| 【発明の名称】 |
アンテナ測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】出口 博之
【氏名】千葉 勇
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| 【要約】 |
【課題】開口径が波長に比べて充分大きなアンテナについて、より短い測定距離で遠方の放射パターンを直接測定できるアンテナ測定装置を得ること。
【解決手段】供試アレーアンテナ10の各素子アンテナ1iに移相器2iを備え,上記供試アレーアンテナの近傍に測定用アンテナ5を設け、上記供試アレーアンテナと上記測定用アンテナの相対的位置を変える手段とを備えたアンテナ測定装置であって、上記測定用アンテナ位置に応じて上記移相器の位相を変化させ、遠方放射電界を測定することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 各素子アンテナに移相器を備えた供試アレーアンテナ、上記供試アレーアンテナの近傍に設けた測定用アンテナ、及び上記供試アレーアンテナと上記測定用アンテナの相対的位置を変える手段、を備え、上記測定用アンテナの位置に応じて上記移相器の位相を変化させ、遠方放射電界を測定することを特徴とするアンテナ測定装置。 【請求項2】 各素子アンテナに移相器を備えた供試アレーアンテナ、上記アレーアンテナの近傍に設けた測定用アンテナ、及び上記アレーアンテナと上記測定用アンテナの相対的位置を変える手段、を備え、上記供試アレーアンテナから上記測定用アンテナまでの距離及び上記アレーアンテナの主ビーム方向に応じて上記移相器の位相を設定して、遠方放射電界を測定することを特徴とするアンテナ測定装置。 【請求項3】 供試アレーアンテナと測定用アンテナの相対的位置を変える手段を、測定用アンテナを垂直方向に駆動する1軸スキャナとすることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のアンテナ測定装置。 【請求項4】 供試アレーアンテナと測定用アンテナの相対的位置を変える手段を、測定用アンテナを水平方向に駆動する機構とすることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のアンテナ測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、アンテナの遠方放射パターンを直接測定するアンテナ測定装置に関するものであり、特に、大口径のアレーアンテナの遠方放射パターンを短い観測距離で精度良く行うアンテナ測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の装置として、図7に示すようなものがあった。この図は、T. S. Chu, "A note on simulating Fraunhofar radiation patterns in the Fresnel region," IEEE Trans., Antennas Propagat., pp. 691-692, Sept. 1971 に示されたアンテナ測定装置の概観図である。 【0003】図7において、1は送信機,3は回転台,4は送信機,5は送信機4に接続された測定用アンテナ,6は供試アンテナの主反射鏡,7は供試アンテナの1次放射器,8は1次放射器7の設定位置を変化させる1次放射器駆動機構,9は1次放射器駆動機構8により設定位置を変化させたときの1次放射器である。rは供試アンテナから測定用アンテナ5までの観測距離,Δzは1次放射器7の移動量を示す。 【0004】次に動作について説明する。送信機4からの電波は測定用アンテナ5によって放射され、回転台3によって姿勢制御された供試アンテナで受信され受信機1へと送られる。上記供試アンテナの1次放射器9は本来の1次放射器7の位置とは異なり、遠方においてデフォーカスされた状態で、近傍の観測点で近似的にフォーカスされている。したがって、観測距離rはフラウンホーファ領域ではないものの、測定される放射パターンは、近似的に無限遠方で測定される放射パターンに比較的近くなっている。これによって、測定距離が充分とれない場合でも、遠方の放射パターンが近似的に直接測定される。また、近傍で測定する別の方法として、2次元電界分布を測定し演算処理して遠方の放射パターンが得られる近傍界測定があるが、カット面だけの放射パターンを測定する場合であっても、近傍の2次元電界分布を測定しなければならないので、時間を要した。図7に示した従来装置では、直接遠方の放射パターンが測定できるので、必要とされるカット面の振幅のみの測定でよいので、上記の近傍界測定に比べて測定時間が短く、位相の測定も不要であるという利点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】図7に示した従来装置では、しかしながら測定距離rが短くなるにしたがい、遠方の放射パターンからずれていくという問題があった。誤差の要因としては、主にphase limit とamplitude limitの2つがあげられ、phase limitはデフォーカスでは補正できない残留位相項により誤差が生じることに起因し、amplitude limitは観測点までの距離が、供試アンテナの開口面の位置によって異なること等の振幅成分により誤差が生じることに起因する。開口径が波長に比べて充分大きな場合には、phase limitが支配的になる。よって、図7に示した従来装置では、測定距離rに制限があったので、その制限を越えてより短い距離で遠方の放射パターンを直接測定することができないという問題があった。 【0006】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、開口径が波長に比べて充分大きなアンテナについて、より短い測定距離で、遠方の放射パターンを直接測定できるアンテナ測定装置を得ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に係るアンテナ測定装置は、各素子アンテナに移相器を備えた供試アレーアンテナ、上記供試アレーアンテナの近傍に設けた測定用アンテナ、及び上記供試アレーアンテナと上記測定用アンテナの相対的位置を変える手段、を備え、上記測定用アンテナの位置に応じて上記移相器の位相を変化させ、遠方放射電界を測定することを特徴とする。 【0008】また、請求項2に係るアンテナ測定装置は、各素子アンテナに移相器を備えた供試アレーアンテナ、上記アレーアンテナの近傍に設けた測定用アンテナ、及び上記アレーアンテナと上記測定用アンテナの相対的位置を変える手段、を備え、上記供試アレーアンテナから上記測定用アンテナまでの距離及び上記アレーアンテナの主ビーム方向に応じて上記移相器の位相を設定して、遠方放射電界を測定することを特徴とする。 【0009】また、請求項3に係るアンテナ測定装置は、請求項1もしく請求項2記載のアンテナ測定装置における、供試アレーアンテナと測定用アンテナの相対的位置を変える手段を、測定用アンテナを垂直方向に駆動する1軸スキャナとすることを特徴とする。 【0010】また、請求項4に係るアンテナ測定装置は、請求項1もしく請求項2記載のアンテナ測定装置における、供試アレーアンテナと測定用アンテナの相対的位置を変える手段を、測定用アンテナを水平方向に駆動する機構とすることを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明のアンテナ測定装置の実施の形態1を示す概略構成図である。図において、受信機1,回転台3,送信機4,測定用アンテナ5は、図7に示した従来装置と同様のものであり,同様の動作をする。10は、供試アレーアンテナ,11〜1Nは、供試アレーアンテナ10を構成しているN個の素子アンテナ,21〜2Nは、素子アンテナ11〜1Nに接続されたN個の移相器,30は、移相器21〜2Nに接続された電力分配器,31は、角度信号を送ると同時に,角度毎に移相器13の位相を再設定する移相器制御装置,32は移相器制御装置からの角度信号によって回転台3の姿勢制御を行う回転台制御装置を示す。 【0012】図1および図2に示すように、アレーアンテナの各素子位置は円筒座標系で、観測点位置は、極座標系で定義すると、観測点の座標を極座標系の(r,θ,φ)で表したとき,アンテナの第i素子(図2上で1iと表示する)に接続された移相器の位相の設定値Φiは(r,θ,φ)の関数で与えられ、式(1)のようになる。 【0013】 【数1】
【0014】次に動作について説明する。第i素子の移相器の位相がΦiのときの放射電界E(r,θ,φ)は、以下のように与えられる。 【0015】 【数2】
【0016】ここで、式(4)の放射電界E(r,θ,φ)を変形して次のように表す。 【0017】 【数3】
【0018】ところで、観測点を無限としたときの放射パターンE0(θ,φ)は、第i素子の移相器の初期設定値Φ0,i として次のようになる。 【0019】 【数4】
【0020】いま、上記のAi ’がAiにほぼ等しいとするとき、E(r,θ,φ)は、E0(θ,φ)に近似できるので、有限距離rにおいて無限遠方での放射パターンを直接測定することができる。測定誤差の要因は、Ai ’が Aiにほぼ等しいとするとき、振幅成分の項のみで、残留位相成分による誤差はない。即ち、phase limitはなく、amplitude limitによって測定距離が制限される。amplitude limitは周波数特性を持たない幾何学的な関係であるので、開口径が波長に比べて大きくなるにしたがって、測定距離の短縮の効果は大きくなる。 【0021】以上のように、実施の形態1によれば、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンを直接測定することができる。 【0022】実施の形態2.図3は、この発明のアンテナ測定装置の実施の形態2を示す概略構成図である。図において、受信機1,回転台3,送信機4,測定用アンテナ5は、図7に示した従来装置と同様のものであり、同様の動作をする。11〜1N,21〜2N,30は、図1に示した実施の形態1と同様のものであり、同様の動作をする。33は主ビームの方向(θb,φb)に応じて移相器21〜2Nの位相を再設定する移相器制御装置を示す。 【0023】図3および図4に示すように、アレーアンテナの各素子位置は円筒座標系で、観測点位置は極座標系で定義すると、第i素子に接続された移相器の位相の設定値Φi’は(r,θb,φb)の関数で与えられ、次のようになる。 【0024】 【数5】
【0025】次に動作について説明する。第i素子の移相器の位相がΦiのときの放射電界E(r,θ,φ)は、以下のように与えられる。 【0026】 【数6】
【0027】ここで、式(14)の放射電界E(r,θ,φ)を変形して次のように表す。 【0028】 【数7】
【0029】但し、測定誤差の要因は、Ai ’が Aiにほぼ等しいとするとき、振幅成項と、残留位相成分ΔΦiによる誤差からなる。さらに、ΔΦiを(r,θb,φb)について展開し、低次の項だけで近似すると、式(22)となり、主ビーム方向から近軸についてはΔΦiは無視できるほど小さくなる。 【0030】 【数8】
【0031】よって、 遠方の近軸放射パターンについては、phase limitの影響は無視でき、 amplitude limitによって測定距離が制限される。amplitude limitは周波数特性を持たない幾何学的な関係であるので、開口径が波長に比べて大きくなるにしたがって、測定距離の短縮の効果は大きくなる。 【0032】以上のように、実施の形態2によれば、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンが直接測定することができる。 【0033】実施の形態3.図5は、この発明のアンテナ測定装置の実施の形態3を示す概略構成図である。図において、受信機1, 送信機4,測定用アンテナ5は、図7に示した従来装置と同様のものであり、同様の動作をする。10,11〜1N,21〜2N,30は図1に示した実施の形態1と同様のものであり、同様の動作をする。41は測定用アンテナ5を垂直方向に走査する1軸スキャナ,43は1軸スキャナ41の駆動を制御するスキャナ制御装置,44はスキャナ制御装置に移動量の信号を送ると同時に、移相器21〜2Nに移動量に応じた位相を設定する位相器制御装置である。 【0034】移相器21〜2Nの位相は、実施の形態1で示したと同様にΦi(r,θ,φ)に設定する。測定誤差の要因は、実施の形態1と同様に、振幅成分の項のみで、残留位相成分による誤差はない。 amplitude limitは周波数特性を持たない幾何学的な関係であるので、開口径が波長に比べて大きくなるにしたがって、測定距離の短縮の効果は大きくなる。 【0035】以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンが直接測定できるとともに、供試アレーアンテナから測定用アンテナまでの距離を短くできるので、1軸スキャナがコンパクトになり、測定設備が簡単になる。 【0036】なお、実施の形態3におけるアンテナ測定装置の制御信号は、以下のように動作する。スキャナ制御装置43からのプローブ位置の信号を、移相器制御装置44が受信する場合は、プローブ位置毎に移相器21〜2Nの位相が制御されるので、実施の形態1と同様に動作し、同様の効果が得られる。また、スキャナ制御装置43からのプローブ位置の信号を移相器制御装置44が受信しない場合は、プローブ位置とは独立に移相器21〜2Nの位相が設定され、固定されるので、実施の形態2と同様に動作し、同様の効果が得られる。 【0037】実施の形態4.図6は、この発明のアンテナ測定装置の実施の形態4を示す概略構成図である。同図において、受信機1, 送信機4,測定用アンテナ5は、図7に示した従来装置と同様のものであり、同様の動作をする。11〜1N,21〜2N,30,33は、図1に示した実施の形態1と同様のものであり、同様の動作をする。45は測定用アンテナ5を水平面上で駆動する測定用アンテナ駆動機構を示す。 【0038】移相器21〜2Nの位相は,図3の実施の形態2に示したΦi’は(r,θb,φb)に設定する。但し、(θb,φb)は主ビームの方向を示す。測定誤差の要因は,実施の形態2と同様に、Ai ’が Aiにほぼ等しいとするとき、振幅成分の項と、残留位相成分ΔΦiによる誤差からなるが、主ビーム方向から近軸についてはΔΦiは無視できるほど小さくなる。よって、 遠方の近軸放射パターンについては、phase limitの影響は無視でき、amplitude limitによって測定距離が制限される。amplitude limitは周波数特性を持たない幾何学的な関係であるので、開口径が波長に比べて大きくなるにしたがって、測定距離の短縮の効果は大きくなる。 【0039】以上のように、実施の形態4によれば、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンが直接測定できるとともに、供試アレーアンテナから測定用アンテナまでの距離を短くできるので、測定用駆動機構の駆動範囲が狭くなり、測定設備が簡単になる。 【0040】なお、実施の形態4におけるアンテナ測定装置の制御信号は、以下のように動作する。測定用アンテナ駆動機構45からのプローブ位置の信号を移相器制御装置33が受信する場合は、プローブ位置毎に移相器21〜2Nの位相が制御されるので、実施の形態1と同様に動作し、同様の効果が得られる。また、測定用アンテナ駆動機構45からのプローブ位置の信号を移相器制御装置33が受信しない場合は,プローブ位置とは独立に移相器21〜2Nの位相が設定され、固定されるので、実施の形態2と同様に動作し、同様の効果が得られる。 【0041】 【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によれば、測定用アンテナの位置に応じてアレーアンテナの各素子アンテナの移相器の位相を変化させ、遠方放射電界を測定することにより、開口径が波長に比べて充分大きなアレーアンテナについて、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンを直接測定できるアンテナ測定装置を得ることができる。 【0042】また、請求項2に係る発明によれば、供試アレーアンテナから上記測定用アンテナまでの距離および上記アレーアンテナの主ビーム方向に応じて上記アレーアンテナの各素子アンテナの移相器の位相を設定して、遠方放射電界を測定することにより、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンを直接測定できるアンテナ測定装置を得ることができる。 【0043】また、請求項3に係る発明によれば、請求項1もしくは請求項2記載の発明の効果に加えて、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンを直接測定できるので、1軸スキャナがコンパクトになり、測定設備が簡単なアンテナ測定装置を得ることができる。 【0044】また、請求項4に係る発明によれば、請求項1もしくは請求項2記載の発明の効果に加えて、より短い測定距離で、大口径アレーアンテナの遠方放射パターンが直接測定できるので、測定用駆動機構の駆動範囲が狭くなり、測定設備が簡単なアンテナ測定装置を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月7日(2000.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082175 【弁理士】 【氏名又は名称】高田 守 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194401(P2001−194401A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−1485(P2000−1485) |
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