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【発明の名称】 光モジュール
【発明者】 【氏名】高谷 雅昭

【氏名】長沢 真二

【要約】 【課題】光コネクタプラグに対して接続/切り離し自在な光電変換部をもつ光モジュールを実現する。

【解決手段】光コネクタプラグ30に対して接続/切り離しが自在なアダプタ部10Aに、光電変換素子11とその光電変換素子11に光結合された光導波路12を有する光電変換部10Bを内蔵させ、光コネクタプラグ30に対して前記アダプタ部10Aを結合することにより光電変換部10Bの前面13cが前記光コネクタプラグ30のフェルール面に当接し、かつガイドピン15により光コネクタプラグ30の光ファイバ心線と光電変換部10Bの光導波路との光軸合わせが行われるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】光コネクタプラグに対して接続/切り離しが自在なアダプタ部と、発光素子や受光素子等の光電変換素子、該光電変換素子に光学的に結合された光導波路、該光導波路の前記光電変換素子と反対側の端面が露出する前面に形成したガイドピン孔を有し、全体が前記アダプタ部に一体化された光電変換部とを具備し、前記光コネクタプラグに対して前記アダプタ部を結合することにより前記光電変換部の前面が前記光コネクタプラグのフェルール面に当接し、かつ前記ガイドピン孔に挿入したガイドピンにより前記光コネクタプラグの光ファイバ心線と前記光電変換部の光導波路との光軸合わせが行われるようにしたことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】発光素子や受光素子等の光電変換素子、該光電変換素子に光学的に結合された光導波路、該光導波路の前記光電変換素子と反対側の端面が露出する前面に形成したガイドピン孔を有する光電変換部と、該光電変換部を内蔵するコネクタハウジング部とを具備し、光コネクタプラグに対してアダプタを介して前記コネクタハウジング部を結合することにより前記光電変換部の前面が前記光コネクタプラグのフェルール面に当接し、かつ前記ガイドピン孔に挿入したガイドピンにより前記光コネクタプラグの光ファイバ心線と前記光電変換部の光導波路との光軸合わせが行われるようにしたことを特徴とする光モジュール。
【請求項3】前記光電変換部が、前記光電変換素子と前記光導波路を有し上面に溝が形成され前面に前記光導波路の端面が露出するた台部と、該台部の少なくとも上面と側面を囲む形状でなり前記台部がはまり込む凹部の天井面に前記溝に対応する溝が形成され且つ前面に前記ガイドピン孔が形成された蓋部と、前記台部に前記蓋部を被せることにより合致させた前記両溝内に挿入されるアライメントピンとを具備し、前記アライメントピンにより前記台部と前記蓋部の相互の位置関係を決め、且つ前記台部と前記蓋部を一体化させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュール。
【請求項4】前記光導波路に、光分岐部、光アイソレータ、又は光フィルタを組み込んで成ることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光モジュール。
【請求項5】前記光コネクタプラグのフェルール面と当接する前記光電変換部の前面が斜めにカットされた形状でなり、かつ該斜めの前面と同じ方向に斜めにカットされた前記光導波路の先端部が前記斜めの前面から突出していることを特徴とする請求項1乃至4に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光素子や受光素子等の光電変換素子とその光電変換素子に光学的に結合される光導波路とを具備する光モジュールに係り、特に光ファイバを接続した光コネクタプラグに対して簡単な操作で接続/切り離しできるようにした光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの構築には、LD(レーザダイオード)やPD(フォトダイオード)等の発光素子や受光素子、つまり光電変換素子と共に、その信号を伝達する光ファイバ等の光伝送媒体が必要である。これまでに様々な研究開発がこの光電変換素子と光伝送媒体について行われてきたが、最近では、この光電変換素子と光伝送媒体の接続技術について注目が集まっている。
【0003】これまで光ファイバ同士を接続する手段としては、図7に示すようなMTコネクタが実用化されている。このMTコネクタは、各々光ファイバ101,102が接続されたフェルール103,104の前端面に形成されたガイドピン孔(図7では一方のフェルール104のガイドピン孔104aのみを表示した。)にガイドピン105を挿入することにより両光ファイバ101,102の光ファイバ心線(図7では一方の光ファイバ102の心線102aのみを表示した。)の光軸を精度高く合わせてから、クランクスプリング106によって両フェルール103,104の結合状態を保持するものである。107、108は光ファイバ101,102の引出部をカバーするゴムブーツ、109は樹脂充填孔である。
【0004】このMTコネクタでは、両フェルール103,104において、光ファイバ101,102の相互間を簡単に接続/切り離しできる。
【0005】一方、光電変換素子と光ファイバの接続には、主として機械を用いてアクティブに光ファイバと光電変換素子の光軸を合わせ、両者を固定してしまうという技術を用いていた。
【0006】あるいは、図8に示すように、光電変換部201と光コネクタ部202の間を光ファイバ203で接続した光モジュールが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、光電変換素子と光ファイバを固定接続する手法では、それらの光軸を合わせるための機械が特別に必要となるため、コスト的に高くなり、また簡単に両者を切り離しできないという欠点があった。
【0008】また、図8に示した光モジュールは、コネクタ部202において他の光コネクタとの接続/切り離しを考慮したものであるが、光ファイバ203の取り扱いが煩雑であり、また光コネクタ202が大きくなるという問題があった。
【0009】本発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、その目的は、光コネクタプラグに対し直接的に接続/切り離しできるようにして、前記した問題を解決した光モジュールを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための第1の発明は、光コネクタプラグに対して接続/切り離しが自在なアダプタ部と、発光素子や受光素子等の光電変換素子、該光電変換素子に光学的に結合された光導波路、該光導波路の前記光電変換素子と反対側の端面が露出する前面に形成したガイドピン孔を有し、全体が前記アダプタ部に一体化された光電変換部とを具備し、前記光コネクタプラグに対して前記アダプタ部を結合することにより前記光電変換部の前面が前記光コネクタプラグのフェルール面に当接し、かつ前記ガイドピン孔に挿入したガイドピンにより前記光コネクタプラグの光ファイバ心線と前記光電変換部の光導波路との光軸合わせが行われるように構成した。
【0011】第2の発明は、発光素子や受光素子等の光電変換素子、該光電変換素子に光学的に結合された光導波路、該光導波路の前記光電変換素子と反対側の端面が露出する前面に形成したガイドピン孔を有する光電変換部と、該光電変換部を内蔵するコネクタハウジング部とを具備し、光コネクタプラグに対してアダプタを介して前記コネクタハウジング部を結合することにより前記光電変換部の前面が前記光コネクタプラグのフェルール面に当接し、かつ前記ガイドピン孔に挿入したガイドピンにより前記光コネクタプラグの光ファイバ心線と前記光電変換部の光導波路との光軸合わせが行われるように構成した。
【0012】第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記光電変換部が、前記光電変換素子と前記光導波路を有し上面に溝が形成され前面に前記光導波路の端面が露出するた台部と、該台部の少なくとも上面と側面を囲む形状でなり前記台部がはまり込む凹部の天井面に前記溝に対応する溝が形成され且つ前面に前記ガイドピン孔が形成された蓋部と、前記台部に前記蓋部を被せることにより合致させた前記両溝内に挿入されるアライメントピンとを具備し、前記アライメントピンにより前記台部と前記蓋部の相互の位置関係を決め、且つ前記台部と前記蓋部を一体化させて構成した。
【0013】第4の発明は、第1乃至第3の発明において、前記光導波路に、光分岐部、光アイソレータ、又は光フィルタを組み込んで構成した。
【0014】第5の発明は、第1乃至4の発明において、前記光コネクタプラグのフェルール面と当接する前記光電変換部の前面が斜めにカットされた形状でなり、かつ該斜めの前面と同じ方向に斜めにカットされた前記光導波路の先端部が前記斜めの前面から突出しているよう構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1は本発明の第1の実施形態の光モジュール10を示す図であり、光ファイバ(図示せず)が接続される光コネクタプラグ30に対し自在に接続/切り離しできるようにしたものである。この光モジュール10は、光コネクタプラグ30に自在に接続/切り離しできるアダプタ部10Aと、このアダプタ部10Aに内蔵された光電変換部10Bからなる。そして、光電変換部10Bは、図2に示すような構造になっている。
【0016】図2(a)において、11は発光素子や受光素子等の光電変換素子、12はその光電変換素子11に光結合している光導波路である。この光導波路12は光ファイバ或いはその光ファイバと同様にコア部とクラッド部を有するよう写真蝕刻法と堆積法等により形成した構造の光導波路である。図2(b)の分解図に示すように、光電変換素子11は台部13の光素子載置部13aにセットされ、光導波路12は台部13の光導波路部13bに埋め込まれて、前面(フェルール面)13cにその先端が面一で露出している。また、この台部13の上面には2本のV溝13dが形成されている。
【0017】14は蓋部(MTコネクタ部材)であり、台部13の上面、両側面および背面を覆う蓋形状であり、その前面両側にはガイドピン15を挿入するためのガイドピン孔14aが形成され、台部13がはめ込まれる天井部分にはその台部13のV溝13dに対応する2本のV溝が14bが形成されている。
【0018】さて、この光電変換部10Bの組み立ては、台部13のV溝13dと蓋部14のV溝14bを合致させ、そこにアライメントピン16をはめ込んで、台部13と蓋部14の相互間の位置決めを行う。これにより、ガイドピン孔14aと光導波路12の端面が予め決めた位置関係で正確に決定されるので、この状態で台部13と蓋部14を接着剤で固定する。そして、この光電変換部10Bをアダプタ部10A内に内蔵すると、図1に示すようになる。
【0019】したがって、光コネクタプラグ30と接続するときは、その光コネクタプラグ30のフェルールのガイドピン孔(図示せず)と光電変換部10Bのガイドピン孔14aとをガイドピン15で連結することによりその光コネクタプラグ30の光ファイバ心線と光電変換部10Bの光導波路12との光軸合わせが行われる。この接続状態は、アダプタ部10Aにおける光コネクタプラグ30との間の係合によって保持される。切り離しはその係合を解除することにより行われる。
【0020】なお、光電変換部10Bには、光電変換素子11に対する電源供給や電気信号伝送用の配線(メタルケーブル等)が設けられるが、ここでは省略している。
【0021】以上のように、この第1の実施形態の光モジュール10は、アダプタ部10Aに光電変換部10Bを一体的に組み込んで構成しているので、光コネクタプラグ30に接続されている光ファイバに対して着脱自在となり、しかも光ファイバ同士を接続するMTコネクタと同程度にコンパクトに形成することができる。
【0022】[第2の実施形態]図3は本発明の第2の実施形態の光モジュール20を示す図であり、光ファイバが接続される光コネクタプラグ30に対しアダプタ40を介して自在に接続/切り離しできるようにしたものである。この光モジュール20は、光コネクタプラグ30に自在に接続/切り離しできるフェルール部としての光電変換部20A、その光電変換部20Aが内蔵されるコネクタハウジング部20Bから成り、光電変換部20Aにはメタルケーブル51が接続されている。そして、光電変換部20Aは、図4に示すような構造になっている。
【0023】図4(a)において、21は発光素子や受光素子等の光電変換素子、22はその光電変換素子21に光結合している光導波路である。この光導波路22は光ファイバ或いはその光ファイバと同様にコア部とクラッド部を有するよう写真蝕刻法と堆積法等により形成した構造の光導波路である。図4(b)の分解図に示すように、光電変換素子21は台部23の光素子載置部23aにセットされ、光導波路22は台部23の光導波路部23bに埋め込まれて、前面(フェルール面)23cにその先端が面一で露出している。また、この台部23の上面には2本のV溝23dが形成されている。
【0024】24は蓋部(MTコネクタ部材)であり、台部23の上面、両側面および背面を覆う蓋形状であり、その前面両側にはガイドピン25を挿入するためのガイドピン孔24aが形成され、台部23がはめ込まれる天井部分にはその台部23のV溝23dに対応する2本のV溝が24bが形成されている。
【0025】さて、この光電変換部20Bの組み立ては、台部23のV溝23dと蓋部24のV溝24bを合致させ、そこにアライメントピン26をはめ込んで、台部23と蓋部24の相互間の位置決めを行う。これにより、ガイドピン孔24aと光導波路22の端面が予め決めた位置関係で正確に決定されるので、この状態で台部23と蓋部24を接着剤で固定する。そして、この光電変換部20Bをコネクタハウジング部20Bに組み込むと、図3に示すようになる。
【0026】よって、光コネクタプラグ30と接続するときは、アダプタ40を介在させてその光コネクタプラグ30のフェルールのガイドピン孔(図示せず)と光電変換部20Aのガイドピン孔24aとをガイドピン25で連結することによりその光コネクタプラグ30の光ファイバ心線と光電変換部20Aの光導波路22との光軸合わせが行われる。この接続状態は、アダプタ40が光コネクタプラグ30とコネクタハウジング部20Bの両者に係合することによって保持される。切り離しはその係合を解除することにより行われる。
【0027】なお、この光電変換部20Aでは、メタルケーブル51によって光電変換素子21に対する電源供給や電気信号伝送が行われる。
【0028】この実施形態の光モジュール20においては、従来のMTコネクタの一方の光コネクタプラグに相当する部分に対し、光電変換素子を有する光電変換部20Aを一体的に組み込んで構成しているので、光コネクタプラグ30に接続されている光ファイバに対して着脱自在となり、しかも光ファイバ同士を接続するMTコネクタと同程度にコンパクトに形成することができる。
【0029】[第3の実施形態]図5は前記した第1の実施形態の光モジュール10において、光導波路12を一方が2分岐した光導波路17に置換し、その分岐枝の一方を発光素子11aに光結合し、他方を受光素子11bに光結合して、光電変換部10B’を構成したものである。この光導波路17の他端は前面(フェルール面)13cに面一で露出している。
【0030】この実施形態では、前面13cに臨む光導波路17aに双方向に光信号が伝送されることになり、これと光結合される光コネクタプラグ30の光ファイバにも双方向信号が伝送することになる。
【0031】このように光分岐部を組み込んだ光導波路は、図3,図4に示した第2の実施形態の光モジュール20の光電変換部10Aの光導波路22にも同様に適用できる。
【0032】[第4の実施形態]図6は前記した第1の実施形態の光モジュール10において、台部13の前面(フェルール面)13cおよび蓋部14の前面が、若干の角度で下方を向くような斜面の前面13c’および斜面の前面14cをもつように変形し、かつ光導波路12の先端12aを若干の距離D(約1μm程度)だけ突出させて同様な斜面にカット研磨し、光電変換部10B”としたものである。
【0033】このように形成すると、フレネル反射を抑制することができると共に、光コネクタプラグ30の光ファイバ心線との接合が物理接続状態となり、屈折率整合剤を用いることなく光接続ができる。なお、このような斜めの前面13c’を用いる場合は、光コネクタプラグ30についてもそのフェルール面が対応するよう斜めにカットしておく。
【0034】[その他の実施形態]第1、第2の実施形態において、光電変換素子11、21に光結合する2本の光導波路12、22は、その形状や相互間隔を変更することにより反射光を制御したり、前面(フェルール面)の光導波路ピッチを変更することができる。前面の光導波路ピッチの変更により、標準的なピッチ0.25μmの光ファイバを接続した光コネクタプラグ以外の光コネクタプラグにも対応させることができる。また、その光導波路12、22に光アイソレータを組み込んで反射戻りを防止したり、光フィルタを挿入して任意の波長の光信号を選択するようにもできる。さらに、第1、第2の実施形態は光導波路が2本であるが、これは任意の本数に設定できる。さらに、以上説明した実施形態は、光コネクタプラグ30としてMPOコネクタを対象としたが、他のMTフェルールを用いたコネクタ(MT−RJコネクタ等)を対象とすることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上から第1の発明によれば、光コネクタプラグと接続/切り離しが自在でコンパクトな光モジュールを実現できる。また、第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、光モジュールが光コネクタの形状をしているので、コネクタハウジングを適宜設定することで任意の光コネクタに結合できる。さらに第3の発明によれば、第1、第2の発明の効果に加えて、光導波路の前端面とガイドピン孔との位置決め精度が高くなる。さらに第4の発明によれば、第1乃至第3の発明の効果に加えて、各種の反射、透過、信号送信形態等に対応できる。さらに、第5の発明によれば、第1、第2の発明の効果に加えて、屈折率整合剤なしに光電変換素子と光ファイバとの接続/切り離しができる。
【出願人】 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【出願日】 平成11年7月2日(1999.7.2)
【代理人】 【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
【公開番号】 特開2001−13361(P2001−13361A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−188537