| 【発明の名称】 |
半導体装置の製造方法及び製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】野田 進
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| 【要約】 |
【課題】ウエハ融着による精密積層法を用いた3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置の製造において、積層される格子層同士の位置合わせが簡単化される半導体装置の製造方法、及び製造装置を提供する。
【解決手段】積層融着する2枚の半導体ウエハ101及び102を、それぞれウエハ保持台201及び202に固定して、ウエハ保持部2に一体保持する。この半導体ウエハ101及び102に対して、まず、赤外光学系3の赤外光源30からの赤外光による格子像を検出部5で検出して粗い位置合わせを行い、次に、レーザ光学系4のレーザ光源40からのレーザ光による回折像を検出部5で検出して細かい位置合わせを行うことによって、精密な位置合わせが可能となるとともに、その位置合わせが簡単化される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置を製造するための製造方法であって、結晶用格子周期によって形成された結晶用格子領域と、前記結晶用格子周期よりも大きい調整用格子周期によって形成された調整用格子領域とを含む2次元構造を有する格子層が一方の面上に少なくとも1層形成された半導体ウエハを2枚作製するウエハ作製工程と、前記格子層同士を対向させて2枚の前記半導体ウエハを設置して、一体に保持するウエハ保持工程と、一体に保持された2枚の前記半導体ウエハに観測光を照射し、前記調整用格子領域から得られた格子像を検出して前記半導体ウエハ同士の粗い位置合わせを行う第1位置合わせ工程と、粗い位置合わせがされた2枚の前記半導体ウエハにレーザ光を照射し、前記結晶用格子領域から得られた回折像を検出して前記半導体ウエハ同士の細かい位置合わせを行う第2位置合わせ工程と、細かい位置合わせがされた2枚の前記半導体ウエハを、対向した前記格子層同士を積層させて融着するウエハ融着工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 【請求項2】 前記第1位置合わせ工程において、前記観測光として波長0.85μm以上2μm以下の赤外光を用いることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 【請求項3】 前記ウエハ作製工程において、前記調整用格子周期を2μm以上5μm以下として前記格子層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 【請求項4】 前記ウエハ作製工程において、前記調整用格子周期を前記結晶用格子周期の奇数倍として前記格子層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 【請求項5】 前記ウエハ融着工程において、融着前に、前記格子層が形成されている前記半導体ウエハの前記一方の面側に親水処理を施すことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 【請求項6】 3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置を製造するための製造装置であって、2次元構造を有する格子層が一方の面上にそれぞれ少なくとも1層形成されている2枚の半導体ウエハを前記格子層同士を対向させて設置して、一体に保持するウエハ保持手段と、一体に保持された2枚の前記半導体ウエハに観測光を照射する第1光源と、前記半導体ウエハ同士の粗い位置合わせを行うために、前記観測光によって得られる格子像を検出する第1検出手段と、一体に保持された2枚の前記半導体ウエハにレーザ光を照射する第2光源と、前記半導体ウエハ同士の細かい位置合わせを行うために、前記レーザ光によって得られる回折像を検出する第2検出手段と、を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。 【請求項7】 前記第1光源は、前記観測光として赤外光を出力する赤外光源であることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造装置。 【請求項8】 前記第1検出手段及び前記第2検出手段として、同一の検出手段を用いることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造装置。 【請求項9】 前記ウエハ保持手段は、前記半導体ウエハを載置して保持するウエハ保持台を備えるとともに、前記ウエハ保持台は、前記回折像の0次回折光の位置から1次以上の回折光が放出される各方向にそれぞれ伸びて前記回折像の光成分を選択的に通過させる形状に形成された光通過部を有することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造装置。 【請求項10】 前記第1検出手段で検出された前記格子像、または前記第2検出手段で検出された前記回折像を2次元画像として表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置の製造方法、及び製造装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】フォトニクス結晶は、その内部に3次元の周期的な屈折率分布構造を持つ半導体装置であり、新しい光材料として期待されている。このような結晶では、固体結晶における電子のエネルギーバンド構造に対応して、光子エネルギーに対してバンド構造が形成される(フォトニックバンド)。このため、フォトニクス結晶内で存在しうる光子のエネルギー状態が制限され、光をロスなく自在に曲げたり、自然放出光を制御するなど、これまで不可能であった様々な光制御が可能となる。 【0003】上記したフォトニクス結晶の3次元構造としては、面心立方構造に非対称性を導入した非対称面心立方構造や、ダイヤモンド構造などがある。さらに、これらのフォトニクス結晶中に線状の欠陥列を導入することによって導波路を形成したり、発光体を埋め込んで出力光を制御するなど、様々な応用が可能である。これらの結晶に対しては、光デバイスへの応用という点からいって、(1)材料は半導体がベースになっていること、(2)発光体を結晶中に埋め込むことが容易であること、(3)欠陥(屈折率の乱れ)の導入が容易であること、(4)電気を流すことが可能であること、などが好ましい条件として挙げられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】フォトニクス結晶の製造については、オパール法や自己クローニング法などの自己形成による方法や、半導体3方向ドライエッチング法などの製造方法が提案されている。オパール法は、懸濁液(suspension)中でシリコンなどの半導体粒子を沈降させて3次元結晶構造を形成する方法で、面心立方結晶構造が得られるが、完全バンドギャップの生成が難しく、欠陥形成も困難である。また、自己クローニング法では単純立方結晶構造が得られるが、オパール法と同様に完全バンドギャップの生成が難しく、欠陥形成については一方向についてしか行うことができない。また、半導体3方向ドライエッチング法は、半導体の異方性エッチング技術を用いて3次元構造を形成する方法で、非対称面心立方結晶構造を得ることができるが、高アスペクト比が要求され、充分な精度での作製が非常に困難である。また、欠陥形成も難しい。 【0005】これらの困難を解消する製造方法として、ウエハ融着(ウエハボンディング)による精密積層法を用いた製造方法が考えられる。この方法においては、半導体基板上に半導体/空気の回折格子層(2次元構造)が形成されたウエハを作成し、これらのウエハの格子層同士を所定の位置関係(互いになす角度や周期など)で積層し融着していくことによって、非対称面心立方構造などの周期的な3次元構造を得る。 【0006】上記した融着積層法においては、融着される各ウエハ同士(ウエハ上の格子層同士)の精密な位置合わせが必要とされる。具体的には、例えば、2つの格子層の構造周期を半周期ずらして積層させるなど、フォトニックバンドを得るために格子層の位置関係を精密に決定して積層していく必要がある。しかしながら、別々のウエハ上の格子層同士を精密に位置合わせすることは容易ではなく、そのためフォトニクス結晶の性能を充分に得られなかったり、また、製造工程において位置合わせに多くの時間を要するなどの問題があった。 【0007】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、ウエハ融着による精密積層法を用いた3次元の周期的屈折率分布を有する半導体装置の製造において、積層される格子層同士の精密な位置合わせが可能であるとともに、その位置合わせが簡単化される半導体装置の製造方法、及び製造装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明による半導体装置の製造方法は、3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置を製造するための製造方法であって、(1)結晶用格子周期によって形成された結晶用格子領域と、結晶用格子周期よりも大きい調整用格子周期によって形成された調整用格子領域とを含む2次元構造を有する格子層が一方の面上に少なくとも1層形成された半導体ウエハを2枚作製するウエハ作製工程と、(2)格子層同士を対向させて2枚の半導体ウエハを設置して、一体に保持するウエハ保持工程と、(3)一体に保持された2枚の半導体ウエハに観測光を照射し、調整用格子領域から得られた格子像を検出して半導体ウエハ同士の粗い位置合わせを行う第1位置合わせ工程と、(4)粗い位置合わせがされた2枚の半導体ウエハにレーザ光を照射し、結晶用格子領域から得られた回折像を検出して半導体ウエハ同士の細かい位置合わせを行う第2位置合わせ工程と、(5)細かい位置合わせがされた2枚の半導体ウエハを、対向した格子層同士を積層させて融着するウエハ融着工程と、を有することを特徴とする。 【0009】また、半導体装置の製造装置は、3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置を製造するための製造装置であって、(a)2次元構造を有する格子層が一方の面上にそれぞれ少なくとも1層形成されている2枚の半導体ウエハを格子層同士を対向させて設置して、一体に保持するウエハ保持手段と、(b)一体に保持された2枚の半導体ウエハに観測光を照射する第1光源と、(c)半導体ウエハ同士の粗い位置合わせを行うために、観測光によって得られる格子像を検出する第1検出手段と、(d)一体に保持された2枚の半導体ウエハにレーザ光を照射する第2光源と、(e)半導体ウエハ同士の細かい位置合わせを行うために、レーザ光によって得られる回折像を検出する第2検出手段と、を有することを特徴とする。 【0010】上記した製造方法及び製造装置では、積層して融着する2枚の半導体ウエハの格子層同士の位置合わせに、レーザ光を照射したときに積層格子構造によって生成される回折像を用いている。すなわち、各格子層は、レーザ光を照射したときには回折格子として作用する。このとき、積層された格子層の相互の位置関係(格子周期のずれなど)によって検出される回折像の各回折光、例えば1次回折光の強度、が変化していくので、この強度変化を利用して相互の位置関係を精密に合わせることができる。 【0011】また、レーザ光による回折像を用いた位置合わせに先立って、干渉を生じない通常の光を用いた観測光によって得られる格子像を用いて粗い位置合わせを行っている。レーザ光による位置合わせは、回折格子として作用する格子層同士の細かい位置合わせには有効であるが、この位置合わせ方法のみとすると、かえって位置合わせの効率が低下してしまう場合がある。これに対して、最初に観測光による格子像(格子構造の画像)を見て粗い位置合わせを行い、続いてレーザ光による回折像で細かい位置合わせ(位置の微調整)を行うことによって、格子層同士の精密な位置合わせを効率的に行うことが可能となる。 【0012】さらに、上記の製造方法においては、積層させる半導体ウエハの格子層を、通常の結晶用格子領域と、それよりも大きい格子周期の調整用格子領域とによって構成している。フォトニクス結晶に用いる格子周期よりも大きい格子周期の調整用格子領域を設けておくことによって、格子像を用いた位置合わせが行いやすくなる。このような調整用格子領域はフォトニクス結晶を構成しない領域であるので、例えば格子層の端部などの部位に設けることが好ましい。 【0013】また、製造方法は、第1位置合わせ工程において、観測光として波長0.85μm以上2μm以下の赤外光を用いることが好ましく、製造装置は、第1光源が、観測光として赤外光を出力する赤外光源であることが好ましい。また、このような観測光に対して、製造方法は、ウエハ作製工程において、調整用格子周期を2μm以上5μm以下として格子層を形成することが好ましい。 【0014】また、製造方法は、ウエハ作製工程において、調整用格子周期を結晶用格子周期の奇数倍として格子層を形成することを特徴とする。このとき、調整用格子領域において半周期ずらして2つの格子層を配置することによって、結晶用格子領域においても半周期ずれた配置が得られる。 【0015】また、ウエハ融着工程において、融着前に、格子層が形成されている半導体ウエハの一方の面側に親水処理を施すことを特徴とする。親水処理とは、具体的には、ウエハ表面を清浄化し自然酸化膜を除去して、表面をOH基で終端させる。このとき、重ね合わされた半導体ウエハ部材は室温においても水素結合により一体化する。さらに、加熱処理を行うと脱水反応が起こって、より強固な結合状態で融着されて、融着強度が向上される。 【0016】また、製造装置は、第1検出手段及び第2検出手段として、同一の検出手段を用いることを特徴とする。第1検出手段及び第2検出手段として、それぞれの光源に対応して別々の検出手段を設けても良いが、同一の検出手段を用いることによって、装置構成を簡単化することができる。 【0017】また、ウエハ保持手段は、半導体ウエハを載置して保持するウエハ保持台を備えるとともに、ウエハ保持台は、回折像の0次回折光の位置から1次以上の回折光が放出される各方向にそれぞれ伸びて回折像の光成分を選択的に通過させる形状に形成された光通過部を有することを特徴とする。 【0018】さらに、第1検出手段で検出された格子像、または第2検出手段で検出された回折像を2次元画像として表示する表示手段を備えることを特徴としても良い。これによって、作業者が実際に格子像または回折像を目視して確認することが可能となる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による半導体装置の製造方法及び製造装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。 【0020】図1(a)〜(e)は、3次元の周期的屈折率分布を有する半導体装置であるフォトニクス結晶について、ウエハ融着による精密積層法を用いたフォトニクス結晶の製造方法の一実施形態を概略的に示す工程図である。 【0021】まず、GaAsからなる半導体基板(半導体ウエハ)11上に、AlGaAsからなるエッチングストップ層12、及びフォトニクス結晶の材料となるGaAsからなる半導体薄膜層13を成長する(図1(a))。次に、電子ビーム露光または光露光、及びドライエッチングプロセスにより、半導体薄膜層13に所定の2次元基本構造を形成する(図1(b))。 【0022】図1においては、半導体薄膜層13にエッチングプロセスを施した格子層14の2次元基本構造をストライプ構造としている。これによって、AlGaAsエッチングストップ層12を介してGaAs格子層14が一方の面上に形成されたGaAs半導体基板(半導体ウエハ)11が得られる。この半導体基板11、エッチングストップ層12、及び格子層14からなる半導体部材が、以下に述べるように半導体装置作製のための中間部材として用いられる。以下においては、このウエハ上に2次元構造が施された半導体部材を半導体ウエハ部材10、または単に半導体ウエハ10と呼ぶ。 【0023】なお、ここでは、半導体材料系としてAlGaAs/GaAs半導体を用いた例について述べたが、他の材料系を用いても良い。例えば、InGaAsP/InP半導体を用いた場合には、半導体基板11をInP、エッチングストップ層12をInGaAsP、半導体薄膜層13(格子層14)をInPとして、半導体ウエハ部材10を構成することができる。 【0024】続いて、上記した構造を有する2枚の半導体ウエハ部材101及び102を用意し、それらを格子層141及び142同士が対向するように積層した後、ウエハ融着する(図1(c))。格子層141及び142は、図示のように互いにストライプ構造が90°の角度をなすように重ね合わされて積層され、その状態で水素雰囲気中で加熱することにより半導体ウエハ101及び102が融着される。 【0025】ここで、半導体ウエハ101及び102を重ね合わせる前に、それぞれのウエハの表面を清浄化して自然酸化膜を除去した後、表面をOH基で終端する親水処理を施すことが好ましい。このとき、重ね合わされた半導体ウエハ部材101及び102は室温においても水素結合により一体化する。さらに、加熱処理を行うと脱水反応が起こって、より強固な結合状態で融着されて、融着強度が向上される。 【0026】融着された半導体ウエハ101及び102に対し、その一方の半導体ウエハ102の半導体基板112及びエッチングストップ層122を、選択エッチング技術を用いて除去する(図1(d))。これによって、図1(b)に示した半導体ウエハ10の2次元の格子層14(格子層141)上に直交して配置された格子層142を付加して、3次元の積層格子構造を有する半導体装置1が得られる。 【0027】さらに、このような積層、融着、及び基板の選択除去のプロセス(図1(c)及び(d))を複数回行うことによって、半導体装置1として3次元構造のフォトニクス結晶が得られる。例えば、図1(d)に示した半導体装置1を2つに分割し、格子層同士を対向させて積層、融着し、一方の基板除去を行えば、4つの格子層141〜144が積層融着された図1(e)に示す半導体装置1が得られる。この方法では、結晶の層厚(格子層の積層数)はプロセスの繰り返し毎に倍になるが、例えば、このようなプロセスを2〜3回程度(積層数で8〜16層程度)繰り返すことによって、充分なフォトニックバンドが得られる。 【0028】上記したように形成される格子層14の積層構造では、直交するストライプ構造からなる2層の格子層14を積層したものが面心立方構造の{001}面を形成し、結果として非対称面心立方構造が得られる。ここで、上記した精密積層法において、積層構造の形成プロセス上重要となる点として、それぞれの格子層14相互間でのストライプの格子周期(位置関係)の調整がある。 【0029】すなわち、フォトニクス結晶を実現するためには、図1(e)に示されているように、ストライプ構造が平行となる1層隔てて積層された2つの格子層14、図中においては格子層141及び143、または格子層142及び144は、互いに半周期ずつストライプ構造の位置をずらして精密に配置されなくてはならない。したがって、これらの格子層14同士の位置合わせが、フォトニクス結晶の作製上非常に重要となる。本発明によるフォトニクス結晶などの半導体装置の製造方法及び製造装置は、このような格子層の精密積層を実現し、かつその位置合わせ工程を簡単化するものである。 【0030】図2は、本発明による半導体装置(フォトニクス結晶)の製造装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。この製造装置は、積層しようとする2枚の半導体ウエハ部材101及び102の格子層同士の位置合わせに用いる装置である。積層及び融着の対象となる2枚の半導体ウエハ101及び102としては、各層の成長及びエッチングプロセスによって作製された図1(b)に示すウエハや、さらに1回または複数回の積層及び融着を経て作製された図1(d)または(e)に示すウエハなどが用いられる。 【0031】2枚の半導体ウエハ101及び102は、格子層14同士を対向(対面)させた状態でウエハ保持手段によって一体に保持されて、相互の位置合わせ(位置確認及び位置調整)が行われる。本実施形態におけるウエハ保持手段であるウエハ保持部2は、ウエハ保持台201及び202を有して構成されており、半導体ウエハ101及び102は、それぞれサブホルダー211及び212を介してウエハ保持台201及び202上に互いに格子層を内側にして保持されている。 【0032】これらのウエハ保持台201及び202は、支持機構によって一体に支持されて、半導体ウエハ101及び102を一体に保持するウエハ保持部2が構成される。図3は、そのようなウエハ保持部2の構成の一例を、ウエハを保持していない状態で示す斜視図である。このウエハ保持部2においては、半導体ウエハ101を保持させる円形のウエハ保持台201が固定された保持板221が支持機構23の下部に、また、半導体ウエハ102を保持させる円形のウエハ保持台202が固定された保持板222が支持機構23の上部に固定されることによって、2枚の半導体ウエハ101及び102が一体に保持される。なお、支持機構23のウエハ保持台201及び202に挟まれる部位は、開口またはガラス製などの光通過部23aとされている。 【0033】ウエハ保持台201及び202はいずれも真空チャックであり、半導体ウエハ101及び102のウエハ保持台201及び202への保持及び固定は、排気系24(図2)を用いた吸着口20aからの真空吸着によって行っている。また、2つのウエハ保持台201及び202のうち一方は、ピエゾ素子を用いて、(X、Y、θ)方向の精密な位置調整が可能に構成されている。なお、図3においては、ウエハ保持台201及び202の構成を示すため、保持板221及び222をいずれも支持機構23から引き出した状態でウエハ保持部2を図示している。 【0034】半導体ウエハ101及び102の相互の位置合わせは、観測光及びレーザ光を用いて行われる。図2に示す製造装置においては、位置合わせに用いる観測光及びレーザ光を半導体ウエハ101及び102に供給するため、観測光として赤外光を出力する赤外光源(第1光源)30を含む赤外光学系3と、レーザ光を出力するレーザ光源(第2光源)40を含むレーザ光学系4とが備えられている。 【0035】赤外光学系3においては、赤外光源30からの赤外光は直接または所定の光学系を介して、一体保持されている半導体ウエハ101及び102に照射される。また、レーザ光学系4においては、レーザ光源40からのレーザ光は、2つの光アイソレータ41及び光コリメータ42及び所定の光学系を介して、半導体ウエハ101及び102に照射される。 【0036】なお、これらの光の導光には、光ファイバなどの導光手段を用いても良い。また、これらの光学系3、4からの光は、いずれも半導体ウエハ101及び102に対して下方から照射される。このため、光学系3、4はともに可動に構成されており、赤外光またはレーザ光による位置合わせの実行時にいずれかが下方の光照射位置に移動して位置合わせが行われる。ただし、図2中においては、光学系3、4をともに光照射位置で示してある。 【0037】光学系3、4から出力されて、ウエハ保持部2に保持された半導体ウエハ101及び102を透過した赤外光またはレーザ光は、検出部5によって検出される。本実施形態における検出部5は、2次元光像を検出可能な光検出器50と、光検出器50に接続された顕微鏡部51とを有して構成されている。半導体ウエハ101及び102を通過した赤外光またはレーザ光による光像は、顕微鏡部51を介して、光検出器50によって検出される。光検出器50からの検出信号は、信号処理部60によって処理される。光検出器50としては、例えばCCDカメラなどを用いることが可能である。また、信号処理部60に、さらにディスプレイなどの表示装置を接続して、後述する格子像や回折像などの2次元光像を2次元画像として表示して、作業者が確認可能な構成としても良い。 【0038】検出部5は、赤外光源30からの赤外光が半導体ウエハ101及び102を透過して生成される格子像を検出するための第1検出部、及びレーザ光源40からのレーザ光が半導体ウエハ101及び102を透過して生成される回折像を検出するための第2検出部を有して構成される。本実施形態においては、この第1検出部及び第2検出部が、光検出器50を含む同一の検出系を共用した単一の検出部5として構成されている。ただし、これらの第1検出部及び第2検出部を別々に設け、赤外光学系3及びレーザ光学系4と連動させて、光学系の交換に対応して検出部をも交換する構成とすることも可能である。 【0039】図2及び図3に示した製造装置によるフォトニクス結晶の製造方法について、図1を参照しつつ説明する。図4は、フォトニクス結晶の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 【0040】まず、半導体基板11上にストライプ構造などの2次元構造による格子層14が形成された半導体ウエハ部材10を2枚作製して用意する(ステップS101)。用意する半導体ウエハ10は、図1(b)に示すように1層の格子層14を有するものでも良いし、または、図1(d)、(e)に示すように、既に1回または複数回の積層融着工程を行って、複数の格子層14を有する構成の半導体ウエハであっても良い。また、2枚の半導体ウエハ10で格子層の積層数が異なっていても良い。 【0041】ここで、積層融着する半導体ウエハ10の格子層14は、図5に示すように、結晶用格子周期d1によって形成された結晶用格子領域14a、及び調整用格子周期d2によって形成された調整用格子領域14bの、格子周期が異なる2つの格子領域を有する構成に形成される。結晶用格子領域14aは、積層融着後にフォトニクス結晶の3次元構造を構成するとともに、半導体ウエハ101及び102の細かい位置合わせに用いられる領域である。また、調整用格子領域14bは、結晶用格子周期d1よりも大きい調整用格子周期d2によって形成されており、半導体ウエハ101及び102の粗い位置合わせに用いられる領域である。 【0042】この調整用格子領域14bは、フォトニクス結晶を構成しない領域であり、例えば、半導体ウエハ10の端部に形成することが好ましい。図5においては、格子層14を構成している各ストライプについて、隣り合う3本のストライプ141、142、143のうち1本のストライプ141は、結晶用格子領域14aからウエハ端部に位置する調整用格子領域14bまで形成し、他の2本のストライプ142、143は結晶用格子領域14aのみに形成している。 【0043】そして、この3本のストライプ構造を繰り返すことによって、結晶用格子領域14aの周期d1での格子構造、及び調整用格子領域14bの周期d1に対して3倍の周期d2での格子構造が得られる。なお、調整用格子領域14bの格子周期d2については、後述するように赤外光を用いた位置合わせにこの領域14bを用いることから、その波長に対応して格子周期d2を2μm以上5μm以下とすることが好ましい。 【0044】上記した構成の格子層14を有する2枚の半導体ウエハ101及び102を、図2に示した製造装置のウエハ保持台201及び202にそれぞれ固定する。このとき、それぞれ格子層が形成されている面を内側にして、格子層同士が対向するようにウエハ保持部2において半導体ウエハ101及び102を一体に保持する(ステップS102、図1(c)参照)。 【0045】次に、一体に保持された2枚の半導体ウエハ101及び102について、赤外光(観測光)を用いた粗い位置合わせを行う(ステップS103)。ここでは、赤外光学系3からの赤外光を半導体ウエハ101及び102に照射し、透過した赤外光による格子像の2次元画像を、顕微鏡部51を介して光検出器50で検出する。なお、観測光として用いる赤外光としては、波長2μm以上3μm以下の赤外光とすることが好ましい。 【0046】得られる格子像の一例を図6に示す。この格子像は、格子層141及び142が形成された半導体ウエハ101と、格子層143及び144が形成された半導体ウエハ102とを対向させて一体保持した場合に、検出部5側から観測して得られるものである。各格子層は、半導体ウエハ101の半導体基板11側(図2における下方)から、格子層141、142、143、144の順で配置されている。また、図6に示されている格子像では、いずれの格子層141〜144についても、その調整用格子領域14bによる格子像が示されている。 【0047】図6に示した例では、3次元の積層格子構造によってフォトニクス結晶を構成するため、格子層141及び143が半周期ずれて平行に配置され、同様に、格子層142及び144が半周期ずれて平行に配置されている(図1(e)参照)。また、格子層141及び143と、格子層142及び144とは、互いに直交する方向(図中に示すX軸方向及びY軸方向)をストライプ構造の長手方向として配置されている。このような格子層同士の位置関係について、赤外光による格子像を確認しつつ位置を調整して、半導体ウエハ101及び102の粗い位置合わせを行う。 【0048】なお、この格子像による位置合わせに関して、調整用格子領域14bの格子周期d2は、結晶用格子領域14aの格子周期d1の奇数倍であることが好ましい。例えば、図5に示した格子層14では、調整用格子周期d2は結晶用格子周期d1の3倍に設定されているが、このように奇数倍とした場合、図6に示したように、調整用格子領域14bで半周期ずらすように位置合わせを行うことによって、結晶用格子領域14aにおいても半周期ずれた積層格子構造が得られる。 【0049】続いて、粗い位置合わせがされた2枚の半導体ウエハ101及び102について、さらに、レーザ光を用いた細かい位置合わせを行う(ステップS104)。ここでは、レーザ光学系4からのレーザ光を半導体ウエハ101及び102に照射し、透過したレーザ光による回折像の2次元画像を、顕微鏡部51を介して光検出器50で検出する。 【0050】得られる回折像の一例を図7に示す。このような回折像は、レーザ光を格子層14の結晶用格子領域14aに照射することによって生成される。このとき、各格子層141〜144は、回折格子として機能する。ここで、格子層の構造は、図1(e)及び図6に示したものと同様の構造とする。1次以上の回折光は、図7に示すように、0次回折光の位置を中心として、各格子層の配列方向であるX軸方向及びY軸方向に生成される。 【0051】図2に示した装置においては、ウエハ保持台201及び202は光を透過しない金属製であるとともに、図3に示すように、X軸方向及びY軸方向を2つの軸とした十字形状の開口からなる光通過部20bが形成されている。この光通過部20bの開口形状は、回折像の0次回折光の位置から1次以上の回折光が放出される各方向にそれぞれ伸びて回折像の光成分を選択的に通過させる形状であり、図7に示す回折像に対応している。このような光通過部20bの形状とすることによって、回折光以外の光成分の検出部5への入射を低減させることができる。ただし、ウエハ保持台201及び202はこのような構成に限らず、例えば円形の開口を有する金属製の保持台や、赤外光などの所定波長の光成分を透過するガラス製の保持台などを用いることも可能である。 【0052】上記した1次以上の回折光の強度(または強度比)は、各格子層141〜144の位置関係が変化することによって変動する。この強度変化を検出することによって、格子層の細かい位置合わせを行うことができる。図8に、そのような回折光の強度変化の一例を示す。ここで、Tは格子層の格子周期を示し(図5に示した周期d1に相当)、平行に配置された格子層間でストライプの位置が0、T/6、T/3、T/2、2T/3、5T/6、Tだけずれたときの回折パターンについて、−3次〜0次〜+3次の回折光強度をそれぞれ示してある。 【0053】この回折パターンにおいては、半周期ずれた格子層配置となったときに1次回折光(−1次及び+1次)の強度が最弱となっており、この強度変化を利用して、半周期ずらした格子構造の位置合わせを行うことができる。X軸方向及びY軸方向の2方向について、それぞれ半周期ずらした位置合わせを行う場合には、X軸方向の1次回折光及びY軸方向の1次回折光について同様の位置合わせを行えば良い。また、8層または16層積層時などには、2次以上の回折光強度を利用して同様に位置合わせを行うことが可能である。 【0054】以上のステップS103及びS104によって半導体ウエハ101及び102が精密に位置合わせされたら、それぞれの格子層同士が積層された状態で、半導体ウエハ部材101及び102を融着する(ステップS105)。なお、このウエハ融着は、図2に示した装置においてではなく、位置合わせされた2枚の半導体ウエハ101及び102を一体に保持したまま融着装置に移動させて融着を行う。融着方法については、図1に関して上述した通りである。また、必要があればウエハ融着後に、図1(d)に示したように一方の基板除去を行う。あるいは、上記した位置合わせ及び積層融着工程を複数回繰り返しても良い。 【0055】上記したフォトニクス結晶(半導体装置)の製造方法及び製造装置においては、まず、半導体ウエハに観測光を照射して、得られる格子像によって粗い位置合わせを行い、次に、レーザ光を照射して、得られる回折像によって細かい位置合わせをすることによって、積層融着される2枚の半導体ウエハ上の格子層同士の精密な位置合わせを効率的に実現している。 【0056】すなわち、それぞれ2次元構造を有する複数の格子層からなる3次元格子構造にレーザ光を照射すると、各格子層が回折格子として機能して、回折像が得られる。この回折像での回折光強度の変化を検出することによって、格子層同士(半導体ウエハ同士)の位置合わせを精密に行うことができる。 【0057】ここで、レーザ光による位置合わせ方法は細かい位置調整に非常に有効である反面、この方法のみで位置合わせを行うと、位置合わせに多くの時間を要してしまう場合がある。これに対して、最初に、回折像ではなく通常の観測光で得られる格子透過像によって粗い位置合わせを行い、その後に回折像によって細かい位置合わせ(位置の微調整)を行う2段階の位置合わせ方法とすることによって、位置合わせを簡単化して、位置合わせ工程の効率を大幅に向上させることができる。 【0058】また、積層融着する半導体ウエハの格子層の構成について、上記した2段階での位置合わせ方法に対応して、積層融着後にフォトニクス結晶構造を構成する結晶用格子領域とは別に、格子周期が大きい調整用格子領域を設けている。結晶用格子領域は、レーザ光による位置合わせでは回折格子として用いることができるが、格子像によって位置合わせを行うには格子周期が小さく、粗い位置合わせを行うことが難しい。これに対して、別に周期の大きい調整用格子領域を設けておけば、観測光による格子像を用いた粗い位置合わせが行いやすくなる。 【0059】なお、上記した位置合わせ方法によって得られる格子層同士の位置合わせ精度としては、上記した実施形態のように位置調整にピエゾ素子を用いた場合には、50nm程度の精度が得られる。これは、フォトニックバンドを得るために充分な位置精度である。 【0060】本発明による半導体装置の製造方法及び製造装置は、上記した実施形態に限られるものでなく、様々な構成の変形または工程の変更が可能である。また、フォトニクス結晶を構成する3次元の積層格子構造について、導波路形成や発光体埋め込みのために、一部に欠陥などの構造を形成した場合においても、精密積層法と上記した位置合わせ方法を適用することが可能である。 【0061】 【発明の効果】本発明による半導体装置の製造方法及び製造装置は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、2枚の半導体ウエハにそれぞれ格子層を形成し、それらを重ね合わせて融着することによって3次元の周期的屈折率分布を持つ結晶構造を有する半導体装置(フォトニクス結晶など)を形成するウエハ融着(ウエハボンディング)による精密積層法において、積層される格子層同士の位置合わせを、観測光及びレーザ光を用いた2段階の位置合わせによって行う。このとき、観測光で得られる格子像によって粗い位置合わせを行った後に、レーザ光で得られる回折像によって細かい位置合わせを行うことができ、各格子層を精密に位置合わせすることが可能となるとともに、その位置合わせ工程が簡単化される。 【0062】上記したような3次元結晶構造を有するフォトニクス結晶は、フォトニックバンドの存在によって、これまで不可能であった様々な光制御を実現する光材料として期待される。また、導波路の形成や発光体の埋め込みなど、結晶中に所定の欠陥構造を導入することによって様々な光デバイスへの応用が可能となるが、このような欠陥導入の自由度が高いという点でも精密積層法はフォトニクス結晶の有用な製造方法である。このような欠陥を導入した場合でも、上記した位置合わせ方法は同様に適用可能であり、これによって、フォトニクス結晶を利用した高性能の光デバイスの実現が可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599070433 【氏名又は名称】野田 進 【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月13日(2000.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194501(P2001−194501A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−4686(P2000−4686) |
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