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【発明の名称】 IC評価治具
【発明者】 【氏名】高津 一利

【要約】 【課題】1品種のICに対する評価治具の作製と回路調整の工数を削減できるとともに、アナログIC等のパッケージ化されたICの特性測定に適したIC評価治具を提供する。

【解決手段】被測定IC1の各種の特性を測定するための共通回路部分の回路素子3を実装した共有評価基板4を備えたベース治具2と、被測定ICの各種の特性測定毎に異なる特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分の回路素子9、15を実装した固有評価基板10、16を備えたモジュール治具8、14とを有し、モジュール治具8、14は被測定ICの各種の特性測定に際して交換可能としたIC評価治具。ベース治具2とモジュール治具8、14を定位置に固定するための台座13を備えること、ベース治具2及びモジュール治具8、14に各々備えられた評価基板4、10、16の基板表面に被測定IC接続用の電極端子20、21、22を形成することが好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被測定ICの各種の特性を測定するための共通回路部分の回路素子を実装した共有評価基板を備えたベース治具と、前記被測定ICの各種の特性測定毎に異なる特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分の回路素子を実装した固有評価基板を備えたモジュール治具とを有し、前記モジュール治具は被測定ICの各種の特性測定に際して該当する特性測定用のモジュール治具と交換可能とされていることを特徴とするIC評価治具。
【請求項2】 前記ベース治具とモジュール治具を定位置に固定するための台座を備えたことを特徴とする請求項1記載のIC評価治具。
【請求項3】 前記ベース治具及びモジュール治具に各々備えられた前記評価基板の基板表面に被測定IC接続用の電極端子が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のIC評価治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICの評価治具に関し、特に、被測定ICの各種の特性測定毎に異なる特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分をモジュール化することにより、評価治具の作製と回路調整のための工数を削減したIC評価治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のIC評価治具は、ICの1品種毎に一台の評価治具を作製していた。このため、例えば、高周波アナログIC等の評価に際しては、外部から信号を入力させて測定を行なう評価治具の他に、応用評価のための内部発振回路を備えた評価治具を別に作製しなければならなかった。また、被測定ICの周波数の測定条件がいくつかある場合等においては、測定条件の周波数毎に回路定数の異なる評価治具が必要となる場合もあり、このような場合には回路定数を変更した評価治具を新たに作製しなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ICの1品種毎に一台の評価治具を作製するようにした場合には、1品種のICにおいて内部発振特性や周波数特性等、各特性毎に評価治具の回路定数や回路形態が異なると、1品種につき複数台の評価治具が必要となり、各特性毎に評価治具を作製しなければならなくなるとともに、その調整も行なう必要があり、IC評価治具の作製と調整に手間と時間がかかるという問題があった。
【0004】また、特開平10−31054号公報には、半導体素子の被評価特性の測定・評価に共通して必要な基本回路を備えたコモンボードと、測定する特性項目毎に測定・評価に固有的に必要な回路を備えたスペシャルボードを有し、被評価特性に従って必要なスペシャルボードをコモンボードに取り付けるようにした2層構造の測定評価ボードが開示されている。
【0005】しかしながら、この特開平10−31054号公報に示された測定評価ボードの場合には、ICの測定特性が異なる毎にコモンボードからスペシャルボードを取り外し、別のスペシャルボードを取り付けなければならず、スペシャルボードとコモンボードの着脱を繰り返すと、接合部分の接触不良や接続コネクタ部分の劣化による特性不良が発生しやすくなるという問題があった。
【0006】すなわち、特開平10−31054号公報に記載された実施例では、スペシャルボードとコモンボードの接続は2本のピンで行なうようになっているが、ICの種類によっては2ピン以上の複数ピンでの接続形態となる場合があり、そのような場合には、スペシャルボードとコモンボードの接続を2ピン以上の複数ピンで行なうことになり、接合部分の接触不良や接続コネクタ部分の劣化が発生しやすいという問題があった。
【0007】さらに、特開平10−31054号公報に示された測定評価ボードは、半導体素子に接触するプローブカードを用いて特性測定を行なっており、ウエーハ上でのIC回路の特性評価を想定したものであり、アナログIC等、パッケージ化されたICの特性評価の測定には適していないという問題もあった。
【0008】そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、特性測定毎に異なる特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分をモジュール化することによって1品種のICに対する評価治具の作製と回路調整するための工数を削減できるとともに、アナログIC等のパッケージ化されたICの特性測定に適したIC評価治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、被測定ICの各種の特性を測定するための共通回路部分の回路素子を実装した共有評価基板を備えたベース治具と、前記被測定ICの各種の特性測定毎に異なる特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分の回路素子を実装した固有評価基板を備えたモジュール治具とを備え、前記モジュール治具は被測定ICの各種の特性測定に際して該当する特性測定用のモジュール治具と交換可能とされていることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のIC評価治具において、前記ベース治具とモジュール治具を定位置に固定する台座を備えたことを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のIC評価治具において、前記ベース治具及びモジュール治具に各々備えられた前記評価基板の基板表面に被測定IC接続用の電極端子が形成されていることを特徴とする。
【0012】そして、請求項1記載の発明によれば、被測定ICの各種の特性を測定するための共通回路部分の回路素子を実装した共有評価基板の部分と、被測定ICの各種の特性測定毎に異なる特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分の回路素子を実装した固有評価基板の部分とを分割し、各々の部分をベース治具及びモジュール治具としてモジュール化しているので、各種測定項目の評価を行う場合、その特性評価用に作製及び調整されたモジュール治具を準備するだけで、各種の測定項目を各々評価することが可能となる。
【0013】また、共通回路部分のベース治具を一度作製して調整を行なっておけば、特性別に作製されたモジュール治具の部分のみを追加作製するだけで対応することができ、共通部分も含めた評価治具全体を測定項目毎に複数台作製する必要がなくなり、評価治具の作製と調整の工数を削減することができる。
【0014】さらに、特開平10−31054号公報に示されるような測定評価ボードでは、スペシャルボードとコモンボードの着脱を繰り返した場合、接合部分の接触不良や接続コネクタ部分の劣化による特性不良が発生しやすくなるが、本発明のIC評価治具では、回路定数あるいは回路形態が異なる固有な回路部分をモジュール化して着脱可能としているため、信号線の部分が複数の基板に接続されることがなく、接続コネクタ等による接触不良や接続コネクタ部の劣化による特性不良の発生を防止することができる。
【0015】請求項2記載の発明によれば、ベース治具部分とモジュール治具部分を固定する台座を備えているため、測定中に被測定ICの端子がずれて測定不能となるようなことがなくなる。
【0016】請求項3記載の発明によれば、ベース治具及びモジュール治具の各々に備えられた評価基板の基板表面に被測定IC接続用の電極端子を形成し、該電極端子上に被測定ICの端子を載せて固定するだけで接続できるようにしているので、アナログIC等のパッケージ化されたICの特性測定も簡単に行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるIC評価治具の実施の形態の具体例について図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は、本発明にかかるIC評価治具の一実施例を示し、このIC評価治具は、被測定IC1の特性出力を得るための共通回路部分となるベース治具2と、異なる特性項目の測定を行なうために用意された交換用の第1及び第2の2つのモジュール治具8、14とで構成されている。
【0019】ベース治具2は、被測定IC1の各種の特性を測定するための共通回路部分の回路素子3を実装した共有評価基板4と、該共有評価基板4に外部測定機器から信号を入出力するための入出力端子5と、ベース治具2にバイアス電圧を印加するバイアス端子6と、前記共有評価基板4と入出力端子5を一体に組み付けるための筐体7とで構成されている。
【0020】第1のモジュール治具8は、被測定IC1に対して外部測定機器から信号を入力あるいは出力することで被測定IC1の外部入出力特性を測定するための固有な回路部分であって、この外部入出力特性の測定に必要な特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分の回路素子9を実装した固有評価基板10と、該固有評価基板10と外部測定機器へ測定信号を入出力するための入出力端子11と、これら固有評価基板10と入出力端子11を一体に組み付けるための筐体12とで構成されている。
【0021】第2のモジュール治具14は、内部発振回路を備えることによって内部発振特性を測定するための固有な回路部分であって、内部発振特性を測定するために必要な内部発振回路を含む特有な回路定数または回路形態に対応する回路部分の回路素子15を実装した固有評価基板16と、内部発振回路用のバイアス電源を外部電源から供給するバイアス端子17と、固有評価基板16を組み付けるための筐体18とで構成されている。
【0022】また、前記ベース治具2の共有評価基板4、第1のモジュール治具8の固有評価基板10及び第2のモジュール治具14の固有評価基板16の表面の適宜位置には、被測定IC1の多数の端子19を接続するための電極端子20、21、22が金メッキ銅箔等によって各々形成されている。
【0023】さらに、本実施例の場合には、測定特性に応じて組み合わされるベース治具2と第1のモジュール治具8、あるいはベース治具2と第2のモジュール治具14がばらばらになることのないように定位置に固定するための台座13を備えている。
【0024】次に、上記構成を有するIC評価治具の使用方法について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0025】図2は、被測定IC1に対して外部測定機器から信号を入力あるいは出力することにより、被測定IC1の外部入出力特性を測定するための第1のモジュール治具8をベース治具2と組み合わせた場合の例を示すものであって、被測定IC1の特性を測定するための共通回路部分を実装したベース治具2と、被測定IC1に対して外部測定機器から信号を入力あるいは出力することによって外部入出力特性を測定するための第1のモジュール治具8が台座13上で組み合わされ、図示するように台座13上で定位置に固定される。被測定IC1は、図示しないロボットアーム等によって、台座13上に固定されたベース治具2と第1のモジュール治具8の評価基板4、10の電極端子20、21上に載せられ、定位置に固定される。
【0026】そして、バイアス端子6に接続した外部電源から、ベース治具2へバイアス電圧を印加するとともに、ベース治具2の入出力端子5及び第1のモジュール治具8の入出力端子11に対して外部測定機器から測定信号を入出力して被測定IC1の外部入出力特性の測定を行ない、その測定結果に従って被測定IC1の評価を行なう。
【0027】一方、外部測定機器から信号を入出力させることなしに実際の使用形態に合わせて内部発振回路を用いて評価項目を測定したい場合には、前記第1のモジュール治具8に替えて、図3に示すように、ベース治具2と、内部発振回路を備えた第2のモジュール治具14とが組み合わされ、図示するように台座13上で定位置に固定される。
【0028】そして、バイアス端子6に接続した外部電源から、ベース治具2へバイアス電圧を印加するとともに、第2のモジュール治具14のバイアス端子17へ内部発振回路用のバイアス電圧を外部電源から供給する。さらに、ベース治具2の入出力端子5の入出力端子11には、外部測定機器から測定信号を入出力して被測定IC1の内部発振特性の測定を行ない、その測定結果に従って被測定IC1の評価を行なう。
【0029】上記したように、図示例のIC評価治具の場合、第1及び第2のモジュール治具2、14を交換することにより2種類の特性を自由に測定することが可能となる。尚、上記の例では、第1及び第2の2つのモジュール治具2、14を用意した場合を例にとって説明したが、この第1及び第2のモジュール治具2、14以外にも、予め、各々の特性測定用の固有の回路素子や回路定数に設定された特有の回路部分からなる種々のモジュール治具を多数準備しておけば、モジュール治具部分のみを交換するだけで、必要とする特性を自由に測定してICの評価を行なうことができる。
【0030】そのため、共通回路部分のベース治具2を一度作製して調整を行なっておけば、後は必要に応じて測定特性に応じたモジュール治具部分のみを追加して作製するだけで済むようになる。従って、従来のように共通部分も含めた1台の評価治具全体を測定項目毎に複数台作製する必要がなくなり、治具の作製と調整の工数を削減することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、モジュール治具を取り替えるだけで種々のIC評価用の特性を測定することが可能となり、共通の回路部分を有するベース治具部分を測定項目に合わせて何台も作製する必要がなくなる。そのため、共通部分も含めた評価治具全体を測定項目毎に複数台作製する必要がなくなり、治具作成の工数を削減することができるとともに、これまでIC評価治具を作製する上で多くの工数を費やしていたインピーダンスのマッチング調整等の工数も削減することができる。
【0032】また、本発明のIC評価治具の場合、回路定数あるいは回路形態が異なる固有の回路部分をモジュール化して独立させ、着脱自在としているため、信号線の部分が複数の基板に接続されることがなく、接続コネクタ等による接触不良や接続コネクタ部分部の劣化による特性不良の発生を防止でき、安定した測定結果を得ることができる。
【0033】請求項2記載の発明によれば、ベース治具部分とモジュール治具部分を固定する台座を備えているため、測定中に被測定ICの端子がずれて測定不能となるようなことがなくなる。
【0034】請求項3記載の発明によれば、ベース治具及びモジュール治具の各々に備えられた評価基板の基板表面に被測定IC接続用の電極端子を形成し、該電極端子上に被測定ICの端子を載せて固定するだけで接続できるようにしているので、アナログIC等のパッケージ化されたICの特性測定も簡単に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000232047
【氏名又は名称】日本電気エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成12年1月12日(2000.1.12)
【代理人】 【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
【公開番号】 特開2001−194415(P2001−194415A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−3490(P2000−3490)