| 【発明の名称】 |
波形測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】三澤 豪
|
| 【要約】 |
【課題】重要度の高いトリガ条件を満たす事象の測定データを確実にメモリに取り込むことができる波形測定装置を提供することにある。
【解決手段】測定データをメモリに取り込むための複数のトリガ条件が設定できる波形測定装置において、それぞれのトリガ条件に優先順位を付ける手段と、複数のトリガ条件が成立した場合にそれらトリガ条件の優先順位を判断する手段とを設け、トリガ条件が成立した事象の測定データを優先順位に基づいてメモリに取り込むことができる波形測定装置を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 測定データをメモリに取り込むための複数のトリガ条件が設定できる波形測定装置において、それぞれのトリガ条件に優先順位を付ける手段と、複数のトリガ条件が成立した場合にそれらトリガ条件の優先順位を判断する手段とを設け、トリガ条件が成立した事象の測定データを優先順位に基づいてメモリに取り込むことを特徴とする波形測定装置。 【請求項2】 請求項1記載の波形測定装置において、前記トリガ条件は複数チャンネルの測定データをメモリに取り込むために各チャンネル毎に優先順位を付けて設定され、トリガ条件が成立したチャンネルの測定データを優先順位に基づいてメモリに取り込むことを特徴とする波形測定装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の波形測定装置において、前記メモリに優先順位の高いトリガ条件が成立した事象の測定データを取り込む空き容量がない場合には上書きして取り込むことを特徴とする波形測定装置。 【請求項4】 請求項2記載の波形測定装置において、複数チャンネルのトリガ条件の成立が競合した場合、前記メモリには優先順位の低いトリガ条件が成立した事象の測定データを破棄して優先順位の高いトリガ条件が成立した事象の測定データを取り込むことを特徴とする波形測定装置。 【請求項5】 請求項1〜4記載の波形測定装置において、トリガ条件が信号レベルと波形パターンの少なくともいずれかとして設定されたことを特徴とする波形測定装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は波形測定装置に関するものであり、詳しくはトリガ機能の改善に関するものである。 【0002】 【従来の技術】波形測定装置は、機械・化学・生物・地学など各種の現象をそれぞれに適したセンサーにより電気信号に変換して測定データとしてメモリに取り込むとともに、それらの測定データの時間の経過に伴う変化の状態を波形として表示画面や記録紙に可視化表示するものであり、各種の分野で広く用いられている。 【0003】ところで、このような波形測定装置の測定データを格納するメモリの容量は有限であり、すべての測定データをもれなく取り込むことは不可能である。そこで、それぞれの測定目的に合わせて複数の測定データ取り込み条件をトリガ条件として設定しておき、それらのトリガ条件が成立したらその時点を基準にして所定数の測定データをメモリに取り込むように構成されている。 【0004】しかし、従来の波形測定装置における複数トリガ条件の優先順位については格別の配慮はなされておらずいわば早い者勝ち状態であり、複数のトリガ条件のいずれかが成立すると直ちにその事象の測定データの取り込みを実行する。それらの測定データの取り込みが完了するまでは、他のトリガ条件の成立は全く無視している。 【0005】図3はこのような従来の測定データの取り込み処理の概略を示すフローチャートである。測定動作をスタートすることにより、データを取得する(ST1)。取得したデータがトリガ条件を満たすか否か判断する(ST2)。トリガ条件を満たしていればそのデータをメモリに取り込むデータ格納処理を行い(ST3)、満たさなければST1に戻って次のデータを取得する。データ格納処理後は予め設定されている所定数のデータを格納したか否かを判断し(ST4)、所定数のデータを取り込むまでST3以降の処理を繰り返して所定数のデータを取り込んだら処理を終了する。 【0006】図4は従来の波形測定装置における測定データの取り込み説明図である。図4において、Ch1の測定データについてはレベル1よりもハイレベルになったらトリガが成立し、Ch2の測定データについてはレベル2よりもローレベルになったらトリガが成立するものと設定されていて、トリガが成立した時点から10個の測定データを取り込むようになっている。 【0007】すなわち、Ch1の測定データがレベル1よりもハイレベルになった時点でトリガが成立し、10点のCh1の測定データの取り込みを開始する。ここでCh2の測定データに注目すると、Ch1の測定データの9個目の直前にレベル2よりもローレベルになっているが、Ch1の測定データの所定数の取り込みが完了していないのでCh2のトリガ条件の成立は無視されてしまう。 【0008】この結果、例えばCh2のトリガ条件はCh1のトリガ条件よりも重要度が高いとしても、Ch2の測定データを取り込むことができないことになる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来の波形測定装置の問題点に着目したものであって、その目的は、重要度の高いトリガ条件を満たす事象の測定データを確実にメモリに取り込むことができる波形測定装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、測定データをメモリに取り込むための複数のトリガ条件が設定できる波形測定装置において、それぞれのトリガ条件に優先順位を付ける手段と、複数のトリガ条件が成立した場合にそれらトリガ条件の優先順位を判断する手段とを設け、トリガ条件が成立した事象の測定データを優先順位に基づいてメモリに取り込むことを特徴とする。 【0011】これにより、優先順位の高いトリガ条件が成立する事象が発生すると優先的にその事象の測定データをメモリに取り込むので、重要な事象を確実に測定できる。 【0012】本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の波形測定装置において、前記トリガ条件は複数チャンネルの測定データをメモリに取り込むために各チャンネル毎に優先順位を付けて設定され、トリガ条件が成立したチャンネルの測定データを優先順位に基づいてメモリに取り込むことを特徴とする。 【0013】複数チャンネルの測定データを共通のメモリに取り込む構成の場合、トリガ条件の優先度に基づく測定データの取り込み制御が行える。 【0014】本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の波形測定装置において、前記メモリに優先順位の高いトリガ条件が成立した事象の測定データを取り込む空き容量がない場合には上書きして取り込むことを特徴とする。 【0015】メモリには、常にその時点で優先順位の最も高いトリガ条件が成立している事象の測定データが取り込まれる。 【0016】本発明の請求項4記載の発明は、請求項2記載の波形測定装置において、複数チャンネルのトリガ条件の成立が競合した場合、前記メモリには優先順位の低いトリガ条件が成立した事象の測定データを破棄して優先順位の高いトリガ条件が成立した事象の測定データを取り込むことを特徴とする【0017】複数チャンネルの測定データを共通のメモリに取り込む構成において、トリガ条件の優先順位の高いチャンネルの測定データを確実に取り込むことができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図により説明する。図1は本発明に基づく波形測定装置の測定データ取り込みの説明図であり、図4と同様な2チャンネルの測定例を示している。図1と図4の異なる点は、Ch2のトリガ条件の優先順位をCh1よりも高く設定していて、その優先順位に基づいてメモリへの測定データの取り込みを制御していることである。 【0019】図1において、Ch1の測定データがレベル1よりもハイレベルになった時点でトリガが成立することにより、10点のCh1の測定データの取り込みを開始する。一方、Ch2の測定データに注目すると、Ch1の測定データの9個目の直前にレベル2よりもローレベルになってCh2のトリガ条件も成立する。ここで、Ch2のトリガ条件の優先順位はCh1よりも高く設定されているので実行中の優先順位の低いCh1の測定データの取り込み処理は直ちに中断し、既にメモリに格納されているCh1の測定データを破棄して初期化する。そして、Ch2のトリガ条件の成立に基づきCh2の測定データの取り込み処理を行い、10個のデータを取り込む。 【0020】これにより、Ch1とCh2の測定データを共通のメモリに取り込むように構成された波形測定装置において、トリガ条件の優先順位の高いCh2の測定データが確実に取り込まれる。 【0021】図2は図1の処理の手順を示すフローチャートである。図3と同様に、測定動作をスタートすることにより、データを取得する(ST1)。取得したデータがトリガ条件を満たすか否か判断する(ST2)。トリガ条件を満たしていればそのデータをメモリに取り込むデータ格納処理を行い(ST3)、満たさなければST1に戻って次のデータを取得する。データ格納処理後は予め設定されている所定数のデータを格納したか否かを判断し(ST4)、所定数のデータを取り込んだら処理を終了する。所定数のデータを取り込むまでST3以降の処理を繰り返すことになるが、この繰り返し過程で、取得した各データについてトリガ条件の優先順位が現在格納中のものよりも高いか否か判断し(ST5)、高くなければST3以降の処理を繰り返す。取得したデータのトリガ条件の優先順位が高ければ、既に格納されているデータを破棄してデータ格納処理を初期化し(ST6)、ST3以降の処理を実行する。 【0022】なお、メモリに優先順位の高いトリガ条件が成立した事象の測定データを取り込むのにあたり、メモリに空き容量がない場合には既に格納されている測定データに上書きして取り込むようにしてもよい。 【0023】これにより、メモリには、常にその時点で優先順位の最も高いトリガ条件が成立している事象の測定データが取り込まれる。 【0024】また、本発明は、複数チャンネルの測定データを共通のメモリに取り込む場合に限るものではなく、単一チャンネルの測定データに対して複数のトリガ条件を優先順位を付けて設定し、容量が制限されたメモリに常にその時点で優先順位の最も高いトリガ条件が成立している事象の測定データを取り込む場合にも有効である。 【0025】また、本発明におけるトリガ条件は、信号レベルとして設定されたものでもよいし、波形パターンとして設定されたものでもよいし、さらにはこれらを組み合わせたものでもよく、測定用途に応じて適宜使い分ければよい。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、重要度の高いトリガ条件を満たす事象の測定データを確実にメモリに取り込むことができる波形測定装置が実現できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006507 【氏名又は名称】横河電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月17日(2000.1.17) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194389(P2001−194389A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−7722(P2000−7722) |
|