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【発明の名称】 電極を有する基板並びにそれを用いた検査治具、検査装置及びアダプタ装置
【発明者】 【氏名】井上 和夫

【要約】 【課題】電極を有する基板の変形を防ぐことが可能な電極を有する基板を提供すること。

【解決手段】電極を有する基板100は、回路基板10とフレキシブル基板30との間に異方導電性弾性体シート20を備えている。異方導電性弾性体シート20の弾性力により、フレキシブル基板30の弾性係数、熱膨張係数等と回路基板10のそれらとの違いから生じる応力が原因となる電極を有する基板100の変形を小さくすることが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレキシブル基板と、異方導電性弾性体シートと、回路基板と、を備え、前記異方導電性弾性体シートは、絶縁性シートと、前記絶縁性シートに局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部と、を有し、前記フレキシブル基板は端子電極を有し、前記回路基板はコネクタ電極を有し、前記異方導電性弾性体シートは前記回路基板と前記フレキシブル基板との間に位置し、前記コネクタ電極と前記端子電極とは前記導電部を介して電気的に接続されている、電極を有する基板。
【請求項2】 フレキシブル基板と、異方導電性弾性体シートと、を備え、前記フレキシブル基板と前記異方導電性弾性体シートとは積層され、前記異方導電性弾性体シートは、絶縁性シートと、前記絶縁性シートに局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部と、を有し、前記フレキシブル基板は端子電極を有し、前記端子電極と前記導電部とは電気的に接続されている、電極を有する基板。
【請求項3】 請求項1又は2において、前記フレキシブル基板には前記端子電極と電気的に接続される素子の電極のための位置決め用の穴部が形成され、前記端子電極は前記穴部に位置している、電極を有する基板。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記端子電極は突起部を有する、電極を有する基板。
【請求項5】 請求項1、3又は4のいずれかにおいて、前記回路基板はフレキシブルな性質を有する、電極を有する基板。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記電極を有する基板にはさらに他の異方導電性弾性体シートが取り付けられ、前記他の異方導電性弾性体シートは前記フレキシブル基板上に位置し、前記他の異方導電性弾性体シートの導電部は前記端子電極と電気的に接続されている、電極を有する基板。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記端子電極は金属製である、電極を有する基板。
【請求項8】 被検査物の電気的特性を検査する際の検査治具であって、請求項1〜7にかかる電極を有する基板のいずれかを含む検査治具。
【請求項9】 被検査物の電極に接点電極部を電気的に接続することにより前記被検査物の電気的特性を検査する検査装置であって、前記接点電極部は請求項1〜7にかかる電極を有する基板のいずれかを含む、検査装置。
【請求項10】 第1の素子と第2の素子の電気的接続に用いられるアダプタ装置であって、請求項1〜7にかかる電極を有する基板のいずれかを含むアダプタ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極を有する基板並びにそれを用いた検査治具、検査装置及びアダプタ装置に関する。
【0002】
【背景技術】異方導電性弾性体シートは、ICおよびプリント回路基板の検査治具、あるいは実装用ICソケットおよびプリント回路基板用コネクタ、あるいはその周辺部におけるICカード用コネクタなど、特に微細な多点電気接続を達成するために用いられる。
【0003】このような技術分野に用いられている異方導電性弾性体シートは、厚さ方向にのみ導電性を有するもの、または、加圧されたときに厚さ方向にのみ導電性を示す多数の加圧導電性導電部を有するものである。異方導電性弾性体シートとしては、種々の構造のものが、例えば、特公昭56−48951号公報、特開昭51−93393号公報、特開昭53−147772号公報、特開昭54−146873号公報、特開平7−105741号公報、米国特許第4,292,261号公報などにより、知られている。以下に、従来の異方導電性弾性体シートの概略を説明する。
【0004】図10に示すように、異方導電性弾性体シート2000を表面から見ると、例えば、シリコーンゴムからなる厚さ1mm程度の絶縁性シート2100に、多数の導電部2200が島状に形成されている。異方導電性弾性体シート2000のA−A断面図が図11である。図11において、導電部2200は、導電性強磁性粒子2210(例えば、ニッケル粒子)が異方導電性弾性体シート2000の厚さ方向に連続して連なった粒子列が複数個集合して形成されたものである。この異方導電性弾性体シート2000は、厚さ方向には導電性を有するが、面方向には導電性を有しないので、異方導電性弾性体シートと呼称されている。
【0005】異方導電性弾性体シートは、例えば、以下のような方法で作ることができる。導電性強磁性粒子を熱硬化性シリコーンゴム液に分散して成形材料を作り、成形材料を金型の成形空間に入れる。成形空間に磁場をかけることにより、導電性強磁性粒子を磁場配向させる。そして、この状態でシリコーンゴム液を加熱硬化させると、異方導電性弾性体シートが完成する。
【0006】異方導電性弾性体シートの主な用途は上述したとおりである。異方導電性弾性体シートの用途の詳細について、半導体装置等の被検査物の電気的特性を検査する場合に用いられる検査治具を例として説明する。図9は、検査治具の断面図である。検査治具1000は回路基板1100と、回路基板1100上に載置された異方導電性弾性体シート1200と、を備える。
【0007】回路基板1100はリジッド層が三層積層した構造を有し、上面には上面電極1110、下面には下面電極1120が形成されている。下面電極1120は図示しない電気特性検査装置と電気的に接続される。回路基板1100中には配線層1130が形成されている。上面電極1110と下面電極1120とは配線層1130により電気的に接続されている。
【0008】検査治具1000は、回路基板1100の面のうち上面電極1110が形成さている面に取り付けられたガイド板1300を備える。ガイド板1300で囲まれた領域には異方導電性弾性体シート1200が設置されている。
【0009】異方導電性弾性体シート1200は絶縁性シート1210と、絶縁性シート1210に局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部1220と、を備えている。導電部1220は上面電極1110と接触している。
【0010】次に、検査治具1000の使用方法について説明する。被検査物である半導体装置2000をガイド板1300でガイドし、異方導電性弾性体シート1200上に置く。そして、加圧機構3000により半導体装置2000の半導体基板2200を押圧することにより、半導体装置2000のバンプ電極2100と導電部1220との接触を確実にした状態で、半導体装置2000の電気的特性を調べる。
【0011】この検査治具1000における異方導電性弾性体シート1200の役目を説明する。バンプ電極2100を上面電極1110に直接接触させると、バンプ電極2100の高さのばらつき、半導体基板2200の反り、回路基板1100の反り等が原因で接触が不安定となり、半導体装置2000の電気的特性検査の信頼性低下をもたらす。そこで、異方導電性弾性体シート1200を介在させ、導電部1220の弾性によりばらつき等を吸収しバンプ電極2100と上面電極1110との電気的接続を安定させている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】回路基板1100はリジッド層が積層された構造をしているので、反りが発生しやすい。この反りは、バンプ電極2100と上面電極1110との電気的接続が不安定となる原因の一つである。上記のように異方導電性弾性体シート1200により、この反りによる影響を吸収している。しかし、反りが大きいとこの影響を吸収しきれないことがある。
【0013】また、半導体装置2000の微細化に伴いバンプ電極2100間の距離も微細化している。このことは異方導電性弾性体シート1200の導電部1220間距離の微細化を意味している。ところで、導電部1220間距離が小さくなると、それにつれて、異方導電性弾性体シート1200の厚みが小さくなる。よって、導電部1220間距離が微細化すると異方導電性弾性体シート1200の厚みを小さくしなければならない。異方導電性弾性体シート1200の厚みが小さくなると、上記ばらつき等の吸収能力が低下する。これにより、ばらつき等を吸収しきれず、バンプ電極2100と導電部1220とが非接触の状態で電気的特性の検査がされたり、導電部1220の耐久性が低下したりすることがある。
【0014】また、導電部1220間距離の微細化の限界値は、異方導電性弾性体シート1200の作製上の理由により、バンプ電極2100間距離の微細化の限界値よりも大きい。このため、バンプ電極2100間距離の微細化の程度によっては、異方導電性弾性体シート1200を使用できない場合がある。
【0015】また、異方導電性弾性体シート1200は上記のような方法で作製されるので、異方導電性弾性体シート1200中には、未硬化のシリコーンゴムが部分的に存在することがある。このような異方導電性弾性体シート1200を検査治具1000に使用すると、半導体装置2000を加圧機構3000で押圧したとき、異方導電性弾性体シート1200中の未硬化のシリコーンゴムが異方導電性弾性体シート1200の表面にしみ出すことがある。このしみ出したシリコーンゴムがバンプ電極2100に付着すると、検査後、半導体装置2000を実装基板に実装するとき、実装の歩留まりが低下したり、実装信頼性が低下したりすることが起きる。
【0016】本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は電極を有する基板の変形を防ぐことが可能な、電極を有する基板並びにそれを用いた検査治具、検査装置及びアダプタ装置を提供することである。
【0017】本発明の他の目的は電極を有する基板の耐久性を向上させることができる、電極を有する基板並びにそれを用いた検査治具、検査装置及びアダプタ装置を提供することである。
【0018】本発明のさらに他の目的はより微細なパターンの端子電極を備えた、電極を有する基板並びにそれを用いた検査治具、検査装置及びアダプタ装置を提供することである。
【0019】本発明のさらに他の目的は異方導電性弾性体シートを構成する弾性材料が回路基板外部にしみ出すことを防ぐことができる、電極を有する基板並びにそれを用いた検査治具、検査装置及びアダプタ装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】(1)本発明にかかる電極を有する基板は、フレキシブル基板と、異方導電性弾性体シートと、回路基板と、を備え、異方導電性弾性体シートは、絶縁性シートと、絶縁性シートに局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部と、を有し、フレキシブル基板は端子電極を有し、回路基板はコネクタ電極を有し、異方導電性弾性体シートは回路基板とフレキシブル基板との間に位置し、コネクタ電極と端子電極とは導電部を介して電気的に接続されている。
【0021】以上の構成から、本発明にかかる電極を有する基板は以下の作用効果を有する。本発明は、フレキシブル基板と回路基板との間に異方導電性弾性体シートを備えている。異方導電性弾性体シートの弾性力により、フレキシブル基板の弾性係数、熱膨張係数等と回路基板のそれらとの違いから生じる応力が原因となる電極を有する基板の変形を小さくすることが可能となる。例えば、ビルドアップ工法により電極を有する基板を作製する際に発生する応力を異方導電性弾性体シートの弾性力により吸収することができる。
【0022】また、本発明によれば異方導電性弾性体シートの導電部によりコネクタ電極と端子電極とを電気的に接続している。この導電部は弾性を有するので、上記応力が原因となるコネクタ電極と端子電極との電気的接続不良の発生を防ぐことが可能となる。つまり、コネクタ電極と端子電極との電気的接続が弾性を有さない配線部材で行なわれると、上記応力により配線部材が断線することがあるのである。
【0023】また、本発明によればフレキシブル基板に端子電極を形成している。よって異方導電性弾性体シートの導電部を端子電極とする場合に比べて、より微細なパターンの端子電極にすることができる。異方導電性弾性体シートはその作製上の理由から導電部間の距離を微細にするのが容易ではなく、フレキシブル基板の端子電極間の距離を微細にするほうが容易なのである。
【0024】なお、本発明におけるフレキシブル基板とは、電極を有する基板の厚さ方向にフレキシブルな移動が可能基板を意味する。このような性質を満たす材料としては、ポリイミド、ポリエステル、PET等がある。異方導電性弾性体シートの上に位置させる基板をフレキシブル基板としたのは、この基板が柔軟性のない硬い基板だと、ある端子電極が他の素子の電極と接触し押圧された場合、他の非接触の端子電極もこれに追従して移動し、結局、非接触のままの状態となるからである。
【0025】また、回路基板とは、リジッド基板、フレキシブルな性質を有する基板等の回路を形成することが可能な基板のことである。回路基板がフレキシブルな性質を有する基板の場合、回路基板の両面の電極が、電極を有する基板の厚さ方向にフレキシブルな移動が可能となる。
【0026】次に、本発明における好ましい態様を以下に説明する。本発明において好ましくはフレキシブル基板に端子電極と電気的に接続される素子の電極のための位置決め用の穴部が形成され、端子電極は穴部に位置している。この構成によれば、この穴部が端子電極と電気的に接続される素子の電極(例えば、被検査物の電極)の位置決め機能を果たす。このため、穴部がない場合に比べて位置合わせ精度が向上する。特に、端子電極と電気的接続される電極が球状(例えば、ハンダボール)や柱状の場合、この穴部の位置決め機能が有効に作用する。端子電極が穴部に位置している構造の一例としては、穴部が形成されたフレキシブルシートの裏面の穴部のところに銅箔パターンを形成し、金メッキを施すことにより形成された凹状電極がある。
【0027】本発明において好ましくは、端子電極は突起部を有する。この突起部は端子電極と電気的に接続される素子の電極と接触する。この構成によれば、特に、素子の電極が平板状の場合(例えばアルミニウムのパッド)や素子の電極の縦断面が台形状の場合(例えばAuメサ型バンプ)において、端子電極と素子の電極との接続の確実性を高めることができる。突起部を有する端子電極としては、例えば、Ni等の硬度の高いコア金属の表面にAu、Pd、Rh等の接触性に優れた金属膜が形成された小径の突起電極がある。
【0028】本発明において好ましくは、フレキシブル基板に回路が形成されている。この構成によれば、回路は回路基板及びフレキシブル基板に形成されているので、電極を有する基板の集積度を向上させることができる。
【0029】本発明において好ましくは、フレキシブル基板が電極を有する基板中の配線層形成の自由度を向上させるために用いられる。
【0030】本発明において好ましくは、フレキシブル基板、異方導電性弾性体シート、回路基板をあらかじめ別々に作製し、これらを積層し、この積層物を例えば熱圧着することにより電極を有する基板を作製する。これによれば、従来の多層基板形成装置により本発明にかかる電極を有する基板を作製することができるので、設備的にもプロセス的にも特殊な手段によることなく、電極を有する基板を作製することができる。
【0031】本発明において好ましくは、電極を有する基板にはさらに他の異方導電性弾性体シートが取り付けられ、他の異方導電性弾性体シートはフレキシブル基板上に位置し、他の異方導電性弾性体シートの導電部は端子電極と電気的に接続されている。この構成によれば、回路基板とフレキシブル基板との間の異方導電性弾性体シートのほかに、他の異方導電性弾性体シートを備えているので、例えば被検査物の電極の高さのばらつきの吸収能力をさらに向上させることができる。特にハンダボール電極のような電極の高さのばらつきが大きい場合に有効となる。また、この構成によれば、例えば被検査物の電極の高さのばらつきを、回路基板とフレキシブル基板との間の異方導電性弾性体シート及び他の異方導電性弾性体シートで吸収するので、これらの異方導電性弾性体シートの導電部に生じる疲労を低減させることができる。したがって、これらの異方導電性弾性体シートの耐久性を向上させることができる。
【0032】本発明において好ましくは、本発明が上記他の異方導電性弾性体シートを備えた構造の場合、フレキシブル基板の端子電極は金属製である。回路基板とフレキシブル基板との間の異方導電性弾性体シートの導電部と他の異方導電性弾性体シートの導電部との間には端子電極が位置している。端子電極が弾性を有したり、フレキシブル性を有したりすると、端子電極と導電部との接触が安定しない。この構成によれば、金属製の端子電極を介在させているので、接触状態を安定させることができる。ここでいう金属製の端子電極とは、例えば、銅やニッケルからなるパターンに、金、パラジウム、ロジウム等をメッキした電極のことである。
【0033】本発明は、被検査物の電気的特性を検査する際の検査治具であって、上記の本発明にかかる電極を有する基板を含む検査治具である。
【0034】本発明は、被検査物の電極に接点電極部を電気的に接続することにより被検査物の電気的特性を検査する検査装置であって、上記の本発明にかかる電極を有する基板を接点電極部に含む検査装置である。
【0035】本発明は、第1の素子と第2の素子の電気的接続に用いられるアダプタ装置であって、上記の本発明にかかる電極を有する基板を含むアダプタ装置である。ここで、第1及び第2の素子とは、電子回路装置、電気回路装置、回路基板等を意味する本発明にかかる検査治具、検査装置及びアダプタ装置の作用効果について、検査治具を例として説明する。被検査物の電気特性を検査するとき、被検査物を検査治具に載置し、被検査物の電極と電極を有する基板の端子電極とを接触させる。被検査物の電極の高さのばらつきが等が原因で、被検査物の電極と電極を有する基板の端子電極との接触が安定しないことがある。本発明によれば異方導電性弾性体シートがフレキシブル基板と回路基板との間に位置しているので、異方導電性弾性体シートの弾性力により被検査物の電極と電極を有する基板の端子電極との接触を安定させることができる。ここで、被検査物とは、半導体装置、回路基板等を意味する。
【0036】また、本発明は異方導電性弾性体シートの上にフレキシブル基板があるので、このフレキシブル基板により、異方導電性弾性体シートを構成する弾性材料のうち未硬化の材料が、検査時の加圧や加熱によりフレキシブル基板側から電極を有する基板外部にしみ出すことを防ぐことができる。よって、本発明によれば、異方導電性弾性体シートを構成する弾性材料が被検査物の電極に付着するのを防ぐことができるので、検査後の実装の歩留まりを低下させたり、実装後の接続の信頼性を低下させたりすることはない。
【0037】また、本発明は異方導電性弾性体シートを備えているので、新たに異方導電性弾性体シートを準備しなくても被検査物の検査をすることができる。
【0038】(2)本発明にかかる電極を有する基板は、フレキシブル基板と、異方導電性弾性体シートと、を備え、フレキシブル基板と異方導電性弾性体シートとは積層され、異方導電性弾性体シートは、絶縁性シートと、絶縁性シートに局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部と、を有し、フレキシブル基板は端子電極を有し、端子電極と導電部とは電気的に接続されている。
【0039】以上の構成から本発明かかる電極を有する基板は、(1)で説明した本発明にかかる電極を有する基板と同様のことが言える【0040】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]
{構造の説明}図1は本発明の第1の実施の形態にかかる電極を有する基板の断面図であり、図2はこの電極を有する基板の分解図である。電極を有する基板100は回路基板10と、回路基板10上に位置する異方導電性弾性体シート20と、異方導電性弾性体シート20上に位置するフレキシブル基板30と、を備える。
【0041】回路基板10はリジッド層が三層積層した構造をしている。回路基板10は三層の積層構造にかぎらず、他の多層積層構造でもよいし、一層構造でもよい。リジッド層としては、例えば、ガラスクロス入りのエポキシ基板がある。最上層のリジッド層上には上面電極12、最下層のリジッド層上には下面電極14がそれぞれ、所定のパターンで形成されている。上面電極12及び下面電極14は、例えば、リジッド層に貼り付けた銅箔をエッチングすることにより形成される。上面電極12がコネクタ電極の一例である。回路基板10中には配線層16が形成されている。上面電極12と下面電極14とは配線層16を介して電気的に接続されている。配線層16は例えばメッキ層により構成されている。
【0042】回路基板10はコア基板の両面にプリプレグを載置し、この構造物をエポキシ基板で挟み、真空プレスにより加工する方法やビルドアップ工法により作製することができる。
【0043】異方導電性弾性体シート20は、背景技術で説明したものと同様であり、弾性を有する絶縁性シート24と、絶縁性シート24に所定のパターンで局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部22とから構成される。導電部22は回路基板10の上面電極12と接触する。
【0044】フレキシブル基板30は、基板部32と、基板部32の上面に所定のパターンで形成されている上面電極34と、基板部32の下面に所定のパターンで形成されている下面電極36と、から構成されている。
【0045】基板部32には図示はされていないがスルーホールが形成されている。スルーホールにはメッキ層が埋め込まれている。上面電極34と下面電極36とはこのメッキ層により電気的に接続されている。
【0046】基板部32はフレキシブルであり、その材料は、例えば、ポリイミドである。上面電極34は端子電極の一例である。下面電極36は異方導電性弾性体シート20の導電部22と接触する。上面電極34及び下面電極36は、金属製の電極である。すなわち、上面電極34及び下面電極36は、例えば、基板部32に形成された銅箔パターンに金メッキをすることにより形成された電極である。
【0047】以上に説明した電極を有する基板100は、例えば、回路基板10とフレキシブル基板30との間に、両面に弾性接着剤を塗布した異方導電性弾性体シート20を介在させ、この積層物を熱プレスすることにより、作製することができる。
【0048】{効果の説明}図1に示した本発明の第1の実施の形態にかかる電極を有する基板100の主な効果を説明する。
【0049】第1の実施の形態にかかる電極を有する基板100は、フレキシブル基板30と回路基板10との間に異方導電性弾性体シート20を備えている。そのため、異方導電性弾性体シート20の弾性力により、フレキシブル基板30の弾性係数、熱膨張係数等と回路基板10のそれらとの違いから生じる応力が原因となる電極を有する基板100の変形を小さくすることが可能となる。
【0050】また、第1の実施の形態にかかる電極を有する基板100によれば異方導電性弾性体シート20の導電部22により、回路基板10の上面電極12とフレキシブル基板30の下面電極36とを電気的に接続している。導電部22は弾性を有するので、上記応力が原因となる上面電極12と下面電極36との電気的接続不良の発生を防ぐことが可能となる。すなわち、導電部22が弾性を有さないと、上記応力により導電部が変形して断線するおそれがあるのである。
【0051】また、第1の実施の形態にかかる電極を有する基板100によればフレキシブル基板30に端子電極となる上面電極34を形成している。よって異方導電性弾性体シート20の導電部22を端子電極とする場合に比べて、より微細なパターンの端子電極にすることができる。
【0052】[第2の実施の形態]図3は本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具の断面図である。この検査治具2は、半導体装置等の電気的特性を検査する際の治具である。検査治具2は、電極を有する基板200と、電極を有する基板200の面のうち上面電極34が形成されている面に取り付けられたガイド板300と、を備える。ガイド板300で囲まれた領域は、被検査物である半導体装置等が載置される領域である。電極を有する基板200の構造は第1の実施の形態にかかる電極を有する基板100の構造と同じである。よって、電極を有する基板200の構成要素を示す符号の番号を、電極を有する基板100の構成要素を示す符号の番号と同じとすることにより、その説明を省略する。
【0053】次に、検査治具2の使用方法について説明する。被検査物である半導体装置400をガイド板300でガイドし、フレキシブル基板30の上に置く。そして、加圧機構500により半導体装置400の半導体基板420を押圧することにより、半導体装置400のバンプ電極410とフレキシブル基板30の上面電極34との接触を確実にした状態にし、半導体装置400の電気的特性を調べる。このとき、異方導電性弾性体シート20の導電部22の弾性によりバンプ電極410の高さのばらつき等を吸収し、バンプ電極410と上面電極34との接触を安定させている。
【0054】次に、本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2の主な効果を説明する。
【0055】本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2に備えられた電極を有する基板200において、異方導電性弾性体シート20がフレキシブル基板30と回路基板10との間に位置しているので、異方導電性弾性体シート20の弾性力によりバンプ電極410とフレキシブル基板30の上面電極34との接触を安定させることができる。
【0056】本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2の電極を有する基板200において、異方導電性弾性体シート20上にフレキシブル基板30が位置している。加圧機構500により半導体基板420を押圧した際、フレキシブル基板30の上面電極34のうちバンプ電極410と接触している上面電極34は、電極を有する基板200の厚さ方向にフレキシブルに移動する。これにより、バンプ電極410の高さにばらつき等があっても、上面電極34と非接触のバンプ電極410が上面電極34と確実に接触するのを可能にしている。
【0057】また、本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2の電極を有する基板200において、異方導電性弾性体シート20の上にフレキシブル基板30があるので、異方導電性弾性体シート20を構成する弾性材料のうち未硬化の材料が、検査時の加圧や加熱によりフレキシブル基板30側から電極を有する基板200外部にしみ出すことを防ぐことができる。よって、異方導電性弾性体シート20を構成する未硬化の弾性材料がバンプ電極410に付着するのを防ぐことができるので、検査後の半導体装置の実装の歩留まりを低下させたり、実装後の接続の信頼性を低下させたりすることはない。
【0058】また、本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2の電極を有する基板200は、異方導電性弾性体シート20を備えているので、新たに異方導電性弾性体シートを準備しなくても半導体装置400の検査をすることができる。
【0059】なお、本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2の電極を有する基板200の構造は電極を有する基板100の構造と同じなので、電極を有する基板200は電極を有する基板100と同様の効果を有する。
【0060】[第3の実施の形態]図4は本発明の第3の実施の形態にかかる検査治具の断面図である。この検査治具4は、本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2と同様に半導体装置等の電気的特性を検査する際の治具である。図4に示す検査治具4の構成要素において、図3に示す検査治具2の構成要素と同じものについては、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0061】図4に示す検査治具4の構成要素と図3に示す検査治具2の構成要素との違いはフレキシブル基板の構造である。すなわち、図4に示す検査治具4の電極を有する基板200のフレキシブル基板40は、穴部46が局所的に形成されたフレキシブルな基板部42と、基板部42の裏面に形成された下面電極44と、を備える。
【0062】フレキシブル基板40の詳細な構造について、図5を用いて説明する。図5は図4に示すフレキシブル基板40の部分拡大図である。フレキシブル基板40にはバンプ電極410と対応する位置に穴部46が形成されている。穴部46は基板部42の厚さ方向に基板部42を貫通している。下面電極44は基板部42の裏面に形成され、穴部46の底に位置し、少なくとも穴部46の開口部を覆うように形成されている。フレキシブル基板40には上面電極が形成されていない。下面電極44が端子電極となる。穴部46はバンプ電極410の位置決め機能を果たし、バンプ電極410は穴部46を介して下面電極44と接触する。
【0063】次に、本発明の第3の実施の形態にかかる検査治具4の特有の効果を説明する。本発明の第3の実施の形態にかかる検査治具4の電極を有する基板200において、フレキシブル基板40には、図5に示すように、バンプ電極410の位置決め用の穴部46が形成されているので、バンプ電極410の位置合わせ精度が向上する。
【0064】その他の作用効果は本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2と同様である。
【0065】[第4の実施の形態]図6は本発明の第4の実施の形態にかかる検査治具の部分拡大図であり、フレキシブル基板50付近を示している。図6に示す検査治具の基本構造は、図3に示す検査治具2の基本構造と同じである。図6に示す検査治具の構成要素と図3に示す検査治具2の構成要素との違いはフレキシブル基板の構造である。
【0066】すなわち、図6に示す検査治具のフレキシブル基板50は、フレキシブルな基板部52と、基板部52の裏面に形成された下面電極54と、基板部52の表面に形成されたバンプ電極構造の上面電極56と、を備える。この実施の形態では、上面電極56が突起部を備える電極である。基板部52にはスルーホールが形成され、そこにはメッキ層からなる配線層58が充填されている。フレキシブル基板50の上面電極56と下面電極54とは 配線層58により電気的に接続されている。なお、検査の対象となる半導体装置にはパッド電極430が形成されている。
【0067】次に、本発明の第4の実施の形態にかかる検査治具の特有の効果を説明する。図6に示すように、フレキシブル基板50の上面電極56はバンプ電極である。バンプ電極は突起状をしているので、フィルム状の電極に比べてパッド電極430との接触の確実性が高まる。
【0068】その他の作用効果は本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2と同様である。
【0069】なお、本発明の第3の実施の形態と第4の実施の形態との組み合わせが変形例として上げられる。すなわち、図5に示すフレキシブル基板40の下面電極44を、図6に示すフレキシブル基板50の上面電極56のように突起部を有する構造とし、突起部の高さを穴部46の深さより小さくし、突起部が穴部46の底部に位置するようにした形態である。
【0070】[第5の実施の形態]図7は本発明の第5の実施の形態にかかる検査治具の断面図である。図3に示す検査治具2との違いは、ガイド板300で囲まれた領域のフレキシブル基板30上にさらに異方導電性弾性体シート600が配置されている点である。
【0071】異方導電性弾性体シート600は弾性を有する絶縁性シート640と、絶縁性シート640に所定のパターンで局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部620と、から構成される。導電部620はフレキシブル基板30の上面電極34と対応する位置にあり、上面電極34と接触している。異方導電性弾性体シート600はガイド板300に着脱可能に取り付けられている。電極を有する基板200及びガイド板300の構造は、図3に示す検査治具2のそれらの構造と同じである。
【0072】次に、検査治具6の使用方法について説明する。被検査物である半導体装置400をガイド板300でガイドし、異方導電性弾性体シート600上に置く。そして、加圧機構500により半導体装置400の半導体基板420を押圧することにより、半導体装置400のバンプ電極410と導電部620との接触を確実にした状態で、半導体装置400の電気的特性を調べる。
【0073】次に、本発明の第5の実施の形態にかかる検査治具6の特有の効果を説明する。本発明の第5の実施の形態にかかる検査治具6は、図7に示すように、異方導電性弾性体シート20の他に異方導電性弾性体シート600を備えているので、バンプ電極410の高さのばらつき等の吸収能力をさらに向上させることができる。また、この構成によれば、バンプ電極410の高さのばらつき等を異方導電性弾性体シート20、600で吸収するので、導電部22、620に生じる疲労を低減させることができる。したがって、異方導電性弾性体シート20、600の耐久性を向上させることができる。
【0074】また、本発明の第5の実施の形態にかかる検査治具6において、異方導電性弾性体シート600の導電部620と異方導電性弾性体シート20の導電部22との間に、フレキシブル基板30の上面電極34及び下面電極36が介在されている。上面電極34及び下面電極36は板状の金属電極である。導電部22、620は弾性を有するので、導電部22と導電部620とを直接に接触させるよりも、上面電極34及び下面電極36を介在させた方が、導電部22と導電部620との接続状態を安定させることができる。
【0075】その他の作用効果は本発明の第2の実施の形態にかかる検査治具2と同様である。
【0076】[第6の実施の形態]図8は本発明の第6の実施の形態にかかる電極を有する基板700の断面図である。電極を有する基板700が図1に示す電極を有する基板100と相違する点は、回路基板10がない点である。つまり、電極を有する基板700は異方導電性弾性体シート720と、異方導電性弾性体シート720上に位置するフレキシブル基板740と、を備える。
【0077】異方導電性弾性体シート720は、図1に示す異方導電性弾性体シート20と同様の構造をし、弾性を有する絶縁性シート724と、絶縁性シート724に所定のパターンで局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部722とから構成される。
【0078】フレキシブル基板740は、図1に示すフレキシブル基板30と同様の構造をし、フレキシブルな基板部742と、基板部742の上面に所定のパターンで形成されている上面電極744と、基板部742の下面に所定のパターンで形成されている下面電極746と、から構成されている。基板部742、上面電極744、下面電極746の材料は図1に示すフレキシブル基板30の基板部32、上面電極34、下面電極36の材料と同じである。
【0079】電極を有する基板700は、例えば、図1に示す電極を有する基板100の部品として使用することができる。すなわち、図1に示す回路基板10の上面電極12側の面上に電極を有する基板700の異方導電性弾性体シート720側が位置するように、回路基板10上に電極を有する基板700を載置し、回路基板10に電極を有する基板700を熱圧着して、電極を有する基板100にするのである。
【出願人】 【識別番号】000004178
【氏名又は名称】ジェイエスアール株式会社
【出願日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【代理人】 【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−194417(P2001−194417A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−5348(P2000−5348)