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【発明の名称】 半球状視野の電子結像及び処理のためのシステム及び方法
【発明者】 【氏名】ロバート・グローバー・ベイカー

【氏名】ケビン・ケトラー

【氏名】ガスタボ・アーマンド・シュアレッツ

【氏名】ケネス・アレン・アップリンガー

【氏名】キャンデイス・ジョイ・フラッテリィ・フリーデンバーグ

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】半球状視野の光学イメージを捕らえ、捕らえた光学イメージの内、前記半球状視野の所定の部分に対応する部分を強調する部分強調手段と、前記所定の部分の光学イメージを電気的な信号に変換し、光学イメージ信号を生成する信号生成手段とを有するイメージ信号生成装置。
【請求項2】前記部分強調手段は、入射側から入る光から前記半球状視野全体にわたる光学イメージを生成して出射する多要素広視野レンズ(42)と、前記多要素広視野レンズの出射側において、前記半球状視野の所定の部分に対応する位置に入射面が配設され、入射面から入射した前記所定の部分に対応する光学イメージを前記信号生成手段に導く導光手段とを有する請求項1に記載のイメージ信号生成装置。
【請求項3】前記部分強調手段は、前記半球状視野の周辺部分に対応する光学イメージを、前記所定の部分に対応する光学イメージとして強調し、前記多要素広視野レンズは、前記半球状視野全体にわたる光学イメージを円形に生成し、前記円形の半球状視野全体にわたる光学イメージは、前記半球状視野の周辺部分に対応する光学イメージを円周に沿った部分に含み、前記導光手段の入射面は、前記円形の光学イメージの円周に沿った部分に対応する位置に配設される請求項2に記載のイメージ信号生成手段。
【請求項4】前記導光手段は、前記円形の光学イメージの円周に沿った部分に対応する位置に入射面が配設され、入射した前記半球状視野の周辺部分に対応する光学イメージを前記信号生成手段に導く光ファイバ束(40)である請求項3に記載のイメージ信号生成手段。
【請求項5】前記部分強調手段は、入射側から入る光に色収差を与えて前記半球状視野の光学イメージを生成する半球状レンズ(52)であって、生成された前記半球状視野の光学イメージが、拡大された前記半球状視野の所定の部分に対応する光学イメージを含むように前記半球状視野の光学イメージを生成する半球状レンズと、前記色収差を含む光学イメージの色収差を補正する多要素屈折レンズ(54)と、前記色収差が補正された光学イメージを、前記信号生成手段に導く導光レンズとを有する請求項1に記載のイメージ信号生成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般にビジュアル結像系(imaging system)に関し、特に、広角の半球状場面の有用な電子処理を提供するビジュアル結像系及び技術に関する。
【0002】
【従来の技術】広い領域のビジュアル情報の収集、記憶及び表示は、厳密に達成するには高価であり困難な処理である。最近のマルチメディア・アプリケーションに対する積極的な対応により、ビジュアル・データを管理する様々な方法及び装置が開発された。マルチメディア・データのセットの特定のクラスに、半球状ビジュアル・データがある。既知のマルチメディア方法及び装置は、写真フィルム、コンピュータ・ディスケット、コンパクト・ディスク(CD)及び対話式CDなどの記憶媒体を使用し、静止イメージ及び動画(またはビデオ)などの様々なマルチメディア・イメージング・データを音声内容と結合しようとする。これらは娯楽及び教育などの様々な分野の従来のマルチメディア・アプリケーションにおいて使用される。半球状ビジュアル・データを使用する非マルチメディア・アプリケーションも、防犯、監視、無人探査及び消防及び警察状況などの分野において存在する。しかしながら後述のように、既知の方法及び装置は、半球状場面の貴重な情報を迅速(例えば実時間)且つコスト有効に捕獲及び処理することに関し、特定の制限を有する。
【0003】既知のマルチメディア技術の1つはテーマ・パーク(theme park)において使用され、ここでは場面からのビジュアル情報が、ほぼ360度の視野をカバーする画面上または集合画面上に表示される。しかしながら、こうした技術は複数のカメラから収集された大量のフィルムを消費し、場面の撮影中にカメラを支持して運搬する特殊設計されたキャリッジを必要とし、更に捕獲及び表示の間にショットの同期を必要とする。この技術はまた、ビジュアル・イメージが単一のカメラによって獲得されず、更に初期捕捉後に例えばパン(pan)、チルト(tilt)、ズーム(zoom)などの表示処理ができない点でも制限される。従って、この技術は娯楽には対応できるものの、多くの機能的アプリケーションの厳密な技術的要求を満足することができない。
【0004】広い視野(FOV:field of view)に関するビジュアル情報を捕獲及び記憶する他の既知の技術が、米国特許番号第4125862号、同第4442453号、及び同第5185667号に述べられている。上記米国特許番号第4125862号では、場面からの信号情報をデジタル形式に変換し、デジタル化場面データをシリアルに2次元形式に記憶し、データが記憶された方向と直交する方向の繰返し走査により、データを読出すシステムが開示される。上記米国特許番号第4442453号では、風景が撮影され、フィルム上に記憶されるシステムを開示する。フィルムは次に現像され、電気光学的センサにより"ほぼ実時間"レートで走査されて表示される。しかしながら、これらの技術は即時ビジュアル・イメージ表示を提供せず、所望のアプリケーションにおいて要求される視野(半球面または180度の視野)をカバーせず、本発明の技術により提供される形式のビジュアル・データを生成せず、また例えばパン、チルトなどの更に別の表示処理が容易でない。
【0005】上記米国特許番号第5185667号で開示される技術は、ほぼ半球状の視野を捕獲し、通常のイメージを形成する高速回路を用いてイメージを補正し、実時間レートでイメージを電子的に処理及び表示できる点で、上記指摘の幾つかの欠点を克服する。
【0006】しかしながら、多くの半球状ビジュアル・アプリケーションにおいて、上記米国特許番号第5185667号により述べられるタイプのシステムは、厳密且つ有用な詳細に関する十分な情報を獲得することにおいて、制限を有する。これは特に、カメラが捕捉半球の境界を成す面に垂直なレンズの中心軸に向けられる場合に当てはまる(すなわちレンズが直上を指す)。こうしたアプリケーションでは、画面内の厳密な詳細の大部分が、水平面(horizon)に沿う視野領域内に含まれ、レンズ軸に近い中央視野領域には、ほとんど或いは全く有用な詳細が含まれない(水平面は結像面またはカメラ面に平行で、結像系の光学軸に垂直な面として定義される)。例えば監視では、結像系が上方に向けられ、場面の厳密な詳細の大部分は人間、建物、木などを含み、これらのほとんどが水平面に沿って数度以内に配置される(すなわちこれは周辺内容である)。またこの例では、空は映像(view)の広い中央領域を形成するが、高い相対解像度を要求する有用な情報をほとんどまたは全く含まない。
【0007】画面内の厳密な対象の十分な詳細を獲得するためには、重要度の高い領域を高い解像度で提供するために、水平面に沿う関連ビジュアル情報と、画面内の残りのビジュアル情報とを区別できなければならない。上記米国特許番号第5185667号で述べられるシステムは、水平面に沿って含まれるこの関連ビジュアル情報と、この場面内の残りのビジュアル情報とを区別しない。従って、このシステムは、企画されたアプリケーションにとって厳密な詳細を提供する十分な品質表現を提供しない。
【0008】或いは上述の技術は、場面内の全ビジュアル情報の1部が不要であったり、有用でない場合にも、この全情報を獲得、記憶及び表示することに専念する。ほぼ半球状のビジュアル情報を獲得するために、こうした技術は、視野内のイメージ情報を結像面にマップするための特定のレンズ・タイプを要求する(写真フィルムまたは電子検出器もしくはイメージャが配置される)。上記米国特許番号第5185667号及び上記米国特許番号第4442453号の既知の例は、それぞれ魚眼レンズ及び一般の広角レンズを使用する。これらのレンズは、中央領域及び周辺領域を区別することなく、広い視野の情報をマップするので、周辺からの情報が、中央捕捉領域からの情報よりも不完全に結像面内に表現される。
【0009】米国特許番号第4170400号は、イメージング端において異なる幾何形状を有する光ファイバ束を使用する広角光学系について述べている。これはイメージ・データを収集し再配置するためにはそれ自身有用であるが、光の屈曲は光ファイバの当然の特徴であり、この特許に限られるものではない。更に上記特許番号第4170400号は、光学情報を収集するために球面ミラーの1部を使用し、最終的なイメージ結果において、周辺が非常に劣化されたサブセットを提供する。この構成は本発明で述べられる多要素レンズの組合わせとは多大に異なる。
【0010】任意の視野のイメージ表現における障害は、元来、レンズなどの球状ガラス(またはプラスチック)媒体によりイメージを生成する性質に起因する。これらの不完全性の度合いは、光学結像系に垂直な軸から視野内のポイントまでの距離に比例して増大する。光学軸と視野内のポイントとの間の角度が増加すると、対応するイメージの収差がこの角度の3乗に比例して増加する。従って、収差は半球状イメージの中央領域に対して、周辺領域においてより増長される。
【0011】上記レンズ・タイプは広い視野を達成するが、潜像品質(解像度)マッピングにおいて、周辺領域からの貴重な内容が欠如する。なぜなら、イメージング素子及びシステムが、これらの領域と重要度の低い詳細を含む中央領域とを区別しないからである。しばしば、これら2つの領域間の結像能力の差が、レンズの中央部分だけを使用して場面を捕獲することにより補正される("レンズ低下を停止する")。これは両方の領域のイメージ品質の差を低減するために有効に機能する。すなわち、誤差は中央領域が解像されるときの最小面積の僅かな割合に過ぎない。同時に、この補正技術はレンズに入射する光量を制限することにより、レンズの性能を低下させ、従ってイメージの全体的な彩度(intensity)を低下させる。
【0012】より一般的には、従来のレンズにより撮影される周辺内容は、中央領域と比較して大きく劣化するので、レンズは周辺の最小領域だけがフィルムまたは電子イメージャにより記録されることを可能にする。広い視野に固有のこれらの"軸づれ(off-axis)"収差の結果、場面内の水平面の関連情報が十分に利用できなくなったり、ひどい場合には失われたりする。
【0013】上記米国特許番号第5185667号の別の制限は、既に修正された映像だけを記録する構成にある。この方法論の性質は、記録処理以前に興味対象の特定の映像が選択され、変換されなければならないことである。その結果、記憶処理後は映像の追加選択が不可能となり、ユーザの側から見てシステムの柔軟性が低下する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、特に周辺内容を含む半球状視野内の貴重なビジュアル情報を効率的に捕獲、記憶及び表示し、更に歪曲作用を最小化しながら、イメージ捕捉後の電子処理及び選択的表示を可能にする単一カメラ結像系が業界において強く望まれる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、単一のカメラを使用し、半球状視野の周辺内容を強調する新しく且つ有用なビジュアル結像系を提供する。従来の化学処理フィルムまたは電子データ記憶技術を用いて、捕獲ビジュアル情報が単一のイメージとして記憶される。本発明は、半球状場面のユーザ選択部分が電子的に処理され、記憶ビジュアル・データベースから実時間且つコスト有効に表示されることを可能にする。
【0016】本発明のビジュアル結像系は、周辺内容の結像能力が強調されたレンズを有する静止イメージ・カメラもしくは動画カメラ、または電子装置などを含む。レンズはイメージ装置の最小解像画素に対する、場面の周辺に含まれる最小の詳細サイズの比率を増加するように、視野を結像面に投影することにより、場面の周辺に含まれる貴重な情報が強調された映像を提供する。これを達成するために、周辺内容は所与のイメージ検出器領域の大きな割合にマップされなければならず、同時に、場面の中央領域のマッピング・イメージは、結像面内の広い環形を現在カバーする周辺内容に干渉しないように、レンズにより最小化されなければならない。結像面内の情報は次にイメージャ装置(写真フィルムもしくは電子イメージャまたはビデオ検出器アレイ)により検出される。完全な半球状場面の検出情報が、次に単一のイメージとして、従来の方法によりメモリに記憶される。
【0017】場面の1部が表示されるとき、場面の関連部分に関するイメージ情報が即時メモリから取り出される。あたかも画面の特定の部分が従来のカメラにより投影されるかのように、変換プロセッサ・サブシステムが表示画面を、従来のモニタまたはTVなどの表示装置上における観察用補正(perspective-correct)イメージとして電子的に処理する。変換プロセッサ・サブシステムは、場面の選択部分を標準の映像形式に導く適切な補正基準を適用することにより、レンズに起因する場面の中央領域と周辺領域との間の歪曲または倍率の差を補正する。変換プロセッサ・サブシステムは更に、強調された周辺イメージの収差を完全に補正する。こうした収差は、イメージ装置が広い部分をカバーするときのイメージの改善された解像度に起因する(周辺イメージ内の最小の詳細を検出及び測定するために使用される画素数が増加する)。画素数が増加すれば測定データも増加し、より正確なデータ収集が可能になる。
【0018】記憶イメージもまた変換プロセッサ・サブシステムにより処理され、イメージのオペレータ選択部分がパン、ズーム、アップ/ダウン、チルト、回転などの特定の移動を通じて表示される。
【0019】場面の周辺内容を強調することにより、ビジュアル結像系は、単一のカメラの使用により、水平面に沿って存在する全景視野内の関連ビジュアル情報を捕獲することができ、従来通りに場面または場面の1部を実時間で記憶し、容易に表示することができる。単一の光学系及びカメラを使用することは、コスト有効なだけでなく、全ての半球状ビジュアル・データを自動的に時間同期させる。
【0020】本発明の1つの利点は、固有のビジュアル結像系レンズが、半球状視野の周辺部分を強調することにより、半球状場面から情報を捕獲し、それにより既存のイメージング素子により、場面内の関連ビジュアル情報に対する高解像力を提供できることである。例えば、通常の魚眼レンズが、水平面から上方の最低15度を目標面に位置するイメージャの10%に結像する場合と、周辺強調(peripheral-enhancing)レンズが同じ15度をイメージャの50%に結像する場合とでは、同一のイメージング素子により5倍の解像度が得られる。応用例及びレンズ方程式の正確な公式に依存して、このレンズとイメージャの組合わせにより、解像力における少なくとも5倍の増加が得られる。
【0021】本発明の別の利点は、強調された周辺内容を有する捕獲場面情報が、従来の記憶技術を用いて単一のイメージとして記憶されることである。但し、これは標準の形式によってのみ記憶される必要はない。
【0022】更に本発明の別の利点は、イメージが記憶装置から読出され、捕捉後の任意の時に電子的に処理されて、所望の特定の映像の捕捉後の選択を可能にし、表示オプションの柔軟性を提供することである。
【0023】本システムの別の利点は、静止イメージの低減セットから、補間及び画面間歪み(inter-scene warping)により、動画ビデオを生成することである。
【0024】
【実施例】本発明は、イメージ検出器が水平面に平行な多くの技術的半球状視野アプリケーションにおいて、場面内の関連ビジュアル情報(例えば木、山、人間など)の多くが、水平面に対する小さな角度内に見い出されると言う認識にもとづくものである。関連情報を含む水平面からの弧の長さは、特定のアプリケーションに依存して変化するが、本発明者は、多くの状況において、ほとんど全ての関連ビジュアル情報が水平面に対して、約10度乃至45度の範囲内に含まれると判断した。
【0025】半球状場面のこの部分に配置される関連ビジュアル情報の分析及び表示のために、データ収集及び解像力を最大化するために、有効なイメージ検出領域をこの周辺視野部分に当てる割合を最大化することが望まれる。これを許容するために、場面の"中央"部分(水平面に対して45度乃至90度)が、周辺からの光を妨げないように、イメージャ面の残りの領域だけをカバーすることが必要となる。
【0026】多くの場合、"中央"領域は、固体透明シーリング(solid white ceiling)もしくは青空または多少雲った空などの詳細性に欠ける情報を含むので、"中央"領域を表現するイメージャ装置部分をほとんどなくすことにより、有効なイメージ検出領域を周辺視野部分に完全に当てるように最大化することが可能になる。勿論、特定の例では、この詳細性に欠ける情報を分析するものの、こうしたビジュアル情報の多大な劣化を生じない程度に、この場面部分を最小化することが望ましい。より詳細に後述されるように、本発明は多くの重要なアプリケーションにおいて、場面内の厳密なビジュアル情報を捕獲、記憶及び選択的に表示する2つの態様(例1及び例2)を提供する。
【0027】システム構成及びコンポーネント:図1を参照すると、本発明のビジュアル結像系は、半球状場面の周辺内容を捕獲及び強調するように設計されたレンズ14を有する静止イメージまたは動画カメラ10を含む。捕獲場面は媒体各種、例えば写真フィルム16、電子記憶18、または他の従来の記憶手段に記憶される。しかしながら、電子処理の容易性により、電子記憶18が好適である。更に写真フィルム16は、電子処理の実行以前に、イメージを電子形式に変更するイメージ・スキャナ20または他の捕/獲変換方法を要求する。
【0028】記憶された電子イメージ・データは、次に変換プロセッサ22により選択的にアクセスされ、例えばパン、アップ/ダウン、ズームなどのユーザ定義基準に従い、電子的に処理される。変換プロセッサ22は、従来の表示装置28上への通常のビューア形式表示またはヘッド・マウンテッド・ディスプレイ30上への表示に対応してイメージを修正する。その際、ユーザ制御を処理及び定義するために、例えば着用アイ・フォーカス(wearer eye focus)機能または頭位置検出機能などを有する統合方位センシング装置が使用される。
【0029】I.イメージ捕捉a.カメラビジュアル結像系のカメラ10は、レンズから結像イメージを受取り、そのイメージを電子信号または写真フィルムなどのハード・コピー記憶に変換することができる光学装置である。広角撮影用の様々なタイプのカメラが当業者には知られており、例えば35mmカメラ、8mmカメラ、NTSC、RS170及びHDTVタイプのカメラなどが存在する。本発明はほとんどの市販の2次元カメラ及びレンズ幾何の倍率が使用可能なように設計される。更に3次元カメラにも適用可能な技術的能力を有する。カメラは従来式に実装され、支持される。
【0030】b.周辺内容強調レンズ周辺内容強調レンズの基本原理は、周辺の選択倍率とその内容の目標面への結像である。これはイメージング素子及びフィルムの解像度に関する現状の制限を認識するものである。目標面上に結像される周辺内容が増加すると、イメージング素子または材料の任意の密度により解像されるデータ・ポイントが増加する。従って、この新たなクラスの選択倍率レンズでは、レンズが1度乃至10度の周辺強調で設計されようと、1度乃至45度の周辺強調で設計されようと、周辺内容のために確保される結像面の面積が中央領域に比較して大きく、概略このクラスの全てのレンズにおいて類似である。しかしながら、1度乃至10度の強調レンズは1度乃至45度の強調レンズよりも、同一対象に対して優れた解像力を有する。
【0031】カメラ10のレンズ14は、所与の視野の周辺部分のデジタル処理向上のためのデータ収集を提供する。レンズはイメージャ装置のより広い有効領域を捕獲場面の中央領域ではなく、周辺領域に充当することにより、これを達成する。
【0032】本発明の目的を達成するために好適な周辺強調光学系は、クリティカルな収差の有害な値に冒されない視野のイメージを提供する。2つの例または態様が好適である。図5乃至図7に示される例1は、好適には広角多要素光学レンズ及び光ファイバ・イメージ装置を含む複数媒体系である。図8乃至図9に示される例2は、複数屈折光学素子から成る結合系であり、それらの1つは半球形状を有する屈折率勾配材料(gradient index material)である。本発明者は、2元光学系(binary optics)に頼る他の構成も、類似の結果を達成するために使用可能であることを明示する。
【0033】例1の系は、中央領域に含まれる最小情報の捕獲が重要でないアプリケーションに最適である。多要素広視野レンズにより提供される広視野イメージの周辺リングを捕獲するために、当業者には既知の方法により慎重に整列され組立てられた硬質のまたは柔軟な整合ファイバ束アレイ40が使用される。多要素広視野レンズ42は従って、標準の広視野レンズと同一の視野をカバーするが、視野全体のより大きなイメージを提供するように要求される。これは当業者により、所望のイメージ・サイズに達するまで、標準レンズの焦点距離を伸長することにより達成される。(MiyamotaによるJournal of the Optical Society of America、1964年、Lens Designs;Smith、W.J.によるModern Lens Design、Ch.5.4"Scaling a Design"、McGraw-Hill、Inc.1992年を参照。更に別の広視野レンズについては、M.Horimotoによる米国特許番号第4256373号を参照。)
【0034】機械的に特定的に構成されたファイバが、周辺イメージ領域からの幾何的に環状の情報を矩形または円形の特定のイメージング素子に導く。所望の周辺範囲(最大10度乃至45度)に対応して、特定の構成が考案され、要求されるイメージ検出器面形状に適合化される。(Sect.13、Fiber Optics、Handbook of Optics、McGraw-Hill Inc.、1978年を参照。)図5を参照すると、所望の角度θに対して、標準広視野レンズ設計では、カメラのイメージング素子の最小ピックアップ領域(2r')が叶うry'を提供するように焦点距離"f"を決定する。図の"カメラ/イメージャ界面"部分では、ファイバ束半径r'の式はイメージャに関連して次のようになる。
【数1】イメージャ領域=πry'2−πrx'2=π(ry'2−rx'2
イメージャ長=2r'、ここでr'=√(ry'2−rx'2
【0035】例1の形態の構成は、視野の周辺部分(水平軸に対して0度乃至45度)が、好適にはイメージャ装置の有効面積全体の約90%乃至100%を包含するイメージを達成する。それに対して、市販の広角魚眼レンズまたは他の従来のレンズでは、通常、35%以下である。例2の形態の構成は、周辺部分が好適にはイメージング素子面の有効面積の50%乃至70%を包含する。
【0036】例2の系は、視野内に含まれる異なる角度の全ての情報が関係するアプリケーションに最適である。例2の結合系は、半球状レンズ52またはレンズの組合わせが対象をイメージに拡大するブラベ系(Bravais System)の原理を基本とし、対象及びイメージが同一面内に存在する。この場合、半球状レンズ52は屈折率勾配材料から成り、結像面に入射するポイントが通過する屈折率及び半球曲線部分またはレンズ部分に依存して、異なる拡大率を生じる。この概念は、広視野を捕獲し、更に半球状レンズの挿入により生じる色収差を補正するように設計される多要素屈折レンズ54との組合わせにおいて使用される。この色補正は当業者により、コンピュータ最適化ルーチンを用いて設計される(M.Horimotoによる上記米国特許番号第4256373号を参照)。半球状屈折率勾配ユニットと広視野多要素レンズとの使用により周辺に当てられるカメラ部分が増加し、それによりイメージング素子のセンシング素子により検出される情報の相対解像度が増加する。屈折率勾配半球により、インデックス値は中央から次のように減少する。
【数2】n1<n2<n3<n4【0037】光学系の動作が図2、図3及び図8、図9に示される。図2では、弧Xはレンズ系の"中央"の視野を表し、弧Yは"周辺"視野の実際に有効な部分を表す。図3のX'及びY'は、イメージャの目標面上に形成されるイメージの焦点位置を表す。弧Z及び領域Z'は、レンズの通常の結像範囲外の領域を表す。(実際の使用ではこうした境界線は存在せず、これらは単に説明の都合上示したものである。)
【0038】図2は典型的な広角タイプのレンズ32を表し、図8は本発明の原理に従い構成されたレンズを表す。図2と図8とを比較すると明らかなように、典型的な広角タイプ・レンズでは、像平面のかなり大きな割合がレンズの中央視野に充当するが、本発明により構成されたレンズでは、目標面のかなり大きな割合が周辺視野に充当し、結果的に中央視野に充当する面積が減少する。
【0039】場面の周辺部分に対応して使用される像平面の1部は、(場面の中央部分との関係において、)所与のアプリケーションにおいて関心項目を捕獲するために選択される指定のレンズの特定の規定に依存して変化する。例えば、結像系が郊外の場面の全景を捕獲するために使用される場合、関連ビジュアル情報は水平面から10度以内に含まれる。そこで本発明のレンズは、水平面に対して10度以内の視野だけを強調するように設計される。一方、結像系が建物の内部の部屋の場面を捕獲するために使用される場合には、関連ビジュアル情報は壁上の対象を含みうることになり、これらは水平面から約45度以内に含まれる。周辺強調レンズはこのように、水平面から最高45度までの視野を強調するようにも設計される。勿論、視野の強調部分は特定のアプリケーションのニーズに依存し、強調部分は好適にはこれら2つの極値の間に収まることになる。いずれの場合にも、本発明の原理は、後述のイメージ変換プロセッサによる適切な補正により、これらの状況に対して成功裡に適用することができる。
【0040】図5に示されるように、例1の形態の光学系の好適な形態は、標準の広視野レンズ42及び整合されたファイバ・アレイ40を含む。広視野レンズの焦点距離は、所望の周辺視野に一致するように調整される。整合されたファイバ・アレイは、標準の広視野レンズから投影されたイメージを収集する環状入力面44を含む。ファイバ束アレイは次に内部全反射により、周辺映像からの情報をその出力端に再指向する。環状領域をカバーする3μm精度のファイバが、対応するイメージング素子の形状に依存して、それらの出力において矩形または円形に整合される。出力のサイズもまた、使用されるカメラのイメージング素子に適合される。
【0041】勿論、これらのシステム構成及びパラメータは単なる1例に過ぎず、当業者には理解されるように、周辺結像能力を強調するために、本発明の他の構成及びパラメータも使用することができる。
【0042】c.イメージャ装置汎用に使用される電子カメラ10は、目標面におけるレンズからの光学イメージを記録するイメージャ装置を含む。写真プロセスにおいては、結像媒体はフィルムであるが、電子プロセスでは、結像媒体はCCD(電荷結合素子)またはCID(電荷注入素子)などの電子素子である。上述のように、電子的処理の容易性により、通常は写真プロセスよりも電子プロセスの方が好適である。しかしながら、特定の状況では写真プロセスが好適の場合もある。受光面に渡り一様な解像を提供する、当業者には既知の様々な型及びモデルの電子結像素子が存在する。
【0043】イメージャ装置が本発明の原理に従い構成されるレンズと共に使用されると、イメージャ装置は、半球状場面の中央領域からよりも、水平面に沿ってより多くの情報を収集する。フィルム・エマルジョンまたはCCD画素密度の制限された所与の解像度により、レンズは有用な情報を目標面に結像する。従って、変換後のイメージにおいて、場面の周辺部分が中央領域よりも高い相対解像度を有することになる。これにより水平面に沿う任意の対象の詳細が強調される。更にレンズの周辺領域において発生する歪(例えば球面収差)が、より大きな面積に結像され、容易に且つ完全に補正される。イメージャ装置上にマップされるイメージは、図10に示されるように一連の同心円により描かれる。例えばイメージャ装置上の各円a、b、c、dなどは、例えば2、5、9、14などの任意の単位の半径によりそれぞれ描かれる。円の半径は半球の異なる領域の倍率に依存し、外側の円のセクションは、周辺領域の倍率が増すとより大きな領域を有する。例えば、任意に選択された図示の例では、各同心円は水平面から18度の視野を表し、最も外側の円の外周は水平面のレベルに相当する。本発明者は、2つの外側の円(すなわち水平面から36度)に対する弧が、多くのアプリケーションにおける多くの半球状場面の関連情報を含みうるものと決定した(但し、この値は特定のアプリケーションに依存して変更することができる)。
【0044】イメージ・サークル全体の総面積の計算から、1257(=202・π)平方単位が求まる。3つの内部の円の面積は254(=92・π)平方単位である。従って、2つの外側の円はイメージング素子の有効面積の約80%を含む。すなわち、水平面に対応するイメージ・ブロックは、イメージャ装置上において、イメージの中央領域のイメージ・ブロックよりもより広い領域を占めることになる。このように、イメージャ装置のイメージ・ブロックは、関心となる領域に相当する水平線に沿う対象により支配される。これは場面の周辺領域の解像度の向上に相関する。
【0045】特定の理由により、例1の円形出力光学系が正方形または長方形のイメージング素子により構成される場合、イメージング素子のコーナ領域は写真目的には有用でない。しかしながら、これらの領域は、イメージャが電子メモリを用いて半径方向に1:1でマップされる場合には、デジタル化音声内容または場面からの他の2次的文書などの他の情報を記憶するために使用することができる。
【0046】II.イメージ記憶イメージャ装置に受光されたイメージは、システム・コンポーネントに渡されて記憶される。写真プロセスでは、記憶装置はフィルムに相当するが、電子プロセスでは、記憶装置はランダム・アクセス・メモリ、従来のディスケットもしくはハード・ファイル、またはビデオ記録テープの形態の電子記憶装置に相当する。場面の表示全体が、記憶装置上の単一のイメージとして記憶される。
【0047】イメージは歪んだ形(warped)で記憶される。歪んだイメージは、レンズの広角の性質(すなわち"キーストーン"(keystoning)効果、換言すると"根本原理"")だけに起因する訳ではなく、レンズの強調された周辺視野(すなわち周辺に沿う倍率)にも起因する。基本となる概念は、場面の細分化部分が人間の視覚系にとって適切な縦横比で(すなわち観察用に補正された映像として)再生されることである。
【0048】図11を参照すると、記憶イメージがパーソナル・コンピュータまたは制御装置などのホスト・システムに電子形式で記憶される場合、ソース・イメージ・バッファ62にロードされる。或いはイメージが記憶されることなく、処理のために直接導かれてもよい。1オプションとして、ビデオ・カメラからのアナログ信号がNTSC−デジタル変換器60に接続される。この変換器はアナログ情報からのイメージをデジタル・ビット・マップ(すなわち"画素"(pixel))に変換する。ソース・イメージが次にソース・イメージ・フレーム・バッファ62にロードされる。しかしながら、上述のように、バッファ62への電子入力を提供するために、任意のタイプのカメラが使用されうる。バッファは好適には実時間映像が可能なように、十分に高速に動作する。
【0049】III.イメージ検索/表示記憶イメージは表示のために選択的にアクセスされ、変換される。記憶装置が写真フィルムの場合、記憶イメージはイメージ・スキャナにより、続く処理のために電子形式に変換される。観察用に補正された映像として、場面の適切な表示を2次元で再生するために、変換プロセッサ・エンジン22が使用される。変換プロセッサは小規模、中規模、大規模または超大規模集積回路(VLSI)の集合から成り、こうした例に、Raytheon Semiconductors社(以前のTRW LSI Product、Inc.、LaJolla、CA)から市販されるTMC2301及びTMC2302などのイメージ再サンプリング・シーケンサがある。
【0050】図11では、再サンプリング・シーケンサが乗算/累算ユニット64を通じて、ソース・イメージ・バッファ62内の画素のアドレス・シーケンスを制御し、そこから画素を取り出し、ワープド(warped)・イメージ・バッファ66に記憶する。シーケンサは2次元イメージを、各セクタ(e1、d1など)内で定義されるデカルト座標(x、y)のセットから、新たに変換された座標(u、v)のセットにフィルタリングまたは再マッピングする。上記米国特許番号第5185667号で述べられる魚眼タイプの変換は、一定でない2次導関数にもとづく。本発明の周辺強調構成に関連する変換において、異なるセットの2次導関数が使用される。シーケンサはまた3次元イメージに関しても、それらをデカルト座標(x、y、z)から、新たな変換セット(u、v、w)に再サンプルすることにより処理する。通常、これらのシーケンサは、最隣接(nearest-neighbor)、双線形補間または畳み込み再サンプリングをサポートし、実時間動作を可能にする速度で動作する。
【0051】ビット・マップ内の複数画素の再マッピング画素ロケーション(すなわち補間"カーネル")は、外部補間係数ルックアップ・テーブル68及び乗算/累算ユニット64を要求する。テーブル・"ウォーク(walk)"が通常、各ソース画素に対して実行され、オリジナル・レンズ・イメージ・データと適切な補間係数との積を合計することにより、より滑らかなイメージを提供する。ワープ・エンジン(warp engine)は、半球状レンズ・イメージ・データをソース・イメージ・バッファ62に捕獲することにより、逆キーストーン効果の場合同様に、観察用補正を実行するようにプログラムされる。画素ロケーションの再マッピングは、使用される特定の周辺強調レンズの特異の倍率に適合化される。
【0052】補間アルゴリズムの動的変更を可能にするために、補間係数ルックアップ・テーブル68及び変換パラメータへの直接アクセスが好適である。そこで、静止イメージ及び動画の実時間変換を可能にするために、可変変換パラメータを更新するための局所補間係数バッファ70が含まれる。
【0053】変換プロセッサ22の行及び列ワープ・エンジン72a、72bは、アドレスをソース・イメージ・バッファ62に提供する。アドレスは、選択された補間アルゴリズムにより決定される。乗算/累算ユニット64は、ワープ・エンジン制御の下で、ソース・イメージ・バッファ62により提供される画素を受取り、組合わせ論理を一緒に用いて、画素をアルゴリズムに依存する重み係数と乗算する。収差(例えば球面収差)の補正もこの時点で実行される。最後に、構成された補間画素がワープド・イメージ・バッファ66に送られる。ワープド・イメージ・バッファ内のアドレス・ロケーションが、再度ワープ・エンジンにより決定される。ルックアップ・テーブル68からのアルゴリズム・パラメータが、補間係数バッファ70と同様、行及び列ワープ・エンジン72a、72bのレジスタに入力される。
【0054】メモリ制御装置/クロック回路74は、ソース・イメージ・バッファ62及びワープド・イメージ・バッファ66に対するリフレッシュ制御を提供する。更に、全てのクロック源がこの回路を通じて同期される。バス・インタフェース及び制御回路76は、ホスト・システム・バス(例えばMCA、ISAなど)及び再マッピング回路とのインタフェースを提供する。このインタフェース論理は、制御情報を再マッピング回路にロードしたり、ワープド・イメージをシステム表示バッファ(図示されないホスト・システムの1部)に転送するためのパスを提供したり、或いはワープ以前にシステム・バスを介して、イメージをディスクに記憶する役割をする。オプションのランダム・アクセス・メモリ・デジタル−アナログ変換器(RAMDAC)78は、要求に応じて局所表示接続をサポートする。
【0055】変換プロセッサの1つの特徴は、変換プロセッサ・エンジン内の有効ソース・アドレス・フラグである。これはユーザがエッジ干渉の危険に遭遇することなく、(x、y)平面内で隣接サブイメージを構成することを可能にする。従って、図10の円形イメージの外側の未使用領域のエッジ検出が、システムにこれらの値を無視するように警告する。
【0056】イメージ捕獲機能は、静止ビデオもしくは動画ビデオ装置により、または事前記録デジタル・データとして実行される。全てのタイプのイメージ・データが所望の処理のために、ソース・イメージ・バッファ62に入力される。静止イメージ捕獲の好適なモードは、局所ホスト・バス・インタフェース76を介して入力される以前に捕獲されたイメージに由来するが、例えばNTSCデジタイザ60は、外部ビデオ・カメラからの実時間データを提供することができる。イメージをソース・イメージ・バッファへの入力に適したデジタル形式に変換する任意の類似の装置が、デジタイザ60の代わりに代用されうる。同様に、電子静止カメラ、ライン・スキャナまたはテーブル・スキャナなどの電子静止イメージャが、処理のための静止イメージ・データを提供することもできる。以前に記録されたイメージ・データの動的処理を実施するために、本発明の光学系を通じて生成される事前記録歪曲イメージが、追加の変換装置を介して入力されてもよい。
【0057】捕獲デジタル化イメージに対して実行される変更半球状座標から、表示用の平面座標へのイメージ変換は、複数の可能なイメージ変換の1つであり、任意の変換が滑らかな併合効果のために実時間で呼出されうる。これらの変換にはパン、アップ/ダウン、ズーム、チルト、回転、スケーリング、クロッピング(cropping)及びイメージ切断(image shear)などが含まれ、これらは人間またはコンピュータ入力により制御される。イメージ・フィルタリングはエッジ検出と同様に、処理の途中で関連プロセスにおいて実行される。これらのサービスは、ソース・イメージ・バッファにロードされる任意のシステム・イメージに対して適用され、半球状レンズ及び表示システムの単純なアプリケーションに勝る追加の機能をホストに提供する。
【0058】イメージ変換論理の利点は、特定のアプリケーションについて述べると明らかになろう。防犯カメラ・アプリケーションでは、防犯モニタがフル・モーション・レート・イメージ(full-motion rate image)を実時間で表示するように、全景が映し出される。静止イメージのソース・イメージ座標もまた順序化され、フレームがメモリから引き出されるときに、単に新たなソース・イメージをワープ・エンジンに再ロードすることにより、動画感覚またはフル・モーションの描写を可能にする。レンズにより捕獲されたイメージ内で、水平面をフル・モーションでパンするために、他の記憶イメージからの詳細を使用することも可能である。
【0059】本発明の別の特徴は、通常、要求されるフル・モーション・フレームの数に比較して、少ない静止フレームのセットにより、動画ビデオ表現を生成する能力である。例えば、建物の正面のセットが、従来の映画撮影カメラにより、移動するトラックの後部から撮影される場合、各フレームは従来のレンズに入射するイメージの時間ベースの内容を含み、特定の制限された視野だけがある瞬間において使用可能となる。それに対して本発明のシステムでは、その格別に広いアングルにより、広い視野の捕獲データが、既に次のフレーム及び以前のフレームからのピクチャ内容を含んでいるので、モーションが多大に低減されたフレームのサブセットから再構成されうる。ホスト・コンピュータ・プログラム内のピクチャ内容を分析することにより、フル・モーション・データを完成させるのに十分な中間フレーム相当が構成され、ソース・イメージ・バッファに順次供給されて処理される。或いは、実時間レートで動作する別の回路が中間値を補間し、モーション・シーケンスに同期するように十分高速に、既存の静止イメージに対する変換パラメータの変更を提供してもよい。こうした技術の選択は、特定のアプリケーション要求及び他の開発または市場状況に依存する。
【0060】最後に、変換プロセッサ・サブシステムは、個々に記憶されたまたは現在変換中のイメージから、複数の異なる出力を同時に生成することができる。図12に示される単純化された単一のイメージ処理サブシステム80に統合された主変換プロセッサ回路では、複数の出力が、各場面に対する所望の効果を有する単一の静止イメージ源または動画源から生成され、複数の場面を異なる表示装置上または単一の表示装置の複数のウィンドウ上に表示することができる。これは図13に示されるように、複数のイメージ処理サブシステム80を全体システム内に組込むことにより達成される。
【0061】全ての場合において、場面の周辺イメージのより優れた解像力を有することにより、水平面に沿う任意の対象の詳細が強調される。更に、レンズの周辺回りで生じる収差(すなわち球面収差)が、イメージャ装置上のより広い領域に及んで広がることから、こうした収差がより完全に補正される。
【0062】以上、本発明の原理、態様及びオペレーション・モードについて述べてきた。しかしながら、本発明は上述の特定の実施例に限るものではなく、当業者には理解されるように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細における様々な変更が可能である。
【0063】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0064】(1)半球状視野の電子結像及び処理のためのシステムであって、半球状視野の光学イメージを受光し、出力信号を生成するか、光学イメージに対応する写真フィルム・ベースの材料に作用するカメラと、上記カメラに関連して、上記カメラへの光学路に対応する上記半球状視野全体に渡る光学イメージを生成する光学イメージング素子であって、上記光学系が上記半球状視野の周辺領域のイメージを捕獲及び強調するように適応化された構成を有する、上記光学イメージング素子と、上記カメラ及び上記光学結像系に関連してレンズから光学イメージを受光し、該受光光学イメージのデジタル化出力信号を提供する、イメージ処理(イメージャ)装置と、上記イメージャ装置から上記デジタル化出力信号を受信し、該デジタル化出力信号を記憶する入力イメージ・メモリと、ユーザ定義基準に従い、上記入力イメージ・メモリから上記デジタル化出力信号を選択的にアクセスして処理するイメージ変換処理回路(プロセッサ)と、上記イメージ変換プロセッサから上記処理信号を受信する出力イメージ・メモリと、上記出力イメージ・メモリに接続され、該出力イメージ・メモリ内の上記信号を記録する出力表示または記録装置と、を含む、システム。
(2)上記光学系が上記半球状視野の捕獲イメージの水平面から約10度乃至45度の範囲内の視野部分を拡大する、上記(1)記載のシステム。
(3)上記光学系が上記半球状場面の周辺部分を上記イメージング素子の少なくとも50%の結像領域に結像する構成を有する、上記(2)記載のシステム。
(4)上記光学系がイメージを光伝送ファイバ・アレイに導くように配置される広視野多要素レンズを含む、上記(3)記載のシステム。
(5)上記ファイバ・アレイが環状の入力端及び矩形の出力端を有するように幾何学的に構成される、上記(4)記載のシステム。
(6)上記ファイバ・アレイが環状の入力端及び円形の出力端を有するように幾何学的に構成される、上記(4)記載のシステム。
(7)上記ファイバ・アレイの上記ファイバが3μmのオーダの結像精度を有する、上記(4)記載のシステム。
(8)上記広視野レンズの焦点距離が上記周辺視野の所望の倍率に合致するように基準化される、上記(4)記載のシステム。
(9)上記光学結像系が色収差を有する多要素広視野レンズと屈折率勾配半球状レンズとの組合わせを含む、上記(1)記載のシステム。
(10)上記イメージ処理装置が電子イメージャである、上記(1)記載のシステム。
(11)上記イメージ処理装置が電荷結合素子である、上記(10)記載のシステム。
(12)上記イメージ処理装置が写真フィルムである、上記(3)記載のシステム。
(13)上記写真フィルム上の上記光学イメージを、上記入力イメージ・メモリへの入力となるデジタル出力信号に変換する捕獲及び変換装置を含む、上記(12)記載のシステム。
(14)上記捕獲及び変換装置がNTSC−デジタル変換器である、上記(13)記載のシステム。
(15)上記捕獲及び変換装置からのデータが、ソース・イメージ・フレーム・バッファに入力される、上記(13)記載のシステム。
(16)上記イメージ変換処理回路がイメージ再サンプリング・シーケンサを含む、上記(15)記載のシステム。
(17)上記イメージ再サンプリング・シーケンサが、上記ソース・イメージ・フレーム・バッファ内の画素のアドレス・シーケンスを制御する、上記(16)記載のシステム。
(18)上記イメージ変換処理回路が行及び列ワープ・エンジンを含む、上記(17)記載のシステム。
(19)上記イメージ変換処理回路が、上記ワープ・エンジンに接続され、上記ソース・イメージ・フレーム・バッファの出力が入力されるワープド・イメージ・バッファを含む、上記(18)記載のシステム。
(20)上記イメージ変換処理回路が、上記半球状視野イメージを観察用に補正する変換パラメータを含むルックアップ・テーブルを含む、上記(19)記載のシステム。
(21)上記イメージ変換処理回路が、上記ルックアップ・テーブルに接続されて上記変換パラメータを更新し、乗算/累算ユニットに接続される補間係数バッファをを含む、上記(19)記載のシステム。
(22)結像される周囲に対するビューアの方位が電子的に伝達され、ユーザ制御として解釈されるように、上記出力表示装置が観察者の頭に着用または取り付けられる、上記(1)記載のシステム。
(23)半球状視野を結像し処理するシステムであって、i)半球状視野の光学イメージを生成する光学系であって、上記半球状視野の中心軸に共軸のレンズ中心軸と、上記半球状視野の周辺内容を特異倍率により強調する構成とを有し、上記光学イメージが結像面上に投影されるときに、定義された有効な結像領域を有する、上記光学系と、ii)上記光学系に光学的に結合されて、上記半球状視野の光学イメージを受光し、上記光学イメージに対応する出力を生成するカメラと、iii)上記カメラに結合されて、該カメラからの出力を受信及び記憶する入力イメージ・メモリと、iv)上記入力イメージ・メモリに結合され、該入力イメージ・メモリを選択的にアクセスし、上記カメラからの出力を処理するプロセッサであって、ユーザ定義基準に従い、上記カメラからの上記出力を上記光学系の上記周辺イメージ内容とは異なる強調された該内容を有するプロセッサ出力に変換する、上記プロセッサと、v)上記プロセッサに結合され、上記プロセッサ出力を受信及び記憶する出力イメージ・メモリと、vi)上記出力イメージ・メモリに接続され、上記記憶プロセッサ出力を上記ユーザ定義基準に従い、上記光学イメージから変換されたビジュアル・イメージに描写する出力装置と、を含む、システム。
(24)上記光学系が、上記半球状場面の周辺部分を光学イメージ有効結像領域の少なくとも約50%を占める上記光学イメージ有効結像領域の1部に結像する構成を有する、上記(23)記載のシステム。
(25)上記光学系が、上記半球状場面の周辺部分を上記光学イメージ有効結像領域の約50%乃至90%を占める上記光学イメージ有効結像領域の1部に結像する構成を有する、上記(24)記載のシステム。
(26)上記光学系が、上記半球状視野のベース面と上記レンズ中心軸に対して定義される直円錐との間に横たわる上記半球状視野の内容の少なくとも1部を、特異の倍率により強調する構成を有し、上記円錐が上記レンズ中心軸と上記円錐を生成するラインとの間で45度の夾角を成し、上記ラインが上記レンズ中心軸と上記ベース面との交点を通過する、上記(24)記載のシステム。
(27)上記光学系が、上記半球状場面の周辺部分を、上記光学イメージ有効結像領域の約90%以下を占める上記光学イメージ有効結像領域の1部に結像する構成を有する、上記(23)記載のシステム。
(28)上記光学系が、広視野多要素レンズと、環状入力端及び矩形出力端を有するように幾何学的に構成される整合されたファイバ・アレイと、を含む、上記(23)記載のシステム。
(29)上記光学系が、広視野多要素レンズと、環状入力端及び環状出力端を有するように幾何的に構成される整合されたファイバ・アレイと、を含む、上記(23)記載のシステム。
(30)上記光学系が、色収差を有する広視野レンズと、屈折率勾配半球状レンズと、を含む、上記(23)記載のシステム。
(31)上記カメラと上記入力イメージ・メモリとの間に配置され、上記カメラから上記出力を受信し、デジタル化出力を生成するイメージャ装置を含み、上記入力イメージ・メモリ、上記プロセッサ及び上記出力イメージ・メモリが、上記デジタル化出力を受信、記憶及び処理する、上記(23)記載のシステム。
(32)上記カメラが光感応電子イメージ捕獲素子を含み、上記イメージャ装置が電子デジタイザ回路を含む、上記(31)記載のシステム。
(33)上記カメラから上記出力を写真により捕獲する写真フィルムを含み、上記イメージャ装置が上記カメラから写真により捕獲された出力を上記デジタル化出力に変換する捕獲及び変換装置を含む、上記(31)記載のシステム。
(34)上記プロセッサが、上記カメラからの上記出力をユーザ定義基準に従い、上記光学系の上記周辺内容とは異なる強調された該内容を有するプロセッサ出力に変換するイメージ処理及びワープ回路を含む、上記(23)記載のシステム。
(35)上記イメージ処理及びワープ回路が算術論理演算ユニット(ALU)を含み、上記プロセッサが上記ALUに結合され、該ALUによりサービスされる機能を決定する制御プログラムを受信及び記憶する記憶メモリ装置を含み、上記記憶メモリ装置に記憶され、上記ALUによってアクセスされる上記制御プログラムが、上記カメラからの上記出力をユーザ定義基準に従い、上記光学系の上記周辺及び中央内容とは異なる強調された該内容を有するプロセッサ出力に変換するように、上記ALUのオペレーションを制御する、上記(34)記載のシステム。
(36)上記プロセッサが上記半球状視野の選択部分を表現するプロセッサ出力を生成する、上記(34)記載のシステム。
(37)上記出力装置が、ビジュアル・イメージを観察者の目の間近で表示するビジュアル表示装置を含む、上記(23)記載のシステム。
(38)上記プロセッサが上記半球状視野の選択部分を表現するプロセッサ出力を生成し、上記システムが、観察者の頭または目の方位を検出するセンサと、上記プロセッサ出力の生成を、上記観察者の頭または目の検出方位の関数として変更するための、上記センサと上記プロセッサ間のリンクと、を含む、上記(37)記載のシステム。
(39)半球状視野を電子的に捕獲、記憶及び処理する方法であって、上記視野の周辺部分を強調する構成を有する光学系を提供するステップと、上記周辺強調光学系により半球状視野を捕獲し、上記視野を上記周辺視野を強調してイメージャ装置上に結像するステップと、上記捕獲イメージを単一のイメージとして記憶するステップと、ユーザ定義基準に従い、上記記憶イメージの1部を選択的にアクセスするステップと、上記記憶イメージが観察用に補正されたイメージとして表示されるように、上記記憶イメージを変換するステップと、ユーザ定義形式の上記観察用補正イメージを表示するステップと、を含む、方法。
(40)上記変換ステップが上記周辺強調イメージを上記観察用補正イメージに処理するステップを含む、上記(39)記載の方法。
(41)上記周辺強調光学系が、上記半球状視野内の水平面から10度乃至45度の間の弧内のビジュアル内容を選択的に拡大する、上記(39)記載の方法。
(42)上記記憶ステップが、上記捕獲イメージを写真フィルム上に結像するステップを含み、上記アクセス・ステップが、上記写真フィルムからの上記イメージをデジタル出力形式に変換するステップを含む、上記(39)記載の方法。
(43)上記記憶ステップが上記捕獲イメージを電子記憶装置に記憶するステップを含む、上記(39)記載の方法。
(44)写真フィルム上のイメージとして記憶される強調された周辺視野を有する半球状場面を電子的に処理する方法であって、上記写真フィルム上の上記イメージを電子出力信号に変換するステップと、ユーザ定義基準に従い、上記出力信号の1部を選択的にアクセスするステップと、上記記憶イメージが観察用に補正されたイメージとして表示されるように、上記周辺強調視野を処理することにより、上記出力信号の上記アクセス部分を変換するステップと、上記ユーザ定義形式の上記観察用補正イメージを表示するステップと、を含む、方法。
(45)少ない数の周辺強調半球状イメージのセットから、物理的距離を隔てたイメージ・シーケンスを生成する方法であって、中間イメージが隣接する上記半球状イメージの組合わせから補間されるものにおいて、動画ビデオまたはフィルム・ベースの映画撮影カメラのシミュレーションを満足するために必要な中間イメージ数を定義するステップと、必要とされる上記中間イメージを隣接半球状イメージの組合わせから補間するステップと、上記補間イメージを識別または電子的にタグ付けし、次に後のイメージ処理サブシステムへの導入に備え、上記補間イメージを記憶または記録するステップと、オリジナル・イメージと上記補間イメージのデータ・セットを、実時間動画ビデオをシミュレートするために十分なレートで、上記イメージ処理サブシステムに適切な順序でロードするステップと、ユーザ定義形式の観察用補正イメージを表示するステップと、を含む、方法。
(46)半球状場面の電子処理システムであって、半球状視野を結像するカメラ結像系と、上記カメラ結像系と関連して、上記カメラ結像系への光学路に対応する視野全体に渡り光学イメージを生成する光学系と、上記カメラに関連してレンズから光学イメージを受光し、デジタル化出力信号を提供するイメージャ装置と、上記イメージャ装置から上記デジタル化出力信号を受信し、該デジタル化出力信号を記憶する入力イメージ・メモリと、ユーザ定義基準に従い、上記入力イメージ・メモリから上記デジタル化出力信号を選択的にアクセスして処理するイメージ変換プロセッサ回路と、上記イメージ変換プロセッサ手段から上記処理信号を受信する出力イメージ・メモリと、上記出力イメージ・メモリに接続され、ユーザ定義基準に従い、該出力イメージ・メモリ内の上記信号を表示または記録する出力表示装置または電子記録装置と、を含み、上記イメージャ装置が上記半球状視野の周辺部分の拡大光学イメージを受光するように、上記光学系が上記半球状場面の上記視野の周辺内容を中央内容に比較して強調する構成を有する、上記システム。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、特に水平面に沿って存在する強調された半球状視野のビジュアル情報を効率的に捕獲、記憶及び表示し、更に捕捉及び記憶の後にも、そうした情報の電子処理及び選択的表示を、歪曲を最小化して可能にするビジュアル結像系を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレ−ション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【出願日】 平成7年5月22日(1995.5.22)
【代理人】 【識別番号】100086243
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 博 (外2名)
【公開番号】 特開2001−91825(P2001−91825A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願2000−220238(P2000−220238)