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【発明の名称】 レーダ装置
【発明者】 【氏名】福島 冬樹

【氏名】辻道 信吾

【氏名】小菅 義夫

【要約】 【課題】2次元のレンジセルを移動する目標の有無を判定する目標検出性能を向上したレーダ装置を得ること。

【解決手段】レーダ装置の目標判定手段が、信号処理系7から出力された2次元レンジセル領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出処理を行い、目標の有無を判定することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理手段と、上記信号処理手段からの出力を基に目標の存否の判定を行う目標判定手段とを有するレーダ装置であって、上記目標判定手段が、上記信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】 目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理手段と、上記信号処理手段からの出力を基に目標の存否の判定を行う目標判定手段とを有するレーダ装置であって、上記目標判定手段が、上記信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、上記ゲート中心に最も近い目標信号成分を選択して上記ゲート中心の再設定処理を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とするレーダ装置。
【請求項3】 目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理手段と、上記信号処理手段からの出力を基に目標の存否の判定を行う目標判定手段とを有するレーダ装置であって、上記目標判定手段が、上記信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、それらの目標信号成分のうち最も信号電力値が大きいものを選択して、上記ゲート中心の再設定処理を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とするレーダ装置。
【請求項4】 目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理手段と、上記信号処理手段からの出力を基に目標の存否の判定を行う目標判定手段とを有するレーダ装置であって、上記目標判定手段が、上記信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が存在しないときは、上記ゲート中心の再設定処理は行わず、ゲート半径を初期値より所定値だけ大きく再設定を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とするレーダ装置。
【請求項5】 目標判定手段における、初期ゲートの設定を、ゲート中心を目標信号検出処理の初回の目標信号成分に基づき、ゲート半径を目標の最大速度、 最大加速度を想定した目標の予測移動距離に基づき行うことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項6】 目標判定手段における、初期ゲートの設定を、ゲート中心を目標信号検出処理の初回の目標信号成分に基づき、ゲート半径を目標の最大速度、最大加速度を想定した目標の予測移動距離に基づき行うことを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
【請求項7】 目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理手段と、上記信号処理手段からの出力を基に目標の存否の判定を行う目標判定手段とを有するレーダ装置であって、上記目標判定手段が、上記信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、上記ゲート内に所定回数連続して目標信号成分が検出されなかった場合、そのゲートを棄却して、目標信号成分が残存ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、 所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とするレーダ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、目標判定手段を備えたレーダ装置に関するもので、特に目標検出性能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は従来のN中M検出回路を有するレーダ装置を示す構成ブロツク図である。図において、1は送信アンテナ、2は送信ビームを形成する送信機、3は受信アンテナ、4は帯域制限、位相検波、増幅を行なう受信機、5は受信機4の出力信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、6はA/D変換器5の出力信号を距離ごとの受信信号に分配する測距回路、7は測距回路6により距離ごとに分割された受信信号から目標を検出する信号処理系、21は信号処理系7の出力から目標の存否を判定するN中M検出回路である。
【0003】上記測距回路6について図17を参照して説明する。図において、送信パルス幅をpw[秒]、パルス繰返し周波数(Pulse RepetitionFrequencyを以下、PRFと呼ぶ)をT[秒]とする時、距離Npw/2c(c:光速)に存在する目標からの反射信号はNpwの遅れ時間で受信される。そこで、距離ごとに受信信号を分配するため、A/D変換器5によりサンプリングされた信号をpwごとにずらし、以降、T間隔でサンプリングを行うことで、距離ごとの観測データに並べ換え、距離ごとに観測データを信号処理系7に伝達する。次に、図18は信号処理系7の内部構成ブロツク図である。図において、8は測距回路6の出力信号の信号対雑音電力比を改善し、周波数成分にセル単位で分割するコヒーレント積分回路、9はコヒーレント積分回路8の出力信号について検波を行なう検波回路、10は検波回路9から出力されるコヒーレント処理(Coherent Processing Intervalを以下、CPIと呼ぶ)単位で処理された信号を蓄える動作を所定回数N繰り返した後、蓄えていた信号を出力するメモリ回路、11はメモリ回路10から出力された信号について、N個の同一のドップラーセルについて和をとり、その結果を出力するインコヒーレント積分回路、12はインコヒーレント積分回路11から出力された信号について、受信機雑音を目標信号と誤って判定する誤警報確率を基に設定されたスレッショルドと比較し、スレッショルドを越えた信号成分のみ通過させるスレッショルド回路、13は先立つ時間に所定回数の目標信号検出処理(Signal Processing Intervalを以下、適宜SPIと略す)の結果をスレッショルド回路12aから伝達され蓄えておくメモリ回路である。21は同一のレンジセルについて、所定回数NのSPIの間に目標有りと判定された回数が所定数M以上の場合に目標信号ありの判定するN中M検出回路である。図19は、M.I.Skolnic“Radar Handbook”,McGraw-Hill,P15-14(1990)に示されたN中M検出回路の内部構成ブロック図である。図において、12aはスレッショルド回路、22は上記スレッショルド回路12aを通過した信号の個数を数える加算回路、23は加算回路から出力された数が所定値以上の場合、目標ありの判定を行なう比較回路である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーダ装置は上記のように構成されていて、所定回数NとしてNSPIの間、同一レンジセルに目標信号成分が存在することを前提として、注目レンジを設定し、そのレンジセルについてN中M検出を行っていた。そのため、時間と共に2次元レンジセルを移動する目標については、注目レンジセルに存在するSPIの間のみ、目標が検出される状況となり、注目レンジセルにおける目標の検出回数が減少し、目標検出確率が劣化するという問題があった。
【0005】この発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、ゲートを設定し、時間と共に2次元レンジセルを移動する目標を調べ、目標の有無を判定する目標判定手段を備え、目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を達成するために、請求項1に係わるレーダ装置の目標判定手段が、前段の信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とする。
【0007】また、請求項2に係わるレーダ装置の目標判定手段が、前段の信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、上記ゲート中心に最も近い目標信号成分を選択して上記ゲート中心の再設定処理を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とする。
【0008】また、請求項3に係わるレーダ装置の目標判定手段が、前段の信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、それらの目標信号成分のうち最も信号電力値が大きいものを選択して、上記ゲート中心の再設定処理を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とする。
【0009】また、請求項4に係わるレーダ装置の目標判定手段が、前段の信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が存在しないときは、上記ゲート中心の再設定処理は行わず、ゲート半径を初期値より所定値だけ大きく再設定を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とする。
【0010】また、請求項5に係わるレーダ装置は、請求項1記載のレーダ装置の目標判定手段における初期ゲート設定が、ゲート中心を目標信号検出処理の初回の目標信号成分に基づき、ゲート半径を目標の最大速度、最大加速度を想定した目標の予測移動距離に基づき行うことを特徴とする。
【0011】また、請求項6に係わるレーダ装置は、請求項2記載のレーダ装置の目標判定手段における初期ゲート設定が、ゲート中心を目標信号検出処理の初回の目標信号成分に基づき、ゲート半径を目標の最大速度、最大加速度を想定した目標の予測移動距離に基づき行うことを特徴とする。
【0012】また、請求項7に係わるレーダ装置の目標判定手段が、前段の信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、上記ゲート内に所定回数連続して目標信号成分が検出されなかった場合、上記ゲートを棄却して、目標信号成分が残存ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、 所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1を示す構成ブロック図である。図において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は、従来と同様とする。目標判定回路14は、上記信号処理系7から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定する。
【0014】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。目標は、時間と共に距離と受信ビームの方向からなる2次元レンジセル領域を移動するため、時間的な移動を考慮した目標信号検出処理を行なう。具体的には、各信号処理系7のメモリ回路13から出力されたNSPI分のデータの、1SPI目において得られた目標信号成分に基づいて、2次元レンジセル領域にゲート中心を設定し、ゲート半径は目標の想定速度を参照して設定し、2SPI目以降NSPI目まで、上記の設定されたゲート内に目標信号成分が少なくとも1つ存在する発生回数を調べて目標判定を行なう。
【0015】図3は図1の目標判定回路14の動作を説明するフローチャートである。図3において、(f1−2で)、 参照するSPI数N、目標判定の基準となる目標検出回数Mを設定する。(f1−3からf1−4で)、各信号処理系7から出力されたNSPI分のデータのうち、1SPI目において得られた目標信号成分によりゲート中心、目標の想定速度を参照してゲート半径を求め、2次元レンジセル領域にゲートを設定し(図2を参照)、ゲートに番号をつける。(ゲート番号j=1、2、…、L)(f1−5からf1−11で)、各ゲート番号について、NSPIの間にゲート内に少なくとも1つ目標信号成分が存在した場合の回数を調べる。その回数をnjとする(j:ゲート番号)。(f1−12で)、nj≧Mとなる場合、ゲート番号jに目標ありの判定を行なう。
【0016】以上のように、実施の形態1によれば、目標判定回路が、信号処理系から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、そのゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、レンジセルを移動する目標についても目標検出が可能となる。
【0017】実施の形態2.図4は、この発明の実施の形態2を示す構成ブロック図である。図において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は、従来と同様とする。目標判定回路15は、前段の信号処理系7から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、上記ゲート中心に最も近い目標信号成分を選択して上記ゲート中心の再設定処理を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定する。
【0018】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。目標判定回路15では、それぞれの距離に応じた信号処理系7から伝達された結果を基に目標信号検出処理を行なう。目標は時間と共に距離と受信ビーム方向の2次元レンジセル上を移動するため、目標速度を考慮したゲートを用いて目標信号検出処理を行なう。
【0019】図5は図4の目標判定回路15の動作を説明するフローチャートである。図において、(f2−2で)、 参照するSPI数N、目標判定の基準となる目標検出回数Mを設定する。(f2−3からf2−4で)、信号処理系7から出力された2次元レンジセル領域に初期ゲートを設定する。ゲート中心は1SPI目の目標信号成分を基に、ゲート半径は目標の想定速度を基に設定される。各ゲートに番号をつける。(ゲート番号=1、2、…、L)。(f2−5からf2−11で)、ゲート内にNSPIの間に各信号処理系7から伝達された目標信号成分が少なくとも1つ存在した場合の回数を調べる。この時、(f2−7で)、iSPIにおけるj番目のゲート内に信号成分が存在したときに、j番目のゲート中心の再設定処理を行なう。具体的には、ゲート内に各信号処理系7から伝達された信号成分が存在したとき、ゲート中心に最も近い信号成分zmを選択し、ゲート中心の目標に対応する目標信号成分として選択する。次式によりゲート中心の再設定処理を行なう。
【0020】
【数1】

【0021】再設定処理したゲートを、次のSPI即ち、(i+1SPI)におけるj番目のゲートの中心として設定する。(f2−12で)、nj≧Mとなるゲート番号について目標ありの判定を行なう。
【0022】以上のように、実施の形態2によれば、目標判定回路が、目標移動量を考慮してゲート中心を再設定して、目標信号検出処理を行い、最終的に各ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、移動する目標信号成分がゲート内に存在する確率が高くなるため、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなり、結果的に目標検出性能を向上することができる。
【0023】実施の形態3.図6は、この発明の実施の形態3を示す構成ブロック図である。図において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は、従来と同様とする。目標判定回路16は、前段の信号処理系7から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、それらの目標信号成分のうち最も信号電力値が大きいものを選択して、上記ゲート中心の再設定処理を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定する。
【0024】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。
【0025】図7は図6の目標判定回路16の動作を説明するフローチャートである。図において、(f2−2で)、 参照するSPI数N、目標判定を行なう際の基準となる目標検出回数Mを設定する。(f2−3からf2−4で)、信号処理系7から出力された2次元レンジセル領域に初期ゲートを設定する。ゲート中心は1SPI目の目標信号成分を基に、ゲート半径は目標の想定速度を基に設定される。各ゲートに番号をつける。(ゲート番号=1、2、…、L)。(f2−5からf2−11で)、各ゲート内にNSPIの間に各信号処理系7から伝達された目標信号成分が少なくとも1つ存在した場合の回数を調べる。この時、(f2−7aで)、iSPIにおけるj番目のゲート内に信号成分が存在したときに、ゲート中心の更新を行なう。具体的には、ゲート内に各信号処理系7から伝達された信号成分が存在したとき、信号電力値が最大となる信号成分を選択する。式(1)によりゲート中心の更新処理を行なう。
【0026】以上のように、実施の形態3によれば、目標判定回路が、目標移動量を考慮してゲート中心を再設定して、目標信号検出処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が複数存在するときは、目標信号成分の電力値が最大のものを選択して上記ゲート中心を再設定して、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に各ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、移動する目標信号成分がゲート内に存在する確率が高くなるため、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなり、結果的に目標検出性能を向上することができる。
【0027】実施の形態4.図8は、この発明の実施の形態4を示す構成ブロック図である。図において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は、従来と同様とする。目標判定回路17は、上記信号処理系7から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降は目標の移動量を基にゲート中心の再設定処理を行い、このとき、ゲート内に目標信号成分が存在しないときは、上記ゲート中心の再設定処理は行わず、ゲート半径を初期値より所定値だけ大きく再設定を行い、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、最終的に、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定する。目標判定回路15では、ゲート内に信号成分が存在せず、ゲート中心の更新を行わない場合、ゲート半径は固定されているが、本形態の目標判定回路15では、その場合、ゲート半径を大きくする。
【0028】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。
【0029】図9は図8の目標判定回路17の動作を説明するフローチャートである。目標判定回路17は、目標判定回路15と同様に、図5の(f2−1からf2−6で、)は同様に動作し、ゲート内に存在する信号成分を検出する。ゲート内に目標信号成分が存在しない場合は、次式によりゲート半径を更新する。
【0030】
【数2】

【0031】以降は実施の形態2と同様に動作する。目標が距離と受信ビームの方向の2次元レンジセル上を移動しているため、あるSPIにおいてゲート内に信号成分が検出されない失検出が生じたとき、次のSPIにおいてゲート半径は、時間とともに大きくなる。
【0032】以上のように、実施の形態4によれば、目標判定回路が、ゲート内に目標信号成分が存在せず失検出が発生した場合、ゲート半径を所定の大きな値に再設定して、目標信号検出処理を行い、各ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、目標信号成分がゲートからはずれている状況に対応できるため、結果的に目標検出性能を向上することができる。
【0033】実施の形態5.図10は、この発明の実施の形態5を示す構成ブロック図である。図において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は、従来と同様とする。目標判定回路18は、初期ゲートの設定を、ゲート中心を目標信号検出処理の初回の目標信号成分に基づき、ゲート半径を目標の最大速度、最大加速度を想定した目標の予測移動距離に基づき行うものである。
【0034】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。
【0035】図11は図10の目標判定回路18の動作を説明するフローチャートである。目標判定回路18では、次式により初期ゲート設定におけるゲート半径を定める。
【0036】
【数3】

【0037】以降は実施の形態の形態1と同様に動作する。
【0038】以上のように、実施の形態5によれば、レーダ装置の目標判定回路の初期ゲート設定において、ゲート半径を目標の最大速度及び最大加速度を想定し所定時間における目標の予測移動距離に基づき行うことにより、移動する目標信号成分が上記ゲート内に存在する確率が高くなり、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなる。
【0039】実施の形態6.図12は、この発明の実施の形態6を示す構成ブロック図である。図において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は、従来と同様とする。目標判定回路19は、実施の形態2の信号処理系7における、初期ゲートの設定を、ゲート中心を目標信号検出処理の初回の目標信号成分に基づき、ゲート半径を目標の最大速度、最大加速度を想定し所定時間における目標の予測移動距離に基づき行うものである。
【0040】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。
【0041】図13は図12目標判定回路19の動作を説明するフローチャートである。目標判定回路19では、次式により初期ゲート設定におけるゲート半径を定める。
【0042】
【数4】

【0043】以降は実施の形態2と同様に動作する。
【0044】以上のように、実施の形態6によれば、レーダ装置の目標判定回路の初期ゲート設定において、ゲート半径を目標の最大速度及び最大加速度を想定し所定時間における目標の予測移動距離に基づき行うことにより、ゲート中心の再設定に対して、移動する目標信号成分が上記ゲート内に存在する確率が高くなり、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなる。
【0045】実施の形態7.図14は、この発明の実施の形態7を示す構成ブロック図である。図14において、送信アンテナ1、送信機2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、測距回路6、信号処理系7は従来と同様である。目標判定回路20は、上記信号処理系7から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、上記ゲート内に所定回数連続して目標信号成分が検出されなかった場合、そのゲートを棄却して、目標信号成分が残存ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、 所定値Mと比較するN中M検出を行い、目標の有無を判定する。
【0046】次に動作について説明する。目標から反射した電波を受信して得た受信信号について、信号対雑音電力比を改善し、目標信号を通過させ、目標検出確率を向上させる信号処理系までの動作は従来と同様である。
【0047】図15は図14目標判定回路20の動作を説明するフローチャートである。目標判定回路20は目標判定回路14と同様にf1−1からf1−6の動作を行なう。目標判定回路20では、f1−7において信号成分の存在した回数njの他に、連続して目標信号成分の検出されなかった回数を調べ、所定の回数連続して目標信号成分が得られなかった場合に、そのゲートを棄却する。以降はそのゲート番号は選択しないようにし、実施の形態1の目標判定回路14と同様に動作する。
【0048】以上のように、実施の形態7によれば、レーダ装置の目標判定回路のゲート内に所定時間連続して目標信号成分が存在しない場合は、そのゲートを棄却し、残存ゲートで目標信号検出処理を行い、ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、雑音成分を基に設定した確率が高いゲートを棄却した分、効率よく目標信号検出処理を行なうことができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によれば、目標判定手段が、信号処理手段から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、所定回数Nの目標信号検出処理を行い、目標信号成分が上記ゲート内に少なくとも1つ存在した回数を求め、所定値Mと比較するN中M検出処理を行うことにより、レンジセルを移動する目標についても目標検出が可能となり、目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることができる。
【0050】また、請求項2に係る発明によれば、目標判定手段が、各信号処理系から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降目標速度を考慮してゲート中心を再設定して、目標信号検出処理を行い、上記ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、移動する目標信号成分が上記ゲート内に存在する確率が高くなるため、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなるため、目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることができる。
【0051】また、請求項3に係る発明によれば、目標判定手段が、各信号処理系から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降ゲート内に複数の目標信号成分が存在した場合、目標信号成分の電力値が最大のものを選択してゲート中心を再設定して、目標信号検出処理を行い、上記ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、正しい目標信号成分が選択される確率が高くなり目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることができる。
【0052】また、請求項4に係る発明によれば、目標判定手段が、各信号処理系から出力された2次元レンジセルの領域に、初期ゲートを設定し、以降ゲート内に目標信号成分が存在せず失検出が発生した場合、上記ゲート半径を所定の大きな値に再設定して、目標信号検出処理を行い、上記ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、目標信号成分がゲートからはずれている状況を防止できるため、結果的に目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることができる。
【0053】また、請求項5に係る発明によれば、レーダ装置の目標判定手段の初期ゲート設定において、ゲート半径を目標の最大速度及び最大加速度を想定し所定時間における目標の予測移動距離に基づき行うことにより、移動する目標信号成分が上記ゲート内に存在する確率が高くなり、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなるため、目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることができる。
【0054】また、請求項6に係る発明によれば、レーダ装置の目標判定手段の初期ゲート設定において、ゲート半径を目標の最大速度及び最大加速度を想定し所定時間における目標の予測移動距離に基づき行うことにより、ゲート中心の再設定に対して、移動する目標信号成分が上記ゲート内に存在する確率が高くなり、また、他の目標信号成分との分離性能が高くなるため、目標検出性能を向上したレーダ装置を得ることができる。
【0055】また、請求項7に係る発明によれば、目標判定手段が、信号処理系から出力された2次元レンジセルの領域に、ゲートを設定し、以降ゲート内に所定時間連続して目標信号成分が存在しない場合は、そのゲートを棄却し、残存ゲートで目標信号検出処理を行い、各ゲート内に存在する目標信号成分について、N中M検出処理を行なうことにより、雑音成分を基に設定した確率が高いゲートを棄却した分、効率よく目標信号検出処理を行なうレーダ装置を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月12日(2000.1.12)
【代理人】 【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守 (外3名)
【公開番号】 特開2001−194452(P2001−194452A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−3976(P2000−3976)