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【発明の名称】 レーダ装置
【発明者】 【氏名】三島 哲生

【氏名】松田 庄司

【要約】 【課題】高速目標による大きなドップラ偏移を補正することにより、パルス圧縮特性の劣化を防ぎ、誤目標の低減および目標検出確率の向上ができるレーダ装置を得る。

【解決手段】安定化局部発振器6およびオフセット信号発生器7により対象とする目標3のドップラ偏移だけオフセットしたスタロー信号を発生し、周波数変換することにより、送信電波を該ドップラ偏移だけオフセットした周波数とする。目標3の移動にともなうドップラ偏移とこのオフセット量を相殺することにより、周波数特性のミスマッチを生じることなくパルス圧縮器13でパルス圧縮処理ができる構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送信パルスの周波数を変換し、そのパルス幅を伸張して電波として空間に放射し、目標で反射された電波の周波数を変換し、パルス圧縮して上記目標を検出するレーダ装置において、上記記目標のドップラ偏移分だけ上記送信パルスの送受信に関連した周波数をオフセットする第1の周波数オフセット手段を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】 上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項3】 上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のコヒーレント信号を発生するオフセット手段を有することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項4】 上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ中心周波数がオフセットされたディジタル・パルス伸長係数を発生するオフセット手段を有することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項5】 上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項6】 上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ中心周波数がオフセットされたパルス圧縮を行うオフセット手段を有することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項7】 送信パルスの周波数を変換し、そのパルス幅を伸張して電波として空間に放射し、速度の変化する目標で反射された電波の周波数を変換し、パルス圧縮して上記目標を検出するレーダ装置において、上記目標の複数の速度に対応したドップラ偏移分だけ上記送信パルスの送受信に関連した周波数をオフセットする第2の周波数オフセット手段を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項8】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系の複数のスタロー信号を発生し、上記複数のスタロー信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項9】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、送信系の基本スタロー信号に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項10】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系の複数のコヒーレント信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項11】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、送信系の基本コヒーレント信号に対し、上記目標のドップラ信偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項12】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされた複数のディジタル・パルス伸長係数を切換えながらパルス伸長に供するオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項13】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、ディジタル・パルス伸長器の基本係数に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項14】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた受信系の複数のスタロー信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項15】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、受信系の基本スタロー信号に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項16】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされたパルス圧縮を切換えるオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項17】 上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされた複数のディジタル・パルス圧縮係数を切換えながらパルス圧縮に供するオフセット手段を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
【請求項18】 ビームの指向方位または指向仰角またはその両方に基づき、対応する目標のドップラ偏移に対応するように、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載のレーダ装置。
【請求項19】 ビームの指向方位または指向仰角またほ目標の距離またはこれらの組合せに基づき、対応する目標のドップラ偏移に対応するように、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有することを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載のレーダ装置。
【請求項20】 目標の追尾結果から目標のドップラ偏移を予測し、該予測に基づき、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有することを特徴とする請求項8〜17のいずれかに記載のレーダ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーダ装置に関し、特に、高速目標を探知するパルス圧縮レーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は、従来のパルス圧縮レーダ装置の一例を示す機能系統図である。図において、1は送受信アンテナ、2はサーキュレータ、3は目標、4は大電力増幅器、5a〜5cはミキサー、6は安定化局部発振器(STALO)、8はパルス伸長器、9はコヒーレント発振器(COHO)、10は送信パルス発生器、11は低雑音増幅器、12は位相検波器、13はパルス圧縮器、14は移動目標検出器(MTI)、15は目標検出器である。
【0003】また、図20は、平成8年発行、電子情報通信学会編の「レーダ技術」に示されている直線状周波数変調方式のパルス圧縮レーダの説明図である。
【0004】次に動作について説明する。ここでは、パルス圧縮方式として直線状周波数変調方式によるパルス圧縮を例にとり説明する。送信パルス発生器10により生成されたパルス幅Tの矩形パルスは、コヒーレント発生器9により生成された周波数fcohoのコヒーレント信号とミキサー5aで混合されることにより、周波数fcohoの送信パルスとなる。この送信パルスは、図20(a)に示すような帯域幅△fの周波数変調を与えるパルス伸長器8により、図20(b)に示すような直線状周波数変調パルスとなる。この変調パルスは、安定化局部発振器6の発生する周波数foのスタロー信号と共にミキサー5bに供給されて搬送波周波数foまで周波数変換される。そして、周波数変換されたミキサー5bの出力は、大電力増幅器4により所要の増幅がされた後、サーキュレータ2を経て送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射される。
【0005】目標3で反射された受信電波は、送受信アンテナ1により受信され、サーキュレータ2を経て低雑音増幅器11で増幅される。この受信信号は安定化局部発振器6からの周波数foのスタロー信号と共にミキサー5cに供給されて周波数変換された後、コヒーレント発振器9からの周波数fcohoのコヒーレント信号と共に位相検波器12に供給されて位相検波される。位相検波器12の出力は、図20(c)に示すような周波数対遅延時間特性をもったパルス圧縮器13に入力される。すると、この入力信号は、パルス圧縮器13において、パルス内に順番に分散されていた周波数成分が1点に集中されて、図20(d)に示すような急竣なインパルス状になり、受信信号として出力される。このようにして、送信信号のパルス幅は長くても、受信機側では高分解能の受信信号が得られることになる。受信信号は移動目標検出器14および目標検出器15により目標検出され、図示しない指示器等に表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のパルス圧縮レーダ装置は上述のように構成されているので、以下のような問題点があった。即ち、従来のパルス圧縮レーダ装置においては、パルス伸長器とパルス圧縮器の周波数特性が一致するように構成されている。ところが、下記の式(1)に示す目標の偏移動にともなうドップラ偏移fdtが、受信信号に加わった場合は、受信信号のスペクトルとパルス圧縮器の周波数特性が一致せず、パルス圧縮処理においてミスマッチを生じる。
【0007】
f dt ≒ 2・vt/λ (1)ここで、vt:目標のレーダ装置に対する相対速度λ:送信電波の波長【0008】このミスマッチにより、例えばエム・スコリンク(M.Skolink)著「レーダ・ハンドブック」に記載されている図21に示すような圧縮後パルスのサイドローブの劣化や、図22に示すような圧縮後パルスの振幅の低下による信号対雑音比(S/N)の劣化、および検出目標のレンジずれが生じる。
【0009】図21および図22に示されるとおり、ドップラ偏移が大きいほど、つまり目標速度が大きいほどこれらの劣化は大きくなる傾向がある。従って、高速目標を対象とするパルス圧縮レーダ装置においては、圧縮後パルスのサイドローブの劣化による誤目標の増加、信号対雑音比の劣化による目標検出率の低下、および検出目標のレンジずれが生じるという問題点があった。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、高速目標による大きなドップラ偏移を補正することにより、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるレーダ装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るレーダ装置は、送信パルスの周波数を変換し、そのパルス幅を伸張して電波として空間に放射し、目標で反射された電波の周波数を変換し、パルス圧縮して上記目標を検出するレーダ装置において、上記記目標のドップラ偏移分だけ上記送信パルスの送受信に関連した周波数をオフセットする第1の周波数オフセット手段を備えたものである。
【0012】請求項2の発明に係るレーダ装置は、請求項1の発明において、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有するものである。
【0013】請求項3の発明に係るレーダ装置は、請求項1の発明において、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のコヒーレント信号を発生するオフセット手段を有するものである。
【0014】請求項4の発明に係るレーダ装置は、請求項1の発明において、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ中心周波数がオフセットされたディジタル・パルス伸長係数を発生するオフセット手段を有するものである。
【0015】請求項5の発明に係るレーダ装置は、請求項1の発明において、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有するものである。
【0016】請求項6の発明に係るレーダ装置は、請求項1の発明において、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ中心周波数がオフセットされたパルス圧縮を行うオフセット手段を有するものである。
【0017】請求項7の発明に係るレーダ装置は、送信パルスの周波数を変換し、そのパルス幅を伸張して電波として空間に放射し、速度の変化する目標で反射された電波の周波数を変換し、パルス圧縮して上記目標を検出するレーダ装置において、上記目標の複数の速度に対応したドップラ偏移分だけ上記送信パルスの送受信に関連した周波数をオフセットする第2の周波数オフセット手段を備えたものである。
【0018】請求項8の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系の複数のスタロー信号を発生し、上記複数のスタロー信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段とを有するものである。
【0019】請求項9の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、送信系の基本スタロー信号に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するものである。
【0020】請求項10の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系の複数のコヒーレント信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有するものである。
【0021】請求項11の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、送信系の基本コヒーレント信号に対し、上記目標のドップラ信偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するものである。
【0022】請求項12の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされた複数のディジタル・パルス伸長係数を切換えながらパルス伸長に供するオフセット手段を有するものである。
【0023】請求項13の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、ディジタル・パルス伸長器の基本係数に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するものである。
【0024】請求項14の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた受信系の複数のスタロー信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有するものである。
【0025】請求項15の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、受信系の基本スタロー信号に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するものである。
【0026】請求項16の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされたパルス圧縮を切換えるオフセット手段を有するものである。
【0027】請求項17の発明に係るレーダ装置は、請求項7の発明において、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされた複数のディジタル・パルス圧縮係数を切換えながらパルス圧縮に供するオフセット手段を有するものである。
【0028】請求項18の発明に係るレーダ装置は、請求項8〜13のいずれかの発明において、ビームの指向方位または指向仰角またはその両方に基づき、対応する目標のドップラ偏移に対応するように、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有するものである。
【0029】請求項19の発明に係るレーダ装置は、請求項14〜17のいずれかの発明において、ビームの指向方位または指向仰角またほ目標の距離またはこれらの組合せに基づき、対応する目標のドップラ偏移に対応するように、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有するものである。
【0030】請求項20の発明に係るレーダ装置は、請求項8〜17のいずれかの発明において、目標の追尾結果から目標のドップラ偏移を予測し、該予測に基づき、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を、パルス圧縮レーダ装置を例にとり、図について説明する。なお、以下の各実施の形態において、パルス圧縮方式として直線状周波数変換方式によるパルス圧縮を例にとり説明するが、位相変調方式等、他のパルス圧縮方式でも同様である。
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1を示す機能系統図である。図1において、図19と対応する部分には同一符号を付し、その重複説明を省略する。図において、5dはミキサー5bと安定化局部発振器6の間に設けられたミキサー、7はミキサー5dに対して対象とする目標3のドップラ偏移fdt相当の周波数を有するオフセット信号を供給するオフセット信号発生器である。なお、ミキサー5dとオフセット信号発生器7は第1の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、図19と同様である。
【0032】次に、動作について説明する。送信パルス発生器10により生成されたパルス幅Tの矩形パルスは、コヒーレント発振器9により生成された周波数fcohoのコヒーレント信号とミキサー5aで混合されることにより、周波数fcohoの送信パルスとなる。この送信パルスは、図19で説明した動作と同様に、図20(a)に示すような帯域幅△fの周波数変調を与えるパルス伸長器8により、図20(b)に示すような直線状周波数変調パルスとなる。
【0033】ところで、弾道軌道を描く目標等については、その速度Vtがある狭い範囲にあると予測できるので、対象とする目標のドップラ偏移fdtもあらかじめ予測できる。そこで、オフセット信号発生器7においてこのドップラ偏移fdtの周波数のオフセット信号を発生し、安定化局部発振器6により発生した周波数foの基本スタロー信号に対し、ミキサー5dで周波数変換する。オフセット信号発生器7において生成するオフセット信号の周波数を−fdtとする。
【0034】この結果、ミキサー5dの出力側には、実質的に周波数fo−fdtにオフセットされた送信系のスタロー信号が得られ、このスタロー信号がミキサー5bに供給されて、パルス伸長器8からの変調パルスを搬送波周波数fo−fdtまで周波数変換する。そして、ミキサー5bの出力は、大電力増幅器4により所要の増幅がされた後、サーキュレータ2を経て送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射される。この送信電波の周波数は予測した目標3のドップラ偏移分だけオフセットされたものである。送信電波は目標3で反射され、目標3の移動にともなうドップラ偏移fdtが加えられるが、あらかじめ与えていた送信電波の周波数オフセット量と相殺され、この結果反射された受信電波の周波数はfoとなり、この周波数foの受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0035】従って、送受信アンテナ1で受信された受信電波は、目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができる。つまり、サーキュレータ2を経て低雑音増幅器11で増幅され、安定化局部発振器6からの周波数foのスタロー信号と共にミキサー5cに供給されて周波数変換され、中心周波数fcoho、帯域軸△fの受信信号として、位相検波器12で位相検波された後、パルス圧縮器13に入力される。上述の如く、ドップラ偏移は既に相殺されているので、パルス圧縮器13に入力された信号は、図19で説明した動作と同様に、ミスマッチを生じることなくパルス内に順番に分散されていた周波数成分が1点に集中されて、急峻なインパルス状になる。このパルス圧縮器13からのインパルス状の受信信号は移動目標検出器14および目標検出器15により目標検出され、図示しない指示器等に表示される。斯くして、目標によるドップラ偏移にかかわらず、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0036】このように、本実施の形態では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、基本スタロー信号を周波数オフセットして送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することにより、送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0037】実施の形態2.なお、上記実施の形態1では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を周波数オフセットする場合を示したが、本実施の形態では送信系のコヒーレント信号の周波数をオフセットする場合である。図2は、この発明の実施の形態2を示す機能系統図である。図において、図1でミキサー5bと安定化局部発振器6の間に設けられたミキサー5dを、ミキサー5aとコヒーレント発振器9の間に設け、このミキサー5dに対して同様のオフセット信号発生器7を設ける。その他の構成は、図1と同様である。
【0038】次に、動作について説明する。実施の形態1と同様に、対象とする目標のドップラ偏移fdtがあらかじめ予測できる場合、オフセット信号発生器7においてこのドップラ偏移fdt相当の周波数のオフセット信号を発生し、コヒーレント発振器9により発生した周波数fcohoの基本コヒーレント信号に対し、ミキサー5dで周波数変換する。この周波数fcoho-fdtにオフセットされた送信系のコヒーレント信号をミキサー5aに供給し、送信パルス発生器10により生成されたパルス幅Tの矩形パルスを周波数変換する。この周波数変換された信号は、パルス伸長器8により、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスとなる。
【0039】そして、このパルス伸長器8からの変調パルスは、ミキサー5bにおいて安定化局部発振器6により生成された周波数foのスタロー信号により、搬送波周波数fc−fdtまで周波数変換され、更に大電力増幅器4により所定の増幅がされた後、サーキュレータ2を経て送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射される。この送信電波の周波数は、実施の形態1と同様に、予測した目標のドップラ偏移分だけオフセットされたものである。
【0040】送信電波は目標3で反射され、目標3の移動にともなうドップラ偏移fdtが加えられるが、あらかじめ与えていた送信電波の周波数オフセット量と相殺され、この結果反射された受信電波の周波数はfcとなり、この周波数fcの受信電波が送受信アンテナ1により受信される。従って、実施の形態1と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じることなくパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0041】このように、本実施の形態では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、基本コヒーレント信号を周波数オフセットして送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することにより、送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0042】実施の形態3.また、上記実施の形態1では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号の周波数をオフセットする場合を示したが、本実施の形態ではパルス伸長器の中心周波数を周波数オフセットする場合である。図3は、この発明の実施の形態3を示す機能系統図である。図において、8aはパルス変調を行うための変調係数にfdtの周波数オフセットをあらかじめ加えておくことで中心周波数を周波数オフセットされたパルス伸長器であり、第1の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0043】次に、動作について説明する。上記実施の形態1と同様に、ミキサー5aからの周波数fcohoの矩形パルスがパルス伸長器8aに入力される。ここで、パルス伸長器8aがディジタル方式である場合、パルス変調を行うための変調係数にfdtの周波数オフセットをあらかじめ加えておくことで中心周波数の周波数オフセットは容易にできる。このようなパルス伸長器8aにより、fdtだけオフセットされた帯域幅△fの直線状周波数変調パルスが生成され、上記実施の形態1と同様に、送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射される。
【0044】この送信電波の周波数は、上記実施の形態1と同様に、予測した目標3のドップラ偏移分だけオフセットされたものであるので、目標3の移動にともなうドップラ偏移fdtが相殺され、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標3によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0045】このように、本実施の形態では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、中心周波数をオフセットしたオフセット手段としてのディジタル方式のパルス伸長器を有することにより、送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0046】実施の形態4.また、上記実施の形態1では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を周波数オフセットする場合を示したが、本実施の形態では目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、受信系のスタロー信号を周波数オフセットする場合である。図4は、この発明の実施の形態4を示す機能系統図である。図において、図1でミキサー5bと安定化局部発振器6の間に設けられたミキサー5dを、安定化局部発振器6とミキサー5cの間に設け、このミキサー5dに対して同様のオフセット信号発生器7を設ける。その他の構成は、図1と同様である。
【0047】次に、動作について説明する。上述の図19と同様に、まず、目標3のドップラ偏移を考慮せず、搬送波周波数fc、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスを送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射する。送信電波は、目標3で反射され、目標3の移動にともなうドップラ偏移fdtが加えられるため、反射された受信電波の周波数はfc+fdtとなり、これが送受信アンテナ1により受信される。
【0048】この受信電波はサーキュレータ2を経て低雑音増幅器11で増幅されるが、実施の形態1と同様に、対象とする目標のドップラ偏移fdtがあらかじめ予測できる場合、オフセット信号発生器7においてこのドップラ偏移fdt周波数のオフセット信号を発生し、安定化局部発振器6により発生した周波数foの基本スタロに対し、ミキサー5dで周波数変換する。この周波数fo -fdtにオフセットされた受信系のスタロー信号をミキサー5cに供給して低雑音増幅器11からの受信信号を周波数変換することにより、目標3の移動にともなうドップラ偏移と受信系のスタロー信号の周波数オフセット量が相殺され、周波数fcoho、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスとして位相検波器12に入力される。従って、以降の受信処理は、目標3のドップラ偏移が与えられない場合と等価な形でなされる。斯くして、この場合も、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0049】このように、本実施の形態では、目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、基本スタロー信号を周波数オフセットして受信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0050】実施の形態5.また、上記実施の形態1では、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号の周波数をオフセットする場合を示したが、本実施の形態では目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、受信系のパルス圧縮の中心周波数を周波数オフセットする場合である。図5は、この発明の実施の形態5を示す機能系統図である。図において、13aは中心周波数を目標のドップラ偏移fdtだけ周波数オフセットしてパルス圧縮するパルス圧縮器であり、第1の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0051】次に、動作について説明する。上記実施の形態4で説明した方法と同様に、まず、目標3のドップラ偏移を考慮せず、搬送波周波数fo、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスを送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射する。送信電波は、目標3で反射され、目標3の移動にともなうドップラ偏移fdtが加えられるため、反射された受信電波の周波数はfc+fdtとなり、これが送受信アンテナ1により受信される。
【0052】この受信電波はサーキュレータ2を経て低雑音増幅器11で増幅され、安定化局部発振器6により生成された周波数foのスタロー信号と共にミキサー5cに供給されて周波数変換された後、位相検波器12で位相検波される。そして、上記実施の形態1と同様に、対象とする目標のドップラ偏移fdtがあらかじめ予測できる場合、パルス圧縮器13aで中心周波数をこのドップラ偏移fdtだけ周波数オフセットしてパルス圧縮することにより、目標3の移動にともなうドップラ偏移とこの周波数オフセット量が相殺され、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮が可能となる。斯くして、この場合も、目標によるドップラ偏移にかかわらず、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0053】このように、本実施の形態では、目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、中心周波数をオフセットしたオフセット手段としてのパルス圧縮器を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0054】実施の形態6.また、上記実施の形態1〜5では、対象とする目標の速度がある狭い範囲にあり、そのドップラ偏移があらかじめ予測できる場合について示したが、本実施の形態では、対象とする目標の速度がある狭い範囲であらかじめ予測できるが、これが複数ある場合は、各速度の目標毎にこれら複数のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合である。
【0055】図6は、この発明の実施の形態6を示す機能系統図である。図において、6a〜6cは対象とする目標3のドップラ偏移に対応してそれぞれ所定周波数のスタロー信号を生成する安定化局部発振器、16は目標3の複数の速度Vt1,Vt2,Vt3に対応して安定化局部発振器6a〜6cからのスタロー信号を切換えてミキサー5bに供給するオフセット切換器である。なお、安定化局部発振器6a〜6cとオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0056】次に、動作について説明する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1,fdt2,fdt3である場合、安定化局部発振器6a〜6cにおいて生成するスタロー信号の周波数を各々fo−fdt1,fo−fdt2,fo−fdt3とする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応して安定化局部発振器6a〜6cからのスタロー信号を切換えながらミキサー5bにより送信系の直線状周波数変調パルスを周波数変換する。送受信アンテナ1から空間へ放射される送信電波の周波数は、各速度の目標のドップラ偏移分だけオフセットされたものとなるので、目標3で反射される時に加えられるドップラ偏移と相殺でき、反射された受信電波の周波数はいずれの速度の目標についてもfcとなり、この周波数fcの受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0057】従って、対象とする目標3の速度が複数である場合にも、他の実施の形態と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標3によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0058】このように、本実施の形態では、複数の速度の目標に対応し、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系の複数のスタロー信号を周波数オフセットして発生し、これを切換えるオフセット手段を有することにより、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0059】実施の形態7.また、上記実施の形態6では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、基準となる送信系の基本スタロー信号に対し、各速度の目標のドップラ偏移に相当する周波数オフセット量を切換えながら与える場合である。
【0060】図7は、この発明の実施の形態7を示す機能系統図である。図において、7a〜7cはミキサー5dに対して対象とする目標3の各ドップラ偏移にそれぞれ相当の周波数を有するオフセット信号を供給する複数のオフセット信号発生器、16はこれらのオフセット信号発生器7a〜7cを目標3に対応して切換えてその出力をミキサー5dに供給するオフセット切換器16である。なお、オフセット信号発生器7a〜7cとオフセット切換器16とミキサー5dは第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、オフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0061】次に、動作について説明する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1,fdt2,fdt3である場合、オフセット信号発生器7a〜7cにおいて生成するオフセット信号の周波数を各々−fdt1、−fdt2、−fdt3とする。そして、オフセット切換器16により目標の各速度に対応してこれらのオフセット信号発生器7a〜7cを切換えながら、まずミキサー5dにより安定化局部発振器6からの基準となる周波数foのスタロー信号を周波数変換する。これで各速度の目標のドップラ偏移に対応したスタロー信号が生成されるので、このスタロー信号を用いて実施の形態6と同様に送信系の直線状周波数変調パルスをミキサー5bで周波数変換する。
【0062】送受信アンテナ1から空間へ放射される送信電波の周波数は、各速度の目標のドップラ偏移分だけオフセットされたものとなるので、目標3で反射される時に加えられるドップラ偏移と相殺でき、反射された受信電波の周波数はいずれの速度の目標についてもfcとなり、これが送受信アンテナ1により受信される。従って、上記実施の形態6と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0063】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、複数のドップラ偏移分に相当する信号を発生して切換えながら、基本スタロー信号を周波数オフセットして送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することにより、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0064】実施の形態8.また、上記実施の形態6では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、送信系のコヒーレント信号を切換えながらオフセットする場合である。
【0065】図8は、この発明の実施の形態8を示す機能系統図である。図において、9a〜9cは対象とする目標3の各ドップラ偏移に対応してそれぞれコヒーレント信号を生成するコヒーレント発振器であって、これらのコヒーレント発振器9a〜9cを目標3に対応してオフセット切換器16により切換えてその出力をミキサー5aに供給するようにする。なお、コヒーレント発振器9a〜9cとオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0066】次に、動作について説明する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2,fdt3である場合、コヒーレント発振器9a〜9cにおいて生成するコヒーレント信号の周波数を各々fcoho−fdt1,fcoho−fdt2,fcoho−fdt3とする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応してコヒーレント発振器9a〜9cからのコヒーレント信号を切換えながらミキサー5aにより送信パルス発生器10により生成された矩形パルスを周波数変換した後、帯域幅△fの周波数変調を与える。送受信アンテナ1から空間へ放射される送信電波の周波数は、各速度の自標のドップラ偏移分だけオフセットされたものとなるので、目標3で反射される時に加えられるドップラ偏移と相殺でき、反射された受信電波の周波数はいずれの速度の目標についてもfcとなり、これが送受信アンテナ1により受信される。
【0067】従って、対象とする目標の速度が複数である場合にも、他の実施の形態と同様に、受信電波は目標のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮てき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0068】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系の複数のコヒーレント信号を周波数オフセットして発生し、これを切換えるオフセット手段を有することにより、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0069】実施の形態9.また、上記実施の形態8では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のコヒーレント信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、基準となる送信系の基本コヒーレント信号に対し、各速度の目標のドップラ偏移に相当する周波数オフセット量を切換えながら与える場合である。
【0070】図9は、この発明の実施の形態9を示す機能系統図である。図において、図7と同様対象とする目標3の各ドップラ偏移にそれぞれ相当の周波数を有するオフセット用信号を供給する複数のオフセット信号発生器7a〜7cを設け、これらのオフセット信号発生器7a〜7cを目標3の各速度に対応してオフセット切換器16により切換えてその出力を、ミキサー5aとコヒーレント発振器9の間に設けられたミキサー5dに供給するようにする。なお、コヒーレント発振器9a〜9cとオフセット切換器16とミキサー5dは第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0071】次に、動作について説明する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2、fdt3である場合、オフセット信号発生器7a〜7cにおいて生成するオフセット用信号の周波数を各々−fdt1、−fdt2、−fdt3とする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応してオフセット信号発生器7a〜7cの出力を切換えながら、まずミキサー5dにより基準となる周波数fcohoのコヒーレント信号を周波数変換する。
【0072】これで各速度の目標のドップラ偏移に対応したコヒーレント信号が生成されるので、実施の形態8と同様に、送信パルス発生器10により生成された矩形パルスをミキサー5aで周波数変換した後、帯域幅△fの周波数変調を与える。送受信アンテナ1から空間へ放射される送信電波の周波数は、各速度の目標のドップラ偏移分だけオフセットされたものとなるので、目標3で反射される時に加えられるドップラ偏移と相殺でき、反射された受信電波の周波数はいずれの速度の目標についてもfcとなり、この周波数fcの受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0073】従って、上記実施の形態8と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらずミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0074】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、複数のドップラ偏移分に相当する信号を発生して切換えながら、基本コヒーレント信号を周波数オフセットして送信系のコヒーレント信号を発生するオフセット手段を有することにより、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0075】実施の形態10.また、上記実施の形態6では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、ディジタル・パルス伸長係数の中心周波数を切換えながらオフセットする場合である。
【0076】図10は、この発明の実施の形態を示す機能系統図である。図において、17a〜17cは対象とする目標3のドップラ偏移に対応してそれぞれ所定周波数のパルス伸長係数を生成するパルス伸長係数発生器であり、その出力をオフセット切換器16により切り換えてパルス伸長器8に供給するようにする。なお、パルス伸長係数発生器17a〜17cとオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0077】次に、動作について説明する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2,fdt3である場合、パルス伸長係数発生器17a〜17cにおいて生成するパルス伸長係数を各々周波数fcoho−fdt1,fcoho−fdt2,fcoho−fdt3に対応したものとする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応してパルス伸長係数発生器17a〜17cの出力を切換えながらパルス伸長器8に供給し、このパルス伸長器8で帯域幅△fの周波数変調を与える。
【0078】送受信アンテナ1から空間へ放射される送信電波の周波数は、各速度の目標のドップラ偏移分だけオフセットされたものとなるので、目標3で反射される時に加えられるドップラ偏移と相殺でき、反射された受信電波の周波数はいずれの速度の目標についてもfcとなり、この周波数fcの受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0079】従って、対象とする目標3の速度が複数である場合にも、他の実施の形態と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0080】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、中心周波数をオフセットした複数のディジタル・パルス伸長係数を切換えるオフセット手段を有することにより、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0081】実施の形態11.また、上記実施の形態10では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、ディジタル・パルス伸長係数の中心周波数を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、基準となるディジタル・パルス伸長器の基本係数に対し、各速度の目標のドップラ偏移に相当する周波数オフセット量を切換えながら与える場合である。
【0082】図11は、この発明の実施の形態11を示す機能系統図である。図において、18a〜18cは対象とする目標3のドップラ偏移に対応するオフセット用係数をそれぞれ生成するオフセット係数発生器であり、その出力をオフセット切換器16により切り換えてパルス伸長器8に供給するようにする。なお、オフセット係数発生器18a〜18cとオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0083】次に、動作について説明する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2、fdt3である場合、オフセット係数発生器18a〜18cにおいて生成するオフセット用係数を各々周波数−fdt1、−fdt2、−fdt3に対応したものとする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応してオフセット係数発生器18a〜18cの出力を切換えながら、パルス伸長器8で帯域幅△fの周波数変調を与える。送受信アンテナ1から空間へ放射される送信電波の周波数は、各速度の目標のドップラ偏移分だけオフセットされたものとなるので、目標3で反射される時に加えられるドップラ偏移と相殺でき、反射された受信電波の周波数はいずれの速度の目標についてもfcとなり、この周波数fcの受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0084】従って、上記実施の形態10と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標3によるドップラ偏移にかかわらずミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0085】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、あらかじめ目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、複数のドップラ偏移に相当するディジタル・パルス伸長係数を切換えながらディジタル・パルス伸長器の基本係数を周波数オフセットするオフセット手段を有することにより、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0086】実施の形態12.また、上記実施の形態6では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、受信系のスタロー信号に対し、各速度の目標毎の周波数オフセット量を切換えながら与える場合である。
【0087】図12は、この発明の実施の形態12を示す機能系統図である。図において、図6でミキサー5bに対して設けられた安定化局部発振器6a〜6cに代えて、ミキサー5cに対して安定化局部発振器6a1〜6c1を設け、これらの出力をオフセット切換器16で切り換えてミキサー5cに供給するようにする。なお、安定化局部発振器6a1〜6c1とオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0088】次に、動作について説明する。まず、上記実施の形態4で説明した方法と同様に、目標のドップラ偏移を考慮せず搬送波周波数fc、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスを送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2,fdt3である場合、送信電波は、目標3で反射され、目標3の移動にともなうこのドップラ偏移が加えられるため、反射された受信電波の周波数はfc+fdt1,fc+fdt2,fc+fdt3となり、これらの周波数を有する受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0089】受信処理において、安定化局部発振器6a1〜6c1において生成するスタロー信号の周波数を各々fo+fdt1,fo+fdt2,fo+fdt3とする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応して安定化局部発振器6a〜6cの出力を切換えながらミキサー5cにより受信信号を周波数変換することにより、目標3の移動にともなうドップラ偏移と受信系のスタロー信号の周波数オフセット量が相殺され、周波数fcoho、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスとして位相検波器12に入力される。従って、以降の受信処理は、目標のドップラ偏移が与えられない場合と等価な形でなされる。
【0090】従って、対象とする目標の速度が複数である場合にも、他の実施の形態と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0091】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、受信系の複数のスタロー信号を周波数オフセットして発生し、これを切換えるオフセット手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0092】実施の形態13.また、上記実施の形態12では、複数の有する目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、受信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、基準となる受信系の基本スタロー信号に対し、各速度の目標毎の周波数オフセット量を切換えながら与える場合である。
【0093】図13は、この発明の実施の形態13を示す機能系統図である。図において、図1でミキサー5bと安定化局部発振器6の間に設けられたミキサー5dを、安定化局部発振器6とミキサー5cの間に設け、このミキサー5dに対して複数のオフセット信号発生器7a〜7cを設け、これらの出力をオフセット切換器16で切り換えてミキサー5cに供給するようにする。なお、オフセット信号発生器7a〜7cとオフセット切換器16とミキサー5dは第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、図1と同様である。
【0094】次に、動作について説明する。まず、上記実施の形態12で説明した方法と同様に、目標のドップラ偏移を考慮せず、搬送波周波数fc、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスを送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2,fdt3である場合、送信電波は、目標3で反射され、目標3の移動にともなうこのドップラ偏移が加えられるため、反射された受信電波の周波数はfc+fdt1,fc+fdt2,fc+fdt3となり、これらの周波数を有する受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0095】受信処理において、オフセット信号発生器7a〜7cにおいて生成するオフセット信号の周波数を各々fdt1、fdt2,fdt3とする。そして、オフセット切検え器16により目標3の各速度に対応してオフセット信号発生器7a〜7cの出力を切換えながら、まずミキサー5dにより基準となる周波数foのスタロー信号を周波数変換する。これで各速度の目標のドップラ偏移に対応したスタロー信号が生成されるので、上記実施の形態12と同様にミキサー5cにより受信信号を周波数変換することにより、目標3の移動にともなうドップラ偏移と受信系のスタロー信号の周波数オフセット量が相殺され、周波数fcoho、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスとして位相検波器12に入力される。
【0096】従って、以降の受信処理は、目標3のドップラ偏移が与えられない場合と等価な形でなされる。従って、対象とする目標の速度が複数である場合にも、他の実施の形態と同様に、受信電波は目標3のドップラ偏移fdtが与えられない場合と等価な形で受信処理ができ、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧幅でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0097】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、複数のドップラ偏移分に相当する信号を発生して切換えながら、基本スタロー信号を周波数オフセットして受信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0098】実施の形態14.また、上記実施の形態6では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ送信信号の周波数をオフセットするように、送信系のスタロー信号を切換えながらオフセットする場合を示したが、本実施の形態では、パルス圧縮器を複数有し、各速度の目標毎に中心周波数のオフセット量を切換えながら与える場合である。
【0099】図14は、この発明の実施の形態14を示す機能系統図である。図において、13a〜13cは中心周波数を目標のドップラ偏移fdtだけ周波数オフセットしてパルス圧縮する複数のパルス圧縮器である。そして、パルス圧縮器13a〜13cと位相検波器12の間にパルス圧縮器13a〜13cの入力側を切り換えるオフセット切換器16aを設け、また、パルス圧縮器13a〜13cと移動目標検出器14との間にパルス圧縮器13a〜13cの出力側を切り換えるオフセット切換器16bを設ける。なお、パルス圧縮器13a〜13cとオフセット切換器16a、16bは第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0100】次に、動作について説明する。まず、上記実施の形態12で説明した方法と同様に、目標のドップラ偏移を考慮せず、搬送波周波数fc、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスを送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2,fdt3である場合、送信電波は、目標3で反射され、目標3の移動にともなうこのドップラ偏移が加えられるため、反射された受信電波の周波数はfc+fdt1,fc+fdt2,fc+fdt3となり、これらの周波数を有する受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0101】受信処理において、位相検波までは上記実施の形態5で説明した方法と同様に行う。パルス圧縮器13a〜13cの中心周波数を各々fo+fdt1,fo+fdt2,fo+fdt3とする。そして、オフセット切換器16aにより目標3の各速度に対応して位相検波器12の出力を切換えながらパルス圧縮器13a〜13cでパルス圧縮し、同時に各パルス圧縮器の出力をオフセット切換器16bで切り換えて後段の移動目標検出器14へ取り出すことにより、目標3の移動にともなうドップラ偏移とこの周波数オフセット量が相殺され、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0102】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、中心周波数をオフセットした複数のパルス圧縮器を切換えるオフセット手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0103】実施の形態15.また、上記実施の形態14では、複数の速度を有する目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、複数のパルス圧縮器を有する場合を示したが、本実施の形態では、パルス圧縮器の係数を各速度の目標毎に切換えながら与える構成としてもよい。図15は、この発明の実施の形態15を示す機能系統図である。図において、19a〜19cはパルス圧縮を行うための圧縮係数を発生するパルス圧縮係数発生器であり、その出力をオフセット切換器16で切り換えてパルス圧縮器13に供給するようにする。なお、パルス圧縮係数発生器19a〜19cとオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、ミキサー5dとオフセット信号発生器7が削除されている以外は、図1と同様である。
【0104】次に、動作について説明する。まず、上記実施の形態14で説明した方法と同様に、目標のドップラ偏移を考慮せず、搬送波周波数fo、帯域幅△fの直線状周波数変調パルスを送受信アンテナ1から送信電波として空間へ放射する。例えば、対象とする目標3のドップラ偏移がfdt1、fdt2,fdt3である場合、送信電波は、目標3で反射され、目標3の移動にともなうこのドップラ偏移が加えられるため、反射された受信電波の周波数はfc+fdt1,fc+fdt2,fc+fdt3となり、これらの周波数を有する受信電波が送受信アンテナ1により受信される。
【0105】受信処理において、位相検波までは上記実施の形態14で説明した方法と同様に行う。パルス圧縮器13がディジタル方式である場合、パルス圧縮を行うための圧縮係数を周波数オフセットし切換えることは容易にできる。パルス圧縮係数発生器19a〜19cの中心周波数を各々fo+fdt1,fo+fdt2,fo+fdt3とする。そして、オフセット切換器16により目標3の各速度に対応してパルス圧縮係数発生器19a〜19cの出力を切換えながらパルス圧縮器13でパルス圧縮することにより、目標3の移動にともなうドップラ偏移とこの周波数オフセット量が相殺され、目標3によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。
【0106】このように、本実施の形態では、複数の速度を有する目標に対応し、目標のドップラ偏移分だけ受信信号の周波数をオフセットするように、複数のディジタル・パルス圧縮係数を切換えるオフセット手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0107】実施の形態16.また、上記実施の形態6〜15では、対象とする目標の速度がある狭い範囲であらかじめ予測でき、これが複数あるとき、目標のドップラ偏移に対応して周波数オフセット量を切換え選択する場合を示したが、本実施の形態では、対象とする目標の速度は変化するが、その軌道があらかじめ予測され、レーダからみた方位、仰角により目標のドップラ偏移があらかじめ予測できる場合は、ビームの指向方位または指向仰角または両方に基づき目標のドップラ偏移に相当するように周波数オフセット量を選択、制御する場合である。
【0108】図16は、この発明の実施の形態16を示す機能系統図である。図において、3aおよび3bは互いに速度、方位および仰角の異なる目標、20は制御手段としてのビーム指向制御器であり、ビームの指向方位または指向仰角または両方に基づき目標のドップラ偏移に相当するように、オフセット切換器16を切り換えて安定化局部発振器6aおよび6bの出力を選択、制御すると共に、送受信アンテナ1の向きを制御する。なお、安定化局部発振器6aおよび6bとオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成する。その他の構成は、図6と同様である。
【0109】次に、動作について説明する。例えば、速度Vt1を有する目標3aのドップラ偏移がfdt1であり、異なる方位、仰角と速度Vt2を有する目標3bのドップラ偏移がfdt2であるとあらかじめ予測できる場合、ビーム指向制御器20により、ビームが目標3aの方向を指向するときは周波数fo−fdt1の安定化局部発振器6aを選択し、目標3bの方向を指向するときは周波数fo−fdt2の安定化局部発振器6bを選択するようにオフセット切換器16を選択、制御する。
【0110】ビーム指向制御器20による以上の選択、制御により、目標の移動にともなうドップラ偏移とこの周波数オフセット量が相殺され、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。なお、本実施の形態は、送信系のスタロー信号を選択、制御する場合を示しているが、他の実施の形態の場合も同様である。
【0111】このように、本実施の形態では、目標の方位または仰角でドップラ偏移が異なる場合に対応するように、ビームの指向方位または指向仰角またはその両方に基づき、対応する目標のドップラ偏移に相当するようにオフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が個々の目標に対して選択、制御された周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となり、また、目標の方位または仰角でドップラ偏移が異なる場合にも確実に対応できる。
【0112】実施の形態17.また、上記実施の形態16では、ビームの指向方位または指向仰角または両方によって目標のドップラ偏移に相当するように周波数オフセット量を選択、制御する場合を示したが、本実施の形態では、上記実施の形態12〜15に示す受信系で周波数オフセットするときは、ビームの指向方位または指向仰角に加え、目標の距離またはこれらの組合せに基づき目標のドップラ偏移に相当するように周波数オフセット量を選択、制御する場合である。
【0113】図17は、この発明の実施の形態17を示す機能系統図である。図において、図16でミキサー5bに対して設けられた安定化局部発振器6a、6bに代えて、ミキサー5cに対して安定化局部発振器6a1、6b1を設け、これらの出力をビーム指向制御器20および目標距離制御器21の制御に基づいてオフセット切換器16で切り換えてミキサー5cに供給するようにする。なお、安定化局部発振器6a1、6b1とオフセット切換器16は第2の周波数オフセット手段としてのオフセット手段を構成し、ビーム指向制御器20と目標距離制御器21は制御手段を構成する。その他の構成は、図16と同様である。また、目標距離制御器21は目標距離を目標検出器15の出力または図示しない他のセンサから検出するものである。
【0114】次に、動作について説明する。例えば、目標3aのドップラ偏移がfdt1であり、他の方位、仰角または距離の目標3bのドップラ偏移がfdt2であるとあらかじめ予測できる場合、ビーム指向制御器20および目標距離制御器21により、ビームが目標3aの方向を指向し対応する距離の受信処理をする時間では周波数fo+fdt1の安定化局部発振器6a1を選択し、目標3bの方向を指向し対応する距離の受信処理をする時間では周波数fo+fdt2の安定化局部発振器6b1を選択するようにオフセット切換器16を選択、制御する。
【0115】ビーム指向制御器20および目標距離制御器21による以上の選択、制御により、目標の移動にともなうドップラ偏移とこの周波数オフセット量が相殺され、目標によるドップラ偏移にかかわらず、ミスマッチを生じること無<パルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが言できる。図17は受信系のスタロー信号を選択、制御する場合を示しているが、他の場合も同様である。
【0116】このように、本実施の形態では、目標の方位または仰角または距離でドップラ偏移が異なる場合に対応するように、ビームの指向方位または指向仰角または目標の距離またはこれらの組合せに基づき、対応する目標のドップラ偏移に相当するようにオフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が個々の目標に対して選択、制御された周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となり、また、目標の方位または仰角または距離でドップラ偏移が異なる場合にも確実に対応することができる。
【0117】実施の形態18.また、上記実施の形態16、17では、対象とする目標の速度は変化するが、その軌道があらかじめ予測され、レーダからみた方位、仰角により目標のドップラ偏移があらかじめ予測できる場合を示したが、本実施の形態では、目標の速度が任意に変化する場合、目標の追尾結果に基づき目標の速度データから目標のドップラ偏移を予測し、これに対応して周波数オフセット量を選択、制御する場合である。
【0118】図18は、この発明の実施の形態18を示す機能系統図である。図において、22は目標3を追尾し、その速度データから目標3のドップラ偏移を予測し、それに対応してオフセット切換器16により周波数オフセット量を選択、制御する制御手段としての目標追尾回路である。その他の構成は、ビーム指向制御器20が削除されている以外は、図16と同様である。
【0119】次に、動作について説明する。まず、オフセット切換器16により、送信系のスタロー信号を任意に切換えながら、目標3を検出する。そして、目標追尾回路22により目標3を追尾し、その速度データ(Vt1,Vt2)から目標3のドップラ偏移を予測し、それに対応してオフセット切換器16により周波数オフセット量を選択、制御する。目標追尾回路22に基づく以上の選択、制御により、目標3の移動にともなうドップラ偏移とこの周波数オフセット量が相殺され、目標3によるドップラ偏移にかかわらずミスマッチを生じること無くパルス圧縮でき、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができる。なお、本実施の形態では、送信系のスタロー信号を選択、制御する場合を示しているが、他の場合も同様である。
【0120】このように、本実施の形態では、目標のドップラ偏移が任意に変化する場合に対応するように、目標の追尾結果から目標のドップラ偏移を予測し、これに基づきオフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有することにより、目標により与えられたドップラ偏移が個々の目標に対して選択、制御された周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となり、また、目標のドップラ偏移が任意に変化する場合にも確実に対応することができる。
【0121】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、送信パルスの周波数を変換し、そのパルス幅を伸張して電波として空間に放射し、目標で反射された電波の周波数を変換し、パルス圧縮して上記目標を検出するレーダ装置において、上記記目標のドップラ偏移分だけ上記送信パルスの送受信に関連した周波数をオフセットする第1の周波数オフセット手段を備えたので、高速目標のドップラ偏移によるパルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となり、誤目標の低減および目標検出確率の向上ができるという効果がある。
【0122】また、請求項2の発明によれば、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有するので、送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0123】また、請求項3の発明によれば、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のコヒーレント信号を発生するオフセット手段を有するので、送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0124】また、請求項4の発明によれば、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ中心周波数がオフセットされたディジタル・パルス伸長係数を発生するオフセット手段を有するので、送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0125】また、請求項5の発明によれば、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系のスタロー信号を発生するオフセット手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0126】また、請求項6の発明によれば、上記第1の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移分だけ、あらかじめ中心周波数がオフセットされたパルス圧縮を行うオフセット手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0127】また、請求項7の発明によれば、送信パルスの周波数を変換し、そのパルス幅を伸張して電波として空間に放射し、速度の変化する目標で反射された電波の周波数を変換し、パルス圧縮して上記目標を検出するレーダ装置において、上記目標の複数の速度に対応したドップラ偏移分だけ上記送信パルスの送受信に関連した周波数をオフセットする第2の周波数オフセット手段を備えたので、速度の変化する高速目標のドップラ偏移によるパルス圧縮特性の劣化を防ぐことが可能となり、誤目標の低減および目標検出確率の向上ができるという効果がある。
【0128】また、請求項8の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系の複数のスタロー信号を発生し、上記複数のスタロー信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段とを有するので、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0129】また、請求項9の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、送信系の基本スタロー信号に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するので、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0130】また、請求項10の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた送信系の複数のコヒーレント信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有するので、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0131】また、請求項11の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、送信系の基本コヒーレント信号に対し、上記目標のドップラ信偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するので、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0132】また、請求項12の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされた複数のディジタル・パルス伸長係数を切換えながらパルス伸長に供するオフセット手段を有するので、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0133】また、請求項13の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、ディジタル・パルス伸長器の基本係数に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するので、各速度の目標に対する送信時の周波数オフセットと、目標により与えられたドップラ偏移が相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0134】また、請求項14の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ周波数がオフセットされた受信系の複数のスタロー信号を切換えながら周波数変換に供するオフセット手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0135】また、請求項15の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、受信系の基本スタロー信号に対し、上記目標のドップラ偏移分だけ切換えながら周波数をオフセットするオフセット手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0136】また、請求項16の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされたパルス圧縮を切換えるオフセット手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0137】また、請求項17の発明によれば、上記第2の周波数オフセット手段は、上記目標のドップラ偏移に相当するように、あらかじめ中心周波数がオフセットされた複数のディジタル・パルス圧縮係数を切換えながらパルス圧縮に供するオフセット手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が各速度の目標に対する受信時の周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0138】また、請求項18の発明によれば、ビームの指向方位または指向仰角またはその両方に基づき、対応する目標のドップラ偏移に対応するように、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が個々の目標に対して選択、制御された周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができ、また、目標の方位または仰角でドップラ偏移が異なる場合にも確実に対応することができるという効果がある。
【0139】また、請求項19の発明によれば、ビームの指向方位または指向仰角またほ目標の距離またはこれらの組合せに基づき、対応する目標のドップラ偏移に対応するように、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が個々の目標に対して選択、制御された周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができ、また、目標の方位または仰角または距離でドップラ偏移が異なる場合にも確実に対応することができるという効果がある。
【0140】さらに、請求項20の発明によれば、目標の追尾結果から目標のドップラ偏移を予測し、該予測に基づき、上記オフセット手段の切り換えを選択、制御する制御手段を有するので、目標により与えられたドップラ偏移が個々の目標に対して選択、制御された周波数オフセットで相殺され、パルス圧縮特性の劣化を防ぐことができ、また、目標のドップラ偏移が任意に変化する場合にも確実に対応することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月5日(2000.1.5)
【代理人】 【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守 (外3名)
【公開番号】 特開2001−194449(P2001−194449A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−422(P2000−422)