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【発明の名称】 連携妨害装置
【発明者】 【氏名】小川 博敏

【氏名】野村 和広

【要約】 【課題】僚機間で連携して妨害波を送信する場合、妨害波の送信タイミングをとるため専用のデータリンク装置を各機に搭載する必要があった。

【解決手段】互いに僚機である少なくとも2機の妨害機6a、6bのそれぞれが、妨害対象の相手レーダ波からのレーダ波と僚機が送信する妨害波を受信する受信空中線1a、1bと、この受信空中線で受信したレーダ波と妨害波のそれぞれの諸元を検出して処理し、妨害諸元を生成する受信処理器2a、2bと、この受信処理器からの妨害諸元に基づいて妨害信号の変調をかける変調器3a、3bと、この変調器より出力される妨害信号を増幅する送信機4a、4bと、この送信機からの妨害信号を妨害波として空間に送信する送信空中線5a、5bとを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに僚機である少なくとも2機の妨害機のそれぞれが、妨害対象の相手レーダ波からのレーダ波と僚機が送信する妨害波を受信する受信空中線と、この受信空中線で受信した上記妨害波を処理して妨害諸元を生成する受信処理器と、この受信処理器からの妨害諸元に基づいて妨害信号の変調をかける変調器と、この変調器より出力される妨害信号を増幅する送信機と、この送信機からの妨害信号を妨害波として空間に送信する送信空中線とを備えたことを特徴とする連携妨害装置。
【請求項2】 2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から時間的に交互に妨害波を送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連携妨害装置。
【請求項3】 2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から互いに周波数帯域の異なる妨害波を送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連携妨害装置。
【請求項4】 2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から同時に欺瞞妨害波を送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連携妨害装置。
【請求項5】 2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から時間的に交互に欺瞞妨害波を送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連携妨害装置。
【請求項6】 2機の妨害機は、一方が妨害波の送信状態と停止状態を繰り返し、他方が常に妨害波の送信を続けて妨害を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の連携妨害装置。
【請求項7】 2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から同時に偏波面の異なる妨害波を時間的に交互に切り換えて送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連携妨害装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は少なくとも2機の妨害機から妨害波を送信して相手レーダに妨害を与える連携妨害装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の連携妨害装置を示すものである。図において、1a、1bは妨害対象の相手レーダから送信されるレーダ波である高周波信号(以下、RF信号という)の受信を行う受信空中線、2a、2bはこの受信空中線1a、1bで受信したRF信号の測定・処理を行う受信処理器である。3a、3bはこの受信処理器2a、2bの処理結果に基づいて妨害信号の変調を行う変調器、4a、4bは変調された妨害信号を増幅する送信機、5a、5bは送信機4a、4bからの妨害信号を妨害波として空間に送信する送信空中線である。
【0003】また、7a、7bは妨害信号に同期する同期信号の作成、およびその検出を行うデータリンク処理器、8a、8bは当該同期信号の送受信を行う空中線である。6a、6bは、各々が上記受信空中線1aまたは1b、受信処理器2aまたは2b、変調器3aまたは3b、送信機4aまたは4b、送信空中線5aまたは5b、データリンク処理器7aまたは7b、および空中線8aまたは8bを搭載し、その空中線8aまたは8bを介して同期信号の授受を行うことにより、送信空中線5aもしくは5bより交互に妨害波の送信を行う2機の妨害機である。
【0004】次に、上記の装置の動作について説明する。妨害機6aで、受信処理器2aにて受信空中線1aより受信した相手レーダのレーダ諸元から妨害諸元を生成して変調器3aに出力し、変調器3aではその妨害諸元に基づく妨害信号を発生する。この妨害信号は送信機4aで増幅されて送信空中線5aに送られ、妨害波として空間に送信される。一定期間この妨害波を送信すると、相手レーダからのレーダ波を追尾するために妨害信号の送信を一時停止させ、その後、上述のプロセスにて妨害波の送信を再開する。データリンク処理器7aは、この妨害波の送信開始および送信停止を検出して同期信号を作成し、この同期信号は空中線8aより他方の妨害機6bに送信される。
【0005】一方妨害機6bでも上記妨害機6aと同様に妨害波の送信の準備がされている。上記妨害機6aより送信された同期信号が空中線8bで受信されると、それを検出したデータリンク処理器7bによって、変調器3bに妨害信号の出力指示が出力される。この出力指示を受け、妨害信号は変調器3bから送信機4bに送られて増幅され、送信空中線5bより妨害波として空間に送信される。このように、妨害機6aと6bとは常に相補的に動作しており、その一方が相手レーダからのレーダ波の追尾を行っている間は、他方が相手レーダに妨害波を送信することにより、連携妨害を行う。
【0006】なお、このような従来の連携妨害装置に関連した技術が記載された文献としては、例えば特開平6−138208号公報などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、僚機間で連携して妨害波を送信する場合、妨害波の周波数は各機自身で決定するので、周波数の正確な同期はとることができず、また妨害波の送信タイミングの同期をとるため専用のデータリンク装置を各機に搭載する必要があった。
【0008】この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、送信する妨害波の送信タイミング、周波数等を各機に搭載されている受信装置を用いてリアルタイムで検出することにより僚機間でとり、より簡略な機器構成で連携妨害を行うこができる連携妨害装置を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る連携妨害装置は、互いに僚機である少なくとも2機の妨害機のそれぞれが、妨害対象の相手レーダ波からのレーダ波と僚機が送信する妨害波を受信する受信空中線と、この受信空中線で受信した上記妨害波を処理して妨害諸元を生成する受信処理器と、この受信処理器からの妨害諸元に基づいて妨害信号の変調をかける変調器と、この変調器より出力される妨害信号を増幅する送信機と、この送信機からの妨害信号を妨害波として空間に送信する送信空中線とを備えたものである。
【0010】また、2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から時間的に交互に妨害波を送信するようにしたものである。
【0011】また、2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から互いに周波数帯域の異なる妨害波を送信するようにしたものである。
【0012】また、2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から同時に欺瞞妨害波を送信するようにしたものである。
【0013】また、2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から時間的に交互に欺瞞妨害波を送信するようにしたものである。
【0014】また、2機の妨害機は、一方が妨害波の送信状態と停止状態を繰り返し、他方が常に妨害波の送信を続けて妨害を行うようにしたものである。
【0015】また、2機の妨害機は、僚機が送信する妨害波を受信空中線を介して受信することによって妨害諸元を生成し、それぞれの送信空中線から同時に偏波面の異なる妨害波を時間的に交互に切り換えて送信するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1に係る連携妨害装置を図について説明する。図1は実施の形態1を示すブロック図である。図において、1a、1bは受信空中線、2a、2bは受信処理器、3a、3bは変調器、4a、4bは送信機、5a、5bは送信空中線、6a、6bは上記1乃至5を搭載した妨害機で、互いに僚機である。
【0017】次に動作を説明する。図2は受信処理器2a、2bの処理内容のフローチャートを示す。上記のような構成の装置においては、妨害機6a、6bの一方、例えば妨害機6aで、受信処理器2aにて受信空中線1aより受信した相手レーダのレーダ諸元(ステップS1)から妨害諸元を生成して変調器3aに出力し、変調器3aではその妨害諸元に基づく妨害信号を発生する(ステップS2)。この妨害信号は送信機4aで増幅されて送信空中線5aに送られ、妨害波として空間に送信され、妨害波送信状態となる(ステップS3)。一定期間妨害波を送信すると、妨害波の送信を一時停止させ妨害待機状態となる(ステップS4)。
【0018】一方、妨害機6bは、妨害機6aが妨害波送信状態の時は妨害待機状態であり(ステップS5)、受信処理器2bにて受信空中線1bより受信した上記妨害機6aの妨害諸元(ステップS6)と同じ妨害諸元を生成するとともに、この妨害諸元が受信空中線1bより受信した相手レーダのレーダ諸元(ステップS7)に有効であるか確認を行う(ステップS8)。妨害諸元が相手レーダに対する妨害として有効であれば妨害機6aの妨害諸元と同じ妨害諸元を準備し(ステップS9)、有効でなければ相手レーダのレーダ諸元に有効な妨害諸元を準備する(ステップS10)。妨害機6aが妨害待機状態になると受信処理器2bに入力されていた妨害機6aからの妨害波が停止する。これと同時に受信処理器2bから準備されていた妨害諸元を変調器3bに出力し(ステップS3)、変調器3bではその妨害諸元に基づく妨害信号を発生する。この妨害信号は送信機4bで増幅されて送信空中線5bに送られ、妨害波として空間に送信され、妨害波送信状態となる。
【0019】妨害機6bが妨害波送信状態になると、妨害機6aは上記妨害機6bの妨害待機状態と同様の動作をする。図3は各妨害機6a、6bの妨害波出力の時間関係を示すタイミング図で、同図(a)に妨害機6aの妨害波出力、(b)に妨害機6bの妨害波出力、(c)に相手レーダ側での妨害波の入力レベルをそれぞれ示している。このように、妨害機6aと6bとは常に相補的に動作する。一方が他方の妨害波を受信するとともに相手レーダからのレーダ波の追尾を行っている間は他方が相手レーダに妨害波を送信し、一定周期でこれらの動作を妨害機6a、6b間で切り替えることにより電力妨害を連携して行う。
【0020】実施の形態2.上記実施の形態1では、妨害機6aと6bが時間的に交互に妨害波の送信を行う場合について述べたが、僚機の妨害諸元を互いに受信し、僚機が互いに異なる周波数帯域において妨害を行う構成としてもよい。この場合相手レーダの諸元解析は行わない。
【0021】図4はこのような実施の形態2における各妨害機6a、6bの妨害波出力および相手レーダ側の妨害波入力の時間関係および周波数関係を示す図で、同図(a)に妨害機6aの妨害波出力の時間関係、(b)に妨害機6bの妨害波出力の時間関係、(c)に相手レーダ側での妨害波の入力レベルの時間関係、(d)に妨害機6aの妨害波出力の周波数関係、(e)に妨害機6bの妨害波出力の周波数関係、(f)に相手レーダ側での妨害波の入力レベルの周波数関係をそれぞれ示している。このように互いの妨害諸元に基づきより精密に異なる周波数で妨害波を送信することにより、より広帯域もしくは複数の帯域で周波数的に精密な妨害が可能となる。
【0022】実施の形態3.上記実施の形態1では、妨害機6a、6bが交互に電力妨害を行う場合を述べたが、それぞれが欺瞞妨害を同時に行うようにしてもよい。図5はこのような実施の形態3における各妨害機6a、6bの妨害波出力および相手レーダ側の妨害波入力の時間関係を示すタイミング図で、同図(a)に妨害機6aの妨害波出力、(b)に妨害機6bの妨害波出力、(c)に相手レーダ側での妨害波の入力レベルをそれぞれ示している。欺瞞妨害では、常に相手レーダ波を受信しそれを送り返すことにより欺瞞を行っているので、特に相手レーダの諸元に合わせる策を考える必要はない。このように、僚機同士の互いの欺瞞妨害諸元を受信し、同様の欺瞞妨害を同時に行うことにより、相手レーダに対しより高い密度の偽目標を表示させることができる。
【0023】実施の形態4.上記実施の形態1では、妨害機6a、6bが交互に電力妨害を行う場合を述べたが、それぞれが欺瞞妨害を互いに時間的にずれを持たせて行うようにしてもよい。図6はこのような実施の形態4における各妨害機6a、6bの妨害波出力および相手レーダ側の妨害波入力の時間関係を示すタイミング図で、同図(a)に妨害機6aの妨害波出力、(b)に妨害機6bの妨害波出力、(c)に相手レーダ側での妨害波の入力レベルをそれぞれ示している。妨害機の送信タイミングは相手レーダ波受信の際に僚機の送信波も分析できるものとし、そこから妨害機の送信タイミングを計算する。このように、僚機同士の互いの欺瞞妨害諸元を受信し、同様の欺瞞妨害を時間的にずれをもたせて行うことにより、相手レーダに対しより広い時間領域に偽目標を表示させることができる。
【0024】実施の形態5.上記実施の形態1では、妨害機6a、6bが交互に電力妨害を行う場合を述べたが、妨害機の一方が妨害波の送信状態と停止状態を切り替え、他方が常に妨害波を出し続けるように妨害を行ってもよい。図7はこのような実施の形態5における各妨害機6a、6bの妨害波出力および相手レーダ側の妨害波入力の時間関係を示すタイミング図で、同図(a)に妨害機6aの妨害波出力、(b)に妨害機6bの妨害波出力、(c)に相手レーダ側での妨害波の入力レベルをそれぞれ示している。このような妨害においては、妨害機6bが妨害機6aの妨害諸元を受信する必要がなく、妨害機6aのみが妨害機6bの妨害諸元を受信し、その妨害諸元に基づく妨害を行うため、妨害機6bが妨害機6aからの妨害諸元を受信する際に障害がある場合でも、実施の形態1に近い妨害効果が得られる。
【0025】実施の形態6.上記実施の形態1では、妨害機6a、6bが交互に電力妨害を行う場合を述べたが、相手レーダとして方位測定用、高度測定用にそれぞれ90度異なった偏波を用いているAZ−ElTWSレーダに対し、妨害機6a、6bそれぞれが同時に90度異なる妨害用の水平偏波および垂直偏波を送信し、水平偏波と垂直偏波を互いに時間的に切り換え、同じ周波数帯域で妨害を行うようにしてもよい。
【0026】図8はこのような実施の形態6における各妨害機6a、6bの用いる偏波および相手レーダ側の妨害波入力レベルの時間関係を示すタイミング図で、同図(a)に妨害機6aの用いる偏波、(b)に妨害機6bの用いる偏波、(c)に相手レーダ側の方位測定用レーダでの妨害波の入力レベル、(d)に相手レーダ側の高度測定用レーダでの妨害波の入力レベルをそれぞれ示している。このように、互いの偏波諸元を受信し、切り替えて電力妨害を行うことにより、方位測定用、高度測定用にそれぞれ90度異なった偏波を用いているAZ−ElTWSレーダに対しより強力な電力妨害が可能となる。
【0027】なお、上記各実施の形態の説明では、妨害機の機数が2の場合について述べたが、妨害機の機数は3以上でもよい。
【0028】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、送信する妨害波の送信タイミング、周波数等を、各機に搭載されている受信装置を用いてリアルタイムに検出することによって僚機間で同期をとるようにしたので、僚機間で妨害波の周波数、送信タイミング等を連携させて妨害を行う際、専用のデータリンク装置を省略でき、簡単な構成で連携妨害が可能となり、低コスト化を図ることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】591102095
【氏名又は名称】三菱スペース・ソフトウエア株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
【公開番号】 特開2001−194447(P2001−194447A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−5844(P2000−5844)