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【発明の名称】 基板の配線検査装置および配線検査方法
【発明者】 【氏名】山下 宗寛

【要約】 【課題】複数の配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態のまま当該配線の良否を、一方端側での電気的接続を維持したまま、正確に検査することができる基板の配線検査装置および配線検査方法を提供する。

【解決手段】磁界印加部4は磁界印加領域R1の直上位置に位置決め、磁界印加領域R1に磁界印加する。また、配線21のボールグリッド22に当接されたプローブのうち2本のプローブが選択的に電流検出部8と電気的に接続されて閉回路が形成される。このため、磁界印加領域R1に印加される磁界を構成する磁束の変化に応じて閉回路に誘導電流が流れ、その電流値を電流検出部8の電流検出器81で検出し、この電流値によって短絡不良を判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1および第2配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で前記第1および第2配線を検査する基板の配線検査装置であって、前記第1および第2配線の一方端側に磁界を印加する磁界印加手段と、前記磁界印加手段に信号を与えて前記磁界を構成する磁束を時間的に変化させる磁界制御手段と、磁束の変化に応じて前記第1配線と前記第2配線との間に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による検出結果に基づき前記第1および第2配線の良否を判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とする基板の配線検査装置。
【請求項2】 前記磁界印加手段は、軟質磁性材料からなるコアと、前記コアに巻かれたコイルとを備え、前記コアの第1端面が前記第1および第2配線の前記一方端を覆っている請求項1記載の基板の配線検査装置。
【請求項3】 前記第1および第2配線の一方端を同一面上に形成してなる基板を挟んで、前記第1端面の反対側に配設されて前記磁界印加手段により印加される磁界の範囲を絞る軟質磁性材料製の磁界規制手段を、さらに備えた請求項2記載の基板の配線検査装置。
【請求項4】 前記磁界規制手段は前記磁界印加手段からの磁界を所定方向に導いて前記第1および第2配線に印加される磁界の範囲を絞る請求項3記載の基板の配線検査装置。
【請求項5】 前記磁界印加手段は、その全体が軟質磁性材料からなり、第1端面を有する第1脚部と、第2端面を有する第2脚部と、両脚部を連結する連結部とを有するコアと、前記連結部に巻かれたコイルとを備えており、前記第1および第2配線の一方端を同一面上に形成してなる基板の一方側では、前記第1端面が前記第1および第2配線の前記一方端を覆う一方、前記基板の他方側では、前記第2端面が前記基板を挟んで前記第1端面と対向している請求項1記載の基板の配線検査装置。
【請求項6】 軟質磁性材料からなる磁路形成板をさらに備え、前記磁界印加手段は、その全体が軟質磁性材料からなり、第1端面を有する第1脚部、第2端面を有する第2脚部および両脚部を連結する連結部を有するコアと、前記連結部に巻かれたコイルとを備えており、前記第1および第2配線の一方端を同一面上に形成してなる基板の一方側に前記コアが配置されるとともに、前記基板の他方側において前記磁路形成板が前記基板と平行に配置されて前記コアの2端面の一方から出た磁束をコア端面の他方に導いて磁気回路を形成する請求項1記載の基板の配線検査装置。
【請求項7】 前記基板は、複数のワーク片が平面的に連続して一体に形成されたワークとして構成され、前記コアの2端面はそれぞれ異なるワーク片の配線の一方端に対向し、それらコア端面が配線に対向するワーク片それぞれについて配線の良否を判別する請求項6記載の基板の配線検査装置。
【請求項8】 前記第1および第2配線の配列方向に対してほぼ直交する方向において、前記コアの前記第1端面の近傍部が前記第1端面に向かって細くなっている請求項2ないし7のいずれかに記載の基板の配線検査装置。
【請求項9】 磁性材料からなるシールド手段をさらに備え、前記シールド手段は、前記磁界印加手段によって磁界が印加される磁界印加領域に対して前記第1および第2配線の他方端側で、しかも前記磁界印加領域に印加される磁束密度を実質上減少させない程度の距離だけ前記磁界印加手段から離隔しながら、その離隔位置から前記第1および第2配線の他方端まで延びている請求項1ないし8のいずれかに記載の基板の配線検査装置。
【請求項10】 前記電流検出手段は、予め抵抗値が既知の規定抵抗手段と、電流検出器とを備え、前記規定抵抗手段と前記電流検出器とが前記第1および第2配線の他方端の間で直列に接続されている請求項1ないし9のいずれかに記載の基板の配線検査装置。
【請求項11】 第1および第2配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で前記第1および第2配線を検査する基板の配線検査装置であって、磁界を発生する磁界発生手段と、前記第1および第2配線と、前記磁界発生手段とを相対的に位置決めして前記磁界を構成する磁束に対して前記第1および第2配線の一方端側を鎖交させる位置決め手段と、前記磁界発生手段に信号を与えて前記磁束を時間的に変化させる磁界制御手段と、磁束の変化に応じて前記第1配線と前記第2配線との間に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による検出結果に基づき前記第1および第2配線の良否を判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とする基板の配線検査装置。
【請求項12】 前記位置決め手段は、前記磁界発生手段を移動させて前記第1および第2配線に対して前記磁界発生手段を位置決めする移動手段を備える請求項11記載の基板の配線検査装置。
【請求項13】 前記位置決め手段は、前記第1および第2配線の一方端を同一面上に形成してなる基板を移動させて前記磁界発生手段に対して前記第1および第2配線を位置決めする移動手段を備える請求項11記載の基板の配線検査装置。
【請求項14】 第1および第2配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で前記第1および第2配線を検査する基板の配線検査装置であって、前記第1配線の他方端と前記第2配線の他方端との間に介挿されて閉回路を構成するとともに、当該閉回路を流れる電流を検出する電流検出手段と、前記閉回路に誘導電流を発生させる誘導電流発生手段と、前記電流検出手段によって検出される誘電電流の値に基づき前記第1および第2配線の良否を判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とする基板の配線検査装置。
【請求項15】 前記誘導電流発生手段は、前記第1および第2配線の一方端側に磁界を印加するとともに、当該磁界を構成する磁束を時間的に変化させることで、前記閉回路に誘導電流を発生させる請求項14記載の基板の配線検査装置。
【請求項16】 配線群を構成する3本以上の配線を、各配線の一方端が相互に電気的に接続された状態で、検査する基板の配線検査装置であって、前記配線群を構成する配線の一方端側に磁界を印加する磁界印加手段と、前記磁界印加手段に信号を与えて前記磁界を構成する磁束を時間的に変化させる磁界制御手段と、前記配線群のうち2つの配線を検査対象配線対として選択するとともに、その検査対象配線対を順次切り替える選択手段と、磁束の変化に応じて前記各検査対象配線対に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による検出結果に基づき前記配線群の良否を判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とする基板の配線検査装置。
【請求項17】 複数のワーク片が平面的に連続して一体に形成された基板において、各ワーク片に形成された第1および第2配線の一方端同士を相互に電気的に接続した状態のまま前記第1および第2配線を検査する基板の配線検査装置であって、(a)下記の構成要素(a-1)〜(a-3):(a-1)その全体が軟質磁性材料からなり、第1端面を有する第1脚部と、第2端面を有する第2脚部と、両脚部を連結する連結部とを有し、前記ワークの一方側において、前記コアの2端面をそれぞれ異なるワーク片の配線の一方端に対向しているコアと;
(a-2)前記連結部に巻かれたコイルと;
(a-3)軟質磁性材料からなり、前記ワークの他方側において、前記ワークと平行に配置されて前記コアの2端面の一方から出た磁束をコア端面の他方に導いて磁気回路を形成する磁路形成板と;を備え、前記コアの2端面に対向するワーク片に同時に磁界を印加する磁界印加手段と、(b)前記磁界印加手段に信号を与えて前記磁界を構成する磁束を時間的に変化させる磁界制御手段と、(c)磁束の変化に応じて前記コアの2端面に対向するワーク片の配線間に流れる電流を検出する電流検出手段と、(d)前記電流検出手段により検出される電流に基づき前記コアの2端面に対向するワーク片それぞれについて配線の良否を判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とする基板の配線検査装置。
【請求項18】 前記コアは、前記両脚部と前記連結部とで略U字状の側面断面が形成されるように構成された請求項17記載の基板の配線検査装置。
【請求項19】 第1および第2配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で前記第1および第2配線を検査する基板の配線検査方法であって、磁束を時間的に変化させながら、前記第1および第2配線の一方端側に磁界を印加する磁界印加工程と、磁束の変化に応じて前記第1配線と前記第2配線との間に流れる電流を検出する電流検出工程と、検出結果に基づき前記第1および第2配線の良否を判定する良否判定工程とを備えたことを特徴とする基板の配線検査方法。
【請求項20】 第1および第2配線が良品である基準基板を準備する第1サブ工程と、磁束を時間的に変化させながら、前記基準基板の前記第1および第2配線の一方端側に磁界を印加する第2サブ工程と、磁束の変化に応じて前記第1配線と前記第2配線との間に流れる電流を検出し、その検出値を基準検出値として記憶する第3サブ工程とを備えた基準検出・記憶工程を、さらに備え、前記良否判定工程は、前記電流検出工程による検出結果を前記基準検出値と比較して良否判定する請求項19記載の基板の配線検査方法。
【請求項21】 第1および第2配線が良品である基準基板を準備する第1サブ工程と、磁束を時間的に変化させながら、前記基準基板の前記第1および第2配線の一方端側に磁界を印加する第2サブ工程と、磁束の変化に応じて前記第1配線と前記第2配線との間に流れる電流を検出し、その検出値を基準検出値として記憶する第3サブ工程と、良否判定の基準となる基準抵抗値を記憶する第4サブ工程とを備えた基準検出・記憶工程を、さらに備え、前記良否判定工程は、前記電流検出工程による検出結果と、前記基準検出値とから前記第1および第2配線間の短絡抵抗値を演算し、この短絡抵抗値を前記基準抵抗値と比較して良否判定する請求項19記載の基板の配線検査方法。
【請求項22】 複数のワーク片が平面的に連続して一体に形成された基板において、各ワーク片に形成された第1および第2配線の一方端同士を相互に電気的に接続した状態のまま第1および第2配線を検査する基板の配線検査方法であって、その全体が軟質磁性材料からなり、第1端面を有する第1脚部と、第2端面を有する第2脚部と、両脚部を連結する連結部とを有するコアを準備する第1工程と、前記基板の一方側において、前記コアの2端面をそれぞれ異なるワーク片の第1および第2配線の一方端に対向配置する第2工程と、軟質磁性材料からなる磁路形成板を、前記基板の他方側において、前記基板と平行に配置する第3工程と、前記連結部に巻かれたコイルに信号を与えて前記コアの2端面に対向するワーク片に同時に磁界を印加するとともに、その磁界を構成する磁束を時間的に変化させる第4工程と、磁束の変化に応じて前記コアの2端面に対向するワーク片の第1および第2配線間に流れる電流を検出する第5工程と、前記第5工程で検出される電流に基づき前記コアの2端面に対向するワーク片それぞれについて第1および第2配線の良否を判定する第6工程とを備えたことを特徴とする基板の配線検査方法。
【請求項23】 前記第5工程では、前記コアの2端面に対向するワーク片の各々について各ワーク片の第1および第2配線間に流れる電流を同時に検出し、また、前記第6工程では、前記第5工程で同時検出された検出結果に基づき前記コアの2端面に対向するワーク片の第1および第2配線の良否を同時に判定する請求項22記載の基板の配線検査方法。
【請求項24】 前記第5工程では、前記コアの2端面に対向するワーク片の第1および第2配線間に流れる電流を各ワーク片ごとに順次検出し、また、前記第6工程では、前記第5工程で電流が検出されるごとに、その電流検出の対象となったワーク片の第1および第2配線の良否を判定する請求項22記載の基板の配線検査方法。
【請求項25】 前記第2工程では、前記第6工程によって一対のワーク片に対する配線の良否判定が完了すると、当該一対のワーク片とは異なる一対のワーク片に対して前記コアの2端面を対向させる請求項22ないし24のいずれかに記載の基板の配線検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で各配線を検査する基板の配線検査装置および配線検査方法に関するものである。なお、この発明は、プリント配線基板、フレキシブル基板、多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用のガラス基板、ならびに半導体パッケージ用のフィルムキャリアなど種々の基板上の電気的配線検査に適用でき、この明細書では、それら種々の配線基板を総称して「基板」と称する。
【0002】
【従来の技術】基板には複数の配線からなる配線パターンが形成されており、配線パターンが設計通りに仕上がっているか否かを検査するために、従来より数多くの配線検査装置が提供されている。例えば配線パターンを構成する配線群のうち相互に隣接する配線が短絡しているか否かを検査するために、従来の配線検査装置では、検査対象となる2本の配線を選択し、それら選択端それぞれの一端に導電性スプリングプローブ又は電気端子を押し当てて、両プローブ間に電圧を印加したときに所定の電流が流れるか否かを調べることで、選択配線間の短絡検査を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような短絡検査は、通常、電解メッキなどの手法を用いて基板上に配線パターンを形成した後で、しかも最終製品形状に整える前に行われる。このため、次のような問題を含んでいた。
【0004】配線パターンを形成した直後においては、その配線パターンを構成する全ての配線は電解メッキ用のパターンと電気的に接続されている。したがって、この状態のまま上記短絡検査を行うことは不可能である。そこで、従来では、図21に示すように、基板1の一部11を配線とともに打抜き、配線パターン2を構成する複数、例えば7本の配線21の一方端側(同図の左手側)を電解メッキ用パターン3から電気的に絶縁している。そして、この状態で上記のように7本の導電性スプリングプローブ(同図には、4本のプローブP1〜P4のみを図示している)をそれぞれ対応する配線21の他方端、つまりボールグリッド22に押し当てて短絡検査を行っている。そして、短絡検査の結果、良品と判定された基板について、カッティングライン12(同図の1点鎖線)に沿って基板1を切断し、最終形状のプリント配線基板を得ている。
【0005】したがって、従来の配線検査装置および配線検査方法によって配線21の短絡検査を行うためには、電解メッキ用パターン3から配線21をそれぞれ絶縁させるための打抜き工程が必須となっており、このことがプリント配線基板のコスト増大要因のひとつとなっている。また、打抜き処理のための専用領域を基板1に設ける必要があるため、最終のプリント配線基板に比べて基板サイズが大きくなり、コスト増大を助長している。さらに、近年プリント配線基板の設計上、上記のような打抜き部分を設けることが不可能となってきている。
【0006】そこで、このような問題を一挙に解決すべく、電解メッキ用パターン3を残したままでプリント配線基板を検査することができる配線検査装置および配線検査方法が要望されているが、現在のところ、このような配線検査装置および配線検査方法は存在していない。
【0007】また、このような要望はプリント配線基板に限定されるものではなく、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用のガラス基板においても同様である。すなわち、ガラス基板上には、透明電極が複数本配置されており、これらの透明電極の一方端を相互に電気的接続した状態のまま透明電極群の配線パターンを検査したいという要望があった。
【0008】また、半導体パッケージ用のフィルムキャリアにおいても同様である。すなわち、フィルムキャリア方式の半導体パッケージでは、フィルムキャリア上に、半導体チップに適合した複数の配線が形成されており、これらの配線の一方端を相互に電気的接続した状態のまま配線群の配線パターンを検査したいという要望があった。
【0009】さらに、配線基板の製造においては、生産性向上のために、複数の単位基板を平面的に、一次元又は二次元に連続する一体的な状態で、配線のプリントや蒸着することが行われる。特に、この基板が小さいときや基板がフレキシブルの時には、ある程度の大きさがあった方が扱いやすく、複数一体の製造方法が有効である。
【0010】例えば、第22図に示すように、最終的には個別の単位基板として電気機器などに組み込まれるワーク片WCが複数(図示の例では16)、縦横に配置され一体化されたワークWとして、配線のメッキや蒸着、エッチングなどの配線形成処理が行われる。この場合、ワーク片WCの配線パターンは配線形成処理の直後、相互に接続されていると共に、各ワーク片内の配線同士も互いに接続されている。
【0011】このような基板を、上述のような従来の方法で検査する場合、ワーク片を個々に切り離して配線相互の接続を断ってから検査し、その後にICその他の回路部品を載置することになる。しかし、ワーク片WCを個別に切り離すと、それが、小さい場合やフレキシブルの場合特に作業性が悪い。もし、配線形成処理後の一体的な状態で検査できれば、検査の作業性が向上し、更に、回路部品の載置も基板を一体化した状態で行え、その作業性もよくなる。
【0012】この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で配線の良否を、一方端側での電気的接続を維持したまま、正確に検査することができる基板の配線検査装置および配線検査方法を提供することを第1の目的とする。
【0013】また、この発明は、複数の配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で配線パターンが複数個形成されている場合において、各配線パターンを構成する配線の良否検査を、上記電気的接続を維持したまま、順次正確に検査することができる基板の配線検査装置および配線検査方法を提供することを第2の目的とする。
【0014】さらに、この発明は、複数のワーク片が一次元、二次元等平面的に一体的に連続して一体的に配置され、それらの配線パターンが相互に接続されたワークからなる基板を、ワーク片が一体的な状態で配線検査出来る基板の配線検査装置および配線検査方法を提供することを第3の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の第1態様は、第1配線と第2配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で第1および第2配線を検査する技術に関するものであり、第1および第2配線の一方端側に与える磁界を構成する磁束を時間的に変化させる。ここで、複数の配線中の2本の配線間に電流検出手段を介挿して閉回路を形成しておくと、この閉回路に誘導電流が流れ、その電流値を電流検出手段で検出可能となっている。そして、両配線が短絡していると、その誘導電流の一部が短絡個所で分流し、電流検出手段での検出結果(電流値)が小さくなる。また、少なくとも一方の配線が断線している場合には、誘導電流は流れず、電流検出手段による検出結果(電流値)はゼロとなる。したがって、電流検出手段での検出結果をモニタすることで第1および第2配線の短絡や断線を判定可能となっている。
【0016】尚、検査対象の配線は、最低一対あればよいが、3本以上の場合、検査対象の配線対を順次選べばよく、選ばれた検査対象配線対を第1配線および第2配線と見ればよい。
【0017】この発明の第2態様は、第1および第2配線と、磁界を発生する磁界発生手段とを相対的に位置決めして磁界を構成する磁束に対して第1および第2配線の一方端側を鎖交させる位置決め手段を備えている。そして、第1および第2配線間に電流検出手段を介挿するとともに、鎖交状態のまま磁束を時間的に変化させると、これらの配線間に誘導電流が流れ、その電流値を電流検出手段で検出可能となっている。したがって、上記第1態様にかかる発明と同様に、電流検出手段での検出結果をモニタすることで第1および第2配線の短絡や断線を判定可能となっている。
【0018】また、この発明では、同一あるいは異なる配線パターンが複数個存在する場合には、各配線パターンごとに、位置決め手段によって磁界発生手段と相対的に位置決めした後、上記のようにして当該第1および第2配線の短絡や断線を判定可能となっている。したがって、複数の配線パターンを連続的に検査することができる。
【0019】この発明の第3態様は、第1および第2配線の一方端同士が相互に電気的に接続された状態で第1および第2配線を検査する技術に関するものである。この発明では、電流検出手段が第1配線の他方端と第2配線の他方端との間に介挿されて閉回路を構成するとともに、当該閉回路を流れる電流を検出可能となっている。そして、誘導電流発生手段を作動させることで当該閉回路に誘導電流が発生し、その値が電流検出手段によって検出される。ここで、第1および第2配線が短絡あるいは断線していると、上記したように短絡の場合には検出電流値が低下し、また断線の場合には検出電流値はゼロとなる。したがって、上記した第1態様と同様に、電流検出手段での検出結果をモニタすることで第1および第2配線の短絡や断線を判定可能となっている。
【0020】この発明にかかる第4態様は、配線群を構成する3本以上の配線を、各配線の一方端が相互に電気的に接続された状態で、検査する技術に関するものである。この発明では、選択手段によって配線群のうち2つの配線が検査対象対として選択され、その配線対の一端にに変化する磁界を与えて誘導電流を流し、配線の導通、短絡を検査した後、次の検査対象配線対を選択し、同様の検査し、配線群全てについて良否を判定することができる。
【0021】この発明にかかる第5態様は、複数のワーク片が平面的に連続して一体に形成された基板において、各ワーク片に形成された第1および第2配線の一方端同士を相互に電気的に接続した状態のまま前記第1および第2配線を検査する技術に関するものである。この発明では、磁界印加手段は、(a-1)その全体が軟質磁性材料からなり、第1端面を有する第1脚部と、第2端面を有する第2脚部と、両脚部を連結する連結部とを有し、前記ワークの一方側において、前記コアの2端面をそれぞれ異なるワーク片の配線の一方端に対向しているコアと;(a-2)前記連結部に巻かれたコイルと;(a-3)軟質磁性材料からなり、前記ワークの他方側において、前記ワークと平行に配置されて前記コアの2端面の一方から出た磁束をコア端面の他方に導いて磁気回路を形成する磁路形成板と;を備え、前記コアの2端面に対向するワーク片に同時に磁界を印加する。そして、磁界制御手段が磁界印加手段に信号を与えて磁界を構成する磁束を時間的に変化させるとともに、電流検出手段が磁束の変化に応じて第1配線と前記第2配線との間に流れる電流を検出する。ここで、各ワーク片の配線が短絡あるいは断線していると、上記したように短絡の場合には検出電流値が低下し、また断線の場合には検出電流値はゼロとなる。従って、電流検出手段で、それぞれのワーク片の検出結果をモニターすることで、コアをワークに対して特定の位置に設定した状態で、2つのワーク片の配線の短絡や断線を判定可能となっている。電流の検出については、順次行うか、或いは同時の行うことが可能である。尚、それぞれのワーク片の配線が3本以上の時は、第4の態様の如く順次検査対象配線対を切り替えて検査する。又、複数のワーク片の代わりに、複数のパターンが形成された一つの基板上ついて、2つのパターンを、コアが特定位置に設定された状態で検査することも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる基板の配線検査装置の第1実施形態を示す部分斜視図である。また、図2は図1の配線検査装置の電気的構成を示すブロック図である。この配線検査装置は、これらの図に示すように、配線パターン2を構成する配線21の一方端側(図1の左手側)に磁界を印加する磁界印加部4を備えている。この磁界印加部4は、パーマロイ、フェライト、けい素鋼などの高透磁率を有する軟質磁性材料より構成されたコア41と、その外周部に巻きつけたコイル42とで構成されている。このコア41は、図1に示すように、側断面が6角形であり、しかも配線21の配列方向Xに延びた柱状体となっており、その先端面(第1端面)411がすべての配線21の一方端を覆うように、基板1の主面1aの上方位置に配置されている。
【0023】一方、コイル42は、図2に示すように、交流信号発生回路5と接続されており、装置全体を制御する制御部6からの制御信号に基づき交流信号発生回路5が動作してコイル42に交流信号を供給すると、磁界印加部4は磁界を発生する。このように磁界印加部4は磁界発生手段としても機能し、この磁界印加部4を配線21の一方端側の上方位置に位置決めしておくことで、磁界印加部4から配線21と電解メッキ用パターン3との接続部分の近傍領域R1に向けて磁界が印加され、磁界を構成する磁束が配線21の一方端側と鎖交する。なお、説明の便宜から本明細書では、基板1の主面1aのうち上記のようにして磁界が印加される領域R1を「磁界印加領域」と称する。
【0024】また、配線21の他方端側(図1の右手側)では、各配線21のボールグリッド22に対応して7本の導電性スプリングプローブ(同図には、4本のプローブP1〜P4のみを図示している)が押し付けられている。
【0025】これら7本の導電性スプリングプローブP1〜P7は、図3に示すように、14個のスイッチSW-P1〜SW-P7、SW-M1〜SW-M7からなるマルチプレクサー7を介して電流検出部8に接続されている。このマルチプレクサー7は制御部6からの選択指令に応じて各スイッチSW-P1〜SW-P7、SW-M1〜SW-M7をON/OFF制御し、7本のプローブP1〜P7のうち選択指令に対応する2本のプローブのみを電流検出部8と接続する。より詳しくは、一方のプローブはPシリーズのスイッチSW-P1〜SW-P7のうち当該プローブに対応する番号のスイッチのみを閉成することで選択されるとともに、他方のプローブはMシリーズのスイッチSW-M1〜SW-M7のうち当該プローブに対応する番号のスイッチのみを閉成することで選択される。
【0026】このスイッチ切換制御によって、図4および図5に示すように、電流検出部8、マルチプレクサー7、2本の選択プローブP,P、各プローブP,Pと接続された第1および第2配線21a,21bおよび電解メッキ用パターン3とで閉回路が形成される。そして、交流信号発生回路5から交流信号をコイル42に与えることで、磁界印加領域R1に印加される磁界を構成する磁束を変化させると、その磁束の変化に応じて閉回路に誘導電流が流れ、その電流値が電流検出部8の電流検出器81によって検出される。このように、この実施形態では、交流信号発生回路5が磁界制御手段として機能している。また、この交流信号発生回路5と磁界印加部4とで閉回路に誘導電流を発生させる誘導電流発生手段が構成されている。
【0027】ここで、第1および第2配線21a,21bが短絡していない場合には、図5に示すように、磁束の変化に応じて生じた誘導電流は全て電流検出器81を流れる。一方、図6に示すように、第1および第2配線21a,21bが短絡すると、誘導電流の一部が短絡個所で分流し、電流検出器81に流れる電流値は減少する。したがって、電流検出器81の出力をモニタすることで第1および第2配線21a,21bの間に短絡が生じているか否かを判定することができる。そこで、この実施形態にかかる配線検査装置では、図2に示すように、電流検出部8(電流検出器81)による検出結果をA/Dコンバーター9を介して制御部6に与えている。
【0028】制御部6は、演算処理や比較処理などを実行するCPU61と、A/Dコンバーター9や操作パネル(図示省略)から与えられる値や演算結果などを一時的に記憶するRAM62と、動作プログラムなどを記憶するROM63で構成されており、次に説明する動作手順にしたがって装置各部を制御して配線パターン2の良否を検査する。
【0029】図7は、図1および図2に示す検査装置の動作を示すフローチャートである。以下、この図を参照しつつ検査装置による検査手順について説明する。
【0030】まず、検査対象たる被検査プリント配線基板の検査に先立って、良好な配線パターンを有する基準プリント配線基板を準備し、上記検査装置にセットする(ステップS1)。それに続いて、磁界印加部4が従来より公知のXY位置決め機構によって磁界印加領域R1の直上位置に位置決めされるとともに、それ自体公知の押当機構によって7本の導電性スプリングプローブがそれぞれ対応する配線21のボールグリッド22に押し当てられる。
【0031】そして、制御部6から制御信号が交流信号発生回路5に与えられ、この制御信号に基づき交流信号発生回路5がコイル42に交流信号を供給する。これによって、磁束を時間的に変化させながら、磁界印加部4から磁界印加領域R1に磁界が印加される。また、制御部6はマルチプレクサー7に選択指令を与え、スイッチSW-P1〜SW-P7のうちの1つのスイッチのみを閉じるとともに、スイッチSW-M1〜SW-M7のうちの1つのスイッチのみを閉じることで、7本のプローブP1〜P7のうち選択指令に対応する2本のプローブのみを電流検出部8と接続する。このように、この実施形態では、マルチプレクサー7が本件発明の「選択手段」として機能し、7本の配線21からなる配線群のうち2つの配線を検査対象配線対として選択している。
【0032】こうすることで、電流検出部8、マルチプレクサー7、2本の選択プローブP,P、各プローブP,Pと接続された第1および第2配線21a,21bおよび電解メッキ用パターン3とからなる閉回路が形成される(図4および図5)。その結果、磁界印加領域R1に印加される磁界を構成する磁束の変化に応じて閉回路に誘導電流が流れ、その電流値Isが電流検出部8の電流検出器81によって検出される。この実施形態では、こうして検出される電流値Isを「基準電流値」としてRAM62に記憶する(ステップS2)。
【0033】なお、ここでは、基準電流値をRAM62に記憶しているが、ROM63をEEPROMなどで構成し、基準電流値をROM63に書き込み、検査装置の再起動時においても上記のようにして実測した基準電流値を読み出すように構成してもよい。また、この実施形態では、検査装置で基準電流値を実測しているが、実測する代わりに、制御データや指令などを入力するための操作パネル(図示省略)を介して基準電流値をオペレータが入力し、それをRAM62やROM63に書き込むように構成してもよい。これらの点については、後で説明する実施形態においても同様である。
【0034】上記のようにして基準電流値の記憶(ステップS2)が完了すると、基準プリント配線基板を検査装置から取り外し、被検査プリント配線基板を検査装置にセットし(ステップS3)、制御部6から押当機構に押当指令を与え、7本の導電性スプリングプローブをそれぞれ対応する配線21のボールグリッド22に押し当てる。
【0035】また、制御部6は、XY位置決め機構に位置決め指令を与え、磁界印加部4を磁界印加領域R1の直上位置に位置決めした後、制御信号を交流信号発生回路5に与え、磁界印加領域R1への磁界印加を開始する(ステップS4)。そして、制御部6はマルチプレクサー7に対して最初の2本のプローブ、例えばプローブP1,P2を選択すべき旨の選択指令を与え、7本のプローブP1〜P7のうちプローブP1,P2のみを電流検出部8と接続する(ステップS5)。この結果、電流検出部8、マルチプレクサー7、2本の選択プローブP1,P2、各プローブP1,P2と接続された第1および第2配線21a,21bおよび電解メッキ用パターン3とからなる閉回路が形成される。
【0036】すると、第1および第2配線21a,21bが断線していない場合には、磁界印加領域R1に印加される磁界を構成する磁束の変化に応じて閉回路に誘導電流が流れ、その電流値が電流検出部8の電流検出器81によって検出可能となる(ステップS6)。一方、第1および第2配線21a,21bの少なくとも一方が断線している場合には、閉回路は構成されないため、電流検出器81の検出値はゼロとなる。
【0037】そこで、ステップS7で電流検出器81の検出値がゼロを超えているか否かを判定し、第1および第2配線21a,21bの断線不良を検出している。すなわち、このステップS7で「NO」と判定された場合、つまり検出値がゼロである場合には、第1および第2配線21a,21bの少なくとも一方が断線していることが検出されるため、ステップS8で、断線警告を表示パネル(図示省略)に表示したり、警告通報などを行う。
【0038】一方、ステップS7で「YES」と判定された場合、つまり第1および第2配線21a,21bに断線不良が存在しない場合には、次のステップS9に進み、第1および第2配線21a,21bの短絡不良を判定する。すなわち、ステップS9では、検出値と基準電流値との偏差ΔIが許容範囲であるか否かを判定することで短絡不良を判定している。その理由は、短絡不良が生じていない場合には、図5に示すように、閉回路に流れる誘導電流はすべて電流検出器81に流れるために基準電流値とほぼ一致するのに対し、磁界印加領域R1とボールグリッド22との間において短絡不良が生じている場合には、図6に示すように、誘導電流の一部が短絡箇所で分流し、電流検出器81に流れる電流は誘導電流を下回ってしまうからであり、この実施形態では、この原理を利用している。
【0039】このステップS9で、偏差ΔIが許容範囲にないと判定された場合、つまり短絡不良が発生していると判定されると、短絡警告を表示パネルに表示したり、警告通報などを行った(ステップS10)後、ステップS11に進む。一方、偏差ΔIが許容範囲にあると判定された場合、つまり短絡不良が発生していないと判定されると、ステップS11に進む。
【0040】ステップS11では、互いに隣接する2本の配線の組み合わせについて、その全部に対して上記断線および短絡検査を行ったか否かを判定し、すべての組み合わせについて検査が完了した場合には、検査を完了する。一方、未検査の組み合わせが残っている場合には、ステップS5に戻って、スイッチ切換を行って別の検査対象配線対を選択する。そして、ステップS6〜S11を繰り返して実行し、未検査の組み合わせについても順次検査を行う。
【0041】以上のように、この実施形態では、第1および第2配線21a,21bの一方端側に、時間的に磁束を変化させながら磁界を印加するとともに、磁束の変化に応じて第1配線21aと第2配線21bとの間に流れる電流値を検出し、その検出結果を予め良品配線パターンでの電流値(基準電流値)と比較することで配線パターン2の短絡を判定している。したがって、従来の配線検査装置および配線検査方法では検査のために必須となっていた工程(電解メッキ用パターン3から配線21をそれぞれ絶縁させるための打抜き工程)が不要となり、製造コストを低減させることができる。また、かかる工程を実行することが不可能なプリント配線基板に対して、断線および短絡検査を行うことができる。
【0042】なお、この実施形態では、断線を検出する毎に断線警告を行い(ステップS8)、また短絡を検出する毎に短絡警告を行っている(ステップS10)が、これらの検出結果をRAM62やEEPROMなどの記憶部に記憶しておき、全ての組み合わせについて検査が完了した後で一括して表示したり、プリントアウトするようにしてもよい。また、RAM62に記憶された検査結果に基づき基板1の総合良否判定を行うようにしてもよい。さらに、検査結果を外部記憶媒体に保存したり、プリント配線基板を製造するプリント製造装置に与えるように構成してもよい。これらの点は、後で説明する全ての実施形態においても同様である。
【0043】図8は、この発明にかかる基板の配線検査装置の第2実施形態を示す図である。この配線検査装置が第1実施形態(図4)と大きく相違する点は、電流検出部8において電流検出器81の他に予め抵抗値Rmが既知の規定抵抗82が設けられており、後述するように短絡個所の抵抗値(短絡抵抗値)に基づき短絡不良を検出している点であり、その他の構成は同一であるため、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0044】このように構成された検査装置において、短絡不良を有するプリント配線基板に対して磁束が時間的に変化する磁界を印加すると、誘導電流の一部が図9に示すように短絡個所で分流し、電流検出器81によって検出される電流値Imは、Im=Is−Ie … (1)ただし、Is:誘導電流値Ie:短絡電流値となり、これを変形すると、Ie=Is−Im … (2)となる。
【0045】ここで、短絡抵抗の両端に印加される電圧値をVeとすると、電圧値Veは、Ve=Re×Ie=Rm×Im … (3)ただし、Re:短絡抵抗の抵抗値となる。
【0046】また、短絡抵抗Reについては、Re=Rm×Im/Ie … (4)と表すことができ、さらに式(4)に式(2)を代入することで、Re=Rm×Im/(Is−Im) … (5)が得られる。
【0047】一方、短絡不良が発生していない良品のプリント配線基板(第1実施形態における基準プリント配線基板に相当する)の磁界印加領域R1に同様の磁界を印加すると、電流検出器81によって検出される電流値Imは、Im=Is … (6)となり、誘導電流を直接求めることができる。
【0048】したがって、次のような検査手順でプリント配線基板を検査することで短絡抵抗値Reを求めることができ、より精度の高い検査を行うことができる。以下、図10を参照しつつ、その検査手順について詳述する。
【0049】図10は、図8の配線検査装置によるプリント配線基板の検査手順を示すフローチャートである。まず、第1実施形態と同様に、良好な配線パターンを有する基準プリント配線基板を準備し、上記検査装置にセットした(ステップS21)後、磁束を時間的に変化させながら、磁界印加部4から磁界印加領域R1に磁界を印加するとともに、2本のプローブP,Pのみを電流検出部8と接続して電流検出器81の検出値Imを測定する。このようにして検出された電流値Imは上記したように誘導電流と一致するため、この電流値を「基準電流値」としてRAM62に記憶する(ステップS22)。
【0050】上記のようにして基準電流値の記憶(ステップS22)が完了すると、続いて短絡不良の判断基準となる基準抵抗値を、オペレータが操作パネルを介して入力し、それをRAM62や(EEP)ROM63に書き込む(ステップS23)。なお、この基準抵抗値は後述するように求める短絡抵抗値と比較するものであり、短絡抵抗値が基準抵抗値より小さいと短絡不良が生じていると判定される一方、逆の場合には短絡不良は生じていないと判定される。
【0051】上記のようにして準備工程(基準検出・記憶工程)が完了すると、基準プリント配線基板を検査装置から取り外し、被検査プリント配線基板を検査装置にセットし(ステップS24)、制御部6から押当機構(図示省略)に押当指令を与え、7本の導電性スプリングプローブをそれぞれ対応する配線21のボールグリッド22に押し当てる。
【0052】また、制御部6は、XY位置決め機構(図示省略)に位置決め指令を与え、磁界印加部4を磁界印加領域R1の直上位置に位置決めした後、制御信号を交流信号発生回路5に与え、磁界印加領域R1への磁界印加を開始する(ステップS25)。そして、制御部6はマルチプレクサー7に対して最初の2本のプローブ、例えばプローブP1,P2を選択すべき旨の選択指令を与え、7本のプローブP1〜P7のうちプローブP1,P2のみを電流検出部8と接続する(ステップS26)。この結果、電流検出部8、マルチプレクサー7、2本の選択プローブP1,P2、各プローブP1,P2と接続された第1および第2配線21a,21bおよび電解メッキ用パターン3とからなる閉回路が形成される。
【0053】すると、第1および第2配線21a,21bが断線していない場合には、磁界印加領域R1に印加される磁界を構成する磁束の変化に応じて閉回路に誘導電流が流れ、その電流値が電流検出部8の電流検出器81によって検出可能となる(ステップS27)。一方、第1および第2配線21a,21bの少なくとも一方が断線している場合には、閉回路は構成されないため、電流検出器81の検出値はゼロとなる。
【0054】そこで、ステップS28で、第1実施形態のステップS7と同様に、電流検出器81の検出値がゼロを超えているか否かを判定し、第1および第2配線21a,21bの断線不良を検出している。すなわち、このステップS28で「NO」と判定された場合、第1および第2配線21a,21bの少なくとも一方が断線していることが検出されるため、ステップS29で、断線警告を表示パネル(図示省略)に表示したり、警告通報などを行う。
【0055】一方、ステップS28で「YES」と判定された場合、つまり第1および第2配線21a,21bに断線不良が存在しない場合には、次のステップS30に進み、式(5)に基づき短絡抵抗値Reを演算する(ステップS30)。すなわち、RAM62やROM63から、予め記憶されている規定抵抗の抵抗値(規定抵抗値)Rmおよび基準電流値Isを読み出すとともに、電流検出器81の検出結果(電流値Im)を式(5)に代入して短絡抵抗値Reを演算する。
【0056】そして、ステップS31で短絡抵抗値Reと基準抵抗値との偏差ΔRが許容範囲内にあるか否かを判定することで短絡不良を判定し、偏差ΔRが許容範囲内にないと判定された場合には短絡不良が発生していると判定し、短絡警告を表示パネルに表示したり、警告通報などを行った(ステップS32)後、ステップS33に進む。一方、偏差ΔRが許容範囲内にあると判定された場合には短絡不良が発生していないと判定し、ステップS33に進む。
【0057】このステップS33では、互いに隣接する2本の配線の組み合わせについて、その全部に対して上記断線および短絡検査を行ったか否かを判定し、すべての組み合わせについて検査が完了した場合には、検査を完了する。一方、未検査の組み合わせが残っている場合には、ステップS26に戻り、スイッチ切換制御を行って別の検査対象配線対を選択する。そして、ステップS27〜S33を繰り返して実行して、未検査の組み合わせについても順次検査を行う。
【0058】以上のように、第2実施形態においても、第1および第2配線21a,21bの一方端側に、時間的に磁束を変化させながら磁界を印加するとともに、磁束の変化に応じて第1配線21aと第2配線21bとの間に流れる電流値を検出し、さらに短絡抵抗値Reを求めた後、この演算結果を予め設定している基準抵抗値と比較することで配線パターン2の短絡を判定している。したがって、第1実施形態と同様に、電解メッキ用パターン3を残したままの状態で検査を行うことができる。その結果、従来の配線検査装置および配線検査方法では検査のために必須となっていた工程(電解メッキ用パターン3から配線21をそれぞれ絶縁させるための打抜き工程)が不要となり、製造コストを低減させることができる。また、かかる工程を実行することが不可能なプリント配線基板に対して、断線および短絡検査を行うことができる。
【0059】なお、上記した第1および第2実施形態では7本の配線21の一方端側が電解メッキ用パターン3で電気的に接続された配線パターン2を有するプリント配線基板を検査対象としているが、本発明にかかる配線検査装置および配線検査方法によって検査可能なプリント配線基板はこれに限定されるものではなく、2本以上の配線の一方端側が相互に電気的に接続してなる配線パターンを備えたプリント配線基板全般に対して適用することができる。
【0060】また、上記第1および第2実施形態では、図1に示すように、配線21の配列方向Xに対してほぼ直交する方向Yにおけるコア41の先端部の幅Wが基板1に向かって細くなっているが、コア41の形状はこれに限定されるものではなく、コア41を平板状に仕上げてもよい。ただし、本実施形態にかかるコア41を採用することで、磁界印加領域R1を絞ることができ、次の点で有利である。すなわち、近年、基板1に形成される配線パターン2は微細となっており、磁界印加領域R1が広がってしまうと、検査とは関係のない領域にまで磁界が及んでしまい、検査精度の低下を招いてしまうおそれがある。したがって、磁界印加領域R1を絞ることで、このような問題発生を抑制することができる。
【0061】また、磁界印加領域R1を絞るためには、図11および図12に示すように、基板1を挟んで磁界印加部4の反対側に磁性体からなる磁界規制部43を配置してもよい。また、この磁界規制部43を基板1の法線方向Zに延ばすと、磁界印加領域R1に印加される磁束が法線方向Zに延びて磁界印加領域R1に隣接する領域R2に磁界が及ぶのを抑制することができ、検査精度の向上にとって有利である。
【0062】また、磁界印加部4からの磁束が磁界印加領域R1以外に及ぶのを防止して検査精度を向上させるためには、図11および図12に示すように、磁性体からなるシールド板10を、基板1の表面領域のうち磁界印加領域に対して配線21の他方端側(図11および図12の右手側)に隣接する領域R2と重なり合うように、基板1から離隔して配置してもよい。また、シールド板10を裏面側に配置してもよい。このようにシールド板10を、基板1の表面領域のうち磁界印加領域R1に対して配線21の他方端側に隣接する領域R2と直接あるいは基板1を挟んで重なり合うように配置することによって、領域R2に対してシールド効果が働き、配線21への余分な誘導電流の発生を防止して検査精度を高めることができる。ただし、シールド板10と磁界印加部4とを近接しすぎると、磁界印加領域R1から磁束の一部がシールド板10に流れてしまう。すなわち、シールド板10と磁界印加部4とで磁気回路が形成されてしまう。そのため、磁界印加領域R1に対して配線21の他方端側(図12の右手側)で、しかも磁界印加領域R1に印加される磁束密度を実質上減少させない程度の距離だけ磁界印加部4から離隔配置する必要がある。
【0063】なお、上記のように構成される磁界規制部43やシールド板10を構成する磁性体としては、パーマロイ、フェライト、けい素鋼などの高透磁率を有する軟質磁性材料を用いるのが好ましい。
【0064】ところで、上記第1および第2実施形態では柱状のコア41を磁界印加部4のコア部材として用いているが、コア形状を例えばC字状、U字状、馬蹄形状、半円形状としてもよく、このようにコア形状を工夫することでさらに効率の高い磁気回路を形成することができる。以下、磁界印加部4の改良実施形態について、図13〜図18を参照しながら順次説明する。
【0065】図13は、この発明にかかる基板の配線検査装置の第3実施形態を示す斜視図である。また、図14は図13の部分側面図である。この実施形態では、略C字状の断面を有するコア44が採用されている。このコア44は、第1端面441を有する第1脚部44Aと、第2端面442を有する第2脚部44Bと、両脚部を連結する連結部44Cとを有している。そして、このコア44の第1端面441は第1実施形態と同様にすべての配線21の一方端を覆うように、基板1の主面1aの上方位置に配置される一方、第2端面442は基板1を挟んで第1端面441と対向するように配置されている。そして、このコア44の連結部44Cにコイル42が巻きつけられている。したがって、交流信号発生回路5から磁界印加部4に信号を与えて磁界印加部4を作動させると、図14の破線で示すように、磁束が高透磁率のコア44を集中的に通過して非常に効率の高い磁気回路を形成することができる。その結果、磁界印加によって発生する誘導電流のレベルを高めて検査精度を高めることができる。
【0066】なお、上記実施形態では、配線21が第1端面441と対向するように基板1の主面1aに形成しているが、図15に示すように配線21が反対側の主面1bに形成されている場合であっても上記実施形態と全く同様に配線パターンを検査することができる。このことは、既に説明した第1および第2実施形態や後で説明する実施形態においても全く同様である。
【0067】図16は、この発明にかかる基板の配線検査装置の第4実施形態を示す斜視図である。また、図17は図16の部分側面図である。この実施形態では、略U字状の断面を有するコア45が採用されている。このコア45は、第1端面451を有する第1脚部45Aと、第2端面452を有する第2脚部45Bと、両脚部を連結する連結部45Cとを有している。特に、この実施形態では、各脚部45A,45Bと連結部45Cとがほぼ直交しているが、これらの連結領域が曲線状に形成されていてもよい。この明細書では、「略U字状」とは、文字通りのU字形状と、連結領域を直交させた「コ」形状とを含んでいる。
【0068】そして、このコア45の第1端面451は第1実施形態と同様にすべての配線21の一方端を覆うように、U字状コア45の開口側を基板1の主面1aに向けて配置されている。このようにコア45を配置すると、第2端面452も基板1の主面1aと対向することとなる。ここでは、特に第2端面452が配線21を形成していない領域と対面するように、コア45が位置決めされている。そして、コア45の連結部45Cにコイル42が巻きつけられている。
【0069】一方、基板1を挟んでコア45の反対側では、平板状の磁路形成板110が基板1とほぼ平行に配置されている。この磁路形成板110はパーマロイ、フェライト、けい素鋼などの高透磁率を有する軟質磁性材料で形成されている。したがって、交流信号発生回路5から磁界印加部4に信号を与えて磁界印加部4を作動させると、図17の破線で示すように、磁束が高透磁率のコア45および磁路形成板110を集中的に通過して非常に効率の高い磁気回路を形成することができる。その結果、磁界印加によって発生する誘導電流のレベルを高めて検査精度を高めることができる。
【0070】また、第2端面452は、配線21が形成されていない基板表面領域と対向しており、配線21への余分な誘導電流の発生を防止して検査精度を高めることができる。また、磁路形成用に板状部材を用いることで、磁路形成部材が占める基板下部のスペースが節約でき、装置の設計がやりやすくなる。なお、図18に示すように、第2端面452が磁路形成板110と直接対向するようにコア45を位置決めするようにしてもよい。
【0071】図19は、この発明にかかる基板の配線検査装置の第5実施形態を示す図である。この基板の配線検査装置では、XY位置決め機構120が設けられ、基板1と、当該基板1の下面1b側に配置された磁路形成板110とを一体的にXY平面内で移動させる。一方、基板1の上面1a側には、図16〜図18に示すように構成された磁界印加部4が固定配置されている。したがって、装置全体を制御する制御部6からの制御信号に基づきXY位置決め機構120が作動すると、基板1および磁路形成板110が一体的に移動してコア45に対して基板1を相対的に位置決めすることができる。実際の検査にあたっては、図17や図18に示すようにコア45の第1端面451が配線21の一方端に対向するように基板1を位置決めする。
【0072】この磁界印加部4のコイル42は、交流信号発生回路5と接続されており、装置全体を制御する制御部6からの制御信号に基づき交流信号発生回路5が動作してコイル42に交流信号を供給すると、磁界印加部4から磁界が発生する。その結果、図17や図18に示すように、磁束が高透磁率のコア45および磁路形成板110を磁路とする磁気回路が形成される。そして、上記第1実施形態と同様に、当該配線パターン2についての断線および短絡検査を行う。
【0073】すなわち、制御部6はマルチプレクサー7に対して選択指令を与えて2本のプローブ(検査対象配線対)を選択的に電流検出部8と接続する。この結果、電流検出部8、マルチプレクサー7、2本の選択プローブ、各プローブと接続された第1および第2配線および電解メッキ用パターンとからなる閉回路が形成される。そして、磁界印加領域R1(図17、図18)に印加される磁界を構成する磁束の変化に応じて閉回路に流れる誘導電流をモニタすることで検査対象配線対の断線・短絡を検査する。なお、検査原理については、第1および第2実施形態と全く同一であるため、ここでは、その説明を省略する。
【0074】そして、1つの検査対象配線対についての検査が完了すると、マルチプレクサ−7のスイッチ群の切換を行って別の検査対象配線対を選択し、未検査の組み合わせについても順次検査を行う。
【0075】また、1つの配線パターン2についての検査が完了すると、XY位置決め機構120を作動させて基板1に形成されている別の配線パターン2をコア45に対して相対位置決めする。そして、上記と同様にして検査を行う。
【0076】以上のように、第5実施形態では、基板1を磁界印加部4に対して相対的に移動させることで各配線パターン2ごとにコア45と相対的に位置決めした後、上記のようにして当該配線パターン2の短絡や断線を判定している。したがって、複数の配線パターン2を連続的に検査することができ、検査効率を高めることができる。
【0077】また、第5実施形態にかかる配線検査装置を用いることで、例えば図22に示すワークWについても、ワーク片WCを分離することなく、各ワーク片WCの配線21を検査することができる。また、その後で各ワーク片WCを用いたチップ状電子部品の製造、ならびに当該電子部品の電子装置への組み込みを行うことができる。具体的には、次のようにして検査・製造などの一連の組立処理を行うことができる。
【0078】まず、基板1上に同一の配線パターン2をマトリックス状に形成することで、複数のワーク片WCを有するワークWが得られる。そして、このワークWを図19の配線検査装置に所定位置にセットした後、上記のようにXY位置決め機構120で位置決めしながら、各ワーク片WCの配線21の良否を検査する。そして、良品と判定されたワーク片WCに対して半導体製品を実装した後、ワーク片WCを切り離す。これによって、チップ状電子部品が得られ、これを電子製品に組み込むことが可能となる。したがって、電子部品の製造・組立を効率良く行うことができるという優れた効果が得られる。
【0079】なお、ここでは、例えば図22に示すように配線パターン2をマトリックス状に形成し、各配線パターン2でワーク片WCを構成したワークWを検査対象としているが、基板1上に互いに異なる配線パターンが形成されたワークについても、本発明を適用することができることはいうまでもない。
【0080】ところで、第5実施形態では図16に示すコア45を用いているが、他のコア41,44を用いてもよく、同様にして基板1に形成された複数のワーク片WCの配線を順次検査することができる。ただし、図16のコア45を用いた場合には、次のような特有の効果が得られる。以下、図20を参照しつつ説明する。
【0081】図20は、この発明にかかる第5実施形態の改良例を示す図である。この改良例では、コア45の両端面451,452は基板1(ワークW)に形成されたワーク片WC(WC1,WC2)のそれぞれの磁界印加部に対向するよう、所定の間隔W2だけ離隔して設けられている。したがって、基板1および磁路形成板110をコア45に対して相対的に移動させることで、図20に示すように、隣接するワーク片WC1,WC2のうち一方のワーク片WC1の配線21に対して第1端面451を対向させると同時に、他方のワーク片WC2の配線21に対して第2端面452を対向させることができる。そして、この位置決め後、それぞれのワーク片WC1,WC2の配線のポールグリッド又は電流検出部に検査プローブを押し当て、制御部6からの制御信号に基づき交流信号発生回路5を動作させてコイル42に交流信号を供給すると、磁界印加部4から磁界が発生する。その結果、同図に示すように、磁束が高透磁率のコア45および磁路形成板110を磁路とする磁気回路が形成される。その結果、ワーク片WC1の配線21が磁界印加領域Raで磁束と鎖交するとともに、ワーク片WC2の配線21が磁界印加領域Rbで磁束と鎖交する。
【0082】そこで、この改良例では、まずワーク片WC1の配線21について上記と同様にして断線・短絡検査を行った後、基板1を移動させることなく、ワーク片WC2の配線21について上記と同様にして断線・短絡検査を行う。このように、この改良例によれば、1回の基板位置決め操作で、2つのワーク片WC1,WC2についての配線検査を連続して行うことができ、配線検査の効率を向上させることができ、検査時間を短縮することができる。
【0083】上記のようにして、一対のワーク片WC1,WC2に対する検査が完了すると、基板1を移動させて別の一対のワーク片とコア45とを位置決めした後、上記と同様にして当該ワーク片についても検査を行う。このような操作を繰り返すことで、ワークW全体について検査を行うことができる。
【0084】なお、第5実施形態およびその改良例では、基板1を移動させることで磁界印加部4に対して位置決めしているが、基板1を固定しておき磁界印加部4を移動させて位置決めしたり、基板1および磁界印加部4をともに移動させて相対的に位置決めするようにしてもよい。
【0085】また、第5実施形態およびその改良例では、隣接した一対のワーク片に対してコア45を位置決めしているが、ワーク片の大きさ、それらワーク片上の配線パターンの形状、特に、磁界印加部の相互間隔と、コア端面の設計上取りうる大きさや間隔に応じて、一つ跳び或いは二つ跳び等、相互に離れたワーク片の対にコア端面を同時に対向させるようにしてもよい。
【0086】また、上記改良例では、コア45に対してワーク片WC1,WC2を位置決めした後、これらのワーク片WC1,WC2を順番に検査しているが、上記したようにコイル42に交流信号を供給すると、両ワーク片WC1,WC2に対して磁界が同時に印加されるため、各ワーク片WC1,WC2の配線検査を同時に検査を行うようにしてもよい。つまり、配線21に流れる誘導電流を検出する検出手段(マルチプレクサ−7、電流検出部8およびA/Dコンバータ9)を2つ用意することで、各ワーク片WC1,WC2の配線21を流れる誘導電流を同時に検出するとともに、それらの検出結果に基づき各ワーク片WC1,WC2の配線21の良否を同時に判定することができ、配線検査時間のさらなる短縮を図ることができる。ただし、ここでは、2つの検出手段が必要となるため、装置コストの面から見れば、上記改良例の方が優れているといえる。
【0087】なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、プリント配線基板1を検査対象としているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、フレキシブル基板や多層配線基板に対しても本発明を適用することができる。また、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用のガラス基板には、複数本の透明電極からなる配線パターンが形成されているが、これに対して本発明を適用することができる。また、半導体パッケージ用のフィルムキャリアを基板とし、これに配線パターンを形成したものについても本発明を適用することができる。さらに、リードフレームは鉄ニッケル合金や同合金などで形成された薄金属板を例えばプレス加工して形成したものであり、基板は存在しないが、プリント配線基板や液晶ディスプレイ用ガラス基板などと同様に複数の配線の一方端同士を電気的に接続してなる配線パターンを有する。したがって、本発明を適用することで、当該配線パターンの検査を行うことができる。
【0088】また、上記実施形態では、交流信号を磁界印加部4に与えることで磁界印加領域R1,Ra,Rbに印加される磁界を構成する磁束を時間的に変化させているが、交流信号の形状は正弦波、三角波、台形波および矩形波などを任意である。また、交流信号の代わりに、直流信号を磁界印加部4に与えるとともに、その直流信号の電位をステップ状に変化させることで磁束を瞬間的に変化させるようにしてもよい。
【0089】また、上記実施形態では、例えば図1に示すように、基板1の裏面側に形成されたボールグリッド22に導電性スプリングプローブPを押し当てることで電気的に接続しているが、ボールグリッド22が基板1の表面側に形成されている場合には、プローブPを基板表面側からボールグリッド22に押し当てればよい。
【0090】また、上記実施形態では、配線パターンの良否判定項目として、断線および短絡判定が実行されているが、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
【0091】
【発明の効果】以上のように、この発明の第1態様によれば、第1および第2配線の一方端側に、時間的に磁束を変化させながら磁界を印加するとともに、磁束の変化に応じて第1配線と第2配線との間に流れる電流を検出し、その検出結果をモニタすることで第1および第2配線の短絡や断線を判定しているので、第1および第2配線の一方端を相互に電気的に接続したままの状態で検査を行うことができ、次のような具体的効果が得られる。すなわち、従来の配線検査装置および配線検査方法では検査のために必須となっていた配線間を絶縁させるための工程が不要となり、製造コストを低減させることができる。また、かかる工程を実行することが不可能な基板に対して、断線および短絡検査を行うことができる。
【0092】また、この発明の第2態様によれば、第1および第2配線と、磁界を発生する磁界発生手段とを相対的に位置決めして磁界を構成する磁束に対して第1および第2配線の一方端側を鎖交させるとともに、これらの配線間に流れる誘導電流の値をモニタすることで第1および第2配線の短絡や断線を判定しているので、第1および第2配線の一方端を相互に電気的に接続したままの状態で検査を行うことができ、上記第1態様と同様の効果が得られる。
【0093】それに加え、この第2態様によれば、同一あるいは異なる配線パターンが複数個存在する場合には、各配線パターンごとに、位置決め手段によって磁界発生手段と相対的に位置決めした後、上記のようにして当該第1および第2配線の短絡や断線を判定可能となっている。したがって、複数の配線パターンのそれぞれについて、各配線パターンを構成する配線の良否を連続的に検査することができる。
【0094】また、この発明の第3態様によれば、電流検出手段を第1配線の他方端と第2配線の他方端との間に介挿して閉回路を構成するとともに、誘導電流発生手段を作動させることで当該閉回路に誘導電流を発生させ、その電流値を電流検出手段で検出することで第1および第2配線の短絡や断線を判定しているので、第1および第2配線の一方端を相互に電気的に接続したままの状態で検査を行うことができ、上記第1態様と同様の効果が得られる。
【0095】また、この発明にかかる第4態様によれば、選択手段によって、3本以上の配線からなる配線群のうちの2本を検査対象配線対として選択し、その一方端側に変化する磁束を与え、それによって検査対象配線対に流れる誘導電流を電流検出手段によって検出し、次に、別の検査対象配線対に切り替え、同様に誘導電流を検出し、以下、同様に、配線群の全ての配線対について、順次切り替えながら、電流検出を行うので、配線群の一方の端子同士が相互に接続された状態で全ての配線について検査を行うことができる。
【0096】さらに、この発明にかかる第5態様によれば、磁界印加手段を、(a-1)その全体が軟質磁性材料からなり、第1端面を有する第1脚部と、第2端面を有する第2脚部と、両脚部を連結する連結部とを有し、前記ワークの一方側において、前記コアの2端面をそれぞれ異なるワーク片の配線の一方端に対向しているコアと、(a-2)前記連結部に巻かれたコイルと、(a-3)軟質磁性材料からなり、前記ワークの他方側において、前記ワークと平行に配置されて前記コアの2端面の一方から出た磁束をコア端面の他方に導いて磁気回路を形成する磁路形成板とで構成し、第1および第2配線パターンに同時に磁界を印加しているので、次のような作用効果が得られる。すなわち、磁界印加手段に信号を与えて磁界を構成する磁束を時間的に変化させるとともに、電流検出手段が磁束の変化に応じてワーク片の配線間に流れる電流(誘導電流)を検出し、各ワーク片の配線の短絡や断線を判定しているので、複数のワーク片の配線を効率良く検査することができる。
【出願人】 【識別番号】392019709
【氏名又は名称】日本電産リード株式会社
【出願日】 平成11年12月7日(1999.12.7)
【代理人】 【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−41994(P2001−41994A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−347386