トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 磁気センサ
【発明者】 【氏名】有賀 英吉

【氏名】中村 優樹

【要約】 【課題】空芯コイルをコア部に挿入するだけでコイル装着を可能にし、製造工程が簡単で低コストであり、励磁磁束が被検出体の磁性体に悪影響を及ぼさない磁気センサを得る。

【解決手段】互いに異なる向きの二つの磁気空隙部24,25を有する磁気センサ用コア体1、磁気空隙部24,25に磁束を発生させるように巻回された励磁用コイル17、励磁用コイルによって発生する磁束の変化を検出する検出用コイル15,16を備える。二つの磁気空隙部24,25はそれぞれ対をなす二つのコア部で構成され、これら二つのコア部の一方13,14はコイル巻回部としてこれに励磁用コイルまたは検出用コイルの一方が巻回され、二つの磁気空隙部に対する磁気的な中間位置にはコイル巻回用コア部18が突出形成され、各コイル巻回部およびコイル巻回用コア部にはコイルが一つ取付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに異なる向きの二つの磁気空隙部を有する磁気センサ用コア体と、上記二つの磁気空隙部に磁束を発生させるように巻回された励磁用コイルと、この励磁用コイルによって発生する磁束の変化を検出するために巻回された検出用コイルとを備え、上記二つの磁気空隙部はそれぞれ対をなす二つのコア部で構成され、上記二つの磁気空隙部をそれぞれ構成する二つのコア部の一方はコイル巻回部としてこれに上記励磁用コイルまたは検出用コイルの一方が巻回され、上記二つの磁気空隙部に対する磁気的な中間位置にはコイル巻回用コア部が突出形成され、上記各コイル巻回部およびコイル巻回用コア部には励磁用又は検出用のコイルが一つ取付けられている磁気センサ。
【請求項2】 上記二つの磁気空隙部をそれぞれ構成する二つのコア部によってU字状のコアが形成され、コイル巻回用コア部は上記U字状コアの中間に突出形成されてなる請求項1記載の磁気センサ。
【請求項3】 上記コイル巻回部およびコイル巻回用コア部には、その先端から直線的に伸びた部分にコイルが取付けられている請求項1記載の磁気センサ。
【請求項4】 上記二つの磁気空隙部の一方側を被検出体に対向する検出用空隙部とした請求項1記載の磁気センサ。
【請求項5】 磁気センサ用コア体は、平板状コア部と、この平板状コア部の一面から互いに逆向きに突出した二つのL字形コア部とからなる断面p形のコア体であり、上記平板状コア部と上記二つのL字形コア部とによって二つの磁気空隙部が構成され、上記平板状コア部の他面側中央からコイル巻回用コア部が突出している請求項1記載の磁気センサ。
【請求項6】 磁気センサ用コア体は、H字形のコア体であり、このH字形コア体の互いに平行をなす一方側の二つのコア部相互間と他方側の二つのコア部相互間にそれぞれ磁気空隙部が形成され、上記H字形のコア体の平面部外側中央からコイル巻回用コア部が突出している請求項1記載の磁気センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検出体の透磁率に応じた磁束の変化に基づいて、被検出体に設けられた磁性材料を識別する磁気センサに関するもので、カード識別装置などに適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気カードにおける記録データの信頼性向上等を図るために、磁気カードの磁気ストライプを高保磁力化させる傾向にあり、市場には、高保磁力カードから低保磁力カードにいたるまで様々な保磁力をもつカードが混在して出回っているしたがって、これらのカードに記録されているデータを読み取り、また、データを記録するカードリーダーには、様々な保磁力をもつ磁気カードに応じて適正な電流値でデータを記録する機能を備えていることが要求されている。
【0003】そこで本出願人は、磁性材料の保磁力と、透磁率との相関関係に着目し、カードの磁気ストライプの透磁率に依存した磁束の変化を検出することにより、カードの保磁力を識別する差動型磁気センサを開発し特許出願した。特願平11−161876号の明細書および図面記載のものがその一つである。以下、この差動型磁気センサの概略および動作原理について説明する。
【0004】図6は、差動型磁気センサの検出部の例を、図7(a)はこの検出部のコア体を示す。図6において、差動型磁気センサの検出部は、互いに異なる向きの二つの磁気空隙部24,25を有する磁気センサ用コア体1と、上記二つの磁気空隙部24,25に磁束を発生させるように巻回された励磁用コイル17と、この励磁用コイル17によって発生する磁束の変化を検出するために巻回された二つの検出用コイル15,16とを具備している。図7(a)に示すように、磁気センサ用コア体1は、平板状コア部10と、この平板状コア部10の一面から互いに逆向きに、対称形に突出した二つのL字形コア部13,14とからなる断面p形のコア体である。上記平板状コア部10の両端部11,12と上記二つのL字形コア部13,14とによって上記二つの磁気空隙部24,25が構成されている。上記二つの検出用コイル15,16は、それぞれ上記二つのL字形コア部13,14の根元部分に巻回されている。励磁用コイル17は、上記二つの磁気空隙部24,25にまたがり、かつ、この磁気空隙部24,25に位置する検出用コイル15,16の外側に巻回されている。
【0005】二つの磁気空隙部24,25はそれぞれの先端部すなわち磁気センサ用コア体1の図6において上下方向両端部において開放している。このようにして、磁気センサの要部は上記コア1の上下方向の中央を境にして対称形に構成されている。上記二つの磁気空隙部24,25のうち、一方の磁気空隙部24側は、磁気カード等の被検出体の通路に面していて、上記磁気空隙部24を形成する平板状コア部10の一端部11とL字形コア部13の先端部とが上記被検出体が摺接する摺動面となっている。コア体1の材質としてはフェライトなどが用いられる。
【0006】以上説明したコア1とコイルからなる検出部は、これをケースに入れ、ケース内に樹脂を注型して固定する。上記検出部の前記摺動面を研磨することにより摺動面をケースから露出させ、これによって磁気センサが完成する。この磁気センサは、カード保磁力識別センサなどとして用いることができる【0007】励磁用コイル17に電流を流すことによって二つの磁気空隙部24,25に互いに同じ大きさの磁束を発生させる。二つの検出用コイル15,16は、これらのコイル双方の差動出力が得られるように接続されている。したがって、上記摺動面に磁気カード等の被検出体が摺接していなければ、上記差動出力はゼロである。いま、被検出体が搬送されてきてその磁気ストライプ部分などが上記摺動面に摺接すると、一方のL字形コア部13を通る磁束と他方のL字形コア部14を通る磁束に差が生じ、二つの検出用コイル15,16から差動出力が得られる。これによって被検出体が上記摺動面に摺接していることを判別することができるさらに、被検出体に使われている磁性材料の保磁力に応じて上記差動出力が変化するので、この差動出力の大きさに応じて、被検出体に使われている磁性材料が高保磁力材料であるかまたは低保磁力材料であるかを、したがって、被検出体が磁気カードの場合は、高保磁力カードであるかまたは低保磁力カードであるかを判別することができる【0008】差動型磁気センサの検出部に用いられるコア体の別の例として、図7(b)に示す形態のものも考えられている。これは、H字形のコア体31であり、このH字形コア体31の互いに平行をなす一方側の二つのコア部41,43相互間と他方側の二つのコア部42,44相互間にそれぞれ磁気空隙部54,55が形成され、二つの磁気空隙部54,55の間に位置し、かつ、上記各コア部41,43および42,44をつなぐコア連結部40を有しているそれぞれ二つのコア部41,43および42,44のうちの一方、例えばコア部43,44にはそれぞれ検出用コイルが巻回され、これら検出用コイルの一部は、上記コア連結部40を挟んで磁気空隙部54,55に位置する。さらに、磁気空隙部54,55にまたがって上記検出用コイルの外側から励磁用コイルが巻回される。このようなH字形のコア体31を用いた差動型磁気センサの検出部は、図6、図7(a)に示す従来例と同様にして、被検出体の有無、被検出体の磁性材料が高保磁力材料であるかまたは低保磁力材料であるかを検出することができる【0009】
【発明が解決しようとする課題】図6、図7(a)に示す差動型磁気センサの検出部によれば、コア体がp形をしており、コアのコイル巻回部が先端側からL字状に曲がっているため、予め巻回した空芯形のコイルを挿入することは困難である。したがって、手巻きで巻線を施すことになり、巻線が面倒でコスト高になる難点がある。その点、図7(b)に示す形態のコア体を用いれば、コア部43,44に巻回するコイルは空芯コイルとすることが可能である。しかし、図6における励磁用コイル17のように、上記コア部43,44に巻回するコイルにまたがって巻回するコイルは、空芯コイルとすることは不可能であり、やはり上記のような難点がある。
【0010】また、従来の差動型磁気センサの検出部によれば、図6、図7から明らかなように、励磁用コイルがコア体1の外側寄りにあり、図6に矢印で示すように、励磁磁束が磁気空隙部24の開放端を迂回しながら二つのコア部11,13間を通る。この磁束量が大きい場合は、上記磁気空隙部24に近接して搬送される磁気カードなどの被検出体の磁性体に影響を与え、記録データを減磁させるなどの問題が発生することが考えられる。また、上記のように磁気回路内の磁束量が大きすぎると、検出用コイルで被検出体を検出したときの磁束量の変化率が小さく、感度が悪くなる難点がある。
【0011】本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、コア体の形状を工夫することにより、予め巻回した空芯コイルをコア部に挿入するだけでコイルの装着を可能にし、製造工程が簡単で低コストの磁気センサを提供することを目的とする。本発明はまた、励磁磁束が被検出体の磁性体に悪影響を及ぼすことを回避することができ、かつ、感度のよい磁気センサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、互いに異なる向きの二つの磁気空隙部を有する磁気センサ用コア体と、上記二つの磁気空隙部に磁束を発生させるように巻回された励磁用コイルと、この励磁用コイルによって発生する磁束の変化を検出するために巻回された検出用コイルとを備え、二つの磁気空隙部はそれぞれ対をなす二つのコア部で構成され、二つの磁気空隙部をそれぞれ構成する二つのコア部の一方はコイル巻回部としてこれに上記励磁用コイルまたは検出用コイルの一方が巻回され、二つの磁気空隙部に対する磁気的な中間位置にはコイル巻回用コア部が突出形成され、各コイル巻回部およびコイル巻回用コア部には励磁用又は検出用のコイルが一つ取付けられていることを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、上記二つの磁気空隙部をそれぞれ構成する二つのコア部によってU字状のコアが形成され、コイル巻回用コア部は上記U字状コアの中間に突出形成されてなるものである。請求項3記載の発明は、上記コイル巻回部およびコイル巻回用コア部には、その先端から直線的に伸びた部分にコイルが取付けられているものである。請求項4記載の発明は、上記二つの磁気空隙部の一方側を被検出体に対向する検出用空隙部としたものである。請求項5記載の発明は、上記磁気センサ用コア体を、平板状コア部と、この平板状コア部の一面から互いに逆向きに突出した二つのL字形コア部とからなる断面p形のコア体とし、上記平板状コア部と上記二つのL字形コア部とによって二つの磁気空隙部を構成し、上記平板状コア部の他面側中央からコイル巻回用コア部を突出させたものである。請求項6記載の発明は、上記磁気センサ用コア体を、H字形のコア体とし、このH字形コア体の互いに平行をなす一方側の二つのコア部相互間と他方側の二つのコア部相互間にそれぞれ磁気空隙部を形成し、上記H字形のコア体の平面部外側中央からコイル巻回用コア部を突出させたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明にかかる磁気センサの実施の形態について説明する。なお、前述の従来例と共通の構成部分には共通の符号が付されている。図1、図3(a)において、磁気センサの検出部は、互いに異なる向きの二つの磁気空隙部24,25を有する磁気センサ用コア体1と、上記二つの磁気空隙部24,25に磁束を発生させるように巻回された励磁用コイル17と、この励磁用コイル17によって発生する磁束の変化を検出するために巻回された二つの検出用コイル15,16とを具備している。磁気センサ用コア体1は、平板状コア部10と、この平板状コア部10の一面から互いに逆向きに、対称形に突出した二つのL字形コア部13,14とからなる断面p形のコア体を構成している上記平板状コア部10の両端部11,12と上記二つのL字形コア部13,14とによって上記二つの磁気空隙部24,25が構成されている。
【0015】上記一方のL字形コア部13と上記平板状コア部10の一端部11とによってU字状のコアが形成され、このU字状コアの中間部が上記磁気空隙部24となっている。また、他方のL字形コア部14と上記平板状コア部10の他端部12とによってもう一つのU字状のコアが形成され、このU字状コアの中間部が上記磁気空隙部25となっている。上記一方の二つのU字状コアと他方のU字状コアの中間には、コイル巻回用コア部18が突出形成されている。このコイル巻回用コア部18は平板状コア部10の外側面側に短い柱状に、直線的に突出形成され、このコイル巻回用コア部18に対して上記二つのU字状のコアが対称形に形成されている。上記コイル巻回用コア部18には励磁用コイル17が巻回されている。コイル巻回用コア部18は直線状に形成されているため、励磁用コイル17として、予め巻回された空芯形のコイルを用い、これをコイル巻回用コア部18に挿入するだけで容易に配置することができる【0016】また、それぞれ上記二つのL字形コア部13,14の根元部分ではなく、L字形コア部13,14の先端から直線的に伸びた部分、換言すれば、上記二つの磁気空隙部24,25をそれぞれ構成する二つのコア部11,13および12,14の一方が、コイル巻回部となっていて、これらのコイル巻回部にそれぞれ上記二つの検出用コイル15,16が巻回されている。したがって、二つの検出用コイル15,16として、予め巻回された空芯形のコイルを用い、これらを上記コイル巻回部に挿入するだけで容易に配置することができる各検出用コイル15,16の一部は磁気空隙部24,25内に位置している。このようにして組み立てられた検出部は、ケースに入れられ、ケース内に樹脂が注型されて固定される。
【0017】図5は、上記検出部を構成するコア体1と、これを収納して樹脂注型されコア体1を固定したケース28との関係を概略的に示す。図5において、ケース28は被検出体であるカード30との摺動面が緩やかな円弧を描いており、コア体1の検出側の空隙部24が上記摺動面側に位置し、上記空隙部24を形成する二つのコア部11,13と、上記耐磨耗性部材18の先端面が上記摺動面とほぼ同一の面となっている。ケース28の上記摺動面は、上記コア部11,13および非磁性の耐磨耗性部材18の先端面とともに連続した一つの面となるように、かつ、良好な摺動性が得られるように研磨される。このように構成された磁気センサの検出原理は既に説明したとおりであるから、ここでの説明は省略する。
【0018】なお、図示の実施形態では、二つの磁気空隙部24,25をそれぞれ構成する二つのコア部11,13および12,14の一方13,14をコイル巻回部として、これら二つのコイル巻回部に検出用コイル15,16をそれぞれ巻き、上記二つの磁気空隙部24,25に対する磁気的な中間位置、すなわち、磁気空隙部24,25に同等の磁束を発生する位置に突出形成したコイル巻回用コア部18に励磁用コイル17を取付けていたが、上記二つのコイル巻回部にそれぞれ励磁用コイルを、互いに磁束を打ち消しあうように巻回し、コイル巻回用コア部18に一つの検出用コイルを取付けてもよい。後者の構成にしておけば、磁気カード等の被検出体がないときは二つの励磁用コイルから発生する磁束が互いに打ち消しあって、検出用コイルからは出力が得られないが、二つの磁気空隙部の片方に被検出体が接近すると、二つの磁気空隙部の磁気バランスが崩れて検出用コイルから信号が出力され、被検出体の存在を検出することができるとともに、出力の大きさによって、被検出体に用いられている磁性体の透磁率の大小を検出することができる【0019】以上説明した実施の形態は、二つの磁気空隙部24,25はそれぞれ対をなす二つのコア部11,13および12,14で構成し、これら二つのコア部の一方13,14はコイル巻回部としてこれに励磁用コイルまたは検出用コイルの一方を巻回し、二つの磁気空隙部24,25に対する磁気的な中間位置にはコイル巻回用コア部18を突出形成し、各コイル巻回部およびコイル巻回用コア部にはコイルを一つ取付けた。この実施の形態によれば次のような効果を得ることができる(1)一つの励磁用コイルと二つの検出用コイル、または、二つの励磁用コイルと一つの検出用コイルは、何れも直線的なコア部に巻回することができるため、コイルの全てを空芯コイルで構成し、これを直線的なコア部に挿入するだけでコイルを取付けることが可能となった。そのため、製造工程が簡単で低コストの磁気センサを得ることができる(2)検出側の磁気空隙部における磁束量を少なくすることができ、被検出体の磁気記録部を減磁して記録データを破壊することがなくなり、また、被検出体を検出したときの磁束量の変化率が大きくなり、検出感度を高めることができる【0020】次に、図2、図3(b)に示す別の実施形態について説明する。この実施形態では、磁気センサ用コア体が、H字形のコア体31であり、このH字形コア体31の互いに平行をなす一方側の二つのコア部41,43相互間と他方側の二つのコア部42,44相互間にそれぞれ磁気空隙部54,55が形成され、上記H字形のコア体31の平面部外側中央からコイル巻回用コア部48が突出している。上記磁気空隙部54,55をそれぞれ構成する二つのコア部41,43および42,44によってU字状のコアが形成され、コイル巻回用コア部48は上記U字状コアの中間に突出形成されている。コア部43とコア部44はコイル巻回部となっていて、コイル巻回部であるコア部43とコア部44にはそれぞれ検出用コイル15,16が巻回されている。コア部43とコア部44は先端から直線的に伸びているため、予め巻回された空芯形の検出用コイル15,16を挿入するだけでよく、検出用コイル15,16の配置はきわめて簡単である。コイル巻回用コア部48には励磁用コイル17が巻回されているが、コイル巻回用コア部48も先端から直線的に伸びているため、予め巻回された空芯形の励磁用コイル17を挿入するだけできわめて簡単に励磁用コイル17を配置することができる【0021】上記励磁用コイル17によって発生する磁束は上記二つの検出用コイル15,16に均等に影響を及ぼす。上記二つの磁気空隙部54,55の一方側、例えば磁気空隙部54側が、被検出体に対向する検出用空隙部とすると、この磁気空隙部54に被検出体が対向していない状態では、二つの検出用コイル15,16の検出出力は等しく、両者の差動出力はゼロとなる。上記磁気空隙部54に被検出体が対向すると、二つの磁気空隙部54,55の磁気バランスが崩れ、二つの検出用コイル15,16から差動出力が得られる。この動作は前述の実施の形態と同じであり、同様の効果を得ることができる【0022】図2、図3(b)に示す実施形態においても、コイル巻回部であるコア部43とコア部44にそれぞれ励磁用コイルを、互いに磁束を打ち消しあう向きに配置し、コイル巻回用コア部48に一つの検出用コイルを配置してもよい。
【0023】図4(a)、(b)は、それぞれさらに別の実施の形態を示す。図4(a)に示す実施の形態は、図1に示す実施の形態におけるp形のコア体1を主要な構成として、コイル巻回用コア部38を、図1に示す実施の形態とは逆側、すなわち、平板状コア部10の内側面側、さらいえばL字形コア部13,14形成側に、これらL字形コア部13,14の中間部から突出させて形成したものである。このコイル巻回用コア部38に励磁用コイル17が巻回されている。コイル巻回用コア部38は短い柱状に、直線的に突出形成されているため、励磁用コイル17は予め空芯形のコイルとして形成しておき、これをコイル巻回用コア部38に挿入するだけで所定位置に配置することができるこの実施形態によれば、図1に示す実施の形態の作用効果と同様の作用効果を得ることができるとともに、平板状コア部10の外側面は平坦面になるため、この平坦な面に他の部材、例えば磁気カードの記録信号を読み出すヘッドのコア、MR素子などを装着することができる【0024】図4(b)に示す実施の形態は、図2に示す実施の形態に、平板状のコア50を付加した形のものである。図2に示す実施の形態では、コイル巻回用コア部43,44にコイル15,16を巻き回した状態において、コイル15,16の一部がコア部43,44の側面から外側に突出しているこれに対して図4(b)に示す実施の形態では、コア部43,44の外側に上記平板状のコア50をコア部43,44と平行になるように一体に付加した形になっており、上記コア50で上記コイル15,16の外側を覆っている。そのため、コイル15,16がコア50で保護される効果があり、また、コア50の平坦な外側面に、他の部材、例えば磁気カードの記録信号を読み出すヘッドのコア、MR素子などを装着することができる【0025】
【発明の効果】本発明にかかる磁気センサは、互いに異なる向きの二つの磁気空隙部を有する磁気センサ用コア体と、上記二つの磁気空隙部に磁束を発生させるように巻回された励磁用コイルと、この励磁用コイルによって発生する磁束の変化を検出するために巻回された検出用コイルとを備え、上記二つの磁気空隙部はそれぞれ対をなす二つのコア部で構成され、上記二つの磁気空隙部をそれぞれ構成する二つのコア部の一方はコイル巻回部としてこれに励磁用コイルまたは検出用コイルの一方が巻回され、上記二つの磁気空隙部に対する磁気的な中間位置にはコイル巻回用コア部が突出形成され、各コイル巻回部およびコイル巻回用コア部には励磁用又は検出用のコイルが一つ取付けられてなる。したがって本願発明によれば、一つの励磁用コイルと二つの検出用コイル、または、二つの励磁用コイルと一つの検出用コイルは、何れも直線的なコア部に巻回することができるため、コイルの全てを空芯コイルで構成し、これを直線的なコア部に挿入するだけでコイルを取付けることが可能となった。そのため、製造工程が簡単で低コストの磁気センサを得ることができる【0026】また、本願発明によれば、検出側の磁気空隙部における磁束量を少なくすることができ、被検出体の磁気記録部を減磁して記録データを破壊することがなくなり、さらに、被検出体を検出したときの磁束量の変化率が大きくなり、検出感度を高めることができる
【出願人】 【識別番号】000002233
【氏名又は名称】株式会社三協精機製作所
【出願日】 平成12年1月13日(2000.1.13)
【代理人】 【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
【公開番号】 特開2001−194438(P2001−194438A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−4463(P2000−4463)