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【発明の名称】 コンタクトプローブおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】藤森 周司

【氏名】石井 利昇

【氏名】川上 喜章

【要約】 【課題】コンタクトプローブおよびその製造方法において、ビアホールが作製し難い多ピンかつ狭ピッチのコンタクトプローブや小さなコンタクトプローブでもグラウンドラインやパワーライン等の共通化を図ること。

【解決手段】複数のパターン配線9がフィルム本体8の表面上に形成されこれらのパターン配線の各先端がフィルム本体の先端部から突出状態に配されてコンタクトピン9aとされるコンタクトプローブ7であって、前記フィルム本体のパターン配線側には、複数の前記パターン配線のうち一部のパターン配線GNDに接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線11を絶縁層12の表面に形成した配線共通化部材13が張り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のパターン配線がフィルム本体の表面上に形成されこれらのパターン配線の各先端がフィルム本体の先端部から突出状態に配されてコンタクトピンとされるコンタクトプローブであって、前記フィルム本体のパターン配線側には、複数の前記パターン配線のうち一部のパターン配線に接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線を絶縁層の表面に形成した配線共通化部材が張り付けられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】 請求項1記載のコンタクトプローブにおいて、前記一部のパターン配線は、グラウンドラインまたはパワーラインの一方若しくはその両方であることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項3】 請求項1または2記載のコンタクトプローブにおいて、前記配線共通化部材は、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置より後端側で前記パターン配線から離間するように折り曲げられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記配線共通化部材と前記フィルム本体との間には、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置より後端側で絶縁シートが挿入されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記フィルム本体は、その裏面側に金属フィルムが張り付けられ、前記共通配線は、前記金属フィルムに配線用電線で接続されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記配線共通化部材は、前記絶縁層の裏面側に金属層が形成され、前記共通配線は、前記絶縁層を貫通して前記金属層にまで形成されたビアホールを介して金属層に電気的に接続されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記絶縁層には、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置に開口した窓部が設けられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項8】 複数のパターン配線をフィルム本体の表面上に形成しこれらのパターン配線の各先端をフィルム本体の先端部から突出状態に配してコンタクトピンとするコンタクトプローブの製造方法であって、複数の前記パターン配線のうち一部のパターン配線に接触しこれらを互いにショートさせる共通配線を絶縁層の表面に形成した配線共通化部材を製造する共通化部材製造工程と、前記配線共通化部材を前記フィルム本体のパターン配線側に張り付ける張付工程とを備え、前記共通化部材製造工程は、基板層の上に前記共通配線の材質に被着または結合する材質の第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、前記第1の金属層の上にマスクを施してマスクされていない部分に、前記共通配線に供される第2の金属層をメッキ処理により形成するメッキ処理工程と、前記マスクを取り除いた第2の金属層の上に前記絶縁層を被着する絶縁層被着工程と、前記絶縁層と第2の金属層とからなる部分と、前記基板層と第1の金属層とからなる部分とを分離する分離工程とを備えていることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
【請求項9】 請求項8記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記共通化部材製造工程は、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置に開口した窓部を前記絶縁層に形成するとともに、前記共通配線の前記一部のパターン配線と接触する部分で該パターン配線よりも線幅を狭く形成し、前記張付工程は、前記パターン配線と前記共通配線とを前記接触する部分で半田付けすることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブピンやソケットピン等として用いられ、半導体ICチップや液晶デバイス等の各端子に接触して電気的なテストを行うコンタクトプローブおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICチップやLSIチップ等の半導体チップ又はLCD(液晶デバイス)の各端子に接触させて電気的なテストを行うために、コンタクトピンが用いられている。近年、ICチップ等の高集積化および微細化に伴って電極であるコンタクトパッドが狭ピッチ化されるとともに、コンタクトピンの多ピン狭ピッチ化が要望されている。しかしながら、コンタクトピンとして用いられていたタングステン針のコンタクトプローブでは、タングステン針の径の限界から多ピン狭ピッチへの対応が困難になっていた。
【0003】これに対して、例えば、特公平7−82027号公報に、複数のパターン配線が樹脂フィルム上に形成されこれらのパターン配線の各先端部が前記樹脂フィルムから突出状態に配されてコンタクトピンとされる技術が提案されている。この技術例は、複数のパターン配線の先端部をコンタクトピンとすることによって、多ピン狭ピッチ化を図るものである。
【0004】従来のコンタクトプローブ1は、図6の(a)(b)に示すように、ポリイミド樹脂フィルム2の片面にNi(ニッケル)またはNi合金で形成されるパターン配線3を張り付けた構造となっており、樹脂フィルム2の端部からパターン配線3の先端部が突出してコンタクトピン3aとされている。このコンタクトプローブ1は、パターン配線3の後端側をプリント基板の電極に接触させ、パターン配線3から得られた信号をプリント基板の電極を通して外部の検査装置等に伝えることができるようになっている。
【0005】前記ポリイミド樹脂フィルム2には、予めCu(銅)からなる金属フィルムのグラウンド層4gおよびパワー層4pがそれぞれ絶縁層4iを介して張り付けられたものがあり、これらのグラウンド層4gおよびパワー層4pは、IC等のグラウンドパッドおよびパワーパッドに対応するライン、すなわちパターン配線3の中のグラウンドラインGNDおよびパワーラインPWRをそれぞれショートさせて共通化し、ノイズ低減等を図るために設けられたものである。従来は、グラウンド層4gおよびパワー層4pとグラウンドラインGNDおよびパワーラインPWRとをそれぞれ電気的に接続させ、ノイズ低減効果を向上させるためにコンタクトピン3a側でビアホールBHを介して互いに導通を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のコンタクトプローブ技術には、以下のような課題が残されている。すなわち、グラウンド層4gおよびパワー層4pとグラウンドラインGNDおよびパワーラインPWRとの接続を図るためにビアホールBHを用いているが、ビアホールBHを作製するにはビアホールBHを覆うNiパターンが必要になり、そのパターンがパターン配線3の2〜3倍となり、配線設計上のスペースを確保し難いという不都合がある。特に、コンタクトプローブが小型であったり、マルチダイ対応のプローブカードとして用いる場合には、大きさが制限されるため、ビアホールのスペースを確保することができず、グラウンドラインやパワーラインの共通化を図ることが困難であった。
【0007】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ビアホールが作製し難い多ピンかつ狭ピッチのコンタクトプローブや小さなコンタクトプローブでもグラウンドラインやパワーライン等の共通化を図ることができるコンタクトプローブおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のコンタクトプローブは、複数のパターン配線がフィルム本体の表面上に形成されこれらのパターン配線の各先端がフィルム本体の先端部から突出状態に配されてコンタクトピンとされるコンタクトプローブであって、前記フィルム本体のパターン配線側には、複数の前記パターン配線のうち一部のパターン配線に接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線を絶縁層の表面に形成した配線共通化部材が張り付けられていることを特徴とする。
【0009】このコンタクトプローブでは、フィルム本体のパターン配線側に、複数のパターン配線のうち一部のパターン配線に接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線を絶縁層の表面に形成した配線共通化部材が張り付けられているので、フィルム本体にビアホールを形成する必要が無く、ビアホールが作製し難い多ピンかつ狭ピッチのコンタクトプローブや小さい形状でもグラウンドラインやパワーライン等を共通配線で電気的に接続させることができる。
【0010】また、本発明のコンタクトプローブは、前記一部のパターン配線を、グラウンドラインまたはパワーラインの一方若しくはその両方とすると、小さな形状のコンタクトプローブでもグラウンドラインやパワーラインの共通化を図ってノイズの低減等を行うことができる。
【0011】また、本発明のコンタクトプローブは、前記配線共通化部材が、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置より後端側で前記パターン配線から離間するように折り曲げられていることが好ましい。このコンタクトプローブでは、配線共通化部材が、共通配線が一部のパターン配線に接触する位置より後端側でパターン配線から離間するように折り曲げられているので、他のパターン配線と共通配線との接触を防ぐことができる。
【0012】また、本発明のコンタクトプローブは、前記配線共通化部材と前記フィルム本体との間に、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置より後端側で絶縁シートが挿入されていることが好ましい。このコンタクトプローブでは、配線共通化部材とフィルム本体との間に、共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置より後端側で絶縁シートが挿入されているので、他のパターン配線と共通配線との接触を防ぐことができる。
【0013】また、本発明のコンタクトプローブは、前記フィルム本体が、その裏面側に金属フィルムが張り付けられ、前記共通配線が、前記金属フィルムに配線用電線で接続されていることが好ましい。このコンタクトプローブでは、フィルム本体の裏面側に金属フィルムが張り付けられ、共通配線が、金属フィルムに配線用電線で接続されているので、共通配線と金属フィルムとを容易に接続することができるとともに、シグナルラインであるパターン配線が金属フィルムと共通配線とで挟まれた状態になり、さらにノイズの発生を抑制することができる。
【0014】また、本発明のコンタクトプローブは、前記配線共通化部材が、前記絶縁層の裏面側に金属層が形成され、前記共通配線は、前記絶縁層を貫通して前記金属層にまで形成されたビアホールを介して金属層に電気的に接続されていることが好ましい。このコンタクトプローブでは、配線共通化部材における絶縁層の裏面側に金属層が形成され、共通配線が、絶縁層を貫通して金属層にまで形成されたビアホールを介して金属層に電気的に接続されているので、パターン配線が多数形成されているフィルム本体に比べて、共通配線だけの配線共通化部材には、スペースに余裕があり小さなコンタクトプローブでもビアホールを形成することができる。したがって、表面側に形成された金属層で共通配線をショートさせることができ、プリント基板等とのラインの接続を金属層から行うことができる。
【0015】また、本発明のコンタクトプローブは、前記絶縁層に、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置に開口した窓部が設けられていることが好ましい。このコンタクトプローブでは、絶縁層に、共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置に開口した窓部が設けられているので、共通配線とパターン配線とを接触させる際に、窓部から両者の位置を確認できるとともに、半田付け等を行うことが可能になる。
【0016】本発明のコンタクトプローブの製造方法は、複数のパターン配線をフィルム本体の表面上に形成しこれらのパターン配線の各先端をフィルム本体の先端部から突出状態に配してコンタクトピンとするコンタクトプローブの製造方法であって、複数の前記パターン配線のうち一部のパターン配線に接触しこれらを互いにショートさせる共通配線を絶縁層の表面に形成した配線共通化部材を製造する共通化部材製造工程と、前記配線共通化部材を前記フィルム本体のパターン配線側に張り付ける張付工程とを備え、前記共通化部材製造工程は、基板層の上に前記共通配線の材質に被着または結合する材質の第1の金属層を形成する第1の金属層形成工程と、前記第1の金属層の上にマスクを施してマスクされていない部分に、前記共通配線に供される第2の金属層をメッキ処理により形成するメッキ処理工程と、前記マスクを取り除いた第2の金属層の上に前記絶縁層を被着する絶縁層被着工程と、前記絶縁層と第2の金属層とからなる部分と、前記基板層と第1の金属層とからなる部分とを分離する分離工程とを備えていることを特徴とする。
【0017】このコンタクトプローブの製造方法では、第1の金属層の上にマスクを施してマスクされていない部分に、前記共通配線に供される第2の金属層をメッキ処理により形成するので、フィルム本体に形成するパターン配線と同様に、リソグラフィ技術によって高精度な共通配線を形成することができる。
【0018】また、本発明のコンタクトプローブの製造方法は、前記共通化部材製造工程において、前記共通配線が前記一部のパターン配線に接触する位置に開口した窓部を前記絶縁層に形成するとともに、前記共通配線の前記一部のパターン配線と接触する部分で該パターン配線よりも線幅を狭く形成し、前記張付工程において、前記パターン配線と前記共通配線とを前記接触する部分で半田付けすることが好ましい。このコンタクトプローブの製造方法では、共通配線が、前記一部のパターン配線と接触する部分で該パターン配線よりも線幅が狭く形成され、パターン配線と半田剤で接着されるので、共通配線とパターン配線を接触させた際に共通配線に隠れることなくパターン配線を確認することができるとともに、共通配線とパターン配線とで段差部分が生じて半田剤を盛りやすくなり、容易にかつ確実に互いを接着することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンタクトプローブおよびその製造方法の第1実施形態を、図1および図2を参照しながら説明する。これらの図にあって、符号7はコンタクトプローブ、8はフィルム本体、10はプローブ本体、13は配線共通化フィルムを示している。
【0020】第1実施形態のコンタクトプローブ7は、図1に示すように、フィルム本体8の表面に金属で形成されるパターン配線9を張り付けたプローブ本体10と、フィルム本体8のパターン配線9側に、複数のパターン配線9のうちグラウンドラインGNDに接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線11を絶縁層12の表面に形成した配線共通化フィルム(配線共通化部材)13とを備え、該配線共通化フィルム13は、プローブ本体10に張り付けられて構成されている。そして、フィルム本体8の先端部からは、パターン配線9の先端が突出してコンタクトピン9aとされている。
【0021】前記フィルム本体8は、パターン配線9が形成された表面側に配されたポリイミド樹脂の樹脂フィルム14と、裏面側に配された金属フィルムのグラウンド層15gと、グラウンド層15g上にポリイミドテープの中間絶縁層15iを介して配された金属フィルムのパワー層15pとを張り合わせて設けられている。すなわち、フィルム本体8は、樹脂フィルムと金属フィルムとが一体に設けられた4層テープである。上記各金属フィルムは、熱および水分によって変形し難いものが好ましく、例えば、Ni、Ni合金、Cu(銅箔)またはCu合金のうちいずれかのものが好適である。前記パターン配線9は、Ni合金(第2の金属層)で形成され、またコンタクトピン9aは、表面にAuが皮膜されて構成されている。
【0022】前記配線共通化フィルム13は、共通配線11がグラウンドラインGNDに接触する位置より後端側でパターン配線9のシグナルラインSIGから離間するように折り曲げられ、段部13aが形成されている。各グラウンドラインGNDに先端が接触された各共通配線11は、半田付けによりグラウンドラインGNDに接着されるとともに、後端が配線共通化フィルム13の後端側に設けられた共通化領域11aでショートさせられている。また、絶縁層12の共通化領域11aに相当する部分には、接続用窓部12aが形成され、該接続用窓部12aを介して共通化領域11aとグラウンド層15gとは、配線用電線Y1で接続されている。
【0023】本実施形態では、フィルム本体8のパターン配線9側に、グラウンドラインGNDに接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線11を絶縁層12の表面に形成した配線共通化フィルム13が張り付けられているので、フィルム本体8にビアホールを形成する必要が無く、ビアホールが作製し難い多ピンかつ狭ピッチのコンタクトプローブや小さい形状でもグラウンドライン等を共通配線11で電気的に接続させることができ、ノイズの低減等を図ることができる。
【0024】また、配線共通化フィルム13は、共通配線11がグラウンドラインGNDに接触する位置より後端側でパターン配線9から離間するように折り曲げられているので、他のパターン配線9と共通配線11との接触を防ぐことができる。
【0025】次に、本実施形態のコンタクトプローブ7の作製工程について、図2を参照して工程順に説明する。なお、プローブ本体10および配線共通化フィルム13の作製工程を併せて説明する。
【0026】〔ベースメタル層形成工程〕プローブ本体10および配線共通化フィルム13のいずれの場合も、まず、図2の(a)に示すように、ステンレス製の支持金属板(基板層)16の上に、Cu(銅)メッキによりベースメタル層(第1の金属層)17を形成する。
【0027】〔パターン形成工程〕このベースメタル層17の上にフォトレジスト層18を形成した後、図2の(b)に示すように、フォトレジスト層18に所定のパターンのマスクMを施して露光し、図2の(c)に示すように、フォトレジスト層18を現像してパターン配線9または共通配線11となる部分を除去して残存するフォトレジスト層(マスク)18に開口部18aを形成する。
【0028】〔電解メッキ工程〕そして、図2の(d)に示すように、開口部18aにパターン配線9または共通配線11となるNiまたはNi合金層(第2の金属層)Nをメッキ処理により形成した後、図2の(e)に示すように、フォトレジスト層18を除去する。
【0029】〔フィルム被着工程〕次に、プローブ本体10を作製する場合は、図2の(f)に示すように、NiまたはNi合金層Nの上であって、図に示したパターン配線9の先端部、すなわちコンタクトピン9aとなる部分以外に、フィルム本体8を接着剤eにより接着する。このフィルム被着工程では、4層テープのうちの樹脂フィルム14を接着剤eを介してNi合金層Nに被着させる。このフィルム本体8は、樹脂フィルム14にグラウンド層15g、中間絶縁層15iおよびパワー層15pが一体に設けられた4層テープである。このフィルム被着工程の前までに、4層テープのうちの樹脂フィルム14上に銅層を形成し、写真製版技術を用いた銅エッチングを施して、グラウンド層15gを形成するとともに、該グラウンド層15gに中間絶縁層15iを張り付けた後、該中間絶縁層15i上にグラウンド層15gと同様にしてパワー層15pを形成しておく。
【0030】〔絶縁層被着工程〕一方、配線共通化フィルム13を作製する場合は、NiまたはNi合金層Nの上であって、共通配線11上にポリイミド樹脂で所定形状に形成された絶縁層12を接着剤eにより接着する。
【0031】〔分離工程〕そして、プローブ本体10および配線共通化フィルム13のいずれの場合も、図2の(g)に示すように、フィルム本体8とパターン配線9とベースメタル層17とからなる部分または絶縁層12と共通配線11とベースメタル層17とからなる部分を、支持金属板16から分離させた後、Cuエッチおよび超音波洗浄を経て、図2の(h)に示すように、フィルム本体8にパターン配線9のみを接着させた状態または絶縁層12に共通配線11のみを接着させた状態とする。
【0032】〔金コーティング工程〕そして、プローブ本体10を作製する場合は、露出状態のパターン配線9に、Auメッキを施し表面にAu層を形成する。このとき、フィルム本体8から突出状態とされたコンタクトピン9aでは、全周に亙る表面全体にAu層が形成される。
【0033】この後、プローブ本体10の場合は、IC用プローブとして所定形状に切り出し、配線共通化フィルム13の場合は、プローブ本体10に対応した所定形状に切り出される。
【0034】なお、配線共通化フィルム13は、切り出された後に、後述する張付工程で共通配線11がグラウンドラインGNDに接触する位置より後端側でパターン配線9のシグナルラインSIGから離間するように、治具等によって折り曲げられ、段部13aが形成される。
【0035】〔配線共通化フィルム張付工程〕上記のように作製されたフィルム本体8と配線共通化フィルム13とを、パターン配線9中の複数のグラウンドラインGNDにそれぞれ対応する複数の共通配線11を接触させ、さらに半田付けによって互いに接着させる。また、フィルム本体8と絶縁層12とを、互いに両側部の接着領域8aで接着剤で接着する。さらに、共通化グラウンド層(共通配線11)とグラウンド層15gとを配線用電線Y1で接続することにより、コンタクトプローブ7が作製される。
【0036】このように本実施形態のコンタクトプローブの製造方法では、ベースメタル層17の上にマスクを施してマスクされていない部分に、共通配線11に供されるNiまたはNi合金層Nをメッキ処理により形成するので、フィルム本体8に形成するパターン配線9と同様に、リソグラフィ技術によって高精度な共通配線11を形成することができる。
【0037】次に、本発明に係るコンタクトプローブの第2実施形態を、図3から図5を参照しながら説明する。
【0038】第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では共通配線11と絶縁層12との2層構造の配線共通化フィルム13をプローブ本体10に張り付けているのに対し、第2実施形態のコンタクトプローブ21は、共通配線22と絶縁層23と該絶縁層23の裏面側に張り付けられた共通グラウンド層(金属層)24との3層構造の配線共通化フィルム25をプローブ本体26に張り付けている点である。これによりフィルム本体のSIGラインはグラウンド層に挟まれ、ノイズの低減に効果を得る。
【0039】また、第2実施形態の配線共通化フィルム25では、共通配線22が、絶縁層23を貫通して共通グラウンド層24にまで形成されたビアホールBH1を介して共通グラウンド層24と電気的に接続されている。そして、共通グラウンド層24には、該共通グラウンド層24と図示しないPCB(プリント基板)のグラウンドパッドとを電気的に接続する配線用電線Y2が接続されている。すなわち、グラウンドラインGNDは、共通配線22、ビアホールBH1、共通グラウンド層24および配線用電線Y2を介してPCBに接続される。
【0040】さらに、配線共通化フィルム25とプローブ本体26との間には、共通配線22がグラウンドラインGNDに接触する位置より後端側でポリイミド樹脂等の絶縁シート28が挿入されている。また、絶縁層23および共通グラウンド層24には、共通配線22がグラウンドラインGNDに接触する位置に開口した接合用窓部25aが設けられ、図4および図5に示すように、この位置でグラウンドラインGNDと共通配線22とは半田剤27で接合されている。なお、プローブ本体26は、パターン配線9が設けられた樹脂フィルム14にグラウンド層15gが張り付けられた2層テープである。
【0041】本実施形態のコンタクトプローブ21を製造する際には、絶縁シート28を挟んだ状態で、接合用窓部25aにおいてグラウンドラインGNDと共通配線22とを半田付けするので、接着する部分を確認しながら容易に作業を行うことができる。なお、図5に示すように、共通配線22のグラウンドラインGNDと接触する部分で、該グラウンドラインGNDよりも線幅を狭く形成しておくことにより、共通配線22にグラウンドラインGNDが完全に隠れてしまうことがないとともに、共通配線22とグラウンドラインGNDとで段差部分が生じて半田剤27を盛りやすくなり、確実に互いを接着することができる。
【0042】なお、本発明は、次のような実施形態をも含むものである。上記各実施形態においては、各グラウンドラインGNDに接触させ各グラウンドラインGNDを電気的に共通化する共通配線を設けたが、他のパターン配線、例えば各パワーラインPWRに接触させ各パワーラインPWRを電気的に共通化する共通配線を設けても構わない。
【0043】また、コンタクトプローブをプローブカードであるプローブ装置に適用したが、他の測定用治具等に採用しても構わない。例えば、ICチップを内側に保持して保護し、ICチップのバーンインテスト用装置等に搭載されるICチップテスト用ソケット等に適用してもよい。さらに、前記コンタクトプローブをLCD用の所定形状に切り出してLCD用のプローブ装置に組み込んでも構わない。
【0044】
【発明の効果】本発明のコンタクトプローブによれば、フィルム本体のパターン配線側に、複数のパターン配線のうち一部のパターン配線に接触しこれらを互いに電気的に接続させる共通配線を絶縁層の表面に形成した配線共通化部材が張り付けられているので、フィルム本体にビアホールを形成する必要が無く、ビアホールが作製し難い多ピンかつ狭ピッチのコンタクトプローブや小さい形状でも、グラウンドラインやパワーライン等を共通配線で電気的に接続させることができる。
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外7名)
【公開番号】 特開2001−194387(P2001−194387A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−2975(P2000−2975)