トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 多目的形電力量・流量計
【発明者】 【氏名】野上 利明

【氏名】高野 晃久

【要約】 【課題】広い設置スペースを必要とせず、かつ低コスト化を図って、複数の回路の電力量と複数の回路の流体量とを同時系列的に演算計量することのできる多目的形電力量・流量計を実現する。

【解決手段】電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量をパルス数に変換する流体量検出手段、前記パルス数を積算するパルス積算手段、電力量を積算する電力量積算手段、前記パルス積算手段と前記電力量積算手段とに、同一時間信号を送るタイミング制御手段を有し、かつ複数の検出手段と回路切換手段、計量手段、演算手段の構成により、設置スペースを小さくし、低コスト化が図れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量をパルス数に変換する流体量検出手段と、前記パルス数を積算するパルス積算手段と、電力量を積算する電力量積算手段と、前記パルス積算手段と前記電力量積算手段とに同一時間信号を送るタイミング制御手段を有する多目的形電力量・流量計。
【請求項2】 電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量を計量する流体量計量手段とを備え、前記電力量と前記流体量とを同一時間軸にて所定期間の演算積算を行う演算積算処理部を有する多目的形電力量・流量計。
【請求項3】 演算積算処理部を1つの筐体に配置した請求項2記載の多目的形電力量・流量計。
【請求項4】 電圧と電流とから電力量を計量する電力計量手段と、流体量を計量する流体計量手段と、流体量をパルス数に変換する流体量検出手段と、前記パルス数を積算するパルス積算手段と、前記電力量と前記流体量とを同一時間軸にて所定期間の演算積算を行う演算積算処理部とを有し、前記演算積算処理部を1つの筐体に配置し、前記流体量検出手段を筐体の外部に配置し、前記パルス積算手段を筐体の内部に配置し、前記流体量検出手段と前記パルス積算手段とを接続する配管接続部を前記筐体壁面に設けた多目的形電力量・流量計。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の回路におけるそれぞれの電力量と気体あるいは液体等の流体量を計量する多目的形電力量・流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生産に必要なエネルギーは、電力および液体(加圧エアー、水、ガス、あるいはガス等)が使われている。省エネルギーを実現するためには、これらの一元管理が必要である。
【0003】特に原単位管理(生産高に対するエネルギーの消費割合のことで、エネルギー消費量を生産高で除したもの)のためには、製品を生産するために費やされた、これらのエネルギーの使用量を一元的に管理することが必要である。
【0004】従来、複数の回路におけるそれぞれの電力量の計量を行うには、図8に示すように、各回路に電力量計を設けていた。
【0005】図8は従来の電力量計を用いて、複数の回路を計量する場合の構成図であり、図8において、12は従来の電力量計、121は電圧・電流検出手段、122は電力量計量手段、123は表示手段である。電圧・電流検出手段121にて検出された出力は、電力量計量手段122にて、電力量を求め、この求めた電力量が表示手段123に表示される。
【0006】一方、複数の回路のそれぞれの流体量の計量を行うには、図9に示すように、各回路に流体量計を設けていた。
【0007】図9は従来の流体量計を用いて、複数の回路を計量する場合の構成図であり、図9において、13は従来の流体量計、131は流体量検出手段、132は流体量計量手段、133は表示手段である。流体量検出手段131にて検出された出力は、流体量計量手段132にて流体量を求め、この求めた流体量が、表示手段133に表示される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成では、複数の回路の電力量を計量するためには、計量する被計量回路毎に、1つ電力量計12を設けなければならないため、電力量計を複数取り付けるための広いスペースが必要となり、また被計量回路と同数の電力量計12が必要であり、コスト的にも大きなものとなる。
【0009】一方、流体量を計量するためにも、被計量回路毎に、1つ流体量計13を設けなければならないため、流体量を複数取り付けるための広いスペースが必要となり、また被計量回路と同数の流体量計13が必要であり、コスト的にも大きなものとなる。
【0010】また、一般的に被計量対象エネルギーは、複数の種類の構成(例えば、電力と流体加圧エアー、水、あるいはガス等)となっており、その複数の種類の被計量対象のエネルギーの時系列的な使用量の分析が、省エネルギーを実現する上で、必要不可欠であるにもかかわらず、かかる分析を実現する手段がなかった。このため、個々の被計量対象エネルギーの時系列的な計量を、個々の計量手段を用いて順次行い、さらに、相関連する被計量対象エネルギーの計量結果を解析するというように、複数の計量機器と人的作業が必要であり、きわめて繁雑となっていた。また人的作業を伴うために、間違いも発生しやすい状況であった。
【0011】すなわち、流量が変化している状態での消費電力、すなわち、時間的な、ダイナミックな変化を測定するためには、従来は、電力計、流量計それぞれの測定器を用いて、時間変化を測定することになるが、それぞれの測定器の時間軸(開始時刻)を合致させるために、図10に示すように両方を同時に起動させるための制御装置を準備する必要がある。あるいは、それぞれレコーダで測定したグラフを図10に示したグラフのように、同一時間になるように重ね合わせるなどの後処理が必要、また、流量、電力量ともに、時間的な変動が多すぎると、数値が上下に振動するために、適当な平均値処理を行う必要があった。
【0012】本発明はこれらの課題を解決するもので、電力計量手段、流体量計量手段、両者を積算する積算手段、前記積算手段に積算期間を与える時間信号制御手段を設けることによって、電力と流量を同一時間軸上に、平均化処理(一定時間による積算)を行うことによって、両者の時間的変化を測定する手段を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を解決するために、第1手段として、電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量をパルス数に変換する流体量検出手段と、前記パルス数を積算するパルス積算手段と、電力量を積算する電力量積算手段と、前記パルス積算手段と前記電力量積算手段とに同一時間信号を送るタイミング制御手段を有するものである。
【0014】また、第2手段として、電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量を計量する流体量計量手段とを備え、前記電力量と前記流体量とを同一時間軸にて所定期間の演算積算を行う演算積算処理部を有するものである。
【0015】また、第3手段として、第2手段において、演算積算処理部を1つの筐体に配置したものである。
【0016】また、第4手段として、電圧と電流とから電力量を計量する電力計量手段と、流体量を計量する流体計量手段と、流体量をパルス数に変換する流体量検出手段と、前記パルス数を積算するパルス積算手段と、前記電力量と前記流体量とを同一時間軸にて所定期間の演算積算を行う演算積算処理部とを有し、前記演算積算処理部を1つの筐体に配置し、前記流体量検出手段を筐体の外部に配置し、前記パルス積算手段を筐体の内部に配置し、前記流体量検出手段と前記パルス積算手段とを接続する配管接続部を前記筐体壁面に設けたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】上記構成により、本発明の多目的形電力量・流量計は、電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量を計量する流体量計量手段とをそなえ、前記電力量と前記流体量とを同時系列で演算計量することができる。
【0018】以下、本実施の形態について、図1を参照しながら、説明する。
【0019】図1は、この発明の多目的形電力量・流量計の構成を示すブロック図である。
【0020】図1において、1は被計量回路(回路1〜回路N)毎に設けた電圧検出手段1aおよび電流検出手段1bからなる電圧電流検出手段、2は入力回路切換手段、3は電力量計量手段、4は回路毎電力量演算手段である。5は被計量回路(回路1〜回路N)毎に設けた流体量検出手段、6は流体回路切換手段、7は流体量計量手段、8は回路毎流体量演算手段である。
【0021】切換手段9は、入力回路切換手段2と流体回路切換手段6とを切換える手段であり、電圧電流検出手段1と、流体量検出手段5との入力を切換えるものである。これにより、電圧電流検出手段1の信号か、流体量検出手段5の信号かが、それぞれ入力回路切換手段2および流体回路切換手段6を経て、この切換手段9により検出され、よって電圧電流検出手段1と、流体量検出手段5の入力の同時系列処理(同一時間軸処理を言う。以下同様)を行う。
【0022】計量手段切換部10は、電力量計量手段3と流体量計量手段7とを切換えるものであり、切換手段9の信号により、電力量計量手段3と流体量計量手段7との入力を切換える。これにより、電力量か流量体のいずれかの信号が、電力量計量手段3または、流体量計量手段7を経て、この計量手段切換部10により検出され、よって電圧電流検出手段1と、流体量検出手段5の入力の同時系列処理を行う。
【0023】演算連結部11は、回路毎電力量演算手段4と回路毎流体量演算手段8とを連結して、演算を行うものであり、計量手段切換部10の信号を受けて、電力量か流体量かのいずれかの信号に処理された情報が、回路毎電力量演算手段4または、回路毎流体量演算手段8を経て、この演算連結部11により処理され、よって、電圧電流検出手段1と流体量検出手段5の入力の同時系列処理を行う。
【0024】電力量積算手段15は回路毎電力量演算手段4の電力量を積算する手段であり、パルス積算手段17は、回路毎流体量演算手段8により得られた流体量をパルスとして積算する手段である。
【0025】タイミング制御手段16は、前記電力量積算手段15と前記パルス積算手段17とに同一時間信号を送る手段である。
【0026】さらに実施の形態について、図2を参照しながら説明する。図2において、21は電力被計量回路であり、22は回路毎に設けた、検出部22a、A/D変換手段22b、および演算手段22cからなる電力量計量手段である。
【0027】電圧・電流検出部、アナログ・デジタル変換手段、演算手段などより成り、電圧と電流を入力とし、これらの位相差も検出しながら、電力値に比例したデジタル値を出力する。
【0028】図2において、31は流体量被計量回路であり、32は回路毎に設けた、検出部32a、A/D変換手段32b、および演算手段32cからなる流体量計量手段である。
【0029】流量検出部、アナログ・デジタル変換部、演算部などより成り、測定する流量に比例したデジタル値を出力する。
【0030】積算手段23は、前記電力量計量手段22にて計量された電力量、および前記流体量計量手段32にて計量された流体量を積算する手段であり、積算期間設定手段25により、所定期間の演算積算を行い、出力手段24を介して、前記電力量と前記流体量に比例したデジタル値を出力する。
【0031】図3では、それぞれの被計量回路(電力または流量)毎に、検出部、A/D変換部を設けているか、アナログマルチプレクサのような信号切換手段を設けることによって、検出部、あるいはA/D変換部の数を減らすことも可能である。
【0032】被計量回路が複数(回路1〜回路N)の場合の実施形態を図3に示す。構成は図2と同様である。
【0033】流量検出部は、実施の形態として、流体流路に設けた羽根車を用いることができる。この羽根車に取り付けられたスリットを切った円板の回転に応じ、スリットを通る光の断続を電気信号に変換する、光センサーより構成することができる。 実施の形態を図4を用いて説明する。
【0034】流路61に設けた流量検出部60は、羽根車62を有し、この羽根車に取付けられた、スリット63を切った円板64の回転に応じ、スリット63を通る光の断続を電気信号に変換する光センサー65より構成することができる。
【0035】別の実施の形態としては、超音波を用いたものとすることもできる。
【0036】あるいは、電磁起電力を用いたこともできる。
【0037】また、A/Dコンバータとしては、半導体で構成された一般のA/Dコンバータを用いることができる。
【0038】これらはいずれも、測定しようとする電力、および流量を演算可能な値、すなわちデジタルに変換する。
【0039】積算手段23は、前記電力量および流量を、任意時間の間積算するもので、カウンターあるいは、加算器などにより構成される。
【0040】これら両者の積算手段の積算期間を与えるために、両者に共通の積算期間設定手段25を有する点が本発明のポイントである。
【0041】積算期間設定手段は、1秒あるいは0.1秒など任意の時間を発生するタイマー回路を有し、あらかじめ任意に定められた、積算期間毎に前記積算手段に信号を出力する。この積算期間の開始、終了は、手動によるスイッチ入力とすることも可能である。
【0042】あるいは、測定した電圧または流量、あるいは積算値などが所定の値に達した時に開始又は終了とすることもできる。
【0043】積算手段は、前記積算期間設定手段からの信号にもとづいて、その期間内の積算値(前記電力量計量手段および流量計量手段の出力の積算)を出力手段に出力する。出力手段24は、メモリーあるいは、表示手段、あるいはパソコンへの出力インターフェイスなどより成る出力手段で、前記積算手段の出力を外部に出力するものである。
【0044】本実施の形態により、得られた電力量・流量のグラフの例を図5に示す。
【0045】このように、本実施の形態の多目的形電力量・流量計によれば、電力量と流体量とを同時系列で演算計量するので、電力量と流体量の時系列的な解析に有効な情報を提供することができる。また前述したように、電力量計および流量計の切換手段と演算手段とを用いることにより、小スペースかつ低コストで複数の回路の電力量と流体量とを計量することが可能となる。
【0046】図6は本発明の実施の形態の外観図を示している。
【0047】筐体40の内部に図1で示した各構成手段を格納し、筐体前面部41には、窓42、43、44を設け、それぞれ電力量計量手段の出力、回路毎流体量演算手段の出力、あるいは、電力量積算装置などの出力を表示するとともに、これらあるいはその他の出力を演算処理するためのパソコン45を筐体40の上面に配置するための平坦部46を設けている。また筐体40の下部には台車47をとりつけて、可動となっている。このように、1体に構成することによって、必要な場所で簡単に測定することができる。
【0048】また、図7は本発明の他の実施の形態の外観を示している。
【0049】50は筐体で、筐体内に、図2又は図3におけるA/D変換部、演算部、積算手段、積算期間設定手段などを格納している。筐体表面51に設けた窓52、53、54には、演算部の出力、積算手段の出力などを表示している。本実施の形態では、流体検出部57を筐体内に設けるのではなく、配管58の途中に設けるようにしたものである。一般に流体は長い流路を作ると抵抗が増えて流量が減少する。このために、本実施の形態では、流体検出部は本来の配管内に配設できるように筐体から外したものである。検出部の出力である検出信号59を筐体内のA/D変換部に接続する。
【0050】この実施の形態により、流体配置の流路抵抗の増加を最小限におさえて測定することができる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電圧と電流とから電力量を計量する電力量計量手段と、流体量を計量する流体量計量手段とをそなえ、前記電力量と前記流体量とを、同時系列で演算計量するので、電力量と流体量の時系列的な解析に有効な情報を提供するとともに、小スペースかつ低コストの多目的形電力量・流量計を提供できる。
【0052】具体的には、下記のような効果を提供できる。
【0053】1.電力量・流量を同一時間での演算値として、同一時間軸で出力するので、電力消費量・流体消費量のダイナミックな相関を検出することができる。
【0054】2.積算期間を可変とするので、測定対象に合ったように、ノイズを除いた平均値的な処理を行うことができる。
【0055】3.電力・流体消費を一元的に管理できる。
【0056】(データをとった後、重ね合わせるなどの後処理が不要)
4.データがデジタル化されているので、データ解析・保存が容易である。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年7月30日(1999.7.30)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−41985(P2001−41985A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−217109