| 【発明の名称】 |
電位検査回路、デバイス検査装置および電位検査方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 俊介
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| 【要約】 |
【課題】パス・フェイル判定およびAD変換の結果の間に矛盾が生ぜず、パス・フェイル判定を高速に行う電位検査装置を提供する。
【解決手段】制御回路10はレジスタ22から読み出した上限値を、ラッチ16を介してDAコンバータ18に与えることによって、比較器14の一方の入力端子へと入力する。検査対象である電位Vは、ホールド回路12を介して比較器14の他方の入力端子に入力される。比較器14は上限値を基準として電位Vの値の大小を判断し、制御回路10へと出力する。同様の動作は、下限値に対しても行われる。上限値および下限値との比較によって、電位Vの値は許容範囲内であるか否かについてのパス・フェイル判定をなされる。さらに制御回路10は、レジスタ20からデータD1〜Dnを順に読み出して比較の基準を徐々に変化させ、電位VのAD変換を行う。パス・フェイル判定およびAD変換は共通の比較器14においてなされ、矛盾は生じない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 検査対象たる入力電位を基準値と比較して比較結果を出力する比較器と、入力電位の許容限度を表す値である許容限度値を前記基準値として与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記入力電位の可否の判断を行う判断手段、および前記基準値を変化させつつ前記比較器に与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記入力電位の値を求める値決定手段を有する制御回路とを備えることを特徴とする電位検査回路。 【請求項2】 前記制御回路は、前記許容限度値である、前記入力電位の許容範囲の上限値および下限値を、前記基準値として前記比較器に与え、前記比較器によって前記入力電位が前記上限値よりも高いと判断された場合または前記下限値よりも低いと判断された場合には、前記入力電位が不良であるとの判断を下すことを特徴とする請求項1に記載の電位検査回路。 【請求項3】 前記値決定手段は、複数の候補値のうちから任意のものを前記基準値として次々に選択することによって前記比較結果の遷移点を検知し、前記遷移点に対応する候補値に応じて前記入力電位の値を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電位検査回路。 【請求項4】 前記比較器は、前記上限値および前記下限値がそれぞれ入力される第1および第2のコンパレータを含み、前記制御回路は、前記第1のコンパレータの比較結果に応じて前記入力電位が高電位側において許容されるか否かを判断し、前記第2のコンパレータの比較結果に応じて前記入力電位が低電位側において許容されるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の電位検査回路。 【請求項5】 前記入力電位はアナログであり、前記判断手段は前記上限値および前記下限値を時間をずらして前記比較器に与え、前記上限値および前記下限値が前記比較器に与えられている間に前記入力電位を保持する保持手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の電位検査回路。 【請求項6】 前記複数の候補値のうちから任意のものを前記基準値として次々に選択する間、前記入力電位を保持する入力電位用保持手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の電位検査回路。 【請求項7】 被検査デバイスに入力される入力テストパターン、および前記入力テストパターンが入力された前記被検査デバイスが出力すべき期待パターンを発生するテストパターン発生器と、入力された前記入力テストパターンに応じて前記被検査デバイスが出力した出力パターンと前記期待パターンとの一致の是非に応じて前記被検査デバイスの適否を判断するデバイス検査用比較器と、前記被検査デバイスに電力を供給する電源と、前記被検査デバイスの端子電位を検査する端子電位検査回路とを備えるデバイス検査装置であって、前記端子電位検査回路は、前記端子電位の観察のために取り込まれるサンプル電位を基準電位と比較して比較結果を出力するサンプル電位用比較器と、前記サンプル電位の許容限度を表す電位である許容限度電位を前記基準電位として与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記サンプル電位の可否の判断を行う判断手段、および前記基準電位を変化させつつ前記サンプル電位用比較器に与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記サンプル電位の値を求める値決定手段を含む制御回路とを有することを特徴とするデバイス検査装置。 【請求項8】 検査対象である入力電位が許容範囲内に収まっているかいないかを判断し、収まっていない場合には「否」との判定を下す判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記「否」との判定が下されたことに応じて、前記入力電位の詳細値を検索する検索ステップとを備えることを特徴とする電位検査方法。 【請求項9】 前記判定ステップは、前記許容範囲の上限および下限と前記入力電位とを比較することによって、前記入力電位が前記許容範囲内に収まっているかいないかを判断することを特徴とする請求項8に記載の電位検査方法。 【請求項10】 前記検索ステップは、複数の候補値のうちから基準として選択されたものを前記入力電位と比較することを次々と行うことによって比較結果の遷移点を検知し、前記遷移点に対応する候補値に応じて前記詳細値を決定するステップであることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電位検査方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電位検査回路、デバイス検査装置および電位検査方法に関する。 【0002】 【従来の技術】デバイスの検査装置においては、その検査の信頼性を確保するために、デバイスから出力される電圧は正確に測定されなければならない。また、デバイスに流れ込む電流またはデバイスから流れ出す電流も、正確に測定されることが必要となる。 【0003】図1は、従来の電位検査装置の構成を示す回路図である。入力端子30から入力された電位Vは、ADコンバータ810およびアナログ比較器820,830に共通に入力される。ADコンバータ810と比較器820,830とはそれぞれ、電位Vのデジタル値の決定と、電位Vが許容範囲内に存在するか否かの判定(パス・フェイル判定)とを行うために備えられている。パス・フェイル判定は、許容範囲の上限値および下限値と電位Vの値とを比較することによって知ることができる。 【0004】パス・フェイル判定の詳細について説明を行う。比較器820のプラス側の入力端子にはDAコンバータ840から電位の許容範囲の上限値が与えられており、マイナス側の入力端子に入力される電位Vのアナログ値との比較が行われる。電位Vのアナログ値が上限値よりも高い場合には比較器820はHFAIL信号の論理をLレベルとし、電位Vが「ハイ・フェイル(HIGH FAIL)」である旨を知らせる。一方、低い場合にはHFAIL信号としてHレベルの信号が出力され、「ハイ・パス(HIGH PASS)]である旨が知らされる。 【0005】同様に、比較器830のマイナス側の入力端子にはDAコンバータ850から下限値が入力され、プラス側の入力端子には電位Vが入力される。比較器830は比較の結果に応じ、LFAIL信号の論理をLレベル(ロウ・フェイル(LOW FAIL))またはHレベル(ロウ・パス(LOW PASS))とする。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】図1の構成においては、デジタル値の決定(AD変換)はADコンバータ810において、パス・フェイル判定は比較器820,830において、それぞれ独立になされる。ADコンバータ810および比較器820,830は、製造上互いの特性に若干の違いが生ずることが避けられない。従って、例えば、デジタル値は許容範囲内に収まっているのに判定はフェイルであるといった結果の矛盾が生じ得るという問題点があった。かかる問題点を解消するために、図2に示される電位検査装置が用いられた。 【0007】図2は、従来の電位検査装置の他の構成を示す回路図である。入力端子30から入力されたアナログの電位Vはまず、ADコンバータ810においてデジタル変換される。そして、ADコンバータ810から出力された電位Vのデジタル値がデジタル比較器920,930へと共通に入力される。比較器920,930には更にリミットレジスタ940,950から上限値および下限値がそれぞれ入力され、図1の構成と同様に、パス・フェイル判定が行われる。 【0008】以上の説明から明らかなように、図2の構成では、ADコンバータ810の出力に対してパス・フェイル判定が行われる。従って、図1の場合のような結果の矛盾は生じない。しかし、パス・フェイル判定のみ行えば足りる場合にも電位Vは必ずAD変換されねばならず、判定に長時間用するという問題点があった。 【0009】そこで本発明は、以上の問題点に鑑み、検査結果に矛盾が生ずることがなく高速に判定を行う構成を有する電位検査回路、デバイス検査装置および電位検査方法を提供することを目的とする。この目的は、特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は、本発明の更なる有利な具体例を規定する。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の第1の形態は、検査対象たる入力電位を基準値と比較して比較結果を出力する比較器と、入力電位の許容限度を表す値である許容限度値を前記基準値として与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記入力電位の可否の判断を行う判断手段、および前記基準値を変化させつつ前記比較器に与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記入力電位の値を求める値決定手段を有する制御回路とを備えることを特徴とする。 【0011】本発明の第2の形態は、前記制御回路は、前記許容限度値である、前記入力電位の許容範囲の上限値および下限値を、前記基準値として前記比較器に与え、前記比較器によって前記入力電位が前記上限値よりも高いと判断された場合または前記下限値よりも低いと判断された場合には、前記入力電位が不良であるとの判断を下すことを特徴とする。 【0012】本発明の第3の形態は、前記値決定手段は、複数の候補値のうちから任意のものを前記基準値として次々に選択することによって前記比較結果の遷移点を検知し、前記遷移点に対応する候補値に応じて前記入力電位の値を決定することを特徴とする。 【0013】本発明の第4の形態は、前記比較器は、前記上限値および前記下限値がそれぞれ入力される第1および第2のコンパレータを含み、前記制御回路は、前記第1のコンパレータの比較結果に応じて前記入力電位が高電位側において許容されるか否かを判断し、前記第2のコンパレータの比較結果に応じて前記入力電位が低電位側において許容されるか否かを判断することを特徴とする。 【0014】本発明の第5の形態は、前記入力電位はアナログであり、前記判断手段は前記上限値および前記下限値を時間をずらして前記比較器に与え、前記上限値および前記下限値が前記比較器に与えられている間に前記入力電位を保持する保持手段をさらに備えることを特徴とする。 【0015】本発明の第6の形態は、前記複数の候補値のうちから任意のものを前記基準値として次々に選択する間、前記入力電位を保持する入力電位用保持手段をさらに備えることを特徴とする。 【0016】本発明の第7の形態は、被検査デバイスに入力される入力テストパターン、および前記入力テストパターンが入力された前記被検査デバイスが出力すべき期待パターンを発生するテストパターン発生器と、入力された前記入力テストパターンに応じて前記被検査デバイスが出力した出力パターンと前記期待パターンとの一致の是非に応じて前記被検査デバイスの適否を判断するデバイス検査用比較器と、前記被検査デバイスに電力を供給する電源と、前記被検査デバイスの端子電位を検査する端子電位検査回路とを備えるデバイス検査装置であって、前記端子電位検査回路は、前記端子電位の観察のために取り込まれるサンプル電位を基準電位と比較して比較結果を出力するサンプル電位用比較器と、前記サンプル電位の許容限度を表す電位である許容限度電位を前記基準電位として与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記サンプル電位の可否の判断を行う判断手段、および前記基準電位を変化させつつ前記サンプル電位用比較器に与えることによって得られる前記比較結果に応じて前記サンプル電位の値を求める値決定手段を含む制御回路とを有することを特徴とする。 【0017】本発明の第8の形態は、検査対象である入力電位が許容範囲内に収まっているかいないかを判断し、収まっていない場合には「否」との判定を下す判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記「否」との判定が下されたことに応じて、前記入力電位の詳細値を検索する検索ステップとを備えることを特徴とする。 【0018】本発明の第9の形態は、前記判定ステップは、前記許容範囲の上限および下限と前記入力電位とを比較することによって、前記入力電位が前記許容範囲内に収まっているかいないかを判断することを特徴とする。 【0019】本発明の第10の形態は、前記検索ステップは、複数の候補値のうちから基準として選択されたものを前記入力電位と比較することを次々と行うことによって比較結果の遷移点を検知し、前記遷移点に対応する候補値に応じて前記詳細値を決定するステップであることを特徴とする。 【0020】なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。 【0021】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、発明の実施の形態を通じて説明を行うが、以下の実施の形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。 【0022】図3は、自動検査装置300の構成を例示する回路図である。自動検査装置300は、検査対象であるデバイス400が良品か否かを自動的に検査する装置である。以下、自動検査装置300の構成および動作について説明を行う。 【0023】タイミング発生器310は、パターン発生器320、波形整形器330、ピンカード340、デジタル比較器350および不良解析メモリ360にタイミング信号を与える。パターン発生器320は、検査されるデバイス400のアドレスを示すアドレス信号およびデバイス400における演算処理に用いられる入力テストパターン信号を波形整形器330に出力する。波形整形器330はデバイス400の特性に応じて、アドレス信号および入力テストパターン信号の波形を整形する。 【0024】デバイス400は自動検査装置300に備えられるピンカード340と電気的に接続され、これを介して波形整形器330からアドレス信号および入力テストパターンを受け取る。これらの信号に応じてデバイス400は論理演算を行い、演算結果として出力パターンをピンカード340を介してデジタル比較器350へと与える。 【0025】デジタル比較器350にはデバイス400からの出力パターンの他に、パターン発生器320から期待値パターンが入力される。期待値パターンとは、デバイス400における論理演算が正常に行われた場合に出力されることが期待されるパターンである。デジタル比較器350は出力パターンと期待値パターンとを比較し、その一致または不一致を判定することによって、デバイス400が良品または不良品のいずれであるかを信号のレベルによって表す。不良解析メモリ360はデジタル比較器350の出力を、後の不良解析のために記憶する。 【0026】自動検査装置300のピンカード340においては、検査のためにデバイス400が次々と入れ替えられる。したがって、おのおののデバイス400に対して正しい検査結果を得るためには、デバイス400に電力を供給する電源370が供給する電流を正確に測定しなければならない。そこで、電源370には電流−電圧変換後の電位を測定するために電位検査装置380が備えられている。また、デバイス400の出力端子Outから出力されるHレベルの信号が設定どおりに出力されているかどうかを確認する必要もある。このために、出力端子Outの信号の検査用には、電位検査装置380を有する計測器390が備えられている。 【0027】電源370は、デバイス400の電源端子Vddに定電位を与えるための電流を供給するDAコンバータ372を備えている。DAコンバータ372の出力を安定させるために、電源370内には比較器374が備えられている。プラス側の入力端子にDAコンバータ372の出力端子が接続された比較器374の出力端子と、デバイス400の電源端子Vddとの間には、抵抗376が挿入されている。比較器374のマイナス側の入力端子には電源端子Vddが接続され、負帰還がかけられている。 【0028】電源370内では、抵抗376に印加される電圧を観察することによって、DAコンバータ372の出力する電流値を間接的に観察する。抵抗376に印加される電圧は差動アンプ378によって増幅され、電位検査装置380においてパス・フェイル判定またはAD変換が行われる。 【0029】一方、計測器390においては、出力端子Outの端子電位を電位検査装置380によって観察する。出力端子Outと電位検査装置380との間には、端子電位を安定化させるために比較器392が挿入されている。比較器392のプラス側の入力端子には出力端子Outが接続され、マイナス側の入力端子には帰還がかけられている。電位検査装置380には比較器392の出力する電位が入力され、パス・フェイル判定またはAD変換が行われる。 【0030】後述のごとく、本実施の形態の電位検査装置380によって行われるパス・フェイル判定およびAD変換には矛盾はなく、また、パス・フェイル判定のみを行う場合には端子電位の適否の判定を早く済ませることができる。これによって、端子電位が正常であることを速やかに確認することが可能となり、自動検査装置300によるデバイス400の検査を効率よく終えることが可能となる。 【0031】なお、以上の説明では、電位の観察は、電源370においては電流を電圧に変換することによって間接的になされ、計測器390においては無変換の状態で直接的に行われている。しかし、変換および無変換の選択というのは任意に行うことができるものである。たとえば、電源370および計測器390のいずれにおいても電位の観察を直接的に行うことが可能である。 【0032】次に、電位検査装置380の構成および動作について説明を行う。 【0033】図4は、本実施の形態の電位検査装置380の構成を例示する回路図である。電位検査装置380は、従来のADコンバータに変更を加えることによって、AD変換のみならずパス・フェイル判定の実施をも可能としたものである。具体的には、比較の基準値を断続的に変化させることによってAD変換を行うか、基準値を許容範囲の上限値または下限値に設定することによってパス・フェイル判定を行うかという選択が可能となっている。このような選択は、図4の検査回路380に備わる制御回路10によって実現される。以下、図4および図5を用いて電位検査装置380の構成および動作について説明を行う。 【0034】図5は、パス・フェイル判定の後にAD変換が行われる例に関する、電位検査装置380のタイミングチャートである。もちろんパス・フェイル判定の後に必ずAD変換を行わなければならないというものではなく、パス・フェイル判定によって電位Vがおかしくないかを確認するだけでも良い。また、パス・フェイル判定を行わず、AD変換のみを行うことももちろん可能である。さらに、AD変換の後にパス・フェイル判定を行うことも可能である。 【0035】まずユーザは、図5(d)に例示されるように、スタート(START)信号をHレベルに引き上げる(論理を「1」にする)ことによって、制御回路10に処理の開始を指示する。これに応じて制御回路10は信号BUSYの論理を「1」にし、処理中であることを外部へと知らせる。 【0036】入力端子30から入力されるアナログの電位Vは、サンプルホールド回路12を介して比較器14の一方の入力端子へと与えられる。サンプルホールド回路12は、サンプルである電位Vの取り込みおよび保持を、制御回路10の制御によって切り替えられる。制御回路10は図5(a)に例示されるように、サンプルホールド(SH)信号32の論理を「1」から「0」へと遷移させ、取り込んだ電位Vのアナログ値を処理の最中保持させる。これによって、パス・フェイル判定からAD変換にわたって、処理の最中に検査対象が変化してしまうことを未然に回避することができる。従って、検査の信頼性が担保される。 【0037】次に制御回路10は、比較器14の他方の入力端子に許容範囲の上限値を入力するために、リミットレジスタ22にアクセスする。リミットレジスタ22は、ADコンバータにおいてパス・フェイル判定を可能とするために、従来のADコンバータに新たに設けられている構成である。リミットレジスタ22には許容範囲の上限値および下限値がデジタルに格納されており、制御回路10は読み出したデジタルの上限値をラッチ回路16を介してDAコンバータ18へと与える。DAコンバータ18が変換を行う間、ラッチ16は図5(b)に例示されるように上限値を保持する。 【0038】DAコンバータ18から出力される上限値のアナログ値は、比較器14の他方の入力端子へと入力される。比較器14は、上限値のアナログ値を反転させることによって得られる値を基準として、電位Vのアナログ値の比較を行う。このように比較器14は、制御回路10によって与えられるデータのアナログ値を基準として、電位Vのアナログ値を比較する役割を有する。以下では、上限値のように基準として与えられる値を「基準値」と称呼する。 【0039】比較の結果は、比較器14に与えられるストローブ(STROBE)信号34が制御回路10によって図5(e)に例示されるように「1」に励起されることに応じて、制御回路10へと取り込まれる。比較結果が電位Vの方が基準値である上限値よりも大きいことを表す場合には、制御回路10はHFAIL信号の論理を「1」から「0」へと遷移させ、電位Vが許容範囲よりも上側に存在することを外部へと知らせる。上限値についての処理の終了後には、同様の処理が下限値についても行われる(図5(b)および図5(e)参照)。電位Vの方が基準値である下限値よりも小さいという比較結果が得られた場合には、制御回路10はLFAIL信号の論理を「1」から「0」へと遷移させ、電位Vが許容範囲よりも下側に存在することを外部へと知らせる。また、HFAIL信号およびLFAIL信号の論理積をとり、電位Vに異常があること(フェイルであること)を知らせる信号ORFAILを生成する。 【0040】以上の記載から明らかなように、本実施の形態の構成においては、パス・フェイル判定に要する時間は、DAコンバータ18におけるDA変換に要する時間に律速される。一方、従来の図2の構成においては、パス・フェイル判定は、ADコンバータ810におけるAD変換に要する時間に律速される。AD変換よりもDA変換の方が早く済むことは周知の事実であり、本実施の形態の構成のほうが高速である。 【0041】以上のようにしてパス・フェイル判定が終了すると、制御回路10は、従来のADコンバータの場合と同じ処理(AD変換)を引き続き行う。 【0042】図6は、AD変換が行われる際の信号のレベルを表す詳細なタイミングチャートである。図6を用いて詳細を以下に述べる。パス・フェイル判定とAD変換とを同じ対象について行うために、図6(a)に例示されるように、制御回路10はサンプルホールド信号32を「0」のまま保持する。これに応じて図4のサンプルホールド回路12は電位Vのアナログ値を不変のまま保持しつづける。次に制御回路10は、従来からAD変換に用いられる逐次比較レジスタ(SAR)20を利用して、図6(b)に例示されるようにDAコンバータ18の出力を段階的に引き上げていく。このような段階的な引き上げは、レジスタ20に格納されているデジタル値を小さい順に読み出すことによって実現できる。または、レジスタ20から読み出した引き上げの初期値および1回分の増加量を用いて、引き上げの終了値まで引き上げを複数回行うことによって実現することも可能である。このようにして得られたデジタルのデータD1〜Dn(n:自然数)は順に、図5(b)に例示されるようにラッチ16へと与えられていく。 【0043】以上のような構成によってDAコンバータ18の出力が図6(b)に例示されるごとく階段状に増加することに応じて、比較器14の基準値は引き上げられていく。制御回路10はDAコンバータ18の出力が平坦になった時、すなわち比較器14の基準値が安定した時にストローブ信号34を「1」に引き上げ、図6(d)に例示される比較器14の出力を順に取り込んでいく。ここで、パス・フェイル判定に用いられた比較器14がAD変換においても引き続き利用されることは注目に値する。これによって、比較主体の違いによる特性の相違が生じえず、パス・フェイル判定およびAD変換のそれぞれの結果の間に矛盾が生ずることは回避される。また、比較器14をパス・フェイル判定およびAD変換において共用することは、回路面積の低減の点から有効である。 【0044】AD変換の初期では電位Vのアナログ値の方が大きいため、図6(d)に例示されるように比較器14の出力は「1」となる。しかし、DAコンバータ18の出力のほうが大きくなると、比較器14の出力は「0」に変化し、大小関係が反転する。このように大小関係が遷移することを把握することによって、制御回路10は、遷移の前後のDAコンバータ18の出力の値の間に電位Vのアナログ値が存在することを認識することができる。 【0045】これに応じて制御回路10は、遷移の前後に図4のレジスタ20から読み出した2つのデジタル値の間の任意の値を電位Vの値とみなして、データDVとして外部に出力する。値の決定はたとえば、遷移の前後のデジタル値の平均を採ること、または2つのデジタル値のいずれかをそのまま採用することによってなすことができる。 【0046】以上の説明ではDAコンバータ18の出力を徐々に増加させる例を取り上げたが、2分探索法を用いることも可能である。図6(e)および図6(f)は、2分探索法を用いる場合のタイミングチャートを表す。制御回路10は、DAコンバータ18にデータDi(i:1〜nの間の任意の整数)として、電位Vの値が存在する範囲を2分割する値を与えていく。そして、デジタルのデータDiに応じたDAコンバータ18のアナログ出力と電位Vとの比較の結果から、分割された範囲のいずれの領域に電位Vの値が存在するかを判断し、次のデータD(i+1)についても同様の処理を行う。 【0047】このようにしてDAコンバータ18の出力を変化させつつ比較器14の出力を観察することによって、電位Vの値が存在する範囲を狭めていく。すると最終的に、電位Vの値が間に存在する、これ以上は詳細には調べられないという2つのデジタル値が判明する。すなわちこの区間で、電位Vと基準値との大小関係の遷移が生じていることが判明する。制御回路10は、このデジタル値の間の任意の値を電位Vのデジタル値とみなし、データDVとして外部へと出力する。 【0048】以上の説明から明らかなように、本実施の形態の構成においては、パス・フェイル判定およびAD変換に比較器14を共通に用いることによって、パス・フェイル判定およびAD変換の結果に矛盾が生ずることを回避している。また、パス・フェイル判定のみを行う場合にも、高速に判定を行うことが可能である。 【0049】なお、図4の構成においては、AD変換用に用いられていた逐次比較レジスタ20とは別個に、リミットレジスタ22を設けている。しかし、レジスタ20に余裕がある場合には、これに上限値および下限値を記憶させておいても良い。 【0050】次に、本実施の形態の構成によって必要となる処理の組み合わせの態様について説明を行うために、従来の構成について説明を行う。図1の従来の構成においては、AD変換およびパス・フェイル判定は並列になされる。したがって、パス・フェイル判定にて異常が生じていると判断された場合のみAD変換を行って詳細な電位Vの値を求めるというスキームは不要である。また、図2の構成においては、AD変換の結果に基づいてパス・フェイル判定が行われるため、やはりこのようなスキームは不要である。 【0051】一方、図4の本実施の形態の構成においては、パス・フェイル判定およびAD変換は並列にはなされず、時間をずらして順になされる。したがって、パス・フェイル判定で異常が発見された場合のみAD変換を行うというスキームを採用することに意義が生じ得る。そこで、以下においては、ユーザが選択した組み合わせに応じて処理を行う構成について説明を行う。 【0052】パス・フェイル判定およびAD変換の組み合わせは、図4の制御回路10によって、モードとして受け付けられる。表1は、モードの種類を例示する表である。 【0053】 【表1】
表1に例示されるように、モードにはモード0〜モード3までの4種類がある。モード0はパス・フェイル判定のみを行うモードであり、電位VのAD変換は行われない。モード1はパス・フェイル判定を行い、フェイルの結果が出た場合のみAD変換を行うモードである。モード2はパス・フェイル判定およびAD変換のいずれも行うモードである。モード3は、AD変換のみ行い、パス・フェイル判定は行わないモードである。ユーザは好みのモードを図4のモード(MODE)信号によって制御回路10に知らせることによって、電位Vの検査を所望に行うことが可能となる。以下では、図4および図7を用いて、電位検査装置380が行う処理について経時的に説明を行う。 【0054】図7は、電位検査装置380が行う処理を例示するフローチャートである。 【0055】まず、図4のスタート(START)信号が図5(d)に例示されるようにHレベルとなることに応じて、処理が開始される(図7のステップS10)。これを受けて制御回路10は、ステップS12においてHFAIL信号、LFAIL信号およびORFAIL信号の電位を「1」(Hレベル)とし、リセットを行う。 【0056】次に、ステップS14において、制御回路10はモード信号によって、検査のモードを受け付ける。引き続くステップS20において、制御回路10は、入力されたモードがモード3であるか否か、すなわちパス・フェイル判定が必要か否か(表1参照)を判断する。「YES」と判断された場合にはステップS30以降の処理が行われ、「NO」と判断された場合にはステップS60以降の処理が行われる。 【0057】図7において一点鎖線で囲まれるステップS30〜S46までの処理は、パス・フェイル判定のための処理である。まず、ステップS30においては、図4のリミットレジスタ22から上限値が読み出される。引き続くステップS32において図4の比較器14による比較が行われ、この比較の結果がパス(P:異常なし)またはフェイル(F:異常あり)のいずれであるかが判定される。「P」と判定された場合には、同様にステップS40〜S44において、下限値の読み出し、比較およびパス・フェイル判定が行われる。 【0058】一方、ステップS34において「F」と判定された場合には、ステップS36においてHFAIL信号,ORFAIL信号の値が「0」に書き換えられる。同様にステップS44において「F」と判定された場合には、ステップS46において、HFAIL信号の代わりにLFAIL信号の値が「0」に書き換えられる。ステップS44において「P」と判断された場合には、電位Vの値に異常はなく、ステップS24に移行する。 【0059】ステップS36,S46に引き続くステップS22においては、モードがモード1であるか否かが判断される。「NO」と判断された場合には、フェイルという結果に応じてAD変換を行うことが指定されていないため(表1参照)、ステップS24に移行する。「YES」と判断された場合には、フェイルという結果に応じてAD変換を行うために、ステップS60に移行する。 【0060】ステップS24においては、パス・フェイル判定の後にAD変換が行われなければならないかを判断するために、モードがモード0またはモード2のいずれであるかが判断される(表1参照)。モード0と判断された場合には、AD変換を行う必要がないため、ステップS100において処理を終了する。モード2と判断された場合には、AD変換を行うため、ステップS60へと移行する。 【0061】2点鎖線で囲まれるステップS60〜S90までの処理は、AD変換に関して行われる処理である。特にステップS60〜S70間の処理は、AD変換のためのループ処理である。図7においては例として、ステップS60〜S70間の処理は、図6(b)に例示されるDAコンバータ18の出力が階段状に増加される場合が採り上げられている。 【0062】ステップS60に例示されるように、ループ処理は、1〜nの任意の整数である番号「i」について行われる。まず、ステップS62おいては、図5(b)に関して既述のように、基準値となるデータDiのアナログ値が図4の比較器14へと出力される。引き続きステップS64では、データDiのアナログ値が電位Vのアナログ値よりも大きいか否かが判断される。「YES」と判断されるのは、データD(i−1),Di間で大小関係に遷移が生じた場合であり、この区間に電位Vの値が存在する場合である。そこで、電位Vの値を決定するために、ループ処理を抜けてステップS80に移行する。「NO」と判断された場合には、引き続きS60〜S70間のループ処理が行われる。 【0063】ステップS80においては、データD(i−1),Di間の任意の値をこの区間の代表値として抽出する。引き続くステップS82においては、この代表値を電位Vの値とみなし、データDVとして出力する。この後に、ステップS100において処理が終了する。 【0064】一方、データD1〜Dnの間に電位Vの値が存在しない場合、すなわち予めレジスタ20に設定しておいた検索範囲から電位Vの値が外れている場合には、ステップS64において一度も「YES」と判断されないことになる。この場合には、ステップS60,S70間のループ処理は終了され、ステップS90においてデータDVのエラー表示が行われる。これによって、ユーザは電位Vの値が検索範囲外に存在することを知ることができる。この後に、ステップS100において処理が終了される。 【0065】図7のフローチャートにおいてはステップS22とステップS24とは分離しており、モード1であるか否かの判断とモード0またはモード2のいずれであるかの判断とは別々になされる。しかし、これらの判断をいっしょに行うことも可能である。 【0066】ここで、図7のステップS22におけるモード1であるか否かの判断は、ステップS34またはステップS44において「フェイル」であると判断された場合のみAD変換を行うためになされる。「フェイル」であるかどうかは、ステップS36またはステップS46においてORFAILの値が「0」に書き換えられたかどうかを確認することによって知ることができる。そこで、ORFAILの値をフラグとして用いる構成を採用することが可能である。 【0067】図8は、図7の処理手順が一部変形された処理手順を例示するフローチャートである。図7ではステップS36またはステップS46において行われるORFAILの書き換えを、理解の容易のために図8においては、これらのステップの後に引き続くステップS50において行っている。そして、図8のステップS26においては、モードがモード0〜モード2のうちのいずれであるかの判断が行われる。モード1であると判断された場合には、引き続くステップS28において、ORFAILが「0」であるか否かが判断される。「YES」と判断されると、AD変換を行うステップS60へと移行する。以上のような処理手順によっても、図4の電位検査装置380の動作を図7と同様にすることが可能となる。 【0068】次に、2分探索法を用いて電位Vのデジタル値を求める場合の処理手順について説明を行う。 【0069】図9は、2分探索法を用いる場合の処理手順を例示するフローチャートである。同図の処理手順は、図7において2点鎖線において囲まれる部分が2分探索法用に変更されたものであり、その他の部分はそのままである。同図の例は、求めるデジタル値がm桁である場合を示している。 【0070】まず、初期設定をステップS108において行う。初期設定としてデータDiのMSB(Most significant bit)の論理のみを「1」に設定し、他の桁の論理はすべて「0」に設定する。ここで、データDiは2分探索法においては、1回の検索ごとに値が半減される変化値に相当する。さらに、ステップS108においては、データDVの値をリセットするためにデータDVのすべての桁の論理を「0」に設定する。ここでデータDVは、変化値であるデータDiが足される元の値に相当する。 【0071】ステップS110においては、m桁のデジタル値を求めることに対応して、ループ処理が行われる番号「i」を「1〜m」の整数と定義している。引き続きステップ112において、データDVとデータDiとの加算値が出力される。 【0072】次のステップS114では、電位Vが基準値である加算値「DV+Di」よりも小さいか否かが判断される。「NO」と判断された場合には電位Vは基準値以下であり、ステップS116においてデータDVとデータDiとの間にて各桁ごとに論理和が採られ、新たなデータDVが生成される。「YES」と判断された場合には、加算値の方が電位Vよりも大きいことに鑑み、データDVの値が書き替えられないようにステップS118へと移行する。ステップS118においては、2分探索法の次の変化値を2分の1にするために、「Di×(1/2)」を新たなデータDiの値とする。 【0073】図10は、データD1〜Dmの桁の論理を例示する模式図である。データD1〜Dmは2進数であり、データDiの値を2分の1にするとは、データDiの桁の論理を右に1bitシフトさせることに相当する。 【0074】次のステップS120においては、番号「i」についてループ処理が続行される旨の指令が出される。そしてループ処理が終了すると、ステップS122において、データDVが出力される。 【0075】次に、AD変換を効率的に行う構成について説明を行う。図7に例示される実施の形態1の処理手順においては、パス・フェイル判定においてフェイルの結果が出たことに応じてAD変換を行う構成が採用されている(ステップS22)。しかし、上限値または下限値との比較によって電位Vの値が■上限値よりも上(ステップS30,S32)、■下限値よりも下(ステップS40,S42)、または■上限値および下限値の間に存在するということが既知となるのに、ステップS60〜ステップS70間のループ処理においては、常に一定の検索範囲にわたって電位Vのデジタル値を検索している(ステップS60の番号iの定義参照)。これでは、パス・フェイル判定の結果が十分に活用されているとはいえない。そこで、本実施の形態においては、パス・フェイル判定において既知となる電位Vの存在範囲のみにおいてAD変換を行う構成について説明を行う。 【0076】ここで、パス・フェイル判定の結果に応じてステップS60〜ステップS70間のループ処理の検索範囲を変更するには、処理が繰り返し行われるデータの番号「i」の範囲の定義をパス・フェイル判定の結果に応じて行うようにすれば良い。このようにして検索範囲を分割することによって、効率的な変換が可能となる。 【0077】図11は、分割の様子を例示する模式図である。同図に例示されるように、データD1〜Dnを含む全検索範囲を、上限値よりも上の範囲であってデータDb〜Dnを含む範囲R1、下限値よりも下の範囲であってデータDa〜D1を含む範囲R2、および上限値および下限値の間の範囲であってデータDa〜Dbを含む範囲R3に分割する。ここで、データDb,Daはそれぞれ、上限値および下限値となるデータである。このように分割された範囲R1〜R3のうちパス・フェイル判定において電位Vが存在すると判定されたものにおいてのみAD変換を行う処理手順について、以下に説明を行う。 【0078】図12は、本実施の形態の処理手順を例示するフローチャートである。同図の処理手順は、図7のステップS60〜S70間にて行われるループ処理の検索範囲とパス・フェイル判定にて判明した電位Vの存在範囲とを一致させる変更が施されたものである。具体的には、図7のステップS36およびステップS46とステップS22との間に、ステップS38,S48がそれぞれ挿入されている。さらにステップS44とステップS24との間に、ステップS58が挿入されている。また、存在範囲内において効率的な検索が行えるように、図7のステップS62とステップS70,S82との間に変更が施されている。以上の部分は、目視の利便のために、点線によって囲まれている。その他の部分については、図7と図12のそれぞれの処理手順の間に相違はない。以下、本実施の形態の処理手順について、実施の形態1との間の相違を踏まえつつ、説明を行う。 【0079】ループ処理が行われる番号「i」は、ステップS60に示されるように、2つの定数g,hの範囲の間に含まれる整数として定義されている。これに応じて、ステップS38,S48,S58においては、検索範囲を分割するための定義を定数g,hに対して行っている。定義は以下のように行われる。 【0080】ステップS34においてフェイル、すなわち上限値よりも電位Vの値の方が大きいと判断された場合には、ステップS38において定数g,hをそれぞれb−1,nという整数に限定する。これによって、ステップS60〜ステップS70間のループ処理の検索範囲は範囲R1に限定されることになる。 【0081】実際には、定数gが「b」ではなく「b−1」とされていることによって、検索範囲は範囲R3へと一目盛分はみ出た領域に限定される。これは、電位Vがちょうど上限値Dbと同一である場合を考慮したものである。 【0082】同様に、ステップS48においては、検索範囲を範囲R2のみに限定するために、定数g,hをそれぞれa+1,1という整数に限定する。このように定義することによって番号「i」を「a+1〜1」のように数の大きい順に並べるのは、検索を効率的に行うためである。電位Vは、異常であるとは言え、下限値の近くに値が存在する確率が高い。そこで、「a+1〜1」のように大きい順に並べることによって、図11の太い矢印にて表されるように、下限値の近くから遠くへと検索が行われるように設定しているのである。ステップS58においては、定数g,hをそれぞれa−1,b+1という整数に限定することによって、範囲R3のみにおいて検索が行われるように設定している。 【0083】以上のような定数g,hの定義に基づき、適切な検索範囲においてステップS60〜S70のループ処理が行われ、電位Vのアナログ値が求められる。ここで、図11に例示されるように、範囲R1,R3と範囲R2とでは、検索の向きが異なる。詳細には、範囲R1,R3の検索の向きは図7の例の検索の向きのままで良いが、範囲R2の検索の向きは図7の例とは反対にしなければならない。 【0084】検索が下向きに行われると、基準値は階段状に減少する。したがって、電位Vと基準値との大小関係の遷移点を発見するためには、データDiが電位Vよりも小さいかどうかを判断する必要がある。 【0085】以上のような差異に鑑み、ステップS66においては、LFAILが「0」であるか否か、すなわち検索範囲が範囲R2または範囲R1,R3のいずれであるかを判断する。「NO」と判断される場合には、検索範囲はR1,R3であり、ステップS64において、データDiが電位Vよりも「大きい」か否かを判断する。一方、「YES」と判断される場合には、検索範囲は範囲R2であり、ステップS74において、データDiが電位Vよりも「小さい」か否かを判断する。 【0086】ステップS64,S74において「YES」と判断された場合には、大小関係の遷移点が発見されており、それぞれステップS80,S84の処理に移行する。ステップS84においては、検索が下向きに行われることに応じて、代表値はデータD(i+1),Di間から抽出される。ステップS64,S74において「NO」と判断された場合には、ループ処理が引き続き行われる。 【0087】以上のような本実施の形態の構成によって、パス・フェイル判定の結果を十分に活用し、AD変換に要する時間を減少させることが可能となる。また、かかる構成は、パス・フェイル判定は本当は不要でありAD変換の結果のみ必要な場合にも有効である。わざとAD変換の前にパス・フェイル判定を行うことによって検索範囲を狭めておいたほうが、AD変換のみを単独で行う場合よりも早く電位Vの値を得ることが可能であると期待される。 【0088】実施の形態2.図4の実施の形態1の電位検査装置380においては、上限値および下限値のいずれについても1つの比較器14において比較を行っている。したがって、上限値および下限値について同時に比較を行うことは不可能であり、検査に時間を要する。そこで、本実施の形態においては、同時に比較を行う構成について説明を行う。 【0089】図13は、本実施の形態の電位検査装置380の構成の他例を示す回路図である。図14は、電位検査装置380の働きを説明する模式図である。図13に例示される電位検査装置380は、図4の電位検査装置380に備わるラッチ16、DAコンバータ18および比較器14を2組備える構成を有している。比較器44、DAコンバータ48およびラッチ46を構成要素とするコンビネーション40は、図14に例示される全検索範囲のうち上限値を含む範囲R4用に設けられている。同様に比較器54、DAコンバータ58およびラッチ56を構成要素とするコンビネーション50は、下限値を含む範囲R5用に設けられている。 【0090】詳細には、比較器44,54のそれぞれの一方の入力端子には、サンプルホールド回路12の出力が共通に入力されている。比較器44の他方の入力端子には、ラッチ46およびDAコンバータ48を介して、データDj〜Dnのアナログ値が入力される。同様に、比較器54の他方の入力端子には、ラッチ56およびDAコンバータ58を介して、データD1〜Dkのアナログ値が入力される。 【0091】パス・フェイル判定の時には、コンビネーション40,50にはそれぞれ、制御回路10によって上限値および下限値が与えられる。上限値および下限値は比較器44,54それぞれにおいて電位Vの値との比較に用いられ、パス・フェイル判定が並列になされる。 【0092】AD変換の時には、コンビネーション40には図14の全検索範囲のうち、範囲R4に含まれるデータDj〜Dnが順に与えられる。一方コンビネーション50には、範囲R5に含まれるデータDk〜D1が順に与えられる。以上の説明から明らかであるように、AD変換もコンビネーション40,50によって、範囲R4,R5に関して並列に行われる。 【0093】ここで、図14に例示されるように「a≦j<k≦b」と設定されており、「上限値側の始点となるデータDj<下限値側の始点となるデータDk」となる。このような設定によって、範囲R4,R5は一部において重なり合う。これは、比較器44,54間の若干の特性の相違によって全検索範囲中に空白(AD変換の処理が行われない領域)が生ずることを未然に防止するためである。このようにして、AD変換は全検索範囲にわたってなされる。 【0094】なお、電位Vのアナログ値がちょうどデータDj,Dkの間に存在する場合には、比較器44,54においてそれぞれ得られる比較結果から2つのデジタル値が求められ、これらが互いに異なってしまう虞がある。このような場合には、たとえば、2つのデジタル値の平均を電位Vの値とする構成を採用することが可能である。 【0095】以上のような並列的な構成によって、図13の本実施の形態の電位検索回路380は、パス・フェイル判定およびAD変換を高速に行う。 【0096】上記の説明から明らかなように、実施の形態1,2の構成によれば、パス・フェイル判定およびAD変換のそれぞれの結果の間で矛盾が生じてしまうことを未然に回避することができる。また、パス・フェイル判定のみを行えば足りる場合には、パス・フェイル判定を高速に行うことが可能である。 【0097】以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができることは、当業者に明らかである。さらに、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。 【0098】 【発明の効果】本発明の電位検査回路およびデバイス検査装置によれば、判断手段による判断と値決定手段によって求められた入力電位の値との間に矛盾は生じない。また、本発明の電位検査方法によれば、入力電位が「否」である場合のみ詳細値を検索することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390005175 【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
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| 【出願日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104156 【弁理士】 【氏名又は名称】龍華 明裕
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| 【公開番号】 |
特開2001−194412(P2001−194412A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−1988(P2000−1988) |
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