| 【発明の名称】 |
移動体姿勢角計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】由井 勝男
【氏名】中島 喜明
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| 【要約】 |
【課題】移動体上に設置した複数の衛星信号受信アンテナで受信した衛星信号搬送波(キャリア)の位相差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置において、整数値バイアスを早く決定するとともに、姿勢角を高精度に求めること。
【解決手段】衛星信号受信アンテナ1,2のうち、1つ以上を移動アンテナ1とするとともに、衛星信号受信状況に応じて移動アンテナ1の位置を指示6する。このアンテナ設定位置決定手段6の指示により移動アンテナ1を移動5する。そして、アンテナ設定位置に応じて、整数値バイアスの決定および姿勢角計測を行う。この移動としては、直線移動および回転移動がある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動体上に設置した2つ以上の衛星信号受信アンテナで受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相の差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置において、前記衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを移動アンテナとするとともに、衛星信号受信状況に応じて前記移動アンテナの位置を指示するアンテナ設定位置決定手段と、このアンテナ設定位置決定手段の指示により前記移動アンテナを移動するアンテナ移動手段とを備え、アンテナ設定位置に応じて、整数値バイアスの決定および姿勢角計測を行うことを特徴とする移動体姿勢角計測装置。 【請求項2】 移動体上に設置した2つ以上の衛星信号受信アンテナで受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相の差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置において、前記衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを、回転アンテナ上に設置するとともに、前記回転アンテナの回転位置に応じて、整数値バイアスの決定および姿勢角計測を行うことを特徴とする移動体姿勢角計測装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、移動体上に複数の衛星信号受信アンテナを設置し、受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相の位相差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置に関する。 【0002】 【従来の技術】移動体の姿勢角計測装置として、移動体上に複数の衛星信号受信アンテナを設置し、受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相の位相差を利用して、その複数の衛星信号受信アンテナの相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測するものが知られている。 【0003】この姿勢角計測装置では、移動体上に2つ以上の衛星信号受信アンテナを設置し、複数の衛星からの衛星信号をそれぞれ受信する。そして、既知であるアンテナ間の距離等の情報と、それぞれ受信した衛星信号毎の衛星信号搬送波(キャリア)位相の位相差を利用して、基準とするアンテナから見たその他のアンテナの相対位置をセンチメートル(cm)レベルの高精度で求め、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する。 【0004】例えば、2つのアンテナで構成した場合には、移動体の前後方向に2アンテナを設置すれば、方位角とピッチ角が計測できる。また、その2アンテナと直交した位置に3台目のアンテナを設置すれば、ロール角も計測することができる。この計測の手順は、先ず、基準アンテナから見た別のアンテナの相対ベクトルを求める。続いて、そのベクトルから楕円体の地表面に平行な成分(東、北の2方向)と垂直成分の3つの成分を、ベクトル回転式で求めることになる。 【0005】ここで、センチメートル(cm)レベルの高精度でアンテナの相対位置を求めるため、各アンテナに接続された各衛星信号受信機では、数10cmの波長である、GPSとかGLONASS衛星の衛星信号搬送波(キャリア)の位相を計測している。一方、姿勢角の精度を確保するためにアンテナ間の距離はできるだけ長く設定される。このため、波長毎、すなわち各サイクル毎に同位相が計測されるので、計測した位相はどのサイクルのものかを正確に測定し、整数値バイアスを確定することが必要である。 【0006】従来の整数値バイアスの求め方について説明する。移動体の姿勢角を計測するためにはその立体的な位置関係が必要であるから、整数値バイアスについても3次元位置を求めることになる。ただ、整数値バイアスの求め方としては、原理的には3次元位置を求める場合も地表面上の1次元位置を求める場合も同じであるので、説明をわかりやすくするため、以後地表面上の1次元位置を求める場合を例にして説明する。 【0007】搬送波位相で求められる位置自体の精度はアンテナ間距離とは無関係であるが、移動体姿勢角の精度はアンテナ間距離に逆比例する。したがって、高精度に移動体姿勢角を求めるため、移動体上に設置されるアンテナ間距離は1[m]以上離して固定するのが一般的である。例えば、搬送波位相で求められる位置自体の精度をlcm、アンテナ間距離をlmとすると、姿勢角の角度精度は約0.6度となり、通信衛星を追尾するためなどの一般的に要求される1度以下の精度が得られる。 【0008】図9は、従来の整数値バイアスの求め方を説明するものである。基準となるアンテナをXの位置、測定するアンテナをAの位置とし、アンテナ間距離Lを搬送波の波長λの数倍以上離した場合、衛星S1の時刻tlの信号において、同じ位相差となる点は、真の点A以外に、衛星信号搬送波の波長λの整数サイクル分異なった点B,C,D,E,Fが存在する。この内、既知であるアンテナ間距離L(=XA)の条件を満たさない点B,C,D,Eは誤っていると直ちに判定できるが、点Fは同じ距離L(=XF)であるため、衛星S1、時刻tlの信号のみでは、真の整数値バイアスを確定することができない。 【0009】GPS,GLONAS衛星など周回衛星の場合には、時間とともに衛星が移動するので、図9に衛星S1、時刻t2として示すように、衛星と地表面との角度も変化する。その結果、地表面に投影した長さが異なることになり、衛星信号搬送波の整数サイクル分異なった点FはF’に移動するが、真の点Aは同じ位置のままである。 【0010】このことを利用して、整数値バイアスが決定できるが、衛星移動に伴う角度変化はゆっくりであるため、この方法では整数値バイアス決定まで長い時間(例えば、安価な1周波受信機の場合では約10分)が必要であり、また、移動体の位置、姿勢角などが変化することから、整数値バイアスの決定が困難であった。 【0011】しかしながら、一度整数値バイアスが決定されれば、前回との位相差の変化量を測定すれば常に位置が求められ、アンテナ間が長い場合には、高精度に姿勢角を求められる。したがって、従来の移動体姿勢角計測装置は、アンテナ間距離は1[m]以上離して固定するのが一般的となっている。 【0012】仮に、基準となるアンテナを図9のYの位置、測定するアンテナをAの位置とし、アンテナ間距離を搬送波の1/2波長以内にした場合、真の点A以外はアンテナ間距離が1/2波長以上となるため、衛星S1の時刻tlの信号において、同じ位相差となる点は真の点Aのみとなる。したがって、衛星S1、時刻tlの信号のみで、真の整数値バイアスを確定することができる。しかしながら、アンテナ間距離が搬送波の1/2波長以内と短いため、姿勢角は高精度には求められない。例えば、搬送波位相で求められる位置自体の精度をlcm、アンテナ間距離を10cmとすると、姿勢角の角度精度は約6度となり、一般的に要求される1度以下の精度は得られない。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、アンテナ間距離を長くした場合は、高精度に姿勢角を求められるものの、正しい整数値バイアスを決定するまで時間がかかり、その結果として姿勢角を求めるのに長い時間を要する欠点があった。このことは受信中断が多い移動体に適用する場合(例えば車載用など)には、大きな間題であった。 【0014】また、逆に、アンテナ間距離を短くした場合は、整数値バイアスを決定するまでの時間は短くできるものの、姿勢角は高精度には求められない欠点があり、実用上使用できなかった。 【0015】このため、本発明は、移動体上に設置した複数の衛星信号受信アンテナで受信した衛星信号搬送波(キャリア)の位相差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置において、整数値バイアスを早く決定するとともに、姿勢角を高精度に求めることを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】請求項1の移動体姿勢角計測装置は、移動体上に設置した2つ以上の衛星信号受信アンテナで受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相の差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置において、前記衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを移動アンテナとするとともに、衛星信号受信状況に応じて前記移動アンテナの位置を指示するアンテナ設定位置決定手段と、このアンテナ設定位置決定手段の指示により前記移動アンテナを移動するアンテナ移動手段とを備え、アンテナ設定位置に応じて、整数値バイアスの決定および姿勢角計測を行うことを特徴とする。 【0017】この構成によれば、衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを移動アンテナとすることで、基準となるアンテナとの距離、あるいは距離および方向を変更可能とする。そして、受信中断あるいは受信開始に際して、先ず、アンテナ間隔を短くして、整数値バイアスを短時間に確定する。引き続いて、この整数値バイアスの確定後にアンテナ間隔を最適な位置、距離および方向に移動して、姿勢角を高精度に求めることができる。 【0018】請求項2の移動体姿勢角計測装置は、移動体上に設置した2つ以上の衛星信号受信アンテナで受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相の差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する移動体姿勢角計測装置において、前記衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを、回転アンテナ上に設置するとともに、前記回転アンテナの回転位置に応じて、整数値バイアスの決定および姿勢角計測を行うことを特徴とする。 【0019】この構成によれば、衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを、回転アンテナ上に設置することで、基準となるアンテナとの距離および方向が、回転アンテナの回転周期に応じて変更される。そして、受信中断あるいは受信開始に際して、先ず、アンテナ間隔が短くなったタイミングなどで、整数値バイアスを確定する。引き続いて、この整数値バイアスの確定後にアンテナ間隔が最適な位置(距離、方向)に移動したタイミングで姿勢角を高精度に求めることができる。 【0020】このように請求項1におけると同様に、整数値バイアスの短時間での決定および姿勢角の高精度の測定ができるとともに、他の用途に用いられている回転アンテナに1つ以上のアンテナを搭載するだけで、簡単に構成することができる。 【0021】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。 【0022】図1は本発明の第1の実施の形態に係る移動体姿勢角計測装置の構成を示す図である。この図において、移動体上に設置した衛星信号受信アンテナ1と受信機3で受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相と、同じく衛星信号受信アンテナ2と受信機4で受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相との位相差を利用して、その相対位置からその移動体の姿勢角を高精度で計測する。この衛星信号受信アンテナ1,2のうち、1方のアンテナを移動アンテナ1とするとともに、衛星信号受信状況に応じて移動アンテナ1の位置を指示するアンテナ設定位置決定装置6と、このアンテナ設定位置決定装置6の指示により移動アンテナ1を移動するアンテナ移動装置5とを備える。 【0023】アンテナ設定位置決定装置6は 、受信機4からの衛星信号受信状況、具体的には受信中断(サイクルスリップ)信号、運用開始信号、衛星軌道データ、衛星仰角等のデータを元にして、移動アンテナ1の設置位置を決定し、その位置まで移動アンテナ1を移動する為の制御信号をアンテナ移動装置5に転送する。アンテナ移動装置5は、アンテナ設定位置決定装置6からの制御信号データを機械トルクに変換して移動アンテナ1の位置を移動させる。 【0024】この移動体姿勢角計測装置の運用開始時または受信中断時には、受信状況として受信機4から受信中断信号などがアンテナ設定位置決定装置6に出力される。 【0025】アンテナ設定位置決定装置6は、受信中断信号を受けて、アンテナ移動装置5を介して移動アンテナ1を基準アンテナ2に接近させ、移動体の姿勢角計測の前提となる整数値バイアスを再び確定させる。この接近させる距離は、整数値バイアスが確定できる距離、即ち原理上は衛星信号搬送波波長λの半分以内であるが、整数値バイアスの候補数の関係で実際上支障無く確定できる数波長以内、とされる。 【0026】この整数値バイアスの確定後、移動アンテナ1を再び基準アンテナから離れた位置に移動させて位置と姿勢角の測位を行う。移動させるべき移動アンテナ1の設定位置は、アンテナ設定位置決定装置6が受信機4から衛星配置データ等も得て、最良のアンテナ位置となる距離、方向を決定し、アンテナ駆動装置5を介して受信機3が付随した移動アンテナ1を所定の位置に移動する。この位置で、移動体の位置と姿勢角を正確に測位する。 【0027】なお、GPS/GLONASSなどの衛星システムでは各衛星は常に移動しており、2アンテナの方向を変えると求められるアンテナ間の相対位置精度が変わることになる。このことから、2アンテナ間の距離を大きくすることと併せて、2アンテナの方向を変えることで、結果として姿勢角を最も精度良く求めることができる位置が、最良のアンテナ位置となる。 【0028】図2は具体的な構成例として、一方のアンテナ2を移動体に固定された取付台2aに取り付け、他方のアンテナ1は直線的に移動する場合の構成例を示すものである。アンテナ1はアンテナ移動装置5により移動体に固定された回転軸5a,5bを中心として駆動され、アンテナ2に接近させたり、あるいはアンテナ2から離したりできるように、直線的に移動される。 【0029】運用開始、あるいは受信中断した時には、アンテナ1,2間の間隔を短く設定する。この時、移動アンテナ1は、図中1′で示すようにアンテナ2に接近させる。前述したように、この場合には搬送波の整数値バイアスが即決定できる。したがって、この時の整数値バイアスおよび位相差により、まず概略の姿勢角が求められる。 【0030】この概略の姿勢角が求まったら、両アンテナ1,2の間のアンテナ間隔を徐々に長く設定していく。図2の場合には直線的移動であるから、アンテナ間隔を変更しても、真の機軸ベクトルV1は変化しない。従来のように単にアンテナ間隔を長くした場合には、例えば図9の点Fのように、誤った解が存在した。この構成例の場合には接近させたアンテナ1,2を、例えば図9においてYからXの方向ヘアンテナを移動させるように、徐々に離すことになる。したがって、移動アンテナ1のアンテナ位置である点Aはその条件を満足するが、点Fはその条件を満足しないため、誤って判定することはない。 【0031】そして、最終的には両アンテナ1,2間のアンテナ間隔を十分長くすることにより、移動体の姿勢角を高精度に求めることができる。 【0032】なお、上記アンテナ間隔の設定指示は受信機4からの衛星信号受信状況を示す信号により自動的に行っているが、手動にて行うこともできる。この点は以下に示す例においても同様である。 【0033】図3は一方のアンテナを移動させる他の具体的な構成例として、一方のアンテナ2を固定し、他方のアンテナ1は同一円周上を移動する場合の構成例を示すものである。アンテナ1はアンテナ移動装置5により、移動体に固定された回転軸5cを中心として、円周上の回転面5dを移動される。この回転により、アンテナ1はアンテナ2に接近させたり、あるいはアンテナ2から離したりできる。 【0034】運用開始、あるいは受信中断した時には、アンテナ間隔を短く設定する。この時、移動アンテナ1は、図中1′で示すようにアンテナ2に接近させる。前述したように、この場合には搬送波の整数値バイアスが即決定できる。したがって、まず概略の姿勢角が求められる。 【0035】そして、衛星信号を利用する場合、求められる位置精度は、両アンテナ1,2間の距離の他に、その時の衛星配置と、基準アンテナ2から見た移動アンテナ1へのベクトル(回転面上での偏向量ベクトル)に依存する。つまり、回転面上での偏向量ベクトルを変えることにより、衛星配置が同じでも位置精度を向上させることができる。 【0036】このことを利用し、衛星配置を衛星からの信号等により得て、位置精度が最良となる回転面上での偏向量ベクトルを求める。この偏向量ベクトルと、計測して得られた概略の機軸ベクトルV1の差を取ることにより、現機軸ベクトルにおいて、位置精度が最良となるアンテナ位置を求めることができる。したがって、両アンテナ1,2間の距離を大きくするとともに、その位置に一番近くなるように、移動アンテナ1を回転移動することで、位置精度、最終的には姿勢角精度を向上させることができる。この回転面上で移動されたアンテナ1を終点とし、固定アンテナ2を始点とするベクトルをアンテナ面移動ベクトルV2とする。 【0037】図4は一方のアンテナを移動させる更に他の具体的な構成例として、一方のアンテナ2を固定し、他方のアンテナ1は固定アンテナ2を中心として回転するとともに距離を可変にするように移動する場合の構成例を示すものである。 【0038】アンテナ1はアンテナ移動装置5により、移動体に固定されたアンテナ2を中心として、円周上の回転面5dを移動されるとともに、アンテナ2との距離も変化される。この回転および距離変化により、アンテナ1はアンテナ2に接近させたり、あるいはアンテナ2から離したりできるし、またその方向も変化できる。 【0039】この構成例では、アンテナ2を回転軸上に設置するため、アンテナ面移動ベクトルV2の方向を‐180 度〜180 度とすることが出来る。これは、図3ではアンテナ面内移動ベクトルV2の方向は限られた範囲しかとる事が出来ないのに対して、アンテナ面移動ベクトルV2を任意の方向に採ることができる。しかも、両アンテナ1,2間の距離は、接近させたり、離したり任意にできる。 【0040】したがって、運用開始、あるいは受信中断した時には、アンテナ間隔を短く設定し、搬送波の整数値バイアスが即決定できる。 【0041】そして、両アンテナ1,2間の距離を大きくするとともに、移動アンテナ1を最良の位置に回転移動することで、位置精度、最終的には姿勢角精度を向上させることができる。 【0042】図5は本発明の第2の実施の形態に係る移動体姿勢角計測装置の構成を示す図である。この図においても、移動体上に設置した衛星信号受信アンテナ1と受信機3で受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相と、同じく衛星信号受信アンテナ2と受信機4で受信した衛星信号搬送波(キャリア)位相との位相差を利用して、その相対位置から移動体の姿勢角を高精度で計測する。 【0043】この衛星信号受信アンテナ1,2のうち、少なくとも1方のアンテナ1を船舶レーダ用などに用いられる回転アンテナのフレーム上に設置する。そして、この回転アンテナの回転位置の基点を、機軸上に置かれたリードスイッチ7上をアンテナ1,受信機3が通過したことによって決定する。この基点即ちスキャン同期クロツクとアンテナフレームの回転速度とタイマー用クロツク等から回転角度位置内挿装置8により、回転アンテナのフレームの瞬時回転角度位置θの信号を受信機4に供給する。なお、リードスイッチ7はスキャン同期クロックを発生させるために用いられているが、船舶レーダの送信機などからこのスキャン同期クロックが得られる場合もある。 【0044】さて、運用開始時または受信中断時は、図5の受信機4から受信中断信号が出力される。そして、回転角度位置内装装置8から送られてくる0度(移動アンテナ1が固定アンテナ2に最も接近する角度)の回転角度位置信号と、受信機4が発生している測位タイミング信号との論理和をとり、その出力を新しい測位タイミングとして測位を行う。 【0045】このようにすれば、アンテナ1がアンテナ2と最も近接する位置で、整数値バイアス確定の為の測位が可能となる。なお、この場合1回の測位で、整数値バイアスは確定する。 【0046】次に、衛星信号から与えられる衛星配置情報を元にして、回転面内移動ベクトルを算出し、図3の構成例で説明した方法で測位位置を移動させ、最終的に回転アンテナが前記回転面内移動ベクトル上を通過する時に、衛星信号搬送波(キャリア)の位相変化のみによる測位を行う。 【0047】この位置での衛星と地表面との角度は急速に変化する為、短時間で整数値バイブスを決定することができ、移動体の姿勢角を早くかつ高精度に求めることができる。 【0048】このように、衛星信号受信アンテナ1,2のうち、一方のアンテナ1を、回転レーダアンテナ上に設置することで、基準となるアンテナ2との距離および方向が、回転アンテナの回転周期に応じて変更される。そして、アンテナ間隔が短くなったタイミングで、整数値バイアスを確定する。引き続いて、この整数値バイアスの確定後にアンテナ間隔が最適な位置、距離および方向、に移動したタイミングで姿勢角を高精度に求めることができる。 【0049】このように、整数値バイアスの短時間での決定および姿勢角の高精度の測定ができるとともに、他の用途に用いられている回転アンテナに一方のアンテナを搭載するだけで、簡単に構成することができる。 【0050】図6は船舶レーダの回転アンテナフレームなどに移動アンテナを取り付ける場合の具体的な構成例として、一方のアンテナ2を固定し、他方のアンテナ1は回転アンテナフレーム9に取り付けた場合の構成例を示すものである。 【0051】回転アンテナフレーム9の角度位置は常時監視し、回転アンテナフレーム9が所定の角度位置に回転してきた時点で測位することにより、図3の方法で示した移動アンテナを所定の回転角度位置に移劫させて測位するのと同様の効果を得るものである。 【0052】即ち運用開始、あるいは受信中断した時には、二つの衛星信号受信アンテナ1,2のアンテナ間隔が最小となる角度位置で整数値バイアスを即決する。衛星から得られる信号から衛星配置情報を得て、これにより測位精度が最良となる回転面上での偏向量ベクトルを求め、回転面内移動ベクトルV2を設定する。そして、回転アンテナフレーム9に取り付けられたアンテナ1がそのベクトル上を通過する時に測位する。 【0053】図7は船舶レーダの回転アンテナフレームなどに移動アンテナを取り付ける場合の他の具体的な構成例として、基準となるアンテナ2と測位するアンテナ1の両方のアンテナを回転アンテナフレーム9の両端にそれぞれ設置し、この回転アンテナフレーム9を所定の回転数で回転させるものである。 【0054】従来技術での説明のように、既知であるアンテナ間隔をLとするとき、“基線長計算結果”がアンテナ間隔Lに等しいという関係が成り立つ解の候補が多数存在した場合には、従来技術では衛星移動に伴う角度変化で整数サイクル分異なった解の候補を取り除いていたが、本構成では、アンテナ間相対ベクトルを所定の回転数に従って変えることにより、従来技術よりも速く整数値バイアスを確定する。また、この構成例では、アンテナ面内移動ベクトルV2の取り得る方向は−180度〜+180度まで可能となる。 【0055】図8は船舶レーダの回転アンテナフレームなどに移動アンテナを取り付ける場合の更に他の具体的な構成例として、一方のアンテナ2を回転アンテナフレーム9の回転軸上に固定し、他方のアンテナ1は回転アンテナフレーム9に取り付けた場合の構成例を示すものである。この構成例においても、図6,図7と同様な機能を果たすことができ、アンテナ面内移動ベクトルV2の取り得る方向は−180度〜+180度まで可能となる。 【0056】なお、図6〜図8の構成例では、船舶レーダアンデナ等の回転アンテナフレーム上に衛星信号受信アンテナを設定するため、受信アンテナからの出力データ信号はスリップリングを介する必要がある。また、アンテナの回転位置を示す信号又はスキャン同期クロックが必要となり、これを用いてアンテナが現在どの位置にいるかを認識した上で、整数値バイアスの確定または、キャリア位相差の算出をすることになる。 【0057】また、例えば地表面の角度を速やかに算出するために3個以上の衛星信号受信アンテナを用いる構成も可能である。 【0058】 【発明の効果】本発明の請求項1の構成によれば、移動体に搭載される複数の衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを移動アンテナとすることで、基準となるアンテナとの距離、あるいは距離および方向を変更可能とする。そして、受信中断あるいは受信開始に際して、先ず、アンテナ間隔を短くすることで、整数値バイアスを短時間に確定する。引き続いて、この整数値バイアスの確定後にアンテナ間隔を最適な位置、距離および方向、に移動して姿勢角を高精度に求めることができる。 【0059】本発明の請求項2の構成によれば、衛星信号受信アンテナのうち、1つ以上のアンテナを、回転アンテナ上に設置することで、基準となるアンテナとの距離、方向が、回転アンテナの回転周期に応じて変更される。そして、受信中断あるいは受信開始に際して、先ず、アンテナ間隔が短くなったタイミングなどで、整数値バイアスを確定する。引き続いて、この整数値バイアスの確定後にアンテナ間隔が最適な位置(距離、方向)に移動したタイミングで姿勢角を高精度に求めることができる。 【0060】このように請求項1におけると同様に、整数値バイアスの短時間での決定および姿勢角の高精度の測定ができるとともに、他の用途に用いられている回転アンテナに1つ以上のアンテナを搭載するだけで、簡単に構成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004330 【氏名又は名称】日本無線株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月6日(2000.1.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083231 【弁理士】 【氏名又は名称】紋田 誠 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194442(P2001−194442A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−627(P2000−627) |
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