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【発明の名称】 測定装置
【発明者】 【氏名】古平 明

【要約】 【課題】短時間で入力レンジを切替制御することが可能な測定装置を提供する。

【解決手段】切替制御された入力レンジに応じた所定の変換率で測定対象信号SM を電圧変換する入力レンジ切替器2と、入力レンジ切替器2に対して測定対象信号SM の電圧値に応じた入力レンジに切替制御するレンジ切替制御回路9とを備えている測定装置1において、測定対象信号SM のピーク電圧VP を検出するピーク電圧検出回路4を備え、レンジ切替制御回路2は、検出されたピーク電圧VP の入力が許容可能な入力レンジに決定する第1の処理を実行し、入力レンジ切替器2に対して決定した入力レンジに切替制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 切替制御された入力レンジに応じた所定の変換率で測定対象信号を電圧変換する入力レンジ切替器と、前記入力レンジ切替器に対して前記測定対象信号の電圧値に応じた入力レンジに切替制御するレンジ切替制御回路とを備えている測定装置において、前記測定対象信号のピーク電圧を検出するピーク電圧検出回路を備え、前記レンジ切替制御回路は、前記検出されたピーク電圧の入力が許容可能な前記入力レンジに決定する第1の処理を実行し、前記入力レンジ切替器に対して前記決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする測定装置。
【請求項2】 前記測定対象信号を実効値電圧に変換する変換回路を備え、前記レンジ切替制御回路は、前記変換された実効値電圧の入力がその上限値から下限値までの定格電圧範囲内に収まる前記入力レンジに決定する第2の処理を実行し、前記入力レンジ切替器に対して当該決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】 前記レンジ切替制御回路は、前記第2の処理によって決定した前記入力レンジに優先して、前記入力レンジ切替器に対して前記第1の処理によって決定した前記入力レンジに切替制御することを特徴とする請求項2記載の測定装置。
【請求項4】 前記レンジ切替制御回路は、前記入力レンジ切替器に対して、前記変換された実効値電圧がレンジ定格電圧の概ね90%以内となる前記入力レンジに切替制御することを特徴とする請求項2または3記載の測定装置。
【請求項5】 前記レンジ切替制御回路は、前記変換された実効値電圧がレンジ定格電圧の概ね90%以内となる前記入力レンジが複数存在するときには、最小の入力レンジに決定し、前記入力レンジ切替器に対して当該決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする請求項4記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流計、電圧計、電力計、マルチメータおよび波形記録装置などの測定装置に関し、詳しくは、入力レンジ切替器の入力レンジを自動切替可能に構成された測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の測定装置は、一般的に、測定値の読取精度を向上すべく、読取りに最適な入力レンジを複数の入力レンジから自動選択するというオートレンジ機能を有している。図3に示す電流計21は、このオートレンジ機能を実行可能に構成されており、レンジ切替器2、入力オーバ検出回路22、A/D変換器6および制御回路23を備えている。
【0003】レンジ切替器2は、制御回路23から出力される制御信号SC に従って、例えば、100mA以下、200mA以下、500mA以下、1A以下、2A以下および5A以下の各入力レンジのいずれか1つに切替制御可能に構成されており、電圧変換回路と、実効値変換回路とを備えている。この場合、電圧変換回路は、制御信号SC によって切替制御可能な複数の抵抗で構成され、切り替えられた抵抗の抵抗値に応じた変換率で、入力した測定対象信号SM を電圧変換する。また、実効値変換回路は、電圧変換された測定対象信号SM を実効値に変換する。また、このレンジ切替器2では、入力される測定対象信号SM に対する動作許容ピーク電圧が各入力レンジのレンジ定格電圧(例えば1A以下の入力レンジであれば1Aに対応する電圧)の例えば6倍までと規定されており、その電圧以下のときには、測定対象信号SM の入力波形をクリップすることなく電圧変換する。
【0004】入力オーバ検出回路22は、制御回路23によるレンジ切替器2に対する入力レンジの切替制御に連動して切替制御され、測定対象信号SM がレンジ切替器2における入力レンジの動作許容ピーク電圧を超えたときに、入力オーバを意味する検出信号SD を制御回路23に出力する。
【0005】この電流計21では、オートレンジ機能実行時に、制御回路23が図4に示すレンジ決定処理を実行する。なお、電源投入時には、レンジ切替器2は、直前に切替制御された入力レンジ、または初期設定時の入力レンジに維持されているものとする。この処理では、まず、測定対象信号SM がレンジ切替器2に入力されると、レンジ切替器2が、その入力レンジに応じた変換率で測定対象信号SM を電圧変換すると共に実効値に変換する。次いで、A/D変換器6が、実効値に変換された測定対象信号SM をアナログ−ディジタル変換することにより測定データDM を生成して制御回路23に出力する。同時に、入力オーバ検出回路22が、測定対象信号SM のピーク値がレンジ切替器2における入力レンジの動作許容ピーク電圧を超えるか否かを監視する。
【0006】この場合、制御回路23は、測定データDM が入力されると(ステップ31)、まず、検出信号SD に基づいて入力レンジを切替制御する(ステップ32)。具体的には、制御回路23は、入力オーバ検出回路22から検出信号SD が出力されたときには、制御信号SC を出力することにより、レンジ切替器2に対して入力レンジを1つレンジアップさせ、検出信号SD が出力されなくなるまで、この処理を実行する。
【0007】一方、検出信号SD が出力されなくなったときには、制御回路23は、測定データDM の電圧値が、その入力レンジの上限値(例えば、レンジ定格電圧の120%)を超えるか否かを判別する(ステップ33)。上限値を超えると判別したときには、制御回路23は、レンジ切替器2の現在の入力レンジが最大レンジか否かを判別し(ステップ34)、最大レンジでないと判別したときには、レンジ切替器2に対して制御信号SC を出力することにより、その入力レンジを1つレンジアップさせる(ステップ35)。一方、ステップ34において最大レンジであると判別したときには、このレンジ決定処理を終了する。
【0008】また、ステップ33において、上限値を超えないと判別したときには、制御回路23は、その入力レンジの下限値(例えば、レンジ定格電圧の30%)を下回るか否かを判別する(ステップ36)。下回ると判別したときには、制御回路23は、レンジ切替器2の現在の入力レンジが最小レンジか否かを判別し(ステップ37)、最小レンジでないと判別したときには、レンジ切替器2に対して制御信号SC を出力することにより、その入力レンジを1つ下の入力レンジにレンジダウンさせる(ステップ38)。一方、ステップ36において下限値を下回らないと判別したとき、つまり、測定対象信号SM がレンジ定格電圧の30%から120%までの定格電圧範囲内であると判別したとき、またはステップ37において最小レンジであると判別したときには、このレンジ決定処理を終了する。
【0009】また、制御回路23は、入力レンジをレンジアップしたとき(ステップ35)、または入力レンジをレンジダウンしたとき(ステップ38)には、ステップ32〜38を繰り返し実行する。これにより、オペレータが何ら切替操作を行うことなく、電流計21が、測定対象信号SM の入力電圧に応じて、自動的に最適な入力レンジに切り替える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電流計21には、以下の問題点がある。すなわち、従来の電流計21では、制御回路23がレンジ切替器2の入力レンジを1つずつレンジアップ制御またはレンジダウン制御を行い、その都度、測定対象信号SM が、その入力レンジの動作許容ピーク電圧を超えたか否か、およびその入力レンジの定格電圧範囲内か否かを判別している。したがって、その切替制御および判別処理に時間を要するため、レンジ切替器2に入力レンジが数多く設けられている場合、従来の電流計21には、レンジ切替器2の入力レンジを測定対象信号SM の電圧値に適した入力レンジに切替制御するまでに長時間を要しているという問題点がある。特に、例えば、数多くの測定対象電子機器について待機電流と通常作動時の消費電流とを繰り返し測定する場合には、待機電流を測定するための小さめの入力レンジと、消費電流を測定するためのやや大きめの入力レンジとを交互に切り替える場合、入力レンジを何度もレンジアップ制御またはレンジダウン制御を行わなければならないため、検査コストが高騰している。
【0011】また、例えば、定格電流範囲が0.3A〜1.2Aの1A以下の入力レンジ、および定格電流範囲が0.6A〜2.4Aの2A以下の入力レンジのように、互いに隣り合う2つの入力レンジの間で、定格電流範囲が重なり合うことがある。このような場合に、測定対象信号SM が下側の入力レンジの上限値を上下するときには、その2つの入力レンジが制御回路23によって頻繁に切替制御されてしまうという問題点もある。
【0012】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、短時間で入力レンジを切替制御することが可能な測定装置を提供することを主目的とし、入力レンジの頻繁な切替動作を防止し得る測定装置を提供することを他の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、切替制御された入力レンジに応じた所定の変換率で測定対象信号を電圧変換する入力レンジ切替器と、入力レンジ切替器に対して測定対象信号の電圧値に応じた入力レンジに切替制御するレンジ切替制御回路とを備えている測定装置において、測定対象信号のピーク電圧を検出するピーク電圧検出回路を備え、レンジ切替制御回路は、検出されたピーク電圧の入力が許容可能な入力レンジに決定する第1の処理を実行し、入力レンジ切替器に対して決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする。この場合、ピーク電圧の入力が許容可能な最大の入力レンジから最小の入力レンジまでのいずれか1つに予め規定しておけばよいが、最小の入力レンジに規定しておくことで、最も読取精度を高めることが可能となる。
【0014】請求項2記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、測定対象信号を実効値電圧に変換する変換回路を備え、レンジ切替制御回路は、変換された実効値電圧の入力がその上限値から下限値までの定格電圧範囲内に収まる入力レンジに決定する第2の処理を実行し、入力レンジ切替器に対して決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする。
【0015】請求項3記載の測定装置は、請求項2記載の測定装置において、レンジ切替制御回路は、第2の処理によって決定した入力レンジに優先して、入力レンジ切替器に対して第1の処理によって決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする。
【0016】請求項4記載の測定装置は、請求項2または3記載の測定装置において、レンジ切替制御回路は、入力レンジ切替器に対して、変換された実効値電圧がレンジ定格電圧の概ね90%以内となる入力レンジに切替制御することを特徴とする。なお、本明細書では、入力レンジ定格電圧とは、その入力レンジの標準電圧をいうものとする。例えば上記1Aの入力レンジであれば、入力レンジ定格電圧は1Aに対応する電圧となる。また、入力レンジの上限値および下限値とは、その入力レンジの入力電圧として適した電圧を意味し、一般的には、上限値は、入力レンジ定格電圧の120%の電圧に対応し、下限値は、入力レンジ定格電圧の30%の電圧に対応する。なお、上限値および下限値は、この例に限らず、レンジ切替器2の内部構成に応じて適宜規定することができる。
【0017】請求項5記載の測定装置は、請求項4記載の測定装置において、レンジ切替制御回路は、変換された実効値電圧がレンジ定格電圧の概ね90%以内となる入力レンジが複数存在するときには、最小の入力レンジに決定し、入力レンジ切替器に対して決定した入力レンジに切替制御することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に係る測定装置を電流計に適用した実施の形態について説明する。なお、電流計21と同一の構成要素については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0019】電流計1は、図1に示すように、レンジ切替器2、実効値変換回路3、ピークホールド回路4、入力切替回路5、A/D変換器6、データ入力回路7、メモリ8および制御回路9を備えて構成されている。この場合、メモリ8は、測定データDM を記憶する測定データ記憶領域8a、後述する実効値データを記憶する実効値データ記憶領域8b、測定対象信号SM の最大瞬時値(ピーク電圧)を記憶するピーク電圧データ記憶領域8c、およびレンジ切替器2の各入力レンジにおける下限値から上限値までの定格電圧範囲などを記憶する記憶領域を備えて構成されている。なお、電流計としては、実際には、入力した測定対象信号SM の電圧値に基づいて電流値を演算する演算回路、および演算した電流値を表示する表示部を備えているが、その図示および説明を省略する。
【0020】レンジ切替器2は、測定対象信号SM を入力レンジに応じた所定の変換率で電圧変換する回路であって、制御回路9から出力される制御信号SC1に従って、複数の入力レンジのうちの1つに切替制御される。なお、この電流計1における入力レンジは、特に限定されないが、例えば、電流計21と同じように、6つに予め規定されているものとする。実効値変換回路3は、本発明における変換回路に相当し、レンジ切替器2の最大入力レンジにおける変換率、もしくはその変換率よりも大きな変換率で測定対象信号SM を電圧変換すると共に、その変換した測定対象信号SM をさらに実効値信号SPRに変換する。ピークホールド回路4は、本発明におけるピーク電圧検出回路に相当し、例えば、測定対象信号SM を平均値全波整流する平均値全波整流回路と、平均値全波整流された電圧信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路とを備えている。また、ピークホールド回路4は、制御回路9から周期的に出力されるリセット信号SR の各周期時間(例えば10mS)における測定対象信号SM の最大値をピークホールドすると共に、その周期毎の各ピーク電圧VP を入力切替回路5に出力する。
【0021】入力切替回路5は、データ入力回路7から出力される切替制御信号SC2に従い、電圧変換および実効値変換された測定対象信号SM 、実効値信号SPR、並びにピーク電圧VP のいずれか1つを出力する。A/D変換器6は、入力切替回路5から出力される電圧信号をアナログ−ディジタル変換し、そのディジタルデータDD をデータ入力回路7に出力する。データ入力回路7は、A/D変換器6から出力されたディジタルデータDD をメモリ8に転送して記憶させる。具体的には、データ入力回路7は、測定対象信号SM 、実効値信号SPRおよびピーク電圧VP に対応する各ディジタルデータDD を、測定データ記憶領域8a、実効値データ記憶領域8bおよびピーク電圧データ記憶領域8cにそれぞれ記憶させる。制御回路9は、本発明におけるレンジ切替制御回路に相当し、制御信号SC1を出力してのレンジ切替器2に対する入力レンジ切替制御、リセット信号SR を出力してのピークホールド回路4に対するリセット処理、および後述するレンジ決定処理などを実行する。
【0022】次に、電流計1におけるオートレンジ機能実行時におけるレンジ決定処理について図2を参照して説明する。
【0023】このレンジ決定処理では、入力した測定対象信号SM の電圧値に応じて、制御回路9が、上記した6つの入力レンジから最適な入力レンジに決定する。まず、測定対象信号SM が入力されると、ピークホールド回路4が、測定対象信号SMのピーク電圧VP を検出し(ステップ11)、そのピーク電圧VP をピークホールドすると共に入力切替回路5に出力する。次いで、入力切替回路5が、データ入力回路7から出力される切替制御信号SC2に従いピーク電圧VP をA/D変換器6に出力する。次に、A/D変換器6が、ピーク電圧VP をアナログ−ディジタル変換したディジタルデータDD をデータ入力回路7に出力し、データ入力回路7が、そのディジタルデータDD をメモリ8のピーク電圧データ記憶領域8cに転送してピーク電圧データとして記憶させる。
【0024】一方、実効値変換回路3は、入力した測定対象信号SM を実効値に変換し(ステップ12)、その実効値信号SPRを入力切替回路5に出力する。次いで、入力切替回路5が、データ入力回路7から出力される切替制御信号SC2に従い実効値信号SPRをA/D変換器6に出力する。次に、A/D変換器6が、実効値信号SPRをアナログ−ディジタル変換したディジタルデータDD をデータ入力回路7に出力し、データ入力回路7が、そのディジタルデータDD をメモリ8の実効値データ記憶領域8bに転送して実効値データとして記憶させる。
【0025】さらに、レンジ切替器2が、直前に切替制御された入力レンジ、または初期設定時の入力レンジに応じた変換率で測定対象信号SM を電圧変換すると共に実効値に変換して入力切替回路5に出力する。次いで、入力切替回路5が、データ入力回路7から出力される切替制御信号SC2に従い、実効値に変換された測定対象信号SM をA/D変換器6に出力する。次に、A/D変換器6が、測定対象信号SM をアナログ−ディジタル変換したディジタルデータDD をデータ入力回路7に出力し、データ入力回路7が、そのディジタルデータDD をメモリ8の測定データ記憶領域8aに転送して記憶させる。
【0026】続いて、制御回路9が、ピーク電圧データ記憶領域8cに記憶されたピーク電圧データ、および実効値データ記憶領域8bに記憶された実効値データに基づいて、レンジ切替器2の入力レンジを決定する(ステップ13)。この際に、制御回路9は、最初に、ピーク電圧データ、およびメモリ8に記憶されている各入力レンジの上限値に基づいて、ピーク電圧の入力が許容される入力レンジを仮決定する。具体的には、制御回路9は、その上限値がピーク電圧の1/6の電圧よりも大きい入力レンジに仮決定する(第1の処理)。この際には、この要件を満たす入力レンジが複数存在することもある。この場合、ピーク電圧の入力が許容可能な最大の入力レンジから最小の入力レンジまでのいずれか1つに予め規定しておくこともできる。かかる場合には、最小の入力レンジに規定しておくことで、最も読取精度を高めることができる。
【0027】次いで、制御回路9は、実効値データ、およびメモリ8に記憶されている各入力レンジの定格電圧範囲に基づいて、測定対象信号SM の実効値に対して最適な入力レンジを仮決定する。具体的には、制御回路9は、その実効値データが定格電圧範囲内に収まる入力レンジに仮決定する(第2の処理)。この際にも、この要件を満たす入力レンジが複数存在することもある。
【0028】次いで、制御回路9は、第1の処理によって仮決定した入力レンジのうち、第2の処理によって仮決定した入力レンジにも該当する入力レンジが1つのみ存在するときには、その入力レンジに決定する。一方、この処理において複数存在するとき、例えば、実効値データが、1.2Aのときには、1A以下の入力レンジ(定格電流範囲が0.3A〜1.2A)と、2A以下の入力レンジ(定格電流範囲が0.6A〜2.4A)との2つが存在することがある。かかる場合には、制御回路9は、入力レンジの概ね90%以内となる入力レンジ(この例では2Aの入力レンジ)に決定する。これにより、測定対象信号SM の実効値が入力レンジの上限値を上下するような場合、2つの入力レンジの間での頻繁な切替えを防止することができる。また、上記処理においても、実効値データが0.8Aのときには、1A以下の入力レンジ(定格電流範囲が0.3A〜1.2A)と、2A以下の入力レンジ(定格電流範囲が0.6A〜2.4A)との2つが存在する。かかる場合には、制御回路9は、最小の入力レンジに決定する。これにより、例えばアナログメータによる表示部に測定対象信号SM の測定値を表示した際には、測定値の読取精度が最も高精度となる。
【0029】また、測定対象信号SM が、そのピーク電圧が大きく実効値が小さいパルス波形などのときには、第1の処理によって仮決定した入力レンジの中に、第2の処理によって仮決定した入力レンジが存在しないこともある。この際には、制御回路9は、第1の処理を優先し、かつ第1の処理によって仮決定した入力レンジのうち最小の入力レンジに決定する。この場合には、実効値データは、決定した入力レンジの30%未満となるが、レンジ切替器2内における測定対象信号SM の波形クリップを確実に防止することができる。
【0030】次いで、制御回路9は、ピークホールド回路4に対してリセット信号SR を出力することにより、ピークホールドを解除させる(ステップ14)。この後、制御回路9は、上記した処理を所定周期毎に繰り返し実行する。この結果、レンジ切替器2の入力レンジがオートレンジ機能によって自動的に決定され、かつ切替制御される。
【0031】このように、この電流計1によれば、上記処理を行うことにより、レンジ切替器2の入力レンジを1つずつ降順または昇順で切り替える方式と比較して、入力レンジが測定対象信号SM の電圧に最も適したレンジに直接的に切り替えられるため、短時間で最適な入力レンジに切り替えることができる。
【0032】なお、本発明は、電流計への適用に限らず、電圧計、電力計、マルチメータおよび波形記録計などの入力レンジを複数有する各種測定装置に適用することができるのは勿論である。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の測定装置によれば、レンジ切替制御回路が、検出されたピーク電圧の入力が許容可能な所定の入力レンジ(例えば最小の入力レンジ)を決定し、かつ入力レンジ切替器に対して、決定した所定の入力レンジに切替制御することにより、測定対象信号SM の電圧に適した入力レンジに直接的かつ短時間で切り替えることができ、これにより、測定時間を短縮することができると共に検査コストを低減することができる。
【0034】また、請求項2記載の測定装置によれば、レンジ切替制御回路が、入力レンジ切替器に対して第2の処理によって決定した入力レンジに切替制御することにより、測定対象信号の電圧が入力レンジの定格電圧範囲内に収まるため、読取精度が高く、しかも測定対象信号の電圧に最適な入力レンジに短時間で切り替えることができる。
【0035】また、請求項3記載の測定装置によれば、第1の処理によって決定した入力レンジに優先して、第1の処理によって決定した入力レンジに切替制御することにより、レンジ切替器内での測定対象信号の波形クリップを確実に防止することができる。
【0036】さらに、請求項4記載の測定装置によれば、レンジ切替制御回路が、入力レンジ切替器に対して、変換された実効値電圧がレンジ定格電圧の概ね90%以内となる入力レンジに切替制御することにより、測定対象信号の実効値が入力レンジの上限値を上下するような場合であっても、2つの入力レンジの間での頻繁な切替えを確実に防止することができ、これにより、例えば入力レンジが頻繁に切り替わることに起因しての表示手段の視認性低下を確実に防止することができる。
【0037】また、請求項5記載の測定装置によれば、レンジ切替制御回路が、入力レンジ切替器に対して決定した最小の入力レンジに切替制御することにより、例えばアナログメータによる表示部に測定対象信号の測定値を表示する際に、測定値の読取精度を最も高精度にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
【出願日】 平成11年7月29日(1999.7.29)
【代理人】 【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
【公開番号】 特開2001−41982(P2001−41982A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−214459