| 【発明の名称】 |
光式雨量計 |
| 【発明者】 |
【氏名】海野 修司
【氏名】松下 守夫
【氏名】大塚 綾人
【氏名】齋藤 健一
|
| 【要約】 |
【課題】遠隔で一括集中管理するときに特別な伝送装置を必要とせず、安価で、電磁ノイズの影響を受けず、信頼性の高い光式雨量計を提供する。
【解決手段】雨水の流入に応じて姿勢が変動する転倒ます8と、この転倒ます8の姿勢変動に随伴して位置が変動する磁石7と、この磁石7から受ける磁界に応じて作動する光スイッチ1とを備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 雨水の流入に応じて姿勢が変動する転倒ますと、この転倒ますの姿勢変動に随伴して位置が変動する磁石と、この磁石から受ける磁界に応じて作動する光スイッチとを備えたことを特徴とする光式雨量計。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、転倒ますを用いた雨量計に係り、特に、遠隔で一括集中管理するときに特別な伝送装置を必要とせず、安価で、電磁ノイズの影響を受けず、信頼性の高い光式雨量計に関するものである。 【0002】 【従来の技術】雨量を計測するための測器は種々開発されている。雨量を示す信号を出力するような雨量計としては、降雨を受けるための所定の大きさの開口を有する受水口と、この受水口から注がれる雨水を収容する転倒ますとにより、計量部を構成し、この転倒ますに収容された雨水量が規定量に達すると転倒ますが転倒し、この転倒動作をリードスイッチで検出し、接点パルス信号を出力する転倒ます型の雨量計が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】接点信号を出力する従来の雨量計は、多点での計測を行い、遠隔で一括集中管理するには、雨量計から出力されたデータを遠隔に伝送するために、複雑な電子回路を持つ多重伝送装置を使用しなければならない。また、多点での計測を行うときには、多数の多重伝送装置を設置しなければならず、コストが高くなる。 【0004】また、従来の雨量計には、接点や電源線、信号線を用いるが、これらの電気的な部材は電気的な環境に左右されやすく、電磁ノイズによる誤動作の可能性を有する。 【0005】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、遠隔で一括集中管理するときに特別な伝送装置を必要とせず、安価で、電磁ノイズの影響を受けず、信頼性の高い光式雨量計を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、雨水の流入に応じて姿勢が変動する転倒ますと、この転倒ますの姿勢変動に随伴して位置が変動する磁石と、この磁石から受ける磁界に応じて作動する光スイッチとを備えたものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。ここでは、ファラデー素子型光スイッチを使用した実施形態を説明する。 【0008】図1に示されるように、本発明に係る雨量計は、主に、雨水の流入に応じて姿勢が変動する転倒ます8と、この転倒ます8の姿勢変動に随伴して位置が変動する磁石7と、この磁石から受ける磁界に応じて作動する光スイッチ1とから構成されている。 【0009】転倒ます8は、平面からなる底部の一辺を除く周囲に壁を設けることにより、この底部と壁とに挟まれた角部分に雨水受容部8aを形成し、壁の反対側には雨水受容部の重量に対抗する重量部8bを形成し、壁に取り付けられている回転軸11を中心に左右所定の角度まで傾転するように構成したものである。回転軸11の上方には、降雨を受けるための所定の大きさの開口と、受けた雨水を排水する排水口とからなる受水口10が設けられている。図1のように、転倒ます8が右に傾斜しているときには、排水口が壁の左側に位置するため、受水口10で集められた雨水は雨水受容部8aに流入する。雨水受容部8a内の雨水量が規定量に達すると、右側の重量部8bより左側の雨水受容部8aが重くなるので、転倒ます8が左に傾斜する(図2参照)。転倒ます8が左に傾斜すると、雨水受容部8a内の雨水が壁のない底部の左辺から排出され、雨水受容部8aが軽くなるため、転倒ます8が右に傾斜する。雨水受容部8aに溜めることのできる雨水量は、重量部8bとの重量バランスにより規定される。 【0010】磁石7は、ここでは重量部8bの右辺の下面に取り付けられている。また、磁石7の重量に対抗するための錘9が雨水受容部8aの左辺の下面に取り付けられている。磁石7及び錘9の位置又は重さを変更することにより、前記規定量を変更することが可能である。 【0011】光スイッチ1は、本出願人の出願による特開平10−282461号公報に記載されているもので、光ファイバ2と、光ファイバ2から出射した光を集光するレンズ3と、レンズ3の透過側に設けられた複屈折体4と、この複屈折体4の透過側に設けられたファラデー素子5と、ファラデー素子5の透過側に設けられた反射板6とで構成されている。 【0012】光スイッチ1の概念を図3により説明する。光スイッチ1内の光路は、光ファイバ2から出射し、レンズ3を介して複屈折体4に入射し、複屈折体4内で2つの互いに垂直な方向の偏光成分に分離され、ファラデー素子5を透過し、反射板6で反射され、再度ファラデー素子5を透過し、複屈折体4に入射して合成され、レンズ3を通って光ファイバ2に入射する。ここで、磁石7を光スイッチ1に接近させ、光の進む方向と平行な方向に磁界が形成された場合、複屈折体4で互いに垂直な偏光方向に分離された2成分は、ファラデー素子5を透過する際に偏光面が45°回転し、反射板6で反射され、再度ファラデー素子5を透過する。複屈折体4へ再度入射した光は、ファラデー素子5を2回透過しているので、ファラデー素子5に最初に入射する前の偏光状態から90°回転した偏光状態になっている。このため、複屈折体4へ再度入射した光は、光ファイバ2へ結合しなくなる。即ち、複屈折体4と光ファイバ2との間で、反射光が遮断されることになる。 【0013】このような光スイッチ1を、図1のように転倒ます8が右に傾斜している状態で、光スイッチ1内のファラデー素子5を磁石7の磁界が垂直に貫くように固定する。このように、転倒ます8が姿勢変動すると光スイッチ1と磁石7との位置関係、距離が変化する構成とすることにより、転倒ます8の転倒動作、即ち、磁界の変化に応じ、ファラデー素子5の偏光状態が変化し、光ファイバ2から出射した光がファラデー素子5を透過し反射板6を介して光ファイバ2に戻る際、反射光量が変化することになる。 【0014】本発明に係る雨量計の動作を図1及び図2を用いて説明する。 【0015】図1のように転倒ます8が右に傾斜しているときには、磁石7が光スイッチ1に接近し、光路と磁界とが並行になると共に、強い磁界がファラデー素子5に及ぶ。このためファラデー素子5内の光の偏光面が回転し、反射板6と光ファイバ2との間で、反射光が遮断されるようになり、光ファイバ2から出射した光の反射光量が減少し、光ファイバ2に戻る光量が少なくなる。 【0016】転倒ます8が右に傾斜しているので、雨水が雨水受容部8aに流入する。転倒ます8に規定量の雨水が溜まると、図2に示されるように、転倒ます8が左側に傾斜する。このとき磁石7が光スイッチ1から遠ざかるため、ファラデー素子5内の光の偏光面が回転しなくなり、反射板6と光ファイバ2との間で、反射光が通過し、光ファイバ2から出射した光が光ファイバ2に戻るようになる。 【0017】従って、光スイッチ1における反射光量の強弱を光ファイバ2の図示しない一端にて測定することにより、転倒ます8の転倒回数を検出することができる。1回の転倒に対応する雨水量は規定されているので、転倒回数から雨量を知ることができる。 【0018】本発明に使用する光スイッチとしては、遮光板を動かして光路を遮断する構成のものでもよい。この場合、転倒ます8の一辺に磁石7に代えて遮光板を取り付け、図3のファラデー素子5及び複屈折体4を取り除き、レンズ3と反射板6との間に遮光板が出没するよう構成するとよい。また、転倒ます8の一辺に磁石7に代えて反射板を取り付け、レンズ3の透過側に反射板が出没するようにしてもよい。 【0019】 【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮する。 【0020】(1)光スイッチを用いたので、遠方より光ファイバに光を入射し、反射光量の変化回数を計数することができる。これにより、複雑な電子回路を使用することなく雨量を遠隔計測することが可能になり、安価な雨量計が実現される。 【0021】(2)光スイッチを用いたので、電磁ノイズの影響をなくすることができ、信頼性の高い雨量計が実現される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000173577 【氏名又は名称】財団法人河川情報センター 【識別番号】599008126 【氏名又は名称】電設コンサルタンツ株式会社 【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月12日(2000.1.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068021 【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194468(P2001−194468A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−6348(P2000−6348) |
|