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【発明の名称】 レーダ受信装置
【発明者】 【氏名】塩澤 友祥

【氏名】伊藤 正程

【要約】 【課題】従来のレーダ受信装置では、目標の角度を誤る原因となる、複数のチャンネルの各々で回路素子等に依存する透過信号利得誤差、透過位相誤差を低減することが困難であるという課題がある。

【解決手段】受信帯域外の参照信号を入力し、参照信号の振幅検波出力および参照信号のチャンネル間の位相差が一定値となるようにフィードバック制御をすることにより、透過信号利得誤差、透過位相誤差を補正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーダ受信装置の構成要素の一つである参照信号源より出力される参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器と、この参照信号利得制御器の出力信号を複数に分配する電力分配器と、この電力分配器から生じる複数の出力信号に対応して配置され、レーダ受信装置の外部より入力しかつ目標情報を有する複数の入力受信信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々に所定の処理をする複数のアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の振幅を検出する複数の振幅検波器と、この複数の振幅検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する複数の比較器と、この複数の比較器の出力信号の各々を積分処理し前記複数のアナログ信号利得制御器の各々に出力する複数の積分器と、この複数のアナログ信号利得制御器のうち基準とする一つの出力信号と他の一つ以上のアナログ信号利得制御器の各々の出力信号との位相差を検出する一つまたは複数の位相検波器と、この一つ以上の位相検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する一つ以上の比較器と、この一つ以上の比較器の出力信号の各々を積分処理する一つ以上の積分器と、この一つ以上の積分器の出力信号により前記基準とされない一つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の位相を制御する一つ以上の位相制御器と、前記複数のアナログ信号利得制御器の出力信号から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この複数の狭帯域フィルタのうち基準とする一つの出力信号の振幅を検出する振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理し前記参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器に制御信号を出力する積分器を備えることを特徴とするレーダ受信装置。
【請求項2】 レーダ受信装置の構成要素の一つである参照信号源より出力される参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器と、この電力分配器の複数の出力信号の各々に対応して配置され、レーダ受信装置の外部より入力しかつ目標情報を有する複数の入力受信信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々に所定の信号処理を行う複数のアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の振幅を検出する複数の振幅検波器と、この複数の振幅検波器の出力信号の各々と基準値選択器で設定される基準値とを比較する複数の比較器と、この複数の比較器の出力信号の各々を積分処理し前記アナログ信号利得制御器の各々に出力する複数の積分器と、この複数のアナログ信号利得制御器のうち基準とする一つの出力信号と他の一つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号との位相差を検出する一つ以上の位相検波器と、この一つ以上の位相検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する一つ以上の比較器と、この一つ以上の比較器の出力信号の各々を積分処理する一つ以上の積分器と、この一つ以上の積分器の各々の出力信号により前記基準とされない一つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の位相を制御する一つ以上の位相制御器と、前記複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この複数の狭帯域フィルタのうち基準とする一つの出力信号の振幅を検出する振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理する積分器と、この積分器の出力信号により基準値を設定する基準値設定器と、この基準値設定器の出力値と他の基準値との選択機能を有し前記アナログ信号利得制御器の基準値を選択可能な基準値選択器とを備えることを特徴とするレーダ受信装置。
【請求項3】 レーダ受信装置の構成要素の一つである参照信号源より出力される参照信号を複数に分配する電力分配器と、この電力分配器の複数の出力信号の各々に対応して配置され、レーダ受信装置外部より入力される目標情報を有した複数の入力受信信号の各々ととを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々に所定の信号処理を行う複数のアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器のうち基準とする一つの出力信号と他の一つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々との位相差を検出する一つ以上の位相検波器と、この複数の位相検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する一つ以上の比較器と、この一つ以上の比較器の出力信号の各々を積分処理する一つ以上の積分器と、この一つ以上の積分器の出力信号により前記基準とされない一つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の位相制御を行う一つ以上の位相制御器と、前記複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この狭帯域フィルタのうち基準とする一つの出力信号の振幅の検出を行う振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理し前記アナログ信号利得制御器に制御信号を出力する積分器とを備えることを特徴とするレーダ受信装置。
【請求項4】 レーダ受信装置の構成要素の一つである参照信号源より出力される参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器と、この参照信号利得制御器の出力信号を複数に分配する電力分配器と、この電力分配器の複数の出力信号の各々に対応して配置され、レーダ受信装置の外部より入力する目標情報を有する複数の入力受信信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々に所定の信号処理を行う複数のアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の振幅を検出する複数の振幅検波器と、この複数の振幅検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する複数の比較器と、この複数の比較器の出力信号の各々を積分処理し前記複数のアナログ信号利得制御器の各々に出力する複数の積分器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この複数の狭帯域フィルタのうち基準とする一つの出力信号の振幅を検出する振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理し前記参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器に制御信号を出力する積分器とを備えることを特徴とするレーダ受信装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は目標に対して電波を送信し、かつ目標が反射した電波を受信することにより、目標との相対距離、相対角度、相対速度等のいわゆる目標に関する情報を得ることに特徴を有するレーダ装置の改良に関するもので、更に詳しく述べるとレーダ装置を構成する要素の一つあるレーダ受信装置に特徴を有するものである。なお、ここでは説明の便宜上、対空目標を追尾する飛しょう体にレーダ装置を搭載した場合を例にあげて説明する。
【0002】
【従来の技術】図6は飛しょう体と目標との相対関係を示すものである。図において1は戦闘機等の対空目標、2はこの対空目標1を追尾する飛しょう体、4は飛しょう体2に搭載された送受信機3から送信された送信波、5は対空目標1で送信波4が反射された反射波、6は飛しょう体2の先端部に取り付けられているアンテナである。
【0003】図7は飛しょう体2の構成を示した図である。図において、6は電波の送信および受信時にビームの形成を行うアンテナ、3は電波の送信および受信を司る送受信機で、電波の送信時には電波の形成を行う送信機7と受信波5の利得制御等を行う受信機8とで構成されている。9は飛しょう体2が対空目標1に近づいた際に爆発するための弾薬、9は飛しょう体2の進行方向を制御するための操舵部、11は飛しょう体2の推進器であるロケットモータである。
【0004】図8はアンテナ6に入射する受信波5の入射角度と受信電力の電圧値との関係を示す図である。図においてアンテナ6は一部が重なりあった、方向の異なる2つのアンテナビームA,Bにより目標からの反射波5を受信する。また、アンテナ6で受信した2つの信号A,Bは図9のモノパルスコンパレータ12により2つの信号の和である和信号Σinと、差である差信号Δinとに変換される。
【0005】図9は従来のレーダ受信機8の構成を示した図である。図において、12はモノパルスコンパレータ、13はモノパルスコンパレータ12の出力信号である和信号Σinと差信号Δinの周波数変換、受信信号電力の増幅、受信信号の位相検波、受信信号の振幅検波等を行い信号処理器13に和信号Σout と差信号Δout を出力するレーダ受信装置である。14はレーダ受信装置13の出力信号である和信号Σout と差信号Δout の比を計算することにより、アンテナ6における受信信号電力の大きさに関係なく目標2のアンテナ6からの相対角度を算出する信号処理を行う信号処理器である。
【0006】図10は図9におけるレーダ受信装置13の構成を更に詳しく示した図である。図において、15,16は差信号Δin、和信号Σinの各々の増幅、周波数変換等の所定の信号処理を行うアナログ信号処理器、17,18は積分器23からの出力信号により、アナログ信号処理器15,16の出力信号の各々の利得を制御するアナログ信号利得制御器、19,20はアナログ信号利得制御器17,18の出力信号の各々から不要な信号を除去し、差信号Δout 、和信号Σout を出力する狭帯域フィルタである。なおここでは、ΔinからΔout までの系をΔチャンネル、ΣinからΣout の系をΣチャンネルと呼ぶ。
【0007】ここで、狭帯域フィルタ19,20の動作を説明する。図11は狭帯域フィルタ19,20がアナログ信号利得制御器17,18の出力信号から不要な信号を除去する原理を示す図である。図において、横軸は周波数、縦軸は受信電力を示している。図において24は大地等からの不要な反射波(以下クラッタという)の周波数範囲とクラッタの受信電力の大きさ、25は目標2からの受信電力の周波数と対空目標2からの受信電力の大きさ、26は狭帯域フィルタの周波数帯域を示している。アンテナ6に入射する反射波5には、対空目標2からの受信信号25とクラッタ24がある。送信波4が対空目標2により反射される際、対空目標2と飛しょう体1との相対速度に応じたドップラー効果により送信波4とは異なる周波数で受信される。また、図の横軸である反射波5の周波数は、対空目標2と飛しょう体1との相対速度により決まるので、クラッタ24と対空目標からの受信信号25は周波数軸上で分離される。図において狭帯域フィルタの周波数帯域26を点線で示す。点線よりも小さい受信電力は狭帯域フィルタ19,20で除去された狭帯域フィルタ19,20から出力されないため、周波数f1から周波数f2の間の周波数のみ選択的に出力することが可能であるなお、狭帯域フィルタ19,20の周波数帯域を、対空目標2からの受信信号25のみが現れる周波数f1から周波数f2の間に設定することでクラッタを除去し、必要な信号である目標からの受信信号25のみを得ることができる。
【0008】図12はレーダ受信装置13の目標信号受信時の入出力特性を示すもので、レーダ受信装置13は、受信信号の入力レベルが大きい場合、利得を小さくして出力電力レベルを信号処理器14の処理が容易であるレベルに調整する。また、第3の振幅検波器21は、第2の狭帯域フィルタ20の出力信号の振幅、すなわち和信号Σout の振幅の検出をする。第3の比較器21は第3の振幅検波器20の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅を基準値Sと比較し、基準値Sより小さい場合には一定値を出力する。第3の積分器23は第2の比較器21の出力信号を積分処理し、一定値をアナログ信号利得制御器17,18に出力する。この場合、アナログ信号利得制御器17,18は定利得回路として動作する。すなわち図において、アナログ信号利得制御器17,18が定利得回路として動作する領域を定利得領域とする。第3の比較器22は第3の振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅を基準値Sと比較し、基準値Sより大きい場合には基準値と第3の振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅の差を出力する。また第3の積分器23は第3の比較器22の出力信号を積分処理する。第3の積分器23はアナログ信号利得制御器17,18に利得制御信号を出力する。アナログ信号利得制御器17,18は利得制御信号が大きいとき、すなわち和信号Σout の振幅が大きいときに利得を下げるように動作し、和信号Σoutの振幅が基準値Sと等しくなるようにフィードバック制御を行う。図12において、アナログ信号利得制御器17,18が定出力回路として動作する領域を利得制御領域とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなレーダ受信装置では、複数のチャンネルがそれぞれ独立の回路で構成されているため、各チャンネルの回路素子等に依存する透過信号利得誤差や、透過位相誤差が各々のチャンネルで個別に発生し、目標の角度を誤るという課題がある。また、透過信号利得誤差、透過位相誤差を小さくするためには、部品の選別や回路の調整が必要であり、透過信号利得誤差、透過位相誤差等を小さくすることが困難であるという課題もある。また、このような回路構成の場合、信号周波数、周囲温度、および利得制御特性の変動に敏感でありハードウェア性能の向上に限界があるという課題もある。
【0010】この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、チャンネル間の透過信号利得誤差および透過位相誤差が小さいレーダ受信装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるレーダ受信装置は、参照信号源より出力される参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器と、この参照信号利得制御器の出力信号を複数に分配する電力分配器と、複数の入力受信信号の各々とこの電力分配器の複数の出力信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々を増幅、周波数変換等の所定の信号処理を行う複数のアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の振幅を検出する複数の振幅検波器と、この複数の振幅検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する複数の比較器と、この複数の比較器の出力信号の各々を積分処理し前記複数のアナログ信号利得制御器の各々に出力する複数の積分器と、この複数のアナログ信号利得制御器のうち基準とする1つの出力信号と他の1つ以上のアナログ信号利得制御器の各々の出力信号との位相差を検出する1つまたは複数の位相検波器と、この1つ以上の位相検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する1つ以上の比較器と、この1つ以上の比較器の出力信号の各々を積分処理する1つ以上の積分器と、この1つ以上の積分器の出力信号により前記基準とされない1つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の位相を制御する1つ以上の位相制御器と、前記複数のアナログ信号利得制御器の出力信号から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この複数の狭帯域フィルタのうち基準とする1つの出力信号の振幅を検出する振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理し前記参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器に制御信号を出力する積分器とを備え、参照信号の振幅検波出力が一定値となるようにフィードバック制御をすることにより、複数のアナログ信号処理器と複数のアナログ信号利得制御器の各々が発生する透過信号利得誤差を補正することと、参照信号の位相差が一定値となるようにフィードバック制御することにより、複数のアナログ信号処理器と複数のアナログ信号利得制御器の各々が発生する透過位相誤差を補正することを特徴とする。
【0012】また、第2の発明によるレーダ受信装置は、参照信号源より出力される参照信号を複数に分配する電力分配器と、複数の入力受信信号とこの電力分配器の複数の出力信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々を増幅、周波数変換等の所定の信号処理を行うアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の振幅を検出する複数の振幅検波器と、この複数の振幅検波器の出力信号の各々と基準値選択器で設定される基準値とを比較する複数の比較器と、この複数の比較器の出力信号の各々を積分処理し前記アナログ信号利得制御器の各々に出力する複数の積分器と、この複数のアナログ信号利得制御器のうち基準とする1つの出力信号と他の1つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号との位相差を検出する1つ以上の位相検波器と、この1つ以上の位相検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する1つ以上の比較器と、この1つ以上の比較器の出力信号の各々を積分処理する1つ以上の積分器と、この1つ以上の積分器の各々の出力信号により前記基準とされない1つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の位相を制御する1つ以上の位相制御器と、前記複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この複数の狭帯域フィルタのうち基準とする1つの出力信号の振幅を検出する振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理する積分器と、この積分器の出力信号により基準値を設定する基準値設定器と、この基準値設定器の出力値と他の基準値との選択機能を有し前記アナログ信号利得制御器の基準値を選択可能な基準値選択器とを備え、参照信号の振幅検波出力が一定値となるようにフィードバック制御をすることにより、複数のアナログ信号処理器と複数のアナログ信号利得制御器の各々が発生する透過信号利得誤差を補正することと、参照信号の位相差が一定値となるようにフィードバック制御することにより、複数のアナログ信号処理器と複数のアナログ信号利得制御器の各々が発生する透過位相誤差を補正することを特徴とする。
【0013】また、第3の発明によるレーダ受信装置は、参照信号源より出力される参照信号を複数に分配する電力分配器と、複数の入力受信信号の各々とこの電力分配器の複数の出力信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々を増幅、周波数変換等の所定の信号処理を行う複数のアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器のうち基準とする1つの出力信号と他の1つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々との位相差を検出する1つ以上の位相検波器と、この複数の位相検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する1つ以上の比較器と、この1つ以上の比較器の出力信号の各々を積分処理する1つ以上の積分器と、この1つ以上の積分器の出力信号により前記基準とされない1つ以上のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の位相制御を行う1つ以上の位相制御器と、前記複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この狭帯域フィルタのうち基準とする1つの出力信号の振幅の検出を行う振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理し前記アナログ信号利得制御器に制御信号を出力する積分器とを備え、参照信号の位相差が一定値となるようにフィードバック制御することにより、複数のアナログ信号処理器と複数のアナログ信号利得制御器の各々が発生する透過位相誤差を補正することとを特徴とする。
【0014】また、第4の発明によるレーダ受信装置は、参照信号源より出力される参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器と、この参照信号利得制御器の出力信号を複数に分配する電力分配器と、複数の入力受信信号の各々とこの電力分配器の複数の出力信号の各々とを電力合成する複数の電力合成器と、この複数の電力合成器の出力信号の各々を増幅、周波数変換等の所定の信号処理を行うアナログ信号処理器と、この複数のアナログ信号処理器の出力信号の各々を利得制御する複数のアナログ信号利得制御器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々の振幅を検出する複数の振幅検波器と、この複数の振幅検波器の出力信号の各々と基準値とを比較する複数の比較器と、この複数の比較器の出力信号の各々を積分処理し前記複数のアナログ信号利得制御器の各々に出力する複数の積分器と、この複数のアナログ信号利得制御器の出力信号の各々から不要な信号を取り除く複数の狭帯域フィルタと、この複数の狭帯域フィルタのうち基準とする1つの出力信号の振幅を検出する振幅検波器と、この振幅検波器の出力信号と基準値とを比較する比較器と、この比較器の出力信号を積分処理し前記参照信号の利得制御を行う参照信号利得制御器に制御信号を出力する積分器とを備え、参照信号の振幅検波出力が一定値となるようにフィードバック制御をすることにより、複数のアナログ信号処理器と複数のアナログ信号利得制御器の各々が発生する透過信号利得誤差を補正することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示すレーダ受信装置の構成を示すものである。ここでは説明の便宜上2チャンネルのレーダ受信装置の例で説明するが、多チャンネルであっても動作は同様である。図において、13は2チャンネルのレーダ、27は基準となる参照信号28を出力する参照信号源である。図5は参照信号28の説明を示した図である。図5において、横軸は周波数、縦軸は受信電力を示している。図5において、24,25,26は図11と同一であり、28は参照信号である。参照信号28は目標からの受信信号25とは異なった周波数で、狭帯域フィルタの帯域外である。参照信号28は目標からの受信信号電力25よりも十分大きな信号電力でありかつ狭帯域フィルタ19,20によって抑圧できる大きさであるため、参照信号28はレーダ受信装置13から出力されない。図1において、参照信号利得制御器29は、参照信号源から出力される参照信号28を積分器23からの出力信号をもとに利得制御を行う。電力分配器30は、参照信号利得制御器29の出力信号を、同電力、同位相の二つの信号に分配して出力する。電力分配器31,32は、電力分配器30の出力信号と差信号Δin、和信号Σinの各々とを合成し、アナログ信号処理器15,16に出力する。アナログ信号処理器15,16は、電力合成器31,32の各々の出力信号の増幅、周波数変換等の所定の信号処理を行う。アナログ信号利得制御器17,18は、積分器37,38からの出力信号により、アナログ信号処理器15,16の出力信号の各々の利得を制御する。位相制御器39は、積分器40からの出力信号によりアナログ信号利得制御器17の出力信号の位相を制御する。狭帯域フィルタ19,20は、位相制御器39、アナログ信号処理器18の出力信号の各々から不要な信号を除去し、差信号Δout 、和信号Σout を出力する。
【0016】振幅検波器33,34は位相制御器39、アナログ信号利得制御器18の出力信号の各々の振幅を検出する。図5において、参照信号28は目標からの受信信号25に対し十分大きい値であるため、振幅検波器33,34の出力は、参照信号28の振幅が検出される。比較器35,36は振幅検波器33,34の出力信号の各々を基準値Tと比較し振幅検波器33,34の出力信号の各々と基準値Tとの差を出力する。積分器37,38は比較器35,36の出力信号の各々を積分処理する。積分器37,38は、アナログ信号利得制御器17,18の各々に利得制御信号を出力する。アナログ信号利得制御器17,18は利得制御信号が大きいとき、すなわち参照信号28に対する振幅検波器33,34の出力レベルが大きいときに利得を下げるように動作し、振幅検波器33,34の出力信号の各々が基準値Tと等しくなるようにフィードバック制御を行う。これにより、アナログ信号処理器15,16およびアナログ信号利得制御器17,18と位相制御器39に透過信号利得誤差があった場合に、アナログ信号利得制御器17,18が利得の補正を行うため、透過信号利得誤差を小さくすることができる。
【0017】位相検波器42は位相制御器39の出力信号とアナログ信号利得制御器18の出力信号との位相差を検出する。比較器41は位相検波器42の出力信号を基準値Oと比較し位相検波器42の出力信号と基準値Oとの差を出力する。積分器40は比較器41の出力信号を積分処理し、位相制御器39に位相制御信号を出力する。位相制御器39は、積分器40の出力が大きい場合、すなわち位相検波器42の出力信号の位相がアナログ信号利得制御器18の出力信号の位相に対して進んでいる場合、位相検波器42の出力信号の位相を遅らせるように動作し、位相制御器39の出力信号とアナログ信号利得制御器18の出力信号の位相が等しくなるようにフィードバック制御を行う。これにより、アナログ信号処理器15,16およびアナログ信号利得制御器17,18と位相制御器39に透過位相誤差があった場合に、位相制御器39が位相の補正を行うため、透過位相誤差を小さくすることができる。
【0018】振幅検波器21は、狭帯域フィルタ20の出力信号の振幅、すなわち和信号Σout の振幅の検出をする。比較器22は振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅を基準値Sと比較し、基準値Sより小さい場合には一定値を出力する。積分器23は比較器22の出力信号を積分処理し、一定値を参照信号利得制御器29に出力する。参照信号利得制御器29は一定のレベルの信号を出力するため、振幅検波器33,34は一定値を出力し、アナログ信号利得制御器17,18は定利得回路として動作する。したがって、図12に示す定利得領域と同じ動作となる。比較器22は振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅を基準値Sと比較し、基準値Sより大きい場合には、基準値と振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅の差を出力する。積分器23は比較器22の出力信号を積分処理する。積分器23は参照信号利得制御器29に利得制御信号を出力する。参照信号利得制御器29は、利得制御信号が大きいとき、すなわち和信号Σout の振幅が大きいときに利得を上げるように動作するが、参照信号利得制御器29の出力信号のレベルが増加するため、振幅検波器33,34の出力信号は増加し、アナログ信号利得制御器17,18は利得を下げるように動作し、和信号Σout の振幅が基準値Sと等しくなるようにフィードバック制御される。したがって、図12に示す利得制御領域と同じ動作となる。
【0019】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形態2を示すレーダ受信装置の構成図である。図2において、番号42までは実施の形態1と同一かつ同様の動作をするものである。ここでは説明の便宜上2チャンネルのレーダ受信装置の例で説明するが、多チャンネルであっても動作は同様である。
【0020】図2において、振幅検波器21は狭帯域フィルタ20の出力信号の振幅、すなわち和信号Σout の振幅の検出をする。比較器22は振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅を基準値Sと比較し、基準値Sより小さい場合には一定値を出力する。積分器23は比較器22の出力信号を積分処理する。基準値設定器43は一定値を出力する。基準値選択器44は、一定の基準値Tを選択し、比較器35,36に出力する。比較器35,36の基準値が一定となるため、アナログ信号利得制御器17,18は定利得回路として動作する。したがって、図12に示す定利得領域と同じ動作となる。比較器22は振幅検波器21の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅を基準値Sと比較し、基準値Sより大きい場合には、基準値と振幅検波器22の出力信号、すなわち和信号Σout の振幅の差を出力する。積分器23は比較器22の出力信号を積分処理する。基準値設定器43は、積分器23の出力に対して、比較器35,36の制御信号を生成し、基準値選択器44は、基準値設定器43の出力信号を選択し、比較器35,36に出力する。基準値設定器43は、比較器22の出力信号レベルが大きいとき、すなわち和信号Σout の振幅が大きいときに比較器35,36の基準値を上げるように動作するため、比較器35,36の出力信号レベルは減少し、アナログ信号利得制御器17,18は利得を下げるように動作し、和信号Σout の振幅が基準値Sと等しくなるようにフィードバック制御される。したがって、図12に示す利得制御領域と同じ動作となる。実施の形態2では、基準値設定器43、基準値選択器44が演算増幅器等の低周波の回路で構成することができるため、より安価で実施の形態1と同じ動作を実現することができる。
【0021】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形態3を示すレーダ受信装置の構成図である。図3において、番号42までは実施の形態1と同一同様な動作をするものである。ここでは説明の便宜上2チャンネルのレーダ受信装置の例で説明するが、多チャンネルであっても動作は同様である。
【0022】次に動作について説明する。実施の形態1と同様に、アナログ信号処理器15,16、アナログ信号利得制御器17,18、位相制御器39、に透過位相誤差があった場合に、位相制御器39が位相の補正を行うため、透過位相誤差を小さくすることができる。透過信号利得誤差が問題とならないレーダ装置において、より簡単な構成とすることができる。
【0023】実施の形態4.図4はこの発明の実施の形態4を示すレーダ受信装置の構成を示すものである。図4において、番号37までは実施の形態1と同一同様な動作をするものである。ここでは説明の便宜上2チャンネルのレーダ受信装置の例で説明するが、多チャンネルであっても動作は同様である。
【0024】次に動作について説明する。実施の形態1と同様に、アナログ信号処理器15,16およびアナログ信号利得制御器17,18、位相制御器42に透過信号利得誤差があった場合に、アナログ信号利得制御器17,18が利得の補正を行うため、透過信号利得誤差を小さくすることができる。透過位相誤差が問題とならないレーダ装置において、より簡単な構成とすることができる。
【0025】
【発明の効果】第1の発明によれば、チャンネル間の透過信号利得誤差、透過位相誤差が小さいレーダ受信装置を得ることができる。
【0026】また、第2の発明によれば、チャンネル間の透過信号利得誤差、透過位相誤差が小さいレーダ受信装置を得ることができる。また、基準値設定器、基準値選択器が演算増幅器等の低周波の回路で構成することができるため、より安価な構成とすることができる。
【0027】また、第3の発明によれば、チャンネル間の透過位相誤差が小さいレーダ受信装置を得ることができる。また、透過信号利得誤差が問題とならないレーダ装置において、より簡単な構成とすることができる。
【0028】また、第4の発明によれば、チャンネル間の透過信号利得誤差が小さいレーダ受信装置を得ることができる。また、透過位相誤差が問題とならないレーダ装置において、より簡単な構成とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2001−194445(P2001−194445A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−2545(P2000−2545)