| 【発明の名称】 |
車両周辺監視装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】浅山 嘉明
|
| 【要約】 |
【課題】自車両の周辺環境の変化に対応した監視が可能であり、他車両の周辺監視装置との干渉を避けることが可能な車両周辺監視装置を得る。
【解決手段】車両1の前方を監視するレーダ式監視手段2と光学式監視手段4と、車両1の後方を監視するレーダ式監視手段6と光学式監視手段8と、車両1の両側面を監視するレーダ式監視手段16ないし19と光学式監視手段10および13と、これらの各監視手段と各監視手段による監視領域とを選択する監視内容選択手段29と、この監視内容選択手段29に車両周辺の環境条件を検知して伝達する環境条件検出手段25と、監視内容選択手段29に車両1の運転状態を検知して伝達する運転状態検出手段26とを備え、車両1の周辺環境条件と運転状態とに応じて監視領域とこの監視領域を監視する監視手段とが選択されるようにしたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の前方を監視するレーダ式監視手段と光学式監視手段、前記車両の後方を監視するレーダ式監視手段と光学式監視手段、前記車両の両側面を監視するレーダ式監視手段と光学式監視手段、これらの各監視手段と各監視手段による監視領域とを選択する監視内容選択手段、この監視内容選択手段に前記車両周辺の環境条件を検知して伝達する環境条件検出手段、前記監視内容選択手段に前記車両の運転状態を検知して伝達する運転状態検出手段を備え、前記車両の周辺環境条件と運転状態とに応じて監視領域とこの監視領域を監視する監視手段とが選択されるように構成したことを特徴とする車両周辺監視装置。 【請求項2】 監視内容選択手段に対する入力手段として、運転者が環境条件を入力する環境条件入力手段と、監視領域を指定する監視領域指定手段とを付加したことを特徴とする請求項1に記載の車両周辺監視装置。 【請求項3】 車両の前方を監視するレーダ式監視手段と車両の後方を監視するレーダ式監視手段とが、電磁波またはレーザを媒体とするレーダ式監視手段と、超音波を媒体とするレーダ式監視手段との二種類の監視手段で構成されたことを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載の車両周辺監視装置。 【請求項4】 車両の走行速度が所定値を越えたとき、超音波を媒体とするレーダ式監視手段が選択されないように構成したことを特徴とする請求項1、または、請求項3に記載の車両周辺監視装置。 【請求項5】 車両の前進時には前方の監視領域が選択され、後進時には後方の監視領域が選択されるように構成したことを特徴とする請求項1、または、請求項3に記載の車両周辺監視装置。 【請求項6】 選択された監視領域の照度が所定の値以下の場合には光学式監視手段が選択されないように構成したことを特徴とする請求項1、または、請求項5に記載の車両周辺監視装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、道路の環境条件や運転状況に応じて監視手段と監視領域とを選択的に切り替える車両周辺監視装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両に搭載される周辺監視装置としては、超音波や電磁波などを媒体とするレーダ方式の監視装置、および、イメージセンサなどを使用する光学式の監視装置などがあり、これらの監視装置を用いて走行車両の前方や後方、または、側方に存在する障害物や走行車両を監視する技術は従来より多数開示されている。これらの従来技術の内、超音波や電磁波による車両周辺監視装置は、例えば特公昭55ー15337号公報や実公平1ー12221号公報などに開示されているように、超音波や電磁波を前方や後方、または、側方に出射して障害物からの反射波を検知し、障害物や走行車両を検出すると共に、障害物や走行車両までの距離や位置を計測するものである。 【0003】また、光学式の車両周辺監視装置としては、特公平8ー27187号公報や、特許番号第2887039号などに開示されているように、イメージセンサを使用した立体視カメラと画像処理とにより、自車両が走行している車線の前方や後方の走行車両や障害物を検知してその距離と位置とを検出し、自車両の走行に対する障害になり得るかどうかを判断させるものであり、このようなイメージセンサによる光学式の車両周辺監視装置は、上記の他にも、例えば特公昭63ー38085号公報など、多数の技術が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】これら、従来に開示されているような車両周辺監視装置を使用して自車両周辺の障害物、例えば、前方走行車両や後続車両、あるいは、側方に存在する車両を検出する場合、車両周辺の環境条件によっては確実な検出ができず、危険の予知ができない場合があった。例えば、光学式の車両周辺監視装置では濃霧の中の走行であるとか、車両の前方から日光が射し込むような状態では前方障害物の確認は充分にその機能が発揮できず、また、超音波レーダによる車両周辺監視装置では高速走行中の風音や雨天時の雨滴が測定精度に障害を与えるものである。さらに、超音波や電磁波レーダによる車両周辺監視装置では自車両の周辺を走行する他の車両に搭載された車両周辺監視装置から発射された超音波や電磁波との干渉が発生することがあり、障害物検出機能が阻害されるという問題があった。 【0005】この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、自車両の周辺環境の変化に対応した監視が可能であり、他車両の周辺監視装置との干渉を避けることが可能な車両周辺監視装置を得ることを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明に係わる車両周辺監視装置は、車両の前方を監視するレーダ式監視手段と光学式監視手段と、車両の後方を監視するレーダ式監視手段と光学式監視手段と、車両の両側面を監視するレーダ式監視手段と光学式監視手段と、これらの各監視手段と各監視手段による監視領域とを選択する監視内容選択手段と、この監視内容選択手段に車両周辺の環境条件を検知して伝達する環境条件検出手段と、監視内容選択手段に車両の運転状態を検知して伝達する運転状態検出手段とを備え、車両の周辺環境条件と運転状態とに応じて監視領域とこの監視領域を監視する監視手段とが選択されるように構成したものである。 【0007】また、監視内容選択手段に対する入力手段として、運転者が環境条件を入力する環境条件入力手段と、監視領域を指定する監視領域指定手段とを付加したものである。さらに、車両の前方を監視するレーダ式監視手段と車両の後方を監視するレーダ式監視手段とが、電磁波またはレーザを媒体とするレーダ式監視手段と、超音波を媒体とするレーダ式監視手段との二種類の監視手段により構成されるようにしたものである。 【0008】さらにまた、車両の走行速度が所定値を越えたとき、超音波を媒体とするレーダ式監視手段が選択されないように構成したものである。また、車両の前進時には前方の監視領域が選択され、後進時には後方の監視領域が選択されるように構成したものである。さらに、選択された監視領域の照度が所定の値以下の場合には光学式監視手段が選択されないように構成したものである。 【0009】 【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1の車両周辺監視装置の監視センサ配置図、図2は制御装置の構成を示すブロック図、図3、ないし、図5は動作を説明する説明図である。図において、1は車両周辺監視装置を搭載する車両、2は車両1の前部に搭載され、前方の監視領域3を監視する例えば電磁波による第一レーダ式監視装置、4は車両1の車室内前部に搭載され、前方の監視領域5を監視する立体視カメラなどの第一光学式監視装置であり、監視領域5は監視領域3と重複するように構成されている。6は車両1の後部に搭載され、後方の監視領域7を監視する例えばレーザによる第二レーダ式監視装置、8は車両1の車室内後部に搭載され、後方の監視領域9を監視する立体視カメラなどの第二光学式監視装置であり、監視領域9は監視領域7と重複するように構成されている。 【0010】10は車両1の左側サイドミラー11に設けられ、左側方の監視領域12を監視する立体視カメラなどの第三光学式監視装置、13は車両1の右側サイドミラー14に設けられ、右側方の監視領域15を監視する立体視カメラなどの第四光学式監視装置、16と17とは車両1の左側面の前後方向に配列された例えば超音波による第三レーダ式監視装置、18と19とは車両1の右側面の前後方向に配列された例えば超音波による第四レーダ式監視装置で、第三レーダ式監視装置16、17は第三光学式監視装置10の監視領域12とは重複した監視領域を持ち、第四レーダ式監視装置18、19は第四光学式監視装置13の監視領域15とは重複した監視領域を持っている。20と21とは車両1の前部に設けられ、前方の近距離領域を監視する超音波による第五レーダ式監視装置、22と23とは車両1の後部に設けられ、後方の近距離領域を監視する超音波による第六レーダ式監視装置である。 【0011】24はこれら各レーダ式監視装置や各光学式監視装置を制御し、条件に応じて監視装置の切り換えを行う制御装置であり、図2に示すように、環境条件検出手段25と、運転状態検出手段26と、環境条件入力手段27と、監視領域指定手段28と、監視内容選択手段29とから構成されている。環境条件検出手段25は車両1が走行する道路形状や気象条件、あるいは、路面の照度などの環境条件を検出し、運転状態検出手段26は車両1の走行速度や進行方向、あるいは、運転者の操作状況などを検出する。環境条件入力手段27は環境条件検出手段25が検出できない環境条件、例えば、渋滞状況や降雪状況などを音声やスイッチ操作などで入力するものであり、監視領域指定手段28は運転者が特に監視したい領域を音声やスイッチ操作などにより入力するものである。監視内容選択手段29はこれらの各検出手段や入力手段からの信号を入力し、監視領域の選択や各監視装置の動作の切換や選択を行うように構成されている。 【0012】図3は、このような車両周辺監視装置を搭載した車両1と後続車両30とが前後して例えば高速道路などを走行している状態を示すものである。この状態では監視内容選択手段29は運転状態検出手段26や図示しないナビゲーションなどからの信号により高速道路を走行していることを検出し、風音による妨害を受けやすい超音波による第三レーダ式監視装置16と17、第四レーダ式監視装置18と19、第五レーダ式監視装置20と21、第六レーダ式監視装置22と23の動作を停止すると共に、後方監視用の第二レーダ式監視装置も動作を停止して不要なレーザー光の放射を防止し、前方監視は第一レーダ式監視装置2と第一光学式監視装置4とにより多重監視して前方監視の信頼性を向上させ、後方と側方との監視は各光学式監視装置8、10、13による監視に絞って他車装置との干渉を避ける。 【0013】このような走行状態において、運転状態検出手段26が制動操作を検出した場合には、監視内容選択手段29は後方監視用の第二レーダ式監視装置6を動作せしめ、第二光学式監視装置8と共に多重監視に切り替えて後続車両30の異常接近などの監視機能を強化する。また、夜間走行時には後方の路面照度が低下したり後続車両30の前照灯が直接第二光学式監視装置8に照射され、第二光学式監視装置8の監視機能が低下するので、環境条件検出手段25の路面照度検知により監視内容選択手段29は第二光学式監視装置8の動作を停止して後方監視を第二レーダ式監視装置6のみに切り替え、信頼性の低下を防止する。 【0014】車両1が走行中に正面からの直射日光が入射するような場合には第一光学式監視装置4の検知能力が低下するため、環境条件検出手段25の出力、もしくは、環境条件入力手段27の操作により第一光学式監視装置4の動作は停止され、前方監視は第一レーダ式監視装置2のみに切り替えられ、直射日光の入射がなくなれば再び第一光学式監視装置4との多重監視が行われる。また、濃霧の発生時には運転者が環境条件入力手段27を操作して第一光学式監視装置4の動作を停止し、霧の影響を受けない電磁波式の第一レーダ式監視装置2のみにより前方監視が行われる。車両1が右側車線に車線変更する場合には、運転者による環境条件入力手段27の操作、または、ターンシグナルの動作に伴い左方監視用の第三光学式監視装置10が停止され、右方監視用の第四光学式監視装置13の情報のみが表示されて右方の視認性を向上させる。 【0015】図4は、この発明による車両周辺監視装置を搭載した車両1が車庫入れ操作を行うときの状態を示すもので、運転状態検出手段26が後進操作を検出すると監視内容選択手段29は、第二レーダ式監視装置6と、第二光学式監視装置8と、第三光学式監視装置10と、第四光学式監視装置13とを動作せしめ、さらに近距離障害物の検知に第三レーダ式監視装置16および17と、四レーダ式監視装置18および19と、第六レーダ式監視装置22および23とを動作させ、その他の監視装置は停止させる。なお、この動作は後進操作により行われるため縦列駐車の場合にも同様の監視状態とすることができる。 【0016】また、車両1が車庫31から出車するとき、あるいは、駐車状態から発進するときには、運転状態検出手段26が車速とギヤ位置とを検知して第三レーダ式監視装置16および17と、四レーダ式監視装置18および19と、第五レーダ式監視装置20および21と、第三光学式監視装置10と、第四光学式監視装置13とを動作せしめ、その他の監視装置は停止させて監視領域が前方と側方とに絞られる。このとき、必要に応じて運転者が監視領域指定手段28を操作することにより、第一レーダ式監視装置2と第一光学式監視装置4とを動作させ、前方障害物を確認することができる。 【0017】以上の動作を図5にて説明すると、車両1のエンジンが始動すればこのフローチャートのルーチンがスタートし、ステップ101にて監視内容選択手段29が環境条件検出手段25からの信号を読み込み、続いてステップ102にて運転状態検出手段26の信号を読み込む。さらに、ステップ103にて環境条件入力手段27の入力信号を読み込み、ステップ104にて監視領域指定手段28の入力情報を読み込んで、ステップ105にて監視内容選択手段29が予めプログラムされた手順、および、環境条件入力手段27と監視内容選択手段29との指令に従って監視領域を選択すると共に、選択された監視領域に必要な監視装置を動作させる。この動作は所定の時間間隔で繰り返され、条件の変化に対して常に適正な監視状態が選択される。 【0018】なお、以上の説明では第一レーダ式監視装置2を電磁波レーダとし、第二レーダ式監視装置6をレーザレーダとしたが、逆に第一レーダ式監視装置2をレーザレーダとし、第二レーダ式監視装置6を電磁波レーダとすることができ、また、第三レーダ式監視装置16および17と、第四レーダ式監視装置18および19と、第五レーダ式監視装置20および21と、第六レーダ式監視装置22および23とを超音波レーダとしたが、第一レーダ式監視装置2とは周波数帯域の異なる電磁波レーダとすることもできる。さらに、複数の同一媒体によるレーダは相互間の周波数を異なる帯域とすることにより相互干渉を防止することができる。 【0019】 【発明の効果】以上に説明したようにこの発明の車両周辺監視装置によれば、車両の前後と両側面とに設けた各種の監視装置と、各監視装置を制御する制御装置に、道路形状や気象条件、あるいは、路面照度を検出する環境条件検出手段と、走行速度や運転者の操作状況などを検出する運転状態検出手段と、運転者が選択入力できる環境条件入力手段と監視領域指定手段とを設け、環境条件や走行条件に応じて監視領域と監視手段との切換ができるようにしたので、不要な検知情報や誤検出情報を排除し、必要方向には多重監視を行って情報の信頼性を高めることができ、さらに、監視装置が放射する電磁波や超音波を抑制して周辺機器に対する干渉を低減することが可能となり、的確に運転支援することのできる車両周辺監視装置を得ることができるものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】595047112 【氏名又は名称】総合自動車安全・公害技術研究組合
|
| 【出願日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073759 【弁理士】 【氏名又は名称】大岩 増雄
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194457(P2001−194457A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−6680(P2000−6680) |
|