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【発明の名称】 導体を流れる電流を測定するための装置
【発明者】 【氏名】ローラン・リーブ

【要約】 【課題】ケーブルのカットやカットされた両端間への抵抗部材の挿入といったようなことが不要な測定装置の提供。

【解決手段】導体を流れる電流を測定するための装置であって、導体上の互いに離間している2つのポイントであるとともに導体のセグメント12の両端をなす2つのポイントにおいて導体に対して接続するための複数の入力ポートを備えた差動電圧アンプ10と、このアンプ10からの出力電圧を電流値へと変換するための変換回路と、を具備してなり、変換回路が、マイクロコントローラ22を備え、マイクロコントローラ22が、デジタル形式の校正表を格納するためのプログラム可能なメモリ20を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 導体を流れる電流を測定するための装置であって、前記導体上の互いに離間している2つのポイントであるとともに前記導体のセグメント(12)の両端をなす2つのポイントにおいて前記導体に対して接続するための複数の入力ポートを備えた差動電圧アンプ(10)と、該アンプからの出力電圧を電流値へと変換するための変換回路と、を具備してなり、前記変換回路が、マイクロコントローラ(22)を備え、該マイクロコントローラ(22)が、デジタル形式の校正表を格納するためのプログラム可能なメモリ(20)を有していることを特徴とする装置。
【請求項2】 請求項1記載の装置において、温度センサ(24)と、温度の関数として抵抗率変化係数を考慮するための補正手段であって前記マイクロコントローラ(22)内に組み込まれている補正手段と、を具備していることを特徴とする装置。
【請求項3】 請求項1または2記載の装置において、前記メモリが、電流の関数として統計誤差を補正するための表を備えていることを特徴とする装置。
【請求項4】 請求項1、2、または、3記載の装置において、測定対象をなす電流とは区別し得るような校正用電流を所定周波数でもって発生させるための電源(26)と、前記校正用電流の前記周波数において測定された電圧に基づいて、前記校正表を決定するまたは補正するための手段と、を具備していることを特徴とする装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、前記変換回路が、前記差動アンプよりも後段側に、電流の大きさに依存して選択的に動作するようにして設けられた少なくとも2つのアンプ(14)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の装置の使用方法であって、交流スタータを備えた自動車におけるバッテリ電流を測定することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DCであるかACであるかにかかわらず、電気導体を流れる電流を測定するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特にDCである場合には、そのような電流を測定するための従来手段は、ケーブルをカットし、カットした端部どうしの間に既知抵抗を挿入し、抵抗の両端間の電位差を測定することである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような手段においては、ケーブルをカットすることが必要であり、また、カットされた両端間に挿入される抵抗部材が必要である。
【0004】本発明は、そのような要求を回避することを追求するものであり、この目的のために、近年の電圧アンプにおける成果を利用し、また、デジタル形式でもってそのような電圧アンプにより供給されるアナログデータの処理における成果を利用する。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は、請求項1に記載したような装置を提供する。
【0006】DCの場合には、回路は、電流の大きさを直接的にもたらす。交流の場合には、変換部材が設けられる。本発明は、特に、大きな交流を測定するのに好適である。
【0007】そのような測定装置は、従来技術において不可避であったような、ケーブルをカットする必要性、および、接続の発生、を回避する。
【0008】測定は、アンプからの出力電圧Vsと導体を流れる電流Iとの間に存在する次の関係式をベースとしている。つまり、Vc=R×Iとしたときに、Vs=(1+ε)A×Vcここで、Iは、導体の電流値であり、Rは、導体のセグメントの抵抗値であり、εは、統計誤差に依存する係数であって、常に1よりも十分に小さなものであるとともに、格納されるべきものであり、Aは、電流/電圧増幅係数である。
【0009】導体の温度が、抵抗率に対してつまりセグメントの抵抗値に対して、十分に大きな影響を有して変化するようなものである場合には、温度センサと、抵抗値が温度の関数として変化する様子を計算するための補正手段と、が設けられる。
【0010】統計誤差は、装置が導体上に設置された後に工場内において測定することができる。また、DCまたはACとすることができる測定対象をなす電流とは区別し得るような校正用電流を所定周波数でもって発生させるための電源を装置内に設けることによって、周期的に校正を行うこともできる。温度ドリフトを受けていないような電源からの既知電流を流したときに測定された電圧により、所望温度の関数として、校正係数を場合によっては補正係数を決定することができる。電源を使用したこのような校正を十分に頻繁に行う場合には、あるいは、このような校正を各測定の直前に行う場合には、温度センサは不要となる。
【0011】装置の回路は、有利には、導体セグメントに対しての接続が可能であるように導体センサが被覆剥離された後に導体セグメント上にオーバーモールドされたアセンブリを構成する。
【0012】
【発明の実施の形態】上記の特徴点や他の特徴点は、本発明を制限することのない単なる例示としての本発明の実施形態についての以下の説明を読むことにより、明瞭となるであろう。以下の説明においては、添付図面を参照する。
【0013】図1において図示されている装置は、差動プリアンプ10を備えている。差動プリアンプ10の2つの入力ポートは、長さがLであるセグメント12の両端において、導体に対して接続されている。図示の実施形態においては、プリアンプ10の後段には、2つのアンプ14が接続されている。これらアンプの一方または他方は、測定可能範囲を増大させ得るよう、電流の大きさに応じて動作する。アンプの数は、限定的なものではなく、任意である。アンプの数は、測定範囲に依存するものであり、また、電流を反転可能とされているかどうかに依存する。プリアンプ10によって出力された電圧の関数としての選択を、セレクタ回路16によって行うことができる。アナログ出力ステージ18は、マイクロコントローラ22に対して供給を行う。マイクロコントローラ22は、入力側アナログ−デジタル変換器と、関連するメモリであって校正表を格納しているメモリと、を備えている。電圧安定型電源(図示せず)が、能動素子に対して接続されている。
【0014】導体セグメントの抵抗値Rは、R=ρ0(1+α×Δθ)L/Sとして表すことができる。ここで、ρ0は、例えば20°といったような校正温度における抵抗率であり、Sは、横断面積であり、αは、意図された動作温度範囲における温度係数の平均値であり、Δθは、測定温度と校正温度との間の差である。
【0015】ケーブルの長さLの変化は、一般に、意図された測定範囲においては無視することができる。
【0016】この場合、ケーブルによって搬送される電流Icは、公称係数Aによる増幅後における出力電圧Vsと、以下の関係式によって関連している。
Vs=(1+ε)A×Ic(1+α×Δθ)×R0 (1)
ここで、R0 は、参照温度における抵抗値であり、εは、Vsに依存するものであることにより表の形態で格納されている統計誤差である。よって、Icは、次のように表される。
Ic=Vs/[(1+ε)A(1+α×Δθ)]R0 (2)
【0017】マイクロコントローラ22が温度補正を行うことを可能とするために、この装置は、セグメント12の近傍に配置された温度センサ24を備えている。このようにして測定された温度は、デジタル形式へと変換された上で、マイクロコントローラ22による、上記等式(2)における温度補正項(1+α×Δθ)の計算に際して考慮される。
【0018】一般に、装置は、ケーブルのセグメントに対して永久的に取り付けられ、校正は、工場内で行われる。このことは、R0 を格納すること、および、意図した測定範囲における温度係数の平均値αを格納すること、を意味している。例えば銅の場合には、−20℃〜60℃という範囲での平均値は、0.004である。銅導体の場合、通常の状況下では、この温度範囲における長さの変化は、無視できるものである。なぜなら、この場合の一次元膨張係数が、1.7×10-5mm/℃であるからである。
【0019】統計誤差εは、通常、温度の関数としてあまり変化しない。そのため、十分に近い一連の電流値でもって統計誤差εの値を測定し、その結果を格納するだけで、十分である。この操作は、安定的に制御された温度においてセグメントに既知電流を流しさらに各場合におけるεの値を計算することによって、行うことができる。
【0020】この測定時には、マイクロコントローラ22は、Vsの関数として、εとして適切な値を求める。可能であれば、メモリ20内に格納されている値を補間しつつ、Vsの関数として、εとして適切な値を求める。また、マイクロコントローラ22は、温度補正係数1+α×Δθを計算し、出力ポート25からデジタル形式で電流値を送出する。例示するならば、この出力は、ディスプレイの入力回路に対して印加することができる。また、マイクロコントローラからの出力は、制御部材に対する入力信号として使用することもできる。この場合、重要な応用は、バッテリ電流の測定であり、特に、交流スタータを備えているような自動車に関してのバッテリ電流の測定である。
【0021】様々な実施形態において、本発明は、また、電源26を具備している。電源26は、所定電流を流すためにあるいは一連の複数の所定レベルを有しているような所定パターンの電流を流すために、ケーブルのセグメントに対して接続されている。構成要素28は、装置が所定の2つの動作モードとされることを可能としている。2つのモードの一方は、校正モードである。この校正モードにおいては、電源26は、導体内において測定しようとしている周波数とは明らかに相違した周波数の交流電圧を供給する。例えば、装置がDCまたは50HzのACを測定しようとしているときには、kHz程度の周波数の交流電圧を供給する。電流が導体を流れているときに同時的に校正を行う場合には、プリアンプ10に対しての入力のところに周波数フィルタを挿入する必要がある。
【0022】構成要素28は、要求されたときに校正を行い得るよう手動で制御することができる。あるいは、構成要素28は、シーケンサによって構成することができる。
【0023】装置の物理構造が、図2に示されている。導体12が、電圧測定用クランプ30によって拘束されている部分においては、裸線とされている。カード32上には、システムの主要部材が搭載されている。セグメントの両端においては、オーバーモールドされたガスケット34によって、カードに対して、ケーブルの絶縁体が連結されている。カバー(図示せず)によって装置を閉塞することができる。また、ディスプレイ部材を取り付けることができる。
【出願人】 【識別番号】500246810
【氏名又は名称】サジェム ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SAGEM S.A.
【出願日】 平成12年12月7日(2000.12.7)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外7名)
【公開番号】 特開2001−194394(P2001−194394A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−373508(P2000−373508)