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【発明の名称】 直埋電力ケーブルの部分放電測定方法
【発明者】 【氏名】東 盛剛

【氏名】宮本 俊治

【氏名】浦野 幸治

【要約】 【課題】絶縁接続部が直埋されていても直埋ケーブルの部分放電の測定が可能な部分放電測定方法を提供する。

【解決手段】直埋された電力ケーブル1,2の絶縁接続部3にリードワイヤ9,10の一端を接続し、他端を地表に導いて検出器40に接続し、検出器40で部分放電で生じる高周波成分を検出して部分放電を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接続部によって2本の電力ケーブルが接続されかつ前記接続部と2本の電力ケーブルが直埋されていて、各接続部には1対のリードワイヤの一端が接続され、他端は地表に導かれていて、前記リードワイヤの他端で検出器によりパルス電圧を検出することにより、前記接続部の部分放電の有無を判別することを特徴とする、直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項2】 前記リードワイヤの他端と前記検出器との間には、高周波電圧のみを検出するためにコンデンサが直列接続されることを特徴とする、請求項1に記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項3】 前記1対のリードワイヤの他端間には低周波成分を短絡させ、その両端に高周波電圧を発生して前記検出器に与えるコイルが接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項4】 前記電力ケーブルに電源を投入するとき、前記検出器をスイッチで短絡させ、電源投入後に前記スイッチを開放することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項5】 前記スイッチによる前記検出器の短絡および開放は光ファイバを用いて遠隔的に行なうことを特徴とする、請求項4に記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項6】 前記電力ケーブルは複数相設けられていて、各相の接続部ごとにパルス電圧を検出することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項7】 前記複数相の電力ケーブルには、各相の接続部ごとに高周波を阻止するコイルが接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【請求項8】 前記複数相の電力ケーブルは、クロスボンド接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の直埋電力ケーブルの部分放電測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は直埋電力ケーブルの部分放電測定方法に関し、特に、地中に直埋された電力ケーブルの接続部での部分放電を測定する測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブルにおいて、部分放電を測定する方法として、「電力ケーブルシステムの部分放電測定技術」電気学会技術報告第695号1998年10月が発表されている。
【0003】図13は上記の文に記載された技術によって部分放電を測定する方法を示す図である。図13において、ケーブル1,2は絶縁接続部3で接続されている。各ケーブル1,2の端末部分は防食ビニールシース4,5で覆われており、この部分に金属製の箔電極6,7を貼付け、箔電極6,7に現れるパルス電圧を検出器8で検出して部分放電の有無を判別する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の測定方法は絶縁接続部3の防食ビニールシース4,5に箔電極6,7を貼付ける必要があるため、絶縁接続部3はマンホールまたは洞道などの人の手が触れるところになければならない。このため、直埋ケーブルでは、その接続部も直埋されているため、直接手を触れて箔電極を巻付けることはできない。直埋接続部に箔電極を巻付けるためには、接続部を掘り起こし、人の手が触れる状態まで出してやる必要がある。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、絶縁接続部が直埋されていても、直埋ケーブルの部分放電の測定が可能な直埋電力ケーブルの部分放電測定方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、接続部によって2本の電力ケーブルが接続されかつ地中に直埋されていて、各接続部には1対のリードワイヤの一端が接続され、他端は地表に導かれていて、リードワイヤの他端で検出器によりパルス電圧を検出することにより、接続部の部分放電の有無を判別する。
【0007】請求項2に係る発明では、請求項1の発明の構成に加えて、リードワイヤの他端と検出器との間には高周波電圧のみを検出するためにコンデンサが直列接続される。
【0008】請求項3に係る発明では、請求項1または2の発明の構成に加えて、1対のリードワイヤの他端間には低周波成分を短絡させ、その両端に高周波電圧を発生して検出器に与えるコイルが接続される。
【0009】請求項4に係る発明では、請求項1から3のいずれかの発明の構成に加えて、電力ケーブルに電源を投入するとき、検出器をスイッチで短絡させ、電源投入後にスイッチを開放する。
【0010】請求項5に係る発明では、請求項4の発明の構成に加えて、スイッチによる検出器の短絡および開放は光ファイバを用いて遠隔的に行なう。
【0011】請求項6に係る発明では、請求項1から5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、電力ケーブルは複数相設けられていて、各相の接続部ごとにパルス電圧を検出する。
【0012】請求項7に係る発明では、請求項6の複数相の電力ケーブルには、各相の接続部ごとに高周波を阻止するコイルが接続されていることを特徴とする。
【0013】請求項8に係る発明では、請求項7の複数相の電力ケーブルはクロスボンド接続されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施形態を示す図である。図1において、地中には2本の電力ケーブル1,2が絶縁接続部3で接続されて直埋されている。絶縁接続部3の電力ケーブル1側および電力ケーブル2側のシースにはリードワイヤ9,10の一端が接続され、他端は地表に導かれ、検出器40に接続されている。検出器40によって絶縁接続部3での部分放電が検出されて測定器(図示せず)に与えられる。
【0015】検出器40としては、図2(a)に示す高周波トランス61や図2(b)に示す抵抗62が用いられる。
【0016】したがって、この発明の実施形態では、電力ケーブル1,2や絶縁接続部3が直埋されていても各接続部で生じる部分放電をリードワイヤ9,10によって地表で検出することが可能となる。
【0017】図3はこの発明の他の実施形態を示す図である。図3において、リードワイヤ9,10には直列にコンデンサ63,64が接続される。コンデンサ63,64は商用周波数の低周波成分をカットし、部分放電による高周波成分のみを検出器40に与える。したがって、この実施形態では、検出器40に高周波成分のみを与えることができ、検出精度が向上する。
【0018】図4はこの発明のさらに他の実施形態を示す図である。この実施形態では、リードワイヤ9,10の他端間にコイル65を接続したものである。コイル65は商用周波数の低周波成分を短絡させ、その両端に部分放電による高周波電圧を発生する。したがって、この実施形態でも、図3に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0019】図5は図3と図4の実施形態を組合せた例を示す図である。すなわち、リードワイヤ9と10の他端と検出器40との間にはコンデンサ63,64を直列接続するとともに、リードワイヤ9,10の他端間にコイル65を接続したものである。
【0020】この実施形態ではコイル65によって高周波成分のみを両端に生じさせ、コンデンサ63,64を介してその高周波成分を検出器40に与えることができる。
【0021】図6は図5に示した実施形態において、絶縁接続部3のシースを接地するようにしたものである。図6に示した例は図5に示した例にシースの接地を追加したものであるが、シースの接地は図3および図4の実施形態でも適用できる。これは、シースへの異常電圧の発生を抑止するために接地が必要な場合に用いられる構成であるが、接地によって検出感度の低下を招くことにもなる。
【0022】そこで、図7(a)に示すようにコイル65の中点を接地する構成が考えられる。また、図7(b)は、図6のコイル65の両端を直接接地することなくコイル66,67を介して接地したもので図7(a)と等価である。さらに、図7(a)と(b)とを組合せて図7(c)のように構成してもよい。図7の各構成はコイル部分の保護のためにも役立てることができる。
【0023】図8はシースの接続経路にスイッチを接続した例を示す。この実施形態は、電源投入時に生じる高電圧サージが検出器40に加わらないようにするものである。このために、スイッチ71がコイル65の両端を短絡するように接続され、コイル65の一端と接地間にはスイッチ72が接続され、コイル65の他端と接地間にはスイッチ73が接続される。
【0024】電源投入前にスイッチ71〜73を閉じることによって、高電圧サージが検出器40に加わることはない。電源投入後にスイッチ71〜73を開くことによって、高周波成分が検出器40に与えられる。
【0025】図9は図8のスイッチを遠隔的に入り切りする実施形態を示す図である。図9において、スイッチ71〜73はリレー接点が用いられ、これらのリレー接点の入り切りはリレー制御部80によって行なわれる。リレー制御部80は光ファイバ81を介して操作部82に接続されている。操作部82から操作指令を与えることによって、リレー制御部80はスイッチ71〜73を入り切りする。
【0026】この実施形態では、スイッチ71〜73を人が直接操作する必要はないので感電事故などを防止できる。しかも、光ファイバ81によって遠隔的に操作することによって、高電圧サージが操作部82に伝わることはない。
【0027】また、各実施形態においてリードワイヤ9,10に代えて、同軸構造のケーブルであるコンセントリックワイヤを用いてもよい。コンセントリックワイヤを使用すれば、各々のリード線が独立して土中に直埋されている場合に比べて信号の損失が少なくなり、特に絶縁接続部3からの引き出し長が長くなる場合には有利である。
【0028】図10はこの発明のより具体的な実施形態を示し、クロスボンド接続された3相の各ケーブルでの部分放電を測定するものである。
【0029】図10において、3相のケーブル11,12,13の絶縁接続部14,15,16は直埋されている。この場合、絶縁接続部14,15,16のそれぞれの金属シースに誘導電圧,誘導電流のために生じるシースロスを低減するようにクロスボンドのためのリンクボックス20が人の手に触れることのできるハンドホールに設けられている。
【0030】リンクボックス20には接続端子21〜26が設けられており、これらの接続端子21〜26と各絶縁接続部14,15,16は前述のリードワイヤに代えてコンセントリックワイヤ17〜19で接続されている。各接続端子21〜26は高周波電流に対してインピーダンスの低いコンデンサ31〜36を介して高周波トランス41〜43の1次側コイルに接続され、2次側コイルは増幅器44,45,46の入力に接続され、増幅器44,45,46の出力は部分放電測定器47,48,49に与えられる。そして、部分放電測定器47,48,49によってパルス電圧を測定することにより、従来の箔電極を用いたのと等価な測定が可能となる。
【0031】しかも、リンクボックス20はハンドホールにあり、掘り起こさなくても端子21〜26に触れることかできるため、コンセントリックワイヤ17〜19で接続部14〜16の遮蔽層側に電気的に接続されるコンデンサ31〜36が従来法の箔電極の代わりとなることができ、箔電極の巻けない接続部でも部分放電の検出が可能となる。
【0032】なお、図10に示した実施形態においても、前述の図5に示すようなコイル65を接続したり、図8および図9に示したようなスイッチ71〜73を各相ごとに接続するようにしてもよい。
【0033】図11はこの発明のより具体的な他の実施形態を示す図である。この実施形態では、リンクボックス20内のクロスボンド接続されている接続端子22と23,24と25,21と26の間に高周波ブロッキングコイル37,38,39を接続したものである。これらの高周波ブロッキングコイル37,38,39は、各相の高周波信号を独立させる目的で接続されている。このように、各相の高周波信号を独立させることによって相間での干渉を避けることができる。その結果、各相の部分放電を同時に測定しても感度が低下することはなく、効率的に測定することができる。
【0034】図12はこの発明のより具体的なさらに他の実施形態を示す図である。前述の図11はクロスボンド接続に対して高周波ブロッキングコイル37,38,39を接続したのに対して、この図12に示した実施形態では、絶縁接続部で電力ケーブルの相互のシースを接続する接続線にCT1〜CT3を設置したものであり、図11と同様の効果を奏することができる。
【0035】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、直埋された2本の電流ケーブルの接続部に1対のリードワイヤの一端を接続し、他端を地表に導き、検出器によりパルス電圧を検出することによって、接続部での部分放電の有無を判別することができる。したがって、部分放電を測定するために、接続部を掘り起こす必要はなくなる。
【0037】より好ましくは、リードワイヤにコンデンサを直列接続するかあるいはリードワイヤ間にコイルを接続することによって、部分放電によって生じる高周波成分を低周波成分から分離して検出器に与えることができ、より精度の良好な測定が可能となる。
【0038】さらに、電源投入時に検出器を短絡することによって、高電圧サージが検出器に加わるのを防止できる。
【0039】さらに、複数相の電力ケーブルに、各相の接続部ごとに高周波を阻止するコイルを接続することにより、各相の高周波信号を独立させることができ、相間での干渉を避けることができ、その結果、各相の部分放電を同時に測定しても感度が低下することはなく、効率的に測定することができる。
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【出願日】 平成12年1月27日(2000.1.27)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外4名)
【公開番号】 特開2001−194410(P2001−194410A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−18289(P2000−18289)