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【発明の名称】 基板検査用プローブおよび基板検査方法
【発明者】 【氏名】大段 祐二

【要約】 【課題】効率よく基板検査を行うことのできる装置を提供する。

【解決手段】基板上のパターン線の一端において所定のパルス信号を印加し、該パターン線の他端で信号を容量結合型プローブにて受信し、この受信信号に基づいてパターン線の導通を検査する基板検査装置であって、所定の時刻に前記パターン線の一端に検査パルス信号を印加し、受信側では、前記検査パルス信号の印加タイミングを受けて、その印加後に、前記プローブにて検出される受信信号の変化を監視することを特徴とする基板検査方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板の第1の主面の上方から近接させてこの基板を非接触で検査するプローブであって、検査信号を基板に放射するために基板側に露出した平面状の第1の電極面を有する出力側導電性プローブ部と、前記出力側導電性プローブ部を絶縁的に支持する支持部材と、この支持部材に支持されながら前記出力側導電性プローブ部から離間した位置に設けられた導電性プローブ部であって、前記基板からの放射波を入力するために前記基板側に露出した平面状の第2の電極面を有する入力側導電性プローブ部と、前記出力側導電性プローブ部の前記第1の電極面以外の第1の部分からの前記検査信号の放射を防ぐと共に、前記入力側導電性プローブ部の前記第2の電極面以外の第2の部分への前記基板からの輻射波を防ぐための電磁シールドとを有した検査用プローブであって、前記電磁シールドは、前記第1の電極面と第2の電極面の夫々を前記基板側へ露出するための開口を有し、前記第1の電極面と第2の電極面と同じ平面上の第2の主面を有することを特徴とする基板検査用プローブ。
【請求項2】 前記入力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に共通であることを特徴とする請求項1に記載の基板検査用プローブ。
【請求項3】 前記出力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に共通であることを特徴とする請求項1に記載の基板検査用プローブ。
【請求項4】 前記出力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に個別化されていることを特徴とする請求項2に記載の基板検査用プローブ。
【請求項5】 前記入力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に個別化されていることを特徴とする請求項3に記載の基板検査用プローブ。
【請求項6】 前記入力側導電性プローブ部と前記出力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に共通化されていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査用プローブ。
【請求項7】 互いに離間した第1の電極と第2の電極とを有するプローブを近接させてこの基板を非接触で検査する基板検査方法であって、前記第1の電極と第2の電極とが前記基板の配線パターンに接触しない範囲前記プローブを前記基板に近接させ、前記第1の電極に検査用電気信号を印加することにより、前記第1の電極の電極面から前記基板の前記配線パターンに向けて輻射波を放射し、前記第2の電極の電極面で、前記基板の前記配線パターンからの輻射波を受信し、前記第2の電極で受信した輻射波信号に基づいて、前記配線パターンの良否を判定することを特徴とする基板検査方法。
【請求項8】 前記第1の電極は互いに離間した複数の電極素子群を有し、更に、前記複数の電極素子群の1つを選択し、選択した1つの電極素子に前記検査用電気信号を印加することを特徴とする請求項7に記載の基板検査方法。
【請求項9】 選択しなかった電極素子をアースすることを特徴とする請求項8に記載の基板検査方法。
【請求項10】 前記第2の電極は互いに離間した複数の電極素子群を有し、更に、前記複数の電極素子群の1つを選択し、選択した1つの電極素子で配線パターンからの輻射波を受けることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の基板検査方法。
【請求項11】 選択しなかった電極素子をアースすることを特徴とする請求項10に記載の基板検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、狭ピッチの導体パターンが印刷された基板(ICチップを搭載される前のLSIパッケージを含み、以下、これらを「基板」という)上の一部のパターンにおける断線等の検査に適用される検査用プローブに関し、特に、基板に非接触で検査を行うプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板上に印刷された狭ピッチの導体パターンの導通状態を検出するのに用いられるプローブ(センサを含む)には、基板に直接接触させるものが利用されている。このプローブを基板に接触させて検査信号をプローブを介して印加するのである。
【0003】接触式のプローブは基板パターンが高密度化すると、ピン数の増加によりコスト高となる。また、目的のピンにプローブを位置決めする必要があるものの、位置ズレのおそれがある。
【0004】接触式の欠点を解消するものとして非接触式プローブが提案されている。例えば、特開平9−264919号において。
【0005】非接触式プローブは狭ピッチに対応できるために、狭ピッチ側にこの非接触プローブを用い、広ピッチ側には従来の接触式センサを用いるのである。
【0006】一方、例えば、英国特許2143954Aや特開平8−278342号のように、入力側と出力側の両方に非接触式センサを用いる手法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非接触式センサは、基板からの電磁放射を拾いやすいために、断線していない信号線部分からの放射波を拾ってしまうので、所謂ベアボードを検査する場合のように、プローブを基板に極めて近接させる場合には、この放射波の信号受信のために断線がないとの誤判定を招きやすいということを、出願人は、特願平8−104148号において指摘した。
【0008】そして、出願人は、特願平8−104148号において、この放射波を防止する機能を有するシールドを設けたセンサプローブを提案した。
【0009】しかしながら、この被接触式のシールド付きセンサプローブは、入力側か若しくは出力側にのみ使い得る構造となっているために、入力側と出力側の双方が狭ピッチパターンの場合には効果が半減するという問題があった。
【課題を達成するための手段】そこで、上記従来技術の問題を解決するために提案されたもので、本発明は、検査信号の入力側も検査信号の出力側も非接触のセンサであって上記輻射による誤判定を防止するためのシールド有した基板検査用プローブの構造を提案するものである。
【0010】上記課題を達成するために、請求項1に記載の、基板の第1の主面の上方から近接させてこの基板を非接触で検査するプローブは、検査信号を基板に放射するために基板側に露出した平面状の第1の電極面を有する出力側導電性プローブ部と、前記出力側導電性プローブ部を絶縁的に支持する支持部材と、この支持部材に支持されながら前記出力側導電性プローブ部から離間した位置に設けられた導電性プローブ部であって、前記基板からの放射波を入力するために前記基板側に露出した平面状の第2の電極面を有する入力側導電性プローブ部と、前記出力側導電性プローブ部の前記第1の電極面以外の第1の部分からの前記検査信号の放射を防ぐと共に、前記入力側導電性プローブ部の前記第2の電極面以外の第2の部分への前記基板からの輻射波を防ぐための電磁シールドとを有した検査用プローブであって、前記電磁シールドは、前記第1の電極面と第2の電極面の夫々を前記基板側へ露出するための開口を有し、前記第1の電極面と第2の電極面と同じ平面上の第2の主面を有することを特徴とする。
【0011】前記電磁シールドは、第1の電極面と第2の電極面に共通であることにより、複雑な構造を取ることなく、2つの電極の所望領域以外からの輻射波のシールドが確実になされ、故に、信号入力側と受信側とでの非接触検査を可能にする。
【0012】非接触方式の大きな利点は、複数のパターン線が検査対象であっても、電極をこれら複数のパターン線に共通化できることである。而して、本発明の好適な一態様である請求項2に拠れば、前記入力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に共通である。この場合は、出力側は個別化していることが分解能を挙げる意味からも好ましい。而して、本発明の好適な一態様である請求項4に拠れば、前記出力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に個別化されていることを特徴とする。
【0013】また、本発明の好適な一態様である請求項4に拠れば、前記出力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に共通である。出力側を共通化した場合は、請求項5のように、入力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に個別化されていることを特徴とする。
【0014】また、本発明の好適な一態様である請求項6のように、前記入力側導電性プローブ部と前記出力側導電性プローブ部は検査対象のパターン線に共通化されていてもよい。
【0015】上記課題は、請求項7のように、互いに離間した第1の電極と第2の電極とを有するプローブを近接させてこの基板を非接触で検査する基板検査方法であって、前記第1の電極と第2の電極とが前記基板の配線パターンに接触しない範囲前記プローブを前記基板に近接させ、前記第1の電極に検査用電気信号を印加することにより、前記第1の電極の電極面から前記基板の前記配線パターンに向けて輻射波を放射し、前記第2の電極の電極面で、前記基板の前記配線パターンからの輻射波を受信し、前記第2の電極で受信した輻射波信号に基づいて、前記配線パターンの良否を判定することを特徴とする基板検査方法によっても達成される。
【0016】また、プローブは、前記第1の電極が互いに離間した複数の電極素子群を有するものを用いることができる。かかる場合には、本発明の好適な一態様である請求項8のように、更に、前記第1の電極の前記複数の電極素子群の1つを選択し、選択した1つの電極素子に前記検査用電気信号を印加するようにする。尚、この場合には、本発明の好適な一態様である請求項9のように、選択しなかった電極素子はアースされることを特徴とする。
【0017】また、プローブは、前記第2の電極が互いに離間した複数の電極素子群を有するものを用いることができる。かかる場合には、本発明の好適な一態様である請求項10のように、更に、前記第2の電極の前記複数の電極素子群の1つを選択し、選択した1つの電極素子で配線パターンからの輻射波を受けるようにする。また、この場合には、本発明の好適な一態様である請求項11のように、選択しなかった電極素子をアースする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら本発明を適用した基板用プローブおよびそのプローブを用いた基板検査システムを説明する。
【0019】尚、以下に説明する実施形態のセンサプローブは、説明の便宜上、5本のパターン千が付設された基板の検査を対象とするものである。5本としたのは説明の便宜上で図面を複雑化しない目的であって、容易に分かるように、対象とする基板の本数は本発明に関しては制限はない。
【0020】〈プローブ〉第1図に、実施形態に係るプローブ100の構成を上方斜めから見た斜視図示す。
【0021】図中、100はプローブ本体で、11-1〜11-5は検査信号入力用の端子であって、12は同じく出力検査信号の端子である。端子11-1〜11-5および12は導電性金属で形成される。14は上側電磁シールド、13は下側電磁シールドである。端子11-1〜11-5および12をシールド14から分離するために、端子11-1〜11-5および12の周りは、絶縁材(例えばポリイミド)10rで埋められている。
【0022】第2図に上側電磁シールド14と下側電磁シールド13の構成を示す。即ち、上側電磁シールド14と下側電磁シールド13は、シールド機能(特に電界シールド機能)を発揮する金属材料で形成される。また、特に、下側電磁シールド13は端子11-1〜11-5に対応する位置に、矩形の開口部13a-1〜13a-5と、端子12に対応する位置に、長尺の矩形形状の開口部13bを有する。更に、上側電磁シールド14には、端子11-1〜11-5に対応する位置に、矩形の開口部14a-1〜134-5と、端子12に対応する位置に、円形形状の開口部14bを有する。
【0023】第2図に於いては、接合前のシールド13,14を示す。プローブを形成するために、これらシールドを接合する場合には、上記端子と装着し、間に絶縁材10で埋める。尚、端子はシールドから絶縁されるように、電極11Eの底面11cの大きさは絶縁材13に設けられた開口13aよりも小さく、電極11Eの端子11aの大きさは絶縁材14に設けられた開口14aよりも小さく、電極12Eの底面の大きさは絶縁材13に設けられた開口13bよりも小さく、電極12Eの端子12aの大きさは絶縁材13に設けられた開口14bよりも小さ。このために、第1図及び第6図に示すように、各端子の周りには絶縁材10の材料で構成されるリング10rが形成される。
【0024】第3図に電極11Eの構成を、第4図に電極12Eの構成を示す。電極11E,電極12Eはともに導電性金属(例えば銅)で構成される。
【0025】電極11Eは、第1図の入力端子(11-1〜11-5)のそれぞれを一部とする電極で、個々の端子(11-1〜11-5)から電極11Eが下方に伸びている。即ち、個々の電極11Eは、端子面11aと、柱部11bと、電極面11cとを有する。電極面11cはここから検査信号を放射するので、出力側電極面を構成する。本実施形態では、電極面11cの形状は略正方形で、端子面の形状は略円柱であるが、これらの形状は全くの便宜的なものであり、これらに限定される理由はない。従って、電極面も端子面も共に円形または矩形であってもよい。
【0026】第4図において、出力側電極12Eは、略円柱形状の端子面12aと、長尺の直方体12bとから構成される。直方体12bの長尺方向の長さは、少なくとも、検査対象の基板の複数のパターン線を覆う長さを有する。
【0027】第5図に、検査対象の基板200の例を示す。この基板200は、一例として5本のパターン線(200-1〜200-5)が敷設されている。第5図に示すように、電極12Eの直方体12bはパターン線(200-1〜200-5)を覆う長さに設定されている。一方、5つの電極11E-1, …,11E-5は、互いに離間して、5本のパターン線(200-1〜200-5)の各々を覆うように配置される。
【0028】第6図は、第1図のX−X方向でプローブ100を切断したときの断面図を示す。第6図から明らかなように、入力用の電極11Eは放射電極面11bを除いて、そして、出力用電極12Eは放射は受信電極面12bを除いて、基板側はシールド13により実質的に覆われている。従って、入力電極11Eの、電極面11b以外の部分からは、放射波は基板側に向けて放射されない。また、出力電極12Eの、電極面12b以外の部分は基板からの輻射波を受信しない。
【0029】かくして、本実施形態のプローブは、電極面のみから電磁波を放射し、電極面のみで輻射波を受信する。このために、断線の判定に誤りはなくなる。
【0030】〈検査システム〉第7図,第8図は、前述のプローブを用いた検査システムである。
【0031】同図において、シールド300は検査対象の基板の下におかれる。
【0032】入力用の電極12E(給電側センサ)に印加される信号は、1KHzで50V程度のパルスもしくは交流成分を含む信号(正弦波等の交流信号)が印加される。
【0033】第8図において、受信した信号は増幅されてフィルタにかけられてA/D変換される。そして、PC(パソコン)により、信号中のピーク値が検出されて、断線の判定がなされる。
【0034】第8図において、PCは、スイッチボードを制御して、特定のパターン線のみに検査信号が入力されるように制御する。
【0035】スイッチボードを備えることにより、第6図のプローブと第8図の検査システムには種々の変形が存在し得る。
【0036】即ち、第6図のプローブは、入力側では、ここのパターン線について夫々の電極11E,11E…が用意され、出力側ではパターン線に共通の電極12Eが用いられていた。本発明のプローブは非接触を本質とするから、ここのパターン線に検査信号を流すためのスイッチを個別化すれば、プローブ中の電極の数は任意である。
【0037】例えば、第9図に示すように、入力側と出力側とで、電極11Eと12Eとを全て個別化することも可能である。この場合には、検査対象のパターン線に対応する1組の入電曲11Eと出力電極12Eとが選択されるように、即ちボードを制御する。
【0038】また、第10図の例では、第8図の例と逆に、入力側を共通化し、出力側を個別化している。
【0039】更に、入力側と出力側とを個別化することも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の検査プローブによれば、入力側も出力側も非接触とし、更に、全ての電極を電磁シールドで実質的に覆うことにより、精度の高い検査信号を放射し、或いは受信することができる。
【0041】また、信号の入力側も受信側も非接触で検査を行うことができるので、検査の自由度が向上する。
【出願人】 【識別番号】594157142
【氏名又は名称】オー・エイチ・ティー株式会社
【出願日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【代理人】 【識別番号】100101306
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 幸雄
【公開番号】 特開2001−194405(P2001−194405A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−1563(P2000−1563)