| 【発明の名称】 |
放射線モニタ |
| 【発明者】 |
【氏名】茂木 健一
|
| 【要約】 |
【課題】放射線測定の際の放射線のエネルギーに応じた分解能の低下を回避し、測定精度を向上させることの可能な放射線モニタを得る。
【解決手段】シンチレータ1と半導体センサ2などから構成された放射線センサと、前記半導体センサ2の出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を弁別して放射線の検出を行いパルス信号を出力するパルス幅弁別器12と、該パルス幅弁別器12が出力した前記パルス信号をもとに、演算器6で所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器8へ表示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シンチレータと半導体センサなどから構成された放射線センサと、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅をもとに放射線の検出を行いパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記パルス信号をもとに、所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段と、を備えた放射線モニタ。 【請求項2】 放射線検出処理手段は、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高とから測定対象とする放射線について検出を行うことを特徴とする請求項1記載の放射線モニタ。 【請求項3】 放射線検出処理手段は、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結果と、波高についての上限値と下限値とを規定するウィンドウによるアナログ信号パルスの波高の分析結果とをもとに、測定対象とする放射線について検出を行うことを特徴とする請求項2記載の放射線モニタ。 【請求項4】 放射線検出処理手段は、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅により、測定対象とする放射線について弁別を行い、当該測定対象とする放射線についての前記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値を分析して出力し、信号処理出力手段は、前記放射線検出処理手段が出力した前記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値をもとに、前記測定対象とする放射線についてのエネルギー分布を示すデータをスペクトルデータとしてして求め、表示器に表示することを特徴とする請求項3記載の放射線モニタ。 【請求項5】 放射線検出処理手段は、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結果と、前記半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス波高に対し異なる波高レベル範囲で規定されたウィンドウによる分析結果とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、シンチレータが検知した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号を出力し、信号処理出力手段は、前記放射線検出処理手段が出力した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、前記エネルギーレベルの異なる放射線にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示することを特徴とする請求項2記載の放射線モニタ。 【請求項6】 放射線検出処理手段は、シンチレータが放射線を検知することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第1のウィンドウと、半導体センサが直接放射線を吸収することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第2のウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス幅と、低エネルギーレベルの放射線に対応したウィンドウと、高エネルギーレベルの放射線に対応したウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス波高とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力し、信号処理出力手段は、前記放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示することを特徴とする請求項2記載の放射線モニタ。 【請求項7】 放射線検出処理手段は、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、その弁別結果と、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス波高の弁別結果とをもとに、シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力し、信号処理出力手段は、前記放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示することを特徴とする請求項2記載の放射線モニタ。 【請求項8】 シンチレータは放射線が入射する入射面側に配置され、半導体センサは前記シンチレータの裏面側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。 【請求項9】 半導体センサは放射線が入射する入射面側に配置され、シンチレータは前記半導体センサの裏面側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。 【請求項10】 半導体センサの検知体として化合物半導体を使用したことを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。 【請求項11】 半導体センサの検知体としてCdTeまたはCdZnTeを使用したことを特徴とする請求項10記載の放射線モニタ。 【請求項12】 半導体センサとシンチレータなどから構成される放射線センサの健全性を確認するための放射線センサ健全性確認手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。 【請求項13】 放射線センサ健全性確認手段は、シンチレータに設けられ、光パルスが入射される光パルス入射窓と、該光パルス入射窓へ前記光パルスを入射する光パルス発生器とを備えたことを特徴とする請求項12記載の放射線モニタ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば原子力発電所等で使用して好適な放射線モニタに関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、原子力発電所においてγ線を測定対象とした放射線モニタには、従来、NaI(Tl)シンチレータに光電子増倍管を光学的に結合した検出器が使用されてきた。しかしながら光電子増倍管は、電源投入(高圧電源印加)からゲインが安定するまで数時間を要し、また電源投入時に仮調整を行い、さらにゲイン安定後に本調整を行うなど2度の調整が必要であった。さらに光電子増倍管は使用に伴いゲインが劣化するため、運転中にもゲインの微調整が必要であった。これらの調整をなくして安定性の良いモニタを得る目的で、光電子増倍管の代わりに半導体センサを使用する試みがなされてきた。 【0003】図15は、従来の放射線モニタの構成を示すブロック図である。図において、1はシンチレータ、2は半導体センサ、3はパルス増幅器、4は波高弁別器、5はカウンタ、6は演算器、7はメモリ、8は表示器である。また、図16は半導体センサ2の構造を示す模式図であり、図において、9は検知体、10はマイナス電極、11はプラス電極である。 【0004】次に動作について説明する。シンチレータ1と半導体センサ2は光学的に結合され、放射線に対してシンチレータ1が入射面となるように配置される。シンチレータ1は、入射した放射線のエネルギーを吸収して蛍光を発する。その蛍光は光学結合を透過し、半導体センサ2に入射する。半導体センサ2に入射した蛍光は、透明なマイナス電極10を透過し、Si半導体からなる検知体9に入射し、そのエネルギーで電子と正孔を生成する。生成した電子はプラス電極11へ、正孔はマイナス電極10へ収集され、信号電荷として出力される。パルス増幅器3はこの信号電荷を入力し、電荷量に比例した電圧波高のパルスに変換し、更に、その電圧波高を増幅してアナログ信号パルスを出力する。波高弁別器4はアナログ信号パルスを入力し、そのアナログ信号パルスのパルス波高を弁別し、パルス波高が設定値以上の場合にディジタルパルスを出力し、設定値未満の場合にノイズとして除去する。カウンタ5は前記ディジタルパルスを入力して計数する。演算器6は定周期でカウンタ5のカウント値を読み込み、メモリ7の演算プログラムおよび格納されているデータにより計数率等の演算を行い、演算結果をメモリ7に格納するとともに表示器8に表示する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】光電子増倍管を半導体センサに置き換えた従来の放射線モニタは以上のように構成されているので、原子力発電所等で要求される50keV〜7MeVという広範囲のエネルギーを持ったγ線を測定対象とした場合、半導体センサが本来の機能である光に対して反応(光を電気信号に変換)するとともに、放射線に対しても反応(放射線を電気信号に変換)する。すなわち、光を検知する目的の半導体センサは厚さが薄いため、高エネルギー放射線は透過し易く、シンチレータと比較してその感度は無視できるが、低エネルギーの放射線は吸収される確率が高く、シンチレータと比較した場合その感度は大きく放射線測定において無視できなくなり、低エネルギー領域の放射線に対し半導体センサが放射線を計数してしまうことによるバックグラウンド計数率が大きくなってしまう。 【0006】また、放射線に直接反応する場合と放射線がシンチレータに吸収されてその蛍光に反応する場合では、放射線に直接反応する場合の方が放射線のエネルギーに対して生成される電荷が1桁近く大きいため、シンチレータでは測定対象外の低エネルギー放射線が半導体センサで検知され、シンチレータの計測領域にバックグラウンドカウントとして入り込んでしまう。この結果、低エネルギー領域におけるバックグラウンド計数率が大きくなり、放射線のエネルギーに応じた測定を行う際の分解能を低下させるとともに放射線モニタの検出感度を低下させてしまう課題があった。 【0007】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、放射線の測定を行う際の放射線のエネルギーに応じた分解能の低下を回避し、測定精度を向上させることの可能な放射線モニタを得ることを目的とする。 【0008】また、この発明は、良好な温度特性を有した放射線モニタを得ることを目的とする。 【0009】さらに、この発明は、高い信頼性を維持することの可能な放射線モニタを得ることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明に係る放射線モニタは、シンチレータと半導体センサなどから構成された放射線センサと、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅をもとに放射線の検出を行いパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記パルス信号をもとに、所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたものである。 【0011】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高とから測定対象とする放射線について検出を行うようにしたものである。 【0012】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結果と、波高についての上限値と下限値とを規定するウィンドウによるアナログ信号パルスの波高の分析結果とをもとに、測定対象とする放射線について検出を行うようにしたものである。 【0013】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅により、測定対象とする放射線について弁別を行い、当該測定対象とする放射線についての前記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値を分析して出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値をもとに、前記測定対象とする放射線についてのエネルギー分布を示すデータをスペクトルデータとしてして求め、表示器に表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたものである。 【0014】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結果と、前記半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス波高に対し異なる波高レベル範囲で規定されたウィンドウによる分析結果とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、シンチレータが検知した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、前記エネルギーレベルの異なる放射線にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたものである。 【0015】この発明に係る放射線モニタは、シンチレータが放射線を検知することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第1のウィンドウと、半導体センサが直接放射線を吸収することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第2のウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス幅と、低エネルギーレベルの放射線に対応したウィンドウと、高エネルギーレベルの放射線に対応したウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス波高とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたものである。 【0016】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、その弁別結果と、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス波高の弁別結果とをもとに、シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたものである。 【0017】この発明に係る放射線モニタは、放射線が入射する入射面側に配置されたシンチレータと、前記シンチレータの裏面側に配置されている半導体センサとを備えるようにしたものである。 【0018】この発明に係る放射線モニタは、放射線が入射する入射面側に配置された半導体センサと、前記半導体センサの裏面側に配置されているシンチレータとを備えるようにしたものである。 【0019】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの検知体として化合物半導体を使用したものである。 【0020】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサの検知体としてCdTeまたはCdZnTeを使用したものである。 【0021】この発明に係る放射線モニタは、半導体センサとシンチレータなどから構成される放射線センサの健全性を確認するための放射線センサ健全性確認手段を備えるようにしたものである。 【0022】この発明に係る放射線モニタは、シンチレータに設けられ、光パルスを入射するための光パルス入射窓と、該光パルス入射窓へ前記光パルスを入射する光パルス発生器とを放射線センサ健全性確認手段が備えるようにしたものである。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態について説明する。 実施の形態1.図1は、この実施の形態1の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図において、1はシンチレータ(放射線センサ)、2は半導体センサ(放射線センサ)、3はパルス増幅器、5はカウンタ(信号処理出力手段)、6は演算器(信号処理出力手段)、7はメモリ、8は表示器、12はパルス幅弁別器(放射線検出処理手段)である。符号Aは、パルス増幅器3の出力側とパルス幅弁別器12の入力側との接続点であるノード、符号Bはパルス幅弁別器12の出力側とカウンタ5の入力側との接続点であるノードを示す。 【0024】次に動作について説明する。シンチレータ1と半導体センサ2は光学的に結合され、放射線に対してシンチレータ1が入射面となるように配置されている。シンチレータ1は、入射した放射線のエネルギーを吸収して蛍光を発する。その蛍光は光学結合を透過し、半導体センサ2に入射する。半導体センサ2に入射した蛍光は、図16に示す透明なマイナス電極10を透過し、半導体センサ2のSi半導体からなる検知体9に入射し、そのエネルギーで電子と正孔を生成する。生成した電子はプラス電極11へ、正孔はマイナス電極10へ収集され、信号電荷として出力される。パルス増幅器3はこの信号電荷を入力し、電荷量に比例した電圧波高のパルスに変換し、更に、その電圧波高を増幅してアナログ信号パルスを出力する。 【0025】パルス幅弁別器12は、入力された前記アナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、その弁別結果に応じてディジタルパルスを出力する。カウンタ5は前記ディジタルパルスを入力して計数する。演算器6は定周期でカウンタ5のカウント値を読み込み、メモリ7の演算プログラムおよび格納されているデータにより計数率等の演算を行い、演算結果をメモリ7に格納するとともに表示器8に表示する。 【0026】図2は、図1のパルス増幅器3の出力側とパルス幅弁別器12の入力側との接続点であるノードAと、パルス幅弁別器12の出力側とカウンタ5の入力側との接続点であるノードBにおける信号波形を示す信号波形図であり、パルス幅弁別器12は、パルス増幅器3からノードAへ出力されたアナログ信号パルスaを入力し、パルス幅を弁別してそのパルス幅bが設定値c以上の場合に、ノードBにディジタルパルスdを出力する。eはパルス幅弁別器12のコモン電圧、fはパルス幅弁別器12の弁別開始電圧、gはパルス幅弁別器12の弁別終了電圧であり、アナログ信号パルスaの振幅が符号fで示す弁別開始電圧を超えてから、符号gで示す弁別終了電圧を下回るまでの時間がパルス幅bとなる。この場合、弁別終了電圧gは弁別開始電圧fよりコモン電圧eに近接するようにして、弁別終了電圧gと弁別開始電圧fとの間に幅を設定しヒステリシスを持たせ、符号hで示すノイズにより誤動作しないように設定される。 【0027】パルス幅弁別器12は、入力されたアナログ信号パルスaが弁別開始電圧fに達するとパルス幅の弁別を開始し、その後、弁別終了電圧gを下回るとパルス幅の弁別を終了し、この結果得られたパルス幅bがパルス幅b>設定値cを満たす場合のみHighレベルのディジタルパルスdを出力する。 【0028】これは、シンチレータ1に放射線が入射することにより出力される信号パルスのパルス幅は、シンチレータ1に放射線が入射して蛍光を発した時の減衰時間と、その蛍光が半導体センサ2に入射して電子と正孔が生成され、その電荷が移動して電極に収集される時間の和に依存し、また、半導体センサ2が直接放射線を吸収することにより出力される信号パルスのパルス幅は、半導体センサ2が放射線を吸収することにより生成される電子と正孔が電極に移動して収集される時間に依存し、この結果、シンチレータ1で検知した放射線の信号パルスは、半導体センサ2で検知した放射線の信号パルスよりパルス幅が大きいという見地から設定されたものである。 【0029】従って、この場合、設定値cは、(半導体センサ2が直接放射線を検知した場合のパルス幅)<設定値c<(半導体センサ2がシンチレータ1の光を検知して間接的に放射線を検知した場合のパルス幅)となるように設定される。 【0030】図2において、アナログ信号パルスaはシンチレータ1が放射線に反応した場合のパルス増幅器3の出力波形であり、アナログ信号パルスa’は半導体センサ2が放射線に直接反応した場合のパルス増幅器3の出力波形であり、これらアナログ信号パルスaとアナログ信号パルスa’に対応してパルス幅弁別器12で弁別されたパルス幅bがパルス幅b>設定値cを満たす場合のみパルス幅弁別器12はディジタルパルスdを出力するため、シンチレータ1が放射線に反応した場合のパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスaに対してはディジタルパルスdを出力し、半導体センサ2が放射線に反応した場合のパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスa’に対してはディジタルパルスdを出力しない。 【0031】従って、パルス増幅器3が出力したアナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、半導体センサ2が直接放射線を検知したときのパルス増幅器3が出力する信号を排除し、シンチレータ1を介して間接的に検知した信号のみを測定できる。 【0032】以上のように、この実施の形態1によれば、半導体センサ2が放射線を直接検知したときのパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスを排除して、シンチレータ1を介して間接的に検知したときのパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスのみを測定することができるため、低エネルギー領域におけるバックグラウンド計数率を小さく出来、この結果、エネルギー分解能の低下、放射線モニタの検出感度の低下を回避できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0033】実施の形態2.図3は、この実施の形態2の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図3において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図において、4はパルス増幅器3から入力されたアナログ信号パルスの波高を弁別し、その弁別結果に応じてディジタルパルスを出力する波高弁別器(放射線検出処理手段)、13は前記実施の形態1で説明したパルス幅弁別器12からディジタルパルスdが出力された期間機能し、そのパルス幅弁別器12から出力されたディジタルパルスdと、波高弁別器4から出力されたディジタルパルスとの論理積を演算し出力するゲート回路(放射線検出処理手段)である。なお、波高弁別器4から出力されたディジタルパルスは、ゲート回路13の一方の入力端子へ供給され、パルス幅弁別器12から出力されたディジタルパルスdは、ゲート回路13の他方の入力端子へ供給される。 【0034】符号Aは、パルス増幅器3の出力側と、波高弁別器4およびパルス幅弁別器12の入力側との接続点であるノード、符号Cは波高弁別器4の出力側とゲート回路13の前記一方の入力端子との接続点であるノード、符号Bはパルス幅弁別器12の出力側とゲート回路13の前記他方の入力端子との間の接続点であるノード、符号Dはゲート回路13の出力側とカウンタ5の入力側との接続点であるノードである。 【0035】次に動作について説明する。図4は、図3の各ノードA〜Dの信号波形を示す信号波形図である。この実施の形態2においても、シンチレータ1と半導体センサ2は光学的に結合され、放射線に対してシンチレータ1が入射面となるように配置されている。シンチレータ1は、入射した放射線のエネルギーを吸収して蛍光を発する。その蛍光は光学結合を透過し、半導体センサ2に入射する。半導体センサ2に入射した蛍光は、図16に示す透明なマイナス電極10を透過し、半導体センサ2のSi半導体からなる検知体9に入射し、そのエネルギーで電子と正孔を生成する。生成した電子はプラス電極11へ、正孔はマイナス電極10へ収集され、信号電荷として出力される。パルス増幅器3はこの信号電荷を入力し、電荷量に比例した電圧波高のパルスに変換し、更に、その電圧波高を増幅してアナログ信号パルスを波高弁別器4とパルス幅弁別器12へ出力する。 【0036】パルス幅弁別器12は、入力された前記アナログ信号パルスのパルス幅を前記実施の形態1で説明したように弁別し、その弁別結果に応じてノードBへディジタルパルスdを出力する。このパルス幅弁別器12が出力するディジタルパルスdは、ゲート回路13の前記他方の入力端子へ出力される。 【0037】一方、波高弁別器4は、入力された前記アナログ信号パルスのパルス高を弁別し、その弁別結果に応じてHighレベルのディジタルパルスiをノードCへ出力する。この波高弁別器4が出力するディジタルパルスiはゲート回路13の前記一方の入力端子へ供給される。 【0038】ゲート回路13は、パルス幅弁別器12からディジタルパルスdが出力されている期間、すなわち他方の入力端子へHighレベルが与えられている期間に限り、波高弁別器4から出力されたディジタルパルスiの通過を許すように動作し、パルス幅弁別器12から出力された前記ディジタルパルスdと、前記波高弁別器4から出力されたディジタルパルスiとの論理積を演算し、ゲート回路13の出力側のノードDにHighレベルのディジタルパルスjを出力する。 【0039】この場合、図4に示すように、符号kは波高弁別器4の弁別開始電圧、符号gは波高弁別器4の弁別終了電圧であり、波高弁別器4からノードCへ出力されるディジタルパルスiは、パルス増幅器3の出力側のノードAへ出力されたアナログ信号パルスaが弁別開始電圧kに達すると反転してHighレベルになり、弁別終了電圧gに戻ると復帰しLowレベルになる信号である。そして、波高弁別器4の弁別開始電圧kは、パルス幅弁別器12の弁別開始電圧fに対して、弁別開始電圧k>弁別開始電圧fとなるように設定され、また、波高弁別器4の弁別終了電圧gは、パルス幅弁別器12の弁別終了電圧gと同じレベルに設定されている。 【0040】カウンタ5は前記ディジタルパルスjを計数する。演算器6は定周期でカウンタ5のカウント値を読み込み、メモリ7の演算プログラムおよび格納されているデータにより計数率等の演算を行い、その演算結果をメモリ7に格納するとともに表示器8に表示する。 【0041】従って、前記実施の形態1では、パルス幅弁別精度を確保するため必然的にパルス幅の弁別開始電圧fを低く抑える必要があったが、この実施の形態2では、波高の弁別開始電圧kを測定対象の放射線のエネルギーに応じて設定できるため、図4の符号a”で示すアナログ信号パルスのように、測定対象の放射線のエネルギーを、その波高により分別して、例えば弁別開始電圧kを超えない波高として得られる放射線についてはカウンタ5で計測されないようにすることで、シンチレータ1が反応した放射線のエネルギーに応じた測定が可能になる。 【0042】以上のように、この実施の形態2によれば、パルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスのパルス幅をもとに半導体センサ2が放射線を直接検知したときのパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスを排除して、シンチレータ1を介して放射線を間接的に検知したときのパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルス信号のみを測定し、さらに前記測定した前記アナログ信号パルスの波高をもとに放射線のエネルギーを分別して検出するようにしたので、前記実施の形態1の効果に加え、さらに、シンチレータ1が反応した放射線のうちであるエネルギー以上の放射線のみを測定しようとする場合に、そのエネルギーを下回るエネルギーの放射線は測定にかからないようにして、目的とするエネルギーを有した放射線の測定を、ノイズによる影響を排除して容易に行えるなど、測定対象とする放射線のエネルギーに応じた、信頼性の高い測定を実現できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0043】実施の形態3.図5は、この実施の形態3の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図5において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図において、14は第1の波高弁別器(放射線検出処理手段)、15は第2の波高弁別器(放射線検出処理手段)である。16はパルス幅弁別器12がノードBへ出力したHighレベルのディジタルパルスを反転し、ノードEへ出力する反転回路(放射線検出処理手段)である。 【0044】17は第1の波高弁別器14が出力したHighレベルのディジタルパルスが供給される一方の入力端子、およびパルス幅弁別器12が出力したHighレベルのディジタルパルスが供給される他方の入力端子を備えた第1のゲート回路(放射線検出処理手段)である。この第1のゲート回路17では、パルス幅弁別器12から前記ディジタルパルスが出力されている期間に限り、第1の波高弁別器14から出力されたディジタルパルスの通過を許すように動作し、パルス幅弁別器12から出力された前記ディジタルパルスと、前記第1の波高弁別器14から出力されたディジタルパルスとの論理積を演算し、その演算結果に応じて第1のゲート回路17の出力側のノードDにディジタルパルスを出力する。 【0045】18は反転回路16の出力が供給される一方の入力端子、および第2の波高弁別器15が出力したHighレベルのディジタルパルスが供給される他方の入力端子を備えた第2のゲート回路(放射線検出処理手段)である。この第2のゲート回路18は、パルス幅弁別器12からHighレベルのディジタルパルスが出力されていない場合、すなわち他方の入力端子がHighレベルである期間に限り、第2の波高弁別器15からノードFへ出力されたHighレベルのディジタルパルスの通過を許すように動作し、パルス幅弁別器12から出力された前記ディジタルパルスを反転する反転回路16の出力と、前記第2の波高弁別器15から出力されたディジタルパルスとの論理積を演算し、その演算結果に応じてノードGにHighレベルのディジタルパルスを出力する。19は第1のカウンタ(信号処理出力手段)、20は第2のカウンタ(信号処理出力手段)である。 【0046】また、この実施の形態3では、半導体センサ2が放射線入射面になるように、シンチレータ1は半導体センサ2の裏面側に配置した構成である。 【0047】ノードAはパルス増幅器3の出力側と、第1の波高弁別器14、パルス幅弁別器12および第2の波高弁別器15の入力側との接続点であるノード、ノードBはパルス幅弁別器12の出力側と、第1のゲート回路17および反転回路16の入力側との接続点であるノード、ノードCは第1の波高弁別器14の出力側と第1のゲート回路17の前記一方の入力端子との接続点であるノード、ノードDは第1のゲート回路17の出力側と第1のカウンタ19の入力側との接続点であるノード、ノードEは反転回路16の出力側と第2のゲート回路18の前記一方の入力端子との接続点であるノード、ノードFは第2の波高弁別器15の出力側と第2のゲート回路18の前記他方の入力端子との接続点であるノード、ノードGは第2のゲート回路18の出力側と第2のカウンタ20の入力側との接続点であるノードである。 【0048】次に動作について説明する。図6は、図5に示した各ノードA〜Gの信号波形を示す信号波形図である。図において、符号k1は第1の波高弁別器14における弁別開始電圧、符号gは弁別終了電圧を示している。また、第2の波高弁別器15では、前記第1の波高弁別器14の弁別開始電圧k1と同レベルの弁別開始電圧k1と弁別終了電圧k2が設定されている。そして、第2の波高弁別器15の内部では、パルス増幅器3のノードAへ出力したアナログ信号パルスaが前記第2の波高弁別器15の弁別開始電圧k1に達するとセットされ、また前記アナログ信号パルスaが弁別終了電圧k2に戻るとリセットされもとの状態に復帰するディジタルパルスが生成され、さらにこのディジタルパルスの立ち下がりでディジタルパルスnが発生しノードFに出力される。 【0049】図6に示すように、パルス増幅器3からアナログ信号パルスaまたはアナログ信号パルスa’が出力されると、パルス幅弁別器12は前記実施の形態1で説明したように、前記アナログ信号パルスに対しパルス幅を弁別し、そのパルス幅bがパルス幅b>設定値cを満たす場合のみHighレベルのディジタルパルスdをノードBへ出力する。 【0050】従って、パルス増幅器3からアナログ信号パルスaが出力された場合には、前記実施の形態1で説明したようにパルス幅弁別器12はノードBへHighレベルのディジタルパルスdを出力し、パルス増幅器3からアナログ信号パルスa’が出力された場合には、前記実施の形態1で説明したようにパルス幅弁別器12はノードBへHighレベルのディジタルパルスdは出力しない。 【0051】パルス増幅器3からアナログ信号パルスaが出力された場合、反転回路16は、パルス幅弁別器12がノードBへ出力したHighレベルのディジタルパルスdを反転させ、反転したLowレベルのディジタルパルスmをノードEへ出力する。第2のゲート回路18では、反転回路16がノードEへLowレベルのディジタルパルスmを出力している期間には、第2の波高弁別器15がノードFへ出力したディジタルパルスnの通過を許可せず、HighレベルのディジタルパルスpをノードGへ出力することはなく、ノードGはLowレベルの状態を維持する。 【0052】一方、パルス増幅器3からアナログ信号パルスa’が出力された場合には、パルス幅弁別器12はノードBへディジタルパルスdを出力しないため、反転回路16はノードBのLowレベルを反転したHighレベルをノードEへ出力し第2のゲート回路18の他方の入力端子へ供給する。この結果、第2のゲート回路18では、この他方の入力端子へHighレベルが供給されている期間、第2の波高弁別器15が出力するHighレベルのディジタルパルスnの通過を許容し、前記他方の入力端子へ供給されているHighレベルと前記ディジタルパルスnの論理積を演算する結果、第2のゲート回路18からはノードGへHighレベルのディジタルパルスpが出力される。そして、第2のゲート回路18がノードGへ出力したディジタルパルスpは、第2のカウンタ20に入力され計数される。 【0053】一方、第1のゲート回路17では、パルス幅弁別器12がノードBへHighレベルのディジタルパルスdを出力している期間だけ、第1の波高弁別器14がノードCへ出力したHighレベルのディジタルパルスiの通過を許可し、ディジタルパルスdとディジタルパルスiの論理積として、HighレベルのディジタルパルスjをノードDへ出力する。 【0054】従って、パルス増幅器3からアナログ信号パルスaが出力された場合、パルス幅弁別器12はノードBへHighレベルのディジタルパルスdを出力するため、第1のゲート回路17はこの期間だけ第1の波高弁別器14がノードCへ出力したHighレベルのディジタルパルスiの通過を許可し、ディジタルパルスdとディジタルパルスiの論理積として、HighレベルのディジタルパルスjをノードDへ出力する。 【0055】一方、パルス増幅器3からアナログ信号パルスa’が出力された場合、パルス幅弁別器12はノードBへHighレベルのディジタルパルスdを出力しないため、第1のゲート回路17は第1の波高弁別器14がノードCへ出力したHighレベルのディジタルパルスiの通過を許可せず、ノードDはLowレベルを維持する。 【0056】そして、第1のゲート回路17がノードDへ出力したディジタルパルスjは、第1のカウンタ19に入力され計数される。 【0057】演算器6は、第1のカウンタ19と第2のカウンタ20のカウント値を定周期でそれぞれ入力し、計数率等の演算を行う。 【0058】半導体センサ2は厚さが薄いため、高エネルギー放射線は透過し易いが、低エネルギーの放射線は吸収される確率が高い。また、半導体センサ2は、放射線に直接反応する場合と放射線がシンチレータ1に吸収されてその蛍光に反応する場合を比較すると、放射線に直接反応する場合の方が放射線のエネルギーに対して生成される電荷が1桁近く大きい。従って、半導体センサ2は低エネルギーに対して感度が高く、シンチレータ1は高エネルギーに対して感度が高い。 【0059】このようなことから、半導体センサ2を放射線の入射面に配置し、その裏側にシンチレータ1を配置し、低エネルギーの放射線がシンチレータ1へ達する前に半導体センサ2で吸収してしまい、この低エネルギーの放射線をシンチレータ1が吸収する可能性を小さくすることで、半導体センサ2が低エネルギーの放射線を直接検知したときに、前記低エネルギーの放射線をシンチレータ1が吸収することによるバックグラウンドカウントを排除する。この状態で、パルス幅を弁別して半導体センサ2が直接放射線を検知した信号とシンチレータ1を介して間接的に検知した信号を識別し、それぞれの信号を別々のカウンタで計測することにより、半導体センサ2で検知した低エネルギーの放射線を、また同時に、シンチレータ1で検知した高エネルギーの放射線を、それぞれ高感度で測定する。 【0060】なお、この実施の形態3における半導体センサ2とシンチレータ1との構成は、前記実施の形態1、前記実施の形態2および、後述する実施の形態4から実施の形態10の放射線モニタに適用できる。 【0061】以上のように、この実施の形態3によれば、低エネルギーの放射線と高エネルギーの放射線についての測定を別々に、かつ並行して行い、さらに低エネルギーの放射線を半導体センサ2が直接検知したときのバックグラウンドカウントを排除することが可能になり、半導体センサ2で検出した低エネルギーの放射線と、シンチレータ1で検出した高エネルギーの放射線を、それぞれ高感度、高精度で測定できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0062】実施の形態4.前記実施の形態1から実施の形態3においては、半導体センサ2の検知体9としてSi半導体を使用する例について説明したが、これに限ることはなく、化合物半導体のCdTeを用いて検知体9を形成してもよい。一般的にγ線の光電吸収は、原子番号の5乗に比例する。Siの原子番号は14であるのに対し、CdTeは実効原子番号は50である。図7はSiとCdTeの光電吸収を示す特性図であり、光子エネルギーが比較的小さい場合は、CdTeはSiに対して2桁以上感度が良いことがわかる。 【0063】従って、検知体9としてCdTeを用いることにより、低エネルギーの放射線を、更に高感度で測定できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0064】実施の形態5.図8は、検知体9が化合物半導体のCdTeと、同じく化合物半導体のCdZnTeとでそれぞれ形成される半導体センサ2にγ線を照射し、検出効率の温度特性を比較したものであり、CdTeは50℃以上の温度で検出効率が低下し始め、実用的に要求される±10%特性を満たすのは約60℃までである。SiもCdTeと概ね同様の温度特性を示す。 【0065】これに対して、CdZnTeは約100℃まで検出効率が安定している。例えば、前記実施の形態3の放射線モニタを用いて、原子力発電所において主蒸気管中のXe−133から放射される低エネルギーγ線とN−16から放射される高エネルギーγ線を同時に測定する場合に、半導体センサ2は主蒸気管近傍に設置されるため、常温から約100℃まで温度特性が良好であることが要求されるが、検知体9にCdZnTeを用いることにより、温度の高い環境下で要求される良好な温度特性の放射線モニタを容易に実現できる効果がある。 【0066】実施の形態6.図9は、この実施の形態6の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図9において図3と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態6の放射線モニタは、前記実施の形態2における波高弁別器4に替えてシングルチャネル波高分析器を用いるようにしたものである。図において、21はシングルチャネル波高分析器(放射線検出処理手段)であり、パルス増幅器3が出力したアナログ信号パルスの波高値が、設定されたウィンドウの範囲内に入った後、前記ウィンドウの下限を規定する閾値を下回ったタイミングでディジタルパルスを出力する。このシングルチャネル波高分析器21に設定されたウィンドウを規定する上限および下限の閾値は、シンチレータ1における放射線の検知を、ノードAに出力されるアナログ信号パルスの波高値をもとに識別可能なように設定される。 【0067】図10は、図9のブロック図で示した放射線モニタの各部の信号波形を示す信号波形図であり、図4と同一の部分については同一の符号を付し説明を省略する。符号Aはパルス増幅器3の出力側と、シングルチャネル波高分析器21およびパルス幅弁別器12の入力側との接続点を示すノード、符号Bはパルス幅弁別器12の出力側とゲート回路13の他方の入力端子との接続点を示すノード、符号Iはシングルチャネル波高分析器21の出力側とゲート回路13の一方の入力端子との接続点を示すノード、Jはゲート回路13の出力側とカウンタ5の入力側との接続点を示すノードである。 【0068】また、k1とk2は、シングルチャネル波高分析器21に設定されたウィンドウを規定する閾値であり、k1は下限を規定する閾値、k2は上限を規定する閾値である。 【0069】次に動作について説明する。ゲート回路13は、パルス幅弁別器12がノードBへ出力するディジタルパルスdの信号期間だけ、シングルチャネル波高分析器21がノードIへ出力したディジタルパルスtの通過を許可し、ノードJにディジタルパルスuを出力する。シングルチャネル波高分析器21は、パルス増幅器3がノードAへ出力する符号aで示すアナログ信号パルスの波高値が閾値k1と閾値k2で規定されるウィンドウに入った後、前記ウィンドウの下限を規定する閾値を下回ったタイミングでノードIにディジタルパルスtを出力する。 【0070】従って、シンチレータ1で検知した放射線について、前記閾値k1と閾値k2で規定されるウィンドウで波高を選択することで識別して計測することにより、対象とするエネルギーレベルの放射線のみを正確に測定できる。 【0071】以上のように、この実施の形態6によれば、半導体センサ2が直接放射線を検知した信号とシンチレータ1を介して間接的に検知した信号をパルス幅により弁別し、前記パルス幅で弁別した放射線について、更にシングルチャネル波高分析器21の前記ウィンドウで波高を分析し計測することにより、対象とするエネルギーを有した放射線を選択的により正確に測定できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0072】実施の形態7.図11は、この実施の形態7の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図9と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図において、22はマルチチャネル波高分析器(放射線検出処理手段)である。このマルチチャネル波高分析器22は、前記実施の形態1で説明したパルス幅弁別器12からディジタルパルスdが出力された期間機能し、パルス増幅器3がノードAへ出力したアナログ信号パルスの波高のピーク値をホールドしてA/D変換する。A/D変換されたデータは、パルス幅弁別器12が出力するディジタルパルスをトリガ信号として演算器6に伝送される。 【0073】演算器6は前記A/D変換されたデータを読み込み、演算を行い、例えば前記アナログ信号パルスについて同一の波高値を示す当該アナログ信号パルスをカウントしてその計数を求め、前記波高値に対する前記計数の分布を示すデータをスペクトルデータとしてメモリに格納し、割り込み要求により、または定期的に、表示器8に表示する。 【0074】以上のように、この実施の形態7によれば、半導体センサ2が直接放射線を検知した信号とシンチレータ1を介して間接的に検知した信号をパルス幅により弁別し、更に、前記弁別したシンチレータ1を介して間接的に検知した信号のエネルギースペクトル(波高に対する計数値の分布)を測定することにより、精度の高い波高分析を行うことが出来る放射線モニタが得られる効果がある。 【0075】実施の形態8.図12は、この実施の形態8の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図5または図9と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図において、23は第1のシングルチャネル波高分析器(放射線検出処理手段)、24は第2のシングルチャネル波高分析器(放射線検出処理手段)である。符号Aはパルス増幅器3の出力側と、第1のシングルチャネル波高分析器23、第2のシングルチャネル波高分析器24およびパルス幅弁別器12の入力側との接続点であるノード、符号Bはパルス幅弁別器12の出力側と、第1のゲート回路17および第2のゲート回路18の入力側との接続点であるノード、符号Iは第1のシングルチャネル波高分析器23の出力側と第1のゲート回路17の入力側との接続点であるノード、符号Jは第1のゲート回路17の出力側と第1のカウンタ19の入力側との接続点であるノード、符号Mは第2のシングルチャネル波高分析器24の出力側と第2のゲート回路18の入力側との接続点であるノード、符号Nは第2のゲート回路18の出力側と第2のカウンタ20の入力側との接続点であるノードを示す。 【0076】第1のシングルチャネル波高分析器23は、パルス増幅器3がノードAへ出力するアナログ信号パルスの波高値が第1のエネルギーレベルに対応した下限を規定する閾値と上限を規定する閾値で規定されるウィンドウに入った後、前記ウィンドウの下限を規定する前記閾値を下回ったタイミングでノードIにディジタルパルスを出力する。 【0077】第2のシングルチャネル波高分析器24は、パルス増幅器3がノードAへ出力するアナログ信号パルスの波高値が第2のエネルギーレベルに対応した下限を規定する閾値と上限を規定する閾値で規定されるウィンドウに入った後、前記ウィンドウの下限を規定する前記閾値を下回ったタイミングでノードMにディジタルパルスを出力する。 【0078】また、第2のシングルチャネル波高分析器24の前記ウィンドウは、第1のシングルチャネル波高分析器23の前記ウィンドウより波高的に高いレベルに設定されている。 【0079】次に動作について説明する。パルス増幅器3からアナログ信号パルスが出力されると、パルス幅弁別器12は前記実施の形態1で説明したように、前記アナログ信号パルスに対しパルス幅を弁別し、そのパルス幅bがパルス幅b>設定値cを満たす場合のみHighレベルのディジタルパルスをノードBへ出力する。 【0080】従って、パルス増幅器3からアナログ信号パルスが出力され、前記実施の形態1で説明したようにパルス幅弁別器12からノードBへHighレベルのディジタルパルスが出力された場合、第2のゲート回路18では、他方の入力端子へ前記Highレベルのディジタルパルスが供給されている期間、第2のシングルチャネル波高分析器24がノードMへ出力するHighレベルのディジタルパルスの通過を許容し、前記ディジタルパルス両者間の論理積を演算し、その演算結果をノードNへ出力する。そして、第2のゲート回路18のノードNへの出力は第2のカウンタ20に入力され計数される。 【0081】一方、第1のゲート回路17でも、パルス幅弁別器12がノードBへHighレベルのディジタルパルスを出力している期間だけ、第1のシングルチャネル波高分析器23がノードIへ出力したHighレベルのディジタルパルスの通過を許可し、前記ディジタルパルス両者間の論理積を演算し、その演算結果をノードJへ出力する。 【0082】また、パルス増幅器3から出力されたアナログ信号パルスがパルス幅b>設定値cの条件を満たしていない場合、パルス幅弁別器12はノードBへHighレベルのディジタルパルスを出力しないため、第1のゲート回路17はノードJをLowレベルに維持し、また第2のゲート回路18もノードNをLowレベルに維持する。 【0083】そして、第1のゲート回路17がノードJへ出力したディジタルパルスは、第1のカウンタ19に入力され計数され、また、第2のゲート回路18がノードNへ出力したディジタルパルスは、第2のカウンタ20に入力され計数され、演算器6は、第1のカウンタ19と第2のカウンタ20のカウント値を定周期でそれぞれ入力し、計数率等の演算を行う。 【0084】従って、パルス幅を弁別して半導体センサ2が直接放射線を検知した信号を排除し、シンチレータ1を介して間接的に検知した信号のみを識別し、さらに前記識別した信号について所望の複数のそれぞれエネルギーレベルの異なるウィンドウで波高を分析することにより、例えば、原子力発電所において主蒸気管中の放射性希ガスから放射される比較的低エネルギーのγ線とN−16から放射される高エネルギーγ線を同時に測定する場合、第1のシングルチャネル波高分析器23の低エネルギーに対応するウィンドウにより前記比較的低エネルギーのγ線についてバックグラウンドカウントを抑制しながら測定できるとともに、また第2のシングルチャネル波高分析器24の高エネルギーに対応するウィンドウにより前記高エネルギーγ線については良好な分解能で測定できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0085】実施の形態9.図13は、この実施の形態9の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図12と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図において、25は1個以上のウィンドウを有するパルス幅分析器(放射線検出処理手段)である。また、符号B1は、パルス幅分析器25に設定された第1のパルス幅の範囲を規定する後述する第1のウィンドウにより分析されたアナログ信号パルスに対応してディジタルパルスが出力されるノード、符号B2はパルス幅分析器25に設定された後述する第2のパルス幅の範囲を規定する第2のウィンドウにより分析されたアナログ信号パルスに対応してディジタルパルスが出力されるノードを示す。パルス幅分析器25以外の構成および動作は前記実施の形態8と同じであるため説明を省略する。 【0086】パルス幅分析器25において、第1のウィンドウは、シンチレータ1に放射線が入射することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定される。このときの信号パルスのパルス幅は、前記実施の形態1でも述べたようにシンチレータ1に放射線が入射して蛍光を発した時の減衰時間と、その蛍光が半導体センサ2に入射して電子と正孔が生成され、その電荷が移動して電極に収集される時間の和に依存する。 【0087】また、第2のウィンドウは、半導体センサ2が直接放射線を吸収することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定される。このときの信号パルスのパルス幅は、前記実施の形態1でも述べたように半導体センサ2が放射線を吸収することにより生成される電子と正孔が電極に移動して収集される時間に依存する。このようなことからシンチレータ1で検知した放射線の信号パルスは、半導体センサ2で検知した放射線の信号パルスよりパルス幅が大きい。従って、(第1のウィンドウの下限)>(第2のウィンドウの上限)となるように設定される。また、ウィンドウの幅は、パルス幅が波高値に依存して変動する要素および回路に依存して変動する要素を包含するように設定される。 【0088】次に動作について説明する。シンチレータ1が放射線を検知したときにパルス増幅器3からノードAへ出力されたアナログ信号パルスは、そのパルス幅がパルス幅分析器25の第1のウィンドウにより分析され識別され、この結果、ノードB1へHighレベルのディジタルパルスが出力される。一方、第1のシングルチャネル波高分析器23では、ノードAへ出力されたアナログ信号パルスの波高値を低エネルギーレベルに対応したウィンドウで分析し識別し、この結果、ノードIへHighレベルのディジタルパルスが出力される。第1のゲート回路17は、ノードIへ出力されたHighレベルのディジタルパルスとノードB1へ出力されたHighレベルのディジタルパルスとの論理積演算結果をノードJへ出力し、第1のカウンタ19はシンチレータ1が検知した放射線についての計数を行う。 【0089】また、半導体センサ2が放射線を直接検知した場合には、パルス増幅器3からノードAへ出力されたアナログ信号パルスは、パルス幅分析器25の第2のウィンドウにより、そのパルス幅から半導体センサ2が放射線を直接検知したときのアナログ信号パルスと分析され識別され、この結果、ノードB2へHighレベルのディジタルパルスが出力される。一方、第2のシングルチャネル波高分析器24では、ノードAへ出力された前記アナログ信号パルスの波高値を、高エネルギーレベルに対応したウィンドウで分析し識別し、この結果、ノードMへHighレベルのディジタルパルスが出力される。第2のゲート回路18は、ノードMへ出力されたHighレベルのディジタルパルスとノードB2へ出力されたHighレベルのディジタルパルスとの論理積演算結果をノードNへ出力し、第2のカウンタ20は半導体センサ2が直接検知した放射線についての計数を行う。 【0090】この結果、パルス幅分析器25でパルス幅を分析することにより、半導体センサ2が直接放射線を検知したときの信号とシンチレータ1を介して間接的に検知したときの信号の識別精度を高めることが可能であり、さらにパルス幅分析器25の第1のウィンドウおよび第2のウィンドウにより、正規の信号よりパルス幅の小さいものおよび大きいものをノイズとして排除できるなど、測定対象とする放射線の測定精度を向上できる放射線モニタが得られる効果がある。また、半導体センサ2が直接検知した放射線、およびシンチレータ1を介して間接的に検知した放射線などの、エネルギーの異なる放射線を同時に測定できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0091】実施の形態10.図14は、この実施の形態10の放射線モニタにおけるシンチレータ1と半導体センサ2などからなる放射線センサ30の構造を示す構成図であり、図において、26は光パルス入射窓(放射線センサ健全性確認手段)、27は反射材、28は光パルス発生器(放射線センサ健全性確認手段)である。シンチレータ1は、半導体センサ2との接合面および光パルス入射窓26を除いて反射材27で覆われており、反射材27は、シンチレータ1の蛍光を反射して半導体センサ2へ導入することが可能なように構成されている。 【0092】遠隔テスト操作により、光パルス発生器28はホトダイオードを定周波数で発光させ、光パルス入射窓26から光パルスを入射する。これにより放射線センサ30の健全性を容易に確認することができる。また、光パルスにより発生する信号の波高が放射線の測定エネルギー範囲外になるように光パルスの強度を設定することにより、オンラインで放射線モニタの健全性を確認できる。 【0093】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、シンチレータと半導体センサなどから構成された放射線センサと、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅をもとに放射線の検出を行いパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記パルス信号をもとに、所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたので、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅をもとに測定対象とする放射線の検出を非測定対象の放射線の検出と区別することができ、エネルギー分解能の低下、放射線モニタの検出感度の低下を回避でき、測定精度を向上できる効果がある。 【0094】この発明によれば、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高とから測定対象とする放射線について検出を行うように構成したので、測定対象の放射線をその波高により、前記放射線のエネルギーで分別して検出でき、測定対象の放射線のエネルギーに応じた測定が可能になり、測定精度を向上できる効果がある。 【0095】この発明によれば、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結果と、波高についての上限値と下限値とを規定するウィンドウによるアナログ信号パルスの波高の分析結果とをもとに、測定対象とする放射線について検出を行うように構成したので、測定対象の放射線の波高を前記ウィンドウにより分析し、前記放射線のエネルギーで分別して検出でき、対象とするエネルギーを有した放射線を前記アナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高から選択的により正確に測定でき、測定精度を向上できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0096】この発明によれば、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅により、測定対象とする放射線について弁別を行い、当該測定対象とする放射線についての前記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値を分析して出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値をもとに、前記測定対象の放射線についてのエネルギー分布を示すデータをスペクトルデータとしてして求め、表示器に表示する信号処理出力手段とを備えるように構成したので、測定対象の放射線の波高のピーク値を分析し、前記測定対象の放射線についてエネルギーごとに分別して検出でき、対象とする放射線についてのエネルギー分布を前記アナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高から選択的により正確に測定でき、測定精度を向上できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0097】この発明によれば、半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結果と、前記半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパルス波高に対し異なる波高レベル範囲で規定されたウィンドウによる分析結果とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、シンチレータが検知した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行い、前記エネルギーレベルの異なる放射線にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるように構成したので、測定対象の放射線の波高を異なる波高レベル範囲で規定されたウィンドウにより分析することで、前記測定対象の放射線についてエネルギーごとに分別して検出でき、対象とする放射線のエネルギーに応じた検出を前記アナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高から選択的に正確に測定でき、測定精度を向上できる放射線モニタが得られる効果がある。 【0098】この発明によれば、シンチレータが放射線を検知することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第1のウィンドウと、半導体センサが直接放射線を吸収することにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第2のウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス幅と、低エネルギーレベルの放射線に対応したウィンドウと、高エネルギーレベルの放射線に対応したウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス波高とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段を備えるように構成したので、半導体センサが直接放射線を検知したときの信号とシンチレータを介して間接的に検知したときの信号の識別精度を高めることが可能であり、さらにパルス幅分析器の第1のウィンドウおよび第2のウィンドウにより、正規の信号よりパルス幅の小さいものおよび大きいものをノイズとして排除できるなど測定精度を向上できる効果がある。 【0099】この発明によれば、半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、その弁別結果と、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス波高の弁別結果とをもとに、シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段を備えるように構成したので、前記半導体センサが低エネルギーの放射線を検知する際のバックグラウンドを排除しながら、前記半導体センサが検知した低エネルギーの放射線と前記シンチレータが検知した高エネルギー放射線とを精度良く測定できる効果がある。 【0100】この発明によれば、放射線が入射する入射面側に配置されたシンチレータと、前記シンチレータの裏面側に配置されている半導体センサとを備えるように構成したので、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅やパルス波高をもとに、エネルギー分解能の低下、放射線モニタの検出感度の低下を回避して、測定精度を向上できる効果がある。 【0101】この発明によれば、放射線が入射する入射面側に配置された半導体センサと、前記半導体センサの裏面側に配置されているシンチレータとを備えるように構成したので、前記半導体センサで低エネルギーの放射線を検知したときのバックグラウンドカウントを排除でき、低エネルギーの放射線について測定精度を向上できる効果がある。 【0102】この発明によれば、半導体センサの検知体として化合物半導体を使用するように構成したので、低エネルギーの放射線を高い感度で高精度で側定できる効果がある。 【0103】この発明によれば、半導体センサの検知体としてCdTeまたはCdZnTeを使用するように構成したので、低エネルギーの放射線を高い感度で高精度で側定できる効果がある。 【0104】この発明によれば、半導体センサとシンチレータなどから構成される放射線センサの健全性を確認するための放射線センサ健全性確認手段を備えるように構成したので、欠側を発生させずに放射線センサの健全性を容易に確認できる効果がある。 【0105】この発明によれば、シンチレータに設けられ、光パルスを入射するための光パルス入射窓と、該光パルス入射窓へ前記光パルスを入射する光パルス発生器とを放射線センサ健全性確認手段が備えるように構成したので、前記光パルス発生器により欠側を発生させずに放射線センサの健全性を容易に確認できる効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066474 【弁理士】 【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194460(P2001−194460A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−1859(P2000−1859) |
|