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【発明の名称】 抵抗測定装置
【発明者】 【氏名】松井 孝博

【要約】 【課題】微小抵抗値を、高い精度で計測できる抵抗測定装置を提供する。

【解決手段】疑似ノイズ発生回路1からの疑似ノイズ信号と同一の波形となっている被測定抵抗体Rの両端間電位差信号と、当該電位差信号に位相を合わせている上記疑似ノイズ信号とを相関回路4に与えて、この相関回路4で自己相関を得て、これに基づいて上記被測定抵抗体Rの抵抗値を求めるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ノイズ信号或いは疑似ノイズ信号等の信号波を送出する信号発生回路部と、上記信号発生回路部からの信号波を入力し、当該信号波と同一波形の定電流を被測定抵抗体の両端間に流す定電流回路と、上記信号発生回路部からの上記信号波を入力し、これに所定の遅延を与えた信号波(以下、遅延信号という)を送出する遅延回路と、上記被測定抵抗体の上記両端間の電位差(以下、電位差信号という)および上記遅延回路からの遅延信号を取込み、両者の間の自己相関を計算して相関波形信号を得て、当該相関波形信号を送出する相関回路と、上記相関回路からの相関波形信号を取込み、当該相関波形信号を表示する表示装置とを備えることを特徴とする抵抗測定装置。
【請求項2】 請求項1記載の抵抗測定装置において、上記相関回路と上記表示装置との間に、当該相関回路側から順に、ローパスフィルターおよび増幅器を挿入接続したことを特徴とする抵抗測定装置。
【請求項3】 請求項2記載の抵抗測定装置において、上記遅延回路を、以下のような自動可変遅延回路とし、即ち、下記の位相ずれ対応信号に基づいて、上記相関回路が取込んだ上記電位差信号と上記遅延信号との間の位相のずれ(以下、位相ずれという)が少なくなる方向に、遅延時間を自動的に調節する自動可変遅延回路とし、更に、上記増幅器の出力信号を取込み、これに基づいて、上記位相ずれに応じた位相ずれ対応信号を送出する位相ずれ検出回路が追加されていることを特徴とする抵抗測定装置。
【請求項4】 上記位相ずれ検出回路が、ディレードロックドループ或いはタウディザーリングになっていることを特徴とする請求項3記載の抵抗測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗測定装置に係り、特に、微弱な抵抗値を計測するのに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微弱抵抗の計測には、図2に示すような回路構成の抵抗測定装置が用いられてきた。同図において、発振器10は、常時、所定周波数の正弦波信号を送出する回路部である。定電流回路11は、上記正弦波信号を取込み、当該正弦波信号に周波数および位相が等しい定電流を、被測定抵抗体Rの両端間に流す回路である。同期検波回路12は、上記発振器10からの正弦波信号と、上記被測定抵抗体Rの両端間の電位差に係る信号とを取込み、両者の積を得て、当該積に係る信号(直流成分と上記正弦波信号の2倍周波数成分とからなる)を送出する回路である。ローパスフィルター13は、上記同期検波回路12からの上記信号から上記2倍周波数成分を除いて上記直流成分のみを送出するが、この直流成分は、直流増幅器14で増幅されて表示部15に表示される。
【0003】ところで、ローパスフィルター13から送出される上記直流成分即ち同期検波回路12の出力信号中の直流成分は、発振器10から送出される上記正弦波信号の振幅値X(既知)と、定電流回路11から被測定抵抗体Rに流される電流の振幅値Y(既知)と、被測定抵抗体Rの抵抗値との積になっている。このため、上記直流増幅器14の増幅率を考慮した上で上記表示部15から読取った電圧を、上記振幅値Xと振幅値Yとの積で除すことにより、被測定抵抗体Rの抵抗値を求められることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような抵抗測定装置を用いた場合、計測対象が微小な抵抗値の抵抗のときでも、同期検波回路12での検波動作により、ノイズの低減等が行われて、比較的精度の高い抵抗値が得られるが、この高精度にも限度がある。本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、微小抵抗値を、一層、高い精度で計測できる抵抗測定装置の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、抵抗測定装置を以下のように構成した。すなわち、ノイズ信号或いは疑似ノイズ信号等の信号波を送出する信号発生回路部と、上記信号発生回路部からの信号波を入力し、当該信号波と同一波形の定電流を被測定抵抗体の両端間に流す定電流回路と、上記信号発生回路部からの上記信号波を入力し、遅延信号を送出する遅延回路と、前記電位差信号および上記遅延回路からの遅延信号を取込み、両者の間の自己相関を計算して相関波形信号を得て、当該相関波形信号を送出する相関回路と、上記相関回路からの相関波形信号を取込み、当該相関波形信号を表示する表示装置とを備える構成にした。
【0006】請求項2の発明では、請求項1記載の抵抗測定装置の上記相関回路と上記表示装置との間に、当該相関回路側から順に、ローパスフィルターおよび増幅器を挿入接続した。
【0007】請求項3の発明では、請求項2記載の抵抗測定装置の上記遅延回路を、以下のような自動可変遅延回路とし、即ち、下記の位相ずれ対応信号に基づいて、前記位相ずれが少なくなる方向に、遅延時間を自動的に調節する自動可変遅延回路とし、更に、上記増幅器の出力信号を取込み、これに基づいて、上記位相ずれに応じた位相ずれ対応信号を送出する位相ずれ検出回路を追加した。
【0008】請求項4の発明では、上記請求項3記載の抵抗測定装置の上記位相ずれ検出回路を、ディレードロックドループ或いはタウディザーリングにした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の一形態に基づいて本発明を具体的に説明する。図1は、本実施の形態の構成を示すものである。当該図1において、疑似ノイズ発生回路1は、所定の疑似ノイズ信号(系列)を繰返して送出し続ける回路である。定電流回路2は、上記疑似ノイズ発生回路1からの疑似ノイズ信号を入力し、当該信号と同一波形の定電流を被測定抵抗体Rの両端間に流す回路である。自動可変遅延回路3は、上記疑似ノイズ発生回路1からの疑似ノイズ信号を入力し、これに遅延を与えた前記遅延信号を送出する回路であるが、後述のディレードロックドループ8よりの位相ずれ対応信号に基づいて、位相ずれ(上記相関回路4においての、上記電位差信号と当該自動可変遅延回路3からの遅延信号との間の位相のずれ)が少なくなる方向に、遅延時間を自動的に調節する。
【0010】相関回路4は、上記電位差信号および上記自動可変遅延回路3からの遅延信号を取込み、両者の間の自己相関を計算して相関波形信号を得て、当該相関波形信号を送出する回路である。ローパスフィルター5は、上記相関波形信号を入力して、当該相関波形信号から高周波ノイズを除いた上で送出する回路であり、直流増幅器6は、ローパスフィルター5からの上記相関波形信号を増幅する直流増幅器である。また、表示部7は、直流増幅器6で増幅された上記相関波形信号を取込み、当該相関波形信号を表示する表示回路部である。そしてディレードロックドループ8は、直流増幅器6で増幅された上記相関波形信号を取込み、この信号のレベルから、前記位相ずれに応じた位相ずれ対応信号を得て、当該位相ずれ対応信号を、上記自動可変遅延回路3に、送出する回路である。
【0011】以上のように構成された上記実施の形態においては、疑似ノイズ発生回路1からの疑似ノイズ信号パターンに等しい定電流が定電流回路2から送出されて、この定電流が被測定抵抗体Rに流れ、当該定電流と当該被測定抵抗体Rの抵抗値との積になっている前記電位差信号(定電流回路2等で拾う一般のノイズ等を無視すると上記疑似ノイズ信号パターンに等しい信号パターンになっている)が、相関回路4に与えられる。また、自動可変遅延回路3は、ディレードロックドループ8からの前記位相ずれ対応信号を得て、これに基づいて、疑似ノイズ発生回路1からの上記疑似ノイズ信号に所定の遅延(上記電位差信号が相関回路4に与えられる時点は、疑似ノイズ発生回路1での疑似ノイズ発生時点から僅かながら時間経過が有ると考えられるが、当該時間経過に等しいものになっている)を与えて相関回路4に送出す。
【0012】上記のようにして、相関回路4には、上記疑似ノイズ信号パターンに等しい信号パターンになっている上記電位差信号と、この電位差信号と位相差がない遅延信号すなわち上記疑似ノイズ信号そのものとが与えられる。そして相関回路4は、与えられた両信号間の自己相関を得て、当該自己相関に係る相関波形信号(ほぼ直流状態の信号波となる)を送出する。そして、当該相関波形信号は、ローパスフィルター5を経て直流増幅器6で増幅されて、表示部7に表示されると共に、前記位相ずれを検出するためにディレードロックドループ8へも与えられる。
【0013】被測定抵抗体Rの抵抗値を得るには、直流増幅器6の増幅率を考慮して、表示部7より相関回路4で得られた自己相関値(被測定抵抗体Rの抵抗値と、定電流回路2からの定電流値に依存する比例定数との積になっている)を読取り、その上で当該自己相関値を上記比例定数で除すことにより求める。
【0014】以上のように、当該実施の形態では、相関回路4において、自己相関を得ることにより、前記疑似ノイズに乗っている被計測抵抗体Rの抵抗値に係る情報以外の一般のノイズ等を除いているので、極めて高い精度で、上記抵抗値を計測できることになる。なお、本願発明の範囲は、上記実施の形態に限定されず、種々変形応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、前記位相ずれ検出回路として、ディレードロックドループ8を用いたが、これをタウディザーリングにしても良いことは無論である。また、当該実施の形態では、前記位相ずれをなくすために自動可変遅延回路3を用いたが、これを手動の可変遅延回路としてもよい。この場合は、表示部7に表示される相関波形信号のレベルが最高のものになるように遅延時間を手動で調節することになる。更に、当該遅延時間を把握でき、かつ定電流回路2より相関回路4までの結線長および疑似ノイズ発生回路1より相関回路4までの結線長を変化させないときには(即ち抵抗計測の度に、各回路間を接続する結線の長さを変えないときには)、可変ではなく上記把握できた遅延時間だけ固定的に遅延する遅延回路にしても良いことは勿論である。
【0015】
【発明の効果】以上詳述したように、本願発明によると、微小抵抗値を、高い精度で計測できる抵抗測定装置の提供を可能とする。
【出願人】 【識別番号】597110076
【氏名又は名称】株式会社ウェルパインコミュニケーションズ
【出願日】 平成11年8月3日(1999.8.3)
【代理人】 【識別番号】100101225
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 凡雄
【公開番号】 特開2001−41986(P2001−41986A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−220350