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【発明の名称】 回路基板検査装置の制御方法
【発明者】 【氏名】池田 健司

【氏名】新海 成典

【氏名】滝沢 恒明

【要約】 【課題】基板検査台が回転制御可能である場合において、その実際の回転中心位置を演算により正確に求める。

【解決手段】被検査回路基板が載置され、X−Y方向に移動可能なテーブルと、上記被検査回路基板に接触するプローブピンを有し、上記テーブルに対して垂直な回転軸線を中心として回転可能な基板検査台6と、上記テーブル面上を撮像するカメラおよびその画像処理手段とを含み、基板検査台6の設計上の回転中心位置と実際の回転中心位置との差を求めて、テーブルの移動量などを制御する場合において、基板検査台6に1本の打痕用プローブピンを取り付けて360゜回転させ、その間に、打痕用プローブピンにより3点の打痕1〜3を付け、カメラおよび画像処理手段により求められた3点の打痕座標データから、円の公式により基板検査台6の実際の回転中心位置を算出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査回路基板が載置されるテーブルと、同テーブルをX軸方向およびY軸方向に移動させるテーブル移動手段と、上記テーブルの移動範囲内の所定位置に設けられ、上記被検査回路基板に対して選択的に接触するプローブピンを着脱自在として有する基板検査台と、同基板検査台を上記テーブルに対して垂直な回転軸線を中心として回転させる回転駆動手段と、上記テーブル面上を撮像するカメラおよびその画像処理手段と、上記テーブル移動手段、上記基板検査台および上記回転駆動手段の各動作を制御する制御手段とを備え、上記基板検査台の設計上の第1回転中心位置と実際に回転させた際の第2回転中心位置との差を求めて、上記テーブルの移動量などを制御する回路基板検査装置の制御方法において、上記基板検査台に1本の打痕用プローブピンを取り付けた状態で、上記制御手段から上記テーブル移動手段に上記第1回転中心位置の座標データを与えて上記テーブルを上記基板検査台の位置にまで移動させた後、上記回転駆動手段により上記基板検査台を360゜回転させるとともに、その間に、上記打痕用プローブピンにより上記テーブル面上に3点の打痕を付け、上記カメラにより上記テーブル面を撮像して上記画像処理手段により上記3点の打痕座標データを求め、上記制御手段にてそれらの各打痕座標データから円の公式により上記第2回転中心位置の実測座標を算出して、上記基板検査台の設計上の第1回転中心位置と実際に回転させた際の第2回転中心位置との差を求めることを特徴とする回路基板検査装置の制御方法。
【請求項2】 上記打痕用プローブピンにより上記テーブル面上に3点の打痕を付けるにあたって、その各打痕を120゜間隔とすることを特徴とする請求項1に記載の回路基板検査装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路基板検査装置の制御方法に関し、さらに詳しく言えば、被検査回路基板をX−Yテーブルに載せて基板検査台に運んで検査する回路基板検査装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回路基板検査装置には大きく分けて、ピンボート式とX−Y式とがある。ピンボード式によれば、一度に多点の検査を行なうことができるため、検査基板数が多い場合に好適とされている。反面、基板の種類が変わるごとに高価なピンボードを作製する必要がある。
【0003】これに対して、X−Y式は2〜3本のプローブピンをあらかじめプログラムされた位置(座標)データに基づいて検査個所に移動させて検査を行なうものであるため、高価なピンボードが不要であり、検査基板数が比較的少ない場合に好適とされている。しかしながら、1枚の基板検査にかかる時間が長くなる。
【0004】このように両方式は一長一短である。そこで、折衷案的な方式として、X−Yテーブル式のものがある。これは、特に多面取り回路基板の検査に向いており、図3の概略的な模式図により、その基本的な構成について説明する。
【0005】すなわち、X−Yテーブル式回路基板検査装置1は、X軸方向に配置されたX軸移動手段2と、Y軸方向に配置されたY軸移動手段3とを備えている。X軸移動手段2およびY軸移動手段3は、送りねじ軸もしくはリニアガイドレールなどからなり、それぞれ駆動手段としての例えばサーボモータ2a,3aにより、その送りが制御される。
【0006】この例では、Y軸移動手段3がX軸移動手段2によりX軸方向に移動されるようになされており、そのY軸移動手段3に被検査回路基板Dが載置されるテーブル4が取り付けられている。したがって、制御手段としてのCPU(central processing unit)5により所定の位置データに基づいてサーボモータ2a,3aを駆動制御することにより、テーブル4がX−Y方向に動かされる。
【0007】テーブル4の移動範囲が図3の鎖線枠内であるとすると、その範囲内の所定位置に基板検査台6が設けられている。図4に示されているように、基板検査台6には複数のプローブピン6aが植設されたピンボード6bが着脱可能に取り付けられている。
【0008】被検査回路基板Dが複数の回路基板形成領域を有する多面取り回路基板の場合には、ピンボード6bは1つの回路基板形成領域に対応する大きさもしくは複数の回路基板形成領域に跨る大きさのいずれかとされる。
【0009】この回路基板検査装置1によれば、被検査回路基板(多面取り回路基板)Dはテーブル4上に載置された状態で、X−Y式のようにX軸移動手段2およびY軸移動手段3により基板検査台6の下方位置にまで運ばれる。そして、基板検査台6により、ピンボード式の検査が行なわれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年ますます回路パターンが高精細化されてきており、これに伴なってテーブル4や基板検査台6などの各構成要素にもμ単位での高い位置精度が要求されている。
【0011】このような高い位置精度を実現するためには位置補正が必要とされる。その一例として、基板検査台6に対して、テーブル4もしくはそれに載置される被検査回路基板Dの位置に回転ずれがある場合のことを考慮して、図4のように、基板検査台6に回転軸6cを介して図示しないモータを連結して、適宜基板検査台6を回転させて位置補正ができるようにしている。なお、回転軸6cはテーブル4に対して垂直である。
【0012】ここで問題となるのは、組み立て誤差などにより、基板検査台6の設計上での回転中心位置と実際の回転中心位置とがずれてしまうことである。したがって、あらかじめその位置ずれ分をオフセットとして測定しておく必要がある。
【0013】そのため従来では、図5に示されているように、中心に1本の打痕用プローブピン7aを有するオフセット取得用治具7を基板検査台6の回転中心位置に合わせて取り付け、その打痕用プローブピン7aにてテーブル4上に置かれた打痕シート4aに打痕を付ける。
【0014】そして、テーブル4とともに打痕シート4aを撮像手段としての例えばCCDカメラ8の下にまで移動させて打痕を撮像し、図示しない画像処理手段により打痕位置の座標データを求め、設計上での回転中心位置と実際の回転中心位置とのずれ量(オフセット量)を得るようにしている。
【0015】しかしながら、これには次のような課題がある。すなわち、この測定はオフセット取得用治具7の中心に打痕用プローブピン7aが正確に取り付けられていること、また、オフセット取得用治具7の中心と基板検査台6の回転中心とが正確に一致していることが前提とされるが、これらの位置合わせ作業は人手によるものであるため完全とは言えない。仮に、完全な位置合わせが可能であるにしても、それにはかなりの熟練と労力が要求される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的は、基板検査台が回転制御可能である場合において、その実際の回転中心位置を演算により求められるようにした回路基板検査装置の制御方法を提供することにある。
【0017】上記目的を達成するため、本発明は、被検査回路基板が載置されるテーブルと、同テーブルをX軸方向およびY軸方向に移動させるテーブル移動手段と、上記テーブルの移動範囲内の所定位置に設けられ、上記被検査回路基板に対して選択的に接触するプローブピンを着脱自在として有する基板検査台と、同基板検査台を上記テーブルに対して垂直な回転軸線を中心として回転させる回転駆動手段と、上記テーブル面上を撮像するカメラおよびその画像処理手段と、上記テーブル移動手段、上記基板検査台および上記回転駆動手段の各動作を制御する制御手段とを備え、上記基板検査台の設計上の第1回転中心位置と実際に回転させた際の第2回転中心位置との差を求めて、上記テーブルの移動量などを制御する回路基板検査装置の制御方法において、上記基板検査台に1本の打痕用プローブピンを取り付けた状態で、上記制御手段から上記テーブル移動手段に上記第1回転中心位置の座標データを与えて上記テーブルを上記基板検査台の位置にまで移動させた後、上記回転駆動手段により上記基板検査台を360゜回転させるとともに、その間に、上記打痕用プローブピンにより上記テーブル面上に3点の打痕を付け、上記カメラにより上記テーブル面を撮像して上記画像処理手段により上記3点の打痕座標データを求め、上記制御手段にてそれらの各打痕座標データから円の公式により上記第2回転中心位置の実測座標を算出して、上記基板検査台の設計上の第1回転中心位置と実際に回転させた際の第2回転中心位置との差を求めることを特徴としている。
【0018】このようにして、本発明によれば、基板検査台を1回転させて、テーブル面上(好ましくはテーブルに置かれた打痕シート)に3点の打痕を付けるだけで、その後は演算処理により、基板検査台の実際の回転中心位置が求められる。したがって、人手による誤差が介入される余地がなく、正確なオフセットデータが得られる。なお、打痕用プローブピンによりテーブル面上に3点の打痕を付けるにあたっては、計算誤差を最小限に止める上で、その各打痕を120゜間隔とすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に示されている実施例により説明する。図1は、この実施例の概略的な模式図であり、先に説明した図3の従来例と同一もしくは同一と見なされる部分にはそれと同じ参照符号が付されている。
【0020】この回路基板検査装置10においても、X軸移動手段2とY軸移動手段3とを備えている。各移動手段2,3は、例えばサーボモータ2a,3aなどにより駆動される送りねじ軸もしくはリニアガイドレールなどであってよい。
【0021】被検査回路基板Dが載置されるテーブル(X−Yテーブル)4はY軸移動手段3側に取り付けられている。この実施例では、Y軸移動手段3がX軸移動手段2によりX軸方向に移動可能となっているが、テーブル4をX軸移動手段2側に設けるとともに、X軸移動手段2をY軸移動手段3によりY軸方向に移動可能としてもよい。
【0022】いずれにしても、テーブル4の移動範囲内の所定位置に基板検査台6が設けられている。この基板検査台6は、先に図4で説明したのと同じ構成であり、モータにより回転軸6cを介して回転駆動されるとともに、その下面にはピンボード6bが着脱自在に取り付けられる。
【0023】基板検査台6および移動手段の各サーボモータ2a,3aは制御手段としてのCPU5により、その動作が制御される。この他に、本発明においては、カメラ(例えばCCDカメラ)11およびその画像処理手段12が用いられる。カメラ11は、好ましくは基板検査台6に隣接して配置され、テーブル4の基板載置面を撮像する。画像処理手段12にて処理された画像データ(座標データ)がCPU5に送られる。
【0024】本発明によれば、次のようにして基板検査台6の実際の回転中心位置(第2回転中心位置)が求められるとともに、その実際の回転中心位置と設計上の回転中心位置(第1回転中心位置)とのずれ量(オフセット量)が算出される。
【0025】まず、図5に示されているのと同じく、基板検査台6に1本の打痕用プローブピン7aを有するオフセット取得用治具7を取り付ける。この場合、打痕用プローブピン7aをオフセット取得用治具7の中心に必ずしも正確に合わせる必要はなく、また、オフセット取得用治具7の中心と基板検査台6の中心も必ずしも正確に合わせる必要はない。ともにラフな位置合わせであってよい。
【0026】他方において、テーブル4上には、図5に示されているのと同じく、打痕シート4aを貼着する。次に、CPU5から各サーボモータ2a,3aに対して、基板検査台6の設計上の回転中心位置の座標データを与えて、テーブル4を基板検査台6の下方にまで移動させる。なお、便宜的に設計上の回転中心位置の座標を(A,B)とする。
【0027】その後、図示しないモータにより基板検査台6を360゜回転させる。図2において、基板検査台6の実際の回転中心位置をOとして、そこから打痕用プローブピン7aが距離rだけ偏心しているとすると、打痕用プローブピン7aは図示鎖線の円形軌跡を描く。
【0028】本発明によると、基板検査台6が1回転する間に、同基板検査台6が3回下降し、打痕シート4a上に3個の打痕1〜3を付ける。この実施例では、120゜の間隔で打痕1〜3が付けられる。
【0029】次に、テーブル4がカメラ11の下方位置に移動され、同カメラ11により打痕シート4aに付けられた3個の打痕1〜3が撮像される。そして、画像処理手段12により、その各打痕1〜3についての座標データが求められ、その各座標データがCPU5に送られる。
【0030】CPU5においては、各打痕1〜3の座標データにより、「円の公式」に基づいて、その中心位置を算出する。ここで、円の中心座標が(a,b)で、その半径がrであるとすると、求める円の公式は、(x−a)+(y−b)=r……■で表される。
【0031】各打痕1〜3の座標を(x,y),(x,y),(x,y)として、各打痕1〜3が同一円周上にあるならば、(x−a)+(y−b)=r……■(x−a)+(y−b)=r……■(x−a)+(y−b)=r……■がそれぞれ成り立つ。
【0032】上記式■−■により、 (x+x)(x−x)−2a(x−x)+(y+y)(y−y)−2b(y−y)=0……■ 上記式■−■により同様に、 (x+x)(x−x)−2a(x−x)+(y+y)(y−y)−2b(y−y)=0……となる。
【0033】そして、上記式■×(y−y)−上記式■×(y−y)なる演算を実行することにより、a={(x+x)(x−x)(y−y)−(x+x)(x−x)(y−y)+(y−y)(y−y)(y−y)}/{2(x−x)(y−y)−2(x−x)(y−y)}
として、中心座標が(a,b)中のaが求められる。
【0034】また、上記式■×(x−x)−上記式■×(x−x)なる演算を実行することにより、b={(x−x)(x−x)(x−x)+(y+y)(y−y)(x−x)−(y+y)(y−y)(x−x)}/{2(y−y)(x−x)−2(y−y)(x−x)}
として、中心座標が(a,b)中のbが求められる。
【0035】CPU5は、このようにして基板検査台6の実際の回転中心位置の座標(a,b)を算出した後、設計上の回転中心位置(A,B)と実際の回転中心位置の座標(a,b)との差を求めて、これをオフセット値としてメモリ内に保持する。そして、以後はこのオフセット値にてテーブル4の移動量などを補正する。
【0036】以上、本発明を具体的な実施例により説明したが、当業者であるならば容易に思い付くであろう変形、改変、均等技術はすべて本発明に含まれる。例えば、上記実施例ではCPU5と画像処理手段12とを別のブロックとして示されているが、これを一つのマイクロコンピュータで置き換えることは可能である。
【0037】また、上記実施例では、テーブル4上に打痕シート4aを置いているが、打痕シート4aの代わりに例えばスプレーなどによりテーブル4上に薄い塗膜を形成するようにしてもよい。場合によっては、テーブル4上にじかに打痕を付けるようにしてもよい。X軸移動手段2およびY軸移動手段3の駆動源をサーボモータ2a,3aとしているが、駆動源はこれに限定されない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、基板検査台を360゜回転させ、その間に3点の打痕を打たせるだけの操作で、実際の回転中心位置およびそのオフセット量が正確に求められる。したがって、基板検査台に対するX−Yテーブルの高精度の位置決めを行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
【出願日】 平成11年7月29日(1999.7.29)
【代理人】 【識別番号】100083404
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
【公開番号】 特開2001−41992(P2001−41992A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−214531