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【発明の名称】 電流検出装置
【発明者】 【氏名】大館 義雄

【氏名】黒川 冬樹

【要約】 【課題】組立製造コストの減少、部品製造性の向上、部品の共通化を実現した構造により、ローコストな電流検出装置を提供する。

【解決手段】電流検出装置の電流−磁界変換装置を構成する角形のコア7のエアギャップ8の間隔を、電線輪9を挿入するに十分な広いものとし、エアギャップ8を形成する片側の部分と電線輪9を取り付ける箇所10を直線的に連続した形状とすることにより、電線輪9をエアギャップ8側から一方向で挿入が可能となる。また、エアギャップ8の間隔を板面上に磁界検出素子4を実装した基板11を配置するに十分な広いものとする。これにより、基板11は磁気検出素子4の信号処理などを行なう周辺回路と同一の基板とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】電源供給側から負荷側に至る電線を輪状に成形した電線輪と、この電線輪の中心付近にその一部を有し、前記電線輪の被測定電流を磁界に変換する電流−磁界変換装置と、この電流−磁界変換装置に設けられたエアギャップに配置した磁気検出素子を用いて当該磁界の強度に応じた電圧に変換する磁界−電圧変換装置とから成る電流検出装置において、前記電流−磁界変換装置のエアギャップの間隔を、少なくとも前記輪状に成形した電線輪を挿入することができる間隔としたことを特徴とする電流検出装置。
【請求項2】前記電流−磁界変換装置におけるエアギャップを形成する片側の部分を、前記電線輪の取り付け箇所と直線的に連続した形状としたことを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項3】前記電流−磁界変換装置のエアギャップに、前記磁気検出素子を板面上に実装した基板を配置したことを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項4】前記電流−磁界変換装置における前記電線輪の取り付け箇所を、巻き数の異なる複数種類の電線輪のうちのいずれをも取り付けられるように広くしたことを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項5】前記電流−磁界変換装置の形状が角形であることを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項6】前記電流−磁界変換装置に絶縁カバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電力量測定装置、電力測定装置、電流測定装置等に適応可能な電流検出装置に関し、特に、被測定電流を一度磁界に変換し、その磁界強度を電気に変換して測定する機能を有する電流検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電流検出装置としては、図6に示すような形状のものが知られている。この電流検出装置は、電源供給側から負荷側に至る電線1を、電流−磁界変換装置を構成する輪状のコア2に巻き付けている。この輪状のコア2のエアギャップ3の間隔は、磁気検出素子4に印加される磁界強度を上げる為狭くする必要があり、エアギャップ3を狭くするため磁気検出素子4単体がエアギャップ3に配置される構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記電流検出装置においては、エアギャップ3の間隔が狭いため、電線1をあらかじめ輪状に加工してからコア2に挿入することが困難であった。
【0004】このため、電線1をコア2に巻き付けているが、巻き付ける作業は電線1の材質が柔らかい場合にのみ可能であり、電線1に流れる被測定電流が小さい場合に巻き数を増やすことも困難であった。また、巻き付ける作業は組立製造コストがかかるものであった。
【0005】また、磁気検出素子4単体をエアギャップ3に配置するため、磁気検出素子4を実装する基板5にキリカキ6を設けていたが、このキリカキ6は基板強度低下および製造コスト増加の原因となっていた。
【0006】さらに、コア2の形状が輪状である為、ケースなどへの固定が難しかった。
【0007】また、絶縁耐電圧に関する対策がなかった。
【0008】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、組立製造コストの減少、部品製造性の向上、部品の共通化を実現した構造により、ローコストな電流検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明に係る電流検出装置は、上記課題を解決するため、電源供給側から負荷側に至る電線を輪状に成形した電線輪と、この電線輪の中心付近にその一部を有し、電線輪の被測定電流を磁界に変換する電流−磁界変換装置と、この電流−磁界変換装置に設けられたエアギャップに配置した磁気検出素子を用いて当該磁界の強度に応じた電圧に変換する磁界−電圧変換装置とから成る電流検出装置において、電流−磁界変換装置のエアギャップの間隔を、少なくとも輪状に成形した電線輪を挿入することができる間隔としたことを要旨とする。
【0010】請求項1に記載の本発明にあっては、エアギャップの間隔を少なくとも輪状に成形した電線輪を挿入することができる間隔としたことにより、電線を電流-磁界変換装置に巻き付けるのではなく、あらかじめ電線を輪状に成形して電流-磁界変換装置に挿入することが可能であり、材質の堅い電線であってもその加工が容易となるという作用を有する。
【0011】請求項2に記載の本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の電流検出装置において、電流−磁界変換装置におけるエアギャップを形成する片側の部分を、電線輪の取り付け箇所と直線的に連続した形状としたことを要旨とする。
【0012】請求項2に記載の本発明にあっては、電流−磁界変換装置に前記電線輪を直線方向に挿入可能であるという作用を有する。
【0013】請求項3に記載の本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の電流検出装置において、電流−磁界変換装置のエアギャップに、磁気検出素子を板面上に実装した基板を配置したことを要旨とする。
【0014】請求項3に記載の本発明にあっては、磁気検出素子を実装した基板にキリカキを設けていないため、基板強度向上、製造コスト低減という作用を有する。
【0015】請求項4に記載の本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の電流検出装置において、電流−磁界変換装置における電線輪の取り付け箇所を、巻き数の異なる複数種類の電線輪のうちのいずれをも取り付けられるように広くしたことを要旨とする。
【0016】請求項4に記載の本発明にあっては、電線輪の被測定電流が小さい場合に、磁気検出素子に印加される磁界強度を上げるため、電線輪の巻き数を増やすことが容易であり、被測定電流の定格の大小に関わらず、同一の電流−磁界変換装置を使用可能であるという作用を有する。
【0017】請求項5に記載の本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の電流検出装置において、電流-磁界変換装置の形状が角形であることを要旨とする。
【0018】請求項5に記載の本発明にあっては、電流-磁界変換装置の形状が角形であるため、ケース等への固定が容易であるという作用を有する。
【0019】請求項6に記載の本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の電流検出装置において、電流-磁界変換装置に絶縁カバーを設けたことを要旨とする。
【0020】請求項6記載の発明にあっては、絶縁カバーにより縁面距離を上げ、電線輪と電流-磁界変換装置間での雷などによる高圧放電を防ぐことができるという作用を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に係る電流検出装置の構造を示す図であり、図2は、図1を各要素毎に分けて示した図である。また図3は電流検出装置のコアをケースへ固定した部分の断面構造を示す図である。
【0023】図1および図2において、電流−磁界変換装置を構成する四角形のコア7の一部にエアギャップ8を設け、エアギャップ8の間隔は電線輪9を挿入するに十分な広いものとするとともに、磁界検出素子4を板面上に実装した基板11を配置するに十分な広いものとしている。また、エアギャップ8を形成する片側の部分と電線輪9を取り付ける箇所10は直線的に連続した形状となっている。
【0024】このように、エアギャップ8の間隔は電線輪9を挿入するに十分な広いものであり、エアギャップ8を形成する片側の部分と電線輪9を取り付ける箇所10は直線的に連続した形状となっているため、電線輪9はエアギャップ8側から、一方向で挿入が可能である。従って、電線を電流-磁界変換装置に巻き付けるのではなく、あらかじめ電線を輪状に成形した電線輪9をコア7に挿入することが可能であり、材質の堅い電線であってもその加工が容易となる。
【0025】また、エアギャップ8の間隔は、磁界検出素子4を板面上に実装した基板11を配置するに十分な広いものであるため、基板11は磁気検出素子4の信号処理などを行なう周辺回路と同一の基板とすることが、容易に可能である。また、磁気検出素子4を実装した基板11にキリカキを設けていないため、基板強度向上、製造コスト低減を図ることができる。
【0026】また、電線輪の取り付け箇所10は電線輪9の巻き数を増やすことが、十分可能な広さをもつものである。従って図2に示すように、巻き数の異なる複数種類の電線輪9のいずれをも選択してコア7に取付けることができる。例えば、測定電流定格値が120Aの電力量計に使用するとき電線輪9の巻き数を1回とし、30Aの電力量計に使用するとき巻き数を4回とし、5Aの電力量計に使用するとき巻き数を24回とすることで、同一のコア7で3種類の定格の電力量計を実現することが可能となる。
【0027】更に、コア7は角形の形状を有しており、測定器のケース13に簡単な形状で固定することが可能である。即ち、図3に示すように、測定器のケース13の上部内壁から垂下して形成された取り付け部13aに、取り付け具14を用いて取り付けネジ15により、角形のコア7の上部の一辺の一部を固定することにより、コア7を測定器のケース13に安定して固定することができる。
【0028】(第2の実施形態)図4は本発明の第2の実施形態に係る電流検出装置のコアの構造を示す図であり、図5は図4に示すコアをケースへ固定した部分の断面構造を示す図である。
【0029】図4に示すように、電流−磁界変換装置を構成するコア7は、絶縁性のカバー12で覆われている。即ち、絶縁性のカバー12は、2つに分かれたカバー片によりコア7を左右から挟み込んでコア7を覆うように構成している。電線輪9は絶縁性のカバー12の外側に巻回されるが、絶縁性のカバー12は図5の断面図に示すように、コア7に取り付けられる電線輪9との縁面距離を上げる構造を有しており、これにより電線輪9からの雷などによる高電圧放電を防ぐことができる。
【0030】また、この実施形態の場合も、コア7は角形の形状を有しており、測定器のケース13に簡単な形状で固定することが可能である。即ち、図5に示すように、測定器のケース13の上部内壁から垂下して形成された取り付け部13aに、絶縁カバー12の一方の所定箇所に設けられた取り付け具14を用いて取り付けネジ15により、絶縁カバー12で覆われた角形のコア7を固定することにより、絶縁カバー12で覆われたコア7を測定器のケース13に安定して固定することができる。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、組立製造コストの減少、部品製造性の向上、部品の共通化を実現した構造により、ローコストな電流検出装置を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】391025497
【氏名又は名称】東芝メーターテクノ株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【代理人】 【識別番号】100078019
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 一
【公開番号】 特開2001−194392(P2001−194392A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−6462(P2000−6462)