はレンズエッジ10よりも1〜2μm上のLA位置における顕微鏡像を示し、図6(c)はレンズエッジ10を通るLB位置における顕微鏡像を示し、図6(d)はレンズエッジ10よりも1〜2μm下のLC位置における顕微鏡像を示している。レンズエッジ10よりも下に焦点が位置している場合には、図7に示すようにレンズエッジ10の顕微鏡像は井桁状に白く光っている(他の部分は暗く見える)が、焦点がレンズエッジ10に近づくに従って井桁の端が徐々にはっきりしなくなり、この井桁の端が在るか無いか微妙なところの焦点位置がレンズエッジ10である。従って、図6(c)(d)のように測長顕微鏡の焦点がレンズエッジ10に一致しているか、少し外れているのかの判別がつきにくく、顕微鏡像の違いがわかりずらい場合でも、実際には1〜2μmも距離がずれている。また、図6(b)のように焦点がレンズエッジの上方へずれている場合でも、うっすらとレンズエッジの像が残り、白点として見える。
【0012】このように従来の測定方法では、レンズエッジの急峻性のため、測長顕微鏡の焦点位置がマイクロレンズアレイ基板の厚み方向に変化しても顕微鏡像が変化しにくく(焦点位置が1〜2μm変化したところでレンズエッジの顕微鏡像の変化はわずかである)、測定精度が悪かった。
【0013】さらに、測長顕微鏡の明るさについての機差によりレンズエッジの見え方が変わること、透過光の回り込みによってレンズエッジの像が光って輪郭がぼやけることなどによっても、精密なスタック厚の測定が困難であった。
【0014】また、図8(a)(c)は互いにレンズ形状(つまり、レンズのサイズ、曲率、深さ等)の異なるマイクロレンズアレイパターン3の断面を示し、図8(b)は図8(a)のマイクロレンズアレイパターン3のLD面に焦点を合わせたときの顕微鏡像を示し、図8(d)は図8(c)のマイクロレンズアレイパターン3のLE面に焦点を合わせたときの顕微鏡像を示している。図8(b)(d)の顕微鏡像はほぼ同一に見えているが、図8(a)(c)に示すように、焦点位置の、各レンズエッジ10からの距離は互いにδだけ異なっている。これは、マイクロレンズアレイ基板8の品種(レンズ形状)が異なると、レンズエッジ10の顕微鏡像の見え方が大きく異なることを示しており、マイクロレンズアレイ基板8の品種が増加すると、オペレータはその品種毎のレンズエッジの見え方の違いを記憶する必要があり、スタック厚測定の熟練に時間が掛かっていた。
【0015】
【発明の開示】しかして、本発明の目的とするところは、品種間による顕微鏡像の見え方の違いや、顕微鏡の機差による像の明るさの違いなどに影響されること無く、光学基板のスタック厚を正確に測定できるようにすることにある。
【0016】本発明による光学基板は、第1の基材の上方に光学パターンを備えた光学素子アレイ層を形成し、当該光学素子アレイ層の上方に少なくとも該光学パターンの上方領域を平坦化する封止樹脂層を積層し、当該封止樹脂層の上方に第2の基材を積層した光学基板において、前記光学パターンのエッジを含む平面内で、かつ前記光学パターン形成領域外に、前記第2の基材の表面から認識可能な面状のマークを設けたものである。ここで、光学パターンとしは、レンズアレイであってもよく、プリズムアレイであってもよい。
【0017】本発明の光学基板にあっては、例えば測長顕微鏡等の光学機器の焦点を前記マークに合わせることによって光学パターンのエッジにも焦点を合わせることができる。しかも、このマークは面で形成されているため、光学パターンのエッジに焦点を合せる場合と比較すると、焦点があっているかどうかの検出が容易であって、光学パターンの検出精度を高くすることができる。よって、本発明によれば、光学基板のスタック厚を正確に検出することができる。
【0018】また、本発明の光学基板によれば、直接光学パターンのエッジを計測するのでなく、エッジと同じ高さにあるマークを検出するので、光学基板の品種が変わってもマークの像が同一の見え方となるようにすることができ、測定に熟練を必要としなくなり、測定のばらつきが小さくなる。
【0019】本発明の一実施形態による光学基板においては、前記マークは、光学素子アレイ層の表面に設けられた凸状もしくは凹状の平面によって構成されていてもよい。
【0020】また、本発明の別な実施形態による光学基板においては、前記マークが、光学素子アレイ層の表面に設けられた凸状もしくは凹状の平面によって構成され、該マークの縁に角が形成されたものでもよい。ここで角が形成されているとは、マークの縁にアールが施されていないことを意味する。凸状又は凹状の平面によって形成されたマークの縁にアールが施されていると、マークの境界がはっきりしなくなるが、この実施形態のようにマークの縁に角を形成することによりマークの境界をくっきりと際立たせることができ、マークの認識性をより向上させることができる。
【0021】また、本発明のさらに別な実施形態によれば、前記マークは、光学素子アレイ層の表面に設けられた凸状もしくは凹状の平面によって構成され、該マークに隣接して設けられた凹部もしくは凸部は曲面によって形成されている。この実施形態のように、マークと隣接する凹部もしくは凸部を曲面によって形成してあれば、マークをはっきりさせることができ、マークの認識性をより向上させることができる。
【0022】本発明のさらに別な実施形態によれば、前記マークを格子状もしくはストライプ状に形成しているので、マークを見つけ易くすることができ、光学基板のスタック厚の測定を容易にすることができる。
【0023】また、本発明の別な光学基板は、第1の基材の上方に光学パターンを備えた光学素子アレイ層を形成し、当該光学素子アレイ層の上方に少なくとも該光学パターンの上方領域を平坦化する封止樹脂層を積層し、当該封止樹脂層の上方に第2の基材を積層した光学基板において、前記光学パターンの主点を含む平面内で、かつ前記光学パターン形成領域外に、前記第2の基材の表面から認識可能なマークを設けている。
【0024】本発明の別な光学基板にあっては、例えば測長顕微鏡等の光学機器の焦点を前記マークに合わせることによって光学パターンの主点に容易に焦点を合わせることができ、光学パターンの主点の検出精度を高くすることができる。よって、本発明によれば、光学基板のスタック厚を正確に検出することができる。
【0025】また、本発明の光学基板によれば、直接光学パターンの主点を計測するのでなく、主点と同じ高さにあるマークを検出するので、光学基板の品種が変わってもマークの像が同一の見え方となるようにすることができ、測定に熟練を必要としなくなり、測定のばらつきが小さくなる。
【0026】ここでは、この発明の構成要素を個々に説明したが、この発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態によるマイクロレンズアレイ基板の製造工程を図9(a)〜(d)、図10(e)〜(g)、図11、図12及び図13により説明する。マイクロレンズアレイ基板の製造にあたっては、図9(a)に示すように、マイクロレンズアレイ基板の複数枚分の大きさを有する透明なベースガラス51の上に未硬化の紫外線硬化型樹脂52を滴下し、ベースガラス51の上方からスタンパ(型)53を下降させてスタンパ53とベースガラス51の間に紫外線硬化型樹脂(以下、レンズ樹脂層という)52を挟み込み、スタンパ53をベースガラス51に押圧させてレンズ樹脂層52をスタンパ53とベースガラス51の間に押し広げる。このスタンパ53の下面には、マイクロレンズアレイパターンの反転型54とスタック厚の測定用マークの反転型55とが形成されている。ついで、図9(b)に示すように、ベースガラス1を通してレンズ樹脂層52に紫外線を照射し、レンズ樹脂層52を硬化させる。スタンパ53を剥離させると、図9(c)のように、硬化したレンズ樹脂層53の上面にマイクロレンズアレイパターン56が形成され、同時にマイクロレンズアレイパターン56の領域外においてレンズ樹脂層52の表面に測定用マーク57が形成される。
【0028】さらに、図9(d)のように、このレンズ樹脂層52の上に、当該レンズ樹脂層52と屈折率の異なる未硬化の紫外線硬化型樹脂58を滴下し、紫外線硬化型樹脂58の上方からカバーガラス59を下降させて下層のレンズ樹脂層52とカバーガラス59の間に未硬化の紫外線硬化型樹脂(以下、封止樹脂層という)58を挟み込み、カバーガラス59を封止樹脂層58に押圧させて封止樹脂層58を下層のレンズ樹脂層52とカバーガラス59の間に押し広げる。ついで、図10(e)に示すように、ベースガラス51及びレンズ樹脂層52を通して封止樹脂層58に紫外線を照射し、封止樹脂層58を硬化させる。この結果、図11に示すような複数枚分のマイクロレンズアレイ基板61を含んだマイクロレンズアレイウエハ(以下、MLAウエハという)60が製作され、屈折率の異なるレンズ樹脂層52と封止樹脂層58の界面にマイクロレンズアレイパターン56が形成される。
【0029】スタック厚の測定用マーク57は、図12及び図13に示すように、マイクロレンズアレイパターン56の領域外において凸部65の上面に形成されており、マイクロレンズアレイパターン56のレンズエッジ63を含む平面64と同一平面内(同一高さ)に位置させられている。また、測長顕微鏡でくっきりと見えるよう、測定用マーク57は平面ないし粗平面で構成されており、測長顕微鏡で見つけやすいよう、測定用マーク57はストライプ状のものを複数本並べて構成されている。さらに、測定用マーク57を設けてある凸部65の縁はアールを付けないで断面略90度の角を形成し、凸部65間の凹部66を断面円弧状の曲面溝によって形成してあり、測長顕微鏡によって測定用マーク57の境界がくっきりと見える工夫をこらしている。なお、測定用マーク57は、図17に示すように凸部65上面に設けられた格子状の平面によって形成されていてもよい。
【0030】MLAウエハ60が製作されると、測長顕微鏡を用いてスタック厚を測定しながら、図10(f)のように研磨装置67によりベースガラス51の下面とカバーガラス59の上面を研磨し、表面を平滑にすると共にマイクロレンズアレイ基板61のスタック厚が所望の最適値となるように調整する。
【0031】このスタック厚の測定時には、直接レンズエッジを測定するのでなく、例えば同軸落射光によってMLAウエハの表面に測長顕微鏡の焦点を合わせると共に透過光によって測定用マークに測長顕微鏡の焦点を合わせ、その焦点位置間の距離からスタック厚を測定する。このとき、測定用マークはストライプ状平面(もしくは、格子状平面)となっているので、測長顕微鏡の焦点を容易に合わせることができ、しかも縁を略90度の角にしたり、凹部を曲面で形成したりして測定用マークをくっきりと認識できるようにしているので、正確に測定用マークに焦点を合わせることができ、スタック厚を正確に測定することができる。また、レンズエッジに直接焦点を合わせるのでなく、レンズエッジと同じ高さに設けた測定用マーク57に焦点を合わせるようにしているので、マイクロレンズアレイパターンの形状が異なっても熟練を要することなく、容易にスタック厚を測定することが可能になる。
【0032】この後、図10(g)に示すように、カバーガラス58の上面に蒸着法によって透明電極(ITO膜)68を形成する。ついで、図11に示すように、アライメントマークによってMLAウエハ60を位置決めした後、MLAウエハ60をカットして個々のマイクロレンズアレイ基板61を得る。
【0033】次に、上記スタンパ53の製造方法を図14を参照しながら説明する。まず、図14(a)に示すような平板状のガラス板71を用意し、図15に示すようにガラス板71の表面に、結像レンズ72で集光させたレーザー光を照射し、レーザー加工(レーザーリトグラフィ)により2点鎖線で示す形状にガラス板71を蒸発除去し、ガラス板71の表面に所望の凹凸パターン73、74を形成する[図14(b)]。ここで、凹凸パターン73は、マイクロレンズアレイパターン56と同一形状であり、凹凸パターン74は測定用マークを形成するための凸部65及び凹部66に対応するものである。これらの凹凸パターン73、74を形成する際には、まずガラス基板71の表面にマイクロレンズアレイパターン56に対応する凹凸パターン73を形成する。そのとき凹凸パターン73以外の領域では、凹凸パターン73のエッジと同じ高さとなるようにして基準面(平面)を形成しておく。そして、この基準面に凹部を加工することによって測定マークを形成するための凸部65及び凹部66に対応する凹凸パターン74を形成すると、凹凸パターン74の凸部上面(測定用マークに対応する平面)が凹凸パターン73のエッジと同じ高さに形成される。なお、前記レーザー加工は、コンピュータにより制御されているレーザー加工装置を用いて行なうものであり、精密かつ複雑な形状であってもその形状データを入力しておけば、容易に加工することができる。
【0034】このように、ガラス基板71の表面に凹凸パターン73、74を形成してガラス基板71からなる原盤を作製した後、その上にニッケルを堆積させ、ニッケル電鋳法により原盤の反転型である第1のニッケルマスタ75を作製し[図14(c)]、ニッケルマスタ75をガラス板71から剥離する[図14(d)]。ニッケル電鋳法によりニッケルマスタ75を作製する際には、その準備として原盤となるガラス板71を例えば蒸着法あるいは無電解メッキ法で導電化しておき、導電化されたガラス板71の表面を陰極とし、例えばスルファミン酸ニッケル浴で電気メッキしてニッケルマスタ75を作製する。このニッケルマスタ75には、ガラス板71の凹凸パターン73、74に対応して凹凸パターン76、77が形成される。
【0035】この第1のニッケルマスタ75をさらにニッケル電鋳法で複製して第2のニッケルマスタ78を形成する[図14(e)]。この第2のニッケルマスタ78には、第1のニッケルマスタ75の凹凸パターン76、77に対応して凹凸パターン79、80が形成される。
【0036】さらに、この第2のニッケルマスタ78をさらにニッケル電鋳法で複製したものをスタンパ53とする。第2のニッケルマスタ78を複製する場合には、ニッケルマスタ78の表面に例えば重クロム酸カリ溶液で酸化膜を作った後、再びニッケル電鋳法によりスタンパ53を作製する[図14(f)]。こうして、スタンパ53には、第2のニッケルマスタ78の凹凸パターン79、80に対応してマイクロレンズアレイパターン56の反転型54とスタック厚の測定用マーク57の反転型55が形成される。従って、こうして作製されたスタンパ53でも、反転型54のエッジ(谷エッジ)と反転型55の凹部平面とが同一高さに形成されることになる。
【0037】また、スタンパ53を作製する別な方法としては、図16(a)〜(f)に示すように、ガラス基板71の表面に塗布されたレジスト81をレーザー加工することによって原盤を作製してもよい。レジスト81を使用する場合には、ガラス基板71とレジスト81の密着剤として、例えばシランカップリング剤をガラス基板71の表面に塗布しておき、レーザー加工した後、露光、現像及び洗浄の工程を経て、レジスト81による所望の凹凸パターン73、74がガラス基板71の表面に形成される[図16(a)(b)]。レーザー加工は、図3と同様に行なわれ、所望の凹凸パターン73、74が形成される。この後の処理は、図14(c)以下と同様に行う[図16(c)〜(f)]。
【0038】
【発明の効果】本発明の光学基板によれば、スタック厚を正確に測定することができる。また、光学基板の品種の違いによらず、同じ間隔でスタック厚を測定することができ、熟練を要することなく安定にスタック厚測定を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【出願日】 平成12年1月12日(2000.1.12)
【代理人】 【識別番号】100094019
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 雅房
【公開番号】 特開2001−194507(P2001−194507A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−4046(P2000−4046)