| 【発明の名称】 |
低反射部材 |
| 【発明者】 |
【氏名】樽石 智宏
【氏名】東 健策
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| 【要約】 |
【課題】反射防止効果を奏するための充分な低屈折率を示し、且つ汎用溶媒によるソルベントコーティングにより比較的低温で作製され、高い密着性と耐擦傷性を有する低屈折率層を有した低反射部材。
【解決手段】透明支持基体と、それよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有する低反射部材において、低屈折率層は、特定の加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物と、リン酸類、スルホン酸類および二酸化ケイ素融剤から選択される1種以上からなる硬化促進成分とを含有する混合物が硬化したものとする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明支持基体と、該透明支持基体よりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有する低反射部材において、前記低屈折率層は、加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物と、リン酸類、スルホン酸類および二酸化ケイ素融剤から選択される1種以上からなる硬化促進成分とを含有する混合物が硬化したものであり、前記加水分解性シラン化合物は、下記一般式[1]で示されるシラン化合物、一般式[2]で示されるシラン化合物、一般式[3]で示される化合物若しくは重合物から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする低反射部材。 R1a−SiX4-a 0≦a≦2 [1] X3Si−R2−SiX3 [2] Y−(Si(OR3)2O)n−Y [3] (XはCl、Br、NCO、OR4のいずれかを示す。YはHまたは炭素数が1〜20の有機基を示す。R1、R2、R3、R4は炭素数が1〜20の有機基を示す。nは1〜30の整数を示す。) 【請求項2】 前記低屈折率層は、加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物を100重量部に対して、硬化促進成分を1〜30重量部含有する混合物の硬化物であることを特徴とする請求項1記載の低反射部材。 【請求項3】 前記加水分解性シラン化合物が、4個の加水分解基を有するシラン化合物と、下記一般式[4]または一般式[5]で示されるシラン化合物のいずれか又は両方との混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の低反射部材。 R5a−SiX4-a 1≦a≦2 [4] X3Si−R6−SiX3 [5] (XはCl、Br、NCO、OR4のいずれかを示す。R5とR6は少なくとも1つのフッ素原子を含む有機基を示す。) 【請求項4】 前記リン酸類がオルトリン酸またはメタリン酸であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の低反射部材。 【請求項5】 前記スルホン酸類がベンゼンスルホン酸またはパラトルエンスルホン酸であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の低反射部材。 【請求項6】 前記低屈折率層と前記透明支持基体との間に、高屈折率層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の低反射部材。 【請求項7】 前記透明支持基体が偏光板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の低反射部材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CRT、EL等の画像表示装置等に好適に用いられる、外光の反射防止性に優れた低反射部材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】各種画像表示装置等においては、外光の反射を防止する為に、低反射部材を設けることが行われている。フィルムもしくはガラス等からなる透明支持基体の最外層に、その基体よりも低屈折率の物質からなる低屈折率層を可視光波長の1/4の光学膜厚で形成すると、干渉により反射率が低下することが知られている。低反射部材の構成としては、基体の少なくとも片面に低屈折率層のみを単層で設けるものと、基体の少なくとも片面に高屈折率層、低屈折率層を順次積層し、多層構成にするものがある。良好な反射防止機能を発現するための各層の屈折率及び膜厚については、公知の計算式で算出することができる。「薄膜・光デバイス」(吉田貞史、矢嶋弘義著、東京大学出版会)によれば、入射光が低屈折率層に垂直に入射する場合に、光を反射せず、且つ100%透過するための条件は次の関係式を満たせば良いとされている。なお、式中のn1は低屈折率層の屈折率、nSは基体もしくは高屈折率層の屈折率、d1は低屈折率層の厚さ、λ0は光の波長を示す。 n12=nS 式(1) n1d1=λ0/4 式(2) 【0003】光の反射を100%防止するには、前記式(1)において、低屈折率層の屈折率が下層(基体もしくは高屈折率層)の屈折率の平方根であり、且つ低屈折率層の膜厚が前記式(2)において式(1)で選択した低屈折率層の屈折率と光の波長から計算される値となることが必要である。式(1)において、通常使用される基体もしくは高屈折率層の屈折率nSは1.45〜2.10の範囲にあるので、これに適する低屈折率層の屈折率n1は1.20〜1.45となる。式(2)において可視光領域での反射率を最低にする場合、膜厚d1は100nm程度が適当となる。 【0004】ところで、反射防止膜の多くは真空蒸着法やスパッタリング法などの真空下での成膜法によって形成されているが、基体にプラスチックフィルムを選択した場合には基体の熱変形温度が低いため、充分に加熱することができず、得られる反射防止膜は基体との密着性が十分ではない。また、これらの方法を適用することのできる部材が比較的小型なものに限定され、しかも連続生産には適さない上、生産コストが高いという欠点があった。これまでメガネレンズ等にはこの真空成膜法により反射防止膜が付与されていた。一方、近年においては、LCD、PDP、CRT、ELに代表される画像表示装置(以下、これを「ディスプレイ」という。)は、テレビやコンピューターを始めとして、様々な分野で繁用されており、目覚しい発展を遂げている。このディスプレイの開発は、画像の高精細化、高画質化、及び低価格化に注力されており、その流れから反射防止に対する要求も強くなっている。そこで、大面積化及び連続生産が可能であると同時に低コスト化が可能なソルベントコーティングにより生産される低反射部材の開発が注目されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような低反射部材の要求特性は、屈折率が1.45以下であることは当然であるが、これ以外にディスプレイの最表面という条件での使用に耐えるために、高い密着性・耐擦傷性が要求される。しかし、これまでの低反射部材の多くは、低屈折率化のみに注目しており、耐擦傷性は必ずしも良いとはいえなかった。 【0006】ソルベントコーティングによって低屈折率層を得る手段としては、フッ素を含む材料により低屈折率化を図る方法と、膜の表面に微粒子等を堆積させて空孔を設け、空気の混入により低屈折率化を図る方法とに大別される。低屈折率層を構成する材料別に分類すると、加水分解性シラン化合物をゾルゲル反応により硬化させる手法(特開平9−24575号公報)、フッ素系有機材料を用いる手法(特開平2−19801号公報)、低屈折率の微粒子を用いる手法の3種に大別される。また上記3種の組み合わせとして、フッ素系有機材料と加水分解性シラン化合物を組み合わせた手法(特開平7−331115号公報)、フッ素系有機材料と低屈折率微粒子を組み合わせた手法(特開平6−230201号公報)、加水分解性シラン化合物と低屈折率微粒子を組み合わせた手法(特開平8−211202号公報)等が提案されている。しかしながら、どの手法においても基体としてプラスチックフィルムを選択した場合、実用上十分な反射防止特性と耐擦傷性、生産性を備えたものはない。例えば、低屈折率微粒子を用いる方法は、バインダーの比率が多くなると屈折率が高くなり充分な反射防止性が得られなくなり、バインダーが少ないと膜強度が低下し、使用できなくなる。フッ素系有機材料を用いる方法は、主に含フッ素アクリル化合物のラジカル重合物が使用されているが、ラジカル重合系の化合物は空気中の酸素により重合が阻害され、充分に硬化した膜が得られず硬度が不足し、また硬化時の体積収縮が大きく、基体との密着性不足や剥離という問題がある。加水分解性シラン化合物を用いる方法は、高温または長時間のキュアーが必要であり、基体を損傷したり、乾燥工程に時間がかかり製造コストがかさむ等の問題がある。 【0007】本発明は前記課題を解決するためになされたもので、反射防止効果を奏するための充分な低屈折率を示し、且つ汎用溶媒によるソルベントコーティングにより比較的低温で作製され、高い密着性と耐擦傷性を有する低屈折率層を有した低反射部材を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の低反射部材は、透明支持基体と、該透明支持基体よりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有する低反射部材において、低屈折率層は、加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物と、リン酸類、スルホン酸類および二酸化ケイ素融剤から選択される1種以上からなる硬化促進成分とを含有する混合物が硬化したものであり、加水分解性シラン化合物は、下記一般式[1]で示されるシラン化合物、一般式[2]で示されるシラン化合物、一般式[3]で示される化合物若しくは重合物から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とするものである。 R1a−SiX4-a 0≦a≦2 [1] X3Si−R2−SiX3 [2] Y−(Si(OR3)2O)n−Y [3] (XはCl、Br、NCO、OR4のいずれかを示す。YはHまたは炭素数が1〜20の有機基を示す。R1、R2、R3、R4は炭素数が1〜20の有機基を示す。nは1〜30の整数を示す。) 【0009】ここで、低屈折率層は、加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物を100重量部に対して、硬化促進成分を1〜30重量部含有する混合物の硬化物であることが望ましい。さらに、加水分解性シラン化合物は、4個の加水分解基を有するシラン化合物と、下記一般式[4]または一般式[5]で示されるシラン化合物のいずれか又は両方との混合物であることが望ましい。 R5a−SiX4-a 1≦a≦2 [4] X3Si−R6−SiX3 [5] (XはCl、Br、NCO、OR4のいずれかを示す。R5とR6は少なくとも1つのフッ素原子を含む有機基を示す。) また、リン酸類としては、オルトリン酸またはメタリン酸が望ましく、スルホン酸類としてはベンゼンスルホン酸またはパラトルエンスルホン酸が望ましい。さらに、低屈折率層と透明支持基体との間に、高屈折率層を設けることもできる。透明支持基体として偏光板を用いることもできる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明する。本発明の低反射部材における低屈折率層は、加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物と、リン酸類、スルホン酸類および二酸化ケイ素融剤から選択される1種以上からなる硬化促進成分とを含有する混合物が硬化したものである。硬化して反射防止膜となる混合物の主成分である加水分解性シラン化合物は、下記一般式[1]、[2]で示されるシラン化合物、及び下記一般式[3]で示される化合物若しくは重合物から選ばれる。 R1a−SiX4-a 0≦a≦2 [1] X3Si−R2−SiX3 [2] Y−(Si(OR3)2O)n−Y [3] (XはCl、Br、NCO、OR4のいずれかを示す。YはHまたは炭素数が1〜20(好ましくは5〜12)の有機基を示す。R1、R2、R3、R4は炭素数が1〜20(好ましくは5〜12)の有機基を示す。nは1〜30の整数を示す。) 【0011】これらは汎用溶媒中または塗膜中で、水分の存在下、加水分解して二個以上のシラノール基を生ずるものであるが、特に塗膜強度の向上にはケイ素原子が4個の加水分解基を有するシラン化合物(一般式[1];a=0、一般式[3])が好ましく、屈折率を低下させるためには、フルオロアルキルシラン化合物(一般式[4]、[5])が好ましく、これらの特性のバランスをとるためにそれらを混合して用いることがより望ましい。 R5a−SiX4-a 1≦a≦2 [4] X3Si−R6−SiX3 [5] (XはCl、Br、NCO、OR4のいずれかを示す。R5とR6は少なくとも1つのフッ素原子を含む有機基を示す。) 【0012】ケイ素原子が4個の加水分解基を有するシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(1−プロポキシ)シラン、テトラ(2−プロポキシ)シラン、テトラ(1−ブトキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトライソシアナートシラン、ジメトキシシロキサンオリゴマー、ジエトキシシロキサンオリゴマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、フルオロアルキルシラン化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリイソシアナートシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロヘキシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロヘキシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロヘキシルトリプロポキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロヘキシルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロヘキシルトリイソシアナートシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノニルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノニルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノニルトリプロポキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノニルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノニルトリイソシアナートシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリプロポキシシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリクロロシラン、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリイソシアナートシラン、1−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリメトキシシラン、1−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシラン、1−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリプロポキシシラン、1−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリクロロシラン、1−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリイソシアナートシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)−2,2,3,3−テトラフルオロブタン、1,5−ビス(トリメトキシシリル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタン等が挙げられる。中でも、屈折率、反応性、溶媒溶解性の観点から1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリエトキシシランが好適である。 【0013】これらの分子中に4個の加水分解基を有するシラン化合物およびフルオロアルキルシラン化合物は、低屈折率層の屈折率と膜強度のバランスをとるために、適宜混合して使用することが好ましい。この際の混合比はシラン化合物の種類により異なるため、一概にはいえないが、分子中に4個の加水分解基を有するシラン化合物100重量部に対して、フルオロアルキルシラン化合物は1〜500重量部、さらに好適には20〜300重量部が好ましく用いられる。 【0014】本発明ではシラン化合物に特定の硬化促進成分、即ち、リン酸類、スルホン酸類、二酸化ケイ素融剤のいずれか1種または併用して加えることによってシラン化合物の硬化膜の耐擦傷性を向上させる。リン酸類としては、オルトリン酸、メタリン酸、ポリリン酸等いずれでも構わないが、オルトリン酸またはメタリン酸が好ましく、特に、通常70〜90%の水溶液として市販されているリン酸(オルトリン酸)が好適に使用される。これは特に単離せずそのまま使用する。また無水リン酸(五酸化二リン)と水を加えて、反応系中でリン酸を生じさせても構わない。リン酸類は塗料中で酸性を呈し、加水分解したシラン化合物を安定化することができる。 【0015】スルホン酸類としては、溶媒に可溶であれば種々のものを適用でき、例えば、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、1−ナフチルスルホン酸、2−ナフチルスルホン酸等が挙げられる。中でも、ベンゼンスルホン酸や、パラトルエンスルホン酸が好適である。 【0016】二酸化ケイ素融剤は、二酸化ケイ素ガラスの融剤として用いられるものであれば、特に限定されないが、塗料化する為には、沸点が50〜150℃の極性溶剤に少なくとも0.01%以上溶解する必要がある。このような二酸化ケイ素融剤としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、ケイフッ化水素酸、ケイフッ化カリウム、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化リチウム、ホウフッ化水素酸、ホウフッ化カリウム、ホウフッ化ナトリウム、ホウフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、二酸化ケイ素融剤が塗料中で酸性を呈すものであれば、加水分解したシラン化合物を安定化することができるため、より好ましい。これらの二酸化ケイ素融剤は、板状や塊状のガラスでは、添加量1%に対して融点が数℃から数十℃低下するだけであるが、本発明の低屈折率層のように1μm以下の最表面層には遙かに大きな影響を与え、100℃という低温加熱でも微細な欠陥が溶融されて均一化するようになる。このため耐擦傷性は著しく向上する。 【0017】これらリン酸類、スルホン酸類、二酸化ケイ素融剤の添加によって得られる膜の強度は、通常シラン化合物の硬化に使用される塩酸、マレイン酸、トリスアセチルアセトナトアルミニウム(III)錯体等に比べて遙かに高くなる。こうしたリン酸類、スルホン酸類、二酸化ケイ素融剤の作用機構は解明されていないが、おそらく酸としての三次元架橋の促進作用と共に、硬化物の架橋構造中に入り込むことで応力緩和作用を発現して膜強度を高めているものと思われる。 【0018】この硬化促進成分の添加量は、主成分となる加水分解性シラン化合物及び/又はその加水分解物100重量部に対して、1〜30重量部の範囲で使用される。添加量が1重量部より少ない場合、塗膜強度の向上効果が十分に得られない。また30重量部よりも多いと硬化物の架橋度が下がりすぎて、塗膜強度は弱くなる。5〜25重量部であればより好ましい。 【0019】これらの硬化促進成分は、シラン化合物と混合した後、直接塗布・製膜することも可能であるが、シラン化合物に予め水を加えて加水分解した後、硬化促進成分を加えて塗布・製膜しても良い。この場合は、シラン化合物−水−溶剤混合物またはこれに微量の強酸(塩酸等)を加えた物を調整後、室温で数時間から数日放置し、塗工用の濃度に希釈して、硬化促進成分を加えて塗工・製膜する。また、水の不存在下、シラン化合物をシュウ酸等のシラン重合触媒を用いてオリゴマーにした後、硬化促進成分を加えて塗布・製膜してもよい。この場合は、シラン化合物−溶剤−カルボン酸触媒混合物を室温から100℃の範囲で加熱することで行い、他の場合と同様に希釈後、硬化促進成分を加えて使用する。 【0020】本発明の低反射部材における透明支持基体としては、例えばガラス、プラスチックフィルム、プラスチック板等が例示される。LCD、CRT表面に用いる場合には、生産性、及びコスト、重量の点からフィルムであることが望ましい。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET、屈折率n=1.65)、トリアセチルセルロース(TAC、n=1.50)、ポリカーボネート(PC、n=1.58)、ポリスチレン(n=1.60)、ポリ塩化ビニル(n=1.53)、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂フィルムが挙げられる。なかでもPET、TAC、PCが好適に使用される。透明支持基体の透明性は高い程好適であり、具体的に光線透過率としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。透明支持基体の厚さは、軽量化の観点から薄い方が好ましいが、生産性を考慮すると、フィルムの場合には10〜200μmの範囲のものが好適である。尚、光線透過率は、JIS K-6714に基づいて測定されるものである。具体的には、まず、幅が約13mm、長さが約40mmの試験片を5個作成する。そして、空気を基準として、透過率の100%目盛を合わせた後、各試験片について450、550及び650nmの各波長の光線を透過させて、それぞれの分光透過率を読み取り、各試験片の最大透過率の平均値を光線透過率とした。また、透明支持基体に、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布を行うことで、本発明の低屈折率層を形成する塗料の濡れ性、及び硬化後の低屈折率層との密着性を改善することができる。 【0021】本発明の低反射部材は以下の塗料調製、塗工、乾燥、及び重合、硬化のプロセスにより作製される。塗料は、任意の溶媒に上記シラン化合物を溶解し、必要に応じて加水分解またはオリゴマー化した後、上記硬化促進成分を混合することによって調製できる。この場合、目的とする塗工膜厚を得るためにシラン化合物の濃度を、通常0.1〜50重量%程度、好ましくは0.5〜30重量%程度に調製する。溶媒としては、少なくとも加水分解したシラン化合物を溶解できる極性溶媒を含んでいる必要がある。また乾燥時の揮発性の点で沸点が50〜150℃の溶剤が用いられる。このような溶剤としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの1価または多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類などが用いられるが、これらに限定されるものではない。また、上記溶媒は単独、もしくは混合して用いることができる。 【0022】上記調製した塗料を用いて、塗工または印刷手法により透明支持基体の片面もしくは両面に低屈折率層を設けることができる。具体的には、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ワイヤードクターコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、マイクログラビアコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等の塗工手法や、フレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷手法を挙げることができる。尚、上記のようにして形成される低屈折率層の厚さは、前述の式(1)及び式(2)の関係を満たすように、屈折率と光の波長との関係を考慮して層の厚さを適宜決定すればよく、特に限定されるものではないが、100nm程度が好適である。 【0023】塗膜の乾燥、及び重合、硬化は、加熱乾燥により溶媒を揮発せしめ、さらに加熱を継続して硬化させる。加熱温度は40℃以上、好ましくは80〜120℃で行う。加熱温度の上限は使用する基体によって異なるが、一般的な透明フィルムは120℃以上では軟化して使用できなくなる。ゾルゲル法とよばれる通常のシラン化合物の硬化方法では普通300℃以上に加熱するためプラスチック製基体に適応することは難しい。これまでのゾルゲル法をプラスチック製基体に適応した例では120℃程度で数時間程度加熱する例が知られているが、実際には半硬化状態で使用しており、耐擦傷性は不十分である。また長時間の加熱になるため生産性も良くない。しかし、本発明の硬化促進成分を加える方法では40℃でも十分に硬化する。この際に使用する熱源としては、電熱器、バーナー、誘導加熱等が挙げられ、特に電熱器による送風加熱が好適に用いられる。 【0024】本発明では、透明支持基体に直接に低屈折率層を形成しても良いが、より反射率を低下させるために、これらの間に高屈折率層を介在させても良い。高屈折率層を設ける場合、高屈折率層は透明支持基体の表面に直接、もしくは接着層等を介して設けられる。高屈折率層をソルベントコーティングで作製するには、高屈折率を有するバインダー樹脂を使用するか、高屈折率を示す超微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行うか、あるいはこれらを併用することによって行うことができる。また高屈折率を有する物質をスパッタリングなどの真空成膜法により作製するのも良い。高屈折率層の屈折率は透明支持基体よりは高く、1.50〜2.30の範囲にあることが好ましい。特に反射率を低下させるためには、屈折率は1.60〜2.30のものが好ましいが、この範囲に限られるものではない。屈折率が透明支持基体よりも低い場合、もしくは前記範囲外の場合には反射防止効果が損なわれる。 【0025】このような高屈折率層を構成する材料としては、たとえば、JSR株式会社から「KZ−7886B」(屈折率n=1.65)、「KZ−7886C」(屈折率n=1.65)が市販されており、好ましく使用することができる。また、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、屈折率n=1.51)は屈折率は高くはないが、耐擦傷性が高く、好適である。 【0026】また市販の高屈折率層形成材料を用いずに、バインダー樹脂の高屈折率化を行う場合は、芳香環、フッ素以外のハロゲン基、イオウなどの導入によって達成される。具体的に高屈折率を有する樹脂としては、ポリスチレン、ポリ(o−クロロスチレン)、ポリ(2,6−ジクロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(2,6−ジブロモスチレン)、ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリールサルホン、ポリ(ペンタブロモフェニルメタクリレート)、フェノキシ樹脂、及びその臭素化物、エポキシ樹脂、及びその臭素化物、などが挙げられる。 【0027】高屈折率を示す超微粒子としては、例えば、ZnO(屈折率n=1.9)、TiO2(n=2.3)、CeO2(n=1.95)の超微粒子を含有させることで紫外線を遮蔽しディスプレイの劣化を保護する効果も得ることができる。また、アンチモンがドープされたSnO2(n=1.95)またはITO(n=1.95)の微粒子を含有させることで、帯電防止効果が付与され、高屈折率であることのみならず埃の付着を防止することができる。これらの微粒子は単独または混合して使用することができる。その粒径としては1〜100nmが望ましく、塗膜の透明性を損なわないためには5〜20nmであることが望ましい。 【0028】また、耐擦傷性を向上させる目的で、この高屈折率層にいわゆるハードコート材料を用いても良い。ハードコート材料としては、例えば、DPE−6A、PE−3A、PE−4A(共栄社化学)のような多官能アクリレートにダロキュア1173、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ)等の光重合開始剤を添加したものが好適である。さらに、埃の付着を防ぐ目的で、この高屈折率層に帯電防止剤を添加しても良い。帯電防止剤としては、無機または有機の各種導電材料が適宜用いられる。例えば、アルミニウム、錫等の金属微粒子やウィスカー、酸化錫や酸化チタン等の金属酸化物にアンチモン等をドープした微粒子やウィスカー、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等と金属イオンや有機カチオン等の電子供与体とから形成された電荷移動錯体をフィラー化したもの、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリドやオクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド等のカチオン変性ケイ素化合物などが挙げられる。さらに、スクリーンの眩惑性を抑える目的でハードコート材料にフィラー等を添加した防眩層を形成しても良い。 【0029】本発明の低反射部材をLCD、PDP、CRT、EL等の画像表示装置に使用する場合、例えば、接着剤や粘着剤を介して画像表示部の表面に貼着すれば良い。例えば、LCDの場合、図1に示すように、薄膜トランジスタや液晶等を具備したTFT基板22とカラーフィルタ20を挟むように偏光板18が配備されるが、一方(外側)の偏光板18を透明支持基体とみなし、この上に低屈折率層10を積層することでLCDに設けることができる。尚、図示例では、偏光板18は、二色性素子(ヨウ素や染料等)を吸着させたポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸処理した偏光子16の両面にトリアセチルセルロースフィルム14を積層したものであり、このトリアセチルセルロースフィルム14と低屈折率層10との間に防眩層12を介在させている。このようなLCDであれば、外光の反射が抑えられ、また、防眩性もなく、バックライト24からの光による所定の画像を鮮明に視認することができるようになる。また、PDPに使用する場合は、例えば、表面の反射防止フィルムとして本発明の低反射部材を適用できる。 【0030】 【実施例】<高屈折率層作製1>80μm厚のトリアセチルセルロースフィルム(富士タックUVD−80)に、ダロキュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製開裂型光開始剤)を5%含有したDPE−6A(新中村化学製6官能アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を3μm厚で塗工し、出力120W/cmの集光型高圧水銀灯1灯を用いて、照射距離10cm、処理速度5m/分で紫外線照射を行い、塗工膜を重合、硬化させた。 <高屈折率層作製2>80μm厚のトリアセチルセルロースフィルム(富士タックUVD−80)に、KZ−7886C(JSR製高屈折率ハードコート)を2μm厚で塗工し、出力120W/cmの集光型高圧水銀灯1灯を用いて、照射距離10cm、処理速度5m/分で紫外線照射を行い、塗工膜を重合、硬化させた。 【0031】<実施例1>塗料作成:メカニカルスターラと還流冷却管を取り付けた100ml三口フラスコ中に、15gのテトラエトキシシランと4gの蒸留水及び4gのメタノール、濃塩酸一滴(約0.05ml)を加えて70℃で30分攪拌した。これを室温まで冷却後、1wt%(SiO2換算)まで所定のメタノールで希釈し、溶液に対して0.1wt%になるようにオルトリン酸を加えた。テトラエトキシシラン100重量部に対して、オルトリン酸は5重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃で1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0032】<実施例2>塗料作成:98gのイソプロピルアルコールに、2gのジメトキシシロキサンオリゴマー(三菱化学製「MKCシリケートMS−51」)を溶解した。これに100mgのオルトリン酸(85%)を加え、室温で12時間、放置して塗料とした。MS−51が100重量部に対して、オルトリン酸は5重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 <実施例3>塗料作成:15gのMKCシリケートMS−51(三菱化学製)に4gのメタノールと4gの蒸留水を加え、70℃で30分加熱還流した。これをオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液で32.6倍に希釈したものを塗料とした。MS−51が100重量部に対して、オルトリン酸は10重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0033】<実施例4>100mlの三口フラスコ中で、2.40gのシュウ酸を14.16gのエタノールに溶解し、オイルバス中で還流させた。これにテトラエトキシシラン2.20g(10.7mmol)と1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノデシルトリエトキシシラン1.24g(2.7mmol)の混合物を30分かけて滴下した。これを更に5時間還流し、完全に加水分解した。これをオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液8.26倍に希釈して塗料とした。加水分解性シラン合計100重量部に対して、オルトリン酸は10重量部となる。塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0034】<実施例5>実施例4中のテトラエトキシシラン2.20g(10.7mmol)と1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリエトキシシラン1.24g(2.7mmol)の混合物を、MKCシリケートMS−51(ジメトキシシランオリゴマー;三菱化学製)1.31gと1,1,1,トリフルオロプロピルトリエトキシシラン1.24g(6.3mmol)の混合物に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。加水分解性シラン合計100重量部に対して、オルトリン酸は12重量部となる。 <実施例6>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、メタリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 【0035】<実施例7>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、ホウフッ化水素酸ナトリウム0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 <実施例8>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、ケイフッ化水素酸ナトリウム0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 【0036】<実施例9>実施例4中の塗工基体を高屈折率層作製2で作成した高屈折率層に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 【0037】<実施例10>塗料作成:メカニカルスターラと還流冷却管を取り付けた100ml三口フラスコ中に、15gのテトラエトキシシランと4gの蒸留水及び4gのメタノール、濃塩酸一滴(約0.05ml)を加えて70℃で30分攪拌した。これを室温まで冷却後、1wt%(SiO2換算)まで所定のメタノールで希釈し、溶液に対して0.1wt%になるようにベンゼンスルホン酸を加えた。テトラエトキシシラン100重量部に対して、ベンゼンスルホン酸は5重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0038】<実施例11>塗料作成:98gのイソプロピルアルコールに、2gのジメトキシシロキサンオリゴマー(「MKCシリケートMS−51」三菱化学製)を溶解した。これに100mgのパラトルエンスルホン酸を加え、室温で12時間、放置したものを塗料とした。MS−51が100重量部に対して、パラトルエンスルホン酸は5重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0039】<実施例12>塗料作成:15gのMKCシリケートMS−51(三菱化学製)に4gのメタノールと4gの蒸留水を加え、70℃で30分加熱還流した。これをパラトルエンスルホン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液で32.6倍に希釈したものを塗料とした。MS−51が100重量部に対して、パラトルエンスルホン酸は10重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0040】<実施例13>100mlの三口フラスコ中で、2.40gのシュウ酸を14.16gのエタノールに溶解し、オイルバス中で還流させた。これにテトラエトキシシラン2.20g(10.7mmol)と1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロノデシルトリエトキシシラン1.24g(2.7mmol)の混合物を30分かけて滴下した。これを更に5時間還流し、完全に加水分解した。これをパラトルエンスルホン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液8.26倍に希釈して塗料とした。加水分解性シラン合計100重量部に対して、パラトルエンスルホン酸は10重量部となる。 塗膜作成:高屈折率層作製1で作成した高屈折率層上に、塗料をマイクログラビアコーティング方式にて塗工し、100℃1時間、送風乾燥機で加熱硬化した。 【0041】<実施例14>実施例13中のテトラエトキシシラン2.20g(10.7mmol)と1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリエトキシシラン1.24g(2.7mmol)の混合物を、MKCシリケートMS−51(ジメトキシシランオリゴマー;三菱化学製)1.31gと1,1,1,トリフルオロプロピルトリエトキシシラン1.24g(6.3mmol)の混合物に変更したこと以外は実施例13と同様に作製した。加水分解性シラン合計100重量部に対して、パラトルエンスルホン酸は12重量部となる。 <実施例15>実施例13中のパラトルエンスルホン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、ドデシルベンゼンスルホン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例13と同様に作製した。 <実施例16>実施例13中のパラトルエンスルホン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例13と同様に作製した。 <実施例17>実施例13中の塗工基体を高屈折率層作製2で作成した高屈折率層に変更したこと以外は実施例13と同様に作製した。 【0042】<比較例1>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、イソプロピルアルコール単独に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 <比較例2>実施例3中のオルトリン酸を、塩酸に変更したこと以外は実施例3と同様に作製した。 <比較例3>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、塩酸0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 <比較例4>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、マレイン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 <比較例5>実施例4中のオルトリン酸0.2%イソプロピルアルコール溶液を、トリスアセチルアセトナトアルミニウム(III)錯体0.2%イソプロピルアルコール溶液に変更したこと以外は実施例4と同様に作製した。 【0043】<比較例6>実施例11中のパラトルエンスルホン酸を、塩酸に変更したこと以外は実施例11と同様に作製した。 【0044】評価方法上記実施例1〜17、比較例1〜6で得られた低反射部材を下記の特性について評価した。 (1)分光反射率:5゜正反射測定装置のついた分光光度計(島津製作所:UV−3100)により550nmにおける反射率を測定した。但し、塗布面を測定面とし、裏面は反射を遮るためにスチールウールで荒らし、黒色マジック(登録商標)で着色した。 (2)耐指擦り性:塗布面の裏面をスチールウールで荒らし、黒色マジックで着色した。塗布面側を指で20回ほど力強くこすり、表面に付着した指紋脂をティッシュペーパーで除去し、こすった部分とその周りの色目の違いを目視で確認した。色目の違いが確認できれば×、確認できなければ○とした。 (3)耐スチールウール性:鉛筆硬度試験器に1cm角のスチールウール(#0000)を取り付け、250g/cm2の荷重をかけて、塗布面を5往復こすった。ティッシュペーパーで削り粉を除去した後、目視で傷跡を確認した。傷跡が4本以上あれば×、1〜3本であれば△、全く確認されなければ○とした。 【0045】 【表1】
【0046】 【表2】
【0047】表中、シラン化合物は次の通りである。 TEOS;テトラエトキシシラン、MS−51;ジメトキシシロキサンオリゴマー、C8Si;1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロデシルトリエトキシシラン、C1Si;1,1,1−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン高屈折率層1は、DPE−6A、高屈折率層2はKZ−7886C加水分解方法は次の通りである。 (I);加水分解なし、(II);蒸留水と共に加熱、(III);塩酸と共に加熱、(IV);シュウ酸と共に加熱【0048】評価結果は、表1及び表2に示すとおり、本実施例の低反射部材はいずれも良好な反射防止性を発揮すると共に、優れた耐指擦り性と耐スチールウール性を有するものであった。他方、比較例においては、いずれも耐指擦り性と耐スチールウール性が劣るものであった。 【0049】 【発明の効果】本発明により提供される低反射部材は、硬化が40℃程度の低温でも可能であり、フィルムへのコーティングが可能となる。更に本発明の低反射部材は、これまでのシラン硬化物では得られなかった高い膜強度を有し、優れた高い密着性と耐擦傷性を有する。特に、4個の加水分解基を有するシラン化合物とフルオロアルキルシラン化合物の混合物を用いることで、屈折率と膜強度をバランス良く向上できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153591 【氏名又は名称】株式会社巴川製紙所
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| 【出願日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194505(P2001−194505A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−303995(P2000−303995) |
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