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【発明の名称】 極細コンタクトプローブ
【発明者】 【氏名】清田 茂男
【課題】従来のプローブよりも著しく細くすることができ、ピッチ間隔の狭いプリント基板の検査を支障なく実施することができる極細コンタクトプローブを提供する。

【解決手段】先端にニードル部を有する極細線状体にバネ性を有する薄板を一体として連設し、該極細線状体に極細筒体を密嵌させてコンタクトプローブを形成し、前記薄板の幅は前記極細筒体の径より寸法を狭くし、薄板の弾性力によって、前記ニードル部を前後方向に弾性移動し得るように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】先端にニードル部を有する極細線状体にバネ性を有する薄板を一体として連設し、該極細線状体に極細筒体を密嵌させてコンタクトプローブを形成し、前記薄板の幅は前記極細筒体の径より寸法を狭くし、薄板の弾性力によって、前記ニードル部を前後方向に弾性移動し得るように構成したことを特徴とする極細コンタクトプローブ。
【請求項2】前記極細線状体の直径が、0.05〜0.1mmである請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項3】前記極細線状体を、鋼、銅合金、バネ性を有する金合金若しくはタングステンから形成してなる請求項1又は2に記載のコンタクトプローブ。
【請求項4】前記極細筒体を、金若しくは金合金から形成してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
【請求項5】前記コンタクトプローブの前記薄板を絶縁体被膜で被覆し、これらコンタクトプローブを複数個スリーブに内装してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
【請求項6】前記薄板に、凹凸部を交互に形成する請求項5に記載のコンタクトプローブ。
【請求項7】バネ性を有する材料からなる極細線状体の先端に極細筒体を密嵌させ、該極細筒体密嵌部に連設した極細線状体をプレスして前記薄板に形成することを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブの製造法。
【請求項8】金若しくは金合金からなる極細筒体に、極細線状体の芯金を挿通させてダイスを通過させた後、該極細筒体より径の大きい半円状の溝を、平坦な該極細筒体挟持部に形成した治具で上下に挟んで叩いた後、ダイスに装着して、前記極細線状体を引っ張って抜くことを特徴とする極細筒体の製造法。
【請求項9】前記製造した極細筒体を、更に引き抜きダイスを通過させることによって、更に径を細くした筒体に形成させる請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】前記製造する極細筒体の内径が、0.05〜0.1mmであり、外径が0.08〜0.13mmである請求項8又は9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、微小なピッチ間隔の半導体、電子デバイス、液晶等の基板電極若しくはパターン等の断線、ショート等を精密にトライ検査することができる極細コンタクトプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板の電気回路の断線、ショート等を点検するため、従来から一体型コンタクトプローブが使用されている。
【0003】従来の一体型コンタクトプローブは、図1に示すように、筒状スリーブ1内に中心導体2を嵌合させ、スリーブ1の後端に形成した突起部4と中心導体2の後端との間に、小球5を介してコイルスプリング3を固定し、中心導体2の先端部がプリント基板の被測定面に押し当てられたときに、中心導体2がスリーブ1に対して相対移動可能に構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、最近検査するプリント基板のピッチ間隔が非常に狭くなってきているので、更なる細く且つ信頼性、高寿命のプローブ開発が求められているので、ニードル部の先端が振れないコンタクトプローブが強く求められている。
【0005】ニードル部の先端が若干でも移動すると、ニードル部の先端が目的としない被測定面に当たる恐れが生じるからである。ニードル部を極細に形成することによって、それに比例してスリーブ側とのクリアランスが縮小されるので、スリーブとの間隙を小さくすることができるから、ニードル部の先端の振れが改善される。
【0006】従来の図1に示すコンタクトプローブでは、コイルスプリング3が必要であるので、コンタクトプローブの径を細くするには、自ずから限界があった。
【0007】この発明のうち請求項1に記載の発明は、従来のプローブよりも著しく細くすることができ、ピッチ間隔の狭いプリント基板の検査を支障なく実施することができる極細コンタクトプローブを提供することを目的とする。
【0008】また、請求項8に記載の発明は、上記極細コンタクトプローブを製造するための極細筒体の製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究の結果、コイルスプリングを使用せずに、極細線状体からなるコンタクトプローブを弾性材料から形成し、該線状体の中央部を薄板に形成して、該薄板にコイルスプリングの役割を付与させることを想到し、本発明に到達した。
【0010】即ち本発明のうち請求項1に記載の発明は、先端にニードル部を有する極細線状体にバネ性を有する薄板を一体として連設し、該極細線状体に極細筒体を密嵌させてコンタクトプローブを形成し、前記薄板の幅は前記極細筒体の径より小さくし、プローブの不具合の発生した時には自由に脱着容易とし、更に薄板の弾性力によって、前記ニードル部を前後方向に弾性移動し得るように構成したことを特徴とする。
【0011】本出願人は、線状体に薄板を連設したコンタクトプローブを開発し、先に特許出願したが、このものは、上記請求項1に記載の発明の目的は達成するが、スェージング加工法を使用して製造するので、製造が容易でない点で十分満足すべきものではなかった。
【0012】本発明は、先端ニードル部に極細筒体を密嵌させることによって、スェージング加工法を使用せずに単にプレスするだけで前記薄板の幅は前記極細筒体の径より小さくできるので、このコンタクトプローブを容易に製造可能としたことを要旨とするものである。
【0013】本発明に使用する極細筒体は、請求項8に記載のように、金若しくは金合金からなる極細筒体に、極細線状体の芯金を挿通させてダイスを通過させた後、該極細筒体より径の大きい半円状の溝を、平坦な該極細筒体挟持部に形成した治具で上下に挟んで叩いた後、ダイスに装着して、前記極細線状体芯金を引っ張って抜くことにより製造することが出来る。
【0014】このように半円状の溝を形成した板体で挟んで叩くことによって、金若しくは金合金は伸び、極細筒体の内部の径は大きくなり、その結果挿通させた極細線状体(芯金)ダイスに装着して抜くことが出来る。
【0015】次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】図2及び図3は、本発明コンタクトプローブの実施例を示すものであり、極細線状体6に極細筒体7を密嵌させ、同極細線状体6に薄板8を連設し、同薄板8の弾性力によって、極細筒体7部分をスリーブ(図示省略)に対し相対移動可能に構成した例を示す。尚、薄板8の幅は、極細筒体7の径より若干(3〜5μ)小さく形成している。
【0017】コンタクトプローブ9の薄板8に、コイルスプリングと同様の弾性力を付与させるため、極細線状体6を、鋼、銅合金、バネ性を有する金合金若しくはタングステンのようなバネ性を有する材料から形成する。
【0018】薄板8を線状体としないで薄板としたのは、線状体であると極細筒体7の径を越えて横方向に突出し、コンタクトプローブ9を嵌合させるスリーブに強く当たって極細筒体7部分が動かなくなるからである。
【0019】コンタクトプローブ9の後端部11は、リード線に接続することも、或いは同様に極細筒体7を密嵌させて両端摺動型コンタクトプローブとして、被測定物に当接するようにしても良い。
【0020】図1に示すコンタクトプローブでは、中心導体2の外径は、0.11以下で外径、内径共均一な超精密管への加工は困難とされていたが、本発明によれば、極細筒体(中心導体と同じ)の外径を0.05〜0.1mm好ましくは0.04〜0.08mmに自在に形成することができる。
【0021】本発明の薄板8は、プローブの太さが太くなれば長くなり、細くなれば短くなり、その太さに応じて長さが異なるが、長さ2〜6mm、厚さはプローブ外径等に比例して、0.02〜0.04mm程度とするのが良い。
【0022】本発明の薄板8に、バネ機能を十分付与させるために、凹凸部10を形成するのが好ましい。凹凸部10は、3ヶ所以上形成するのが特に好ましい。
【0023】本発明のコンタクトプローブ9は、図4に示すように、スリーブを使用しないで、プラスチック製プローブ取付基台12に被検査デバイスのパット数に合わせて摺動自在に嵌合させて使用することもできる。
【0024】プローブ取付基台12には貫通孔が形成され、同貫通孔に極細筒体部分が摺動自在に嵌合され、プランジャー受けパイプ13が圧入嵌合された後部貫通孔に、コンタクトプローブの後端部11が接触している。プランジャー受けパイプ13先端は、漏斗状のガイドに形成されているので、コンタクトプローブの後端部11を容易にプランジャー受けパイプ13に密接させることが出来る。
【0025】プランジャー受けパイプ13には、リード線を接続したり、或いはインターフェイス(電源等の接続)等を可能とすることが出来る。
【0026】薄板8には、隣接するコンタクトプローブ薄板8同士の接触防止のため、絶縁体被覆が施されている。
【0027】図4に示すように、先端ニードル部14が被測定物15に接触して押圧されると、押圧により略均一に伸縮した波型(ストローク)が生じる。ストローク量は、凹凸部10の数に比例する。
【0028】コンタクト時の押圧ストロークは、押圧により極細筒体7の外径一杯にゆるいS字形に曲げられ、曲げられた分だけ全長が短くなる。即ち、S字形状に変形する分だけプローブに必要なストロークが得られる。
【0029】本発明のコンタクトプローブ9のストロークは、極細筒体7の長さに比例するので、極細筒体7の長さによって調整コントロールすることができる。
【0030】本発明のコンタクトプローブ9は、外周を絶縁体被膜で被覆し、これらコンタクトプローブを複数本外部筒体に内装することもできる。このように単一のスリーブに複数のコンタクトプローブを内装すると、電流と電圧とを同時に掛けることができるから、より精密な検査をすることができる【0031】次に、本発明のコンタクトプローブの製造方法を説明する。
【0032】まず、鋼、銅合金若しくはタングステンのようなバネ性を有する弾性材料から、直径約0.1mmの極細線状体6を形成し、同極細線状体6先端に極細筒体7を嵌合させる。線状体6の嵌合部は若干変形しているので、嵌合後は、抜けないようになっている。
【0033】筒体7に線状体6を嵌合させるには、筒体7を治具で保持し、線状体6を掴持した移動部材を同線状体6が筒体7に嵌合するように移動させれば良い。
【0034】同様にして、直径約0.07mmの極細線状体6に内径0.1mmの極細筒体7を密嵌させ、また、直径約0.05mmの極細線状体6に内径0.08mmの極細筒体7を密嵌させた。
【0035】次いで、極細筒体に連設した中央部の極細線状体を、プレス加工して極細筒体7の外径以下の厚さ、好ましくは厚さ約0.03〜0.08mmのリボンバネ状薄板8に加工する。
【0036】この時薄板8の幅は、極細筒体の外径より若干マイナスとする。例えば、極細筒体の外径を100とした場合に、薄板の幅は80〜95程度とするのが好ましい。
【0037】次いで、バネ機能を効果的に付与させるために、凹凸部10を形成し図2及び図3に示す本発明のコンタクトプローブとする。
【0038】上記本発明に使用する極細筒体7は、金若しくは金合金から製造する。これは、金若しくは金合金は、導電性が優れ、しかも叩くと軟らかくなって薄く伸びるから、薄い肉厚の極細筒体が形成できるからである。
【0039】パイプに芯金を入れて引き抜く手法では、内径0.5mmの筒体7を形成するのが限度であった。
【0040】内径0.5mm、外径0.6〜0.7mmの筒体を、芯の線状体を入れずに、複数回公知の引き抜きダイスを通過させると、内径0.2mm、外径0.3mmの極細筒体7を形成することが出来る。
【0041】内径0.5mmの筒体から複数回ダイスを通過させることによって細くできるのは、この程度が限度である。これより細くしようとすると、中心の穴が不均衡になり精密な筒体7が得られない。
【0042】このように形成した極細筒体7に、芯金として直径0.1mmの線状体を入れて、ダイスを通過させて筒体7を心に密着させると、更に肉厚を薄くすることができる。筒体7に線状体を入れるのは、前記と同様に筒体7を治具で保持し、線状体を掴持した移動部材を移動させて嵌合させれば良い。
【0043】上記の様に薄くした極細筒体7を心の線状体から抜くことは、従来法では不可能であった。
【0044】本発明によれば、極細筒体より径の大きい半円状の溝を形成した板体の間に心を挿入した極細筒体7を挟んで叩いた後、極細筒体7の内径より若干大きく、外径より若干小さい穴を形成する治具で挟持して、極細筒体7を引っ張れば、内径0.1mm、外径0.13mmの必要な役割を有する極細筒体7として抜くことが出来る。
【0045】これを更に引き抜きダイスで抜くと、内径0.07mm、外径0.1mmの極細筒体7を形成することが出来る。
【0046】更にこれを引き抜きダイスで抜くと、内径0.05mm、外径0.08mmの順に精密の極細筒体7を形成することが出来る。
【0047】本発明によれば、バネ性を有する薄板部を形成することによって、コイルスプリングと同等のストロークの役割を付与させたので、コンタクトプローブを従来よりも著しく細く形成することができる。
【0048】コンタクトプローブを細くしたいということは誰でも考えたことであるが、現実に本発明のような超極細の超精密な製品を得ることは、従来は全く不可能であった。
【0049】また、本発明によれば、極細線状体の先端に極細筒体を嵌合させることによって、中央部の線状体をプレスするだけで、筒体の外径以下の幅の薄板を形成することができるので、本発明のコンタクトプローブを極めて容易に形成することができる。
【0050】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、コンタクトプローブを従来の半分程度の極細とすることができるので、ピッチ間隔の狭いプリント基板等の検査を支障なく行うことができると共に、先端ニードル部が中心から移動し難くなるので、先端が目的としない被測定物に当たる恐れを効果的に回避できるというこの種従来のコンタクトプローブには、全く見られない絶大な効果を奏する。
【0051】また、請求項8に記載の発明によれば、従来製造し得なかった極細筒体を容易に製造することが出来る。この極細筒体を使用することによって、本発明のコンタクトプローブを極めて容易に形成することができる。
【出願人】 【識別番号】591037133
【氏名又は名称】有限会社清田製作所
【出願日】 平成12年5月1日(2000.5.1)
【代理人】 【識別番号】100080274
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 仁義
【公開番号】 特開2001−311744(P2001−311744A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−132112(P2000−132112)