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【発明の名称】 テスタ検査用デバイス,半導体集積回路装置およびテスタを検査する方法
【発明者】 【氏名】村田 洋一

【要約】 【課題】所定の半導体集積回路装置向けのテスタを用いて、その評価対象である装置に対して電圧および信号が正常に供給されているか否かを簡単に判定しう得るテスタ検査用デバイスを提供する。

【解決手段】テスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタと接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、デバイスの電源端子と接地端子との間に、所定の抵抗値を有する抵抗を設け、デバイス本体が上記テスタと接続させられ上記電源端子に電源電圧が印加された状態で、印加される電源電圧の値および上記抵抗の抵抗値から概算される電源端子と接地端子との間の電流期待値と、測定された電流値とを比較して、上記テスタにより印加される電源電圧が正常であるか否かを判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の半導体集積回路装置向けテスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタと接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、デバイスの電源端子と接地端子との間には、所定の抵抗値を有する抵抗が介在させられており、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、上記電源端子に電源電圧が印加された状態で、印加される電源電圧の値および上記抵抗の抵抗値から概算される電源端子と接地端子との間の電流期待値と、測定された電流値とを比較して、上記テスタにより印加される電源電圧が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなることを特徴とする半導体集積回路装置向けテスタ検査用デバイス。
【請求項2】 所定の半導体集積回路装置向けテスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタに接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、上記テスタから所定レベルの信号が供給される入力端子を複数有するとともに、該入力端子を介して供給された複数の信号からNANDをとるNAND回路が設けられており、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、デバイスの電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記入力端子を介して供給される複数の信号の組合せに基づくNAND回路の出力期待値と、検出されたNAND回路の出力値とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される信号が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなることを特徴とする半導体集積回路装置向けテスタ検査用デバイス。
【請求項3】 所定の半導体集積回路装置向けテスタの評価対象となる半導体集積回路装置において、上記テスタから所定レベルの制御信号が供給される制御信号用の入力端子を複数有するとともに、該制御信号用の入力端子を介して供給された複数の制御信号からNANDをとるNAND回路が設けられており、装置本体が上記テスタと接続させられ、装置の電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記制御信号用の入力端子を介して供給される複数の制御信号の組合せに基づくNAND回路の出力期待値と、検出されたNAND回路の出力値とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される制御信号が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】 上記制御信号用の入力端子を介して供給された複数の制御信号からNORをとるNOR回路が設けられており、該NOR回路の出力に応答して、上記テスタの検査作業がリセットされることを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】 請求項1又は2に記載のテスタ検査用デバイスを用いて、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法であって、上記テスタ検査用デバイスがテスタと接続させられた状態で、該デバイスの電源端子に電源電圧を印加し、上記所定の抵抗値を有する抵抗が介在させられた電源端子と接地端子との間の電流値を測定し、測定された電流値と、上記抵抗の抵抗値およびテスタにより印加される電源電圧値から概算される電流期待値とを比較して、上記テスタにより電源端子に対して電源電圧が正常に印加されているか否かを判定することを特徴とする半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法。
【請求項6】 請求項1又は2に記載のテスタ検査用デバイスを用いて、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法であって、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、該デバイスの電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記デバイスの複数の入力端子に信号を供給し、上記各入力端子を介して供給される制御信号からNANDをとるNAND回路を経て出力される信号を検出し、上記各入力端子を介して供給される信号の組合せに基づき得られる出力期待値と、検出される出力信号とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される信号が正常であるか否かを判定することを特徴とする半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査するのに使用されるデバイス,半導体集積回路装置及びテスタを検査する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばDRAM,SRAM又はフラッシュメモリ等の半導体集積回路装置の製造に関して、良好な品質を確保するためには、一般的に、製造の間若しくは製造後に、装置の評価(検査)が行われる。この評価方法の1つに、装置の電源端子に電源電圧を印加した状態で、出力端子からの出力信号を検出して、装置品質の良否を判定可能なテストが従来知られている。かかるテストを実施するに際して、装置の電源端子に電源電圧を印加した状態で、入力端子に所定レベルの信号を供給しつつ、装置からの出力信号を検出するテスタが用いられる。
【0003】図7に、従来の典型的な半導体集積回路装置としての半導体記憶装置を示す。この半導体記憶装置50は、外部端子として、電源ピン51,54及び接地ピン55,58を有するとともに、各制御信号及びデータの入出力用に、読出し制御ピン52,アドレスピン53,書込み制御ピン56およびデータ入出力ピン57を有している。この装置50の使用時に、電源ピン51,54及び接地ピン55,58を除くピンには、2値信号が入力される。この半導体記憶装置50では、アドレスピン53が1つのみ設けられるため、2ビットのデータの読書きが可能である。
【0004】上記半導体記憶装置50を評価するテストの実施に際して、図8に示すようなテスタ60が用いられる。このテスタ60は、電源,GND,読出し制御,書込み制御,アドレス指定,データ入出力用の内部配線(それぞれ、符号61,62,63,64,65,66であらわす)を介して、ソケット70に装着された半導体記憶装置50(図8では不図示)と電気的に接続される。これらの各配線を通じて、テスタ60から半導体記憶装置50へ電源および2値信号が供給される。このとき、供給する信号の組合せによりデータの書込み及び読出し動作を実行させることが可能である。
【0005】そして、半導体記憶装置50の入出力ピン57から出力される2値信号をテスタ60側で読み取り、この信号のレベルに基づいて、半導体記憶装置50が正常に動作しているか否かを検査することができる。通常、半導体記憶装置50からの出力信号が期待値に反する場合に、その半導体記憶装置50が、正常に動作していないと判断されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際には、半導体記憶装置50からの出力信号が期待値に反する原因が、テスタ60自体およびその一部であるソケット70や配線等を含む評価対象以外の異常に起因している可能性がある。例えば、半導体記憶装置50のピンへ電気的に接続される配線同士がショートしている場合、つまり、テスタ60側に異常がある場合には、半導体記憶装置50に対して所望の信号が供給されないため、半導体記憶装置50は、期待値に反する信号を出力することになる。このように、前述したようなテスタ60を用いたテストでは、検出される異常が、テスタ60の異常に起因するものか、若しくは、評価対象である半導体記憶装置50に起因するものかどうか判断し難いという問題があった。また、出力信号が期待値と一致した場合には決まって「パス」と判定されるため、必ずしも正しくテストが行われているとはいえない。更に、テスタ60側の異常が、装置の長期間の使用による性能の劣化などによっても起こり得ることであるため、テスタ60の定期検査の他にも、テスタ60を簡単に検査する方法があることが望ましい。
【0007】なお、例えば特開平11−2658号では、印加されている電源電圧が所定範囲内の電圧であるか否かを検出し、印加電源電圧が上記所定範囲外であるときには所定レベルの検出信号を出力する電源電圧判定回路と、その一端が各信号端子に接続された抵抗と、該抵抗の他端と電源又は接地との間に接続され、上記電源電圧判定回路よりの上記検出信号により導通して上記各信号端子をプルアップ又はプルダウンするスイッチングトランジスタとを設けることにより、電源電圧の判定を装置内部で行い、DC電圧の印加のみで製品の良否判定が可能である半導体集積回路装置が開示されている。しかし、かかる半導体集積回路装置では、電源電圧の判定が装置内部で行われるため、外部からの十分な電力供給が確保し得ない可能性があり、また、電源電圧についてのみ判定が行われるため、複数の入力端子を介した複数の信号の供給についての異常を確認することができない。
【0008】本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、所定の半導体集積回路装置向けのテスタを用いて、その評価対象である装置に対して電圧および信号が正常に供給されているか否かを簡単に判定することができるテスタ検査用デバイス,半導体集積回路装置、および、テスタを検査する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、所定の半導体集積回路装置向けテスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタと接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、デバイスの電源端子と接地端子との間には、所定の抵抗値を有する抵抗が介在させられており、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、上記電源端子に電源電圧が印加された状態で、印加される電源電圧の値および上記抵抗の抵抗値から概算される電源端子と接地端子との間の電流期待値と、測定された電流値とを比較して、上記テスタにより印加される電源電圧が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなることを特徴としたものである。
【0010】また、本願の第2の発明は、所定の半導体集積回路装置向けテスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタに接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、上記テスタから所定レベルの信号が供給される入力端子を複数有するとともに、該入力端子を介して供給された複数の信号からNANDをとるNAND回路が設けられており、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、デバイスの電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記入力端子を介して供給される複数の信号の組合せに基づくNAND回路の出力期待値と、検出されたNAND回路の出力値とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される信号が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなることを特徴としたものである。
【0011】また、更に、本願の第3の発明は、所定の半導体集積回路装置向けテスタの評価対象となる半導体集積回路装置において、上記テスタから所定レベルの制御信号が供給される制御信号用の入力端子を複数有するとともに、該制御信号用の入力端子を介して供給された複数の制御信号からNANDをとるNAND回路が設けられており、装置本体が上記テスタと接続させられ、装置の電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記制御信号用の入力端子を介して供給される複数の制御信号の組合せに基づくNAND回路の出力期待値と、検出されたNAND回路の出力値とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される制御信号が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなることを特徴としたものである。
【0012】また、更に、本願の第4の発明は、上記制御信号用の入力端子を介して供給された複数の制御信号からNORをとるNOR回路が設けられており、該NOR回路の出力に応答して、上記テスタの検査作業がリセットされることを特徴としたものである。
【0013】また、更に、本願の第5の発明は、請求項1又は2に記載のテスタ検査用デバイスを用いて、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法であって、上記テスタ検査用デバイスがテスタと接続させられた状態で、該デバイスの電源端子に電源電圧を印加し、上記所定の抵抗値を有する抵抗が介在させられた電源端子と接地端子との間の電流値を測定し、測定された電流値と、上記抵抗の抵抗値およびテスタにより印加される電源電圧値から概算される電流期待値とを比較して、上記テスタにより電源端子に対して電源電圧が正常に印加されているか否かを判定することを特徴としたものである。
【0014】また、更に、本願の第6の発明は、請求項1又は2に記載のテスタ検査用デバイスを用いて、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法であって、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、該デバイスの電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記デバイスの複数の入力端子に信号を供給し、上記各入力端子を介して供給される制御信号からNANDをとるNAND回路を経て出力される信号を検出し、上記各入力端子を介して供給される信号の組合せに基づき得られる出力期待値と、検出される出力信号とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される信号が正常であるか否かを判定することを特徴としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体集積回路装置向けテスタを検査するデバイスを示す平面図である。このデバイス10は、図7に示す典型的な半導体記憶装置50と同じパッケージ外形を有するもので、デバイス本体に沿って複数の外部端子が設けられている。上記デバイス10は、この外部端子として、電源ピン1,4,接地(GND)ピン5,8,第1,2及び3の入力ピン2,3,6、並びに、出力ピン7を有している。これら各ピンは、それぞれ、上記半導体記憶装置50に設けられた8本のピンに対応する。デバイス10の電源ピン1,4及びGNDピン5,8は、半導体記憶装置50の電源ピン51,54及びGNDピン55,58に対応しており、デバイス10は、これらピンについて、半導体記憶装置50のピンと同じ配置構造を有している。また、デバイス10の第1,2及び3の入力ピン2,3及び6は、半導体記憶装置50の制御ピン及びアドレスピン等の信号入力にのみ使用されるピンに対応し、更に、デバイス10の出力ピン7は、半導体記憶装置50の入出力ピン57に対応している。上記第1,2及び3の入力ピン2,3及び6には2値信号(すなわち「0」又は「1」)が供給され、出力ピン7より2値信号が出力される。
【0016】このように、上記デバイス10のパッケージ外形および外部端子の配置構造を、半導体記憶装置50のそれと同じにすることにより、半導体記憶装置50のダミーデバイスを実現可能である。以下の説明では、デバイス10をダミーデバイスと呼び、これに対応して、半導体記憶装置50を実デバイスと呼ぶ。
【0017】図2は、上記ダミーデバイス10の内部での電源ピン1,4とGNDピン5,8との接続関係をあらわすもので、電源ピン1,4とGNDピン5,8とは、抵抗11を介して接続されている。また、図3は、上記ダミーデバイス10の内部での第1,2及び3入力ピン2,3及び6と出力ピン7との関係をあらわすもので、上記入力ピン2,3及び6と出力ピン7との間には、3本の入力ピン2,3及び6を介して供給された信号からNANDをとるNAND回路13が設けられている。このNAND回路13は、各入力ピンからの信号が全て「1」である場合に「0」を出力し、他の場合には、「1」を出力する。
【0018】上記ダミーデバイス10は、実デバイス50と同じパッケージ外形を有し、従来の典型的な半導体集積回路装置と同様に、シリコンウエハ加工を施したチップ(不図示)を内部に有している。そのデバイス内部のチップには、図2に示す抵抗11,図3のNAND回路13を構成するトランジスタ,各種ピン及び内部チップとを接続するためのパッドが設けられている。チップ上に形成されるべき素子は、ごく単純な構成であり、チップ上にトランジスタや配線を形成する場合にも、高度な微細化技術は特に必要とされず、トランジスタのサイズもパッケージに納めることができれば大きくてもよい。これにより、上記ダミーデバイス10は、実デバイス50に比べて簡単なウエハプロセスにより実現可能で、このダミーデバイス10の製造は、歩留りの面において有利である。
【0019】この実施の形態では、かかるダミーデバイス10を用いて、所定の半導体集積回路装置向けのテスタが検査される。このテスタとしては、従来技術において説明されたテスタ60(図8参照)と同じものが用いられ、テスタ60の検査に際して、上記ダミーデバイス10は、テスタ60の評価対象である半導体記憶装置50と同様に、テスタ60に対してセットされる。すなわち、ダミーデバイス10は、図8に示すような各種の配線を介してテスタ60へ接続されたソケット70に装着される。
【0020】次に、上記半導体集積回路装置向けテスタ60に接続されたダミーデバイス10の簡単な動作について、図4を参照しながら説明する。上記テスタ60を用いて、ダミーデバイス10の電源ピン1,4に電圧Vddを印加する。前述したように、上記電源ピン1,4は、抵抗11(抵抗値Rを有する)を介して、GNDピン5,8と接続しており、この場合、電源電流Iddを概算すると、
となる。この概算値と実際に測定された電流値とを比較して、テスタ60の電源電圧に異常があるか否かが調べられる。
【0021】また、この実施の形態では、電源電圧が印加された状態で、テスタ60から上記第1,2及び3の入力ピン2,3および6に供給される信号を変化させ、それぞれの場合において、上記出力ピン7から出力される信号をチェックする。出力ピン7から出力される信号が、出力期待値に反する場合に、テスタ60側に異常が存在すると判断される。表1に、上記各入力ピン2,3及び6に供給される信号と出力期待値との関係を示す。前述したように、上記各入力ピンには2値信号が供給され、第1,2及び3の入力ピン2,3,6より供給された2値信号は、上記NAND回路13を経て、出力ピン7から2値信号で出力される。なお、この表中のHは「1」をあらわし、他方、Lは「0」をあらわす。1:入力信号−出力期待値の関係
この関係に基づき、タイプA〜C使用時に異常が見られる場合には、上記電源と入力との間に、若しくは、出力とGNDとの間にショートがあると判断され、また、タイプDの使用時に異常が見られる場合には、GNDと入力との間に、若しくは、電源と出力との間にショートがあると判断される。
【0022】図4は、ダミーデバイス10を用いたテスタ60の検査プロセスのフローチャートである。この検査プロセスでは、ダミーデバイス10がテスタ60のソケット70に装着された状態で、まず、テスタ60からダミーデバイス10の電源ピン1,4に電源電圧Vddを印加させる(♯10)。これにより、ダミーデバイス10の電源ピン1,4からデバイス内部への電流が発生する。前述したように、電源ピン1,4とGNDピン5,8との間には抵抗11が介在させられ、この抵抗11の抵抗値Rおよびテスタ60より印加される電圧Vddとを用いて、デバイス内部に流れる電流の所望の大きさが求まる。♯11では、デバイス内部に流れる電流を測定し、それを所望の大きさと比較することにより、テスタ60から上記電源ピン1,4に対して所望の電圧が印加されているか否かを確認する。♯11の結果、測定した電流が所望の大きさから大きく外れる場合、テスタ60から所望の電圧が印加されていないと判断され、検査結果はNGとなる。他方、測定した電流が所望の大きさにほぼ一致する場合、♯12へ進む。
【0023】♯12では、テスタ60より電源電圧が印加された状態で、ダミーデバイス10の第1,2及び3の入力ピン2,3及び6に、表1に示す組合せによる制御信号の供給を開始する。このとき、ダミーデバイス10の出力ピン7は入力のNANDをとるため、各信号の組合せに基づき、出力ピン7から出力される信号の期待値が決まっている。♯13では、出力ピン7から出力される信号をその期待値と比較する。出力信号が期待値に反する場合、検査結果はNGとなる。例えば、第1及び2の入力ピン2,3がテスタ60の一部でショートしており、同じ信号しか与えられない場合、表1におけるタイプA及びBのテストで出力期待値はHであるものの、ダミーデバイス10からの出力信号はLとなり、NGと判定される。また、一方、♯13において、出力信号が期待値に一致する場合には、判定パスとなる。♯11及び13の過程で、NGと判定された場合には、テスタ60の異常が存在するものと判断される。
【0024】以上のように、上記ダミーデバイス10を用いれば、テスタ60により電源電圧が印加された状態で電源ピン1,4とGNDピン5,8との間で測定された電流値と予め概算された期待値と比較することにより、テスタ60側の電源電圧の供給に関する異常の有無を判定することができるとともに、入力ピン2,3,6から信号を供給した場合に、出力ピン7から検出される出力信号と、信号の組合せに基づいた出力期待値とを比較することにより、テスタ60側の信号の供給に関する異常の有無を判定することができる。この結果、上記テスタ60の検査を容易に行うことができるようになり、異常を比較的簡単に見つけることが可能となる。この効果は、例えば量産時の出荷テスト工程において定期的に(例えば1ロット毎に)使用すれば非常に有効である。
【0025】以下、本発明の他の実施の形態について、詳細に説明する。
実施の形態2.図5(a)及び5(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態2に係る半導体集積回路装置内の構成の一部を示す回路図である。この半導体集積回路装置20は、データの読出し・記憶とともに記憶保持動作が可能であるダイナミックRAMである。この実施の形態2では、かかる半導体集積回路装置20内に、前述した実施の形態1に係るテスタ検査用デバイスのようなテスタ検査用の回路構成が組み込まれており、半導体集積回路装置20内の信号処理は、入力信号をDRAMとしての通常の動作に基づき処理する標準モードと、入力信号をテスタ検査動作に基づき処理するテストモードとの間で、任意に切換え可能である。
【0026】図5(a)から分かるように、この半導体集積回路装置20は、3つの入力ピンを有しており、該入力ピンを経由して入力された信号は、上記標準モードにおいて、内部制御用に用いられる。また、上記半導体集積回路装置20には、これら入力ピンからの信号を用いて、NANDをとるNAND回路22、および、NORをとるNOR回路23が設けられている。また、図5(b)から分かるように、この半導体集積回路装置20には、任意に選択された出力ピンから外部へ出力しようとする信号を反転させるインバータ回路27,28が設けられている。なお、図5(b)では、このインバータ回路を2つのみ示すが、実際には、インバータ回路は、半導体集積回路装置20の出力ピンの数に対応して、それと同じ数だけ設けられる。
【0027】上記半導体集積回路装置20を評価する場合、該装置20に電源電圧を印加し、装置20からの出力信号を検出して、装置20の良否を判定し得るテスタ60が、図8に示される場合と同様に用いられる。上記テスタ60に半導体集積回路装置20が装着された状態で、アドレスキーの使用により、TM(テストモード)信号がアドレスバスを介して入力され、テストモードが設定される。このテストモード設定時には、NAND回路22において、3つの入力信号からNANDがとられ、出力信号として検出される。この場合、実施の形態1における表1に示したような入力信号の組合せに基づく出力期待値と、実際に検出された出力信号とを比較する。このとき、出力信号が出力期待値に反すれば、テスタ60側に異常が存在すると判断される。また、この実施の形態2では、上記テストモード設定時に、3つの入力信号が全てL(「0」)である場合、この場合について考慮する必要がないため、上記NOR回路23からリセット信号が発せられて、テスタ60の検査作業がリセットされるようになっている。これにより、テスタ60により必要とされない作業を省略し、テスタ60の検査に要する時間を短縮することができる。
【0028】更に、上記テストモード設定時に、アドレスピンの組合せにより任意の入出力ピンを選択し、その出力信号を反転させることが可能である。これにより、出力ピンを個々にチェックすることが可能となる。尚、この場合には、全てのアドレスピンを利用する必要はない。
【0029】このように、半導体集積回路装置20の内部にテストモードを設定し得る構成を設けることにより、モジュール段階においても、そのテスタ40側の信号の供給についての異常を判定し、テスタ60の検査が可能となる。
【0030】実施の形態3.図6(a)及び6(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態3に係るテスタ検査用デバイス30(ダミーデバイス)、および、一般に知られる半導体集積回路装置40(400mil 54pin TSOP(II)の128MSDRAM(8M×16))の平面図である。上記テスタ検査用デバイス30は、前述した実施の形態1における場合と同様に、実デバイスである該半導体集積回路装置40と同じパッケージ外形をなすもので、外部端子として、電源ピン(Vdd),GNDピン(Vss),入力ピン及び出力ピンを有している。電源ピン及びGNDピンは、実デバイスと同様に配置され、入力ピンは、実デバイスの制御ピン(/CS,/RAS,/CAS,/WE,CLK,CKE,DQMU,DQML)及びアドレスピン(A0〜A13)に対応して、また、出力ピンは、実デバイスの入出力ピン(DQ0〜DQ15)に対応して配置されている。かかる外形及びピン配置を備えた上記テスタ検査用デバイス30は、128MSDRAM用ソケットに装着可能である。
【0031】前述した実施の形態1における場合と同様に、上記テスタ検査用デバイス30の電源ピンとGNDピンとの間には、抵抗が設けられている。これにより、電源ピンとGNDピンとの間に流れる電流を測定することで、電源電圧に所望の電圧が印加されているか否かを確認することができる。また、上記テスタ検査用デバイス30の出力ピンからの出力としては、22本の入力のNANDがとられる。尚、NANDに限定されることなく、各入力ピンへ供給される信号が独立していることが確認可能であれば、いかなる回路(論理)を用いてもよい。その場合、入力信号と出力期待値との関係は、その回路に適した組合せを有することが必要である。
【0032】なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、前述した実施の形態では、半導体集積回路装置として半導体記憶装置を取り上げたが、これに限定されることなく、テスタ検査用のデバイス及びそれを含む半導体集積回路装置は、半導体集積回路装置全般に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】本願の請求項1の発明によれば、所定の半導体集積回路装置向けテスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタと接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、デバイスの電源端子と接地端子との間に、所定の抵抗値を有する抵抗が介在させられており、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、上記電源端子に電源電圧が印加された状態で、印加される電源電圧の値および上記抵抗の抵抗値から概算される電源端子と接地端子との間の電流期待値と、測定された電流値とを比較して、上記テスタにより印加される電源電圧が正常に供給されているか否かを判定し得るように構成されてなるため、上記テスタの検査を容易に行うことができ、また、上記テスタにより印加される電源電圧の供給についての異常を比較的簡単に見つけることが可能である。
【0034】また、本願の請求項2の発明によれば、所定の半導体集積回路装置向けテスタが評価対象とする半導体集積回路装置と略同じパッケージ外形及び外部端子の配置構造を有して、該半導体集積回路装置と同様にテスタに接続可能であるテスタ検査用デバイスであって、上記テスタから所定レベルの信号が供給される入力端子を複数有するとともに、該入力端子を介して供給された複数の信号からNANDをとるNAND回路が設けられており、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、デバイスの電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記入力端子を介して供給される複数の信号の組合せに基づくNAND回路の出力期待値と、検出されたNAND回路の出力値とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される信号が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなるため、上記テスタの検査を容易に行うことができ、また、テスタによる信号の供給についての異常を比較的簡単に見つけることが可能である。
【0035】更に、本願の請求項3の発明によれば、所定の半導体集積回路装置向けテスタの評価対象となる半導体集積回路装置において、上記テスタから所定レベルの制御信号が供給される制御信号用の入力端子を複数有するとともに、該制御信号用の入力端子を介して供給された複数の制御信号からNANDをとるNAND回路が設けられており、装置本体が上記テスタと接続させられ、装置の電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記制御信号用の入力端子を介して供給される複数の制御信号の組合せに基づくNAND回路の出力期待値と、検出されたNAND回路の出力値とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される制御信号が正常であるか否かを判定し得るように構成されてなるため、上記テスタの検査を容易に行うことができ、また、テスタによる信号の供給についての異常を比較的簡単に見つけることが可能である。
【0036】また、更に、本願の請求項4の発明によれば、上記制御信号用の入力端子を介して供給された複数の制御信号からNORをとるNOR回路が設けられており、該NOR回路の出力に応答して、上記テスタの検査作業がリセットされるので、テスタにより必要とされない作業を省略し、テスタの検査に要する時間を短縮することができる。
【0037】また、更に、本願の請求項5の発明によれば、請求項1又は2に記載のテスタ検査用デバイスを用いて、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法であって、上記テスタ検査用デバイスがテスタと接続させられた状態で、該デバイスの電源端子に電源電圧を印加し、上記所定の抵抗値を有する抵抗が介在させられた電源端子と接地端子との間の電流値を測定し、測定された電流値と、上記抵抗の抵抗値およびテスタにより印加される電源電圧値から概算される電流期待値とを比較して、上記テスタにより電源端子に対して電源電圧が正常に印加されているか否かを判定するため、上記テスタの検査を容易に行うことができ、また、上記テスタにより印加される電源電圧の供給についての異常を比較的簡単に見つけることが可能である。
【0038】また、更に、本願の請求項6の発明によれば、請求項1又は2に記載のテスタ検査用デバイスを用いて、所定の半導体集積回路装置向けテスタを検査する方法であって、デバイス本体が上記テスタと接続させられ、該デバイスの電源端子に電源電圧が印加された状態で、上記デバイスの複数の入力端子に信号を供給し、上記各入力端子を介して供給される制御信号からNANDをとるNAND回路を経て出力される信号を検出し、上記各入力端子を介して供給される信号の組合せに基づき得られる出力期待値と、検出される出力信号とを比較して、上記テスタにより入力端子に供給される信号が正常であるか否かを判定するため、上記テスタの検査を容易に行うことができ、また、テスタによる信号の供給についての異常を比較的簡単に見つけることが可能である。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月4日(2000.1.4)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2001−194426(P2001−194426A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−77(P2000−77)