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【発明の名称】 表面電位センサ及び電子写真現像装置
【発明者】 【氏名】浦野 高志

【氏名】山本 隆

【要約】 【課題】機械的な衝撃が加わっても、出力特性の変動が生じにくく、ばらつきが少ない、特性の安定した表面電位センサを提供する。

【解決手段】検知電極1は金属材料で構成され、被測定電位面に対向して配置される。振動部材2は、チョッピング部24が検知電極1と被測定電位面との間に位置するように、固定部22により振動部材支持部91に取り付けられ、圧電振動子25の周期的振動によってアーム21を振動させて、チョッピング部24で検知電極1と被測定電位面との間の静電結合を周期的に変化させる。基板3は、無機材料で構成され、表面に導体パターンを有し、金属間結合により、検知電極1を導体パターンに電気的、機械的に接合し、基体9の基板支持部94に取り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体と、振動部材と、検知電極取り付け基板と、検知電極とを含む表面電位センサであって、前記基体は、振動部材支持部と、検知電極取り付け基板支持部とを含み、前記振動部材は、少なくとも一本のアームと、圧電振動子とを含み、前記アームは、弾性金属体で構成され、固定部とチョッピング部とを含み、前記固定部により前記振動部材支持部に取り付けられており、前記圧電振動子は、前記アームに取り付けられており、前記検知電極取り付け基板は、無機材料で構成され、表面に導体パターンを有し、前記基体の前記検知電極取り付け基板支持部に取り付けられており、前記検知電極は、金属材料で構成され、前記チョッピング部に対応する位置において、金属間結合により、前記導体パターンに電気的、機械的に接合されている表面電位センサ。
【請求項2】 請求項1に記載された表面電位センサであって、前記基体は、亜鉛成型体で構成され、前記検知電極取り付け基板は、アルミナで構成されている表面電位センサ。
【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された表面電位センサであって、前記金属間結合は、はんだ接合で構成される表面電位センサ。
【請求項4】 請求項1ないし3の何れかに記載された表面電位センサであって、前記検知電極取り付け基板は、少なくとも前記検知電極取り付け部周辺にガラスコーティング層が形成されている表面電位センサ。
【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載された表面電位センサであって、更に、シールドカバーを含み、前記シールドカバーは金属で構成され、前記基体に支持され、前記検知電極と、前記振動部材と、前記検知電極取り付け基板とを覆い、前記検知電極と前記チョッピング部とを介して前記検知電極取り付け基板と対向する位置に検知窓を備え、前記検知窓と検知電極取り付け基板との対向領域内は非有機物が介在する表面電位センサ。
【請求項6】 請求項1ないし5の何れかに記載された表面電位センサであって、電子写真現像装置の感光ドラム表面の電位を検出する表面電位センサ。
【請求項7】 表面電位センサを含む電子写真現像装置であって、前記表面電位センサは、請求項6に記載されたものでなる電子写真現像装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面電位センサ及びこの表面電位センサを組み込んだ電子写真現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真現像装置は複写機やプリンタ等の現像装置として、従来より実用に供せられているが、昨今のカラー化の進展に伴い、事務機分野のみならず、家庭用としても急速に普及しつつある。
【0003】電子写真現像装置は静電現象を利用した現像装置であって、感光体上に帯電潜像を形成してトナーを付着させ、このトナーを紙その他の媒体に転写して可視像を得る現像方式である。高品位な可視像を得るためには、感光体の表面電位を高精度で制御することが重要であり、このため、感光体の表面電位を非接触で検知することが必要となる。このことは、電子写真現像装置のカラー化に伴い、益々重要な課題となっている。更に、カラー現像装置では、分解した色毎に感光体の表面電位を検知することが必要である。このため、高速現像を要求される装置には、各色毎の感光体ドラムに対応して、マゼンタ、イエロー、シアン及びブラック用の少なくとも4個のセンサが必要で、しかも相互間に特性ばらつきの少ないセンサが求められている。
【0004】感光体の表面電位を非接触で検知する方法として、被測定電位面に対向して検知電極を配置し、被測定電位面と検知電極との対向面積、あるいは被測定電位面と検知電極との間の距離を周期的に変化させて、検知電極に誘導される電荷の周期的な変動を交流信号に変換して出力する表面電位センサが知られている。
【0005】実開平7−18278号公報に開示された表面電位センサはこのような表面電位センサであって、被測定電位面と検知電極との対向面積、あるいは被測定電位面と検知電極との間の距離を周期的に変化させるために振動部材を用いる。振動部材は恒弾性金属板を用い、二本のアームを備えた音叉型に形成され、二本のアームの基部寄りに圧電振動子を取り付け振動させる。
【0006】このうち、対向面積を可変する方式では、検知電極が取り付けられた基板と、振動部材とを基体で支持する。振動部材は振動端となる二本のアームの先端にチョッピング部を設け、このチョッピング部を被測定電位面と検知電極との間に配置し、チョッピング部を被測定電位面と水平方向に振動させる。検知電極は被測定電位面との対向面積が周期的に変化するため、周期的に変化する誘導電荷を発生する。一般的にアームの振動周波数は700Hz、振幅はアームの先端で数10μmから100μm程度である。
【0007】このような従来の表面電位センサは、コスト及び、製造の容易さから、ガラスエポキシ等の樹脂を主体とした基材に導体パターンを形成したプリント基板を用い、検知電極を導電性接着材で前記導体パターンに接着し、電気的、機械的に接続していた。また、その接続部の周辺には、検知電極取り付け工程での位置決めを容易にするとともに、基板の耐湿性を向上させ、長期間にわたり特性の安定化を図るために、シリコーン樹脂やエポキシ等の樹脂コーティング層を施していた。
【0008】このような、樹脂を多用した従来の表面電位センサは、機械的な衝撃を受けると、出力特性が容易に変動してしまうという欠点を有していた。例えば、表面電位センサを数10cmの高さから落下させたり、物にぶつけたりするだけで、出力特性が変動してしまう。この種の表面電位センサは、複写機やプリンタに多く用いられることから、その製造工程のみならず、保守、点検作業においても、取り扱いに細心の注意が必要であり、電子写真現像装置の性能や、信頼性に影響を与えることから、機械的な衝撃による出力特性変動の防止策が望まれていた。
【0009】しかしながら、機械的な衝撃による出力特性の変動は、数時間ないし数日間放置すると、復帰するものが多々あり、その原因究明が極めて困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、機械的な衝撃が加わっても、出力特性の変動が生じにくく、ばらつきが少ない、特性の安定した表面電位センサを提供することである。
【0011】本発明のもう一つの課題は、取り扱いが容易な表面電位センサを提供することである。
【0012】本発明の更にもう一つの課題は、取り扱いが容易で、信頼性の高い電子写真現像装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明に係る表面電位センサは、基体と、振動部材と、検知電極取り付け基板と、検知電極とを含む。
【0014】前記基体は、振動部材支持部と、検知電極取り付け基板支持部とを含む。前記振動部材は、少なくとも一本のアームと、圧電振動子とを含む。前記アームは、弾性金属体で構成され、固定部とチョッピング部とを含み、前記固定部により前記振動部材支持部に取り付けられている。前記圧電振動子は、前記アームに取り付けられている。
【0015】前記検知電極取り付け基板は、無機材料で構成され、表面に導体パターンを有し、前記基体の前記検知電極取り付け基板支持部に取り付けられている。
【0016】前記検知電極は、金属材料で構成され、前記チョッピング部に対応する位置において、金属間結合により、前記導体パターンに電気的、機械的に接合されている。
【0017】上述した本発明に係る表面電位センサにおいて、圧電振動子の振動により、振動部材のアームが振動して振動端に設けられたチョッピング部を被測定電位面と水平方向に振動させる。
【0018】チョッピング部は被測定電位面と検知電極との間の電気力線をチョッピングするとともに、被測定電位面と検知電極との対向面積を周期的に変化させる。このため、被測定電位面と検知電極との間の静電結合が周期的に変化し、検知電極は被測定電位面の電位に比例した静電誘導を交番的に発生させる。
【0019】上述した構成は、従来より知られている表面電位センサでも採用されていた構成である。本発明の特徴は、検知電極取り付け基板が無機材料で構成され、表面に導体パターンを有しており、検知電極が、金属間結合により、導体パターンに電気的、機械的に接合されていることにある。
【0020】樹脂を多用した従来の表面電位センサは、機械的な衝撃を受けると、出力特性が容易に変動してしまうという問題点があったことは、既に述べた通りである。本発明者等は、その原因究明に取り組み、機械的な衝撃による出力特性の変動の原因は、衝撃による摩擦帯電にあると推定するに至った。即ち、表面電位センサに機械的な衝撃が加わると、特に、検知電極取付け基板と検知電極との接合部に微少な変位が生じる。
【0021】樹脂を多用した従来の表面電位センサでは、検知電極取付け基板と検知電極との接合部において、この変位による摩擦や周辺の空気との摩擦により、帯電電荷が蓄積される。この帯電電荷は検知電極に検知され、検知信号に重畳するため、センサ出力を変動させると推定される。表面電位センサに上述した帯電電荷を生じた場合、例えば、被測定電位面の電位が0ボルトのとき、検知電極の測定電位が0ボルトであっても、検知電極の周辺がマイナスに帯電していると、表面電位センサには、あたかも、測定電位面がプラスであるかのような出力を生じる。
【0022】本発明では、検知電極取付け基板を無機材料で構成するとともに、電検知電極を、金属間結合により、検知電極取付け基板の導体パターンに電気的、機械的に接合したので、表面電位センサが機械的な衝撃を受けても、摩擦による帯電電荷が生じにくい。このため、出力特性の変動が生じにくくなると共に、ばらつきが少なくなり、特性が安定する。また、製造工程及びその後の運搬や保守点検時においても、取り扱いが容易である。
【0023】本発明の表面電位センサは、検知電極取り付け基板の材料としてアルミナを用い、はんだ付により検知電極を接合できる。アルミナやはんだ付けは電子部品の製造に通常用いる材料、工法であり、材料の入手性、組立ての容易性の面で工業上有益である。
【0024】検知電極取り付け基板の検知電極取り付け部周辺にはガラスコーティング層を形成することができる。このようにすれば、検知電極の取り付け工程での位置決めが容易であり、また、検知電極取り付け基板の耐湿性が向上し、信頼性が向上する。
【0025】本発明の表面電位センサは、検知窓を有するシールドカバーでシールドすることができる。シールドカバーの検知窓と検知電極取り付け基板との対向領域内に非有機物を介在させる(有機物を介在させない)ように構成すれば、出力特性の変動を更に低減することができる。
【0026】本発明は、更に、上述の表面電位センサを用いた電子写真現像装置についても開示する。
【0027】本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照して、更に詳しく説明する。図面は単なる例示に過ぎない。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明の表面電位センサの一実施例を示す分解斜視図である。図2は図1に示した本発明の表面電位センサの断面図である。図3は図1に示した本発明の表面電位センサに用いる検知電極とその取り付け基板の斜視図である。 図4は図3の4ー4線に沿った拡大断面図である。図5は図1に示した本発明の表面電位センサの底板部を除いた部分底面図である。
【0029】図示された表面電位センサは、検知電極1と、振動部材2と、検知電極取り付け基板3と、中継基板4と、配線61、62、63と、シールドカバー7と、底板8と、基体9とを含む。
【0030】検知電極1は、方形の平面状電極面と、三本の足を含み、金属板材を打ち抜いて、足となる部分を直角に折り曲げて構成され、後述する検知電極取り付け基板3に取り付けられる。平面状電極面が電位測定面となる。検知電極1の足は本数を問わず、基板3に安定して取り付けられれば良く、また、足を用いず、検知電極取り付け基板3に直接取り付ける構成であってもよい。
【0031】振動部材2は、二本のアーム21と、固定部22と、チョッピング部24とを含み、恒弾性金属板材を打ち抜き、折り曲げて音叉型に構成され、更に、圧電振動子25を含んでいる。
【0032】二本のアーム21は、それぞれ基部側が固定部22と連続し、先端側が振動端とされ、振動端にチョッピング部24が形成されている。固定部22は二個の取り付け孔23を有する。圧電振動子25はその振動方向をアーム21の振動方向と合わせ、二本のアーム21のそれぞれ基部寄りに導電性接着材で貼着されている。
【0033】振動部材2は、必ずしも音叉型に構成する必要はなく、一本のアーム21と、アーム21に連続した固定部22と、チョッピング部24と、アーム21の固定部22寄りに貼着された圧電振動子25とを含み、チョッピング部24の振動により、検知電極と被測定電位面との対向面積が周期的に変化するよう構成してもよい。
【0034】検知電極取り付け基板3は無機材料で構成される。中継基板4は特に材質を問わず、無機材料あるいは有機材料を主体とするものであってもよい。本実施例では検知電極取り付け基板3及び中継基板4の両者ともアルミナで構成されている。検知電極取り付け基板3は、一方の面に、検知電極1を電気的、機械的に接続する導体パターン31を備え、更に、図3に示す如く、検知電極1の足と導体パターン31との接合部36を除くその周辺にガラスコーティング層35が形成されている。
【0035】検知電極1は、その足を利用して、上述の如く構成された検知電極取り付け基板3の導体パターン31に、金属間結合37により、電気的、機械的に接合される。接合手段は、金や、はんだ等の金属ボールやバンプ等を用いた超音波接合やダイボンディング、クリームはんだやその他のはんだを用いたはんだ付け等、最終的に有機物が介在しない金属間結合による接合手段であれば手段を問わない。本実施例では、後述するインピーダンス変換回路を構成する部品と同一工程で接合できるよう、はんだ付けにより接合される。
【0036】検知電極取り付け基板3は他方の面に、インピーダンス変換回路5を構成する回路部品51が取り付けられる導体パターンや印刷抵抗パターン、信号出力用導体ランド32(図5参照)、グランドパターン33等を備え、更に、両面の導体パターンを接続する貫通導体を備えている。これらの導体パターンは、例えば銀やパラジウムを主成分とする導体ペーストを基板とともに焼成するか、焼き付けることにより形成される。
【0037】インピーダンス変換回路は電界効果トランジスタや抵抗等の回路部品51、印刷抵抗パターン等で構成され、検知電極取り付け基板3の他方の面の導体パターンに取り付けられ、貫通導体を介して、検知電極取り付け基板3の一方の面の導体パターン31と接続されている。中継基板4は、圧電振動子駆動用配線61と外部接続用駆動配線62の接続を中継する基板であって、両配線を接続する導体パターン41を備えている。
【0038】配線は、圧電振動子駆動用配線61と、外部接続用駆動配線62と、信号用配線63とを含む。圧電振動子駆動用配線61は圧電振動子25に駆動電力を供給する配線であって、振動部材2の振動に対する負荷とならないように例えば10μmφ程度の極めて細いウレタン被覆線が用いられる。外部接続用駆動配線62は中継基板4を介して圧電振動子駆動用配線61と接続されるため、振動部材2の振動に対する負荷とならないので、例えば1mmφ程度の比較的太い樹脂被覆線が用いられる。信号用配線63はセンサ出力信号をセンサ外部に取り出すために設けられ、微弱なセンサ出力信号を外部ノイズから保護するため、本実施例ではシールド線が用いられる。
【0039】シールドカバー7はセンサ内部を保護し、外部ノイズを遮断する機能を備え、測定個所を特定するための検知窓71と、基体9に固定するための取り付け片72を備え、金属板材を打ち抜き、断面コ字状に折り曲げて形成される。
【0040】底板8は同様に、センサ内部を保護し、外部ノイズを遮断する機能を備え、金属板材を打ち抜き形成される。
【0041】基体9は、検知電極取り付け基板支持部91と、振動部材支持部92と、中継基板支持部93と、シールドカバー支持部96と、配線挿通孔95とを含む。基体9は、振動部材を安定して動作させ、かつ、複雑な立体構造を可能とするため、例えば亜鉛合金のダイキャストで形成される。
【0042】検知電極取り付け基板支持部91は、センサ長手方向において、振動部材支持部92の一方側に連続して形成された方形の枠体911と、枠体911の内側に形成された段差部912とで構成され、図において、段差部912の上面で検知電極取り付け基板3を支持し、段差部912の下方に形成される空間を回路部品51および信号用配線63等の収容部913としている。
【0043】中継基板支持部93は、センサ長手方向において、振動部材支持部92の他方側に連続して形成された方形の枠体931と、図において、枠体931の内側の上下方向中間に形成された仕切932とで構成され、仕切932の上面で中継基板4を支持し、仕切932の下部に形成される空間を信号用配線63の収容部933としている(図5参照)。収容部933は仕切932の下部から突出した信号配線分離体934を備えている。収容部933は収容部913と連続して形成される。
【0044】振動部材支持部92は、検知電極取り付け基板支持部91および中継基板支持部93より上方に突出した台状に形成され、上面に形成された平面でなる振動部材受け部921と、平面から突出した二個の振動部材固定用突起922とを含む。
【0045】駆動用配線支持部94は、振動部材支持部92のセンサ長手方向側面に形成された段差部941で構成される。段差部941は、振動部材支持部92側面の圧電振動子側の端面を駆動用配線支持部始端942としてセンサ長手方向に沿って形成される。駆動用配線支持部始端942は振動部材2が振動部材支持部92に取り付けられたとき、その振動方向において、振動部材2より外側に位置している。
【0046】配線挿通孔95は、センサ長手方向の中継基板支持部93側の端面に外部接続用駆動配線62と信号用配線63に対し、それぞれ独立して設けられている。センサ長手方向の検知電極取付け基板支持部91側の端面914は枠体911の一部が大きく立ち上がって、シールドカバー7が取り付けられたときセンサ端面を閉塞するよう構成されている。
【0047】シールドカバー支持部96は基体9の長手方向の側面下部が膨出して形成された段部で構成され、膨出部が一部切欠かれ、取り付け片挿通溝961が形成されている。
【0048】このように構成された基体9には、検知電極1と、回路部品51が取り付けられた検知電極取り付け基板3と、中継基板4と、振動部材2と、配線61、62、63と、シールドカバー7と、底板8とが取り付けられる。
【0049】検知電極1と回路部品51が取り付けられた検知電極取り付け基板3は、回路部品51が収容部913に収容されるように、検知電極1を上側にして段差部912に載置され、接着材で段差部912に接着され基体9に固定される。
【0050】中継基板4は導体パターン41を上側にして仕切932上に載置され、接着材で基体9に固定される。
【0051】振動部材2はチョッピング部24が検知電極1の電極面(電位測定面)と対向するようにその固定部22を振動部材受け部921に配置し、固定部22に設けられた取り付け孔23に突起922をはめ込み、突起922をかしめることにより取り付けられる。振動部材2の取り付けは、かしめ以外にねじ止めや接着により行ってもよいが、かしめによれば、ねじや接着材等の補助部材が不要であり、また、作業性も良く、更に、経時的なねじのゆるみや、接着材の劣化に起因するセンサ特性の変動を防止できる。
【0052】圧電振動子駆動用配線61は、一端が圧電振動子に接続され、中間部が振動部材支持部92側面に設けられた配線支持部94に沿って引き回され、他端が中継基板4に形成された導体パターン41の一端にはんだ付けされる。圧電振動子駆動用配線61の一端と配線支持部始端942との間の配線は、圧電振動子駆動用配線61の一端と配線支持部始端942とを結ぶ直線に略沿い、かつ、振動部材2が振動したときテンションが加わらないように配線される。
【0053】外部接続用駆動配線62は、一端が中継基板4に形成された導体パターン41の他端にはんだ付けされ、基体9に設けられた配線挿通孔95を介して外部に導出される。
【0054】信号用配線63は、基体9に設けられた配線挿通孔95を介してセンサ外部から基体9の下部に設けられた収容部913、933(図5参照)に導かれ、収容部933において芯線部631とシールド被覆線部632とが分離され、信号線分離体934の一方の側に芯線部631が配置され、他方の側にシールド被覆線部632が配置される。芯線部631の先端は被覆が剥がされ、検知電極取り付け基板3の部品取り付け面側に形成された信号用導体ランド32にはんだ付けされる。シールド被覆線部632はその先端が検知電極取付け基板3の他方の面に形成されたグランドパターン33にはんだ付けされる。
【0055】上述の配線において、圧電振動子駆動用配線61は、その中間部が振動部材支持部92の側面に設けられた配線支持部94に沿って引き回され、弾性接着材65により、駆動用配線支持部94に弾性をもって保持される。
【0056】このため、本実施例の表面電位センサは圧電振動子駆動用配線61の引き回しにあたって、引き回し位置が特定されるので、作業性が良く、特性のばらつきを少なくする事ができる。また、圧電振動子駆動用配線61は極めて細い絶縁被覆線が用いられ、振動部材支持部92の側面に形成された配線支持部94に弾性をもって保持されるため、振動部材2の振動に対する負荷とならず、振動部材2の振動により、圧電振動子駆動用配線61と振動部材2あるいはシールドカバー7や基体9等のその他の金属部分と擦れ合い、絶縁被覆が削り取られ短絡状態に至ったり、断線する事が無い。更に、シールドカバー7を組み付ける際にも配線を噛んでしまったり、傷つけることが無い。
【0057】本実施例では、駆動用配線支持部始端942は振動部材2が振動部材支持部92に取り付けられたとき、その振動方向において、振動部材2より外側に位置している。圧電振動子駆動用配線61の一端と配線支持部始端942との間の配線は、圧電振動子駆動用配線61の一端と配線支持部始端942とを結ぶ直線に略沿い、かつ、振動部材2が振動したときテンションが加わらないように配線される。この構成は、上述の振動部材2の振動に起因するショートや断線の発生を更に確実に防止する。
【0058】また更に、配線支持部始端942に振動部材方向に傾斜するテーパー部や面取り部を形成すれば、配線支持部始端942における配線の周囲が確実に弾性接着材65で囲まれ、この部分での断線発生の防止効果を高めることが出来る。
【0059】駆動用配線支持部94は段差部941で構成する以外に、例えば、断面U字状ないしV字状等の溝で構成することもできる。弾性接着材65はこの溝を埋めるように注入される。
【0060】このように、駆動用配線支持部94を溝状に形成すれば、配線の引き回し位置及び弾性接着材の注入位置がより正確に特定できる。このため、弾性接着材65の使用量が少量となり、有機樹脂を主体とする弾性接着材65が検知電極取り付け基板3上に広がったり、検知電極周辺に付着するのを防止できる。弾性接着材65の種類は特に限定されないが、シリコーン系の絶縁性接着材が通常用いられる。
【0061】また更に、本実施例では圧電振動子駆動用配線61の他端および外部接続用駆動配線62の一端も同様の弾性接着材65により、中継基板4の上面に弾性をもって保持される。このように、外部接続用駆動配線62を中継基板4に接着すれば、電子写真現像装置へのセンサ取り付け作業時や、その他のセンサ取り扱い中に外部接続用駆動配線62に加わるテンションによる断線事故を低減できる。
【0062】信号用配線63はそのシールド被覆線部632が弾性導電性接着材66により、基体9に弾性をもって固定されるとともに、電気的に接続される。また、シールド被覆線部632がはんだ付けされたグランドパターン33も、同様に弾性導電性接着材66により基体9に弾性をもって固定されるとともに、電気的に接続される。このため、シールド被覆線部632と、グランドパターン33と、基体9とが同電位とされる。
【0063】弾性導電性接着材は接着材中に銀等の良導電性フィラーが混入され、粘度が20K〜25K(CPS)程度に調整されたもので、種類は特に限定されないが、例えば、米国エポキシ・テクノロジー社製のエポテック(商標)がフレキシブル性、硬化時の残留応力吸収特性の面で適している。
【0064】上述の構成は、本発明の表面電位センサの基板材料として、アルミナを用いることを可能にした手段の一つであり、表面電位センサの温度変化に対する長期間の信頼性を高める。すなわち、本実施例において、検知電極取り付け基板3はアルミナで形成され、基体9は亜鉛合金のダイキャストで形成される。アルミナの線膨張係数は5×10-6/℃程度、ダイキャストに用いられる亜鉛合金のそれは3×10-5/℃程度であり、両者間には6倍程度の相違がある。検知電極取り付け基板3及び基体9は周囲の温度変動に応じて収縮、膨張を繰り返すが、弾性導電性接着材66は線膨張係数の相違を吸収し、長期間にわたって検知電極取り付け基板3のグランドパターン33と、シールド被覆線部632と、基体9との電気的接続を維持する。
【0065】検知電極1、検知電極取り付け基板3、中継基板4、振動部材2および配線61、62、63とが取り付けられた基体9は、その上面側からシールドカバー7がかぶせられ、シールドカバー7の検知窓71と検知電極1とが対向するように、シールドカバー7の縁辺73をシールドカバー支持部96で支持し、下面側からは、収容部913、933を閉塞するように底板8があてがわれる。
【0066】基体9とシールドカバー7と底板8とは、シールドカバー7の縁辺73から下方に突出した取り付け片72を取り付け片挿通溝961に挿通して底板面で折り曲げることにより一体化される。これにより、基体9とシールドカバー7と底板8とは、検知電極取り付け基板3のグランドパターン33及びシールド被覆線部632とを含み、電気的に同電位に接続される。
【0067】このように構成された表面電位センサは、シールドカバー7の検知窓71を被測定電位面に向けて取り付けることにより、検知電極1の電位測定面が振動部材2のチョッピング部24を介して被測定電位面に対向して配置される。
【0068】外部接続用駆動配線62から中継基板4および圧電振動子駆動用配線61を介して駆動電力が供給されると圧電振動子25が振動する。圧電振動子25の振動により、振動部材2の二本のアーム21が振動して振動端に設けられたチョッピング部24を被測定電位面と水平方向に振動させる。
【0069】チョッピング部24は被測定電位面と検知電極1との間の電気力線をチョッピングするとともに、被測定電位面と検知電極1との対向面積を周期的に変化させる。このため、被測定電位面と検知電極1との間の静電結合が周期的に変化し、検知電極1は被測定電位面の電位に比例した静電誘導を交番的に発生させる。インピーダンス変換回路は検知電極1で検知した交流信号をインピーダンス変換して信号用配線63を介して出力する。
【0070】上述の実施例の如く構成された、本発明の表面電位センサは、検知電極取り付け基板が無機材料で構成され、検知電極が無機材料基板の表面に形成された導体パターンに、金属間結合により電気的、機械的に接合する。このため、検知電極周辺に有機物が介在しないので、表面電位センサに機械的な衝撃が加わっても摩擦による帯電が発生しにくい。このような理由により、本発明の表面電位センサは、機械的な衝撃が加わっても出力特性が変動しないと推定される。以下、この点について回路図を参照して説明する。
【0071】図6は本発明の表面電位センサの信号処理回路の一実施例を示す回路図である。本実施例の回路は、インピーダンス変換回路5と、直流カットコンデンサ54と、増幅器53とを含む。
【0072】インピーダンス変換回路5は検知電極取り付け基板の他方の面に構成され、例えば100MΩ程度の高抵抗値の印刷抵抗RGと、検知電極取り付け基板の他方の面に取り付けられた電界効果トランジスタ52と、低抵抗値のチップ抵抗RD、RSとを含む。抵抗RGは、その一端が検知電極取り付け基板の貫通導体を介して検知電極1に接続されるとともに、電界効果トランジスタ52のゲート52Gに接続され、他端が接地される。電界効果トランジスタ52のドレイン52Dは直流カットコンデンサ54を介して増幅器53の入力端に接続されるとともに、抵抗RDを介して直流電圧源VDDに接続される。電界効果トランジスタ52のソース52Sは抵抗RSを介して接地される。A1は感光ドラム等の被測定電位面である。
【0073】検知電極1はチョッピング部24及びシールドカバー7の検知窓71を介して被測定電位面A1と対向して配置される。被測定電位面A1と検知電極1とは空気を媒体とした静電結合C=ε(a/L)を構成する。ここで、εは空気の誘電率、aは被測定電位面A1と検知電極1の電極面との対向面積、Lは被測定電位面A1と検知電極1との距離である。
【0074】被測定電位面A1と、検知電極1の電極面との対向面積aは、チョッピング部24の振動により周期的に変化する。このため、検知電極1には被測定電位面A1の電位に対応し、周期的に変化する誘導電荷Qが発生する。誘導電荷Qは微少変位電流i=dQ/dtを抵抗RGに供給するとともに、抵抗RGにより電圧信号に変換され、電界効果トランジスタ52のゲート52Gに電圧信号として印加される。電界効果トランジスタ52に印加された電圧信号は、ドレイン52Dから直流カットコンデンサ54を介して増幅器53に入力され、増幅された正弦波状のセンサ出力信号に変換される。正弦波の1サイクルはチョッピング部24の振動周期と一致する。
【0075】本発明の表面電位センサは、検知電極の周辺が摩擦帯電しにくいので、表面電位センサに機械的衝撃が加わっても微少変位電流に誤差は生じない。
【0076】このため、本実施例の表面電位センサにおいて、i=dQ/dtで与えられる微少変位電流は、被測定電位面A1の電位が0ボルトのときi=dQ/dt=0となる。
【0077】これに対し、従来の、樹脂を多用した表面電位センサは、機械的衝撃が加わると、摩擦により検知電極周辺の樹脂が帯電し|Q|>0の帯電電荷が生じる。このため、i=dQ/dt≠0となり、微少変位電流が発生して測定誤差を生じる。
【0078】図7はこのような機械的衝撃が加わったときの表面電位センサの出力波形の比較図である。図7は、理想の表面電位センサと、樹脂を多用した従来型の表面電位センサと、本発明の表面電位センサとのそれぞれについて、被測定電位面A1の電位が0Vのときと、−500Vのときのそれぞれの出力波形を示している。
【0079】理想の表面電位センサの出力波形は被測定電位面の電位に比例した電圧Veを出力するが、従来型の表面電位センサでは、被測定電位面の電位が−500Vのとき、検知電極1の周辺がプラスに帯電していると、検知電極と被測定電位面間の電位差が増大し、実線の如く電圧Veを大きく上回り、検知電極1の周辺がマイナスに帯電していると、逆に破線の如く電圧Veを大きく下回り、0V、−500Vのいずれにおいても理想の表面電位センサの出力波形と比較して大きな誤差を有している。
【0080】これに対し、本発明の表面電位センサの出力波形は0V、−500Vのいずれにおいても理想の表面電位センサの出力波形と極めて近似している。
【0081】図8〜図10は従来型の表面電位センサと、本実施例の表面電位センサとの落下衝撃試験の結果を示すグラフである。落下衝撃試験は従来型の表面電位センサ(No.1a〜No.15a)と、本実施例の表面電位センサ(No.1b〜No.15b)とをそれぞれ15個用意して行った。それぞれのセンサについて、被測定電位面の電位が0V、−500V、−900Vにおける出力電圧を落下直前に測定した。測定したセンサはそれぞれ5個づつの組みに分けられ、各組毎に30cm、50cm、70cmの高さから木製の机の上に落下させ、その直後に落下直前の測定と同様の測定を行った。図8は30cmの高さから落下させたときのデータを示している。図8(a)は従来型の表面電位センサのデータ、図8(b)は本発明に係る実施例のデータである。
【0082】図9は50cmの高さから落下させたときのデータを示している。図9(a)は従来型の表面電位センサのデータ、図9(b)は本発明に係る実施例のデータである。
【0083】図10は70cmの高さから落下させたときのデータを示している。図10(a)は従来型の表面電位センサのデータ、図10(b)は本発明に係る実施例のデータである。図8〜図10のいずれにおいても、横軸が被測定電位面の電位を示し、縦軸が落下直前の測定結果と落下直後の測定結果の電圧変化量を示している。
【0084】図から判るように、従来型のセンサNo.1a〜15aは、被測定電位面の電位が0Vのときはいずれも、落下直前と落下直後の測定電位変化量に大きな変化はない。しかし、被測定電位面の電位が−500V、−900Vになると、30cmの高さから落下させたNo.1a〜No.5aの組みでは、測定電位はわずかに変化(図8(a)参照)し、50cmの高さから落下させたNo.6a〜No.10aの組みでは0.2Vの変化量を越えるものが発生(図9(a)参照)し、70cmの高さから落下させたNo.11a〜No.15aの組みでは0.4Vの変化量を越えるものが発生し、個々のセンサ間のばらつきも大きくなっている。
【0085】これに対し、本実施例の表面電位センサNo.1b〜No.15bは、図8(b)、図9(b)及び図10(b)に示す通り、いずれの高さにおいても、測定電位に変化量がほとんど発生せず、かつ、個々のセンサ間でのばらつきも極めて小さく、特性が安定している。
【0086】本発明に係る表面電位センサは電子写真現像装置の感光ドラム表面の電位を検出するセンサとして用いることもできるし、フィルムやその他の媒体の表面の電位を検出するセンサとしても用いることができる。
【0087】図11は本発明の表面電位センサを用いた電子写真現像装置の感光ドラム周辺の概念図である。感光ドラムAの周辺には、帯電器B、表面電位センサC、露光器D、トナータンクE、回転ローラF、及び、可視像が転写される紙等の媒体Gを含む。感光ドラムAは、矢印方向に回転する。表面電位センサCは被測定電位面である感光ドラムAの表面に対向して配置される。帯電器Bは高電圧発生器Hから高電圧が印加され、コロナ放電によって、感光ドラムAの表面を一様に帯電する。露光器Dは写真像に従い感光ドラムAの表面を露光する。感光ドラムAの表面は露光した部分が導電性となり、その露光量に応じて電荷が消失し写真像に対応した帯電潜像が形成される。感光ドラムAはトナータンクEからトナーの供給を受け、帯電潜像にトナーが付着する。
【0088】付着したトナーは、回転ローラFにより、感光ドラムAに接触して移送される紙その他の媒体Gに可視像として転写される。
【0089】上述の転写サイクルで、表面電位センサCは適時感光ドラムAの表面電位を検知し、その出力を信号処理装置Jを介して制御装置Kに送出する。
【0090】カラーの電子写真現像装置の場合、表面電位センサCは少なくとも4個用いられ、それぞれの特性を揃える必要があり、保守、点検作業も頻繁に発生する。本発明の表面電位センサは特性のばらつきを低減でき、保守、点検作業時の取り扱いも容易なため、特にカラーの電子写真現像装置に用いて好適である。
【0091】また、電子写真現像装置は、その稼働時に表面電位センサの周囲温度が50℃から60℃程度迄上昇する。従って、電子写真現像装置の稼働、停止に伴い表面電位センサは温度サイクルが加えられる。本実施例に示した表面電位センサは温度変動に対する信頼性が高い。このため、本実施例の表面電位センサは温度変動が頻繁に発生する複写機やプリンタに用いて好適である。
【0092】以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想及び教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)機械的な衝撃が加わっても、出力特性の変動が生じにくく、ばらつきが少ない、特性の安定した表面電位センサを提供することができる。
(b)取り扱いが容易な表面電位センサを提供することができる。
(c)取り扱いが容易で、信頼性の高い電子写真現像装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成12年1月13日(2000.1.13)
【代理人】 【識別番号】100081606
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 美次郎
【公開番号】 特開2001−194402(P2001−194402A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−5098(P2000−5098)